JPH09132199A - 無重量発生装置 - Google Patents

無重量発生装置

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Publication number
JPH09132199A
JPH09132199A JP29251495A JP29251495A JPH09132199A JP H09132199 A JPH09132199 A JP H09132199A JP 29251495 A JP29251495 A JP 29251495A JP 29251495 A JP29251495 A JP 29251495A JP H09132199 A JPH09132199 A JP H09132199A
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JP
Japan
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capsule
launching
lifting
hoistway
linear motor
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Application number
JP29251495A
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English (en)
Inventor
Masato Mori
正人 森
Yoshihito Sakai
佳人 酒井
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Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
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Publication date
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Publication of JPH09132199A publication Critical patent/JPH09132199A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カプセル打ち上げ及び落下時のカプセルに負荷
される衝撃を低減することを課題としている。 【解決手段】昇降路Pと平行に一対のガイドレール2が
配設され、このガイドレール2に沿って昇降体1が昇降
する。昇降体1は、カプセル4と、そのカプセル4を収
納可能な中空部を有するカプセル収納体5とから構成さ
れる。打ち上げ・制動ゾーンAのA1領域には、昇降路
Pを囲むようにして補強材9が周設され、その内周側
に、一対のリニアモータの各固定子10が配設される。
また、上記固定子10に沿って昇降体1の位置を検出す
る位置検出センサ11が配設される。上記固定子10
は、供給される電力に応じた磁界を発生可能となってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カプセルを打ち上
げることで、当該カプセルの上昇の際及び降下の際の両
方で無重量状態を発生させる打ち上げ式の無重量発生装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、カプセルを打ち上げることで無重
量状態を発生させる無重量発生装置としては、例えば、
次のような装置が提案されている。この装置は、実験装
置等を収納するカプセルと、そのカプセルの昇降路に沿
って配置され該カプセルを案内する真空チューブと、上
記カプセルを打ち上げるために上記昇降路の下部に配置
される油圧シリンダと、落下してくる上記カプセルの衝
撃を緩和して停止するプラスチックビーズ等からなる緩
衝材と、から構成される。
【0003】上記装置では、油圧シリンダを昇降路の下
部に配置し、当該油圧シリンダで上記カプセルを押圧し
て加速し打ち上げる。打ち上げられたカプセルは、重力
によって減速されつつ真空チューブ内を昇降路に沿って
上昇し、続いて、上昇速度がゼロになると上記真空チュ
ーブ内を自由落下する。また、上記カプセルの昇降中
に、上記昇降路の下部に配置した油圧シリンダと緩衝材
との入れ換え作業を行い、上記落下してきたカプセルを
緩衝材で受けて減速し停止させる。
【0004】そして、上記装置においては、打ち上げら
れたカプセルの上昇中に当該カプセルは無重量状態とな
り、また、自由落下中にも無重量状態となる。このよう
に、上記のような打ち上げ式の無重量発生装置において
は、一回の打ち上げによって、カプセルが上昇する際と
下降する際に、無重量状態を発生させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような打ち上げ式の無重量発生装置では、カプセル自体
を直接打ち上げる構造であるため、上記のようにカプセ
ルの昇降路を真空状態に設定する必要がある。また、上
記装置は、油圧シリンダによる押圧によって上記カプセ
ルを加速して打ち上げるため、上記加速時のカプセルの
速度を細かく制御することが困難である。この結果、上
記打ち上げの際にカプセルに入力される加速度は、押圧
終了に向けて徐々に大きくなり、上記打ち上げ時にカプ
セルに入力される最大加速度が極めて大きくなる。
【0006】このため、打ち上げの際に、カプセル内部
に設置した実験装置や試料に大きな衝撃が負荷されて、
当該実験装置等に悪影響が生じるおそれがある。従っ
て、実験装置等に所定の耐衝撃性が要求されて、衝撃に
弱い実験装置等を使用出来ないという問題がある。ま
た、上記装置では、カプセルの打ち上げを油圧シリンダ
によって行い、落下してくるカプセルを上記油圧シリン
ダとは別の緩衝材で受ける構成であり、且つ、上記油圧
シリンダは昇降路の下部に配置されて打ち上げの際に使
用されるために、カプセル打ち上げ後に、油圧シリンダ
と緩衝材とを入れ換える作業が必要である。
【0007】特に、上記入れ換えに使用する装置等が故
障するなど、上記入れ換えに失敗した場合には、昇降路
の下部に油圧シリンダが存在するために、落下してくる
ガプセルが当該油圧シリンダに衝突して損傷するおそれ
があるという問題もある。本発明は、上記のような問題
点に着目してなされたもので、カプセル打ち上げ時及び
落下時にカプセルに負荷される衝撃を低減可能な無重量
発生装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1に記載した無重量発生装置
は、内部にカプセルを収納したカプセル収納体と、その
カプセル収納体を打ち上げる打ち上げ用リニアモータと
を備えることを特徴としている。本発明では、カプセル
を収納したカプセル収納体をリニアモータによって打ち
上げるので、打ち上げの際に上記カプセル収納体を加速
するための推力を細かく制御可能となる。従って、例え
ば、一定の加速度でカプセルを打ち上げるなど、打ち上
げの際にカプセルに生じる衝撃が小さくなるように、当
該打ち上げの際のカプセルの加速を調整可能となる。
【0009】また、本発明では、カプセルを収納したカ
プセル収納体を打ち上げることで、真空中でなくても、
つまり空気中でもカプセルに無重量状態を発生可能とな
る。即ち、打ち上げられたカプセル収納体の速度、及び
その内部に収納されたカプセルの速度は重力によって減
速するが、上記カプセル収納体は空気抵抗等を受けつつ
上昇するためカプセルよりも減速が大きい。このため、
上昇に従って、カプセルはカプセル収納体内で浮いて当
該カプセル収納体と非接触状態になり、もって無重量状
態となる。このとき、上昇するにつれて、カプセルはカ
プセル収納体内の天井側に移動する。
【0010】そして、カプセル収納体の落下の際にも、
カプセルは自由落下を行うが、カプセル収納体は、空気
抵抗等によって自由落下速度よりも遅い速度で下降する
ので、下降に従いカプセルはカプセル収納体内を下方に
移動しつつ非接触状態となり、再び無重量状態が生じ
る。また、リニアモータは、カプセル収納体の昇降路の
下部に配置することなく当該カプセル収納体を打ち上げ
ることができるので、当該リニアモータを打ち上げにの
み使用しても、リニアモータと制動手段である緩衝材等
との入れ換え作業は不要になる。
【0011】次に、請求項2に記載した発明は、上記請
求項1に記載されている構成に対して、上記カプセル収
納体を上下方向に案内するガイド部材を備えると共に、
上記打ち上げ用リニアモータは、落下してくるカプセル
収納体の速度を減速可能なことを特徴としている。本発
明では、打ち上げられるカプセル収納体は、ガイド部材
によって確実に所定の昇降路に沿って上昇し且つ同一の
昇降路を通って下降する。従って、落下してくるカプセ
ル収納体は、確実に、打ち上げ位置に向けて落下し、そ
の落下してきたカプセル収納体は、上記打ち上げ用リニ
アモータによって減速される。
【0012】これによって、カプセルの打ち上げ及び落
下時の制動が同じ装置である打ち上げ用リニアモータに
よって実現される。また、上記制動装置としてリニアモ
ータを使用することで、制動の際にカプセルへ負荷され
る制動力を細かく制御可能となり、上記制動時にカプセ
ルに入力される衝撃を低減させることも可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、上記発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。本実施の形態の無重量発生装置
では、昇降体1を所定の昇降路Pに沿って昇降可能に構
成されている。まず構成を説明すると、図1に示すよう
に、鉛直方向に軸を向けた上記昇降路Pと平行に一対の
ガイドレール2が配設されている。この一対のガイドレ
ール2は、上記昇降路Pを挟んで左右対称に配置されて
ガイド部材を構成している。そして、このガイドレール
2に沿って上記昇降体1が昇降可能となっている。ここ
で、上記各ガイドレール2は、ガイドレール2に沿って
立設する支柱3によって支持され補強されている。
【0014】また、上記ガイドレール2に沿って昇降す
る昇降体1は、所謂、2重カプセル構造となっていて、
カプセル4と、そのカプセル4を余裕を持って収納可能
な中空部を有するカプセル収納体5とから構成されてい
る。上記カプセル4は、軸を上下に向けた略円筒体形状
となっていて、その内部に実験装置や試料等が設置可能
となっている。
【0015】また、上記カプセル収納体5は、昇降路P
上に位置する収納体本体5aと、その収納体本体5aか
ら上記各ガイドレール2に向けて対称的に張り出した一
対の翼部5bとから構成されている。上記収納体本体5
aの形状は、昇降時と下降時に受ける各抵抗が同じとな
る形状に設計されている。例えば、本体を軸を上下に向
けた円筒体状とし、その上端部及び下端部の形状を共に
略同一曲率の略半球状に設定する。
【0016】また、上記一対の翼部5bは、それぞれ、
例えば、薄いアルミニウム合金からなり、リニアモータ
の二次導体を構成している。また、上記各翼部5bの先
端部には、それぞれ、3個のガイドローラからなるガイ
ドローラ群7が、上下二ヵ所に設けられている。そし
て、各翼部5bの先端部は、上記二個のガイドローラ群
7を介して、ガイドレール2にある程度の隙間を持って
係合している。これによって、昇降体1は、一対のガイ
ドレール2に案内されつつ昇降路Pに沿って確実に昇降
可能となっている。
【0017】ここで、上記各ガイドローラ群7を構成す
る3個のガイドローラ7a,7bの配置は、図3に示す
ように、2個のガイドローラ7aによって、上記ガイド
レール2を所定間隙を持って挟み込み、別の1個のガイ
ドローラ7bが翼部5bの先端と対向するガイドレール
2の面に所定間隙をもって対向する。この構成を取るこ
とで、昇降体1は、上記ガイドレール2によって横方向
の移動が最小限に規制された状態で昇降可能となる。
【0018】また、本無重量発生装置では、上記ガイド
レール2に沿って図1において下側から、打ち上げ・制
動ゾーンA、無重量発生ゾーンB、及び、試料等搭載ゾ
ーンCの3つの区画から構成されている。上記打ち上げ
・制動ゾーンAは、図1及び図2に示すように、所定高
さ位置に設置された架台8を挟んで、上側の打ち上げ・
制動領域A1と、下側の非常制動領域A2とから構成さ
れている。
【0019】打ち上げ・制動領域A1には、昇降路Pを
囲むようにして補強材9が周設されており、図3に示す
ように、その内周側には、一対のリニアモータの各固定
子10が配設されている。各固定子10は、2個のコイ
ルが所定間隔を開けて対向してダブル・リニア・インダ
クション・モータを構成するようになっている。その対
向する2個のコイルは、上記補強材9により、互いの吸
引力によって両者間の間隙が所定許容値以下とならない
ようになっている。なお、上記2個のコイル間の間隙を
上記カプセル収納体5の翼部5bが非接触状態で通過す
る。また、上記固定子10に沿って昇降体1の位置を検
出する位置検出センサ11が配設されている。
【0020】ここで、上記固定子10は、電力供給装置
12から供給される電力に応じた磁界を発生し、上記電
力供給装置12は、コントローラ13からの指令に応じ
て、上記固定子10に供給する電力供給量を調整する。
また、上記位置検出センサ11は、検出した検出信号を
上記コントローラ13に供給する。また、上記非常制動
領域A2には、非常停止装置である緩衝材15が、上記
昇降路Pの下部に配置されて、昇降体1の下部と当接可
能となっている。
【0021】また、上記試料等搭載ゾーンCには、回収
装置16が配置されている。その回収装置16は、昇降
路P上に位置する胴部16aと、その胴部16aから各
ガイドレール2に向けて左右に張り出した一対の張出部
6bとから構成されている。上記各張出部6bの先端部
には、それぞれ3個のガイドローラからなる2対のガイ
ドローラ群7が上下二箇所に設けられている。そして、
このガイドローラ群17を介して、上記回収装置16
は、横方向への移動が最小限に規制されつつ上記ガイド
レール2に沿って案内されることで、昇降路P上を鉛直
方向に移動可能となっている。
【0022】なお、上記ガイドローラ群17の配置構成
は、上記昇降体1のガイドローラ群7と同様な配置構成
となっている。また、上記回収装置16の胴部16a
は、ワイヤを介してホイスト等の昇降装置18に吊り下
げられている。そして、上記昇降装置18を作動させて
ワイヤを巻き上げ又は巻き下げることで、上記回収装置
16は昇降するようになっている。
【0023】また、上記胴部16aには、上記カプセル
収納体5を着脱可能に把持する把持装置19が取り付け
られている。この把持装置19は、例えば、電磁石によ
って構成され、その磁着力によって上記カプセル収納体
5を着脱可能に把持する。また、上記試料等搭載ゾーン
Cと無重量発生ゾーンBとの境界位置には、横方向にス
ライドさせることで、昇降路Pをその境界位置で開閉可
能なシャッタ20が設けられている。また、その境界位
置の外周側には、作業床21が設けられている。
【0024】また、コントローラ13は、打ち上げの際
には、上記位置検出センサ11から供給された信号に基
づいて昇降体1の速度を算出し、その速度に基づいて当
該昇降体1の加速度が目標とする一定加速度となるよう
に、リニアモータの推力を制御するようになっている。
次に、上記構成の無重量発生装置の具体的な動作等につ
いて説明する。
【0025】まず、シャッタ20を閉めて、そのシャッ
タ20上にカプセル収納体5を載置し、当該カプセル収
納体5のガイドローラ群7を各ガイドレール2に係合し
て、カプセル収納体5が当該ガイドレール2に沿って昇
降可能とする。次に、上記カプセル収納体5の収納体本
体5a内に、試験体や計測装置等6を搭載したカプセル
4を収納する。
【0026】次に、昇降装置18のワイヤを巻き上げて
回収装置16をカプセル収納体5の上部に近接させ、把
持装置19を作動させて当該カプセル収納体5を把持す
る。更に、上記昇降装置18のワイヤを巻き上げること
で一旦昇降体1をシャッタ20から離すと共にシャッタ
20を開く。次に、昇降装置18のワイヤを巻き下げる
ことで、回収装置16と共に昇降体1を打ち上げ・制動
ゾーンAまで降ろし上記昇降体1を架台8中央の開口部
を介して緩衝材15上に載置する。その後、把持装置1
9によるカプセル収納体5の把持を解除し、昇降装置1
8のワイヤを巻き上げることで、回収装置16だけを元
の位置まで上昇させる。
【0027】次に、電力供給装置12を作動させて、リ
ニアモータも固定子10に所定の電力を供給する。する
と、昇降体1は、二次導体である翼部5bを介して上向
きの推力を受け、ガイドレール2に沿って加速しながら
上昇し、上記昇降路Pに沿って打ち上げられる。この打
ち上げの際、コントローラ13は、位置検出センサ11
からの信号に基づいて昇降体1の上昇速度を算出し、そ
の速度から昇降体1の加速度が目標とする一定の加速度
を持って上昇するように、上記推力、つまり上記固定子
10に供給する電力を制御する。
【0028】これによって、昇降体1の打ち上げの際に
生じる当該昇降体1の加速度を所定値以下に抑えること
が可能となり、当該打ち上げの際、カプセル4の内部に
設置した実験装置等6に過大な衝撃が加わることは防止
される。従って、上記実験装置等6の耐衝撃性を従来よ
りも低く設定可能となり、従来使用出来なかった衝撃に
弱い実験装置等を使用可能となる。
【0029】ここで、上記打ち上げ終了後は、上記固定
子10に供給する電力を、制動時に必要な推力を発生可
能な電力供給量に変更しておく。また、上記のように打
ち上げられる昇降体1においては、図1に示すように、
上記打ち上げの際の加速時には、カプセル4はカプセル
収納体5の底板上に当接している。しかし、打ち出され
た後には、重力によって減速が生じる。このとき、カプ
セル収納体5は、空気抵抗やガイドレール2との間の接
触抵抗等を受けるが、上記カプセル4は上記空気抵抗等
を殆ど受けないので、カプセル収納体5よりもカプセル
4の減速の方が小さい。このため、上記上昇に従って、
カプセル4は、カプセル収納体5から離れ、当該カプセ
ル収納体5内で浮いた状態となり、当該カプセル収納体
5に無重量状態が発生する。
【0030】上記のように重力によって減速されつつ上
昇した昇降体1は、所定高さで上昇速度がゼロとなり、
続いて、昇降路Pに沿って落下する。なお、上記上昇速
度がゼロとなった時点では、カプセル4は、カプセル収
納体5の底板から離れて天井側に位置する。昇降体1が
落下する際には、カプセル4は空気抵抗を殆ど受けるこ
となく自由落下を行うが、カプセル収納体5は、空気抵
抗やガイドレール2からの抵抗等を受けることで自由落
下速度よりも遅い速度で落下する。このため、上記落下
中においては、カプセル4は、図2に示すように、カプ
セル収納体5の天井側から底板側に向けて移動しなが
ら、カプセル収納体5内で浮いた状態となり、上記カプ
セル4に無重量状態が発生する。
【0031】さらに、上記昇降体1が、打ち上げ・制動
ゾーンAに突入すると、当該昇降体1には、翼部5bを
介してリニアモータの固定子10から上向きの推力が入
力され当該昇降体1の落下速度が徐々に減速し、さら
に、非常停止用の緩衝材15の上に着地する。このよう
に、本実施の形態では、上記打ち上げに使用した同じリ
ニアモータによって制動が行われると共に、カプセル4
内に搭載した試験体や計測装置等に対して制動時の過大
な衝撃が入力されない状態で着地させることが出来る。
【0032】次に、カプセル4の回収のため、リニアモ
ータへの電力の供給を停止した後に、昇降装置18を作
動させてワイヤを巻き下げ、上記回収装置16をガイド
レール2に案内させながら昇降路Pに沿って降下させ
る。そして、上記回収装置16をカプセル収納体5の上
部に近接させ、把持装置19を作動して当該カプセル収
納体5を把持する。
【0033】次いで、上記ワイヤを巻き上げて、回収装
置16と共に昇降体1を昇降路Pに沿って試料等搭載ゾ
ーンCまで上昇させ、その後にシャッタ20を閉じて、
そのシャッタ20上に昇降体1を載置する。これによっ
て、カプセル4の回収が完了する。さらに、カプセル4
内の試験体等を交換、若しくは交換することなく、上記
操作を繰り返す。
【0034】このように、本実施の形態の無重量発生装
置では、リニアモータによる上向きの推力によって昇降
体1を打ち上げるので、当該打ち上げの際に昇降体1に
生じる加速度を任意に制御可能となる。このため、打ち
上げの際にカプセル4内の試料体に入力される衝撃を従
来よりも大幅に低減可能となる。また、上記のように昇
降体1に対して二重カプセル構造を採用することで、昇
降路Pを真空状態にすることなく、大気中での打ち上げ
であっても無重量状態を発生可能となる。
【0035】また、昇降体1の上昇の際に無重量状態が
発生させると共に落下の際にも無重量状態を発生させる
ことができる。また、ガイドレール2によって、昇降体
1は確実に同一経路で昇降可能となり、上記打ち上げら
れた昇降体1は、打ち上げ位置に向けて確実に落下す
る。このため、打ち上げに使用した同一のリニアモータ
によって落下してくる昇降体1の落下速度を減速させて
過大な衝撃を負荷することなく着地させることができ
る。
【0036】このように、同一の装置で打ち上げ及び制
動を行うことで、従来のような打ち上げ装置と制動手段
との交換作業が不要となると共に、過大な衝撃を負荷す
ることなく着地可能となる。また、万一、昇降体1の打
ち上げ後にリニアモータが故障しても、当該リニアモー
タの固定子10は、昇降体1と衝突することはなく、上
記昇降体1は、従来と同様に非常用緩衝材15の上に落
ちるので、その停止時の衝撃は従来と同程度に抑えられ
るようになっている。
【0037】また、打ち上げに油圧を利用していないの
で、上記無重量発生の作業環境はクリーンな状態にする
ことができる。なお、上記実施の形態では、打ち上げの
際に、位置検出センサ11からの信号に基づいてリニア
モータの固定子10への電力供給量を制御しているが、
これに限定されるものではない。例えば、予備実験等に
よって、昇降体1を所定の一定加速度で打ち上げるため
の電力供給量の変化を予め求めておき、その変化に基づ
いて固定子10への電力供給量を変化させて、一定の加
速度で昇降体1を打ち上げるようにしてもよい。
【0038】また、上記実施の形態では、回収装置16
によって、昇降体1を一旦、打ち上げ・制動ゾーンAに
配置した緩衝材15の上まで降ろしてから、実験を開始
しているが、これに限定されるものではない。例えば、
試料等搭載ゾーンCから昇降体1を落下させてその落下
時に無重量状態を一度発生させ、続いて、落下してきた
昇降体1を上記リニアモータで制動を掛けて減速且つ停
止させ、さらに、リニアモータの上向きの推力によっ
て、再び、昇降体1を上方に加速して打ち上げる。これ
を繰り返すことで、複数往復、即ち連続的に昇降体1を
昇降させることで、一回の実験で無重量状態を連続的に
発生させるようにしてもよい。
【0039】また、上記リニアモータで昇降体1を試料
等搭載ゾーンCまで打ち上げて回収装置16に捕捉させ
ることで、昇降体1を回収するようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の無重
量発生装置では、リニアモータでカプセルを打ち上げる
ので、打ち上げのためにカプセル収納体を加速する際
に、カプセル内部に設置した実験装置に負荷される衝撃
が過大になることが抑えられる。これによって、カプセ
ル内に設置する実験装置等の耐衝撃性を落とすことが可
能となる。従って、従来使用できないような衝撃に弱い
実験装置等が使用可能となる。
【0041】また、通常、リニアモータで推力を発生す
る場合には、推力の発生方向に沿って即ち昇降方向であ
る昇降路と平行に固定子を配設可能であるので、リニア
モータは、油圧シリンダのようにカプセル収納体の昇降
路の下方に配置する必要がない。従って、従来と同様
に、落下してるカプセル収納体を緩衝材で受けるような
構成としても、即ち、上記リニアモータを打ち上げのみ
に使用しても、打ち上げ用リニアモータと緩衝材との従
来ような交換作業が不要となり、確実に緩衝材上にカプ
セル収納体を落下させることができる。
【0042】またこのとき、請求項2に記載した構成を
採用すると、カプセル収納体はガイド部材によって確実
に同一経路を昇降するので、打ち上げに使用したリニア
モータによって落下してくるカプセル収納体の速度を減
速可能となる。従って、カプセル収納体の打ち上げる装
置と落下しているカプセル収納体の速度を減速する装置
とが、一つのリニアモータによって構成されるため、従
来のような装置の交換が不要となると共に、装置構成が
単純化する。
【0043】また、落下してくるカプセル収納体に対し
ても、リニアモータによってその落下速度の減速が調整
可能となるので、従来のように直接、緩衝材上へ着地さ
せる場合に比べて大幅に小さな衝撃によってカプセル収
納体を停止させることが可能となる。この点からも、カ
プセル内に設置する実験装置等の耐衝撃性を落とすこと
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る無重量発生装置を示
す概略正面図であって、昇降体の打ち上げ時の状態を示
す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る無重量発生装置を示
す概略正面図であって、昇降体の落下時の状態を示す図
である。
【図3】本発明の実施の形態に係る無重量発生装置の打
ち上げ・制動ゾーンでの横断面図である。
【符号の説明】
A 打ち上げ・制動ゾーン B 無重量発生ゾーン C 試料等搭載ゾーン P 昇降路 1 昇降体 2 ガイドレール(ガイド部材) 4 カプセル 5 カプセル収納体 5a 収納体本体 5b 翼部(二次導体) 6 実験装置等 7 ガイドローラ群 9 補強材 10 固定子 11 位置検出センサ 12 電力供給装置 13 コントローラ 15 緩衝材 16 回収装置 18 昇降装置 19 把持装置 20 シャッタ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年12月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】従来、カプセルを打ち上げることで無重
量状態を発生させる無重量発生装置としては、例えば、
次のような装置が提案されている。この装置は、実験装
置等を収納するカプセルと、そのカプセルの昇降路に沿
って配置され該カプセルを案内する真空チューブと、上
記カプセルを打ち上げるために上記昇降路の下部に配置
される油圧シリンダと、落下してくる上記カプセルの衝
撃を緩和して停止させるプラスチックビーズ等からなる
緩衝材と、から構成される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】また、上記カプセル収納体5は、昇降路P
上に位置する収納体本体5aと、その収納体本体5aか
ら上記各ガイドレール2に向けて対称的に張り出した一
対の翼部5bとから構成されている。上記収納体本体5
aの形状は、上昇時と下降時に受ける各抵抗が同じとな
る形状に設計されている。例えば、本体を軸を上下に向
けた円筒体状とし、その上端部及び下端部の形状を共に
略同一曲率の略半球状に設定する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】また、上記試料等搭載ゾーンCには、回収
装置16が配置されている。その回収装置16は、昇降
路P上に位置する胴部16aと、その胴部16aから各
ガイドレール2に向けて左右に張り出した一対の張出部
16bとから構成されている。上記各張出部16bの先
端部には、それぞれ3個のガイドローラからなる2対の
ガイドローラ群17が上下二箇所に設けられている。そ
して、このガイドローラ群17を介して、上記回収装置
16は、横方向への移動が最小限に規制されつつ上記ガ
イドレール2に沿って案内されることで、昇降路P上を
鉛直方向に移動可能となっている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】次に、昇降装置18のワイヤを巻き下げて
回収装置16をカプセル収納体5の上部に近接させ、把
持装置19を作動させて当該カプセル収納体5を把持す
る。更に、上記昇降装置18のワイヤを巻き上げること
で一旦昇降体1をシャッタ20から離すと共にシャッタ
20を開く。次に、昇降装置18のワイヤを巻き下げる
ことで、回収装置16と共に昇降体1を打ち上げ・制動
ゾーンAまで降ろし上記昇降体1を架台8中央の開口部
を介して緩衝材15上に載置する。その後、把持装置1
9によるカプセル収納体5の把持を解除し、昇降装置1
8のワイヤを巻き上げることで、回収装置16だけを元
の位置まで上昇させる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】さらに、上記昇降体1が、打ち上げ・制動
ゾーンAに突入すると、当該昇降体1には、翼部5bを
介してリニアモータの固定子10から上向きの推力が入
力され当該昇降体1の落下速度が徐々に減速し、停止の
後、非常停止用の緩衝材15の上に着地する。このよう
に、本実施の形態では、上記打ち上げに使用した同じリ
ニアモータによって制動が行われると共に、カプセル4
内に搭載した試験体や計測装置等に対して制動時の過大
な衝撃が入力されない状態で着地させることが出来る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にカプセルを収納したカプセル収納
    体と、そのカプセル収納体を打ち上げる打ち上げ用リニ
    アモータとを備えることを特徴とする無重量発生装置。
  2. 【請求項2】 上記カプセル収納体を上下方向に案内す
    るガイド部材を備えると共に、上記打ち上げ用リニアモ
    ータは、落下してくるカプセル収納体の速度を減速可能
    なことを特徴とする請求項1に記載した無重量発生装
    置。
JP29251495A 1995-11-10 1995-11-10 無重量発生装置 Pending JPH09132199A (ja)

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JP29251495A JPH09132199A (ja) 1995-11-10 1995-11-10 無重量発生装置

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE202012001827U1 (de) * 2012-02-24 2013-05-27 Zarm-Fallturm-Betriebsges. Mbh Fallturm, sowie Beschleunigungskapsel und Nutzlastträger für selbigen
WO2024005571A1 (ko) * 2022-06-29 2024-01-04 린 테크놀로지스 인코포레이티드 이중 모듈을 포함하는 유효 중력 제어장치

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE202012001827U1 (de) * 2012-02-24 2013-05-27 Zarm-Fallturm-Betriebsges. Mbh Fallturm, sowie Beschleunigungskapsel und Nutzlastträger für selbigen
WO2024005571A1 (ko) * 2022-06-29 2024-01-04 린 테크놀로지스 인코포레이티드 이중 모듈을 포함하는 유효 중력 제어장치

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