JPH09131866A - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドの製造方法

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JPH09131866A
JPH09131866A JP7291112A JP29111295A JPH09131866A JP H09131866 A JPH09131866 A JP H09131866A JP 7291112 A JP7291112 A JP 7291112A JP 29111295 A JP29111295 A JP 29111295A JP H09131866 A JPH09131866 A JP H09131866A
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JP
Japan
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ink
conductive layer
piezoelectric
electrode
manufacturing
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JP7291112A
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English (en)
Inventor
Susumu Ito
進 伊藤
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2002/14491Electrical connection
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各インク室の噴射制御のための電気配線の接
続を容易にすることで、低コストなインクジェットヘッ
ドを製造する。 【解決手段】 分割前の電極に電気配線15を接続し、
しかる後に接続した位置を参考にしてレーザ加工等によ
って電極上に絶縁部14を形成させ、各インク室の噴射
制御のための電気配線の接続を独立させる。これによ
り、従来電気配線の接続工程において不可欠であった画
像処理等が不要となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘ
ッドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、これまでのインパクト方式の記録
装置にとってかわり、その市場を大きく拡大しつつある
ノンインパクト方式の記録装置の中で、原理が最も単純
で、かつ多階調化やカラー化が容易であるものとして、
インクジェット方式の記録装置が挙げられる。インクジ
ェットプリンタは高速印字、低騒音、高印字品質であ
り、且つ比較的簡易な構成で製造コストが低くできるな
どの利点があることから注目されている。
【0003】インクジェットプリンタに用いられるイン
クジェットヘッドには複数の方式が提案されており、中
でも記録に使用するインク滴のみを噴射するドロップ・
オン・デマンド型が、噴射効率の良さ、ランニングコス
トの安さなどから急速に普及している。
【0004】その一例としては、圧電式インクジェット
ヘッドが提案されている。これは、圧電体に複数のイン
ク室の溝が形成されており、圧電体に電圧パルスを印加
した際の圧電体の寸法変位によってインク室の容積を変
化させることができる。これにより、その容積減少時に
インク室内のインクをインク室に接続されたノズル部か
ら噴射し、容積増大時にインク室内にインクを導入する
ようにしたものである。そして、所定の位置のインク室
からインクを噴射させることにより、所望する文字や画
像を形成することが出来る。
【0005】このような圧電式インクジェットヘッドの
1例について、図5乃至図6を用いて説明する。尚、こ
こで説明するヘッドはせん断モード型のものをあげる。
【0006】前記インクジェットヘッドは、圧電体であ
る圧電セラミックス基板51に、ダイシング加工等によ
って互いに平行な溝加工がなされ、溝加工された圧電セ
ラミックス基板51の上部に、インク供給口55を有す
る上部蓋56が接合されて、溝が蓋されてインク室52
が多数形成される。インク室52は、インク供給口55
を経て、図示しないインク貯蔵タンクに接続している。
このような構成によって、インク室52の断面形状は、
圧電側壁57と上部蓋56に囲まれた長方形を呈するこ
とになる。インク室52を構成する圧電側壁57は分極
方向58が異なる2個の圧電側壁により形成されてお
り、圧電側壁57の表面には電極59が形成されてい
る。また、インク室52の一方の端には、ノズルプレー
ト53が接続され、前記ノズルプレート53にはノズル
54が形成されている。
【0007】このような構成を有する従来のインクジェ
ットヘッドは、前記電極59に電圧パルスを印加する
と、図6(b)に示すように、圧電側壁57が内側へせ
ん断変形し、インク室52の内部を正圧として、インク
室52の一端に接続されたノズルプレート53上のノズ
ル54からインク液滴が噴射される。
【0008】電極59への電圧パルスの印加を断ち切る
と、圧電側壁57が、図6(a)に示す状態に復帰し、
その際の負圧にてインク室52にインク供給口55より
インクが供給される。
【0009】このような構成のインクジェットヘッドに
おいては、インク室52が多数存在すると共に、インク
液滴を各々のインク室52先端のノズル54から選択的
に噴射する必要がある。このため、各インク室52の圧
電側壁57の表面に形成する電極59は互いに電気的に
独立している必要がある。
【0010】電極59を形成するための方法としては、
真空蒸着、スパッタリング、或いはメッキ等の金属薄膜
形成手段を用いるのが一般的である。しかしながら、上
述のような手段によって、電気的に独立な電極を、効率
良く且つ安定的に形成するのは困難である。そこで、一
旦上述のような手段によって、圧電体の全表面に対して
電極を形成し、しかる後に電極の一部を選択的に除去す
ることにより、電気的に不連続な箇所を任意に形成する
方法が考えられている。
【0011】ここで、このような工程を含んだ従来のイ
ンクジェットヘッドの製造方法として、特開平6−84
50号公報に示される方法が知られている。
【0012】この製造方法によれば、まず、上部蓋56
が接続する圧電側壁57の上部の電極59を、例えば特
開平6−64177号公報に示されるリフトオフ法のよ
うな化学的な除去方法や機械的ま研削や研磨等により除
去する。次に、図7に示されるように、インク室52で
ある溝の底面に形成された電極59を、ダイシング加工
等の切削手段で除去する。即ち、インク室52である溝
の幅以下の厚みであるダイヤモンドブレード60を溝内
に挿入して、電極59の厚み以上の深さの切り込みを形
成し、電気的に不連続な絶縁部61を任意に形成するも
のである。
【0013】次に、上述のような工程で電気的に独立し
た電極59に対し、駆動制御パルスを印加する為の独立
した電気配線をそれぞれ接続する必要がある。しかしな
がら、インク室52の溝を有する面に対して直接に電気
配線を接続させるのは困難である。従って、図8に示す
ように、一旦、溝内の電極59と導通する導電層を圧電
セラミックス基板51の別の表面63及び64に形成
し、その後、インク室52の溝を有する面62の絶縁部
61及び圧電側壁57の上端部から、前記表面63及び
64に連続する絶縁部65を形成する。表面63及び表
面64に絶縁部65を形成する方法としては、前述のダ
イシング加工等の切削加工によって電極59の除去を行
なう。これにより、電気的に独立し且つ溝内の電極59
に各々つながる電極引出し部67が分離形成される。
【0014】しかる後に、圧電セラミックス基板51の
表面64に形成された電極引出し部67に、ドライバよ
りの複数の電気配線66を各々独立させてハンダ付け等
で接続する。このようにして各インク室52に形成され
た電極59に各々独立した電圧パルスを印加することが
でき、所望のインク噴射制御を施すことができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のインクジェットヘッドの製造方法においては、下記
のような問題点がある。
【0016】即ち、上述したような従来の製造方法で
は、圧電セラミックス基板51の表面64に形成された
電極引出し部67に、ドライバからの複数の電気配線6
6を各々独立させてハンダ付け等で接続する際、電極引
出し部67と電気配線66を精度良く位置決めして接続
する必要がある。
【0017】ここで、インク室52の溝間隔は印字の密
度に関係するため、高品位の印字品質を得るためにイン
ク室52の溝間隔を狭くするなどの集積化の要求があ
る。インク室52の溝間隔を狭くすると、これに伴って
電極引出し部67の間隔も狭くなることは明らかであ
る。そして電極引出し部67の間隔が狭くなると、複数
の電気配線66の接続には、さらに高精度が要求され
る。
【0018】これらの接続の際には、すでに形成されて
いる電極引出し部67をCCDカメラ等で観察し、その
画像を処理することにより、電気配線66の接続位置を
補正する方法が一般的である。
【0019】さらに上述したような従来の製造方法にお
いては、電極引出し部67を形成する際に、以下の工程
を要する。即ち、図8に示すように、一旦溝内の電極5
9と導通する導電層を圧電セラミックス基板51の別の
表面63及び64に形成し、その後、インク室52の溝
を有する面62の絶縁部61及び圧電側壁57の上端部
から、前記表面63及び64に連続する絶縁部65を形
成する。表面63及び表面64に絶縁部65を形成する
方法としては、前述のダイシング加工等の切削加工によ
って電極59の除去を行なう。これにより、電気的に独
立し且つ溝内の電極59に各々つながる電極引出し部6
7が分離形成される。これらのダイシング加工等におい
ても、画像処理を用いた高精度な位置決めを必要とす
る。
【0020】従って、上述したような従来の製造方法に
おいては、少なくとも2工程で画像処理を必要とする。
従って、画像処理装置を搭載した加工または組立装置が
複数必要となる。
【0021】しかしながら、このような画像処理には一
定時間以上を要求される上、画像処理装置なども高価で
ある。
【0022】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、従来の製造方法で画像処理を必
要とする加工または組立工程を削減することで、画像処
理に要する時間や費用を削減し、低コストなインクジェ
ットヘッドの製造方法を提示することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1では、インクを噴射する複数の噴射
チャンネル内のインクにエネルギーを発生する複数のエ
ネルギー発生手段と、前記エネルギー発生手段に接続さ
れた複数の電極と、一端を前記電極の各々に接続され、
他端を電気信号を発信する制御手段に接続された複数の
導電性パターンとを有し、前記制御手段からの前記電気
信号を前記導電性パターン及び前記電極を介して前記エ
ネルギー発生手段に送信し、エネルギー発生手段を駆動
して前記噴射チャンネルよりインク滴を吐出するインク
ジェットヘッドの製造方法であって、前記エネルギー発
生手段の全てに導通する導電層を形成する第一工程と、
前記導電層に前記複数の導電性パターンを電気的に接続
する第二工程と、前記導電層の一部を除去して各エネル
ギー発生手段毎に独立した複数の前記電極を形成する第
三工程とからなることによって、前記電極と前記導電層
パターンとの位置合わせが必要なくなる。
【0024】請求項2のインクジェットヘッドの製造方
法では、前記エネルギー発生手段は、前記噴射チャンネ
ルを構成し、且つ少なくとも一部が分極された圧電材料
よりなる隔壁と、前記各隔壁の側表面に設けられ、且つ
前記圧電材料に駆動電界を発生させるための第二電極と
からなり、前記第一工程で形成される前記導電層は前記
第二電極に電気的に接続されることによって、前記制御
手段からの前記電気信号が前記導電性パターン及び前記
電極を介して前記第二電極に送信され、前記隔壁が変形
して前記噴射チャンネルの容積が変化してインク滴が吐
出される。
【0025】請求項3のインクジェットヘッドの製造方
法では、前記第三工程における前記導電層の一部の除去
を高エネルギービームにより行なうことによって、高速
で加工される。
【0026】請求項4のインクジェットヘッドの製造方
法では、YAGレーザ光により前記導電層の一部が除去
される。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0028】最初に、図1及び図2を参照して、本発明
のインクジェットヘッドの構成ならびに製造方法の一例
を説明する。
【0029】図2に示すように、圧電体である圧電セラ
ミックス基板1には、互いに平行なインク室2となる溝
が多数形成されて、溝の側壁であり、且つ各溝を隔てる
圧電側壁7が形成されている。圧電セラミックス基板1
の溝加工側の面(図3では上面)に、インク供給口5を
有する蓋6が接着されて、前記溝がインク室2となる。
そのインク室2の一方の端にノズル4が対応するよう
に、ノズルプレート3が圧電セラミックス基板1及び蓋
6の一端面に接着されている。また、インク室2は、イ
ンク供給口5を経て、図示しないインク貯蔵タンクに接
続されている。
【0030】このような構成によって、インク室2の断
面形状は、圧電側壁7と上部蓋6に囲まれた長方形を呈
することになる。また、圧電側壁7は分極方向8(図
4)が互いに反対方向である2個の圧電部により構成さ
れており、圧電側壁7の表面には電極9が形成されてい
る。電極9は圧電側壁7の側面毎に独立して設けられて
おり、また、図1に示すように、圧電アクチュエータの
表面11及び表面13に亙って設けられた電極引出し部
25に1対1に電気的に導通している。電極引出し部2
5は表面13に形成されており、その端部である電気接
続端16にて、ヘッドの駆動制御信号を送るドライバか
らの電気配線15が各々接続される。
【0031】上述の構成は、以下の製造方法によって形
成される。
【0032】まず、互いに分極方向が反対方向である圧
電層を接着した圧電セラミックス基板1に、互いに平行
なインク室2となる溝を多数形成する。溝を形成する手
段として、所望のインク室溝幅を形成できる厚みを有す
るダイヤモンドブレードを使用し、ダイシング加工を施
す。
【0033】次に、真空蒸着、スパッタリング、或いは
メッキ等の金属薄膜形成手段によって、圧電セラミック
ス基板1の前記溝が形成された面(含む溝内面)及びイ
ンク室2の一端面にあたる表面11、前記溝が形成され
た面と反対側にあたる表面13に金属薄膜による導電層
が形成される。このうち、電極の形成が不要な部分(例
えば、上部蓋6が接続する圧電側壁7の上部や圧電セラ
ミックス基板1の側面部等)においては、金属薄膜を形
成する前にレジスト膜を形成しておき、導電層を前述の
ような手段で形成し、しかる後にリフトオフ法によって
不要な部分の導電層を化学的に除去する。
【0034】次に、インク室2である溝の底面に形成さ
れた導電層を、従来例と同様にダイシング加工等の切削
手段で除去する。即ち、インク室2である溝の幅以下の
厚みであるダイヤモンドブレードを溝内に挿入して、導
電層の厚み以上の深さの切り込みを形成し、電気的に不
連続な絶縁部10を形成するものである。この絶縁部1
0により、導電層の一部が圧電側壁7の側面毎に分割さ
れて電極9となる。
【0035】次に、インク室2である溝の形成された面
と連続する圧電セラミックス基板1の表面11に、上述
と同様のダイシング加工等によって、前記上部蓋6が接
続する圧電側壁7の上部と連続する、若しくは前記絶縁
部10と連続する絶縁部12を形成する。
【0036】次に、表面13の導電層に対してFPCな
どの複数の電気配線15を導電体であるハンダ27で接
続する。この際、表面13上の導電層は未加工であり、
電気的に連続している。従って、電気配線15の接続時
には、接続位置を概ね定めるものの、特に画像処理等を
必要とするような精密な位置決めは必要としない。
【0037】次に、前記表面13に対してレーザ光を照
射する。レーザ光は、前述の表面11に形成された絶縁
部12と、前記電気配線15の絶縁部26とを結ぶ直線
上を走査する。高エネルギービームであるレーザ光によ
り、前記表面13上に形成された導電層と、前記電気配
線15を表面13に対して接続している導電体のハンダ
27を除去し、絶縁部14を形成する。この結果、絶縁
部14は、前述の表面11に形成された絶縁部12と、
前記電気配線15の絶縁部26の間に連続して形成され
る。
【0038】尚、このFPCの電気配線15を介して、
各インク室2に形成された電極9に各々独立した電圧パ
ルスを印加することができ、所望のインク噴射制御を施
すことができる。
【0039】以下、図3を参照して、上記レーザ加工に
よる電極除去の一例を詳述する。
【0040】YAG(イットリウム・アルミニウム・ガ
ーネット)レーザ発振器17から出射された、波長1.
06μm(マイクロ・メートル)のYAGレーザ光18
は、その光路上に配置された2組のスキャニングミラー
19及び20に入射した後、方向転換されて、スキャニ
ングミラー20の下方に配置されたf・θレンズ21に
入射する。YAGレーザ光18は、f・θレンズ21に
よって集光され、f・θレンズ21から所定の焦点距離
の位置において焦点22を形成する。
【0041】スキャニングミラー19及び20の一端に
はガルバノメータ23及びその制御装置24が接続され
ており、これらの構成によって、2組のスキャニングミ
ラー19及び20を互いに独立に高速で揺動することが
できる。
【0042】上記の構成を有するレーザ加工装置におい
ては、上記2組のスキャニングミラー19及び20の揺
動を制御する制御装置24に、予め所定の設定をしてお
くことで所望の除去パターンを容易に得ることが可能で
あり、この作業は特に煩雑ではない。また、照射位置の
ソフトウエア上での補正も容易である。
【0043】被加工物である圧電セラミックス基板1
は、f・θレンズ21の下方に配置されている。ここ
で、上述のYAGレーザ光18の焦点22が、加工部位
である圧電セラミックス基板1の表面13上の近傍に形
成されるように圧電セラミックス基板1は配置される。
本実施例のYAGレーザ光18の焦点22においては、
一般にレーザ光のスポット径が0.1mm以下となり、
高いパワー密度を得ることができる。この高いパワー密
度のYAGレーザ光18の照射を受けた電極9は、極め
て短時間で加熱され、蒸発に至る。その結果、表面13
から導電層が局部的に除去され、絶縁部14が形成され
る。
【0044】尚、蒸発する導電膜の金属薄膜成分は、蒸
発の際の蒸気圧によって、上方へ飛散する。この金属薄
膜成分は、図示されない集塵機に接続され、加工部近傍
に配置された集塵ノズル23によって吸引される。
【0045】上記の加工を、スキャニングミラー19、
20の揺動によって、長手方向へ高速に走査しながら、
YAGレーザ光18を照射させることにより、1本の絶
縁部14を形成する導電層除去加工が完了する。その
後、YAGレーザ光18と圧電セラミックス基板1との
相対位置を変更して次の絶縁部14の加工へ移行し、レ
ーザ加工を継続する。
【0046】以上の加工により、導電層が圧電セラミッ
クス基板1の表面13より除去され、圧電セラミックス
基板1の表面13において電気的に不連続な箇所である
絶縁部14を形成することができる。
【0047】なお、レーザ加工に際し、CCDカメラ2
8を用いた画像処理により、前記表面11の絶縁部12
の端部の位置と、前記電気配線15の絶縁部26の位置
を検出し、この間を直線状に加工するようにレーザ加工
装置を制御する。絶縁部12の間隔と、前記配線15の
絶縁部26の間隔は同一であり、上記画像処理は、1部
品毎に1回実施すればよい。
【0048】レーザ加工は、前述のダイシング加工等と
比較して加工角度や加工形状に関する制限が極めて少な
く、細密で複雑な形状やパターンを高速に加工すること
が出来る。従って、FPC等の電気配線15の接続位置
のばらつきは、上記画像処理によってソフトウエア上で
補正可能であり、このような加工には好適である。
【0049】次に、図4に示す圧電式インクジェットヘ
ッドの断面図を用いて、該インクジェットヘッドのイン
ク噴射の動作を説明する。
【0050】インクジェットヘッドにおいて、与えられ
た印字データに従って、例えばインク室2bが選択され
ると、金属電極9a,9dに正の駆動電圧が印加され、
金属電極9b,9c及びその他のインク室に対応する金
属電極は接地される。これにより圧電側壁7aには図中
右方向へ向かう駆動電界が、側壁7bには図中左方向へ
向かう駆動電界が発生する。このとき各々の駆動電界方
向と圧電セラミックスプレートの分極方向8とが直交し
ているため、側壁7a及び7bは圧電厚みすべり効果に
よって、圧電セラミックスプレートの接合部で屈曲する
ようにインク室2bの内部方向に急速に変形する(図4
(b)参照)。
【0051】これらの変形によりインク室2bの容積が
減少してインク室2bのインク圧力が急速に増大し、圧
力波が発生して、インク室2bに連通するノズル(図示
しない)からインク液滴が噴射される。
【0052】また、駆動電圧の印加を停止すると、側壁
7a及び7bが変形前の位置(図4(a)参照)に戻る
ため、インク室2b内のインク圧力が低下し、インク供
給口5からマニホールドを通してインク室2b内にイン
クが供給される。
【0053】但し、上記の動作は基本動作に過ぎず、製
品として具体化される場合には、まず駆動電圧を容積が
増加する方向に印加し、先にインク室2bにインクを供
給させた後に駆動電圧の印加を停止して、側壁7a,7
bを変形前の位置(図4(a)参照)に戻してインク液
滴を噴射させることもある。さらにインク液滴噴射後に
インク室2内の圧力波を減衰させるためにキャンセルパ
ルスと呼ばれる駆動電圧パターンをしかるべき時間の後
に付随させることもある。
【0054】このような構成のインクジェットヘッドで
は、隣接する2つのインク室2に連通する2つのノズル
から同時にインク液滴を噴射することができないため、
例えば、左端から奇数番目のインク室2a,2cに連通
するノズルからインク液滴を噴射した後、偶数番目のイ
ンク室2bに連通するノズルからインク液滴を噴射し、
次に再び奇数番目からインク液滴を噴射するというよう
に、インク室2及びノズルを2つのグループに分割して
インク液滴の噴射を行う。さらに、インク室2及びノズ
ルを3つ以上のグループに分割してインク液滴の噴射を
行うこともある。
【0055】このように、本発明を具体化した圧電式イ
ンクジェットヘッド及びその製造方法においては、イン
クジェットヘッドにおける電極9に対し、ドライバから
の電気配線15の接続を簡便に出来る。特に従来は、こ
の工程において画像処理を用いた精密な位置決めを必要
としていたが、本発明では上述のとおり、電気配線の接
続位置は概ね定まっていればよく、画像処理等は不要で
あり、この工程における画像処理装置が不要になる他、
画像処理に要していた時間も不要となる。
【0056】以上の結果、安価なインクジェットヘッド
を製造することができるといった、産業上著しい効果を
奏する。
【0057】尚、本発明は、上述した実施例に限定され
るものでなく、その主旨を逸脱しない範囲に於て種々の
変更を加えることが出来る。
【0058】例えば、インク室2内の電極9を絶縁部1
0により圧電側壁7の側面毎に分割していたが、駆動方
式を選択すれば必ずしも電極を分割する必要はない。そ
の場合、当然絶縁部10に連続する絶縁部12、14を
形成する必要もない。その一例としては、溝の内の電極
を導通とし、他の溝の電極と非導通としたものが挙げら
れ、各溝の電極を分離する必要がある。
【0059】また、レーザ加工でなくても、上述のよう
な絶縁部の加工が可能である。従来のダイシング加工に
おいても、圧電セラミックス基板を回転可能なテーブル
上に配置すれば、電気配線15の接続位置のばらつきに
伴う加工角度の補正にも対応可能である。この場合は、
他の部位の絶縁部形成と同一の加工機を使用することが
できるといった利点がある。
【0060】逆に、インク室2となる溝内の絶縁部10
の形成、表面11の絶縁部12の形成、更には、上部蓋
6が接続する圧電側壁7の上部の導電層の除去を、レー
ザ加工によって行なってもよい。
【0061】また、レーザ加工においては、レーザ光等
の高エネルギービームの種類や、光学系等のビーム集束
条件などは、除去加工を施す部位の寸法に応じて、適宜
選択すれば良い。例えば、YAGレーザの標準波である
波長1.06μm(マイクロ・メートル)のレーザ光以
外にも、YAGレーザの第2高調波である波長532n
m(ナノ・メートル)のYAGレーザ光を用いることも
可能であり、除去する物質の反射率等の波長依存性など
に応じて適宜選択すればよい。
【0062】また、本実施例のインクジェットヘッドで
は、インク室2が圧電側壁7を挟んで隣接していたが、
各インク室2の両側にインクが供給されない非噴射領域
を設けてもよい。例えば、インク室2の内表面に形成さ
れる電極が両側面で分離されていなくて電気的に接続さ
れており、非噴射領域の内表面に形成される電極のみを
側面毎に分離するようなものでもよい。この場合、イン
ク室2内の電極は常に接地され、非噴射領域の噴射駆動
させるインク室2を構成する圧電側壁7に対応する電極
に駆動パルスを印加するようにする。
【0063】また、本実施例では、圧電側壁7は、分極
方向が互いに反対方向である2層の圧電層から構成され
ていたが、非圧電層と圧電層とからなる圧電側壁であっ
てもよい。
【0064】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように本発
明のインクジェットヘッドの製造方法によれば、前記エ
ネルギー発生手段の全てに導通する導電層を形成する第
一工程と、前記導電層に前記複数の導電性パターンを電
気的に接続する第二工程と、前記導電層の一部を除去し
て各エネルギー発生手段毎に独立した複数の前記電極を
形成する第三工程とからなるので、前記電極と前記導電
層パターンとの位置合わせが必要なくなって、接続が著
しく容易となり、従来この工程において不可欠であった
画像処理等が不要となる。従って、安価なインクジェッ
トヘッドを製造することができるといった、産業上著し
い効果を奏する。
【0065】請求項2のインクジェットヘッドの製造方
法によれば、前記エネルギー発生手段は、前記噴射チャ
ンネルを構成し、且つ少なくとも一部が分極された圧電
材料よりなる隔壁と、前記各隔壁の側表面に設けられ、
且つ前記圧電材料に駆動電界を発生させるための第二電
極とからなり、前記第一工程で形成される前記導電層は
前記第二電極に電気的に接続されることによって、前記
制御手段からの前記電気信号を前記導電性パターン及び
前記電極を介して前記第二電極に送信することができ、
所望する隔壁のみを変形して前記噴射チャンネルの容積
を変化させてインク滴を吐出することができる。
【0066】請求項3のインクジェットヘッドの製造方
法によれば、前記導電層の一部の除去を高エネルギービ
ームにより行なうので、高速で加工することができ、生
産性が向上する。
【0067】請求項4のインクジェットヘッドの製造方
法によれば、YAGレーザ光により前記導電層の一部を
除去するので、容易に、且つ高速で加工することがで
き、生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるインクジェットヘッド
を示す概略図である。
【図2】前記実施例であるインクジェットヘッドを示す
斜視図である。
【図3】前記実施例のインクジェットヘッドの製造方法
を示す説明図である。
【図4】前記実施例のインクジェットヘッドの動作を示
す断面図である。
【図5】従来のインクジェットヘッドを示す斜視図であ
る。
【図6】従来のインクジェットヘッドの動作示す断面図
である。
【図7】従来のインクジェットヘッドの製造方法を示す
説明図である。
【図8】従来のインクジェットヘッドを示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 圧電セラミックス基板 2 インク室 3 ノズルプレート 7 圧電側壁 9 電極 12 絶縁部 13 表面 14 絶縁部 15 電気配線 18 YAGレーザ光 26 絶縁部 27 ハンダ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを噴射する複数の噴射チャンネル
    内のインクにエネルギーを発生する複数のエネルギー発
    生手段と、前記エネルギー発生手段に接続された複数の
    電極と、一端を前記電極の各々に接続され、他端を電気
    信号を発信する制御手段に接続された複数の導電性パタ
    ーンとを有し、前記制御手段からの前記電気信号を前記
    導電性パターン及び前記電極を介して前記エネルギー発
    生手段に送信し、エネルギー発生手段を駆動して前記噴
    射チャンネルよりインク滴を吐出するインクジェットヘ
    ッドの製造方法であって、 前記エネルギー発生手段の全てに導通する導電層を形成
    する第一工程と、 前記導電層に前記複数の導電性パターンを電気的に接続
    する第二工程と、 前記導電層の一部を除去して各エネルギー発生手段毎に
    独立した複数の前記電極を形成する第三工程とからなる
    ことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記エネルギー発生手段は、前記噴射チ
    ャンネルを構成し、且つ少なくとも一部が分極された圧
    電材料よりなる隔壁と、前記各隔壁の側表面に設けら
    れ、且つ前記圧電材料に駆動電界を発生させるための第
    二電極とからなり、前記第一工程で形成される前記導電
    層は前記第二電極に電気的に接続されることを特徴とす
    る請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第三工程における前記導電層の一部
    の除去は、高エネルギービームによって除去されること
    を特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載のインク
    ジェットヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記高エネルギービームは、YAGレー
    ザ光であることを特徴とする請求項3に記載のインクジ
    ェットヘッドの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6070310A (en) * 1997-04-09 2000-06-06 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Method for producing an ink jet head
US7266868B2 (en) 2003-06-30 2007-09-11 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Method of manufacturing liquid delivery apparatus
JP2012051254A (ja) * 2010-09-01 2012-03-15 Toshiba Tec Corp インクジェットヘッド及びインクジェットヘッドの製造方法

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