JPH09131881A - インクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドの製造方法

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JPH09131881A
JPH09131881A JP29078595A JP29078595A JPH09131881A JP H09131881 A JPH09131881 A JP H09131881A JP 29078595 A JP29078595 A JP 29078595A JP 29078595 A JP29078595 A JP 29078595A JP H09131881 A JPH09131881 A JP H09131881A
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JP
Japan
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flow path
recording head
ink
jet recording
base sheet
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JP29078595A
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English (en)
Inventor
Aki Takigawa
亜樹 瀧川
Koji Yoshida
孝次 吉田
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】流路基板と振動板との接合工程において発生す
る反りを低減させ、インク吐出特性の優れた信頼性の高
いインクジェット記録ヘッドを提供するための製造方法
を確立することである。 【構成】流路基板1に予め反りをもたせ、振動板8と接
合した後におけるインクジェット記録ヘッドの反りを小
さくする。流路基板1がプラスチック製の場合には、そ
の成型時に、あるいは、成型後に別の治具で反りをもた
せる。また、流路基板1の材料の熱膨張係数と異なる熱
膨張係数をもつ材料の層13を流路基板1の片面に積層し
て反りをもたせることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、記録液を小滴として
ノズルより噴射して記録するインクジェット記録方式に
用いられるインクジェット記録ヘッドの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】微細なノズル孔よりインクを噴射して紙
などの記録媒体上に付着させて記録する方法は、インク
ジェット記録法として知られている。その原理の一つと
して、オンデマンド型インクジェット記録ヘッド(以
下、記録ヘッドと略称する)がある。
【0003】この方式の記録ヘッドは、一般的には、そ
の平面図である図5と、側断面図である図6あるいは図
7に示すような構造をしており、図8に示すような工程
により製造される。すなわち、プラスチック板やガラス
板、金属板、シリコンウェハなどからなる流路基板1に
は、金型成形やエッチング、機械加工などの方法で、イ
ンクノズル2、ノズル流路3、インク加圧室4、インク
供給路5及び絞り流路6からなる複数のインク流路11と
これらの流路につながるインク溜め7及びインク供給口
14となる溝が形成されている(工程A)。この流路基板
1に、表面仕上げなどの振動板の加工工程Bで準備され
た振動板8を積層・一体化し(図8では、流路基板と振
動板の接合工程Cとして示す)、インク加圧室4に対応
する位置の振動板8の反対側表面に電気機械変換素子で
ある圧電素子9を接着剤層10を介して接着して(図8で
は、PZTの接着工程D)、図6あるいは図7に示す構
造に構成する。
【0004】なお、工程Bの振動板の加工工程の中に
は、振動板がガラスなどの絶縁物の場合には、圧電素子
に駆動電圧を印加するための電極を形成する工程も含ま
れている。このような構造において、圧電素子9にパル
ス状の電圧を印加すると、振動板8がインク加圧室4側
に変位し、その容積を急激に減少させ、その減少容積相
当分のインクがノズル流路3に押し出され、インクノズ
ル2から吐出され、図示していない記録媒体上に点状に
付着し記録される。
【0005】図6は、積層・一体化に、例えば静電接合
のような直接接合技術を用いたものである。この場合に
は、接合温度が500 〜900 ℃と高く、流路基板1及び振
動板8に使用できる素材は、両者の熱膨張係数が非常に
よく一致していなければ、接合後の記録ヘッドに反りや
割れを生ずることがあり、素材の選択において非常な制
約をもっている。
【0006】図7は、積層・一体化に、エポキシ接着フ
ィルム12による接合を用いたものを示している。この場
合には、接着温度が100 ℃程度と低いことと、接着フィ
ルム自体が応力の緩和効果をもっているので、流路基板
1及び振動板8に使用できる素材の範囲は大幅に拡大さ
れるが、両者の熱膨張係数の差が大きくなると、接合後
の記録ヘッドに反りや割れを生ずる。
【0007】なお、振動板に圧電素子を接着する工程に
おいても、その程度は少ないが、接合後の記録ヘッドに
反りを生ずる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の項で述べた
ように、流路基板と振動板を接合すると、両者の熱膨張
係数に差があると、その差の大きさや接合方法や接合条
件に応じて、接合後の記録ヘッドに反りや割れを生ず
る。この記録ヘッドの反りは、次のような影響を記録ヘ
ッドに及ぼす。 1.インク流路の変形、特に、流路面積の小さいインク
ノズルやフィルタ流路の変形を通して、インクの吐出特
性に悪い影響を及ぼす。 2.インクノズルの配置が所期の配置から外れるので、
吐出するインク滴の記録紙上の位置が、所定の位置から
外れる。 3.配線のための電気接点の位置が所期の配置から外れ
るので、電気配線が所期の状態で実現できず、接触抵抗
の増加や接触不能を生じ、圧電素子を十分に駆動するこ
とができず、インクの吐出特性の低下を招く。 4.振動板上での圧電素子の電気的な接触状態が悪くな
り、圧電素子を十分に駆動することができず、インクの
吐出特性の低下を招く。
【0009】このような記録ヘッドの反りに伴う欠点を
解消するために、流路基板や振動板などの間に熱膨張係
数の差があっても、それらを接合した後の反りが所定の
範囲内になるように反りを制御できる記録ヘッドの製造
方法を確立することが、この発明の課題である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明においては、流路基板に予め反りをもたせ
て、振動板との接合後のインクジェット記録ヘッドの反
りが小さくなるようする。特に、流路基板が射出成形に
よるプラスチック製である場合には、射出成形の金型に
反りをもたせて射出成形したり、射出成形の金型には反
りをもたせないで、射出成形後に、別の所定の反りをも
たせた治具を用いて加熱成形したりして、反りをもたせ
る。
【0011】また、流路基板全般に共通に適用できる方
法としては、流路基板の片面に、流路基板と熱膨張係数
の異なる材料からなる層を形成することによって、流路
基板に反りをもたせる。異種物質からなる板あるいは層
を積層・一体化した場合に、その積層体がどのように変
形する(反る)かは、それぞれの材料の形状寸法、ヤン
グ率、接合温度や接合層の硬化温度などによって決定さ
れる。したがって、材料や形状寸法が定まり、接合方法
やその条件が決まると、反りの大きさが推定されるので
ある。言い換えれば、記録ヘッドの中で最も体積の大き
い部材である流路基板に、予め反りを与えておくことに
よって、各部材(振動板や圧電素子など)を積層・一体
化した後で、反りを所定の限度内に収めることができる
のである。
【0012】記録ヘッドの中で最も体積の大きい部材で
ある流路基板に、予め反りを与える理由は、他の部品の
場合よりその反りの大きさが小さくて済むためである。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明は、記録ヘッドの反りを
所定内に抑えるために、流路基板に予め反りをもたせて
おいて、振動板や圧電素子を接合した状態での反りを制
御することが特徴である。以下に、実施例にしたがって
具体的に説明する。
【0014】
【第1の実施例】図1は、この発明によるインクジェッ
ト記録ヘッドの製造方法の第1の実施例を示す製造工程
図である。この実施例は、流路基板1を射出成形による
プラスチック製とし、その射出成形において流路基板1
に反りをもたせるものである(工程A1) 。この工程以外
の工程は従来技術と同じであり、出来上がった記録ヘッ
ドの構造は図7と同じである。
【0015】具体的には、流路基板1の素材としてポリ
エーテルイミドを使用し、流路基板を射出成形する金型
には、その型面に約 100μm の反りをもつものを使用し
て、厚さ1mmの流路基板1を製造し(工程A1)、これに
振動板8として厚さ50μm のニッケル薄板をエポキシ接
着フィルム12を用いて、約 100℃に加熱して加圧接合し
(工程C)、次いで、圧電素子として厚さ80μm のチタ
ン酸ジルコン酸鉛(以下、PZTと略す)をエポキシ接
着剤で所定の位置に接着する(工程D)。なお、記録ヘ
ッドの大きさは長さ25mmである。
【0016】このようにして製造した記録ヘッドは反り
がなく平坦で、インク吐出特性も良好である。なお、反
りをもたせなかった流路基板を用いて製造した記録ヘッ
ドは、電気配線基板との接触が均等でなく、圧電素子の
変形にばらつきがみられ、インク吐出特性が低下した。
参考までに使用した材料の熱膨張係数を下記に示す。
【0017】 ・ポリエーテルイミド : 46.6 ×10-6(/℃) ・エポキシ接着フィルム:70〜80×10-6(/℃) ・ニッケル : 16.8 ×10-6(/℃) ・PZT : 1.3 ×10-6(/℃)
【0018】
【第2の実施例】図2は、この発明による第2の実施例
を示す製造工程図である。この実施例は、流路基板1を
射出成形によるプラスチック製とするところは第1の実
施例と同じであるが、その射出成形においては流路基板
1に反りをもたせず(工程A2) 、射出成形後に所定の治
具に挟んで加熱することにより流路基板1に反りを与え
る(工程E2) ものである。以上の工程以外の工程は従来
技術と同じであり、出来上がった記録ヘッドの構造は図
7と同じである。
【0019】第1の実施例と同じ構成で、所定の治具に
より 100μ反らせた流路基板1を用いて製造した記録ヘ
ッドは、第1の実施例と同様に反りがなく平坦で、イン
ク吐出特性も良好である。
【0020】
【第3の実施例】図3は、この発明による第3の実施例
を示す製造工程図であり、図4はこの製造方法で製造し
た記録ヘッドの構造を示す断面図である。この実施例
は、流路基板1の材料を射出成形によるプラスチックに
限定するものではなく、より汎用性のあるものである。
【0021】この実施例では、流路基板1の下面に追加
層13を形成する(工程E1)ことによって、流路基板1に
必要な反りをもたせている。具体例としては、厚さ0.5m
m のシリコンウェハにインク流路に相当する溝を形成し
(工程A)、溝を形成していない側の面に1μm の窒化
膜を形成する(工程E1)。窒化膜の形成条件によって異
なるが、直径4インチのウェハで約 100μmの反りが発
生する。このシリコン製流路基板1の溝側の面に振動板
となるガラス板を静電接合する(工程C)と、反りは無
くなって平坦な積層板が得られる。
【0022】この実施例では、追加層13を流路基板1の
溝を形成していない側の面に形成したが、溝を形成して
いる側の面に形成することもできる。なお、以上の実施
例では、図7あるいは図4の構造、すなわち、エッジシ
ューター型の記録ヘッドで説明したが、サイドシュータ
ー型の記録ヘッドにおいても、全く同様に、この発明が
有効であることは言うまでもない。
【0023】
【発明の効果】この発明によれば、流路基板に予め反り
をもたせることによって、振動板や圧電素子を接合した
後でその反りが補償され、反りの少ない平坦な記録ヘッ
ドを得ることができ、記録ヘッドを装置に組み込む組み
立て工程に問題を残さず、また、インク吐出特性の優れ
た記録ヘッドを得ることができる。更に、素材の組み合
わせにおいてもその範囲を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による記録ヘッドの製造方法の第1の
実施例を示す製造工程図
【図2】この発明による第2の実施例を示す製造工程図
【図3】この発明による第3の実施例を示す製造工程図
【図4】第3の実施例により作成した記録ヘッドの構造
を示す断面図
【図5】流路基板の一例を示す平面図
【図6】従来技術による記録ヘッドの断面図
【図7】従来技術による別の記録ヘッドの断面図
【図8】従来技術による製造工程図
【符号の説明】
1 流路基板 2 インクノズル 3 ノズル流路 4 インク加圧室 5 インク供給路 6 フィルタ流路 7 インク溜め 8 振動板 9 圧電素子 10 接着剤層 11 インク流路 12 エポキシ接着フィルム 13 追加層 14 インク供給口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インク供給口からインクノズルまでのイン
    ク通路の全部、あるいは、少なくともインク加圧室を含
    むインク通路の一部に相当する溝が形成されている流路
    基板と、この流路基板の溝側に接合され、流路基板とは
    反対側の表面で、前記インク加圧室に対向する位置に、
    圧電素子が接合されている振動板とで構成されているイ
    ンクジェット記録ヘッドの製造方法であって、 流路基板に、振動板との接合後のインクジェット記録ヘ
    ッドの反りが小さくなるよう、予め反りをもたせること
    を特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のインクジェット記録ヘッ
    ドの製造方法において、 流路基板が、射出成形されたプラスチック製であり、反
    りをもたせて射出成形されることを特徴とするインクジ
    ェット記録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のインクジェット記録ヘッ
    ドの製造方法において、 流路基板が、射出成形されたプラスチック製であり、射
    出成形後に、所定の反りをもつ治具を用いて加熱成形さ
    れ、反りを与えられることを特徴とするインクジェット
    記録ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のインクジェット記録ヘッ
    ドの製造方法において、 流路基板の片面に、流路基板と熱膨張係数の異なる材料
    からなる層を形成することによって、流路基板に反りを
    もたせることを特徴とするインクジェット記録ヘッドの
    製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004160915A (ja) * 2002-11-15 2004-06-10 Brother Ind Ltd 液滴噴射装置およびその製造方法
JP2011104841A (ja) * 2009-11-16 2011-06-02 Brother Industries Ltd 液滴吐出ヘッド、及び、その製造方法

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