JPH09132728A - ホストとして非対称ピロロ[3,4−c]ピロールを含有する単相固溶体 - Google Patents

ホストとして非対称ピロロ[3,4−c]ピロールを含有する単相固溶体

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JPH09132728A
JPH09132728A JP8255046A JP25504696A JPH09132728A JP H09132728 A JPH09132728 A JP H09132728A JP 8255046 A JP8255046 A JP 8255046A JP 25504696 A JP25504696 A JP 25504696A JP H09132728 A JPH09132728 A JP H09132728A
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dihydro
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Zhimin Hao
ハオ ツィミン
Abul Iqbal
イクバル アブール
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Ciba Geigy AG
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】置換された非対称2、5−ジヒドロ−1、4−
ジケトピロロピロールと2、5−ジヒドロ−1、4−ジ
ケトピロロピロールまたはキナクリドンとの新規な単相
固溶体(single-phase solid solutions)および顔料とし
てその使用を提供する。 【解決手段】下記式(I) の非対称2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロロ
[3,4−c]ピロールを60乃至90モル%;および
下記式(IIa) の2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロロ[3,4−
c]ピロールを40乃至10モル%;または下記式(II
b) のキナクリドンを40乃至10モル%含有する固溶体。
この固溶体は式(I)の非対称2、5−ジヒドロ−1、
4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロールの結晶構造を
有する単相固溶体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、置換された非対称2、5−ジヒ
ドロ−1、4−ジケトピロロピロールと2、5−ジヒド
ロ−1、4−ジケトピロロピロールまたはキナクリドン
との新規な単相固溶体(single-phase solid solutions)
および顔料としてのその使用に関する。
【0002】式
【化16】 のタイプの非対称2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピ
ロロピロール(DPP)を含む複数のDPP、それらの
製造方法ならびに顔料としてのその使用が米国特許第4
579949号明細書に記載されている。この種のDP
Pは、また米国特許第4783540号明細書および第
4810304号明細書から公知の固溶体の構成成分で
ある。
【0003】米国特許第4783540号明細書は、2
つの異なる2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロロピ
ロールを混合し、次にこの混合物を、混練、摩砕または
再沈殿によって処理すると固溶体が得られることを記載
している。例示されている式(I)の非対称DPPは3
−フェニル−6−(3−クロロフェニル)−2、5−ジ
ヒドロ−1、4−ジケトピロロピロール、3−フェニル
−6−(4−クロロフェニル)−2、5−ジヒドロ−
1、4−ジケトピロロピロールであり、これらが対称形
DPP[下記式 (IIa)のものを含む。式中、G3 とG4
とは同種である]と一緒に使用される。
【化17】
【0004】米国特許第4810304号明細書は、
2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロロピロールとキ
ナクリドン[下記式(IIb)のキナクリドンを含む]を混
合し、次にこの混合物を混練、摩砕または再沈殿によっ
て処理すると同じく固溶体が得られることを記載してい
る。
【化18】 ただし、この明細書には、成分として式(I)の非対称
DPPを有する例は示されていない。
【0005】上記のいずれの場合も、固溶体のX線回折
図は、各成分のX線回折図を合わせたものとは相違す
る。しかしながら、開示されている実施例によって得ら
れる生成物のすべての場合において、それら固溶体のX
線回折図は個々の純結晶成分のX線回折図とは顕著に相
違している。したがって、それら固溶体は例外なく多相
固溶体であり、正確で均一な結晶格子をまったく有して
いない。さらに、それらの生成物は、所望されない、ほ
とんど不定形の形態で得られる。さらに加えて、この種
の多相固溶体が、固溶体に所望される条件、たとえば高
い耐光堅牢性と耐候性ならびに正確に再現可能な色など
の条件を満足するに到っていないことが判明した。
【0006】今回、使用されるホストが定められた基G
1 とG2 とを有する式(I)の非対称2、5−ジヒドロ
−1、4−ジケトピロロピロールであり、使用されるゲ
ストが、定められたモル比で、定められた基G3 とG4
とを有する式(IIa)の2、5−ジヒドロ−1、4−ジケ
トピロロピロールまたは定められた置換基R9 を有する
式(IIb)のキナクリドンである場合には、驚くべきほど
に高い耐光堅牢性と耐候性ならびに正確に再現可能な色
を有する単相固溶体が得られることが見い出された。こ
れら単相固溶体の結晶性は優れており、X線回折図にお
いて、中間ピーク幅が≦1.0 2θ、好ましくは≦
0.8 2θであるブラッグ角線によって特徴づけられ
る。いずれの場合にも、本単相固溶体のX線回折図は、
式(I)の純非対称2、5−ジヒドロ−1、4−ジケト
ピロロピロールのX線回折図とほとんど一致する。換言
すれば、いずれの場合においても、ゲストはその結晶構
造を完全に放棄し、そして得られた単相固溶体はホスト
と等形態(isomorphous) である。したがって、混晶でも
ない。
【0007】文献においては, たとえばG.H.Van't Hof
f, A.I. Kitaigorodsky およびA. Whitackerなどさま
ざまな著者が固溶体と混晶とに対して使用している定義
は、しばしば矛盾している(たとえば、"Analytical ch
emistry of synthetic dyes", Chapter10/page 289, 編
集者 K. Venkataraman, J.Wiley,ニューヨーク 1977 ,
参照)。
【0008】したがって、本明細書においては、”単相
固溶体”、”多相固溶体”、”混晶”という言葉は、下
記の新しい定義にしたがって理解されたい。この新しい
定義は、かかる系についての最近の向上された知識の状
況に適合するものである。多相固溶体 :これは正確で均一な結晶格子をまったく有
していない。これは、その個々の成分の物理的混合物と
は、その成分の少なくとも1つの結結晶格子が部分的ま
たは完全に変わってい点において相違する。各成分の物
理的混合物と比較して、X線回折図中の信号が広くなる
か、シフトするか、または濃度変化している。一般的
に、成分の割合が異なると異なる結果が生じる。単相固溶体(single-phase またはmonophase) :これは、
その成分の1つの結晶格子と同じ結晶格子を有してい
る。1つの成分は、”ホスト”として作用する他の成分
の結晶格子の中に”ゲスト”として埋没されている。あ
る限度内において、成分の割合が変わってもほとんど同
じ結果が生じる。混晶 :これは、1つの正確な組成およぼ1つの均一な結
晶格子を有している。その結晶格子は、その成分のいず
れの結晶格子とも相違する。ある限度内において、成分
の割合が変わっても同じ結果が生じ、この場合、混晶が
ホストの役割をする1つの固溶体が存在する。誤解を避
けるために特に指摘しておきたいことは、異なる物理的
タイプの異なる粒子からなる不定形構造体および混合凝
集体も存在しうるということである。たとえば、それぞ
れの純結晶変態における異なる成分の凝集体の如きも
の。このような不定形構造体および混合凝集体は固溶体
とも混晶とも同一視され得ないものであり、そして別の
基本特性を有するものである。
【0009】本発明は下記成分よりなる固溶体を提供す
る。下記式(I)の非対称2、5−ジヒドロ−1、4−
ジケトピロロ[3,4−c]ピロールを60乃至90モ
ル%
【化19】 [式中、G1 とG2 とは互いに独立的に下記式のいずれ
かの異なる基である
【化20】 (式中、R1 とR2 とは互いに独立的にフッ素、塩素、
臭素、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、C1-C8
アルキル、C5-C6 シクロアルキル、フェニル、C1-C
8アルコキシ、C1-C8 アルコキシカルボニル、C1-C8
アルキルアミノ、C1-C8 アルキルミノカルボニル、
1-C8 ジアルキルアミノ、C1-C8 ジアルキルアミノ
カルボニルまたはモルホリノであり、R3 は -O- 、 -
NR5 - 、 -N=N- または -SO2-であり、R4 は水
素、フッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、トリフルオ
ロメチル、C1-C8 アルキル、C1-C8 アルコキシ、C
1-C8 アルキルアミノ、C1-C8 ジアルキルアミノ、C
1-C8 アルコキシカルボニル、C1-C8 アルキルアミノ
カルボニルまたはC1-C8 ジアルキルアミノカルボニル
であり、R5 は水素、メチルまたはエチルである)、た
だし、G1 とG2 のいずれか一方が下記式のいずれかの
【化21】 である場合には、他方のG2 またはG1 は下記式の基
【化22】 (ここにおいて、R6 は塩素であり、そしてR7 はフッ
素またはトリフルオロメチルであるか、またはR6 とR
7 とは互いに独立的にフッ素、メチルまたはトリフルオ
ロメチルである)のいずれでもない];および下記式
(IIa)の2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロロ
[3,4−c]ピロールを40乃至10モル%
【化23】 [式中、G3 とG4 とは互いに独立的に下記式のいずれ
かの同種または異なる基である
【化24】 (式中、R8 はフッ素、塩素、シアノ、ニトロ、トリフ
ルオロメチル、C1-C4アルキル、C1-C4 アルコキシ
またはC1-C4 ジアルキルアミノである)];または下
記式(IIb)のキナクリドンを40乃至10モル%
【化25】 (式中、R9 は水素、ハロゲン、C1-C4 アルキルまた
はC1-C4 アルコキシである);なお、本固溶体は、式
(I)の非対称2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロ
ロ[3,4−c]ピロールの結晶構造を有する単相固溶
体である。
【0010】C1-C8-アルキルの例はメチル、エチル、
n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブ
チル、tert−ブチル、n−アミル、tert−アミ
ル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−
エチウヘキシルまたは2、4、4−トリメチル−2−ペ
ンチルである。C1-C8-アルコキシ単独ならびにC1-C
8 アルコキシカルボニル中のC1-C8-アルコキシは、−
O−C1-C8-アルキルであり、たとえばメトキシ、エト
キシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、ブチロキシ、
ヘキシルオキシまたはオクチルオキシである。C1-C8-
アルキルアミノ単独ならびにC1-C8 アルキルアミノカ
ルボニル中のC1-C8-アルキルアミノは、−NH−C1-
8-アルキルであり、たとえばメチルアミノ、エチルア
ミノ、プロピルアミノ、ヘキシルアミノまたはオクチル
アミノである。C2-C8-ジアルキルアミノ単独ならびに
1-C8 ジアルキルアミノカルボニル中のC1-C8-ジア
ルキルアミノは
【化26】 (式中の2つのアルキル基の炭素数は合計2乃至8であ
る)であり、たとえばジメチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、メチルヘキシ
ルアミノまたはエチルヘキシルアミノである。C5-C6
シクロアルキルは、たとえばシクロペンチルおよび特に
シクロヘキシルである。
【0011】好ましいのは、下記により定義される式
(I)の非対称2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロ
ロ[3,4−c]ピロールである
【化27】 [式中,G1 とG2 とは互いに独立的に下記のいずれか
の異なる基である
【化28】 (式中R10とR11とは互いに独立的に塩素、臭素、シア
ノ、ニトロ、トリフルオロメチル、C1-C8 アルキル、
フェニル、C1-C8 アルコキシ、C1-C8 アルコキシカ
ルボニル、C1-C8 アルキルアミノまたはC1-C8 ジア
ルキルアミノであり、R12は -NR5 - または -SO2-
である)]。
【0012】好ましい式(I)の非対称2、5−ジヒド
ロ−1、4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロールの例
を特にあげれば以下のものである:3−(4’−クロロ
フェニル)−6−(3’−メチルフェニル)−2、5−
ジヒドロ−1、4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロー
ル、3−(4’−クロロフェニル)−6−(4’−メチ
ルフェニル)−2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロ
ロ[3,4−c]ピロール、3−フェニル−6−(4’
−ビフェニリル)−2、5−ジヒドロ−1、4−ジケト
ピロロ[3,4−c]ピロール、3−フェニル−6−
(4’−tert−ブチルフェニル)−2、5−ジヒド
ロ−1、4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロール、3
−フェニル−6−(3’,4’−ジクロロフェニル)−
2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロロ[3,4−
c]ピロール、3−(4’−クロロフェニル)−6−
(4’−ビフェニリル)−2、5−ジヒドロ−1、4−
ジケトピロロ[3,4−c]ピロール、3−(4’−ク
ロロフェニル)−6−(4’−tert−ブチルフェニ
ル)−2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロロ[3,
4−c]ピロール、3−(4’−クロロフェニル)−6
−(3’−メチルフェニル)−2、5−ジヒドロ−1、
4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロール、3−(4’
−クロロフェニル)−6−(3’−シアノフェニル)−
2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロロ[3,4−
c]ピロール。
【0013】特に好ましいのは、下記により定義される
式(I)の非対称2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピ
ロロ[3,4−c]ピロールである
【化29】 [式中,G1 は下記式のいずれかの基
【化30】 (式中、R13とR14とはニトロ、C4-C8 アルキル、フ
ェニル、C4-C8 アルコキシまたはC4-C8 ジアルキル
アミノであり、特にtert−ブチルまたはフェニルで
ある)であり、そしてG2 はG1 とは異なる基であっ
て、最初に定義した意味を有する]。G2 が置換されて
いないフェニルである場合でも、誠に驚くべきことなが
ら、これら特に好ましい式(I)の非対称2、5−ジヒ
ドロ−1、4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロール
は、単相固溶体を形成するのに適当なホストであること
が証明されている。
【0014】特に好ましい式(I)の非対称2、5−ジ
ヒドロ−1、4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロール
の例を特にあげれば以下のものである:3−フェニル−
6−(4’−ビフェニリル)−2、5−ジヒドロ−1、
4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロール、3−フェニ
ル−6−(4’−tert−ブチルフェニル)−2、5
−ジヒドロ−1、4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロ
ール、3−フェニル−6−(3’、4’−ジクロロフェ
ニル)−2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロロ
[3,4−c]ピロール。
【0015】格別に好ましいのは、下記により定義され
る式(I)の非対称2、5−ジヒドロ−1、4−ジケト
ピロロ[3,4−c]ピロールである
【化31】 [式中、G1 とG2 とは互いに独立的に下記式のいずれ
かの互いに異なる基である
【化32】 (式中、R13とR14とはニトロ、C4-C8 アルキル、フ
ェニル、C4-C8 アルコキシまたはC4-C8 ジアルキル
アミノであり、特にtert−ブチルまたはフェニルで
ある)]。
【0016】格別に好ましい式(I)の非対称2、5−
ジヒドロ−1、4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロー
ルの例を特にあげれば以下のものである:3−(4’−
クロロフェニル)−6−(4’−ビフェニリル)−2、
5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロロ[3,4−c]ピ
ロール、3−(4’−クロロフェニル)−6−(4’−
tert−ブチルフェニル)−2、5−ジヒドロ−1、
4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロール、3−(4’
−クロロフェニル)−6−(3’、4’−ジクロロフェ
ニル)−2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロロ
[3,4−c]ピロール、3−(4’−クロロフェニ
ル)−6−(3’−メチルフェニル)−2、5−ジヒド
ロ−1、4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロール、3
−(4’−クロロフェニル)−6−(3’−シアノフェ
ニル)−2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロロ
[3,4−c]ピロール。
【0017】好ましい式(IIa)の化合物は、下記により
定義される式(IIa)の非対称2、5−ジヒドロ−1、4
−ジケトピロロ[3,4−c]ピロールである
【化33】 [式中,G3 とG4 とは互いに独立的に下記の同種また
は異種の基である
【化34】 (式中、R8 はフッ素、塩素、シアノ、ニトロ、トリフ
ルオロメチル、C1-C4アルキル、C1-C4 アルコキ
シ、C1-C4 アルキルアミノまたはC1-C4 ジアルキル
アミノである)]。
【0018】特に好ましい式(IIa)の化合物は、下記に
より定義される式(IIa)の非対称2、5−ジヒドロ−
1、4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロールである:
【化35】 [式中,G3 とG4 とは互いに独立的に下記の同種また
は異種の基である
【化36】 (式中、R15は塩素、ニトロ、トリフルオロメチル、メ
チル、メトキシ、メチルアミノまたはジメチルアミノで
ある)]。特に好ましいのは、G3 とG4 とが同種であ
る式(IIa)の対称化合物である。
【0019】好ましい式(IIb)のキナクリドンは下記に
より定義される式(IIb)のキナクリドンである
【化37】 (式中,R9 は水素、ハロゲンまたはメチルである)。
特に好ましい式(IIb)のキナクリドンは、置換されてい
ないキナクリドン、2、9−ジクロロキナクリドン、
2、9−ジメチルキナクリドンである。
【0020】ゲストとしては、その空間容積(spatial
bulk)が式(I)のホストの空間容積よりも小さい式(I
Ia)または(IIb)の化合物を使用するのが好ましい。化
合物の空間容積の1つの測定法としては、単結晶のX線
構造分析によって測定が可能であるその単位セルの容積
を、該単位セル内の分子の数で割り算する方法が使用で
きる。たとえば、適当な結晶が入手不可能であるために
この方法が使用できない場合には、多くの利用可能なコ
ンピューターシミュレーションプログラムを使用する
か、または、たとえば“Handbook of Chemistry and Ph
ysics”(CRC Press,76th edition,1995/96,section
9)のような表著作物中に見い出すことができる結合長
さ、結合角およびファンデルワールス半径に関する通常
の標準値をマニュアルで使用して計算、あるいは少なく
とも十分な精度をもって、空間容積を推計することもで
きる。しかしながら、計算をしなくとも、当技術分野に
通常の知識を有する者は、たとえば3、6−ジ(4−ク
ロロフェニル)−2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピ
ロロピロールの空間容積が3−(4−ビフェニリル)−
6−(4−tert−ブチル)−フェニル−2、5−ジ
ヒドロ−1、4−ジケトピロロピロールの空間容積より
もはるかに小さいことがわかるであろう。
【0021】モル濃度は、好ましくは、式(I)の非対
称2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロロ[3,4−
c]ピロールが75乃至90モル%、そして式(IIa)の
2,5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロロ[3,4−
c]ピロールまたは式(IIb)のキナクリドンが25乃至
10モル%である。特に好ましくは、モル濃度は、式
(I)の非対称2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロ
ロ[3,4−c]ピロールが75乃至84モル%、そし
て式(IIa)の2,5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロロ
[3,4−c]ピロールまたは式(IIb)のキナクリドン
が25乃至16モル%である。
【0022】式(I)および式 (IIa)の2、5−ジヒド
ロ−1、4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロールは公
知物質である。もし、それらのいずれかがまだ公知では
ない新規化合物であった場合でも、それらは公知の物質
から一般に公知の方法と類似する方法によって製造する
ことができる。特に式(I)および式 (IIa)の非対称
2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロロ[3,4−
c]ピロールは米国特許第4778899号明細書に記
載されている方法によって純粋な形で製造することがで
きる。
【0023】本新規固溶体は、式(I)と(IIa)または
(IIb)との上記に定義した成分の物理的混合物から出発
して、それ自体は公知である、以下の方法によって製造
することができる: −極性有機溶剤中において成分同志を、好ましくは成分
の混合物を還流温度において撹拌することによって、接
触させる、 −成分混合物を強力に摩砕または混練りする、 −酸性再沈殿させる、たとえば成分の混合物を酸に溶解
し、そして水で希釈することによって固溶体を沈殿させ
る、 −極性有機溶剤中において、成分の混合物をアルルカリ
性再沈殿する、 −アルカリ金属アルコラート、アルカリ金属水酸化物ま
たは第四アンモニウム化合物の存在下において、極性有
機溶剤中で成分の混合物を一緒に撹拌する。これらの操
作は、たとえば米国特許第4783540号明細書に詳
細に記載されている方法に準じて、実施することができ
る。
【0024】新規な製造方法は下記工程よりなる: 〔1〕触媒としての塩基の存在下において、非プロトン
有機溶剤中で、式(I)の化合物と式(IIa)または(II
b)の化合物とを、1:2乃至1:3のモル比で、それ
自体公知の方法によって、下記式のジカーボネート L−O−L (III)、 または下記式トリハロアセテテート (R16)3C−L (IV)、 または下記式のアジド L−N3 (V)、 または下記式のカーボネート L−OR17 (VI)、 または下記式のアルキリデンイミノオキシホルメート
【化38】 (上記各式中、Lは下記式のいずれかの基であり
【化39】 16は塩素、フッ素または臭素であり、R17はC1-C4
アルキル、置換されていないフェニル、またはハロゲ
ン、C1-C4アルキル、C1-C4 アルコキシまたはCN
によって置換されたフェニルであり、R18は−CNまた
は−COOR15であり、R19は置換されていないフェニ
ル、またはハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4アルコ
キシまたはCNによって置換されたフェニルであり、R
20は水素、C1-C6-アルキル、C2-C5 アルケニルまた
はC2-C5 アルキニルであり、R21とR22とは互いに独
立的にC1-C6-アルキル、C2-C5アルケニルまたはC2
-C5アルキニルである)と反応させて、下記式のいずれ
かの可溶性顔料前駆体を生成させ
【化40】 (式中、G1 乃至G4 およびR9 は上記に定義した通り
である); 〔2〕これらの可溶性顔料前駆体を、固溶体について所
望のモル比で、不活性液体中において、または乾燥形
態、あるいは懸濁物または溶液の形態で均質に混合し;
このあと 〔3〕該乾燥混合物、または懸濁または溶解された混合
物から、熱処理、光分解処理、または化学処理またはこ
れらの組み合わせによって所望の単相固溶体を沈殿させ
る。
【0025】R20、R21およびR22が意味するC2-C5
アルケニルの例は、ビニル、アリル、メタリル、n−ブ
テ−2−ニル、2−メトキシプロペ−2−ニルまたはn
−ペンテ−2−ニルであり、そしてR20、R21およびR
22が意味するC2-C5 アルキニルの例は、エチニル、プ
ロピ−2−ニル、ブチ−2−ニル、ブチ−3−ニル、2
−メチル−ブチ−3−ニルまたは2、2−ジメチルプロ
ピ−2−ニルである。好ましくは、R20とR21とはメチ
ルであり、そしてR22はC1 −C6-アルキル、特に好ま
しくは同じくメチルである。
【0026】好ましくは、Lは下記式のいずれかの基で
ある。
【化41】
【0027】好ましくは、式(I)、(IIa)および(II
b)の化合物を式(III)のジカーボネートを使用して反
応させて、式(VIII)、(IX)、(X)の化合物を生成さ
せる。式(III)のジカーボネート、式(IV)のトリハロ
アセテート、式(V)のアジド、式(VI)のカーボネー
トおよび式(VII)のアルキリデンイミノオキシホルメー
トは公知物質である。もし新規物質のものがあった場合
でも、それらは一般に公知の方法に準じて製造すること
ができる。
【0028】適当な非プロトン有機溶剤の例は、次のも
のである。エーテルたとえばテトラヒドロフランまたは
ジオキサン、またはグリコールエーテルたとえばエチレ
ングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル
またはジエチレングリコールモノエチルエーテル、さら
には双極性非プロトン溶剤、たとえばアセトニトリル、
ベンゾニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、ニトロベンゼン、N−メチ
ルピロリドン、ハロゲン化脂肪族炭化水素たとえばジク
ロロメタン、トリクロロエタン、芳香族炭化水素たとえ
ばベンゼン、あるいはアルキル、アルコキシまたはハロ
ゲンによって置換されたベンゼンたとえばトルエン、キ
シレン、アニソール、クロロベンゼン、あるいは芳香族
性N−ヘテロ環式化合物たとえばピリジン、ピコリンま
たはキノリン。好ましい溶剤の例はアセトニトリル、ジ
クロロメタン、テトラヒドロフランまたはN,N−ジメ
チルホルムアミドである。これら溶剤は、混合物として
使用することもできる。反応物1重量部に対して、溶剤
5乃至20重量部を使用するのが適当である。
【0029】触媒として適当な塩基の例は、次のもので
ある。リチウム、ナトリウム、カリウムのごときアルカ
リ金属それ自体およびそれらの水酸化物および炭酸塩、
あるいはアルカリ金属のアミドたとえばリチウムアミ
ド、ナトリウムアミドまたはカリウムアミド、あるいは
アルカリ金属水素化物たとえば水素化リチウム、水素化
ナトリウム、水素化カリウム、あるいはまたアルカリ土
類金属またはアルカリ金属のアルコラート。これらのア
ルコラートは、特に、1乃至10個の炭素原子を有する
第一、第二または第三脂肪族アルコールから誘導された
ものが好ましい。たとえばリチウム、ナトリウムまたは
カリウムのメチラート、エチラート、n−プロピラー
ト、イソプロピラート、n−ブチラート、sec−ブチ
ラート、tert−ブチラート、2−メチル−2−ブチ
ラート、2−メチル−2−ペンチラート、3−メチル−
3−ペンチラートおよび3−エチル−3−ペンチラート
である。さらにまた有機脂肪族、芳香族または複素環式
窒素塩基、たとえばジアザビシクロオクタン、ジアザビ
シクロウンデセン、4−ジメチルアミノピリジン、およ
びトリアルキルアミンたとえばトリメチルアミンまたは
トリエチルアミンも適当である。これら塩基の2つまた
はそれ以上の混合物を使用することもできる。好ましい
のは有機窒素塩基であり、例示すれば、ジアザビシクロ
オクタン、ジアザビシクロウンデセンおよび特に4−ジ
メチルアミノピリジンである。
【0030】反応は、大気圧下かつ10乃至100℃の
温度、特に14乃至40℃において都合よく実施され
る。反応のあと、式(I)、(IIa)または(IIb)の化合
物は、不活性液体中において、一般に公知の方法で、所
望のモル比で混合され、粉末形状あるいは懸濁物または
溶液として混合される。
【0031】式(I)と(IIa)または(IIb)の化合物
が、不活性液体中において懸濁物または溶液として混合
される場合には、使用される不活性液体は下記のごとき
溶剤のいずれかでありうる:エーテルたとえばテトラヒ
ドロフランまたはジオキサン、またはグリコールエーテ
ルたとえばエチレングリコールメチルエーテル、エチレ
ングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノメチルエーテルまたはジエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、ポリアルコールたとえばポリエチレングリ
コール、ケトンたとえばアセトン、エチルメチルケト
ン、イソブチルメチルケトンまたはシクロヘキサノン;
さらには双極性非プロトン溶剤、たとえばアセトニトリ
ル、ベンゾニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、ニトロベンゼン、N−
メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ハロゲン化
脂肪族炭化水素たとえばトリクロロエタン、ジクロロメ
タン、クロロホルム、ハロゲン化芳香族炭化水素たとえ
ばベンゼン、あるいはアルキル、アルコキシまたはハロ
ゲンによって置換されたベンゼンたとえばトルエン、キ
シレン、アニソール、クロロベンゼン、あるいは芳香族
性N−ヘテロ環式化合物たとえばピリジン、ピコリンま
たはキノリン;あるいはデカリン、n−ドデカンまたは
ケロシンのごとき高沸点溶剤、ならびにこれらの混合
物。好ましい溶剤の例はトルエン、ジフェニルエーテ
ル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシドおよびキノリンである。不
活性液中における式(I)、 (IIa)または(IIb)の化合
物の濃度は、使用される不活性液体の種類に大きく依存
する。溶液全体を基準にして、0.1乃至20重量%、
好ましくは0.2乃至5重量%の式(I)、(IIa)また
は(IIb)の化合物を使用するのが好ましい。
【0032】式(VIII)と式(IX)または(X)の顔料前
駆体の乾燥、懸濁または溶解した混合物から、式(I)
と(IIa)または(IIb)Iの化合物からなる本新規単相固溶
体は、当該乾燥、懸濁または溶解混合物を次の方法で処
理することによって、簡単に得ることができる: (a)熱処理、たとえば50乃至400℃の温度、好ま
しくは100乃至200℃の温度に加熱するか、または
レーザー照射する; (b)光分解処理、たとえば375nm以下の波長の光
に曝露する;または、(c)化学的処理、たとえば酢
酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、塩酸また
は硫酸のごとき有機酸または無機酸で処理し、そして得
られた生成物を常用の方法によって単離する。上記の処
理(a)、(b)および(c)は、個別に実施すること
もできるし、組み合わせて実施することもできる。好ま
しいのは熱処理(a)、ならびに熱処理(a)と化学処
理(c)との組み合わせである。本新規単相固溶体は、
アルカリ性再沈殿物を強力摩砕することによって、ある
いは式 (VIII)と(IX)または(X)の顔料前駆体を経
由する前記した方法によって製造するのが好ましい。特
に好ましいのはアルカリ性再沈殿による方法、そして格
別に好ましいのは顔料前駆体を経由する方法である。
【0033】すでに述べたように、本新規単相固溶体の
X線回折図は、式(I)の非対称形成分の線が排他的に
出現することによって特徴づけられる。特にゲストが高
濃度で存在する場合には、純ホストのX線回折図と比較
して2倍ブラッグ角のピークのわずかな偏差が観察され
ることがあるかもしれないが;その偏差はすべてのピー
クについての絶対値の平均で0.3・2θを超えること
はなく、そして個々のピークについては約±0.8・2
θまでである。かる変動は、化学組成の変化に起因する
であるが、しかし、ホストの結晶構造が何らかの仕方で
変化したことを示唆するものと解釈されるべきではな
い。中間ピーク幅および2倍ブラッグ角の線の相対濃度
も同様にわずかだけ変化するにすぎない。X線回折図に
おける平均中間ピーク幅が≦1.0・2θ、特に≦0.
8・2θである線によって特徴づけられる高い結晶性を
有する新規単相固溶体が好ましい。純ホストのX線回折
図と比較して、2倍ブラッグ角のピークの偏差の絶対値
が全ピークの平均では≦0.2・2θ、そして個々のピ
ークでは≦0.4・2θであるのが好ましい。
【0034】本新規単相固溶体の生成によって、非常に
興味ある色の有利なシフトを得ることができる。冒頭に
述べた公知の多相固溶体に比較して、本発明によって得
られる顔料は驚くべきことに非常に優秀な顔料特性、特
に高い耐光堅牢性と耐候性ならびに正確に再現可能な色
を有する。いま1つの利点は、対称形ホストの結晶格子
とは対照的に、非対称形ホストの結晶格子が驚くべきこ
とに、そのまま保持されることである。したがって、ホ
ストは既知の特性、たとえば、その表面特性、良好な堅
牢性、またはクリーンな色などに基づいて簡単に選択で
きる。ゲストの機能の1つは、単相固溶体の色を所望の
色に変調することである。
【0035】顔料特性を最適化するために、本新規単相
固溶体は、その形成後に、付加的熱処理にかけることが
でき、または再結晶することができる。再結晶および/
または熱的後処理が実施される場合には、それは顔料の
ために通常使用されている方法に従って行われる。通常
その方法は、水または有機溶剤中、常圧または高められ
た圧力下における熱的後処理である。この場合、次のよ
うな有機溶剤を使用するのが好ましい:ハロゲン、アル
キル基またはニトロ基によって置換されたベンゼン、た
とえばキシレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼ
ンまたはニトロベンゼン;ピリジン塩基たとえばピリジ
ン、ピコリンまたはキノリン;ケトンたとえばシクロヘ
キサノン;アルコールたとえばイソプロパノール、ブタ
ノールまたはペンタノール;エーテルたとえばエチレン
グリコールモノメチルエーテルまたはモノエチルエーテ
ル;アミドたとえばジメチルホルムアミドまたはN−メ
チルピロリドン;ジメチルスルホキシドまたはスルホラ
ン。また、後処理は、常圧または高められた圧力下、有
機溶剤の存在および/または界面活性剤の添加を伴った
水の中で実施することもできる。
【0036】本新規固溶体は高分子有機材料を着色する
ための顔料として使用できる。本新規固溶体によって着
色(colourまたはpigment )されうる高分子有機材料の
例は次ものである。セルロースエーテルおよびセルロー
スエステルたとえばエチルセルロース、ニトロセルロー
ス、酢酸セルロースまたは酪酸セルロース、天然樹脂ま
たは合成樹脂たとえば付加重合樹脂または縮合重合樹
脂、たとえばアミノ樹脂、特に、尿素/ホルムアルデヒ
ド樹脂およびメラミン/ホルムアルデヒド樹脂、アルキ
ド樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリオレ
フィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、
ポリウレタン、ポリエステル、ABS、ポリフェニレン
オキシド、ゴム、カゼイン、シリコーンおよびシリコー
ン樹脂、これらの単体または混合物。
【0037】上記に例示した高分子有機材料は、単独ま
たは混合して、可塑性マス、溶融物、紡糸液、ワニス、
コーティング材料または印刷インクなどの形態で存在し
うる。意図される用途によっては、本発明の固溶体をト
ナーとして、または調合物の形で使用するのが有利であ
る。本新規単相固溶体によって着色された高分子有機材
料は、優れたカラー特性を有する。したがって、本発明
は、新規な単相固溶体と高分子有機材料とを含有する組
成物をも提供する。本新規単相固溶体は、被着色高分子
有機材料を基準にして、0.01乃至30重量%の量
で、好ましくは0.1乃至10重量%の量で使用され
る。本発明の固溶体を使用する高分子有機材料の着色
は、たとえば、固溶体をそのままで、または所望の場合
は、マスターバッチの形で、ロールミル、ミキサーまた
は摩砕器を使用して基質材料に配合することによって実
施される。次に着色された材料を、それ自体公知の方
法、たとえばカレンダー加工、圧縮成形、押出し、コー
ティング、キャスティングまたは射出成形によって所望
の最終形状に成形加工される。多くの場合、非硬質成形
品を製造するため、あるいは成形品の脆弱性を低減する
ために、成形前に高分子有機材料に可塑剤を配合するの
が望ましい。可塑剤として使用可能な化合物の例はリン
酸エステル、フタル酸エステル、セバシン酸エステルで
ある。このような可塑剤は、本新規単相固溶体を配合す
る前または後にポリマーに添加することができる。各種
の色を得るために、本新規単相固溶体のほかに、フイラ
ー、反射性金属粒子または無機粒子たとえばアルミニウ
ムフレーク、マイカおよび/または他の着色成分たとえ
ば白色顔料、彩色顔料または黒顔料を任意の量で高分子
有機化合物に添加することもできる。
【0038】ワニス、コーティング材料および印刷イン
クの着色のためには、高分子有機材料と本発明の固溶体
とを、所望の場合にはフイラー、他の顔料、乾燥剤、可
塑剤などの添加物を加えて、共通の有機溶剤または溶剤
混合物の中に微分散するか、あるいは溶解する。この場
合、まず各成分を個々に分散または溶解するか、あるい
はそれらの内の2つまたはそれ以上の成分を一緒に分散
または溶解し、しかるのちにすべての成分を一緒に集め
る。本新規単相固溶体は、プラスチック特にポリ塩化ビ
ニルおよびポリオレフィンの着色のため、ならびに塗
料、好ましくは自動車用塗料またはメタリック塗料、た
とえば金属粒子または雲母粒子を含有する塗料の着色の
ために格別に好適である。たとえば、ポリ塩化ビニルま
たはポリオレフィンの着色のために使用された場合、本
新規単相固溶体は優れた全般的顔料特性を示す。たとえ
ば良好な分散性、優れた色濃度と純度、良好な耐マイグ
レーション性、耐熱性、耐光性および耐候性ならびに良
好な隠蔽力を示す。以下の実施例によって本発明を説明
する。
【0039】実施例1 ジメチルスルホキシドの40ml中の2、9−ジクロロキ
ナクリドンの0.53g(1.4ミリモル)、1、4−
ジケト−3−(4−tert−ブチルフェニル)−6−
(4−クロロフェニル)−2、5−ジヒドロピロロ
[3,4−c]ピロールの2.12g(5.6ミリモ
ル)および水酸化カリウムの1.18gの混合物を50
℃に加熱し、そしてこの温度において2時間撹拌する。
ついで、この反応混合物を、メタノール40mlと水12
0mlとの混合物中の濃硫酸0.7mlの溶液に、15分間
かけて滴下添加する。滴下後、この混合物を60℃に加
熱して5時間撹拌する。生じた赤色懸濁物を濾過し、残
留物を最初にメタノールで、次に水で洗い、60℃にお
いて真空乾燥して、赤色粉末2.3g(理論値の87
%)を得た。分析 : C H N Cl 計算値 68.40% 4.57% 7.38% 11.21% 測定値 67.14% 4.69% 7.15% 11.04% 完全X線回折図を、SIEMENS D 500(商標) X線回折計
(CuKα照射線)を使用して常用方法で測定した。そ
のX線回折図は下記回折線によって特性化される:
【表1】 このX線回折図は、下記回折線によって特性化される
1、4−ジケト−3−(4−tert−ブチルフェニ
ル)−6−(4−クロロフェニル)−2、5−ジヒドロ
ピロロ[3,4−c]ピロールのX線回折図と実質的に
一致する。
【表2】
【0040】実施例2 ジメチルスルホキシドの60ml中の1、4−ジケト−
3、6−ジフェニル−2、5−ジヒドロピロロ[3,4
−c]ピロールの0.86g(3ミリモル)、1、4−
ジケト−3−(4−クロロフェニル)−6−(4−メチ
ルフェニル)−2、5−ジヒドロピロロ[3,4−c]
ピロールの2.36g(7ミリモル)および水酸化カリ
ウムの1.68gの混合物を50℃に加熱し、そしてこ
の温度において2時間撹拌する。ついで、この反応混合
物を、濃硫酸0.9ml、メタノール60ml、水120ml
の溶液中に導入し、この混合物を60℃において6時間
撹拌する。生じた赤色懸濁物を濾過し、残留物を最初に
メタノールで、次に水で洗い、60℃において真空乾燥
して、赤色粉末2.8g(理論値の87%)を得た。分析 : C H N Cl 計算値 69.70% 3.97% 8.69% 7.70% 測定値 69.47% 3.98% 8.46% 7.61% そのX線回折図は下記回折線によって特性化される:
【表3】 このX線回折図は、下記回折線によって特性化される
1、4−ジケト−3−(4−クロロフェニル)−6−
(4−メチルフェニル)−2、5−ジヒドロピロロ
[3,4−c]ピロールのX線回折図と実質的に一致す
る。
【表4】
【0041】実施例3 ジメチルスルホキシドの60ml中の1、4−ジケト−
3、6−ジフェニル−2、5−ジヒドロピロロ[3,4
−c]ピロールの0.72g(2.5ミリモル)、1、
4−ジケト−3−(4−クロロフェニル)−6−(3−
メチルフェニル)−2、5−ジヒドロピロロ[3,4−
c]ピロールの1.68g(5.0ミリモル)および水
酸化ナトリウムの0.66gの混合物を50℃に加熱
し、そしてこの温度において一晩撹拌する。ついで、こ
の反応混合物を、水150ml中の濃硫酸1.69mlの0
℃に冷却した溶液に導入し、撹拌を6時間続ける。生じ
た赤色懸濁物を濾過し、残留物を最初にメタノールで、
次に水で洗い、そして80℃において真空乾燥して、赤
色粉末1.6g(理論値の67%)を得た。分析 : C H N Cl 計算値 70.17% 3.99% 8.79% 7.02% 測定値 69.45% 4.10% 8.68% 7.49% そのX線回折図は下記回折線によって特性化される:
【表5】 このX線回折図は、下記回折線によって特性化される
1、4−ジケト−3−(4−クロロフェニル)−6−
(3−メチルフェニル)−2、5−ジヒドロピロロ
[3,4−c]ピロールのX線回折図と実質的に一致す
る。
【表6】
【0042】実施例4 実施例1の操作を繰り返した。ただし、2、9−ジクロ
ロキナクリドンの1.4ミリモルの代わりに2、9−ジ
メチルキナクリドンの1.4ミリモルを使用した。同様
に赤色粉末を得られた。そのX線回折図は、1、4−ジ
ケト−3−(4−tert−ブチルフェニル)−6−
(4−クロロフェニル)−2、5−ジヒドロピロロ
[3,4−c]ピロールのX線回折図と実質的に一致す
る。
【0043】実施例5 実施例2の操作を繰り返した。ただし、1、4−ジケト
−3、6−ジフェニル−2、5−ジヒドロピロロ[3,
4−c]ピロールの3.3ミリモルと1、4−ジケト−
3−(4−クロロフェニル)−6−(3−メチルフェニ
ル)−2、5−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール
の6.7ミリモルとを使用した。同様に赤色粉末を得
た。そのX線回折図は1、4−ジケト−3−(4−クロ
ロフェニル)−6−(3−メチルフェニル)−2、5−
ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロールのX線回折図と
実質的に一致する。
【0044】実施例6 実施例2の操作を繰り返した。ただし、1、4−ジケト
−3、6−ジフェニル−2、5−ジヒドロピロロ[3,
4−c]ピロールの4ミリモルと1、4−ジケト−3−
(4−クロロフェニル)−6−(3−メチルフェニル)
−2、5−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロールの6
ミリモルとを使用した。同様に赤色粉末を得た。そのX
線回折図は1、4−ジケト−3−(4−クロロフェニ
ル)−6−(3−メチルフェニル)−2、5−ジヒドロ
ピロロ[3,4−c]ピロールのX線回折図と実質的に
一致する。
【0045】実施例7A テトラヒドロフランの500ml中の1、4−ジケト−
3、6−ジフェニル−2、5−ジヒドロピロロ[3,4
−c]ピロールの14.75g(51.2ミリモル)と
ジ−tert−ブチルジカーボーネートの27.94g
との混合物に、4−ジメチルアミノピリジンの3,23
g(26.4ミリモル)を添加する。得られた赤色懸濁
物を大気水分を遮断しながら室温において2時間撹拌す
る。ついで、減圧蒸留によって溶剤を除去する。黄色残
留物を少量のメタノールで洗い、室温において真空乾燥
して、黄色のN、N−ジ−(tert−ブトキシカルボ
ニル)−1、4−ジケト−3、6−ジフェニル−2、5
−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロールの23、8g
(理論値の95%)を得た。 分析 : C H N
計算値 68.84% 5.78% 5.73% 測定値 68.71% 5.79% 5.71%
【0046】実施例7B 実施例7Aの操作を繰り返した。ただし、1、4−ジケ
ト−3、6−ジフェニル−2、5−ジヒドロピロロ
[3,4−c]ピロールの代わりに1,4−ジケト−3
−(4−クロロフェニル)−6−(3−メチルフェニ
ル)−2、5−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール
の17.23g(51.2ミリモル)を使用し、また反
応時間を2時間から30時間に延長した。これによっ
て、明るい黄色のN、N−ジ−(tert−ブトキシカ
ルボニル)−1、4−ジケト−3−(4−クロロフェニ
ル)−6−(3−メチルフェニル)−2、5−ジヒドロ
ピロロ[3,4−c]ピロールの23、4g(理論値の
85%)を得た。分析 : C H N Cl 計算値 64.86% 5.44% 5.22% 6.60% 測定値 64.50% 5.62% 5.11% 6.43%
【0047】実施例7C 実施例7Aのようにして製造されたN、N−ジ−(te
rt−ブトキシカルボニル)−1、4−ジケト−3、6
−ジフェニル−2、5−ジヒドロピロロ[3,4−c]
ピロールの1.95g(4ミリモル)と、実施例7Bの
ようにして製造されたN、N−ジ-(tert- ブトキシカル
ボニル)−1、4−ジケト−3−(4−クロロフェニ
ル)−6−(3−メチルフェニル)−2、5−ジヒドロ
ピロロ[3,4−c]ピロールの4.30g(8ミリモ
ル)との混合物を、60℃において、撹拌しながらトル
エンの200ml中に溶解した、次いで4−トルエンスル
ホン酸5.8gを添加し、この混合物をさっと105℃
に加熱し、そのあと室温に放冷した。この懸濁物を濾過
し、残留物を最初メタノールで、次に水で洗い、80℃
において真空乾燥して、オレンジ色の粉末3.2g(理
論値の83%)を得た。分析 : C H N Cl 計算値 70.17% 3.99% 8.79% 7.02% 測定値 69.17% 4.18% 8.51% 7.41% そのX線回折図は下記回折線によって特性化される:
【表7】 このX線回折図は、1、4−ジケト−3−(4−クロロ
フェニル)−6−(3−メチルフェニル)−2、5−ジ
ヒドロピロロ[3,4−c]ピロールのX線回折図と実
質的に一致する。
【0048】実施例8A 実施例7Bの操作を繰り返した。ただし、1,4−ジケ
ト−3−(4−クロロフェニル)−6−(3−メチルフ
ェニル)−2、5−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロ
ールの代わりに1,4−ジケト−3−(4−クロロフェ
ニル)−6−(4−メチルフェニル)−2、5−ジヒド
ロピロロ[3,4−c]ピロールを使用して、これによ
って、明るい黄色のN、N−ジ−(tert−ブトキシ
カルボニル)−1、4−ジケト−3−(4−クロロフェ
ニル)−6−(4−メチルフェニル)−2、5−ジヒド
ロピロロ[3,4−c]ピロールを得た。分析 : C H N Cl 計算値 64.86% 5.44% 5.22% 6.60% 測定値 64.35% 5.70% 5.10% 6.45%
【0049】実施例8B 実施例7Cの操作を繰り返した。ただし、N、N−ジ−
(tert−ブトキシカルボニル)−1、4−ジケト−
3−(4−クロロフェニル)−6−(3−メチルフェニ
ル)−2、5−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール
の代わりに実施例8Aのようにして製造されたN、N−
ジ-(tert- ブトキシカルボニル)−1、4−ジケト−3
−(4−クロロフェニル)−6−(4−メチルフェニ
ル)−2、5−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール
を使用した。赤色粉末3.1g(理論値の80%)を得
た。分析 : C H N Cl 計算値 70.17% 3.99% 8.79% 7.02% 測定値 69.17% 4.11% 8.60% 7.26% そのX線回折図は下記回折線によって特性化される:
【表8】 このX線回折図は、1、4−ジケト−3−(4−クロロ
フェニル)−6−(4−メチルフェニル)−2、5−ジ
ヒドロピロロ[3,4−c]ピロールのX線回折図と実
質的に一致する。
【0050】実施例9−24 実施例2記載の操作を繰り返した。ただし、ゲストとし
て式(IIa)の化合物(1、4−ジケト−3、6−ジフェ
ニル−2、5−ジヒドロトピロロ[3,4−c]ピロー
ルに代えて)を使用し、そしてホストとして式(I)の
化合物(1、4−ジケト−3−(4−クロロフェニル)
−6−(4−メチルフェニル)−2、5−ジヒドロトピ
ロロ[3,4−c]ピロールに代えて)を使用した。な
お、G1乃G4 の基の種類およびゲスト化合物とホスト
化合物との比は下表に示されている。いずれの場合に
も、単相固溶体を得た。
【表9】
【0051】実施例25 実施例1の固溶体 7.5g 後記組成のCAB溶液 98.9g ポリエステル樹脂、(商標)DYNAPOL H700(Dynamit Nobel社) 36.5g メラミン樹脂、(商標)MAPRENAL MF650(Hoecht 社) 4.6g 分散剤、(商標)DISPERBYK 160(Byk Chemie社) 2.5g を、振り混ぜ器中において一緒に90分間分散した(塗
料総量150g;顔料5%)。 [CAB溶液の組成] アセト酪酸セルロース、(商標)CAB 531.2、ブタノール/キシレン2:1混合 物中 20%(Eastman Chem. 社) 41.0g, オクトン酸ジルコニウム 1.5g, (商標)SOLVESS0 150 (ESSO社) 18.5g, 酢酸ブチル 21.5g, キシレン 17.5g。 得られたマストーン塗料27.69gを、下塗りのた
め、下記組成のアルミニウム原液(8%)17.31g
と混合した: (商標)SILBERLINE SS 3334AR, 60%(Silberline社) 12.65g, CAB溶液(組成は前記) 56.33g, ポリエステル樹脂、(商標)DYNAPOL H700 20.81g, メラミン樹脂、(商標)MAPRENAL MF650 2.60g, (商標)SOLVESSO 150 7.59g。 この混合物を、アルミパネルにスプレー塗布した(ウエ
ット膜厚約20μm)。室温において30分間自然乾燥
した後、下記組成の熱硬化性アクリルワニスを、上塗り
としてスプレー塗布した(ウエット膜厚約50μm)。 アクリル樹脂、(商標)URACRON 2263 XB、キシレン/ブタノール中50% (Chem. Fabrik Schweizerhalle 社) 29.60g, メラミン樹脂、(商標)CYMEL 327, イソブタノール中90% 5.80g, 酢酸ブチルグリコール 2.75g, キシレン 5.70g, n−ブタノール 1.65g, シリコーン油、キシレン中1% 0.50g, 光安定化剤、(商標)TINUVIN 900、キシレン中10%(Ciba社) 3.00g, 光安定化剤、(商標)TINUVIN 292、キシレン中10%(Ciba社) 1.00g。 さらに室温において30分間自然乾燥した後、130℃
において30分間焼付けた。
【0052】実施例26 実施例2の単相固溶体0.6gを、ポリ塩化ビニル67
g,ジオクチルフタレート33g,ジブチルスズジラウ
レート2gおよび二酸化チタン2gと混合し、そしてこ
の混合物をローラベッド上で160℃において15分間
加工して、薄いフィルムを製造した。得られた赤色PV
Cフィルムは非常に高い色濃度を有し、そしてマイグレ
ーションおよび光に対して安定であった。
【0053】実施例27 ポリプロピレン顆粒〔(商標)RDAPLEN PT-55, Chemie
LINZ〕1000gと、実施例3の単相固溶体10gと
ベヘン酸マグネシウム10gとからなる50%顔料調合
物20gとを、混合ドラムの中においてよく混合した。
このように処理された顆粒を、溶融紡糸法により260
乃至285℃において紡糸して、優れた耐光堅牢性なら
びに織物堅牢性を有するオレンジに着色された繊維を得
た。高分子有機材料を着色するために、実施例1乃至3
の生成物の代わり、たとえば、実施例4乃至24の生成
物を使用して、上記実施例25乃至27と同様に操作を
実施できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 101/00 C08L 101/00

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分よりなる固溶体であり:下記式
    (I)の非対称2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロ
    ロ[3,4−c]ピロールを60乃至90モル% 【化1】 [式中、G1 とG2 とは互いに独立的に下記式のいずれ
    かの異なる基である 【化2】 (式中、R1 とR2 とは互いに独立的にフッ素、塩素、
    臭素、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、C1-C8
    アルキル、C5-C6 シクロアルキル、フェニル、C1-C
    8アルコキシ、C1-C8 アルコキシカルボニル、C1-C8
    アルキルアミノ、C1-C 8 アルキルミノカルボニル、
    1-C8 ジアルキルアミノ、C1-C8 ジアルキルアミノ
    カルボニルまたはモルホリノであり、R3 は -O- 、 -
    NR5 - 、 -N=N- または -SO2- であり、R4
    水素、フッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、トリフル
    オロメチル、C1-C8 アルキル、C1-C8 アルコキシ、
    1-C8 アルキルアミノ、C1-C8 ジアルキルアミノ、
    1-C8 アルコキシカルボニル、C1-C8 アルキルアミ
    ノカルボニルまたはC1-C8 ジアルキルアミノカルボニ
    ルであり、R5 は水素、メチルまたはエチルである)、
    ただし、G1 とG2 のいずれか一方が下記式のいずれか
    の基 【化3】 である場合には、他方のG2 またはG1 は下記式の基 【化4】 (ここにおいて、R6 は塩素であり、そしてR7 はフッ
    素またはトリフルオロメチルであるか、またはR6 とR
    7 とは互いに独立的にフッ素、メチルまたはトリフルオ
    ロメチルである)のいずれでもない];および下記式
    (IIa)の2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロロ
    [3,4−c]ピロールを40乃至10モル% 【化5】 [式中、G3 とG4 とは互いに独立的に下記式のいずれ
    かの同種または異なる基である 【化6】 (式中、R8 はフッ素、塩素、シアノ、ニトロ、トリフ
    ルオロメチル、C1-C4アルキル、C1-C4 アルコキシ
    またはC1-C4 ジアルキルアミノである)],または下
    記式(IIb)のキナクリドンを40乃至10モル% 【化7】 (式中、R9 は水素、ハロゲン、C1-C4 アルキルまた
    はC1-C4 アルコキシである)、本固溶体は式(I)の
    非対称2、5−ジヒドロ−1、4−ジケトピロロ[3,
    4−c]ピロールの結晶構造を有する単相固溶体であ
    る。
  2. 【請求項2】 式(I)中のG1 とG2 とが互いに独立
    的に下記のいずれかの異なる基である請求項1記載の固
    溶体 【化8】 (式中R10とR11とは互いに独立的に塩素、臭素、シア
    ノ、ニトロ、トリフルオロメチル、C1-C8 アルキル、
    フェニル、C1-C8 アルコキシ、C1-C8 アルコキシカ
    ルボニル、C1-C8 アルキルアミノまたはC1-C8 ジア
    ルキルアミノであり、R12は -NR5 - または -SO2
    -である)。
  3. 【請求項3】 式(I)中のG1 が下記のいずれかの基
    である請求項1記載の固溶体 【化9】 (式中、R13およびR14はニトロ、C4-C8 アルキル、
    フェニル、C4-C8 アルコキシまたはC4-C8 ジアルキ
    ルアミノである)。
  4. 【請求項4】 R13とR14とがtert−ブチルまたは
    フェニルである請求項3記載の固溶体。
  5. 【請求項5】 式(I)中のG1 とG2 とが互いに独立
    的に下記のいずれかの異なる基である請求項1記載の固
    溶体 【化10】 (式中、R13およびR14はニトロ、C4-C8 アルキル、
    フェニル、C4-C8 アルコキシまたはC4-C8 ジアルキ
    ルアミノである)。
  6. 【請求項6】 R13とR14とがtert−ブチルまたは
    フェニルである請求項5記載の固溶体。
  7. 【請求項7】 式(IIa)中のG3 とG4 とが互いに独立
    的に下記のいずれかの同種または異なる基である請求項
    1記載の固溶体 【化11】 (式中、R8 はフッ素、塩素、シアノ、ニトロ、トリフ
    ルオロメチル、C1-C4アルキル、C1-C4 アルコキ
    シ、C1-C4 アルキルアミノまたはC1-C4 ジアルキル
    アミノである)。
  8. 【請求項8】 式(IIa)中のG3 とG4 とが互いに独立
    的に下記のいずれかの同種または異なる基である請求項
    1記載の固溶体 【化12】 (式中、R15は塩素、シアノ、ニトロ、トリフルオロメ
    チル、メチル、メトキシ、メチルアミノまたはジメチル
    アミノである)。
  9. 【請求項9】 式(IIb)中のR9 が水素、ハロゲンまた
    はメチルである請求項1記載の固溶体。
  10. 【請求項10】 式(IIb)が置換されていないキナクリ
    ドン、2、9−ジクロロキナクリドンまたは2、9−ジ
    メチルキナクリドンチルである請求項1記載の固溶体。
  11. 【請求項11】 モル濃度が式(I)の非対称2、5−
    ジヒドロ−1、4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロー
    ルが75乃至90モル%、そして式(IIa)の2,5−ジ
    ヒドロ−1、4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロール
    または式(IIb)のキナクリドンが25乃至10モル%で
    ある請求項1記載の固溶体。
  12. 【請求項12】 モル濃度が式(I)の非対称2、5−
    ジヒドロ−1、4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロー
    ルが75乃至84モル%、そして式(IIa)の2,5−ジ
    ヒドロ−1、4−ジケトピロロ[3,4−c]ピロール
    または式(IIb)のキナクリドンが25乃至16モル%で
    ある請求項1記載の固溶体。
  13. 【請求項13】 固溶体生成後、それがさらに付加的に
    熱処理または再結晶にかけられている請求項1記載の固
    溶体。
  14. 【請求項14】 請求項1記載の固溶体を製造する方法
    において、当該複数成分の混合物を下記工程によって単
    相固溶体に変換することを特徴とする方法 −極性有機溶剤中において成分同志を接触させる、 −強力に摩砕または混練りする、 −酸性再沈殿、 −極性有機溶剤中におけるアルカリ性再沈殿、 −アルカリ金属アルコラート、アルカリ金属水酸化物ま
    たは第四アンモニウム化合物の存在下において極性有機
    溶剤中で成分を一緒に撹拌する。
  15. 【請求項15】 極性有機溶剤中における接触に続い
    て、還流温度で撹拌する請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 請求項1記載の固溶体を製造する方法
    において、[1]触媒としての塩基の存在下において、
    非プロトン有機溶剤中で、式(I)の化合物と式(IIa)
    または(IIb) の化合物とを、1:2のモル比で、それ自
    体公知の方法によって、下記式のジカーボネート L−O−L (III)、 または下記式トリハロアセテテート (R16)3C−L (IV)、 または下記式のアジド L−N3 (V)、 または下記式のカーボネート L−OR17 (VI)、 または下記式のアルキリデンイミノオキシホルメート 【化13】 (上記各式中、Lは下記式のいずれかの基であり 【化14】 16は塩素、フッ素または臭素であり、R17はC1-C4
    アルキル、置換されていないフェニル、またはハロゲ
    ン、C1-C4 アルキル、C1-C4 アルコキシまたはCN
    によって置換されたフェニルであり、R18は−CNまた
    は−COOR15であり、R19は置換されていないフェニ
    ル、またはハロゲン、C1-C4 アルキル、C1-C4 アル
    コキシまたはCNによって置換されたフェニルであり、
    20は水素、C1 - C6-アルキル、C2-C5 アルケニル
    またはC2-C5 アルキニルであり、R21とR22とは互い
    に独立的にC1 - C6-アルキル、C2-C5 アルケニルま
    たはC2-C5 アルキニルである)と反応させて、下記式
    のいずれかの可溶性顔料前駆体を生成させ 【化15】 (式中、G1 乃至G4 およびR9 は上記に定義した通り
    である); [2]これらの可溶性顔料前駆体を、固溶体について所
    望のモル比で、不活性液体中において、または乾燥形
    態、あるいは懸濁物または溶液の形態で均質に混合し;
    このあと[3]該乾燥混合物、または懸濁または溶解さ
    れた混合物から熱処理、光分解処理または化学処理、ま
    たはこれらの組み合わせによって所望の単相固溶体を沈
    殿させることを特徴とする方法。
  17. 【請求項17】 工程[1]において、式(I)、(II
    a) および(IIb) の化合物を式(III)のジカーボネート
    と反応させて式(VIII)、(IX)および(X)の化合物を生
    成させる請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 工程[3]を熱処理、化学処理あるい
    は熱処理と化学処理の組み合わせによって実施する請求
    項16記載の方法。
  19. 【請求項19】 高分子有機材料を着色するための顔料
    として請求項1記載の固溶体を使用する方法。
  20. 【請求項20】 請求項1記載の固溶体と高分子有機材
    料とを含有する組成物。
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