JPH09131186A - 組換えプラスミド、それを含有する形質転換藍藻およびポリ−β−ヒドロキシ酪酸の製造方法 - Google Patents

組換えプラスミド、それを含有する形質転換藍藻およびポリ−β−ヒドロキシ酪酸の製造方法

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JPH09131186A
JPH09131186A JP7318591A JP31859195A JPH09131186A JP H09131186 A JPH09131186 A JP H09131186A JP 7318591 A JP7318591 A JP 7318591A JP 31859195 A JP31859195 A JP 31859195A JP H09131186 A JPH09131186 A JP H09131186A
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cyanophycean
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phb
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CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU
CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
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CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU
CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機炭酸源やH2等の還元物質を必要とする
ことなく、微生物から効率的にPHBを生産する方法お
よび、その方法に用いる藍藻内で安定して存在できる組
換えプラスミドおよび該組換えプラスミド含有形質転換
藍藻シネココッカス種を提供する。 【解決手段】 藍藻での複製に必要な領域を持ち、藍藻
由来のプロモーター活性を有する配列の下流にアルカリ
ゲネス・ユウトロファス起源のβ−ケトチオラーゼ、ア
セトアセチルCoAレダクターゼおよびポリヒドロキシ
ブチレートポリメラーゼからなる酵素群をコードする遺
伝子群を組み込んだ組換えプラスミド(pAEN1)、
それを含有する形質転換藍藻シネココッカス種(FER
M P−15189)、および該形質転換藍藻シネココ
ッカス種を培養することによるポリ−β−ヒドロキシ酪
酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、組換えプラスミ
ド、組換えプラスミド含有形質転換藍藻シネココッカス
種及びポリ−β−ヒドロキシ酪酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ−β−ヒドロキシ酪酸(PHB)
は、微生物が生産するバイオポリマーの一種であり、微
生物により分解可能な熱可塑性樹脂として、医薬類、農
薬類、医療材料、工業材料等の多方面での応用が期待さ
れる材料である。PHBを微生物により生産させる方法
は、これまでに種々開示されている。例えば、特開昭5
9−220192号、特開昭64−27483号および
特開平1−222788号の各公報でPBHの製造方法
について開示されている。しかしながら、これらの何れ
の方法の場合も資化性炭素源として有機炭素源を必要と
するという欠点があった。そこで、特殊な微生物を利用
して有機炭素源を必要としないでPHBを製造する方法
も提案されている。例えば、Journal of F
ermentation and Bioengine
ering Vol.69,No.3,170−174
(1990)によれば、アルカリゲネス・ユウトロファ
ス(Alcaligenes eutrophus)を
用いて二酸化炭素を炭素源としてPHBを製造する方法
を提案しているが、PHBの生産には二酸化炭素と同時
に還元物質であるH2が必須である点で不都合であっ
た。
【0003】そこで、有機炭素源やH2等の還元物質を
必要とすることなく微生物から効率的にPHBを生産さ
せる方法が種々模索された。例えば特開平6−3157
65号では、アルカリゲネス・ユウトロファス(Alc
aligenes eutrophus)起源のβ−ケ
トチオラーゼ、アセトアセチルCoAレダクターゼおよ
びポリヒドロキシブチレートポリメラーゼをクローニン
グしたベクターに藍藻由来の遺伝子を導入したものを用
いることで、PHB生産能の無い藍藻シネココッカス種
にPHBを生産させることに成功している。しかしなが
らPHB生産遺伝子群を発現させるためのプロモーター
が藍藻由来のものではなかったため、PHBの生産能力
がPHB含有率1%以下と極めて低かった。また藍藻は
細胞内で組換えがおこり易いため、ベクターがプラスミ
ドとして存在せずに細胞内の染色体に取り込まれてしま
うことも種々の点で好ましくなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、有機
炭酸源やH2等の還元物質を必要とすることなく、微生
物から効率的にPHBを生産する方法および、その方法
に用いる藍藻内で安定して存在できる組換えプラスミド
および該組換えプラスミド含有形質転換藍藻を提供する
ことを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意研究の結果、アルカリゲネス・ユウト
ロファス起源のβ−ケトチオラーゼ、アセトアセチルC
oAレダクターゼおよびポリヒドロキシブチレートポリ
メラーゼからなる酵素群をコードする構造遺伝子群を、
藍藻由来のプロモーター活性を有する遺伝子の下流に組
み込むことによって、組換えプラスミドを構築したとこ
ろ、この組換えプラスミドを導入した藍藻シネココッカ
ス種が有機炭素源やH2を必要とすることなく、PHB
を生産でき、しかもこのPHB生産能を有するシネココ
ッカス種は細胞内に組換えプラスミドを安定に含有し、
またその培養物からPHBが高い収率で得られることを
見いだして、本発明を完成した。すなわち本発明によれ
ば、藍藻での複製に必要な領域を持ち、藍藻由来のプロ
モーター活性を有する配列番号1で示される配列の下流
にアルカリゲネス・ユウトロファス起源のβ−ケトチオ
ラーゼ、アセトアセチルCoAレダクターゼおよびポリ
ヒドロキシブチレートポリメラーゼからなる酵素群をコ
ードする遺伝子群を組み込んだ組換えプラスミドが提供
される。本発明はまた前記プラスミドがアンピシリンお
よびクロラムフェニコール耐性遺伝子を有するpAEN
1プラスミドである組換えプラスミドにも関する。本発
明によれば、さらに、前記組換えプラスミドを含有し、
ポリ−β−ヒドロキシ酪酸生産能を有する形質転換藍藻
シネココッカス種も提供される。本発明によれば、ま
た、FERM P−15189である前記形質転換藍藻
シネココッカス種が提供される。さらに本発明によれば
前記ポリ−β−ヒドロキシ酪酸生産能を有する形質転換
藍藻シネココッカス種を培養し、培養物からポリ−β−
ヒドロキシ酪酸を採取することを特徴とするポリ−β−
ヒドロキシ酪酸の製造方法が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の組換えプラスミド、およ
びそれを含有する形質転換藍藻シネココッカス種は例え
ば次のようにして得ることができる。
【0007】まず、アルカリゲネス・ユウトロファス起
源のβ−ケトチオラーゼ、アセトアセチルCoAレダク
ターゼおよびポリヒドロキシブチレートポリメラーゼか
らなる酵素群をコードする構造遺伝子群断片を調製す
る。この構造遺伝子群はすでに配列決定されており、調
製法と共にThe Journal of Biolo
gical Chemistry.Vol.264,N
o.26,15293−15297および同15298
−15303(1989)に記載されている。このβ−
ケトチオラーゼ、アセトアセチルCoAレダクターゼ、
ポリヒドロキシブチレートポリメラーゼからなる酵素群
をコードする酵素遺伝子群は以下、PHB合成遺伝子断
片と呼ぶ。
【0008】次に、得られたPHB合成遺伝子断片をプ
ラスミド例えばpUC19に導入する。すなわち例え
ば、10mM Tris−HCl(pH7.5),10
mMMgCl2,1mM DTTなどのような緩衝液
中、pUC19を制限酵素、例えばEcoRI及びSm
aIで処理し、次いアルカリホスファターゼを用いて脱
リン酸化反応を行い、さらに例えばフェノール抽出によ
り精製し、制限酵素EcoRIおよびSmaI処理pU
C19(約2.7K塩基対)を得る。これとは別にPH
B合成遺伝子断片を例えば10mM Tris−HCl
(pH7.5),10mM MgCl2,1mM DT
Tなどのような公知の緩衝液中、SmaIおよびEco
RIを用いて処理し、さらに例えばフェノール抽出によ
り精製して、SmaIおよびEcoRI処理したPHB
合成遺伝子断片を得る。前記のようにして得られた制限
酵素処理pUC19およびPHB合成遺伝子断片を10
mM Tris−HCl(pH7.5),10mM M
gCl2,1mM DTT,1mM ATPなどのよう
な公知の緩衝液中T4リガーゼを用いて連結し、pUC
19にPHB合成遺伝子断片を導入した約8K塩基対プ
ラスミドを構築し、これをpAE100と名付ける。
【0009】次に、pAE100からPHB合成遺伝子
断片を切り出し、藍藻由来のプロモーター活性を持つ遺
伝子配列の下流に組み込んだ、藍藻と大腸菌のシャトル
ベクターpAEN1を構築する。このとき使用できるプ
ラスミドとしては、例えばアンピシリン耐性遺伝子を有
する藍藻と大腸菌のシャトルベクターpECAN8にプ
ラスミドpKK232−8のクロラムフェニコール耐性
遺伝子、および配列番号1に示す藍藻由来のプロモータ
ー活性を有する遺伝子を組み込んだpKE4−9があげ
られる。前記pECAN8の製法は、FEMS Mic
robiol.Lett.,Vol.27,253−2
56(1985)に記載されている。pAE100から
PHB合成遺伝子断片を切り出すには、例えば10mM
Tris−HCl(pH7.5),10mM MgC
2,1mM DTT,50mM NaClなどのよう
な緩衝液中、制限酵素、例えばEcoRIおよびHin
dIIIを用いて、pAE100を37℃で1時間反応さ
せ、次いで例えばフェノール抽出により精製する。この
ようにして得られた遺伝子断片のうち約5,200塩基
の大きさのものを選択し、これをさらに例えば3mM
Tris−酢酸(pH7.9),66mM酢酸カリウ
ム、10mM酢酸マグネシウム、0.5mM DTT,
0.1mg/ml BSA,0.1mM dATP,
0.1mMdCTP,0.1mM dTTP,0.1m
M dGTPなどのような緩衝液中、T4ポリメラーゼ
を用いて処理し、次いで例えばフェノール抽出すること
により精製PHB合成遺伝子断片が得られる。
【0010】pKE4−9にPHB合成遺伝子断片を導
入するには、例えば、50mM Tris−HCl(p
H7.5),10mM MgCl2,1mM DTT,
100mM NaClなどのような緩衝液中、制限酵
素、例えばSalIを用いて、pKE4−9を37℃で
1時間反応させ、次いで例えば3mM Tris−酢酸
(pH7.9),66mM酢酸カリウム、10mM酢酸
マグネシウム、0.5mM DTT,0.1mg/ml
BSA,0.1mM dATP,0.1mMdCT
P,0.1mM dTTP,0.1mM dGTPなど
のような緩衝液中、T4ポリメラーゼを用いて通常37
℃で5分間処理し、さらにアルカリホスファターゼを用
いて脱リン酸化反応を行い、さらに例えばフェノール抽
出により精製した後、PHB合成遺伝子断片との結合に
使用する。
【0011】こうして得られたSalI処理pKE4−
9とPHB合成遺伝子断片を連結するには、公知の緩衝
液中、10mM Tris−HCl(pH7.5),1
0mM MgCl2,1mM DTT,1mM ATP
中でPHB合成遺伝子断片とpKE4−9をT4リガー
ゼを用いて通常16℃で1時間処理すればよい。このよ
うにしてpKE4−9にPHB合成遺伝子断片を導入し
た組換えプラスミドをpAEN1と名付け、その構成を
図1に示す。
【0012】次にpAEN1を用いてシネココッカス種
を形質転換する。まずシネココッカス種の細胞を例えば
表1に示すBG−11培地や表2に示すMDM培地のよ
うな培地中で所定量となるまで培養する。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】次にPacker及びA.N.Claze
r編集のMethod in Enzymology
Vol.167(ACADEMIC PRESS,IN
C.1988)に記載された方法等に従い、pAEN1
を用いて該藍藻を自然形質転換する。このpAEN1を
保有するシネココッカス種形質転換藍藻は、pAEN1
−1と命名し、工業技術院生命工学工業技術研究所に平
成7年9月19日に寄託した(受託番号=FERM P
−15189)。
【0016】次に、得られた形質転換藍藻にPHBを生
産させる。例えば形質転換藍藻を、上記BG−11培地
のような培地にアンピシリン、クロラムフェニコールを
添加し、通常、通気撹拌培養を行う。アンピシリンは最
終濃度0.1〜20mg/ml、好ましくは1〜5mg
/mlとなるよう添加し、クロラムフェニコールは最終
濃度1〜50mg/ml、好ましくは5〜20mg/m
lとなるよう添加する。一般に培養温度は20〜60
℃、好ましくは25〜55℃、培養液のpHは6〜1
1、好ましくは7〜9が望ましい。また、光強度は10
00〜3000Luxが好ましい。次に、所定量まで培
養したら、藍藻菌体を培養液からろ過、遠心分離等の方
法により分離する。分離した藍藻菌体を栄養源を制限し
た培養液、例えば、BG−11培地から硝酸ナトリウム
を除いた培地にて培養を行い、藍藻菌体にPHBを生成
蓄積させ、このPHBをG.Brauneggらの方法
(European Journal of Appl
ied Microbiology and Biot
echnology 6,29−37(1978))に
従い培養菌体細胞から採取する。PHBの含有率は乾燥
菌体重量当たり2%であり、従来1%以下だったのに比
較して格段に向上している。この藍藻はPHB合成遺伝
子群をプラスミド中に安定に保持している。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0018】実施例 まず、アルカリゲネス・ユウトロファス(Alcali
genes eutrophus)起源のβ−ケトチオ
ラーゼ、アセトアセチルCoAレダクターゼおよびポリ
ヒドロキシブチレートポリメラーゼからなる酵素群をコ
ードする構造遺伝子群断片(PHB合成遺伝子断片)を
The Journal of Biological
Chemistry,Vol.264,No.26,
15293−15297(1989)およびThe J
ournal of Biological Chem
istry,Vol.264,No.26,15298
−15303(1989)に記載されている方法で調製
した。一方、得られたPHB合成遺伝子断片をプラスミ
ドに導入するため、プラスミドpUC19 100μg
(宝酒造株式会社製)を用意し、緩衝液10mM Tr
is−HCl(pH7.5),10mM MgCl2
1mM DTT中、制限酵素EcoRI及びSmaIそ
れぞれ500ユニットずつ用いて、37℃で1時間反応
させ、次いでアルカリホスファターゼ2ユニットを用い
て37℃で1時間脱リン酸化反応を行い、さらにフェノ
ール抽出により精製した。
【0019】このようにして制限酵素EcoRIおよび
SmaI処理したpUC19(約2.7K塩基対)と、
PHB合成遺伝子とを連結するために、PHB合成遺伝
子断片200μgを緩衝液10mM Tris−HCl
(pH7.5),10mMMgCl2,1mM DTT
中、SmaIおよびEcoRIをそれぞれ500ユニッ
トずつ用いて、37℃で1時間反応させ、さらにフェノ
ール抽出により精製した。その後、緩衝液10mM T
ris−HCl(pH7.5),10mMMgCl2
1mM DTT,1mM ATP中で、上記処理したP
HB合成遺伝子断片100ngと上記処理したpUC1
9 50ngに対して5ユニットのT4リガーゼを用い
て16℃で約1時間処理した。このようにしてpUC1
9にPHB合成遺伝子断片を導入した約8K塩基対プラ
スミドをpAE100と名付けた。
【0020】次に、pAE100からPHB合成遺伝子
断片を切り出し、藍藻由来のプロモーター活性を持つ遺
伝子配列の下流に組み込んだ、藍藻と大腸菌のシャトル
ベクターを構築するため、プラスミドpKE4−9を1
00μg用意した。pKE4−9は、アンピシリン耐性
遺伝子を有する藍藻と大腸菌のシャトルベクターpEC
AN8にプラスミドpKK232−8(Pharmac
ia社製)のクロラムフェニコール耐性遺伝子と、藍藻
由来のプロモーター活性を有する配列番号1で示される
遺伝子を組み込んだものである。pAE100からPH
B合成遺伝子断片を切り出すため、緩衝液10mM T
ris−HCl(pH7.5),10mM MgC
2,1mM DTT,50mM NaCl中、制限酵
素EcoRIおよびHindIIIをそれぞれ500ユニ
ットずつ用いて、pAE100の200μgを37℃で
1時間反応させ、フェノール抽出により精製した。次
に、得られた遺伝子断片のうち約5,200塩基の大き
さのものを選択し、これをさらに緩衝液3mM Tri
s−酢酸(pH7.9),66mM酢酸カリウム、10
mM酢酸マグネシウム、0.5mM DTT,0.1m
g/ml BSA,0.1mM dATP,0.1mM
dCTP,0.1mM dTTP,0.1mM dG
TP中、200ユニットのT4ポリメラーゼを用いて3
7℃で5分間処理し、次いでフェノール抽出することに
より精製PHB合成遺伝子断片を得た。
【0021】pKE4−9にPHB合成遺伝子断片を導
入するため、緩衝液50mM Tris−HCl(pH
7.5),10mM MgCl2,1mM DTT,1
00mM NaCl緩衝液中、制限酵素SalIを50
0ユニット用いて、pKE4−9の200μgを37℃
で1時間反応させ、次いで3mM Tris−酢酸(p
H7.9),66mM酢酸カリウム、10mM酢酸マグ
ネシウム、0.5mMDTT,0.1mg/ml BS
A,0.1mM dATP,0.1mM dCTP,
0.1mM dTTP,0.1mM dGTPの緩衝液
中、200ユニットのT4ポリメラーゼを用いて通常3
7℃で5分間処理し、さらにアルカリホスファターゼ2
ユニットを用いて37℃で1時間脱リン酸化反応を行っ
た後、フェノール抽出により精製した。その後、前記S
alI処理したpKE4−9とPHB合成遺伝子断片を
連結するため緩衝液10mM Tris−HCl(pH
7.5),10mM MgCl2,1mM DTT,1
mM ATP中でPHB合成遺伝子断片100ngと前
記処理したpKE4−9の50ngに対して5ユニット
のT4リガーゼを用いて16℃で約1時間処理した。こ
のようにしてpKE4−9のSalIサイトにPHB合
成遺伝子断片を導入した14.00kb塩基対のプラス
ミドを得、これをpAEN1と名付けた。その構成を図
1に示す。
【0022】次にpAEN1を用いて形質転換藍藻を得
るため、シネココッカス種PCC7942(Synec
hococcus sp.PCC7942)をBG−1
1培地40mlにて2,000Lux、30℃にてOD
660=0.2の値になるまで培養し、pAEN1 20
μgを用いて自然形質転換した。自然形質転換の方法
は、PackerおよびA.N.Clazer編集のM
ethod in Enzymology Vol.1
67(ACADEMIC PRESS,INC.198
8)に記載されている方法を用いた、このpAEN1を
保有するシネココッカス種PCC7942の形質転換藍
藻は、pAEN1−1と命名し、工業技術院生命工学工
業技術研究所に平成7年9月19日に寄託した(受託番
号=FERM P−15189)。
【0023】次に、pAEN1−1をアンピシリン2m
g/mlおよびクロラムフェニコール10mg/mlを
含むBG−11培地200mlに植菌し、2,000L
ux、30℃にて14日間培養を行った。この培養物を
30℃、1580G、10分間の条件で遠心し、培養液
から藍藻菌体を分離した。分離した藍藻菌体をBG−1
1培地から硝酸ナトリウムを除いた培地に懸濁させ、
2,000Lux、30℃で、さらに14日間培養を行
った。培養後の藍藻菌体によるPHB蓄積率は乾燥菌体
重量当たり2%であった。菌体からのPHBの採取は
G.Brauneggらの方法(EuropeanJo
urnal of Applied Microbio
logy andBiotechnology 6,2
9−37(1978))に従って実施した。PHBの定
量は、ガスクロマトグラフにて下記のように行った。す
なわち、凍結乾燥した菌体40mgをスクリューキャッ
プ付き10ml試験管に入れ、クロロホルム2mlと、
3wt%硫酸−メタノール溶液2mlを加え、栓をして
100℃で3.5時間反応させた。反応終了後、水1m
lを加えて激しく10分間振とうした後に、2層に分離
した下層のクロロホルム層を取り出し、このクロロホル
ム層をガスクロマトグラフィーにかけて、ヒドロキシ酪
酸メチルのピークの面積からPHB量を計算して求め
た。
【0024】比較例1 シネココッカス種PCC7942をBG−11培地20
0mlに植菌し、2,000Lux、30℃にて14日
間培養を行った。この培養物を30℃、1580G、1
0分間の条件で遠心し、培養液から藍藻菌体を分離し
た。分離した藍藻菌体をBG−11培地から硝酸ナトリ
ウムを除いた培地にて懸濁させ、2,000Lux、3
0℃で、さらに14日間培養を行った。培養後の藍藻菌
体によるPHB蓄積量を定量したが、PHBの蓄積は認
められなかった(乾燥菌体重量当たり0.001%未
満)。PHBの定量は、実施例1と同様にして行った。
【0025】
【発明の効果】本発明により、無機物のみを炭素源と
し、有機炭素源もしくはH2等の還元物質を必要とする
ことなく、安定にプラスミドを保持できる微生物から効
率的にPHBを生産することが可能となった。
【0026】
【配列表】
【0027】配列番号1: 配列の長さ:262 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:(Genomic DNA) 起源: 生物名:藍藻 株名 :Synechococcus sp.PCC7942 配列の特徴:プロモーター活性 配列: GCCAACCCAC TCCAGTGGCT TAGACCAGTT GCGACTCTGG CTGCCCTGCC CCTATACTTG 60 AGCGTCTGCT GAGATGACAA CGCTGGAGGA TACGGCCATT CGCGAAACGC TCGCCCTGAC 120 GGTTAGTTTG CGAGGAACCG TAGAAGTCAG GGACGATTAC CAATTGTTCC GGCTTACGGG 180 TCAGCTCGAT GCCTTCTCGG AGCCGACCTT CCGCAAGGTT CTTGGCAAGA GCCTAGAAGA 240 TGGGCCAAAA CATGCTATTC TA 262
【図面の簡単な説明】
【図1】組換えプラスミドpAEN1の構成を示す概略
図である。
【符号の説明】
PUH24:藍藻由来の遺伝子で、藍藻中で複製する為
に必要な領域 No.9 :配列番号1で示されるプロモーター phb C:ポリヒドロキシブチレートポリメラーゼ遺
伝子 phb A:β−ケトチオラーゼ遺伝子 phb b:アセトアセチルCoAレダクターゼ遺伝子 CAT:クロラムフェニコール耐性遺伝子 Amp:アンピシリン耐性遺伝子 ORI:大腸菌で複製する為に必要な領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 1/12 C12R 1:89) (C12P 7/62 C12R 1:89) (72)発明者 浅田 泰男 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 常盤 豊 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 三宅 正人 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院生命工学工業技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 藍藻での複製に必要な領域を持ち、藍藻
    由来のプロモーター活性を有する配列番号1で示される
    配列の下流にアルカリゲネス・ユウトロファス起源のβ
    −ケトチオラーゼ、アセトアセチルCoAレダクターゼ
    およびポリヒドロキシブチレートポリメラーゼからなる
    酵素群をコードする遺伝子群を組み込んだ組換えプラス
    ミド。
  2. 【請求項2】 前記プラスミドがアンピシリンおよびク
    ロラムフェニコール耐性遺伝子を有するpAEN1プラ
    スミドである請求項1記載の組換えプラスミド。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の組換えプラスミドを含有
    し、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸生産能を有する形質転換
    藍藻シネココッカス種。
  4. 【請求項4】 FERM P−15189である請求項
    3記載の形質転換藍藻シネココッカス種。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のポリ−β−ヒドロキシ酪
    酸生産能を有する形質転換藍藻シネココッカス種を培養
    し、培養物からポリ−β−ヒドロキシ酪酸を採取するこ
    とを特徴とするポリ−β−ヒドロキシ酪酸の製造方法。
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