JPH09227811A - 記録液 - Google Patents

記録液

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JPH09227811A
JPH09227811A JP3665496A JP3665496A JPH09227811A JP H09227811 A JPH09227811 A JP H09227811A JP 3665496 A JP3665496 A JP 3665496A JP 3665496 A JP3665496 A JP 3665496A JP H09227811 A JPH09227811 A JP H09227811A
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JP
Japan
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ink
water
resin
diluent
container
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JP3665496A
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English (en)
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Toshio Fukuda
敏生 福田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 形成された画像の耐水性、耐光性を向上させ
ることが可能な記録液を提供する。 【解決手段】 被記録体上に吐出されて記録を行うため
に用いられる記録液に[2−ヒドロキシ−4−(メタク
リロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン]/メタクリ
ル酸メチル共重合体なる非水溶性樹脂を含有させる。い
わゆるキャリアジェット式のプリンタ装置に適用する場
合、希釈液2に上述の非水溶性樹脂を含有させておき、
被記録体上に吐出されるに際して、この希釈液2とイン
ク3とを定量混合して用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被記録体上に吐出され
て、記録を行うために用いられる記録液に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、特にオフィス等においてデスクト
ップパブリッシングと称されるコンピュータを使用した
文書作成が盛んに行われるようになってきており、最近
では文字や図形だけでなく、写真様のカラーの自然画像
を文字、図形とともに出力するといった要求も増加して
きている。そして、これに伴い、高品位な自然画像をプ
リントすることが要求され、中間調の再現が重要となっ
てきている。
【0003】また、プリンタ装置としては、記録信号に
応じて必要な時だけ記録液(具体的にはインク)の液滴
をノズルより吐出して紙、フィルム等の記録媒体(以
下、被記録体と称す。)に記録する、いわゆるオンデマ
ンド型のものが小型化、低コスト化が可能であることか
ら、近年急速に普及しつつある。
【0004】インクを吐出する方法としては、様々な方
法が提案されているが、ピエゾ素子を用いる方法または
発熱素子を用いる方法が一般的である。前者はピエゾ素
子の変形によりインクに圧力を加えて吐出させる方法で
あり、後者は、発熱素子によりインクを加熱沸騰させて
発生する泡の圧力でインクを吐出させる方法である。
【0005】そして、上述のインクを吐出するオンデマ
ンド型のプリンタ装置で中間調を再現するためには、様
々な方法が提案されている。第1の方法としてはピエゾ
素子あるいは発熱素子に与える電圧パルスの電圧やパル
ス幅を変化させて吐出する液滴サイズを制御し、印刷ド
ットの径を可変として階調を表現するものが挙げられ
る。なお、このとき、上記オンデマンド型のプリンタ装
置においては、電圧パルスの1パルスに対して1液滴の
吐出が行われる。
【0006】しかし、この第1の方法においては、ピエ
ゾ素子あるいは発熱素子に与える電圧やパルス幅を下げ
すぎるとインクが吐出しなくなるため、最小液滴径に限
界がある。このため、表現可能な階調段数が少なく、特
に低濃度の表現が非常に困難であるという欠点を有して
いる。
【0007】第2の方法としては、ドット径は変化させ
ずに1画素を例えば4×4のドットよりなるマトリクス
で構成し、このマトリクス単位でいわゆるディザ法を用
いて階調表現を行う方法が挙げられる。
【0008】しかし、この第2の方法においても、1画
素を4×4のマトリクスで構成した場合、17階調の濃
度を表現することができるが、例えば上記第1の方法と
同じドット密度で印刷した場合には解像度が1/4に劣
化することから、荒さが目立つ。
【0009】そこで、本発明者等は、インクを吐出する
に際し、インクと希釈液を定量混合した記録液を調製
し、この記録液中のインク濃度を変化させることによ
り、印刷されるドットの濃度を制御できるプリンタ装置
を提案した。これにより、解像度を劣化させることな
く、再現性よく自然画像をプリントアウトすることがで
きるようになった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、インクを吐
出することによってプリントアウトされた画像は、上述
したような吐出方法を適用することによって中間調の再
現性にも優れたものとなるが、定着性が十分であるとは
言えなかった。特に、耐水性、耐光性が弱いために、画
像にボケ等が発生するという不都合があった。
【0011】インクの染料としては、水溶性染料が一般
的に使用されており、印刷に際してこのような水溶性染
料からなるインクが被記録体に向けて吐出されると、イ
ンクの乾燥後には、水溶性染料がファンデルワールス力
や水素結合により被記録体上に保持されることによって
画像が定着する。したがって、水溶性染料に対して親和
力の大きい水等の溶媒が画像上に供給された場合には、
染料が溶出して画像のボケが発生してしまうのである。
【0012】また、被記録体上で画像を形成している水
溶性染料に対し、その染料と被記録体との間のファンデ
ルワールス力や水素結合を打ち消すだけの熱エネルギー
や光エネルギーが供給された場合にも染料が移動し、画
像のボケが発生してしまう。
【0013】さらに、画像を形成している染料の耐光性
が弱い場合には、紫外線等の光に暴露されることによっ
ても、染料分子自体が破壊されて画像が退色、変色ある
いは濃度低下をきたす。
【0014】画像の耐水性を改善する方法としては、被
記録体として耐水化処理(サイジング)した紙を使用す
る方法や被記録体に樹脂を塗布する方法が検討されてい
る。なお、上記樹脂としては、水溶性染料による画像形
成を可能とするべく、親水性樹脂が使用される。
【0015】また、画像の耐光性を改善する方法として
は、染料として特定の基本骨格のものを選択したり、染
料分子の側鎖に特定の置換基を導入する等して染料の分
子構造を限定する試みがなされている。
【0016】しかしながら、上記のように画像の耐水性
を向上させるべく、被記録体として耐水化処理した紙を
使用すると、インクの吸収率が悪くなってしまい、画像
の定着に要する時間が長くなるという問題がある。
【0017】また、親水性樹脂を塗布した被記録体を使
用すると、インクの吸収は良好となるものの、ドット径
が大きくなるあるいはドットのエッジがぼけるといった
問題が発生する。さらに、上記親水性樹脂は当然のこと
ながら耐水性が良好ではなく、画像の耐水性を十分とす
ることは難しい。
【0018】さらにまた、染料の分子構造を限定する試
みにおいても、まだ十分な効果は得られていない。
【0019】そこで本発明は、従来の実情に鑑みて提案
されたものであり、形成された画像の耐水性、耐光性を
向上させることが可能な記録液を提供することを目的と
する。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明者等が鋭意検討した結果、記録液に所定の分子
構造を有する非水溶性樹脂を含有させることによって、
耐水性、耐光性に優れた画像を形成できるようになるこ
とを見い出した。
【0021】即ち、本発明に係る記録液は、被記録体上
に吐出されて記録を行うために用いられるものであっ
て、下記の化2に示される[2−ヒドロキシ−4−(メ
タクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン]/メタ
クリル酸メチル共重合体(非水溶性樹脂)が含有される
ものである。
【0022】
【化2】
【0023】この化2の非水溶性樹脂を含有させる記録
液は、インクのみよりなるものであってもよいが、被記
録体上に吐出されるに際してインクと希釈液とが定量混
合されることによって調製されたものであって好適であ
る。このような記録液を用いれば、該記録液中のインク
濃度を変化させることによって印刷されるドット濃度を
制御できるため、解像度を劣化させることなく自然画像
をプリントアウトすることができる。
【0024】そして、希釈液に化2の非水溶性樹脂を含
有させるに際しては、これを単独で用いても、これと相
溶性のある他の樹脂と併用してもよい。いずれにして
も、化2における[2−ヒドロキシ−4−(メタクリロ
イルオキシエトキシ)ベンゾフェノン]部分(以下、ベ
ンゾフェノン成分含有部分と称す。)が希釈液全体量に
対して1重量%以上となるように用いて好適である。ベ
ンゾフェノン成分含有部分の含有量がこれより少ない
と、形成された画像の耐水性、耐光性を向上させる効果
が発揮されない。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した実施の形
態について説明するに先んじて、本発明に係る記録液を
用いて記録を行うプリンタ装置について説明する。な
お、このプリンタ装置は、いわゆるオンデマンド型のプ
リンタ装置であり、インクを定量側に、希釈液を吐出側
に設け、これらを混合した記録液を記録紙等に吐出す
る、いわゆるキャリアジェット式のプリンタ装置であ
る。ここでは、インクあるいは希釈液の定量手段として
ピエゾ素子を用いた例について述べる。
【0026】このプリンタ装置は、図1に示すようにノ
ズルを有するオリフィスプレート1とこれに接続され、
内部に希釈液2が充填される希釈液収容容器4及び内部
にインク3が充填されるインク収容容器5により構成さ
れる。
【0027】上記オリフィスプレート1は、図2に示す
ように、第1のプレート11と、第2のプレート12
と、第3のプレート13とからなり、この第3のプレー
ト13を厚み方向より第1のプレート11と第2のプレ
ート12によって挟み込んで積層した、いわゆる積層プ
レートとして形成されている。
【0028】そして、第1のプレート11、言い換えれ
ば積層プレートの一方の面1aには、希釈液供給口2
1、インク供給口22が設けられ、第2のプレート1
2、言い換えれば積層プレートの他方の面1bには、上
記供給口21、22からそれぞれ供給される希釈液とイ
ンクを混合した記録液を吐出するノズル23が形成され
ている。
【0029】さらに第3のプレート13は、第1のプレ
ート11と第2のプレート12の間に設けられている。
この第3のプレート13は、ドライフィルムレジストか
らなり、プレートの内面方向に流路24を有している。
かかる流路24は、希釈液供給口21、インク供給口2
2とそれぞれ接続されると共に、ノズル23とも接続す
るようになされている。
【0030】なお、希釈液供給口21、インク供給口2
2は、図3にオリフィスプレートの該供給口21、22
が設けられる面1aとは反対側の面1bから見た平面図
に示すように、円形の貫通孔として、第1のプレート1
1に形成されている。なお、かかる供給口21、22
は、必ずしも円形の貫通孔でなくてもよく、例えば楕円
形状あるいは矩形形状であっても構わない。
【0031】またノズル23は、希釈液供給口21と相
対向する位置に設けられ、希釈液供給口21の開口径よ
りも大きな開口径を有した円形の貫通孔として形成され
ている。なお、ノズル23の開口径は、希釈液供給口2
1の開口径と同じであってもよい。また、ノズル23
も、供給口21、22と同じく円形の貫通孔でなくても
よく、例えば楕円形状あるいは矩形形状であっても構わ
ない。
【0032】さらに流路24は、図3中に示すように、
ノズル23と対向しないインク供給口22よりノズル2
3へ向かって次第にその幅が狭まるようなテーパー形状
とされている。なお、流路24は、ストレート形状であ
っても構わない。
【0033】次に、上記オリフィスプレート1と接続さ
れる希釈液収容容器4、インク収容容器5について述べ
る。
【0034】上記希釈液収容容器4は図1中に示すよう
に、内部に略箱状の空洞部6を有する容器であり、空洞
部6の上面にあたる開口6aが上記オリフィスプレート
1の希釈液供給口21に接続されている。またインク収
容容器5も同様に内部に略箱状の空洞部7を有する容器
であり、空洞部7の上面にあたる開口7aがインク供給
口22に接続されている。
【0035】また、上記希釈液収容容器4の空洞部6の
開口6aに対向する底面6b側には該空洞部6と接続さ
れ、外部とも接続される貫通孔8が設けられ、インク収
容容器5の空洞部7の開口7aに対向する底面7b側に
も該空洞部7と接続され、外部とも接続される貫通孔9
が設けられている。
【0036】従って、このプリンタ装置においては、貫
通孔8、空洞部6、希釈液供給口21が接続されて希釈
液2が充填される貫通孔が形成されることとなる。一
方、貫通孔9、空洞部7、インク供給口22、流路24
も接続されてインク3が充填される貫通孔が形成される
こととなる。
【0037】そして、上記の液体収容容器4、5には、
圧電素子としてピエゾ素子31、32がそれぞれ設けら
れる。かかるピエゾ素子31、32は、これに供給され
る信号により変形し、その変形時における圧力により液
体収容容器4、5内の圧力をそれぞれ変化させるもので
ある。
【0038】従って、上述のようなプリンタ装置により
印刷を行う場合には、先ず、図1中に示すように、イン
ク供給口22から供給されるインク3を毛細管現象によ
り流路24に充填して流路24の先端部24aにメニス
カスM2 を形成し、希釈液供給口21から供給される希
釈液2によるメニスカスM1 を毛細管現象により希釈液
供給口21の先端部21aに形成する。
【0039】次に、インク3が充填されるインク収容容
器5に設けられるピエゾ素子32に電圧パルスを与えて
該インク収容容器5に圧力を加え、空洞部7の圧力を高
めると共に流路24内の圧力P2を上昇せしめる。その
結果、図4に示すように、インク3のメニスカスM2
は、混合室となるノズル23側へと移動し、インク3が
ノズル23内へと押し出される。なお、このとき、イン
ク3の押し出される量は、ピエゾ素子32によりインク
収容容器5に与えられる圧力の大きさによって制御さ
れ、ピエゾ素子32に供給される電圧パルスの電圧値ま
たはパルス幅によって制御されることとなる。
【0040】そして、圧力P2の上昇量及び上昇時間を
調整することにより、インク3のメニスカスM2 は、図
5に示すように、希釈液2のメニスカスM1 とノズル2
3内において接触することとなる。その結果、ノズル2
3内において、希釈液2とインク3が混合した記録液1
0が生成されることとなる。
【0041】次に、インク収容容器5に設けられるピエ
ゾ素子32へ供給する電圧パルスをもとの値に戻す。す
ると、流路24内のインク3の圧力上昇が存在しない場
合においては、インク3のメニスカスM2 は、希釈液2
のメニスカスM1 と接触しない位置に存在することが安
定であるので、図6に示すように、流路24側に後退
し、希釈液2と分離され、最終的には流路24の先端部
24aに形成される。そして、図7に示すように、ノズ
ル23内部においては、中間濃度を有した記録液10が
形成される。
【0042】次に、希釈液2が充填される希釈液収容容
器4に設けられるピエゾ素子31に電圧パルスを与えて
希釈液収容容器4に圧力を加え、空洞部6の圧力を高め
ると共に希釈液供給口21内の圧力P1を上昇せしめ
る。すると、記録液10がノズル23側へ向かって移動
することとなる。ここで、希釈液供給口21内の圧力P
1、言い替えれば希釈液2の圧力を増大すると、記録液
10は、図8に示すように、ノズル23より大気中に吐
出され、このノズル23と対向して設けられる被記録体
である記録紙(図示は省略する。)に付着する。この一
方、希釈液2が供給される希釈液供給口21には、新た
な希釈液2のメニスカスM1 が生成されることとなる。
なお、このとき、上記プリンタ装置においては、圧力を
加える圧力パルスとなる電圧パルスの1パルスに対して
記録液の1液滴が吐出される。
【0043】なお、上述のプリンタ装置における一連の
動作は一例であり、各動作のタイミングや状態、例えば
記録液の形状、充填動作等は供給口やノズルの大きさ等
の構造的要素、インクや希釈液の粘性や表面張力等の物
理的要素、吐出周波数等の動作条件によって変化する。
【0044】以上のようなプリンタ装置においては、イ
ンク3の圧力P2の上昇量及び上昇時間、すなわち、ピ
エゾ素子32に与える電圧パルスの電圧値あるいはパル
ス幅を調節することにより、記録液10に含まれるイン
ク3の混合比率、すなわちインク濃度を調節することが
でき階調表現が可能となる。
【0045】ところで、本実施の形態においては、以上
のようなプリンタ装置に充填される希釈液2として、下
記の化3に示される[2−ヒドロキシ−4−(メタクリ
ロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン]/メタクリル
酸メチル共重合体(非水溶性樹脂)が含有されるものを
用いる。
【0046】
【化3】
【0047】希釈剤に化3に示される非水溶性樹脂を含
有させると、形成された画像の耐水性、耐光性を向上さ
せることができる。
【0048】化3の非水溶性樹脂は、単独で用いられて
も、これと相溶性のある他の樹脂と併用されてもよく、
例えば、アクリル系樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチレン系
樹脂等のエマルジョンと併用可能である。いずれにして
も、化3におけるベンゾフェノン成分含有部分が希釈液
全体量に対して1重量%以上となるように用いて好適で
ある。
【0049】上述の非水溶性樹脂を含有する希釈液は、
水を主体とするものであって好適であり、各種水溶性有
機溶剤を含有するものであってもよい。水溶性有機溶剤
としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等の低級ア
ルコール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジオ
キサン等のエーテル類、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリ
コール、チオジグリコール等のアルキレングリコール
類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコー
ルジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル
類、グリセリン等が挙げられる。
【0050】また、水溶性有機溶剤を脂肪族一価アルコ
ールを含有するものとすれば、希釈液の印画紙等の被記
録体への浸透性や形成される画像の乾燥性が向上する。
上記脂肪族一価アルコールとしては、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等
が使用し易いと思われる。また、この中でも、イソプロ
ピルアルコールが他のアルコールと比較して適度の乾燥
性を有し、臭気が少なく、ドット形成性を高めることが
可能であり好ましい。
【0051】さらに、水溶性有機溶剤を多価アルコール
またはその誘導体を含有するものとすれば、プリンタ装
置の目詰まりを防止し、希釈液の保存性も向上する。上
記多価アルコールの誘導体の中でも、多価アルコールの
アルキルエーテル誘導体は、高沸点溶媒であり、吸湿性
があることからプリンタ装置の目詰まりを防止する効果
に優れる。さらに、ジエチレングリコール、グリセリン
等は、インクの染料の良好な溶剤となる他、水の氷点を
低下させる効果を有することから希釈液の保存性を向上
させる効果に優れる。
【0052】また、希釈液には、非水溶性有機溶剤また
は、水と非水溶性有機溶剤からない分散媒体が含有され
てもよい。その他、モノ、ジ、トリエタノールアミン等
のアルコールアミン類、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド等のアミド類、アセトン、メチルエチル
ケトン等のケトン類、ジオキサン等のエーテル類、各種
界面活性剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、p
H調整剤等が含有されても良い。
【0053】例えば、界面活性剤としては、アルキル硫
酸エステル塩類、アルキルエーテル硫酸エステル塩類等
のアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類等の界
面活性剤が挙げられる。その添加量は、希釈液の組成や
界面活性剤の構造により異なるが、希釈液全重量に対
し、0.01重量%〜5重量%が適量である。
【0054】また、記録液のpHは、インクの接する部
分、言い替えればプリンタ装置を構成する材料に影響を
及ぼし、また、インク自体の安定性にも影響を及ぼすこ
とから、pH調整剤は、記録液のpHが7.0〜11程
度となるように用いて好適であり、7.5〜9.0程度
のややアルカリ性を示す程度に添加することがより好ま
しい。
【0055】なお、本実施の形態では、インクあるいは
希釈液の定量にピエゾ素子を使用したプリンタ装置に、
本発明に係る記録液を用いる例について述べたが、イン
クあるいは希釈液の定量に発熱素子を使用したプリンタ
装置に適用してもよいことは言うまでもない。また、こ
のようなキャリアジェット式のプリンタ装置に適用する
代わりに、定量側に希釈液を、吐出側にインクを設け、
これらを混合して吐出させる、いわゆるインクジェット
式のプリンタ装置に適用してもよい。また、インクの希
釈することなく吐出する方式のプリンタ装置に適用して
もよい。この場合インク内に上述した化4の非水溶性樹
脂を含有させればよい。
【0056】
【実施例】ここで、実際に様々な希釈液を使用し、前述
したキャリアジェット式のプリンタ装置を用いて画像を
形成し、この画像の特性を調査した。
【0057】実施例1 先ず、下記の化4に示される[2−ヒドロキシ−4−
(メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン]/
メタクリル酸メチル共重合体(非水溶性樹脂、BASF
社製、商品名:UVA−383MA、固形分30%)に
水を加えて、固形分を3%に調整することにより希釈液
を得た。これを実施例1の希釈液サンプルとする。
【0058】
【化4】
【0059】実施例2 次に、実施例1にて用いたと同様の非水溶性樹脂に水を
加えて、固形分を20%に調整することにより希釈液を
得た。これを実施例2の希釈液サンプルとする。
【0060】比較例1 比較のために、ポリウレタンエマルジョン(第一工業製
薬社製、商品名:スーパースレックス300)を希釈液
として用意した。これを比較例1の希釈液サンプルとす
る。
【0061】比較例2 ここでは、ポリスチレンエマルジョン(日本ゼオン社
製、商品名:NipolLX410)50重量%と水5
0重量%とを混合して希釈液とした。これを比較例2の
希釈液サンプルとする。
【0062】比較例3 ここでは、水100重量%を希釈液とした。これを比較
例3の希釈液サンプルとする。
【0063】比較例4 ここでは、水70重量%、イソプロピルアルコール10
重量%、エチレングリコール20重量%を混合して希釈
液とした。これを比較例4の希釈液サンプルとする。
【0064】特性の評価 上述した各希釈液サンプルを使用し、実施の形態に示し
たキャリアジェット式のプリンタ装置によって画像形成
を行い、画像の耐水性と耐光性の評価を行った。
【0065】なお、インクとしては、下記の3種類のサ
ンプルを用意した。即ち、ヒューレットパッカード社製
のプリンタ装置(商品名:DESKJET1200C)
のインクカートリッジよりイエロー(以下、Yと称す
る。)、マゼンタ(以下、Mと称する。)、シアン(以
下、Cと称する。)の各色のインクを取り出し、これを
インクサンプル1とした。また、エプソン社製のプリン
タ装置(商品名:MJ−700V2C)のインクカート
リッジよりY、M、Cの各色のインクを取り出し、これ
をインクサンプル2とした。さらに、Yの染料として
C.Iアシッドイエロー23、Mの染料としてC.Iア
シッドレッド52、Cの染料としてC.Iアシッドブル
ー9を用い、これら染料3重量%と、ジエチレングリコ
ール14重量%、イソプロピルアルコール3重量%、水
80重量%を混合して各色のインクを得、インクサンプ
ル3とした。
【0066】そして、実施の形態に示したプリンタ装置
を用い、希釈液2として実施例1、2、比較例1〜4の
各希釈液サンプルを、インク3としてインクサンプル1
〜3の各色を使用して、前述したプリンタ装置を用いて
各色の画像形成を行い、各画像について耐水性の評価を
行った。なお、被記録体としては市販の普通紙を用い
た。
【0067】耐水性の評価は、画像形成された各被記録
体を、画像形成面が水と接触するようにして蒸留水中に
3時間浸漬し、染料の滲みや溶出を目視にて検査するこ
とによって行った。水中への染料の溶出がなく、画像の
滲みも見られない場合を○、水中への染料の溶出はない
が、画像の滲みが観察された場合を△、水中への染料の
溶出が生じている場合を×として評価した結果を表1に
示す。
【0068】
【表1】
【0069】また、被記録体として市販のインクジェィ
ット用紙を用いた以外は、同様にして各色の画像形成を
行った後、各画像について耐光性の評価も行った。
【0070】耐光性の評価は、各被記録体の画像に対
し、キセノンアークフェードメータ(スガ試験機社製)
を用いてキセノン光を30000kJ/m2 で照射し、
反射濃度の残存率を測定することによって行った。な
お、反射濃度の残存率は、キセノン光の照射前後でマク
ベス濃度計(商品名:TR−924)を用いて濃度測定
を行い、下記の式(1) (照射後の反射濃度)/(照射前の反射濃度)×100 ・・・(1) によって算出した。この結果を表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】表1、表2の結果を見てわかるように、ポ
リウレタンエマルジョンあるいはポリスチレンエマルジ
ョンを含有する比較例1、比較例2の希釈液サンプルを
用いて形成された画像は、耐水性には優れたものとなる
が、耐光性に劣る。また、水あるいはこれに水溶性有機
溶剤が添加されてなる比較例3、比較例4の希釈液サン
プルを用いて形成された画像は、耐水性および耐光性と
もに満足できるものではなかった。これに対して、化4
に示される非水溶性樹脂を含有する実施例1、実施例2
の希釈液サンプルを使用した場合には、耐水性および耐
光性ともに優れた画像を形成できることがわかった。
【0073】したがって、実施例1、実施例2の希釈液
サンプルを用いて形成された画像であれば、従来のイン
クジェット方式あるいはキャリアジェット方式のプリン
タ装置により形成された画像が適さなかった分野、例え
ば屋外展示用のポスターや高度の定着性が要求される証
明写真等の分野にも適用できる可能性も高い。
【0074】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る記録液を用いることによって、耐水性や耐光性
に優れた画像を形成することができるようになる。
【0075】このため、本発明に係る記録液を用いて形
成された画像は、従来のインクジェット方式あるいはキ
ャリアジェット方式のプリンタ装置により形成された画
像が適さなかった分野にも適用可能となり、その工業的
価値は非常に高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】プリンタ装置の一構成例を示す要部概略断面図
である。
【図2】プリンタ装置のオリフィスプレートを拡大して
示す要部概略断面図である。
【図3】プリンタ装置のオリフィスプレートを拡大して
示す要部概略平面図である。
【図4】プリンタ装置の動作を順に示すものであり、オ
リフィスプレートにメニスカスが形成されている状態を
模式的に示す断面図である。
【図5】プリンタ装置の動作を順に示すものであり、イ
ンクのメニスカスが希釈液のメニスカスに接触した状態
を模式的に示す断面図である。
【図6】プリンタ装置の動作を順に示すものであり、イ
ンクのメニスカスが後退して希釈液と分離された状態を
模式的に示す断面図である。
【図7】プリンタ装置の動作を順に示すものであり、ノ
ズル内部に記録液が形成された状態を模式的に示す断面
図である。
【図8】プリンタ装置の動作を順に示すものであり、記
録液が吐出された状態を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 オリフィスプレート 2 希釈液 3 インク 4 希釈液収容容器 5 インク収容容器 10 記録液 21 希釈液供給口 22 インク供給口 23 ノズル 24 流路 31、32 ピエゾ素子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録体上に吐出されて記録を行うため
    に用いられる記録液であって、 下記の化1に示される非水溶性樹脂が含有されているこ
    とを特徴とする記録液。 【化1】
  2. 【請求項2】 被記録体上に吐出されるに際してインク
    と希釈液とが定量混合されることによって調製されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の記録液。
  3. 【請求項3】 前記非水溶性樹脂は、前記希釈液中に含
    有されていることを特徴とする請求項2記載の記録液。
JP3665496A 1996-02-23 1996-02-23 記録液 Withdrawn JPH09227811A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003221539A (ja) * 2002-01-30 2003-08-08 Dainippon Ink & Chem Inc 印刷インキ用バインダー

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JP2003221539A (ja) * 2002-01-30 2003-08-08 Dainippon Ink & Chem Inc 印刷インキ用バインダー

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Effective date: 20030506