JPH09132742A - インクジェット記録インク用希釈液およびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録インク用希釈液およびインクジェット記録方法

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JPH09132742A
JPH09132742A JP29009995A JP29009995A JPH09132742A JP H09132742 A JPH09132742 A JP H09132742A JP 29009995 A JP29009995 A JP 29009995A JP 29009995 A JP29009995 A JP 29009995A JP H09132742 A JPH09132742 A JP H09132742A
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ink
diluent
weight
diluting liquid
jet recording
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JP29009995A
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Toshio Fukuda
敏生 福田
Masato Ando
真人 安藤
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャリアジェット方式のインクジェット記録
において、画像の耐光性を向上しうる希釈液、およびイ
ンクジェット記録方法を提供する。 【解決手段】 水および水溶性溶剤を含む透明希釈液
に、ベンゾトリアゾール系化合物を特定量添加する。さ
らに、ヒンダートフェノール化合物、ヒンダートアミン
化合物、あるいはチオエーテル化合物を併用すれば、画
像の耐光性はさらに向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
インク用希釈液およびインクジェット記録方法に関し、
さらに詳しくは、インクと希釈液を所定の混合比で噴射
直前に混合して希釈インクとし、これをノズルから噴射
して記録媒体上に付着させるインクジェット記録インク
用希釈液およびインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オンデマンドタイプのインクジェット記
録プリンタは、制御信号に応じてインクの液滴をノズル
より噴射し、これを紙やフィルム等の記録媒体上に付着
させるプリンタであり、小型化や低コスト化の可能性を
有するため近年急速に普及しつつある。インクの液滴を
ノズルより噴射する方法には、ピエゾ素子の変位により
インクを加圧する方法と、発熱素子によりノズル中のイ
ンクを加熱気化し、発生する泡の圧力を利用する方法に
大別される。いずれの方法も原理的にインクの濃度を噴
射直前に変えることは出来ず、したがって記録媒体上で
ドット単位での中間調濃度の階調表現はできない。
【0003】一方、オフィスにおいてはデスクトップパ
ブリッシングと称されるコンピュータによる文書作成が
盛んとなり、文字や図形のみならず写真のようなカラー
の自然画像を文字や図形とともに印刷する要求が増加し
ている。パーソナルユースにおいても、年賀状やグリー
ティングカードではこのような需要が多い。高品位な自
然画像をプリントアウトするためには、中間調の表示に
よる階調表現が重要となる。
【0004】従来より、オンデマンドタイプのインクジ
ェット記録方法において疑似的に階調表現をおこなう方
法として、次の方法が提案されている。第1の方法は、
ピエゾ素子や発熱素子に印加する電圧やパルス幅を変調
させ、噴出する液滴サイズを制御し、印字ドットの径を
可変とし階調を表現するものである。第2の方法は、印
字ドット径は一定のままディザ法や誤差拡散法といった
画像処理により階調を表現する方法である。これに加え
て、輪郭部の強調処理やスムージング処理といった画像
処理技術を組み合わせる場合もある。
【0005】しかしながら、第1の方法は電圧やパルス
幅を下げ過ぎるとインクが噴出しなくなるため、最小液
滴径に限界があり、特に低濃度の階調表現には不向きで
ある。また第2の方法は、例えば1画素を4×4のマト
リクスで構成した場合には解像度が1/4に劣化して粗
さが目立ち易く、画像処理を厳密にすると回路の複雑化
や演算処理速度の低下、すなわちプリントアウト時間の
長時間化を招く。
【0006】上述した従来のオンデマンドタイプのイン
クジェット記録の問題点を原理的に解決する方法とし
て、本願出願人はインクと、透明溶媒である希釈液を所
定の混合比で噴射直前に混合して希釈インクとし、この
希釈インクを直ちにノズルから噴射して記録媒体上に付
着させるインクジェット記録方式(以下キャリアジェッ
ト方式と記す)を開発し、特開平5−201024号公
報に開示した。キャリアジェット方式によれば、噴出す
るインクの液滴毎にインクの濃度を制御し、記録媒体上
のドット毎に自在に階調を表現することが可能である。
したがって、解像度を劣化することなく中間階調が豊富
な自然画像をプリントアウトすることが可能となった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】キャリアジェット方式
においては、噴射直前にインクと希釈液を任意の混合比
で混合する方式であるため、インクや希釈液に対しての
材料、組成比および物性等の選択の自由度は飛躍的に増
大する。キャリアジェット方式に限らずインクジェット
記録方式のインクに用いられる染料は、水溶性の直接染
料あるいは酸性染料が主として用いられている。記録媒
1としては普通紙、専用紙の双方が使用可能であるが、
専用紙の場合には染料との親和性に優れた水溶性高分子
を含浸させるとともに、有機、無機の充填材料その他の
補助的材料を含有させてインク中の染料の浸透性を制御
することが一般的である。
【0008】したがって、直接染料の場合には、記録媒
体に移行後はこれら受容層とのファンデルワールス力や
水素結合等の相互作用力により受容層中に保持される。
また酸性染料の場合にはイオン間の結合力により受容層
中に保持されるが、一般的には分子量が小さく、水溶性
が大きい。このため画像形成後に記録媒体上に水が付着
すると染料が流れ出したり、あるいは耐光性すなわち光
照射による光退色性が不足する問題が生じる。
【0009】上述した問題点を改良するために、紫外線
吸収剤を含むポリエステル等の透明有機高分子フィルム
に接着剤層を設けたカバーフィルムを記録媒体に接着
し、耐光性や耐水性、耐擦過性を高める方法が提案され
ている。
【0010】しかしながら、カバーフィルムを使用する
場合には、画像形成後にフィルムを接着する工程が増加
する。またフィルムを皺にならないように接着するため
に、ラミネータ等の付帯装置が必要となり、プリンタ装
置の大型化や処理時間の増大を招く。
【0011】本発明は、上述した従来技術の問題点を解
決し、キャリアジェット方式における画像の耐光性を向
上しうるインクジェット記録インク用希釈液およびイン
クジェット記録方法を提供することをその課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録インク用希釈液およびインクジェット記録方法は、
上述の課題を解決するために提案するものであり、イン
クと希釈液を、所定の混合比で噴射直前に混合して希釈
インクとし、この希釈インクをノズルから噴射して記録
媒体上に付着させるインクジェット記録インク用希釈液
およびインクジェット記録方法であって、この希釈液は
下記一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール系化合
物を含有することを特徴とするものである(ただし、R
1 、R2 およびR3 はH、ハロゲン、アリル基、下記化
学式(2)で示される基および下記化学式(3)で示さ
れる基を表し、R1 、R2 およびR3 は互いに同じでも
異なっていてもよい)。
【化7】
【化8】
【化9】
【0013】このベンゾトリアゾール系化合物は、希釈
液に対して0.1重量%以上20重量%以下含まれるこ
とが望ましい。0.1重量%未満では光耐色性向上の効
果はのぞめず、また上限は希釈液に対するベンゾトリア
ゾール系化合物の溶解度ないし分散性の上限に左右さ
れ、これは約20重量%を超えた場合に溶解度ないし分
散性が低下して好ましくない。
【0014】かかるベンゾトリアゾール系化合物の具体
例としては、下記化学式(4)ないし(13)が例示さ
れる。
【0015】
【化10】
【0016】
【化11】
【0017】
【化12】
【0018】
【化13】
【0019】
【化14】
【0020】
【化15】
【0021】
【化16】
【0022】
【化17】
【0023】
【化18】
【0024】
【化19】
【0025】本発明のインクジェット記録インク用希釈
液およびインクジェット記録方法においては、上述した
ベンゾトリアゾール系化合物に加えて、ヒンダートフェ
ノール系化合物、ヒンダートアミン系化合物およびチオ
エーテル化合物から選ばれる少なくともいずれか1種の
化合物をさらに含有することが、耐光性を向上するため
に望ましい。
【0026】このヒンダートフェノール系化合物、ヒン
ダートアミン系化合物およびチオエーテル化合物から選
ばれる少なくともいずれか1種の化合物は、ベンゾトリ
アゾール系化合物に対して20重量%以上100重量%
以下含まれることが望ましい。20重量%未満では耐光
性のさらなる向上効果が得られず、一方100重量%を
超えて添加してもその効果は飽和し、耐光性のさらなる
向上効果は認められない。また希釈液に対する溶解度な
いし分散性が低下して好ましくない。
【0027】かかるヒンダートフェノール系化合物の具
体例としては、下記(14)ないし(21)に示す化合
物が例示される。
【0028】
【化20】
【0029】
【化21】
【0030】
【化22】
【0031】
【化23】
【0032】
【化24】
【0033】
【化25】
【0034】
【化26】
【0035】
【化27】
【0036】またヒンダートアミン系化合物の具体例と
しては、下記(22)ないし(26)に示す化合物が例
示される。
【0037】
【化28】
【0038】
【化29】
【0039】
【化30】
【0040】
【化31】
【0041】
【化32】
【0042】さらに、チオエーテル系化合物の具体例と
しては、下記(27)ないし(30)に示す化合物が例
示される。
【0043】
【化33】
【0044】
【化34】
【0045】
【化35】
【0046】
【化36】
【0047】本発明のインクジェット記録インク用希釈
液およびインクジェット記録方法は、希釈液中に脂肪族
1価アルコール、脂肪族多価アルコール、脂肪族多価ア
ルコール誘導体および水のうちの少なくとも1種を含む
ことが望ましい。
【0048】これら脂肪族1価アルコール、多価アルコ
ールおよび多価アルコール誘導体の内の少なくとも1種
の含有量は、希釈液に対して1重量%以上であること
が、下記に挙げた各種効果を得るために有効である。
【0049】脂肪族1価アルコールとしては、メチルア
ルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級
アルコールが例示される。これら1価アルコールのうち
エチルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチ
ルアルコールは好ましく使用することができる。かかる
1価アルコールは、希釈液により希釈された希釈インク
の普通紙、専用紙等記録媒体への浸透性、ドット形成性
や、印刷された画像の乾燥性を向上する。
【0050】多価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリ
セロール等のアルキレングリコール類、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレ
ングリコール類、チオジグリコール等が例示される。多
価アルコール誘導体としては、エチレングリコールジメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル等、上述した多価アルコールの低級アルキルエーテル
類、エチレングリコールジアセテート等の上述した多価
アルコールの低級カルボン酸エステル等が例示される。
これら多価アルコールおよびその誘導体は、プリンタ装
置のノズルの目詰まりを防止する他、希釈液が水を含有
する場合には氷点を降下させ、保存性を向上する。
【0051】これら化合物および水のうちの少なくとも
1種に加え、モノ、ジ、トリエタノールアミン等のアル
コールアミン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド等のアミド類、アセトン、メチルエチルケトン
等のケトン類、ジオキサン等のエーテル類、各種界面活
性剤、消泡剤、pH調整剤、防黴剤等を任意に添加して
もよい。
【0052】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例につき説明す
る。まず、本実施例において共通に用いたキャリアジェ
ット方式のプリント装置の主要部であるプリンタヘッド
の構造につき、図1ないし図2を参照して説明する。
【0053】図1はキャリアジェット方式のプリンタヘ
ッドの要部概略断面図である。このプリンタヘッドは、
オリフィスプレート1、インク容器2および希釈液容器
3の3部分から大略構成されている。まずオリフィスプ
レート1は、第1のプレート11、第2のプレート12
および第3のプレート13がこの順に積層されて構成さ
れている。
【0054】第1のプレート11には、インク供給口1
11および希釈液供給口112が開口されている。第3
のプレート13には、インク供給口111および希釈液
供給口112より供給されるインクおよび希釈液を混合
して得られる希釈インクを噴出するノズル131が、希
釈液供給口112を臨む位置に開口されている。なおノ
ズル131はインク供給口111を臨む位置に形成する
ことも可能である。第2のプレート12は第1プレート
11および第3のプレート13の間に挟まれ、ドライフ
ィルムレジスト等により構成され、インク流路121が
形成されている。このインク流路121は、インク供給
口111および希釈液供給口112に接続されるととも
に、ノズル131にも接続されている。
【0055】図2は上述したキャリアジェット方式のプ
リンタヘッドのオリフィスプレート1の概略平面図であ
り、第3のプレート13側より見たものである。同図に
見られるように、インク供給口111および希釈液供給
口112平面形状は円形の貫通口として第1のプレート
に形成されているが、必ずしも円形の必要はなく楕円形
や正方形、長方形等の形状であってもよい。
【0056】またノズル131は希釈液供給口112を
臨む位置の第3のプレートに、この希釈液供給口112
より大きな開口径の円形の貫通口として形成されてい
る。ノズル131はこのように希釈液供給口112より
大きな開口径を有することが望ましいが、希釈液供給口
112と同径あるいはこれより小径でもよく、その平面
形状も円形である必要はなく、楕円形や正方形、長方形
等の形状であってもよい。
【0057】インク流路121は、インク供給口111
よりノズル131に向けて、次第に幅が狭まるテーパ形
状に形成されている。しかしインク流路121はこの形
状にこだわることなくその幅は同一でもよく、拡幅する
逆テーパ形状であってもよい。インク流路121の先端
部は、ノズル131と略同一の形状に拡張されており、
ノズル131の1部をなしている。
【0058】つぎにオリフィスプレート1に接続される
インク容器2および希釈液容器3について再び図1を参
照して説明する。インク容器2および希釈液容器3は、
ほぼ同様の構造であるので一括して説明する。インク導
入口21および希釈液導入口31が空洞状のインク溜ま
り22および希釈液溜まり32に接続されている。これ
らインク溜まり22および希釈液溜まり32の他端部
は、オリフィスプレート1のうちの第1のプレート11
のインク供給口111および希釈液供給口112にそれ
ぞれ接続されている。インク容器2および希釈液容器3
の外壁面には、インク溜まり22および希釈液溜まり3
2に臨む位置にインク駆動部23および希釈液駆動部3
3が配設されている。インク駆動部23および希釈液駆
動部33は、バイモルフの圧電素子により形成される
が、他の駆動手段、例えば電磁変換素子や電歪素子等に
よるアクチュエータを採用してもよい。またインク駆動
部23および希釈液駆動部33は インク容器2および
希釈液容器3の壁面内に組込んでもよい。
【0059】つぎに上述したキャリアジェット方式のプ
リンタヘッドの動作につき、図3ないし図7に示すキャ
リアジェット方式のプリンタヘッドの動作を説明する概
略断面動作図を参照して説明する。なお図3ないし図7
の各構成部分は図1の構成部分と同一であり、共通の参
照符号を付すものとする。
【0060】図示しないインクカートリッジおよび希釈
液カートリッジ等からチューブ等を経由して輸送される
インクおよび希釈液は、インク導入口21および希釈液
導入口31からインク容器2および希釈液容器3に導入
され、インク溜まり22および希釈液溜まり32に充填
される。
【0061】インク溜まり22に充填されたインクは、
さらにインク供給口111よりインク流路121を充填
し、ノズル131に臨むインク流路121の先端部には
毛細管現象によりメニスカスMi が形成される。
【0062】一方希釈液溜まり32に充填された希釈液
は、さらに希釈液供給口112を充填し、ここに同じく
毛細管現象によりメニスカスMd が形成される。この状
態を図3に示す。
【0063】この状態から印字をおこなう場合には、ま
ずインク駆動部23にパルス電圧を供給しインク容器2
の壁面に応力を与え、インク溜まり22の内圧を高め
る。この結果インク流路121のインクはその先端部の
方向に移動し、メニスカスMiの先端は希釈液供給口1
12に到達し、ここにインク滴4を形成する。インク滴
4の体積は、インク駆動部23に印加するパルス電圧や
パルス幅、パルス回数等により制御される。この状態を
図4に示す。
【0064】インク駆動部23に印加するパルス電圧を
解除すると、メニスカスMi はインク流路121の先端
部に後退するとともに、希釈液供給口112にはインク
滴4が残される。この状態を図5に示す。なおインク滴
4は過渡的な状態を説明するために図示したものであ
り、インク滴4が独立して存在する時間は極く短時間で
ある。すなわち、インク滴4は希釈液供給口112にメ
ニスカスMd となって露出している希釈液と直ちに混合
しあい、希釈インク5となる。この状態を図6に示す。
希釈インク5中のインクの混合比、すなわちインクと希
釈液との比はインク滴4の体積、すなわち、インク駆動
部23に印加するパルス電圧やパルス幅、パルス回数等
により制御可能である。したがって、中間調の濃度表現
が可能な希釈液インクがこの段階で調製される。
【0065】つぎに希釈液容器3の希釈液駆動部33に
パルス電圧を与えると希釈液溜まり132の内圧が上昇
し、希釈液供給口112に形成された希釈インク5はノ
ズル131の方向に移動するとともにノズル131から
噴射される。噴射された希釈液インク5は、表面張力に
より球形の噴出インク6となって図示しない専用紙ある
いは普通紙等の記録媒体に付着する。一方希釈インク5
が噴出された後の希釈液供給口112には、新らしい希
釈液によるメニスカスMd が再度形成される。以上が1
サイクルの噴出動作であり、このサイクルを順次繰り返
して記録媒体上に画像等が形成される。なおカラー画像
の場合には、イェロー(以下Yと記す))、マゼンタ
(以下Mと記す)、シアン(以下Cと記す)およびブラ
ック(B)等に対応して、例えばプリンタヘッド4個を
1組とし、このプリンタヘッドアッセンブリをライン上
に多数個並列して画像を形成することは言うまでもな
い。
【0066】上述したキャリアジェット方式のプリンタ
ヘッドの構造および動作は一例であり、オリフィスプレ
ート、インク容器および希釈液容器の形状は各種変更が
可能である。例えば、インク供給口111に臨む位置に
ノズル131を開口し、インクに希釈液を混合して希釈
インクとし、この希釈インクを噴出させることも可能で
ある。また各種動作のタイミング等についても各種変更
が可能である。かかるキャリアジェット方式のプリンタ
ヘッドによれば、1ドット毎に中間調の表現が可能な、
正確な階調表現による自然画像のプリントアウトが可能
となるのである。
【0067】つぎに各種希釈液を調整し、各種希釈液と
インクをキャリアジェット方式のプリンタヘッドにより
噴出直前に混合して画像を形成した場合の耐光性評価を
おこなった。インクは市販のインクジェット記録装置用
Y、MおよびCの各色の組み合わせを2組(インク試料
1およびインク試料2)、および下記のY、MおよびC
の各色の組み合わせによる試作インク(インク試料3)
を用いた。 インク試料3 染料 3重量% Y : C.I.アシッドイエロー 23 M : C.I.アシッドレッド 52 C : C.I.アシッドブルー 9 ジエチレングリコール 14重量% イシプロピルアルコール 3重量% 水 80重量%
【0068】以下に各実施例の希釈液組成につき例示す
る。なお組成は重量%で示すものとする。
【0069】実施例1 水 86.9 イソプロピルアルコール 3.0 ジエチレングリコール 10.0 ベンゾトリアゾール系化合物 0.1 SEESORB 70?(シプロ化成(株)製)
【0070】実施例2 水 82.0 エチルアルコール 3.0 グリセリン 7.0 ジエチレングリコールモノブチルエーテル 7.0 ベンゾトリアゾール系化合物 1.0 SEESORB 702(シプロ化成(株)製)
【0071】実施例3 水 67.9 イソプロピルアルコール 3.0 エチレングリコール 10.0 メチルプロピルグリコール 10.0 非イオン系界面活性剤 0.1 エマルゲン985(花王(株)製) ベンゾトリアゾール系化合物 10.0 SEESORB 703(シプロ化成(株)製)
【0072】実施例4 水 86.6 イソプロピルアルコール 3.0 エチレングリコール 10.0 非イオン系界面活性剤 0.1 エマルゲン985(花王(株)製) ベンゾトリアゾール系化合物 0.1 SEESORB 701(シプロ化成(株)製) ヒンダートフェノール系化合物 0.1 IRGANOX 1010(チバガイギー(株)製) ヒンダートアミン化合物 0.1 TINUVIN 622LD(チバガイギー(株)製)
【0073】実施例5 水 74.7 イソプロピルアルコール 3.0 エチレングリコール 10.0 ジエチレングリコールモノブチルエーテル10.0 非イオン系界面活性剤 0.1 エマルゲン985(花王(株)製) ベンゾトリアゾール系化合物 1.0 SEESORB 70?(シプロ化成(株)製) ヒンダートフェノール系化合物 0.5 IRGANOX 245(チバガイギー(株)製) ヒンダートフェノール系化合物 0.5 Sumilizer GA80(住友化学(株)製) ヒンダートアミン化合物 0.2 TINUVIN 944LD(チバガイギー(株)製)
【0074】実施例6 水 86.6 イソプロピルアルコール 3.0 エチレングリコール 10.0 非イオン系界面活性剤 0.1 PEG #200(ライオン(株)製) ベンゾトリアゾール系化合物 0.1 SEESORB 701(シプロ化成(株)製) チオエーテル系化合物 0.1 SEENOX B.C.S.(シプロ化成(株)製) ヒンダートアミン化合物 0.1 TINUVIN 622LD(チバガイギー(株)製)
【0075】比較例1 実施例1の希釈液から、ベンゾトリアゾール系化合物で
あるSEESORB701を省いた希釈液を調整した。
【0076】比較例2 実施例2の希釈液から、ベンゾトリアゾール系化合物で
あるSEESORB702を省いた希釈液を調整した。
【0077】各実施例および比較例の希釈液により、上
述した各インク試料の各色(Y、MおよびC)を使用し
て、キャリアジェット方式プリンタヘッドにより各色の
画像形成をおこない、画像の耐光性評価をおこなった。
記録媒体としては、市販のインクジェット記録用普通紙
を使用した。
【0078】耐光性評価、すなわち光退色試験の方法
は、キセノンアークフェードメータ(スガ試験機(株)
製)により、30,000kJ/m2 の光エネルギを各
画像サンプルに照射して退色させ、その濃度変化を調べ
た。濃度変化は、マクベス濃度計TR−924を使用
し、次式の濃度残存率により評価した。 濃度残存率=(照射後のサンプル濃度/照射後のサンプ
ル濃度)×100%
【0079】上式の濃度残存率につき、各実施例および
比較例の結果を〔表1〕にまとめて示す。
【0080】
【表1】
【0081】〔表1〕の結果を考察すると、希釈液への
ベンゾトリアゾール系化合物の添加により、各インク試
料ともY、MおよびCの各色のインク濃度残存率が向上
することが明らかである。すなわち、比較例1とこれに
ベンゾトリアゾール系化合物SEESORB 701を
0.1%添加した実施例1とでは、実施例1の希釈液の
方が濃度残存率は各インク試料の各色とも約10%向上
している。また比較例2と、これにベンゾトリアゾール
系化合物SEESORB 702を1.0%添加した実
施例2の希釈液との比較では、実施例2の方が各インク
試料の各色とも約20%程度濃度残存率が向上している
ことが判る。
【0082】また実施例4の希釈液は、実施例1の系統
の希釈液をベースとし、これにさらにヒンダートフェノ
ール系化合物とヒンダートアミン系化合物とを添加した
ものであるが、各インク試料ともY、MおよびCの各色
のインク濃度残存率が約数%ずつ向上することが明らか
である。実施例5の希釈液は実施例4の希釈液と同系の
希釈液であるが、この場合にはさらに濃度残存率が向上
する。
【0083】以上の結果から明らかなように、キャリア
ジェット方式のプリンタにおいて、希釈液がベンゾトリ
アゾール系化合物を含有する場合に、印字あるいは画像
の耐光性が向上する。またベンゾトリアゾール系化合物
に加えてヒンダートフェノール系化合物およびヒンダー
トアミン系化合物のうちの少なくともいずれか1種を併
用する場合には、耐光性向上の効果をさらに徹底するこ
とが可能となる。併用の効果はチオエーテル化合物につ
いても同様である。
【0084】かかる効果を発揮するベンゾトリアゾール
系化合物としては、実施例で例示した化合物に限らず、
前述した〔化2〕ないし〔化11〕の化合物や、一般式
〔化1〕で示した各種化合物を用いてよい。ヒンダート
フェノール系化合物、ヒンダートアミン系化合物および
チオエーテル系化合物についても同様である。
【0085】上述した各実施例は、ピエゾ素子駆動のキ
ャリアジェット方式インクジェットプリンタについて例
示したものであるが、発熱素子によりインクを加熱気化
して噴出する方式のキャリアジェット方式インクジェッ
トプリンタの希釈液に適用できることは言うまでもな
い。
【0086】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のインクジェット記録インク用希釈液およびインクジェ
ット記録方法によれば、キャリアジェット方式による希
釈液に特定の化合物を含有させることにより、記録媒体
上に形成された印字あるい画像の耐光性を高めることが
できる。これにより、1ドット毎に中間調の階調表現を
極めて安定になしうるとともに、印字あるい画像の耐光
保存性、信頼性に優れたキャリアジェット方式のインク
用希釈液およびインクジェット記録方法を提供すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャリアジェット方式のプリンタヘッドの要部
概略断面図である。
【図2】キャリアジェット方式のプリンタヘッドのオリ
フィスプレートの概略平面図である。
【図3】キャリアジェット方式のプリンタヘッドの動作
を説明するための概略断面図であり、インクおよび希釈
液を充填しメニスカスMi およびメニスカスMd が形成
された状態である。
【図4】キャリアジェット方式のプリンタヘッドの動作
を説明するための概略断面図であり、インク駆動部を駆
動してインク滴が形成された状態である。
【図5】キャリアジェット方式のプリンタヘッドの動作
を説明するための概略断面図であり、インク駆動部の駆
動を解除し、希釈液供給口にインク滴が残された状態で
ある。
【図6】キャリアジェット方式のプリンタヘッドの動作
を説明するための概略断面図であり、希釈液供給口に希
釈インクが形成された状態である。
【図7】キャリアジェット方式のプリンタヘッドの動作
を説明するための概略断面図であり、希釈液駆動部を駆
動して噴出インクが形成された状態である。
【符号の説明】
1 オリフィスプレート 111 インク供給口 112 希釈液供給口 121 インク流路 131 ノズル 2 インク容器 21 インク導入口 22 インク溜まり 23 インク駆動部 3 希釈液容器 31 希釈液導入口 32 希釈液溜まり 33 希釈液駆動部 4 インク滴 5 希釈液インク 6 噴出インク Mi インクのメニスカス Md 希釈液のメニスカス

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクと希釈液を、所定の混合比で噴射
    直前に混合して希釈インクとし、前記希釈インクをノズ
    ルから噴射して記録媒体上に付着させるインクジェット
    記録インク用希釈液であって、 前記希釈液は下記一般式(1)で表されるベンゾトリア
    ゾール系化合物を含有することを特徴とする、インクジ
    ェット記録インク用希釈液(ただし、R1 、R2 および
    3 はH、ハロゲン、アリル基、下記化学式(2)で示
    される基および下記化学式(3)で示される基を表し、
    1 、R2 およびR3 は互いに同じでも異なっていても
    よい)。 【化1】 【化2】 【化3】
  2. 【請求項2】 ベンゾトリアゾール系化合物は、希釈液
    に対して0.1重量%以上20重量%以下含まれること
    を特徴とする、請求項1記載のインクジェット記録イン
    ク用希釈液。
  3. 【請求項3】 ヒンダートフェノール系化合物、ヒンダ
    ートアミン系化合物およびチオエーテル化合物から選ば
    れる少なくともいずれか1種の化合物をさらに含有する
    ことを特徴とする、請求項1記載のインクジェット記録
    インク用希釈液。
  4. 【請求項4】 ヒンダートフェノール系化合物、ヒンダ
    ートアミン系化合物およびチオエーテル化合物から選ば
    れる少なくともいずれか1種の化合物は、ベンゾトリア
    ゾール系化合物に対して20重量%以上100重量%以
    下含まれることを特徴とする、請求項3記載のインクジ
    ェット記録インク用希釈液。
  5. 【請求項5】 脂肪族1価アルコール、多価アルコー
    ル、多価アルコール誘導体および水のうちの少なくとも
    1種を含むことを特徴とする、請求項1記載のインクジ
    ェット記録インク用希釈液。
  6. 【請求項6】 脂肪族1価アルコール、脂肪族多価アル
    コールおよび脂肪族多価アルコール誘導体の含有量は、
    希釈液に対して1重量%以上であることを特徴とする、
    請求項5記載のインクジェット記録インク用希釈液。
  7. 【請求項7】 インクと希釈液を、所定の混合比で噴射
    直前に混合して希釈インクとし、前記希釈インクをノズ
    ルから噴射して記録媒体上に付着させるインクジェット
    記録方法であって、 前記希釈液は下記一般式(1)で表されるベンゾトリア
    ゾール系化合物を含有することを特徴とする、インクジ
    ェット記録方法(ただし、R1 、R2 およびR3 はH、
    ハロゲン、アリル基、下記化学式(2)で示される基お
    よび下記化学式(3)で示される基を表し、R1 、R2
    およびR3 は互いに同じでも異なっていてもよい)。 【化4】 【化5】 【化6】
  8. 【請求項8】 ベンゾトリアゾール系化合物は、希釈液
    に対して0.1重量%以上20重量%以下含まれること
    を特徴とする、請求項7記載のインクジェット記録方
    法。
  9. 【請求項9】 ヒンダートフェノール系化合物、ヒンダ
    ートアミン系化合物およびチオエーテル化合物から選ば
    れる少なくともいずれか1種の化合物をさらに含有する
    ことを特徴とする、請求項7記載のインクジェット記録
    方法。
  10. 【請求項10】 ヒンダートフェノール系化合物、ヒン
    ダートアミン系化合物およびチオエーテル化合物から選
    ばれる少なくともいずれか1種の化合物は、ベンゾトリ
    アゾール系化合物に対して20重量%以上100重量%
    以下含まれることを特徴とする、請求項9記載のインク
    ジェット記録方法。
  11. 【請求項11】 脂肪族1価アルコール、多価アルコー
    ル、多価アルコール誘導体および水のうちの少なくとも
    1種を含むことを特徴とする、請求項7記載のインクジ
    ェット記録方法。
  12. 【請求項12】 脂肪族1価アルコール、多価アルコー
    ルおよび多価アルコール誘導体の含有量は、希釈液に対
    して1重量%以上であることを特徴とする、請求項11
    記載のインクジェット記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010077285A (ja) * 2008-09-26 2010-04-08 Fujifilm Corp インクセット及び画像形成方法

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