JPH09235500A - 希釈液 - Google Patents

希釈液

Info

Publication number
JPH09235500A
JPH09235500A JP4380496A JP4380496A JPH09235500A JP H09235500 A JPH09235500 A JP H09235500A JP 4380496 A JP4380496 A JP 4380496A JP 4380496 A JP4380496 A JP 4380496A JP H09235500 A JPH09235500 A JP H09235500A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
liquid
weight
ink
diluent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4380496A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Fukuda
敏生 福田
Masato Ando
真人 安藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP4380496A priority Critical patent/JPH09235500A/ja
Publication of JPH09235500A publication Critical patent/JPH09235500A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特別な工程を増やすこと無く、画像の耐久
性、特に耐光退色性を向上させる。 【解決手段】 少なくとも所定の構造を有するベンゾフ
ェノン系化合物を含有する希釈液とインクを定量混合し
た後、これらの混合液滴を吐出して被記録材上に被着さ
せる。なお、希釈液中のベンゾフェノン系化合物の割合
が0.1重量%〜10重量%であることが好ましい。さ
らに、希釈液中にヒンダートフェノール系化合物、チオ
エーテル系化合物、ヒンダートアミン系化合物のうちの
少なくとも1種類も含有させることが好ましい。そし
て、ベンゾフェノン系化合物の重量をa、ヒンダートフ
ェノール系化合物及び/又はチオエーテル系化合物の重
量をb、ヒンダートアミン系化合物の重量をcとする
と、a:b:cが5:5:1〜1:1:1であることが
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクと希釈液を
定量混合した後、これらの混合液滴を吐出して被記録材
上に被着させる記録方法に使用される希釈液に関する。
詳しくは、ベンゾフェノン系化合物等を含有させること
により、記録画像の耐光退色性を向上させることを可能
とする希釈液に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、特にオフィス等においてデスクト
ップパブリッシングと称されるコンピュータを使用した
文書作成が盛んに行われるようになってきており、最近
では文字や図形だけでなく、写真様のカラーの自然画像
を文字,図形とともに出力するといった要求も増加して
きている。そして、これに伴い、高品位な自然画像をプ
リントすることが要求され、中間調の再現が重要となっ
てきている。
【0003】また、記録信号に応じて印刷時に必要な時
だけインク液滴をノズルより吐出して紙,フィルム等の
被記録材に記録する、いわゆるオンデマンド型のプリン
タ装置は、小型化,低コスト化が可能なため、近年急速
に普及しつつある。
【0004】このように、インク液滴を吐出する方法と
しては、様々な方法が提案されているが、ピエゾ素子を
用いる方法または発熱素子を用いる方法が一般的であ
る。前者はピエゾ素子の変形によりインクに圧力を加え
て吐出させる方法である。後者は、発熱素子によりイン
クを加熱沸騰させて発生する泡の圧力でインクを吐出さ
せる方法である。
【0005】そして、上記のような中間調を上述のイン
ク液滴を吐出するオンデマンド型のプリンタ装置で再現
する方法としては、様々な方法が提案されている。すな
わち、第1の方法としてはピエゾ素子或いは発熱素子に
与える電圧パルスの電圧やパルス幅を変化させて吐出す
る液滴サイズを制御し、印刷ドットの径を可変として階
調を表現するものが挙げられる。なお、このとき、上記
オンデマンド型のプリンタ装置においては、上記電圧パ
ルスの1パルスに対して1液滴の吐出が行われる。
【0006】しかし、上記第1の方法においては、ピエ
ゾ素子或いは発熱素子に与える電圧やパルス幅を下げす
ぎるとインクが吐出しなくなるため最小液滴径に限界が
あり、表現可能な階調段数が少なく、特に低濃度の表現
が非常に困難であるという欠点を有している。従って、
自然画像のプリントアウトには不満足なものである。
【0007】また、第2の方法としては、ドット径は変
化させずに1画素を例えば4×4のドットよりなるマト
リクスで構成し、このマトリクス単位でいわゆるディザ
法を用いて階調表現を行う方法が挙げられる。
【0008】しかし、この第2の方法においても、1画
素を4×4のマトリクスで構成した場合、17階調の濃
度を表現することができるが、例えば上記第1の方法と
同じドット密度で印刷した場合には解像度が1/4に劣
化してしまい、荒さが目立つため、これも自然画像のプ
リントアウトには不満足なものである。
【0009】そこで、本発明者等は、インクを吐出する
際にインクと希釈液を混合することにより、吐出される
インク液滴の濃度を変化させ、印刷されるドットの濃度
を制御することを可能にし、解像度の劣化を発生させる
ことなく自然画像をプリントアウトするプリンタ装置を
提案してきた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
プリンタ装置においても、インクとして水溶性の直接染
料や酸性染料が主に使用される。一方、被記録材とし
て、支持体上に染料受容層の形成された印画紙を使用す
るのが一般的であり、この染料受容層には、染料との親
和性に優れた水溶性高分子、有機若しくは無機填料、そ
の他補助的物質が染料浸透性や画像のにじみを制御する
べく配合されている。
【0011】そして、上記インク中の染料は、直接染料
の染色理論に代表されるように染料受容層に移行した後
においては、染料受容層成分とのファンデルワールス
力、水素結合等の相互作用をすることによって受容層中
に保持されている。一方、酸性染料は一般的に分子量が
小さく、水溶性が大きいと言われている。
【0012】従って、これらのことから、上記のような
染料を含むインクにより形成される記録画像が形成され
る印画紙表面に水が付着すると、染料が流れ出すことも
あり、その耐久性は良好ではない。
【0013】また、記録画像を形成している染料が紫外
線等の光に暴露された場合には染料分子自体が破壊され
て記録画像が退色、変色或いは濃度低下をきたすことが
ある。このため、このような染料を含むインクで形成さ
れた記録画像は耐光退色性が低く、その耐久性は良好で
はない。上記のようにして形成された記録画像において
は、耐光退色性は特に重要な特性であり、これを確保す
ることは重要な課題である。
【0014】これらの不都合を解消するべく、様々な手
段が講じられている。すなわち、光透過性を有するポリ
エステル等よりなるフィルムの一主面側に公知の接着剤
よりなる接着層を設けたカバーフィルムを印画紙の記録
画像形成面上に貼り付けて記録画像の耐水性や耐擦過性
を付与するようにしたり、上記カバーフィルム内に例え
ば有機系紫外線吸収剤等を含有させるようにして記録画
像の光退色を軽減するようにしている。
【0015】しかしながら、このようなカバーフィルム
を印画紙の記録画像上に配するには、当該カバーフィル
ムを貼り付ける工程が新たに必要となり、またこの工程
を行うための設備等が必要となり、生産性の低下を招
く。
【0016】そこで本発明は、従来の実情に鑑みて提案
されたものであり、特別な工程を増やすこと無く、記録
画像の耐久性、特に耐光退色性を向上させることを可能
とする希釈液を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明者等は鋭意検討した結果、インクと定量混合
された後、吐出される希釈液中に所定の構造を有するベ
ンゾフェノン系化合物を含有させることにより、染料に
より形成される記録画像の耐光退色性を向上させること
が可能であることを見い出した。
【0018】また、本発明者等は、希釈液中にベンゾフ
ェノン系化合物とともに、ヒンダートフェノール系化合
物、チオエーテル系化合物、ヒンダートアミン系化合物
のうちの少なくとも1種類を含有させることにより、画
像の耐光退色性をさらに向上させることが可能であるこ
とを見い出した。
【0019】すなわち、本発明の希釈液は、インクと希
釈液を定量混合した後、これらの混合液滴を吐出して被
記録材上に被着させる記録方法に使用される希釈液にお
いて、少なくとも下記化2で示される構造を有するベン
ゾフェノン系化合物を含有することを特徴とするもので
ある。
【0020】
【化2】
【0021】なお、上記ベンゾフェノン系化合物は、
0.1重量%〜10重量%の割合で希釈液中に含有され
ていることが好ましい。ベンゾフェノン系化合物の含有
量が0.1重量%未満であると、記録画像の耐光退色性
を向上させる効果が弱く、10重量%よりも多いと、ベ
ンゾフェノン系化合物の希釈液中での分散性が低下し、
好ましくない。
【0022】上記ベンゾフェノン系化合物を具体的に例
示すると、化3に示されるような構造を有するシプロ化
成(株)社製のSEESORB 100(商品名)、化
4に示されるような構造を有するシプロ化成(株)社製
のSEESORB 101(商品名)、化5に示される
ような構造を有するシプロ化成(株)社製のSEESO
RB 101S(商品名)、化6に示されるような構造
を有するシプロ化成(株)社製のSEESORB 10
2(商品名)、化7に示されるような構造を有するシプ
ロ化成(株)社製のSEESORB 103(商品名)
が挙げられる。
【0023】
【化3】
【0024】
【化4】
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】その他にも、化8に示されるような構造を
有するBASF(株)社製のUvinul D49(商
品名)、化9に示されるような構造を有するBASF
(株)社製のUvinul D50(商品名)、化10
に示されるような構造を有するBASF(株)社製のU
vinul DS49(商品名)、或いは化11に示さ
れるような構造を有する共同薬品(株)社製のVios
orb 112(商品名)、化12に示されるような構
造を有するシプロ化成(株)社製のSEESORB 1
05(商品名)等が挙げられる。
【0029】
【化8】
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】
【化12】
【0034】また、本発明の希釈液においては、ヒンダ
ートフェノール系化合物、チオエーテル系化合物、ヒン
ダートアミン系化合物のうちの少なくとも1種類を含有
することが好ましい。
【0035】そして、本発明の希釈液においては、希釈
液中のベンゾフェノン系化合物の重量をa、ヒンダート
フェノール系化合物及び/又はチオエーテル系化合物の
重量をb、ヒンダートアミン系化合物の重量をcとする
と、a:b:cが5:5:1〜1:1:1であることが
好ましい。ヒンダートフェノール系化合物、チオエーテ
ル系化合物、ヒンダートアミン系化合物の重量があまり
少ないと、ベンゾフェノン系化合物の働きを補助する効
果が低く、ヒンダートフェノール系化合物、チオエーテ
ル系化合物、ヒンダートアミン系化合物の重量があまり
多いと希釈液の安定性を損なうため、これら化合物の重
量の比は、上述のような範囲とされることが好ましく、
この範囲であれば、ヒンダートフェノール系化合物、チ
オエーテル系化合物、ヒンダートアミン系化合物がベン
ゾフェノン系化合物の働きを補助する効果が十分に得ら
れる。
【0036】なお、本発明の希釈液においては、水を含
有することが好ましい。
【0037】上記ヒンダートフェノール系化合物を具体
的に例示すると、化13に示すような構造を有するチバ
ガイギー(株)社製のIRGANOX 245(商品
名)、化14に示すような構造を有するチバガイギー
(株)社製のIRGANOX 259(商品名)、化1
5に示すような構造を有するチバガイギー(株)社製の
IRGANOX 565(商品名)、化16に示すよう
な構造を有するチバガイギー(株)社製のIRGANO
X 1010(商品名)、化17に示すような構造を有
するチバガイギー(株)社製のIRGANOX 103
5(商品名)、化18に示すような構造を有するチバガ
イギー(株)社製のIRGANOX 1076(商品
名)、化19に示すような構造を有するチバガイギー
(株)社製のIRGANOX 1098(商品名)、化
20に示すような構造を有する住友化学(株)社製のS
umilizer GA80(商品名)等が挙げられ
る。
【0038】
【化13】
【0039】
【化14】
【0040】
【化15】
【0041】
【化16】
【0042】
【化17】
【0043】
【化18】
【0044】
【化19】
【0045】
【化20】
【0046】また、上記チオエーテル系化合物を具体的
に例示すると、化21に示すような構造を有する旭電化
工業(株)社製のアデカスタブ A0−23(商品
名)、化22に示すような構造を有する旭電化工業
(株)社製のアデカスタブ A0−412S(商品
名)、化23に示すような構造を有する旭電化工業
(株)社製のアデカスタブ A0−503A(商品
名)、化24に示すような構造を有するシプロ化成
(株)社製のSEENOX B.C.S(商品名)等が
挙げられる。
【0047】
【化21】
【0048】
【化22】
【0049】
【化23】
【0050】
【化24】
【0051】さらに、上記ヒンダートアミン系化合物を
具体的に例示すると、化25に示すような構造を有する
チバガイギー(株)社製のTINUVIN 622L
D、化26に示すような構造を有するチバガイギー
(株)社製のTINUVIN 944LD、化27に示
すような構造を有するチバガイギー(株)社製のTIN
UVIN 119FL、化28に示すような構造を有す
るチバガイギー(株)社製のTINUVIN 770D
F、化29に示すような構造を有するチバガイギー
(株)社製のTINUVIN 114等が挙げられる。
【0052】
【化25】
【0053】
【化26】
【0054】
【化27】
【0055】
【化28】
【0056】
【化29】
【0057】ところで、上述したようなプリンタ装置に
おいては、記録画像におけるインクの定着性や滲みの発
生の抑制、プリンタ装置における吐出安定性等の更なる
向上も要求されている。
【0058】特に、希釈液として界面活性剤を添加した
水等を使用した場合においては、印画紙等の被記録材へ
の浸透性は良好でありインクの定着性は確保されるもの
の、普通紙上において不定形または不規則な滲みを形成
することがあり、記録画像の品質を損なってしまうこと
があった。
【0059】そこで本発明者等は、さらに鋭意検討を重
ねた結果、希釈液中に水溶性有機溶剤を含有させれば、
画像におけるインクの定着性や滲みの発生の抑制、プリ
ンタ装置における吐出安定性等の更なる向上が可能であ
ることを見い出した。
【0060】すなわち、本発明の希釈液においては、水
溶性有機溶剤を含有することが好ましく、その含有量は
1重量%〜80重量%であることが好ましい。水溶性有
機溶剤の含有量を1重量%以上とすることにより、印画
紙等の被記録材への浸透性を大幅に向上することが可能
である。また、水溶性有機溶剤の含有量が80重量%よ
りも多いと、印画紙等の被記録材への浸透性は非常に良
好であるものの、被記録材に付着した後の乾燥性が低下
し、好ましくない。
【0061】さらに、このような水溶性有機溶剤の中の
揮発性溶剤が占める割合が多くなると、プリンタ装置の
吐出部となるノズル等の乾燥を招いて吐出安定性を損な
う虞れがあり、不揮発性溶剤が占める割合が多くなる
と、被記録材に付着した後の乾燥性に問題が生じるた
め、水溶性溶媒としては、揮発性溶剤と不揮発性溶剤を
バランス良く含むことが好ましい。
【0062】上記水溶性有機溶剤としては、以下のよう
なものが挙げられる。例えば、メチルアルコール,エチ
ルアルコール,n−プロピルアルコール,n−ブチルア
ルコール等の低級アルコール、モノエタノールアミン,
ジエタノールアミン,トリエタノールアミン等のアルコ
ールアミン類、アセトン,メチルエチルケトン等のケト
ン類、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド等
のアミド類、ジオキサン等のエーテル類、エチレングリ
コール,プロピレングリコール,ブチレングリコール,
トリエチレングリコール,チオジグリコール等のアルキ
レングリコール類、ポリエチレングリコール,ポリプロ
ピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エ
チレングリコールジメチルエーテル,ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アル
キルエーテル類、グリセリン等が挙げられる。
【0063】また、本発明者等が鋭意検討した結果、上
記水溶性有機溶剤を脂肪族一価アルコールを含有するも
のとすれば、希釈液の印画紙等の被記録材への浸透性や
形成される画像の乾燥性が向上することを見い出した。
【0064】すなわち、本発明の希釈液においては、水
溶性有機溶剤として脂肪族一価アルコールを含有するよ
うにしても良い。なお、上記脂肪族一価アルコールとし
ては、エチルアルコール,イソプロピルアルコール,n
−ブチルアルコール等が使用し易いと思われる。また、
この中でも、イソプロピルアルコールが他のアルコール
と比較して適度の乾燥性を有し、臭気が少なく、ドット
形成性を高めることが可能であり好ましい。
【0065】さらに本発明者等が鋭意検討した結果、水
溶性有機溶剤を多価アルコールまたはその誘導体を含有
するものとすれば、プリンタ装置の目詰まりを防止し、
希釈液の保存性も向上することを見い出した。
【0066】すなわち、本発明の希釈液においては、水
溶性有機溶剤として多価アルコールまたはその誘導体を
含有するようにしても良い。なお、上記多価アルコール
の誘導体の中でも、多価アルコールのアルキルエーテル
誘導体は、高沸点溶媒であり、吸湿性があることからプ
リンタ装置の目詰まりを防止する効果に優れる。さら
に、ジエチレングリコール,グリセリン等は、インクの
染料の良好な溶剤となる他、水の氷点を低下させる効果
を有することから希釈液の保存性を向上させる効果に優
れる。
【0067】なお、本発明の希釈液においては、水溶性
有機溶剤として、脂肪族一価アルコール、多価アルコー
ル、多価アルコール誘導体のうちの少なくとも1種類を
含有するようにしても良い。
【0068】また、本発明の希釈液においては、界面活
性剤を含有することが好ましい。上記界面活性剤として
は、アルキル硫酸エステル塩類,アルキルエーテル硫酸
エステル塩類等のアニオン界面活性剤、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル類,ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル類等の界面活性剤が挙げられ、使用目的により適
宜使用することができる。そして、その添加量は、希釈
液の組成や界面活性剤の構造により異なるが、希釈液全
重量に対し、0.01重量%〜5重量%が適量である。
【0069】さらに、本発明の希釈液においては、粘度
調整剤,防腐カビ剤,pH調整剤のうちの少なくとも一
種類を含有させても良い。
【0070】上記pH調整剤は適宜選択して添加すれば
良く、pHが7.0〜11程度となるようにすれば良
く、7.5〜9.0程度のややアルカリ性を示す程度に
添加することがより好ましい。すなわち、希釈液のpH
は希釈液の接する部分、言い替えればプリンタ装置を構
成する材料に影響を及ぼしてしまう。また、希釈液自体
の安定性にも影響を及ぼしてしまう。従って、これらの
ことを考慮してpH調整剤により上記のような範囲にp
Hを調整することが好ましい。
【0071】本発明の希釈液は、少なくとも下記化30
に示される構造を有するベンゾフェノン系化合物を含有
するものであり、インクとこの希釈液を定量混合した
後、これらの混合液滴を吐出して被記録材上に被着させ
て形成された記録画像においては、上記ベンゾフェノン
系化合物により染料の光退色が抑えられ、記録画像の耐
光退色性が向上する。
【0072】
【化30】
【0073】また、本発明の希釈液中に上記ベンゾフェ
ノン系化合物の他に、ヒンダートフェノール系化合物、
チオエーテル系化合物、ヒンダートアミン系化合物のう
ちの少なくとも1種類を含有させるようにすれば、画像
の耐光退色性がさらに向上する。
【0074】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて実験結果に基づいて説明する。先ず、本発明を適用
した希釈液が使用されるプリンタ装置の例について説明
する。
【0075】ここで、本例のプリンタ装置は、いわゆる
オンデマンド型のプリンタ装置であり、インクを定量側
に、希釈液を吐出側に設け、これらを混合した混合液を
記録紙等に吐出する、いわゆるキャリアジェット式プリ
ンタ装置である。そして、本例においては、インク或い
は希釈液の定量手段としてピエゾ素子のような圧力素子
を用いた例について述べる。なお、希釈液を定量側に、
インクを吐出側としても良い。
【0076】本例のプリンタ装置は、図1に示すように
ノズルを有するオリフィスプレート1とこれに接続さ
れ、内部に第1の液体2が充填される第1の液体収容容
器4及び内部に第2の液体3が充填される第2の液体収
容容器5により構成される。
【0077】上記オリフィスプレート1は、図2に示す
ように、第1のプレート11と、第2のプレート12
と、第3のプレート13とからなり、この第3のプレー
ト13を厚み方向より第1のプレート11と第2のプレ
ート12によって挟み込んで積層した、いわゆる積層プ
レートとして形成されている。
【0078】そして、第1のプレート11、言い換えれ
ば積層プレートの一方の面1aには、第1,2の供給口
21,22が設けられ、第2のプレート12、言い換え
れば積層プレートの他方の面1bには、上記第1,2の
供給口21,22から供給される2種の液体を混合した
混合液を吐出するノズル23が形成されている。
【0079】さらに第3のプレート13は、第1のプレ
ート11と第2のプレート12の間に設けられている。
この第3のプレート13は、ドライフィルムレジストか
らなり、プレートの内面方向に流路24を有している。
かかる流路24は、第1,2の供給口21,22と接続
されると共に、ノズル23とも接続するようになされて
いる。
【0080】なお、上記第1,2の供給口21,22
は、図3にオリフィスプレートの第1,2の供給口2
1,22が設けられる面1aとは反対側の面1bから見
た平面図に示すように、円形の貫通孔として、第1のプ
レート11に形成されている。なお、かかる第1,2の
供給口21,22は、必ずしも円形の貫通孔でなくても
よく、例えば楕円形状或いは矩形形状であっても構わな
い。
【0081】またノズル23は、第1の供給口21と相
対向する位置に設けられ、第1の供給口21の開口径よ
りも大きな開口径を有した円形の貫通孔として形成され
ている。なお、ノズル23は、上記のように第1の供給
口21の開口径よりも大きな開口径とすることが望まし
いが、該第1の供給口21の開口径と同じであってもよ
い。また、ノズル23は、第1,2の供給口21,22
と同じく円形の貫通孔でなくてもよく、例えば楕円形状
或いは矩形形状であっても構わない。
【0082】さらに流路24は、図3中に示すように、
ノズル23と対向しない第2の供給口22よりノズル2
3へ向かって次第にその幅が狭まるようなテーパー形状
とされている。なお、流路24は、ストレート形状であ
っても構わない。
【0083】次に、上記オリフィスプレート1と接続さ
れる第1,2の液体収容容器4,5について述べる。
【0084】上記第1の液体収容容器4は図1中に示す
ように、内部に略箱状の空洞部6を有する容器であり、
空洞部6の上面にあたる開口6aが上記オリフィスプレ
ート1の第1の供給口21に接続されている。また第2
の液体収容容器5も同様に内部に略箱状の空洞部7を有
する容器であり、空洞部7の上面にあたる開口7aが第
2の供給口22に接続されている。
【0085】また、上記第1の液体収容容器4の空洞部
6の開口6aに対向する底面6b側には該空洞部6と接
続され、外部とも接続される貫通孔8が設けられ、第2
の液体収容容器5の空洞部7の開口7aに対向する底面
7b側にも該空洞部7と接続され、外部とも接続される
貫通孔9が設けられている。
【0086】従って、本例のプリンタ装置においては、
貫通孔8,空洞部6,第1の供給口21が接続され第1
の溶液2として希釈液が充填される貫通孔が形成される
こととなる。一方、貫通孔9,空洞部7,第2の供給口
22,流路24も接続され第2の溶液3としてインクが
充填される貫通孔が形成されることとなる。
【0087】そして、上記第1,2の液体収容容器4,
5には、ピエゾ素子等の如き圧電素子31,32がそれ
ぞれ設けられる。かかる圧電素子31,32は、この圧
電素子31,32に供給される信号により変形し、その
変形時における圧力により液体収容容器4,5内の圧力
をそれぞれ変化させるものである。
【0088】この圧電素子31,32を用いた本例のプ
リンタ装置においては、圧電素子31,32に与える電
圧パルスを調節することにより、混合液に含まれる第2
の液体3の混合比率、すなわちインク濃度を調節するこ
とができる。
【0089】従って、上記プリンタ装置により印刷を行
う場合には、先ず、図1中に示すように、第2の供給口
22から供給されるインクである第2の溶液3を毛細管
現象により流路24に充填して流路24の先端部24a
に第2のメニスカスM2 を形成し、第1の供給口21か
ら供給される希釈液である第1の溶液2による第1のメ
ニスカスM1 を毛細管現象により第1の供給口21の先
端部21aに形成する。
【0090】次に、第2の液体3が充填される第2の液
体収容容器5に設けられるピエゾ素子32に電圧パルス
を与えて該第2の液体収容容器5に圧力を加え、空洞部
7の圧力を高めると共に流路24内の圧力P2を上昇せ
しめる。その結果、図4に示すように、第2の液体3の
第2のメニスカスM2 は、混合室となるノズル23側へ
と移動し、第2の液体3がノズル23内へと押し出され
る。なお、このとき、第2の液体3の押し出される量
は、ピエゾ素子32により第2の液体収容容器5に与え
られる圧力の大きさによって制御され、ピエゾ素子32
に供給される電圧パルスの電圧値またはパルス幅によっ
て制御されることとなる。
【0091】そして、圧力P2の上昇量及び上昇時間を
調整することにより、第2のメニスカスM2 は、図5に
示すように、第1の液体2の第1のメニスカスM1 とノ
ズル23内において接触することとなる。その結果、ノ
ズル23内において、第1の液体2と第2の液体3が混
合した混合液10が生成されることとなる。
【0092】次に、第2の液体収容容器5に設けられる
ピエゾ素子32へ供給する電圧パルスをもとの値に戻
す。すると、流路24内の第2の液体3の圧力上昇が存
在しない場合においては、第2の液体3の第2のメニス
カスM2 は、第1の液体2の第1のメニスカスM1 と接
触しない位置に存在することが安定であるので、図6に
示すように、流路24側に後退し、第1の液体2と分離
され、最終的には流路24の先端部24aに形成され
る。そして、図7に示すように、ノズル23内部におい
ては、中間濃度を有した混合液10が形成される。
【0093】なお、ここで、第2の液体3の圧力P2の
上昇量及び上昇時間、すなわち、ピエゾ素子32に与え
る電圧パルスの電圧値或いはパルス幅をさらに増加させ
ることにより、混合液10に含まれる第2の液体3の混
合比率、すなわちインク濃度を上昇させることができ
る。つまり、生成される混合液10の混合比(インク濃
度)は、圧力P2の上昇量及び上昇時間、すなわちピエ
ゾ素子32に与える電圧パルスの電圧値或いはパルス幅
により調節される。
【0094】次に、第1の液体2が充填される第1の液
体収容容器4に設けられるピエゾ素子31に電圧パルス
を与えて第1の液体収容容器4に圧力を加え、空洞部6
の圧力を高めると共に第1の供給口21内の圧力P1を
上昇せしめる。すると、混合液10がノズル23側へ向
かって移動することとなる。ここで、第1の供給口21
内の圧力P1、言い替えれば第1の液体2の圧力を増大
すると、混合液10は、図8に示すように、ノズル23
より大気中に吐出され、このノズル23と対向して設け
られる被記録材である記録紙(図示は省略する。)に付
着する。この一方、第1の液体2が供給される第1の供
給口21には、新たな第1のメニスカスM1 が生成され
ることとなる。なお、このとき、上記プリンタ装置にお
いては、圧力を加える圧力パルスとなる電圧パルスの1
パルスに対して混合液の1液滴が吐出される。そして、
このような動作を繰り返すことによって記録画像が形成
される。
【0095】なお、上述のプリンタ装置における一連の
動作は一例であり、各動作のタイミングや状態、例えば
混合液の形状、充填動作等は供給口やノズルの大きさ等
の構造的要素、インクや希釈液の粘性や表面張力等の物
理的要素、吐出周波数等の動作条件によって変化する。
【0096】上記プリンタ装置においては、インクとし
た第2の液体3の圧力P2の上昇量及び上昇時間、すな
わち、ピエゾ素子32に与える電圧パルスの電圧値或い
はパルス幅を調節することにより、混合液10に含まれ
る第2の液体3の混合比率、すなわちインク濃度を調節
することができ階調表現が可能となる。
【0097】また、上記プリンタ装置においては、ピエ
ゾ素子31,32として電圧の印加により長手方向に伸
びるいわゆるd33モードの積層ピエゾ素子を使用した例
について述べたが、ピエゾ素子として電圧の印加により
長手方向に縮むいわゆるd31モードの積層ピエゾ素子を
使用しても良いことは言うまでもない。
【0098】なお、ここでは、インク或いは希釈液の定
量にピエゾ素子を使用したプリンタ装置の例について述
べたが、本発明はインク或いは希釈液の定量に発熱素子
を使用したプリンタ装置にも使用可能であることは言う
までもない。
【0099】次に、様々な希釈液を使用し、上記のよう
な構成のプリンタ装置を用いて画像記録を行い、記録画
像の特性を調査した。
【0100】先ず、各希釈液サンプルの製造を行った。
すなわち、下記に示されるような配合の希釈液を実施サ
ンプル1〜5として用意した。
【0101】 実施サンプル1配合 水 86.9重量% 水溶性有機溶剤 イソプロピルアルコール 3.0重量% ジエチレングリコール 10.0重量% ベンゾフェノン系化合物 Viosorb 112(商品名、共同薬品(株)社製) 0.1重量% 実施サンプル2配合 水 82.0重量% 水溶性有機溶剤 エチルアルコール 3.0重量% グリセリン 7.0重量% ジエチレングリコールモノブチルエーテル 7.0重量% ベンゾフェノン系化合物 Uvinul D50(商品名、BASF(株)社製) 1.0重量% 実施サンプル3配合 水 66.9重量% 水溶性有機溶剤 イソプロピルアルコール 3.0重量% エチレングリコール 10.0重量% メチルプロピルグリコール 10.0重量% 非イオン性界面活性剤 エマルゲン 985(商品名、花王(株)社製) 0.1重量% ベンゾフェノン系化合物 Uvinul DS49(商品名、BASF(株)社製) 10.0重量 % 実施サンプル4配合 水 86.6重量% 水溶性有機溶剤 イソプロピルアルコール 3.0重量% エチレングリコール 10.0重量% 非イオン性界面活性剤 エマルゲン 985(商品名、花王(株)社製) 0.1重量% ベンゾフェノン系化合物 Viosorb 112(商品名、共同薬品(株)社製) 0.1重量% ヒンダートフェノール系化合物 IRGANOX 1010 0.1重量% (商品名、チバガイギー(株)社製) ヒンダートアミン系化合物 TINUVIN 622LD 0.1重量% (商品名、チバガイギー(株)社製) 実施サンプル5配合 水 74.7重量% 水溶性有機溶剤 イソプロピルアルコール 3.0重量% エチレングリコール 10.0重量% ジエチレングリコールモノブチルエーテル 10.0重量% 非イオン性界面活性剤 エマルゲン 985(商品名、花王(株)社製) 0.1重量% ベンゾフェノン系化合物 SEESORB 101S(商品名、シプロ化成(株)社製)1.0重量% ヒンダートフェノール系化合物 IRGANOX 245(商品名、チバガイギー(株)社製)0.5重量% Sumilizer GA80 0.5重量% (商品名、住友化学(株)社製) ヒンダートアミン系化合物 TINUVIN 944LD 0.2重量% (商品名、チバガイギー(株)社製) 次に、比較のために、上記実施サンプル1からベンゾフ
ェノン系化合物であるViosorb 112を除いた
配合の希釈液を比較サンプル1とし、実施サンプル2か
らベンゾフェノン系化合物であるUvinul D50
を除いた配合の希釈液を比較サンプル2として用意し
た。さらに、比較のために、実施サンプル4からベンゾ
フェノン系化合物であるViosorb 112を除い
た配合の希釈液を比較サンプル3として用意し、実施サ
ンプル5からベンゾフェノン系化合物であるSEESO
RB 101Sを除いた配合の希釈液を比較サンプル4
として用意した。なお、これら比較サンプル1〜4にお
いては、除いたベンゾフェノン系化合物分の重量を水の
重量に足した配合とした。
【0102】次に、インクを用意した。すなわち、ヒュ
ーレッドパッカード(株)社製のプリンタ装置 DES
KJET 1200C(機種名)に使用されているイエ
ロー,マゼンタ,シアンの各色のインクをインクサンプ
ル1として用意した。また、エプソン(株)社製のプリ
ンタ装置 MJ−700V2C(機種名)に使用されて
いるイエロー,マゼンタ,シアンの各色のインクをイン
クサンプル2として用意した。
【0103】さらには、下記に示す配合でイエロー,マ
ゼンタ,シアンの各色のインクを調整し、インクサンプ
ル3として用意した。
【0104】 インクサンプル3配合 染料 3重量% ジエチレングリコール 14重量% イソプロピルアルコール 3重量% 水 80重量% なお、染料としては、C.I.アシッドイエロー23,
C.I.アシッドレッド52,C.I.アシッドブルー
9を使用し、イエロー,マゼンタ,シアンの各色のイン
クを用意した。
【0105】続いて、上記実施サンプル1〜5と比較サ
ンプル1〜4の希釈液とインクサンプル1〜3の各色の
インクをそれぞれ、ヒューレッドパッカード(株)社製
のプリンタ装置 DESKJET 1200C(機種
名)のインクカートリッジに詰め替えた。
【0106】そして、上記実施サンプル1〜5と比較サ
ンプル1〜4の希釈液とインクサンプル1〜3の各色の
インクを組み合わせて使用して各色のカラーパターンを
記録画像として形成した。
【0107】すなわち、上記のように希釈液が詰められ
たインクカートリッジを上記のような構成を有するプリ
ンタ装置の第1の液体収容容器4に接続し、インクが詰
められたインクカートリッジを第2の液体収容容器5に
接続して、前述のようにして印刷を行った。
【0108】なお、被記録材としては、ヒューレッドパ
ッカード(株)社製のプリンタ装置DESKJET 1
200C(機種名)の専用紙のうちの普通紙タイプを使
用した。
【0109】続いて、上記のようにして形成された記録
画像の耐光退色性を調査した。すなわち、先ず、各希釈
液及びインクを組み合わせて形成された各記録画像の濃
度をマクベス(株)社製濃度計(機種名:TR−92
4)により測定した。
【0110】次に、各記録画像にキセノンアークフェー
ドメーター(スガ試験機(株)社製)により24時間積
算量として30000kJ/m2 のエネルギーを照射し
た。
【0111】続いて、エネルギー照射後の各記録画像の
濃度を再度上述のように測定した。そして、エネルギー
照射後の各記録画像における各色の濃度残存率を数1に
より求めた。結果を希釈液とインクの組合わせとともに
表1に示す。
【0112】
【数1】
【0113】
【表1】
【0114】表1の結果から、前述したような所定の構
造を有するベンゾフェノン系化合物を含有する実施サン
プル1〜5の希釈液を使用した記録画像とベンゾフェノ
ン系化合物を含有しない比較サンプル1〜4の希釈液を
使用した記録画像の結果を比較してみると、インクとし
てインクサンプル1〜3の何れを使用した場合において
も実施サンプル1〜5を使用した記録画像の方が濃度残
存率が高いことがわかる。すなわち、実施サンプル1〜
5中に含有される所定の構造を有するベンゾフェノン系
化合物が、染料の光退色を抑え、記録画像の耐光退色性
が向上することが確認された。
【0115】また、表1中実施サンプル1〜3の希釈液
を使用した記録画像の結果を比較してみると、使用され
る希釈液中のベンゾフェノン系化合物の含有量の増加に
伴い、記録画像の耐光退色性が向上することが確認され
た。
【0116】さらに、実施サンプル1と実施サンプル
4、実施サンプル2と実施サンプル5の希釈液を使用し
た記録画像の結果を比較してみると、希釈液中にベンゾ
フェノン系の化合物の他に、ヒンダートフェノール系化
合物、ヒンダートアミン系化合物を含有させるようにす
れば、記録画像の濃度残存率がさらに向上することがわ
かり、記録画像の耐光退色性がさらに向上することが確
認された。そして、実施サンプル4と比較サンプル3、
実施サンプル5と比較サンプル4の希釈液を使用した記
録画像の結果を比較してみると、希釈液中にヒンダート
フェノール系化合物、ヒンダートアミン系化合物のみを
含有させても、記録画像の濃度残存率は向上せず、記録
画像の耐光退色性も向上しないことが確認された。
【0117】
【発明の効果】以上の説明からも明かなように、本発明
の希釈液は、少なくとも上記化31に示される構造を有
するベンゾフェノン系化合物を含有するものであり、イ
ンクとこの希釈液を定量混合した後、これらの混合液滴
を吐出して被記録材上に被着させて形成された記録画像
においては、上記ベンゾフェノン系化合物により染料の
光退色が抑えられ、記録画像の耐光退色性が向上する。
【0118】
【化31】
【0119】また、本発明の希釈液中に上記ベンゾフェ
ノン系化合物の他に、ヒンダートフェノール系化合物、
チオエーテル系化合物、ヒンダートアミン系化合物のう
ちの少なくとも1種類を含有させるようにすれば、記録
画像の耐光退色性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】プリンタ装置の一例を示す要部概略断面図であ
る。
【図2】プリンタ装置の一例のオリフィスプレートを拡
大して示す要部概略断面図である。
【図3】プリンタ装置の一例のオリフィスプレートを拡
大して示す要部概略平面図である。
【図4】プリンタ装置の一例の動作を順に示すものであ
り、オリフィスプレートにメニスカスが形成されている
状態を模式的に示す断面図である。
【図5】プリンタ装置の一例の動作を順に示すものであ
り、第2のメニスカスが第1のメニスカスに接触した状
態を模式的に示す断面図である。
【図6】プリンタ装置の一例の動作を順に示すものであ
り、第2のメニスカスが後退して第1の液体と分離され
た状態を模式的に示す断面図である。
【図7】プリンタ装置の一例の動作を順に示すものであ
り、ノズル内部に混合液が形成された状態を模式的に示
す断面図である。
【図8】プリンタ装置の一例の動作を順に示すものであ
り、混合液が吐出された状態を模式的に示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 オリフィスプレート、2 第1の液体、3 第2の
液体、4 第1の液体収容容器、5 第2の液体収容容
器、10 混合液、21 第1の供給孔、22第2の供
給孔、23 ノズル、24 流路、31,32 ピエゾ
素子

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクと希釈液を定量混合した後、これ
    らの混合液滴を吐出して被記録材上に被着させる記録方
    法に使用される希釈液において、 少なくとも下記化1で示される構造を有するベンゾフェ
    ノン系化合物を含有することを特徴とする希釈液。 【化1】
  2. 【請求項2】 ベンゾフェノン系化合物が、0.1重量
    %〜10重量%の割合で含有されていることを特徴とす
    る請求項1記載の希釈液。
  3. 【請求項3】 ヒンダートフェノール系化合物、チオエ
    ーテル系化合物、ヒンダートアミン系化合物のうちの少
    なくとも1種類を含有することを特徴とする請求項1記
    載の希釈液。
  4. 【請求項4】 希釈液中のベンゾフェノン系化合物の重
    量をa、ヒンダートフェノール系化合物及び/又はチオ
    エーテル系化合物の重量をb、ヒンダートアミン系化合
    物の重量をcとすると、a:b:cが5:5:1〜1:
    1:1であることを特徴とする請求項3記載の希釈液。
  5. 【請求項5】 水を含有することを特徴とする請求項1
    記載の希釈液。
  6. 【請求項6】 水溶性有機溶剤を含有することを特徴と
    する請求項1記載の希釈液。
  7. 【請求項7】 水溶性有機溶剤が1重量%〜80重量%
    の割合で含有されていることを特徴とする請求項6記載
    の希釈液。
  8. 【請求項8】 水溶性有機溶剤が、脂肪族一価アルコー
    ル、多価アルコール、多価アルコール誘導体のうちの少
    なくとも1種類を含有することを特徴とする請求項6記
    載の希釈液。
  9. 【請求項9】 脂肪族一価アルコールがイソプロピルア
    ルコールであることを特徴とする請求項8記載の希釈
    液。
  10. 【請求項10】 界面活性剤を含有することを特徴とす
    る請求項1記載の希釈液。
  11. 【請求項11】 粘度調整剤,防腐カビ剤,pH調整剤
    のうちの少なくとも1種類を含有することを特徴とする
    請求項1記載の希釈液。
JP4380496A 1996-02-29 1996-02-29 希釈液 Withdrawn JPH09235500A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4380496A JPH09235500A (ja) 1996-02-29 1996-02-29 希釈液

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4380496A JPH09235500A (ja) 1996-02-29 1996-02-29 希釈液

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09235500A true JPH09235500A (ja) 1997-09-09

Family

ID=12673941

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4380496A Withdrawn JPH09235500A (ja) 1996-02-29 1996-02-29 希釈液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09235500A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11256081A (ja) * 1998-03-10 1999-09-21 Seiko Epson Corp 記録液
JP2000044851A (ja) * 1998-07-27 2000-02-15 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11256081A (ja) * 1998-03-10 1999-09-21 Seiko Epson Corp 記録液
JP2000044851A (ja) * 1998-07-27 2000-02-15 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0739956B1 (en) Printing apparatus and recording solution
JP3005059B2 (ja) インク、これを用いたインクジェット記録方法及び機器
JP3503522B2 (ja) インク及びインクジェット記録方法
JPH06192605A (ja) インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器
US5256194A (en) Color ink jet recording method
JP3673582B2 (ja) 黒色顔料インク、インクセット、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ、インクジェット記録装置及びブリード抑制方法
JP4100880B2 (ja) インクセット、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法及び第2の水性インク
JP2004225018A5 (ja)
JP2004225018A (ja) インクジェット記録用インク、インクカートリッジ及び記録方法並びに記録装置
JPH09235500A (ja) 希釈液
JP2001354881A (ja) インク、記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ、インクセット及び記録装置
JP2002309143A (ja) 水性蛍光インク、記録ユニット、インクカートリッジ、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP2003096344A (ja) インク・メディアセット及びこれを用いた画像記録方法
JP3715728B2 (ja) インクジェット記録方法
JPH09255907A (ja) 希釈液及び記録方法
JPH09227811A (ja) 記録液
JP2004018689A (ja) インクジェット用記録液及び記録方法
JPH10237371A (ja) インクジェット用水性インク、これを用いたインクジェット記録方法及び機器類
JP3825909B2 (ja) 画像形成方法
US7021752B2 (en) Water base ink for ink-jet recording
JP3009064B2 (ja) インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器
JPH09124982A (ja) インクジェット記録インク用希釈液、インクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法
JP3039877B2 (ja) インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器
JP3252049B2 (ja) インクジェット記録用インク、それを用いた記録方法及びそれを用いた機器
JPH09132742A (ja) インクジェット記録インク用希釈液およびインクジェット記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030506