JPH09130309A - エコー・キャンセラ・システム及びその動作方法 - Google Patents

エコー・キャンセラ・システム及びその動作方法

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JPH09130309A
JPH09130309A JP8223822A JP22382296A JPH09130309A JP H09130309 A JPH09130309 A JP H09130309A JP 8223822 A JP8223822 A JP 8223822A JP 22382296 A JP22382296 A JP 22382296A JP H09130309 A JPH09130309 A JP H09130309A
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アイイェンガー ヴァシュ
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04MTELEPHONIC COMMUNICATION
    • H04M9/00Arrangements for interconnection not involving centralised switching
    • H04M9/08Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic
    • H04M9/082Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic using echo cancellers

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  • Signal Processing (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】処理能力及び記憶空間をより効率的に使用する
エコー・キャンセラ装置を提供する。 【解決手段】 本発明のエコー・キャンセラ・システム
は、第1フォアグラウンド・フィルタ152と第1バッ
クグラウンド・フィルタ156とを有する第1エコー・
キャンセラと、第2フォアグラウンド・フィルタ162
と第2バックグラウンド・フィルタ166とを有する第
2エコー・キャンセラと、共用係数メモリ174と、前
記第1バックグラウンド・フィルタ156と前記第2バ
ックグラウンド・フィルタ166との間で、共用係数メ
モリ174を切り替えるコントローラ172と有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は一般的にはエコー
・キャンセラ装置に関し、特に、少なくとも2個のエコ
ー・キャンセラを持つエコー・キャンセラ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】スピーチは代表的には、反射波を生じ
る。該反射波が直接音の後極めて短時間に到達すると
き、この反射波はスペクトル歪み即ち反響音として知覚
される。しかし、その反射波が直接音の後、数十ミリ秒
(ms)で到達するときは、この反射波ははっきりとした
エコーとして聞こえる。そのようなエコーはうるさく、
極端な状況下では会話を完全に破壊することがある。
【0003】回線エコー(即ち、電気的エコー)は、電
話通信網で2線式ローカル・カストマ・ループを4線式
長距離幹線へ結合するハイブリッド・トランスでのイン
ピーダンス 不整合に起因して起きる。理想的には、ハ
イブリッド・トランスは、4線式伝送ポート中への漏洩
を何ら許すこと無く、4線式受信ポートの遠端信号を2
線式送信ポートにまでパスする。しかし、そのために
は、2線式ポートにおいて見られるインピーダンスを正
確に知ることが必要であるが、そのインピーダンスは実
際には大幅に変化し、単に推定できるに過ぎない。その
結果、漏洩信号がエコーとして遠端の話者へ戻る。この
状況は、2線式市外交換機が存在することによって更に
複雑にされることが有り、電話通信網内で中間・4線式
-2線式-4線式・信号変換を可能にする。600 ms台の往
復遅延を持つ衛星リンクを使用する電話回線では、回線
エコーが特に破壊されるようになることがある。
【0004】音響エコーは電話通信網で、例えばスピー
カフォン中の拡声受話器と送話器との間の音響結合に起
因して起きる。二人以上の通話当事者が全二重リンクに
よって接続されている電子会議中に、近端会議室内での
遠端の話者の音響反射がエコーとして遠端の話者へ戻さ
れる。音響エコー消去は、音響経路の継続期間が、通
常、代表的な電気回線経路の継続期間(20 ms)より数
倍長く(100乃至400ms)、且つ、音響経路がドア
の開閉、人の動き、温度変化などにより、いつでも急激
に変化するので、回線エコー消去より以上に困難である
傾向が有る。
【0005】エコー抑圧装置が、電話通信網での回線エ
コーを抑制するために既に開発されている。エコー抑圧
装置は、信号検出器が2線式受信ポートに何ら近端信号
が無く、4線式受信ポートに遠端信号が有ることが信号
検出器によって判定されたとき、4線式伝送ポートを切
り離す。しかし、エコー抑圧装置は、一般的に、両端の
話者が同時に話している間は無効力である。ダブル・ト
ーク中は、4線式伝送ポートが近端信号と遠端エコー信
号との双方を通す。更に、エコー抑圧装置は、特に衛星
リンクによって生じる長い遅延中には、スピーチ振幅制
限を引き起こす傾向がある。
【0006】エコー・キャンセラは、既にエコー抑圧装
置の欠点を克服するために開発されている。エコー・キ
ャンセラは適応フィルタと減算器とを包含している。適
応フィルタはエコー経路をモデル化するように試みる。
入信信号が適応フィルタに印可されると適応フィルタが
複製信号を生成する。その複製信号とエコー信号とが減
算器へ印可される。減算器はエコー信号から複製信号を
減算し、エラー信号を生ずる。このエラー信号は適応フ
ィルタへフィードバックされ、適応フィルタはエラー信
号を最小にするようにフィルタ係数(即ち、タップ)を
調整する。これらフィルタ係数は係数メモリに格納され
ている。このようにして、フィルタ係数は、エコー信号
を消去、即ち、少なくとも部分的にオフセットするよう
に複製信号を最適化する値に収束する。エコー・キャン
セラは信号経路を破壊しない利益を与える。実利上の考
慮によって、デジタル適応フィルタでの標本化時間及び
量子化レベルの細かさに限界が定まるが、しかし、技術
進歩によってこれらの限界が緩和されつつある。
【0007】エコー・キャンセラは1979年に初めて
米国の電話網で配備され、現在は長距離電話回線で実質
的に至る所に設置されている。これについては、Messer
schmitt の論文 "Echo Cancellation in Speech and Da
ta Transmission", IEEE Journal on Selected Areas i
n Communications, Vol.SAC-2, No.2, March 1984, pp.
283-298、及び、Tao らの論文 "A Cascadable VLSI Ech
o Canceller", IEEE Journal on Selected Areas in Co
mmunications, Vol.SAC-2, No.2, March 1984,pp.298-3
03 を参照されたい。
【0008】適応フィルタがエコー経路を正確にモデル
化するようにするには、エコー経路の出力信号が単独で
その入力信号から生じなければならない。ダブル・トー
ク中、非相関ノイズとして作用する近端でのスピーチが
フィルタ係数を乖離(即ち、ドリフト)するようにす
る。開ループ経路では、収束が再度確立されるまで短時
間のエコーが聞こえることがあるが、係数ドリフトは通
常突発的ではない。しかし、代表的には音響エコー経路
を包含する閉ループ経路では、係数ドリフトが、ハウリ
ングを起こし収束を困難にする不安定な装置になること
がある。
【0009】この問題を解決するために、ダブル・トー
ク検出器が一般にダブル・トークが起きるときに適応処
理を不動作にするために使用される。ダブル・トーク検
出器は、ダブル・トークを検出するために、例えば、ガ
イガーズ・テストを使用することが可能である。残念乍
ら、ダブル・トーク検出器は、ダブル・トークが開始し
た後の或る時間帯(例えば、全音節の間)はダブル・ト
ークが存在することを示すことができない。この時間帯
の間は、係数がドリフトし、上述のように、ハウリング
が起きることがある。更に、ダブル・トークは、音響エ
コーが近端信号に比して大きくなるとき、益々検出が困
難になる。
【0010】ダブル・トーク問題を克服するように構成
された適応エコー・キャンセラが Ochiai らの論文 "Ec
ho Canceller with Two Echo Path Models", IEEE Tran
sactions On Communications, Vol.COM-25, No.6, June
1977, pp.589-595 に提案されている。この Ochiai ら
の論文は、並列に配置されている非適応フィルタと適応
フィルタとを持つエコー・キャンセラを開示している。
適応フィルタは適応プロセッサを包含するのに対し、非
適応フィルタは適応プロセッサを欠いており、適応フィ
ルタによって更新される必要がある。これらフィルタは
各々エコー信号の複製信号を生成する。適応フィルタの
フィルタ係数は、適応フィルタからの複製信号が非適応
フィルタの複製信号よりもエコー信号の良好な推定を行
うとき、非適応フィルタ中へ転移される。従って、非相
関のダブル・トーク中、非適応フィルタは適応フィルタ
での係数ドリフトからは比較的に不感性である。
【0011】数個の適応フィルタを使用しているもう一
つのエコー・キャンセラが Yatsuzuka らの米国特許第
5,263,020号に開示されている。この Yatsuzu
ka らの米国特許におけるエコー・キャンセラは、カス
ケードに配置された適応主エコー推定器と適応副エコー
推定器とを包含する。主エコー推定器と副エコー推定器
とは、各々、適応プロセッサを包含する。主エコー推定
器がエコー信号の複製信号を生成するのに対し、副エコ
ー推定器は送信出力信号の複製信号を生成する。主エコ
ー推定器がフィルタ係数を更新するために小幅な利得を
有し、従ってエコーに対する応答が遅いのに対し、副エ
コー推定器は大幅な利得を有し、従ってエコーに対して
高速応答を有する。通常モードでは、上記2つのエコー
推定器は互いに独立に動作する。累算モードでは、副エ
コー推定器のフィルタ係数が主エコー推定器の関連する
フィルタ係数に累算される。リセット・モードでは、副
エコー推定器のフィルタ係数がリセットされ、続いてそ
のリセット・モードが通常モードに切替えられる。
【0012】別々のエコー経路の両端間の第1エコー及
び第2エコーをそれぞれ消去するために、第1エコー・
キャンセラ及び第2エコー・キャンセラを包含するエコ
ー・キャンセラ装置が公知である。例えば、全二重動作
を持つ拡声電話機では、音響エコー経路が拡声受話器と
送話器との間で生ずることがあり、回線エコー経路がこ
の装置の4線式装置を2線式ローカル・カストマ・ルー
プへ接続するハイブリッド・トランスで生ずることがあ
る。第1エコー・キャンセラを上記回線エコーを消去す
るために使用し、且つ、第2エコー・キャンセラを上記
音響エコーを消去するために使用することができる。各
エコー・キャンセラは恐らく連続的な適応処理を必要と
し、その処理能力(即ち、MIP)には高い期待が寄せ
られている。更に、第1エコー・キャンセラ及び第2エ
コー・キャンセラは、前掲の Ochiai らの論文及び Yat
suzuka らの論文に記述されているように、各々が2個
或いは3個の、それ自体が係数メモリ(即ち、記憶空
間)を持つ、フィルタを包含する。その結果、エコー・
キャンセラ装置は大容量の処理能力及び記憶空間を必要
とすることがある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】処理能力及び記憶空間
をより効率的に使用するエコー・キャンセラ装置が要望
されている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様は、
共用係数メモリを持つエコー・キャンセラ装置である。
【0015】本発明の一実施例によれば、本発明のエコ
ー・キャンセラ・システムは、第1と第2のエコー・キ
ャンセラを有する。この各エコー・キャンセラは、フォ
アグラウンド・フィルタとバックグラウンド・フィルタ
とを有する。フォアグラウンド・フィルタは、専用係数
メモリを有し、バックグラウンド・フィルタは、専用係
数メモリを有さない。さらに、本発明のエコー・キャン
セラ・システムは、共有係数メモリとコントローラとを
有し、コントローラがこの共有係数メモリをバックグラ
ウンド・フィルタ間で切り替える。この共用係数メモリ
の切り替えは、前記共用係数メモリをリセットし、これ
により、バックグラウンド・フィルタ間でフィルタ係数
の転送を阻止する。一時期には共用係数メモリに接続さ
れているバックグラウンド・フィルタのみが動作する。
その為、複数のバックグラウンド・フィルタが、メモリ
空間と処理パワーを共有できる。
【0016】本発明の他の実施例によれば、各エコー・
キャンセラ内では、バックグラウンド・フィルタがフォ
アグラウンド・フィルタを更新し、このフォアグランド
・フィルタが、実際のエコーをキャンセルする。どのバ
ックグラウンド・フィルタが共用係数メモリに接続され
ているかに応じて、フォアグランド・フィルタのみが更
新されるが、複数のフォアグランド・フィルタは同時に
動作する。かくして、フォアグランド・フィルタの係数
の更新は、共用係数メモリにまず蓄積される。
【0017】本発明の他の実施例によれば、本発明のエ
コー・キャンセラ・システムは、受信入力ポートと受信
出力ポートとを有する受信経路と、送信入力ポートと送
信出力ポートとを有する送信経路とを有し、第1エコー
・キャンセラが、受信出力ポートと送信入力ポートとの
間のエコーをキャンセルし、第2エコー・キャンセラ
が、送信出力ポートと受信入力ポートとの間のエコーを
キャンセルする。コントローラは、受信経路と送信経路
からの第1状態を表す信号に応答して、前記第2バック
グラウンド・フィルタから前記第1バックグラウンド・
フィルタに、共用係数メモリを切り替える。また、コン
トローラは、受信経路と送信経路からの第2状態を表す
信号に応答して、前記第1バックグラウンド・フィルタ
から前記第2バックグラウンド・フィルタに、共用係数
メモリを切り替える。かくして、コントローラは、その
適応動作に対する最大のニーズに応じて、係数メモリを
各エコー・キャンセラに切り替える。
【0018】特に、本発明は、スピーカを有する電話機
に適用できる。この適用例では、第1エコー・キャンセ
ラが、遠端信号を必要とせず、近端信号(送信状態)に
応じて、ハイブリッド・トランスフォーマを介したライ
ンエコーをキャンセルし、第2エコー・キャンセラが、
近端信号を必要とせず、遠端信号(受信状態)に応じ
て、スピーカをマイクとの間の音響エコーをキャンセル
する。このようにして、送信状態か受信状態かに応じ
て、一度に両方のエコー・キャンセラが更新されるが、
第1と第2のエコー・キャンセラが、フォアグランド・
フィルタからのエコー・キャンセルを同時に実行する。
【0019】
【発明の実施の形態】図1はエコー・キャンセラが一般
的に拡声電話機の一部分として使用される方法を示す簡
略化された概略図を図示している。エコー・キャンセラ
10は、受信入力ポート14と受信出力ポート16とを
持つ受信経路12、及び、送信入力ポート20と送信出
力ポート22とを持つ送信経路18を包含する。遠端信
号を表す受信入力信号 x(t)が、受信入力ポート14に
印可される。受信入力信号 x(t)は受信入力ポート14
を介して受信出力ポート16へ結合され、受信出力ポー
ト16は信号x(t)を拡声受話器24へ結合する。伝達特
性 H[t]を持つ音響エコー経路26が、拡声受話器24
と送話器28との間に形成されている。
【0020】音響エコー経路26は、拡声受話器24で
の信号x(t)が送話器28においてエコー信号 H[x(t)]と
して出現するようにする。送話器28はまた、近端での
スピーチによる近端信号 u(t)を生成する。従って、送
話器28は、近端信号 u(t)がエコー信号 H[x(t)]に重
ね合せによって加算された送信入力信号 s(t)を生成す
る。エコー・キャンセラ10は、更に適応デジタル・ト
ランスバーサル・フィルタ(以下、適応フィルタと言
う)30と減算器32とを具備する。適応フィルタ30
は有限インパルス応答 (FIR)を有し、そのフィルタ係数
は適応的に更新され、抽出間隔で伝達特性 H[t]をモデ
ル化する。
【0021】適応フィルタ30は、受信入力信号 x(t)
に応答し、不所望エコー信号 H[x(t)]の推定値として複
製信号 y(t)を合成する。減算器32は、複製信号 y(t)
を送信入力信号 s(t)から減算し、エラー信号 e(t)を生
ずる。エラー信号 e(t)は送信出力信号を出力するため
に送信出力ポート22へ結合されている。エラー信号e
(t)はまた、適応フィルタ30へフィードバックされ
る。エラー信号 e(t)は次式の如く記述することができ
る。 e(t) = u(t) + [H[x(t)] - y(t)] この式から、複製信号 y(t)がエコー信号 H[x(t)]の信
頼性の有る推定値であるとき、信号e(t)が近端信号 u
(t)を表すことが明らかである。
【0022】一般的に、音響エコー経路26の伝達特性
H[t]は時間とともに変化する。エコー信号 H[x(t)]は
音響エコー経路26のインパルス応答 h(t)を用いて信
号x(t)の線形たたみ込みを近似させる。従って、適応フ
ィルタ30はそのインパルス応答 w(t)をそれがインパ
ルス応答 h(t)と整合することができる最良の状態に調
整する。適応フィルタ30の適応調整はエラー信号 e
(t)によって制御される。この適応調整は、エラー信号e
(t)と受信入力信号x(t)との間に相関が存在する限り、
続行される。
【0023】受信入力信号 x(t)が有り、近端信号 u(t)
が無いとき(即ち、遠端スピーチが有り近端スピーチが
無いとき)は、適応フィルタ30はエコー信号 H[x(t)]
の信頼性の有る推定値として複製信号 y(t)を生成す
る。しかし、受信入力信号 x(t)と近端信号 u(t)とが両
方とも存在するとき(即ち、ダブル・トーク状態のと
き)、適応フィルタ30は、エラー信号 e(t)中の妨害
因子として作用する近端信号 u(t)のせいで著しく誤調
整されるようになる。この誤調整によって、複製信号 y
(t)がエコー信号 H[x(t)]の信頼性の有る推定値を与え
ないようにし、この場合、エコー信号 H[x(t)]は間違っ
て、即ち、不適切に消去される。
【0024】エコー・キャンセラの更なる論考は、ここ
での説明のための参照に供される、米国特許第5,39
0,250号、第2,371,789号、第5,26
3,020号、第5,146,494号、第4,90
3,247号、第4,564,934号、並びに、前掲
の Ochiaiらの論文、Messerschmittの論文、Taoらの論
文に見られる。
【0025】本発明はデジタル・エコー・キャンセラに
よって最善の実行が得られ、以下の説明では離散時間モ
デル化が使用される。離散時間モデル化は、図1におい
て信号x(t)と信号s(t)とが、受信入力ポート14と送信
入力ポート20とにそれぞれ印可される前にそれぞれア
ナログ/デジタル・コンバータに印可され、同様に信号
x(t)と信号e(t)とが、受信出力ポート16と送信出力ポ
ート22とにそれぞれ結合されているデジタル/アナロ
グ・コンバータからそれぞれ受信される。更に、エコー
・キャンセラ10中の関連する信号は全てデジタル信号
である。これらのデジタル信号は従来の方法で、例え
ば、 x(k)が時点 t=kT における連続タイム・サンプル
x(t)の量子化サンプルを意味するように、意味されてい
る。なお、1/T は適切なナイキスト(Nyquist)レート
での標本化周波数である。デジタル/アナログ・コンバ
ータ及びアナログ/デジタル・コンバータを、エコー・
キャンセラ10をアナログ伝送路に接続するために使用
することができる。
【0026】図2は本発明によるエコー・キャンセラ装
置の一実施例の概略図を示している。本実施例では、エ
コー・キャンセラ装置は集積回路チップの一部であり、
その集積回路チップは拡声電話機100の一部である。
エコー・キャンセラ装置110は、受信入力ポート11
4と受信出力ポート116とを持つ受信経路112、及
び送信入力ポート120と送信出力ポート122とを持
つ送信経路118を包含する。受信出力ポート116
は、デジタル/アナログ(D/A)コンバータ124を
介して拡声受話器126に結合されている。送話器12
8は、アナログ/デジタル(A/D)コンバータ130
を介して送信入力ポート120に結合されている。音響
エコー経路132は拡声受話器126と送話器128と
の間に配置されている。
【0027】送信出力ポート122はデジタル/アナロ
グ(D/A)コンバータ134を介してハイブリッド・
トランス138のポート136に結合され、ハイブリッ
ド・トランス138のポート140はアナログ/デジタ
ル(A/D)コンバータ142を介して受信入力ポート
114に結合されている。ハイブリッド・トランス13
8は、2線式信号と4線式信号との間の変換を行う。ハ
イブリッド・トランス・ポート136及び140は拡声
電話機100の内部の4線式全二重装置とのインタフェ
ースを行うのに対し、ハイブリッド・トランス・ポート
146及び148は拡声電話機100の外部の2線式ロ
ーカル・カストマ・ループとのインタフェースを行う。
ハイブリッド・トランス138はまた、送信出力ポート
122と受信入力ポート114との間に回線エコー経路
144を形成している。
【0028】エコー・キャンセラ装置110はまた、第
1エコー・キャンセラ及び第2エコー・キャンセラを包
含する。第1エコー・キャンセラは、第1フォアグラウ
ンド減算154に結合されている第1フォアグラウンド
・フィルタ152、第1バックグラウンド減算158に
結合されている第1バックグラウンド・フィルタ15
6、及び、第1制御装置160を包含する。第2エコー
・キャンセラは、第2フォアグラウンド減算器164に
結合されている第2フォアグラウンド・フィルタ16
2、第2バックグラウンド減算器168に結合されてい
る第2適応バックグラウンド・フィルタ166、及び、
第2制御装置170を包含する。
【0029】第1エコー・キャンセラは、回線エコー経
路144の両端間の回線エコーを消去するように設計さ
れている。第2エコー・キャンセラは、音響エコー経路
132の両端間の音響エコーを消去するように設計され
ている。第1エコー・キャンセラ内では、第1フォアグ
ラウンド・フィルタ152が実際のエコー消去を行い、
第1制御装置160が、第1バックグラウンド・フィル
タ156のフィルタ係数が第1機能に従って第1フォア
グラウンド・フィルタ152のフィルタ係数を更新する
ために使用することができるときを判定する。同様に、
第2エコー・キャンセラ内では、第2フォアグラウンド
・フィルタ162が実際のエコー消去を行い、第2制御
装置170が、第2適応バックグラウンド・フィルタ1
66のフィルタ係数が第2機能に従って第2フォアグラ
ウンド・フィルタ162のフィルタ係数を更新するため
に使用することができるときを判定する。
【0030】ここで、第1フォアグラウンド・フィルタ
152及び第2フォアグラウンド・フィルタ162は、
前掲の Yatsuzuka らの論文に従って適応フィルタとし
たり、或いは、好ましくは非適応フィルタとすることが
できることが特筆される。何れの場合でも、それらの更
新機能は、バックグラウンド・フィルタ係数のフォアグ
ラウンド・フィルタ係数への累算を包含する。更に、第
1フォアグラウンド減算154と第1バックグラウンド
減算158、並びに第2フォアグラウンド減算器164
と第2バックグラウンド減算器168とはカスケードに
配列された状態に図示されているが、その代わりに、前
掲の Ochiai らの論文に従い、第1フォアグラウンド減
算154と第1バックグラウンド減算158とが並列に
配列され、同様に第2フォアグラウンド減算器164と
第2バックグラウンド減算器168とが並列に配列され
るようにすることもできることも特筆される。並列構成
では、更新機能が バックグラウンド・フィルタ係数の
フォアグラウンド・フィルタ係数への転移を包含する。
【0031】第1フォアグラウンド・フィルタ152及
び第2フォアグラウンド・フィルタ162は、各々、そ
れらが専用的に所有する係数メモリ即ち記憶空間を有す
る。例えば、第1係数メモリ(図示せず)は第1フォア
グラウンド・フィルタ152によって排他的に使用さ
れ、第2係数メモリ(図示せず)は第2フォアグラウン
ド・フィルタ162によって排他的に使用される。しか
し、第1バックグラウンド・フィルタ156及び第2適
応バックグラウンド・フィルタ166は専用的な係数メ
モリは持っていない。従って、エコー・キャンセラ装置
110は、更にコントローラ172と共用係数メモリ1
74とを包含する。コントローラ172は、共用係数メ
モリ174を第1バックグラウンド・フィルタ156と
第2適応バックグラウンド・フィルタ166との間に切
替え、その結果、第1バックグラウンド・フィルタ15
6と第2適応バックグラウンド・フィルタ166との両
方ではなくそれらの一方がそれぞれのフィルタ係数を共
用係数メモリ174に格納することができる。従って、
コントローラ172は第1バックグラウンド・フィルタ
156と第2適応バックグラウンド・フィルタ166と
が同時に共用係数メモリ174をアクセスしないように
する。
【0032】更に、コントローラ172は該共用係数メ
モリ174が第1バックグラウンド・フィルタ156と
第2適応バックグラウンド・フィルタ166との間で切
替えられるとき、共用係数メモリ174をリセットし、
それにより、第1バックグラウンド・フィルタ156と
第2適応バックグラウンド・フィルタ166との間のフ
ィルタ係数の転移を防止する。その結果、共用係数メモ
リ174が第1バックグラウンド・フィルタ156に関
連するフィルタ係数と第2適応バックグラウンド・フィ
ルタ166に関連するフィルタ係数とを同時に格納する
必要は無い。第1フォアグラウンド・フィルタ152と
第2フォアグラウンド・フィルタ162とは同時に動作
するが、第1バックグラウンド・フィルタ156と第2
適応バックグラウンド・フィルタ166とは、共用係数
メモリ174にアクセスを有している方のバックグラウ
ンド・フィルタに依存して、一時に一つだけが動作す
る。この結果、第1制御装置160と第2制御装置17
0とは、共用係数メモリ174に結合されている方のバ
ックグラウンド・フィルタに依存して、それらの更新機
能を一時に一つだけ実行する。
【0033】何個かのアルゴリズムが、共用係数メモリ
をバックグラウンド・フィルタ間に切替えるときを判定
するために使用可能である。この実施例では、コントロ
ーラ172が受信経路112と送信経路118での信号
レベルに応答して上記切替えを実行する。送信経路11
8の信号レベルが受信経路112の信号レベルを超えて
いるとき、共用係数メモリ174は第1バックグラウン
ド・フィルタ156に結合され、第2適応バックグラウ
ンド・フィルタ166からは切り離されて、それにより
第1バックグラウンド・フィルタ156が動作し、第2
適応バックグラウンド・フィルタ166が動作しないよ
うにされる。同様に、受信経路112の信号レベルが送
信経路118の信号レベルを超えているとき、共用係数
メモリ174は第2適応バックグラウンド・フィルタ1
66に結合され、第1バックグラウンド・フィルタ15
6からは切り離されて、それにより第2適応バックグラ
ウンド・フィルタ166が動作し、第1バックグラウン
ド・フィルタ156が動作しないようにされる。
【0034】説明上の目的で、エコー・キャンセラ装置
110の動作は送信状態と受信状態とに関連して記述さ
れる。図2中、送信状態に関連する信号は矢印括弧記号
<>の中に示され、受信状態に関連する信号は角型括弧
記号{ }の中に示されている。
【0035】音声作動切替え式スピーカフォン装置中で
どの話者がactiveであるかを判定するための状態コント
ローラのような検出器が、当該技術分野で周知である。
そのような検出器は、一般的に送信経路の信号レベル及
び受信経路の信号レベルに応答して状態を切替える。多
くの切替え方法が利用可能である。例えば、ここでの説
明のための参照に供される、Sondhi らの論文 "Silenci
ng Echos on the Telephone Network", Proceedings of
the IEEE, Vol.68, No.8, August 1980, pp.948-963、
Clemency らの論文 "Functional Design of a Voice-Sw
itched Speakerphone", The Bell System Technical Jo
urnal, Vol.XL, No.3, May 1961, pp.649-668、及び Bu
sala の論文 "Fundamental Considerations in the Des
ign of aVoice-Switched Speakerphone", The Bell Sys
tem Technical Journal, Vol.XXXIX, No.2, March 196
0, pp.265-294 を参照されたい。
【0036】例えば、送信状態は、送信入力信号 u(k)
が第1しきい値以上であり、且つ、受信入力信号 x(k)
が第2しきい値以下であるときに起きる。同様に、受信
状態は、受信入力信号 x(k)が第3しきい値以上であ
り、且つ、送信入力信号 u(k)が第4しきい値以下であ
るときに起きる。便宜上、第1しきい値、第2しきい
値、第3しきい値及び第4しきい値は、基本的に同一で
あってもよい。例えば、これらしきい値は、特定の期間
に渡って平均された信号x(k)及び信号u(k)の瞬時信号電
力と関連を持たせることができる。
【0037】送信状態中は、近端信号源によって生成さ
れる近端信号を表す送信入力信号 u(k)が送信入力ポー
ト120に到来し、遠端信号源によって生成される遠端
信号を表す受信入力信号 x(k)は受信入力ポート114
に到来していない。回線エコー経路144は、P[z]の伝
達特性を有する。その結果、受信入力信号 x(k)は回線
エコー信号 P[u(k)]から成る。この事例では、コントロ
ーラ172は、共用係数メモリ174を第1バックグラ
ウンド・フィルタ156へ結合し、共用係数メモリ17
4を第2適応バックグラウンド・フィルタ166から切
り離して、共用係数メモリ174をリセットし、それに
よって第2適応バックグラウンド・フィルタ166に対
するフィルタ係数を消去している。第1フォアグラウン
ド・フィルタ152は第1係数メモリへの第1フォアグ
ラウンド・フィルタ係数の格納を続行し、信号u(k)に応
答してエコー信号 P[u(k)]の推定値として複製信号 y1F
(k)を生成する。第1フォアグラウンド減算154で、
エコー信号 P[u(k)]が加数入力ポートに印可され、複製
信号 y1F(k)が減数入力ポートに印可される。
【0038】第1フォアグラウンド減算154は、信号
P[u(k)]と信号y1(k)との間の差を表すエラー信号 e1F
(k)を生成する。エラー信号 e1F(k)は受信経路112に
沿って受信出力ポート116へ転移される。更に、第1
バックグラウンド・フィルタ156は第1バックグラウ
ンド・フィルタ係数sを共用係数メモリ174に格納
し、信号u(k)に応答して、信号y1F(k)の推定値として複
製信号 y1B(k)を生成する。第1バックグラウンド減算
158で、信号y1F(k)が加数入力ポートに印可され、複
製信号 y1B(k)が減数入力ポートに印可される。第1バ
ックグラウンド減算158は、信号e1F(k)と信号y1F(k)
との間の差を表すエラー信号 e1B(k)を生成する。エラ
ー信号 e1B(k)は、更に適応処理を行うため、第1バッ
クグラウンド・フィルタ156のフィードバック入力ポ
ートに印可される。第1制御装置160は、第1フォア
グラウンド・フィルタ152が更新される必要が有るか
どうかを判定するため、エラー信号e 1F(k)及びエラー
信号 e1B(k)を測定する。第2適応バックグラウンド・
フィルタ166は共用係数メモリ174から切り離され
ることにより、不動作状態にされているが、第2フォア
グラウンド・フィルタ162はそのフィルタ係数の第2
係数メモリへの格納を続行し、送信状態中動作を続行す
る。説明の便宜上、送信入力ポート120で生じる何ら
かの音響エコー信号H[e1F(k)]はごく僅かであると想定
されている。
【0039】受信状態中は、遠端信号を表す受信入力信
号 x(k)が受信入力ポート114に到来し、近端信号を
表す送信入力信号 u(k)は送信入力ポート120に到来
していない。音響エコー経路132はH[z]の伝達特性を
有する。その結果、送信入力信号は音響エコー信号 H[x
(k)]から成る。この事例では、コントローラ172は、
共用係数メモリ174を第1バックグラウンド・フィル
タ166へ結合し、共用係数メモリ174を第1バック
グラウンド・フィルタ156から切り離して、共用係数
メモリ174をリセットし、それによって第1バックグ
ラウンド・フィルタ156に対するフィルタ係数を消去
している。第2フォアグラウンド・フィルタ162は、
第2フォアグラウンド・フィルタ係数を第2係数メモリ
に格納し、信号x(k)に応答してエコー信号 H[x(k)]の推
定値として複製信号 y2F(k)を生成する。
【0040】第2フォアグラウンド減算器164は加数
入力ポートに信号H[x(k)]を受信し、減数入力ポートに
信号y2F(k)を受信する。第2フォアグラウンド減算器1
64は、信号H[x(k)]と信号y2(k)との間の差を表すエラ
ー信号 e2F(k)を生成する。エラー信号 e2F(k)は長距離
の送信経路118に沿って送信出力ポート122へ転移
される。更に、第2適応バックグラウンド・フィルタ1
66は第2バックグラウンド・フィルタ係数を共用係数
メモリ174に格納し、信号u(k)に応答して、信号e2F
(k)の推定値として複製信号 y1B(k)を生成する。第2バ
ックグラウンド減算器168で、信号e2F(k)が加数入力
ポートに印可され、複製信号 y1B(k)が減数入力ポート
に印可される。第2バックグラウンド減算器168は、
信号e2F(k)と信号y2F(k)との間の差を表すエラー信号 e
1B(k)を生成する。エラー信号e1B(k)は、更に適応処理
を行うため、第2適応バックグラウンド・フィルタ16
6のフィードバック入力ポートに印可される。
【0041】第2制御装置170は、第2フォアグラウ
ンド・フィルタ162が更新される必要が有るかどうか
を判定するため、エラー信号 e2F(k)及びエラー信号 e2
B(k)を測定する。第1バックグラウンド・フィルタ15
6は共用係数メモリ174から切り離されることによ
り、不動作状態にされているが、第1フォアグラウンド
・フィルタ152はそのフィルタ係数の第1係数メモリ
への格納を続行し、受信状態中動作を続行する。説明の
便宜上、受信入力ポート114で生じる何らかの回線エ
コー信号 P[e2F(k)]はごく僅かであると想定されてい
る。
【0042】図3はエコー・キャンセラ装置110の一
部の実施例の概略図を示している。この図に見られるよ
うに、第1バックグラウンド・フィルタ156、第2適
応バックグラウンド・フィルタ166、コントローラ1
72及び共用係数メモリ174は、Uレジスタ202、
制御装置204、たたみ込み回路206、係数レジスタ
208、適応プロセッサ210、及び、Xレジスタ21
2によって実施されている。受信経路112、送信経路
118、180、182、184、186、188、及
び、190は明確化のために示されている。
【0043】Uレジスタ202及びXレジスタ212
は、信号u(k)及び信号x(k)のサンプルをそれぞれ格納す
るための再循環シフト・レジスタである。制御装置20
4は、信号u(k)及び信号x(k)のレベルを検出するための
信号検出器(図示せず)を包含する。係数レジスタ20
8は、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(random a
ccess memory;RAM)によって実施することができ
る。
【0044】制御装置204は、Uレジスタ202をた
たみ込み回路206と適応プロセッサ210へ結合し、
送信経路118及び180を適応プロセッサ210へ結
合し、信号経路182をたたみ込み回路206へ結合
し、信号経路184を係数レジスタ208へ結合し、且
つ、Xレジスタ212と信号経路186、188、及び
190を切り離すことによって、第1バックグラウンド
・フィルタ156が動作するようにする。同様に、制御
装置204は、Xレジスタ212をたたみ込み回路20
6と適応プロセッサ210へ結合し、受信経路112と
信号経路188を適応プロセッサ210へ結合し、信号
経路188をたたみ込み回路206へ結合し、信号経路
190を係数レジスタ208へ結合し、且つ、Xレジス
タ212と信号経路180、182、及び、184を切
り離すことによって、第2適応バックグラウンド・フィ
ルタ166が動作するようにする。
【0045】第1バックグラウンド・フィルタ156の
動作中、制御装置204は、Uレジスタ202に格納さ
れているサンプルに係数レジスタ208に格納されてい
るフィルタ係数を用いて線形たたみ込みを実行すること
によって複製信号 y1B(k)を生成する。更に、適応プロ
セッサ210は、信号e1B(k)のレベルを最小にするため
に、信号u(k)及び信号e1B(k)に応答して係数レジスタ2
08に格納されているフィルタ係数を適応的に修正す
る。第2適応バックグラウンド・フィルタ166の動作
中、制御装置204は、Xレジスタ212に格納されて
いるサンプルに係数レジスタ208に格納されているフ
ィルタ係数を用いて線形たたみ込みを実行することによ
って複製信号 y2B(k)を生成する。更に、216は、信
号e2B(k)のレベルを最小にするために、信号x(k)及び信
号e2B(k)に応答して係数レジスタ208に格納されてい
るフィルタ係数を適応的に修正する。係数レジスタ20
8の記憶空間及び適応プロセッサ210の処理能力が、
第1バックグラウンド・フィルタ156と第2適応バッ
クグラウンド・フィルタ166との間で共用される利点
が有る。
【0046】適応プロセッサ210は当該技術分野で周
知な種々の適応アルゴリズムを使用することができる。
例えば、最小平均二乗(Least Mean Square;以下、L
MSと略称する)アルゴリズムは上記二乗エラー信号の
期待値を最小にする反復的な確率的傾斜アルゴリズムで
ある。正規化最小平均二乗(Normalized Least MeanSqu
are;以下NLMSと略称する)アルゴリズムのよう
な、上記LMSアルゴリズムの種々の変形例もまた適当
である。或いは、LMSアルゴリズムに代わる最小二乗
(Least Squares;以下LSと略称する)アルゴリズム
は、非反復のブロック指向適応アルゴリズムを供する。
【0047】Uレジスタ202は、回線エコー経路14
4のインパルス応答を充分正確に表すために必須である
ので、送信入力信号 u(k)の多くのサンプルを格納す
る。同様に、Xレジスタ212は、音響エコー経路13
2のインパルス応答を充分正確に表すために必須である
ので、受信入力信号 x(k)の多くのサンプルを格納す
る。係数レジスタ208は、第1バックグラウンド・フ
ィルタ156に対するフィルタ係数、或いは第2適応バ
ックグラウンド・フィルタ166に対するフィルタ係数
を、それら両方を同時に格納するのではなく、格納す
る。当然明らかな如く、より小さな係数レジスタは第1
バックグラウンド・フィルタ156及び第2適応バック
グラウンド・フィルタ166が的確に動作するようには
できないのに対し、大きな係数レジスタは記憶空間を浪
費することとなる。
【0048】例えば、回線エコー経路144のインパル
ス応答が10 msより大きくはないものと想定され、音
響エコー経路132のインパルス応答が20 msより大
きくはないものと想定される。これらの想定と調和し
て、Xレジスタ212が、受信入力信号のN個の、各々
がMビットの長さを有する、サンプル;x(k), x(k-
1),... x(k-N)を格納し、Uレジスタ202が、送信入
力信号 u(k)のN/2個の、各々がMビットの長さを有
する、サンプル;u(k), u(k-1), ... u(k-N/2-1)を格納
する。この事例では、第2適応バックグラウンド・フィ
ルタ166が、N個の、各々がMビットの長さを有す
る、単倍精度フィルタ係数を使用し、第1バックグラウ
ンド・フィルタ156が、N/2個の、各々が2Mビッ
トの長さを有する、二倍精度フィルタ係数を使用するこ
ととなろう。このことは、第1バックグラウンド・フィ
ルタ156に第2適応バックグラウンド・フィルタ16
6のおおよそ2倍の精度を有することとなろう。更に、
係数レジスタ208は、N個の、各々がMビットの長さ
を有する、アドレス可能な記憶場所を使用することとな
ろう。勿論、もし、第1バックグラウンド・フィルタ1
56と第2適応バックグラウンド・フィルタ166とが
各々、各Mビットのフィルタ係数をN個、或いは、各2
M ビットのフィルタ係数をN/2個使用している場合
は、むしろ同一規模の係数レジスタが好ましいであろ
う。
【0049】係数レジスタ208の第1バックグラウン
ド・フィルタ156と第2適応バックグラウンド・フィ
ルタ166との間での切替え動作は、係数レジスタ20
8のリセットを包含する。Uレジスタ202からXレジ
スタ212への係数レジスタ208の切替え動作の一部
として、制御装置204は、適応プロセッサ210が第
2適応バックグラウンド・フィルタ166に対するフィ
ルタ係数の生成を開始可能にする前に、係数レジスタ2
08をリセットする。同様に、Xレジスタ212からU
レジスタ202への係数レジスタ208の切替え動作の
一部として、制御装置204は、216が第1バックグ
ラウンド・フィルタ156に対するフィルタ係数の生成
を開始可能にする前に、係数レジスタ208をリセット
する。このリセットによって、第1バックグラウンド・
フィルタ156と第2適応バックグラウンド・フィルタ
166との間でフィルタ係数がスワッピングされること
が防止される。
【0050】係数レジスタ208は、単にそれをクリア
することによってリセットすることが可能である。しか
し、回線エコー経路144或いは音響エコー経路13
2、或いはそれら両方の大部分が拡声電話機100によ
って判定されるようにし、従って、それを知り得るよう
にすることが可能である。従って、132と回線エコー
経路144との両方或いは一つが、係数レジスタ208
を適切な環境の下で所定の値にリセットすることによっ
て、適度に近似されるようにすることができる。例え
ば、もし係数レジスタ208へ切替えられているエコー
・キャンセラが、前掲の Yatsuzuka らの論文でのよう
に、カスケード構成を有する場合は、係数レジスタ20
8はフォアグラウンド・フィルタ係数がクリアされると
き、所定のフィルタ係数にリセットすることができる。
或いは、その代わりに、もし係数レジスタ208へ切替
えられているエコー・キャンセラが、前掲の Ochiai ら
の論文でのように、並列構成を有する場合は、係数レジ
スタ208はフォアグラウンド・フィルタ係数に拘ら
ず、所定のフィルタ係数にリセットすることができる。
【0051】これまでの実施例では、第1エコー・キャ
ンセラと第2エコー・キャンセラとが、各々2個のフィ
ルタで構成されている。勿論、第1エコー・キャンセラ
及び第2エコー・キャンセラは、各々、1個のフィルタ
を使用することもでき、或いはまた、3個またはそれ以
上のフィルタを使用することもできる。本発明はまた、
並列構成或いはカスケード構成のような種々の構成のフ
ィルタ間で1個の係数メモリ或いは数個の係数メモリを
共用するのに適している。更に、それらフィルタは単独
で、音響エコー、或いは回線エコー、或いはまた音響エ
コーと回線エコーとの何らかの組み合せを消去するよう
に設計可能である。
【0052】勿論、本発明は幾つかの実施例の観点から
記述されているが、他の構成も本技術分野の当業者に明
らかであろう。例えば、本発明の上記実施例は離散的機
能素子に関連して記述されているが、それらの素子の1
つ或いは数個の機能は、1つ或いは数個の適切にプログ
ラムされた汎用プロセッサ、或いは特定用途集積回路、
或いはデジタル信号プロセッサ、或いはこれらのうち何
らかのデバイスのアナログ対照物又はハイブリッド対照
物によって供することが可能である。本発明はシングル
VLSI集積回路チップの製造に適している。最後に、
本発明は特定の装置用途に関係して記述されているが、
その発明の概念は、PSTN、ISDN及び移動通信網
を包含するテレビ電話、テレビ会議、音声会議、及び、
実質的にエコー消去が望まれる用途で使用することが可
能である。従って、本発明は付属のクレームの精神及び
範囲によってのみ制限されるべきものである。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、処理能
力及び記憶空間をより効率的に使用するエコー・キャン
セラ装置を供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エコー・キャンセラが一般的に拡声電話機の
一部分として使用される方法を示す概略図である。
【図2】 本発明によるエコー・キャンセラ装置の一実
施例を示す概略図である。
【図3】 図2のエコー・キャンセラ装置の一部の一実
施例を示す概略図である。
【符号の説明】
10 エコー・キャンセラ 12 受信経路 14 受信入力ポート 16 受信出力ポート 18 送信経路 20 送信入力ポート 22 送信出力ポート 24 拡声受話器 26 音響エコー経路 28 送話器 30 適応フィルタ 32 減算器 100 拡声電話機 110 エコー・キャンセラ装置 112 受信経路 114 受信入力ポート 116 受信出力ポート 118 送信経路 120 送信入力ポート 122 送信出力ポート 124 デジタル/アナログ(D/A)コンバータ 126 拡声受話器 128 送話器 130 アナログ/デジタル(A/D)コンバータ 132 音響エコー経路 134 デジタル/アナログ(D/A)コンバータ 136 ハイブリッド・トランス・ポート 138 ハイブリッド・トランス 140 ハイブリッド・トランス・ポート 142 アナログ/デジタル(A/D)コンバータ 144 回線エコー経路 146 ハイブリッド・トランス・ポート 148 ハイブリッド・トランス・ポート 152 第1フォアグラウンド・フィルタ 154 第1フォアグラウンド減算 156 第1バックグラウンド・フィルタ 158 第1バックグラウンド減算 160 第1制御装置 162 第2フォアグラウンド・フィルタ 164 第2フォアグラウンド減算器 166 第2適応バックグラウンド・フィルタ 168 第2バックグラウンド減算器 170 第2制御装置 172 コントローラ 174 共用係数メモリ 180 信号経路 182 信号経路 184 信号経路 186 信号経路 188 信号経路 190 信号経路 202 Uレジスタ 204 制御装置 206 たたみ込み回路 208 係数レジスタ 210 適応プロセッサ 212 Xレジスタ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1フォアグラウンド・フィルタ(15
    2)と第1バックグラウンド・フィルタ(156)とを
    有する第1エコー・キャンセラと、 第2フォアグラウンド・フィルタ(162)と第2バッ
    クグラウンド・フィルタ(166)とを有する第2エコ
    ー・キャンセラと、 共用係数メモリ(174)と、 前記第1バックグラウンド・フィルタ(156)と前記
    第2バックグラウンド・フィルタ(166)との間で、
    共用係数メモリ(174)を切り替えるコントローラ
    (172)と有するエコー・キャンセラ・システム。
  2. 【請求項2】 前記コントローラ(172)は、前記共
    用係数メモリ(174)が、前記第1バックグラウンド
    ・フィルタ(156)と前記第2バックグラウンド・フ
    ィルタ(166)の両方のフィルタ係数を同時に記録す
    るのを阻止することを特徴とする請求項1のシステム。
  3. 【請求項3】 前記共用係数メモリ(174)の切り替
    えは、前記共用係数メモリ(174)をリセットし、 これにより、前記第1バックグラウンド・フィルタ(1
    56)と前記第2バックグラウンド・フィルタ(16
    6)との間でフィルタ係数の転送を阻止することを特徴
    とする請求項1のシステム。
  4. 【請求項4】 前記第1フォアグラウンド・フィルタ
    (152)は、第1専用係数メモリを有し、 前記第2フォアグラウンド・フィルタ(162)は、第
    2専用係数メモリを有し、 第1バックグラウンド・フィルタ(156)は、専用係
    数メモリを有さず、 第2バックグラウンド・フィルタ(166)は、専用係
    数メモリを有さないことを特徴とする請求項1のシステ
    ム。
  5. 【請求項5】 受信入力ポート(14)と受信出力ポー
    ト(16)とを有する受信経路(12)と、 送信入力ポート(20)と送信出力ポート(22)とを
    有する送信経路(18)と、 前記コントローラ(172)は、前記受信経路(12)
    と送信経路(18)からの信号に応答して、前記第1バ
    ックグラウンド・フィルタ(156)と前記第2バック
    グラウンド・フィルタ(166)との間で、共用係数メ
    モリ(174)を切り替えることを特徴とする請求項1
    のシステム。
  6. 【請求項6】 前記コントローラ(172)は、少なく
    とも受信入力ポート(14)の信号と受信出力ポート
    (16)の信号に応答して、前記第1バックグラウンド
    ・フィルタ(156)から前記第2バックグラウンド・
    フィルタ(166)に、共用係数メモリ(174)を切
    り替え、 前記コントローラ(172)は、少なくとも受信入力ポ
    ート(14)の信号と受信出力ポート(16)の信号に
    応答して、前記第2バックグラウンド・フィルタ(16
    6)から前記第1バックグラウンド・フィルタ(15
    6)に、共用係数メモリ(174)を切り替え、ことを
    特徴とする請求項5のシステム。
  7. 【請求項7】 前記第1バックグラウンド・フィルタ
    (156)から前記第2バックグラウンド・フィルタ
    (166)に、共用係数メモリ(174)を切り替える
    ことは、前記2バックグラウンド・フィルタ(166)
    を共用係数メモリ(174)に結合し、前記第1バック
    グラウンド・フィルタ(156)を共用係数メモリ(1
    74)から分離し、 これにより、前記2バックグラウンド・フィルタ(16
    6)が動作し、前記1バックグラウンド・フィルタ(1
    56)が動作を中止する、 前記第2バックグラウンド・フィルタ(166)から前
    記第1バックグラウンド・フィルタ(156)に、共用
    係数メモリ(174)を切り替えることは、前記1バッ
    クグラウンド・フィルタ(156)を共用係数メモリ
    (174)に結合し、前記第2バックグラウンド・フィ
    ルタ(166)を共用係数メモリ(174)から分離
    し、 これにより、前記1バックグラウンド・フィルタ(15
    6)が動作し、前記2バックグラウンド・フィルタ(1
    66)が動作を中止することを特徴とする請求項6のシ
    ステム。
  8. 【請求項8】 前記第1バックグラウンド・フィルタ
    (156)から前記第2バックグラウンド・フィルタ
    (166)に、共用係数メモリ(174)を切り替える
    ことは、共用係数メモリ(174)をリセットし、 これにより、前記2バックグラウンド・フィルタ(16
    6)を共用係数メモリ(174)に結合する前に、共用
    係数メモリ(174)内に蓄積された前記1バックグラ
    ウンド・フィルタ(156)のフィルタ係数を消去し、 前記第2バックグラウンド・フィルタ(166)から前
    記第1バックグラウンド・フィルタ(156)に、共用
    係数メモリ(174)を切り替えることは、共用係数メ
    モリ(174)をリセットし、 これにより、前記1バックグラウンド・フィルタ(15
    6)を共用係数メモリ(174)に結合する前に、共用
    係数メモリ(174)内に蓄積された前記2バックグラ
    ウンド・フィルタ(166)のフィルタ係数を消去する
    ことを特徴とする請求項6のシステム。
  9. 【請求項9】 受信経路(12)と、送信経路(18)
    と、第1フィルタと、第2フィルタと、共用係数メモリ
    (174)と、を有するエコー・キャンセラ・システム
    の動作方法において、 (A)前記受信経路(12)と送信経路(18)とで信
    号を検出するステップと、 (B)前記信号に応答して、前記共用係数メモリ(17
    4)をリセットするステップを含み、前記第1フィルタ
    と前記第2フィルタとの間で、共用係数メモリ(17
    4)を切り替えるステップと、有するエコー・キャンセ
    ラ・システムの動作方法。
  10. 【請求項10】 前記共用係数メモリ(174)をリセ
    ットするステップは、前記共用係数メモリ(174)内
    に蓄積された前記第1フィルタと第2フィルタの1つの
    全てのフィルタ係数を消去し、 前記第1フィルタと第2フィルタの1つが同時の動作す
    るのを阻止し、前記第1フィルタと第2フィルタとの間
    でフィルタ係数が転送されるのを阻止することを特徴と
    する請求項9の方法。
  11. 【請求項11】 (C)前記送信経路(18)の信号レ
    ベルより大きな前記受信経路(12)での信号レベルで
    特徴づけられる受信状態を検出するステップと、 (D)前記受信経路(12)の信号レベルより大きな前
    記送信経路(18)での信号レベルで特徴づけられる送
    信状態を検出するステップと、 (E)送信状態から受信状態への変化に応答して、前記
    共用係数メモリ(174)を第1フィルタから第2フィ
    ルタに切り替えるステップと、 (F)受信状態から送信状態への変化に応答して、前記
    共用係数メモリ(174)を第2フィルタから第1フィ
    ルタに切り替えるステップと、を有することを特徴とす
    る請求項10の方法。
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