JPH09128853A - テープ引出しポスト駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 テープ引出しポストにより磁気テープをカセ
ット内から所定の記録再生位置まで引出すテープ引出し
ポスト駆動装置に関するもので、部品点数の削減による
組立て作業の容易さと、装置の薄型化を図る。 【解決手段】 テープ引出しポスト駆動装置のトグル機
構の構成要素である第一アーム４の少なくとも一部に、
その第一のアーム４の回転方向に変形する弾性変形部４
ａを形成し、その弾性変形部４ａの弾性付勢力により、
前記第二のアーム８の端部に取付けられたＫポスト移動
台１０をスッパ２２に圧接し、ポスト移動台１０の位置
を規制する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオテープレコ
ーダーなどの回転ヘッド型磁気記録再生装置において、
テープカセットから磁気テープを引出してヘッドドラム
に所定の角度巻き付かせるテープ引出しポストを駆動す
るテープ引出しポスト駆動装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図３に従来のこの種回転ヘツド型磁気記
録再生装置におけるテープ引出しポスト駆動装置の要部
平面図を、図４にその要部分解斜視図を示す。１はモー
タ（図示せず）などの駆動源により可逆的に回転駆動さ
れる駆動ギアであり、第一のギア２が噛み合っており、
その第一のギア２には第二のギア３が噛み合い、駆動ギ
ア１の回動にともなつて互いに反対方向に回動されるよ
うに構成されている。この第一および第二のギア２、３
の回転軸１６，１７をそれぞれ回動中心として第一のア
ーム４、５がそれぞれ回動可能に配置されている。この
両第一のアーム４、５の先端部にはそれぞれ軸６、７を
支点として回動自在に第二のアーム８、９が連結され、
その第二のアーム８、９にの先端には軸１８，１９をそ
れぞれ回動中心とし回動可能に、テープ引出しポスト２
４，２５を有するポスト移動台１０、１１が連結されて
いる。

【０００３】そして、前記第一のギア２と第一のアーム
４との間は、図４に示すように両端がそれぞれ第一のギ
ア２と第一のアーム４とに固定されたばね１２により連
結されているとともに、第一のギア２に植設されたピン
１４が、第一のアーム４にその回動軸１６を中心とする
円弧状の切り溝４ｂに摺動可能に挿入されている。ま
た、前記第二のギア３と第一のアーム５との間も同様
に、ばね１３およびピン１５により連結されている。

【０００４】テープ引出し動作時には前記駆動ギア１の
回動に伴う第一および第二のギア２、３の矢印Ａ，Ｂ方
向の回動により、ばね１２、１３によって第一のアーム
４，５に形成された切り溝４ｂ，５ｂの端部に当接して
いるピン１４、１５を介して前記第一のアーム４、５は
第一の位置（図示せず）から図に示す第二の位置に回動
され、これに伴い前記第二のアーム８、９も移動し、前
記ポスト移動台１０、１１は基板（図示せず）に設けら
れた案内溝２０、２１に沿って移動され、このポスト移
動台１０、１１が前記基板に固定されたＶ溝を有するス
トッパ２２、２３に圧接され，その位置が規制される。
この状態から更に、前記両ギア２、３がそれぞれ矢印
Ａ，Ｂ方向に回動されると前記ピン１４、１５は前記第
一のアーム４、５から離れ前記ばね１２、１３が伸張し
た状態でモータを停止する。

【０００５】上記のテープ引出し動作完了状態で、前記
両ギア２、３の中心１６、１７、前記回動支点６、７お
よび前記ポスト移動台１０、１１の結合点１８、１９を
支点として、前記第一のアーム４、５と前記第二のアー
ム８、９によりトグル機構が構成される。このため、前
記ポスト移動台１０、１１は、前記ばね１２、１３の弾
性力により前記ストッパー２２、２３に強く圧接され、
テープ引出しポスト２４，２５の位置が確定し、テープ
（図示せず）の走行を安定ならしめる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このようにトグル機構
を利用して、ポスト移動台をストッパーに圧接する原動
力を生じさせるために、第一アーム、ストッパーピン、
ギアおよびバネによる差動を使ったばねの伸張機構が必
要であり、また、各々を固定する部品など数多くの構成
部品が必要であった。

【０００７】従って、一般に加工、組立に時間が必要で
あり、さらにばねを収納するためのスペースを必要とす
ることから機構のレイアウトに制限があるなどの問題が
あった。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明のテープ引出しポスト駆動装置は、第一アー
ムの少なくとも一部を、その回転方向に弾性変形可能な
形状に構成し、その弾性変形に伴う弾性付勢力によりポ
スト移動台をストッパーに圧接するように構成したこと
を特徴とするものである。

【０００９】本発明によれば、ギア、ばね、ストッパー
ピンおよび第一アームで構成されていた従来の形態か
ら、弾性変形部を有した第一アームにすることで第一ア
ームのみで上記部品の全ての作用が行われるため加工、
組立が簡略になると共に、前記弾性変形部は、ばねを収
納するためのスペースより小さく本体も薄いことからカ
ムギアと基板の間に第一アームを構成しても磁気記録再
生機全体の厚さが薄く抑えられるなど薄型化に有効な機
構を提供できる。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、駆動源により可逆的に回転駆動される回転体と共に
一体的に回転するように一端が前記回転体に結合された
第一のアームと、その第一のアームの他端部に一端が回
動可能に結合された第二のアームと、その第二のアーム
の他端部に一端が回動可能に結合された移動台と、その
移動台の一部と係合し、その移動経路を規制する案内溝
とを有し、前記回転体の回転にともなって前記移動台に
植設されたテープ引出しポストを前記移動経路に沿って
前記ポスト移動台が規制手段に当接してその移動が阻止
される位置まで可逆的に移動せしめるテープ引出しポス
ト駆動装置において、前記第一のアームの少なくとも一
部を、その第一のアームの回動方向に弾性変形可能に構
成したことを特徴とするものであり、構成部品の部品点
数を削減できることから加工、組立が簡単になると共
に、機構の厚さを薄く抑えられることができ、磁気記録
再生装置全体の薄型化が実現できるという作用を有す
る。

【００１１】請求項２に記載の発明は、前記第一のアー
ムと回転体にそれぞれ互いに当接可能なストッパを形成
し、前記第一のアームの弾性変形の範囲を規制すること
を特徴とするものであり、何等かの原因で前記第一のア
ームに強い力が加わった場合に、両ストッパが当接し
て、第一のアームの弾性変形の範囲を規制することによ
り、第一のアームが損傷するのを防止せんとするもので
ある。

【００１２】請求項３に記載の発明は、前記回転体と第
一のアームが、一体的に形成されていることを特徴とす
るものであり、その作成、組立ては、さらに容易になる
ものである。

【００１３】（実施の形態）以下に、本発明の請求項１
ないし請求項３に記載された発明の実施の形態について
図１から図２を用いて説明する。なお、図１と図２にお
いて、前述した図３および図４に示した従来構成と同一
ないし類似の動作を行うものは同一符号を付している。
本実施形態の特徴は、図２に示すように前述した従来例
における第一および第二のギア２，３と第一のアーム
４，５と一体的に形成するとともに、その第一のアーム
の一部を弾性変形可能に構成した点にある。

【００１４】すなわち、図２は従来例の第二のギア３と
第一のアーム５に相当する部分を一体化したものであ
り、外周にギア部２８ａが形成された回転体部２８の外
周の一部より延設してアーム部５が形成されている。そ
して、アーム部５の一部５ａはアーム部５がその回転方
向に回転移動できるように弾性変形可能に構成されてい
る。また、回転体部２８の外周と前記第一のアーム部５
には、前記弾性変形部５ａが矢印Ｂと反対方向に大きく
弾性変形した場合に、互いに当接し、弾性変形部５ａの
変形範囲を規制するストッパ２６，２７が形成されてい
る。以上の回転体部２８，弾性変形部５ａ，アーム部５
およびストッパ２６，２７は、例えばバネ鋼板などの大
きい弾性を有する薄肉の材料からプレス加工により、一
体的に形成されている。そして、同様な構成により従来
例の第一のギア２と第一のアーム４に相当する部分も、
回転体部２９，弾性変形部４ａ，アーム部４およびスト
ッパ２６，２７が一体的に形成されている。

【００１５】以上構成において、モータ等の駆動源で回
転する駆動ギア１に噛合う回転体部２９が矢印Ａ方向に
回動すると、回転体部２９に噛合う回転体部２８も互い
に反対方向の矢印Ａ，Ｂ方向に回動され、この回動にと
もなって弾性変形可能に形成された弾性変形部４ａ，５
ａを有する第一のアーム部４、５が回動する。この回動
により従来例と同様に第二のアーム８、９も移動し、前
記ポスト移動台１０、１１は基板（図示せず）に設けら
れた案内溝２０、２１に沿って移動され、このポスト移
動台１０、１１に設けられているＶ溝が基板に固定され
ているポスト状のストッパ２２、２３に圧接され，位置
が規制される。

【００１６】この状態から更に前記ギア部４、５が矢印
Ａ，Ｂ方向に回動されると前記第一アーム部４、５の弾
性変形部４ａ、５ａが弾性変形を開始し、前記第一アー
ム部４、５の弾性変形部４ａ，５ａが変形を開始した後
の回動角に比例した押し圧を発生する。この位置におけ
る本機構は従来の技術と同様のトグル機構を構成し、前
記押し圧が原動力となって前記ポスト移動台１０、１１
は前記ストッパー２２、２３に強く圧接されるよう構成
されている。

【００１７】なお、ポスト移動台１０、１１がストッパ
ー２２、２３に当接する以前に何等かの原因によりポス
ト移動台１０、１１の移動が阻止された場合、弾性変形
部４ａ、５ａは、駆動ギア１の回転により大きく弾性変
形し、損傷することを防止するため、回転体部２８，２
９の外周と、前記第一のアーム部４，５に形成されたス
トッパ２６，２７が当接し、それ以上の弾性変形を阻止
するように構成されている。

【００１８】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、弾性変形
部を有した第一アームにすることで第一アームのみでト
グル機構の原動力を発生する全ての作用が行われるため
加工、組立が簡単になると共に、前記弾性変形部は、ば
ねを収納するためのスペースより小さく出来るので、磁
気記録再生機全体の厚さが薄く抑えられるなど薄型化に
有効なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態におけるテープ引出しポス
ト駆動装置の平面図

【図２】同テープ引出しポスト駆動装置の要部斜視図

【図３】従来のテープ引出しポスト駆動装置の平面図

【図４】同テープ引出しポスト駆動装置の要部分解斜視
図

【符号の説明】

１ 駆動ギア ４、５ 第一のアーム ４ａ，５ａ 弾性変形部 ６、７ 回動支点 ８、９ 第二のアーム １０、１１ ポスト移動台 ２０、２１ 案内溝 ２４、２５ テープ引出しポスト ２６、２７ ストッパ ２８，２９ 回転体部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】駆動源により可逆的に回転駆動される回転
   体と共に一体的に回転するように一端が前記回転体に連
   結された第一のアームと、その第一のアームの他端部に
   一端が回動可能に結合された第二のアームと、その第二
   のアームの他端部に一端が回動可能に結合されたポスト
   移動台と、そのポスト移動台の一部と係合し、その移動
   経路を規制する案内溝とを有し、前記回転体の回転にと
   もなって前記ポスト移動台に植設されたテープ引出しポ
   ストを前記移動経路に沿って前記ポスト移動台が規制手
   段に当接してその移動が阻止される位置まで可逆的に移
   動せしめるテープ引出しポスト駆動装置において、前記
   第一のアームの少なくとも一部をその第一のアームの回
   動方向に弾性変形可能に構成したことを特徴とするテー
   プ引出しポスト駆動装置。
2. 【請求項２】前記第一のアームと回転体にそれぞれ互い
   に当接可能なストッパを形成し、前記第一のアームの弾
   性変形の範囲を規制することを特徴とする請求項１記載
   のテープ引出しポスト駆動装置。
3. 【請求項３】前記回転体と第一のアームは、一体的に形
   成されていることを特徴とする請求項１記載のテープ引
   出しポスト駆動装置。