JPH09128793A - 光ピックアップ装置及び光導波路素子 - Google Patents

光ピックアップ装置及び光導波路素子

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JPH09128793A
JPH09128793A JP7281523A JP28152395A JPH09128793A JP H09128793 A JPH09128793 A JP H09128793A JP 7281523 A JP7281523 A JP 7281523A JP 28152395 A JP28152395 A JP 28152395A JP H09128793 A JPH09128793 A JP H09128793A
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optical waveguide
optical
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pickup device
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光導波路素子のサイズを小さくでき、集光ミ
ラー及び導波路レンズを不要とし、かつ入射結合効率を
良好にできる光ピックアップ装置及び光導波路素子を提
供する。 【解決手段】 光源と、該光源からの光を記録担体に集
光させる対物レンズと、前記記録担体からの反射光を二
分割するビームスプリッタとを備え、前記ビームスプリ
ッタで二分割された一方の反射集束光を光検出素子に導
いてサーボエラー信号を検出し、他方の反射集束光を光
導波路素子に導いて光信号を検出する光ピックアップ装
置において、該光ピックアップ装置は、前記ビームスプ
リッタと光導波路素子との間に前記集束光に非点収差を
付与する手段を有し、前記光導波路素子は、プリズム結
合器と光検出器とを備え、前記非点収差を付与する手
段、プリズム結合器及び光検出器は、光導波路素子に導
かれる非点収差を有する集束光の第一焦線が光導波路層
面内に、第一焦点がプリズム端に、第二焦点が光検出器
上にくるようそれぞれ構成及び配置されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的情報記録媒
体(以下、光ディスクという)に情報を記録再生するため
に使用する光ピックアップ装置及び光導波路素子に関
し、更に詳しくは同一基板上に構成部品を集積させた導
波路集積型の光ピックアップ装置及び光導波路素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】特開平5−101476号に開示されて
いる、光磁気情報記録媒体に対して情報の記録再生を行
う導波路集積型の光ピックアップ装置を図10、図11
に基づいて説明する。この光ピックアップ装置は、光源
からの光をコリメートレンズ、対物レンズを介して光デ
ィスク上に集光し、その戻り光を光導波路素子に導き、
光磁気信号、焦点誤差信号を検出するものである。
【0003】半導体レーザ51から出射された光は、コ
リメートレンズ52により平行化され、その平行光はプ
リズム53に入射され、光導波路素子56で反射されて
対物レンズ54により光ディスク55上に集光される。
光ディスク55からの戻り光は、再び対物レンズ54を
経てプリズム53に入射され、光導波路素子56に結合
される。
【0004】この光導波路素子56は図11に示すよう
に、TE、TMモードの実効屈折率がほぼ等しい第一光
導波路Aと、第一光導波路に結合され、TE、TMモー
ドの実効屈折率が異なる第二光導波路Bと、第二光導波
路に結合されている第三光導波路61とからなり、第一
光導波路上にはプリズム53が接着固定されてなる。
【0005】プリズム53に入射され第一光導波路Aで
結合した光は、第二光導波路Bに結合して二分割され
る。そして、一方の導波光は導波路集光素子57a、5
7bと光検出器58a、58bとからなる焦点誤差信号
検出部に入射され、該導波光からは焦点誤差信号が検出
される。もう一方の導波光は、第三光導波路61と光検
出器59、60とからなる光磁気信号検出部に入射さ
れ、該導波光からは光磁気信号が検出される。
【0006】特開平4−289531号に開示されてい
るプリズム結合器では、図12に示すように基板62上
に光導波路層63が形成されており、この光導波路層6
3上に、該光導波路層63より屈折率の低い第一ギャッ
プ層64と第二ギャップ層65とが積層されている。こ
の第二ギャップ層65は、端面がテーパ部65aとさ
れ、所定幅Wの開口部66を有している。この開口部6
6上に誘電体プリズム67が接着固定されている。この
ような構成において、誘電体プリズム67に入射した平
行光は第一ギャップ層64を介して光導波路層63に結
合される。本従来例において、ビーム幅約1mmの平行
光入射では、80%以上の光結合効率が得られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−10147
6号に開示された従来例では、コリメートレンズと対物
レンズの間に光導波路素子を配設し、数mmという大き
なビーム径の平行光をプリズム結合させている。このと
き、光導波路素子のサイズはビーム径に比例して大きく
なるため、光導波路素子のサイズも大きくなっていた。
【0008】光導波路素子のサイズが大きくなると、導
波光の伝搬長が長くなってしまう。この伝搬長は導波光
の損失に影響を与える。つまり光導波路では、1μm以
下の厚さの薄膜中に光を閉じ込めるため、薄膜の界面に
おける微小な凹凸、光導波路上のゴミの存在により導波
光は散乱され、その損失は1〜10dB/cmに及んで
いる。例えば光導波路の伝搬損失が10dB/cmであ
る場合、伝搬距離1mmでは伝搬効率は80%である
が、伝搬距離10mmでは伝搬効率は10%となり、大
きく光利用効率が減少する。したがって、光導波路素子
のサイズは小型化されることが望まれている。
【0009】また本従来例では、光導波路素子から光磁
気(MO)信号、フォーカスサーボエラー信号(Fo)
信号が検出される構成となっている。しかしながら、こ
のように光導波路素子から両方の信号を検出する構成で
は、十分な信号品質が確保できないという問題点があ
る。
【0010】さらに、従来例に示されるように焦点誤差
信号等を検出する場合には、平行光を集束光に変換する
集光ミラーあるいは導波路レンズが必要となる。しかし
ながら、集光ミラーは光導波路層を深く掘りこんで作製
しなければならず、作製したエッチングミラー面の荒れ
による導波光の散乱を防ぐ点に問題があった。
【0011】導波路レンズを用いる場合には、導波路レ
ンズにはモードインデックス型、回折型、ジオデシック
型等の種類があるが、モードインデックス型ではレンズ
領域の実効屈折率と周囲の実効屈折率との差が小さいた
め、F数の小さなレンズを得ることが困難であり、また
TEモードとTMモードでレンズ領域の実効屈折率が大
きく異なるため、二つのモードの焦点距離が一致しない
という問題があった。回折型では高効率を得ることが困
難であり、波長変化によって焦点距離が変化するという
問題があった。ジオデシック型ではμmオーダの加工精
度が要求され、大量生産に適さないという問題があっ
た。
【0012】このように、集光ミラー、導波路レンズに
は欠点が多く、光ピックアップ装置の利用には適してい
ないという問題点があった。
【0013】また、図10及び図12の従来例では、m
mオーダの大きなビーム径の平行光をプリズム結合器に
結合するため、入射角の変動、波長の変動に対して光導
波路素子への入射結合効率が大きく変動するという問題
点がある。したがって入射結合効率を高めるために精密
に光学系を調整する必要があり、また、波長変動の許容
範囲が狭いため、温度変化等によって簡単に光源波長が
変化する半導体レーザの光を安定して結合させることが
難しかった。
【0014】これらの問題点に鑑み本発明では、光導波
路素子のサイズを小さくでき、集光ミラー及び導波路レ
ンズを不要とし、かつ入射結合効率を良好にできる光ピ
ックアップ装置及び光導波路素子を提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の光ピックアップ装置では、光源と、該光源から
の光を記録担体に集光させる対物レンズと、前記記録担
体からの反射光を二分割するビームスプリッタとを備
え、前記ビームスプリッタで二分割された一方の反射集
束光を光検出素子に導いてサーボエラー信号を検出し、
他方の反射集束光を光導波路素子に導いて光信号を検出
する光ピックアップ装置において、該光ピックアップ装
置は、前記ビームスプリッタと光導波路素子との間に前
記集束光に非点収差を付与する手段を有し、前記光導波
路素子は、プリズム結合器と光検出器とを備え、前記非
点収差を付与する手段、プリズム結合器及び光検出器
は、光導波路素子に導かれる非点収差を有する集束光の
第一焦線が光導波路層面内に、第一焦点がプリズム端
に、第二焦点が光検出器上にくるようそれぞれ構成及び
配置されてなることを特徴とする。
【0016】また、光源と、該光源からの光を平行光に
変換するコリメートレンズと、該平行光を記録担体に集
光させる対物レンズとがこの順に配置され、前記光源と
前記コリメートレンズとの間に前記記録担体からの反射
光を二分割するビームスプリッタを有し、該ビームスプ
リッタで二分割された一方の反射集束光を回折素子を介
して光検出素子に導いてサーボエラー信号を検出し、他
方の反射集束光を光導波路素子に導いて光信号を検出す
る光ピックアップ装置において、該光ピックアップ装置
は、前記ビームスプリッタと光導波路素子との間に前記
集束光に非点収差を付与する手段を有し、前記光源、光
検出素子、非点収差を付与する手段及び光導波路素子は
同一パッケージ内に納められ、前記光導波路素子は、プ
リズム結合器と光検出器とを備え、前記非点収差を付与
する手段、プリズム結合器及び光検出器は、光導波路素
子に導かれる非点収差を有する集束光の第一焦線が光導
波路層面内に、第一焦点がプリズム端に、第二焦点が光
検出器上にくるようそれぞれ構成及び配置されてなるこ
とを特徴とする。
【0017】また、光源と、該光源からの光を平行光に
変換するコリメートレンズと、該平行光を記録担体に集
光させる対物レンズとがこの順に配置され、前記コリメ
ートレンズと前記対物レンズとの間に前記記録担体から
の反射光を二分割するビームスプリッタを有し、該ビー
ムスプリッタで二分割された一方の反射光を回折素子を
介して光検出素子に導いてサーボエラー信号を検出し、
他方の反射光を光導波路素子に導いて光信号を検出する
光ピックアップ装置において、該光ピックアップ装置
は、前記ビームスプリッタと光導波路素子との間に前記
反射光を非点収差を有する集束光に変換するトーリック
レンズを有し、前記光導波路素子は、プリズム結合器と
光検出器とを備え、前記非点収差を付与する手段、プリ
ズム結合器及び光検出器は、光導波路素子に導かれる非
点収差を有する集束光の第一焦線が光導波路層面内に、
第一焦点がプリズム端に、第二焦点が光検出器上にくる
ようそれぞれ構成及び配置されてなることを特徴とす
る。
【0018】また、上記光ピックアップ装置において、
前記非点収差を付与する手段は、シリンドリカルレンズ
または回折形レンズまたは光軸に対して傾けて配置され
た平板ガラスであることを特徴とする。
【0019】また、非点収差を有する集束光を入射して
光信号を検出する光導波路素子において、前記光導波路
素子は、プリズム結合器と光検出器とを備え、該プリズ
ム結合器及び光検出器は、光導波路素子に導かれる非点
収差を有する集束光の第一焦線が光導波路層面内に、第
一焦点がプリズム端に、第二焦点が光検出器上にくるよ
うそれぞれ構成及び配置されてなることを特徴とする。
【0020】また、前記光導波路素子において、該光導
波路素子に結合する光に対して非点収差を付与する手段
は、前記プリズム結合器の光が入射する面に形成されて
なることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本願発明の光ピックアップ装
置について、図を用いて詳細に説明する。
【0022】図1は、本発明の光ピックアップ装置の第
1の実施の形態を表す図である。この光ピックアップ装
置は、光源としての半導体レーザ装置1と、グレーティ
ング3と、ホログラム4と、ビームスプリッタ5と、対
物レンズ7と、フォトダイオード11と、シリンドリカ
ルレンズ12と、光導波路素子13と、により構成され
る。半導体レーザ素子1から出射された光2は、グレー
ティング3およびホログラム4を透過し、ビームスプリ
ッタ5を経て対物レンズ7により記録担体である光磁気
ディスク8上に集光される。
【0023】上記光磁気ディスク8で反射された光は、
再び対物レンズ7を通ってビームスプリッタ5に入射
し、ここでサーボエラー信号検出光9と光磁気信号検出
光10とに2分割される。サーボエラー信号検出光9
は、ビームスプリッタ5からホログラム4へ入射し、こ
こで回折されてフォトダイオード11に導かれ、サーボ
エラー信号として検出される。一方、光磁気信号検出光
10は、ビームスプリッタ5により光路を90度曲げら
れ、シリンドリカルレンズ12によって非点収差を持つ
光に変換され、光導波路素子13のカプラ(結合器)部
分に導かれる。このカプラ部分で光導波路に結合した光
は、光導波路内で偏光分離され、光検出器に導かれて光
磁気信号として検出される。
【0024】対物レンズとコリメートレンズの間に光磁
気信号を検出するための光導波路素子が配置されている
図10の従来例では、mmオーダのビーム径の大きな平
行光が光導波路へプリズム結合される。光導波路への入
射光としてこのようにビーム径の大きな平行光を用いる
と、入射角変動及び波長変動に対する許容範囲が狭い、
光導波路素子のサイズが大きくなる等の問題が生じる。
これは、最適入射光に対して入射角がずれた場合、発生
する導波光の位相面もずれてしまうが、同じ入射角だけ
ずれてもその位相面のずれは、ビーム径が大きいほど大
きくなってしまうことによる。
【0025】そこで本発明においては、集束光を光導波
路素子に入射結合させることによりこれらの問題を解決
している。ここで集束光を用いる場合には、入射面にお
ける位相面のずれが問題となってくるが、集束光の焦点
では位相面は平面になっており、その前後でもほぼ平面
波であるため、集束光の焦点をプリズムと光導波路素子
の境界に合わせることにより、平行光をプリズム結合さ
せる場合とほぼ同等の入射結合効率が得られる。
【0026】このとき、プリズム結合器に結合する集束
光のビーム径は細くなるので、入射角変動の許容範囲は
拡大され、入射角の調整が行ないやすくなる。波長変動
の許容範囲もビーム径が小さいほど拡大されるため、光
源に半導体レーザを用いた場合の支障がなくなる。ま
た、入射角の許容範囲が拡大されるのと同様の効果によ
りTEモードとTMモードの実効屈折率の差に入射結合
効率が敏感でなくなるため、2つのモードの結合効率の
差が小さくなる。これらの点は、光導波路素子を用いて
光磁気信号の検出を行う光磁気ディスク用ピックアップ
装置においては有利である。
【0027】例えば、入射径1mmの平行光をプリズム
結合器に入射して、入射結合効率70%を得るために
は、入射角変動Δθ、波長変動Δλはそれぞれ Δθ=±0.01° Δλ=±0.1nm の値までに抑えなければならない。これに対して、プリ
ズム結合器に開口数(NA)0.17の集束光を入射す
ると、入射角変動許容範囲Δθ、波長変動許容範囲Δλ
は Δθ=±1° Δλ=±40nm まで拡大される。
【0028】しかしながら、集束光をそのままプリズム
結合させたのでは結合後、光導波路層内で半導体レーザ
光の放射角と同じ角度で導波光が広がることになり、そ
の場合受光面を広くした光検出器が必要であり、また広
がりを抑えるために光導波路長を長くとれないといった
問題が生じる。
【0029】光導波路型偏光モードスプリッタを利用す
る場合には、2つのモードの分離角より導波光の広がり
角が大きいと偏光分離性能が劣化し、光磁気信号が得ら
れなくなってしまう。特に、光検出器の高速応答を図る
ためには受光面の面積は狭い方が良く、導波光の広がり
はできるだけ抑える必要がある。前記のように集光ミラ
ーあるいは導波路レンズを設けて導波光の広がりを抑え
ることは可能であるが、これらは作製が困難、所望の特
性が得られにくい等の問題があり、利用は望ましくな
い。
【0030】そこで本発明では、プリズム結合器に結合
する集束光に非点収差を与え、非点収差により生じる二
つの焦点をそれぞれプリズム光導波路層境界、光検出器
受光面に合わせることにより上記問題を解決している。
【0031】これについて図2を用いてさらに詳細に説
明を行う。図2は、プリズム31を有し偏光分離機能を
備えた光導波路素子13と、シリンドリカルレンズ45
とを組み合わせた光学系を示している。この光学系に入
射する集束光32は、シリンドリカルレンズ45を通過
して非点収差を有する集束光46になり、第一焦点37
と第二焦点38の二つの焦点を持つ光となる。この第一
焦点と第二焦点の間隔(非点隔差)は、レンズの屈折
率、曲率によって決まる。
【0032】この二つの焦点のうち、xy面内に焦線を
持つ第一焦点37は、光導波路素子及びシリンドリカル
レンズ45の位置を調整することにより、プリズム31
と光導波路層39の境界で、かつプリズム31端の位置
にくるようにする。また、yz面内に焦線を持つ第二焦
点38は、光検出器受光面に位置するようレンズの屈折
率、曲率を決定する。
【0033】この時、プリズム31と光導波路層39の
境界面において、プリズムへの入射光46はyz面内で
集光状態にあるため、無収差の集束光入射の時と同等の
効率で入射光は光導波路へ結合する。結合した光は、屈
折率の高い層を含む導波路構造の偏光分離部33でTE
モード34とTMモード35に分離され、光検出器受光
面に焦点を結ぶ。この光が光検出器36で検出され、光
磁気信号が得られる。
【0034】このプリズム結合器の入力結合効率は、導
波光の伝搬方向(z方向)に投影された入射光束46の
ビーム径と、光導波路構造(具体的には光導波路層とプ
リズムの間の層の厚さ)との兼ねあいでほぼ決まるた
め、入射光束のxz面内での広がりによる結合効率の低
下はわずかである。したがって、例えばNA0.17の
入射光を入射すると、z方向に投影される入射光束のビ
ーム径は数十μmと細くできるので、入射角、波長の変
動の許容範囲を拡大することができる。また、入射光束
のビーム径が細いため、光導波路素子のサイズも縮小す
ることができる。
【0035】光導波路へ結合後、導波光は発散するので
はなく集束するため、集束光が光検出器受光面に入射さ
れることになり、受光面の面積を小さくできるため、光
検出器の高速応答が図れる。このため、作製が困難で、
性能の点でも問題のあった導波路集光ミラー、導波路レ
ンズの必要性がなくなる。
【0036】非点隔差の大きさは、シリンドリカルレン
ズの曲率を変えることにより自由に設定できるため、光
導波路の設計の自由度は増す。また、屈折を利用した光
導波路型偏光モードスプリッタを用いる上においても導
波光が集束光となるため、モード分離角の大小に関係な
くモード分離ができる。特に偏光モードスプリッタで
は、入射光束のビーム径を細くしたほうが各偏光の入射
結合効率の差を小さくできるので有利となる。
【0037】平凹型のシリンドリカルレンズを利用して
非点収差を発生させる場合、レンズの屈折率、曲率は次
式を満足するよう決定する。ここで、f1はレンズから
第一焦点までの距離、f2はレンズから第二焦点までの
距離、n、rはそれぞれレンズの屈折率、曲率である。
【0038】1/f2=(1−n)/r+1/f1 上式によれば、例えば第一焦点と第二焦点の間隔を1m
mとする場合、レンズから第一焦点までの距離を1m
m、レンズの屈折率を1.5、レンズの曲率を1mmと
すればよい。
【0039】図3は、本発明の光ピックアップ装置の第
2の実施の形態を表す図である。光源としての半導体レ
ーザ素子1から出射された光2は、グレーティング3お
よびホログラム4を透過してビームスプリッタ5に入射
される。このビームスプリッタ5は、平板ガラス14と
プリズム15を貼り合わせて構成されており、その間の
一部に偏光選択膜16が設けられている。また平板ガラ
ス14の裏面には全反射ミラー17が設けられている。
【0040】ビームスプリッタ5に入射した光は全反射
ミラー17で反射され、コリメートレンズ6を透過して
対物レンズ7により記録担体である光磁気ディスク8上
に集光される。該光磁気ディスク8で反射された光は、
再び対物レンズ7およびコリメートレンズ6を通ってビ
ームスプリッタ5に入射し、偏光選択膜16によってサ
ーボエラー信号検出光と光磁気信号検出光10とに2分
割される。サーボエラー信号検出光は、ビームスプリッ
タ5からホログラム4に入射し、ここで回折されてフォ
トダイオード11に導かれ、サーボエラー信号として検
出される。一方、光磁気信号検出光10は、シリンドリ
カル凹レンズ18によって非点収差を与えられ、光導波
路素子13のカプラ部分に導かれる。このカプラ部分で
光導波路に結合した光は光導波路内で偏光分離され、光
検出器に導かれて光磁気信号として検出される。光導波
路素子13への結合光は非点収差を有するため、高効率
で高性能の偏光分離ができる。
【0041】この構成によれば、半導体レーザ1、光導
波路素子13配置後にシリンドリカルレンズ18、ビー
ムスプリッタ5等を配置固定しなければならない。この
とき、シリンドリカルレンズ18の曲率の設計値からの
ずれによって、二つの焦点位置のうち一方が変化するこ
とになるが、第一焦点の位置がずれると入射結合効率が
大きく減少するため、第一焦点がシリンドリカルレンズ
の影響を受けないよう、レンズの軸を合わせるとよい。
【0042】非点収差を発生させる方法としては、シリ
ンドリカルレンズを用いる方法以外にも回折形レンズを
利用する方法、平板ガラスを利用する方法等がある。
【0043】図4は、図3の光ピックアップ装置におけ
るシリンドリカルレンズ18を回折形レンズ19に変え
た光ピックアップ装置である。回折形レンズは、図5に
示すようなフレネルゾーンプレート型など一次元のレン
ズを用いるとよい。このレンズはxz面内の光線に対し
て凹レンズとなり、yz面内の光線に対してただの平板
として機能するため、非点収差を与えることができる。
【0044】このとき、第一焦点(レンズに近い側の焦
点)がコリメートレンズの焦点となるよう回折形の凹レ
ンズを利用する。回折形の凸レンズでは、第一焦点の位
置が波長変動によって変位し、第一焦点で光導波路に結
合される光の結合効率が減少するため、ここでは凹レン
ズを用いる必要がある。
【0045】図6は、平板ガラスを利用した光ピックア
ップ装置を示す図である。図6に示すように、光導波路
素子に入射する集束光の光路上に平板ガラスを傾けて配
置することにより、光導波路素子の入射光に非点収差を
発生させることができる。平板ガラスの厚みをt、屈折
率をN、平板の法線と光軸のなす角をθとすると、非点
隔差Δzは次式で表される。
【0046】
【数1】
【0047】したがって、この非点隔差Δzがプリズム
端から光検出器受光面までの距離と同じになるよう平板
ガラスの傾き等のパラメータを決め、第一焦点がプリズ
ム端に、第二焦点が光検出器受光面に位置するよう、素
子位置を調整する。
【0048】図7は、本発明の光ピックアップ装置の第
3の実施の形態を示す図である。本実施例の光ピックア
ップ装置では、対物レンズ7とコリメートレンズ6との
間にビームスプリッタ5が設けられており、光磁気ディ
スク8で反射された光は、ビームスプリッタ5でサーボ
エラー信号検出光9と光磁気信号検出光10とに二分割
され、光磁気信号検出光10は光路を90度曲げられ、
トーリックレンズによって光導波路素子13のカプラ部
分に集光される。
【0049】集束光の光路上にビームスプリッタを配置
した場合、偏光分離特性が入射角の影響を強く受けるた
め、良好な偏光分離特性が得られない。トーリックレン
ズは直交する二軸の曲率が異なっているレンズで、この
レンズを利用することにより平行光を非点収差を有する
集束光に変換できるため、平行光の光路上にビームスプ
リッタを配置することが可能となり、ビームスプリッタ
の偏光分離特性を向上させることができる。
【0050】次に、光導波路素子について、図8に基づ
きさらに詳しく説明する。基板42上には第三誘電体層
41、第二誘電体層40および第一誘電体層39がこの
順番で形成されている。最上層の第一誘電体層39上に
はカプラプリズム31が接着固定されている。
【0051】上記カプラプリズム31、第一誘電体層3
9、第二誘電体層40および第三誘電体層41の各屈折
率np、n1、n2、n3は、 np>n2>n1、n3 となるように設定されており、例えば各層の屈折率、層
厚を以下のように設定する。
【0052】
【表1】
【0053】このプリズム結合器にビーム径数μmの集
束光束が入射される場合、約80%の入射結合効率が得
られる。また入射角変動、波長変動の許容範囲が拡大で
きるため、最適入射角から±1°、最適波長から±40
nmの範囲で結合効率70%を確保することができる。
この入射光束の光路上にシリンドリカルレンズ43を配
置することにより集束光に非点収差を与えることがで
き、光導波路層内での導波光の広がりを抑えることがで
きる。
【0054】シリンドリカルレンズの代わりに回折形レ
ンズ、傾けた平板ガラス等を用いても良い。またプリズ
ム結合器に平行光が入射される場合には、その光路上に
トーリックレンズを配置することにより平行光を非点収
差を有する集束光に変換できる。
【0055】図8では、シリンドリカルレンズをプリズ
ムの光入射面に作成した例を示している。光導波路素子
への入射光は、このシリンドリカル凹レンズ43によっ
て非点収差が与えられるため、この光を利用することに
より入射結合効率を減少させることなく入射角、波長変
動の許容範囲を拡大でき、また光検出器受光面に導波光
を集光することができる。プリズムを樹脂成形等の手段
により作製すればプリズム面に簡単にシリンドリカルレ
ンズを形成でき、光導波路素子とシリンドリカルレンズ
を一体化できるので部品点数を減らすことができる。
【0056】図9は、光導波路素子のプリズム結合器に
おけるプリズムの光入射面に回折形レンズ44が形成さ
れた構成を示す図である。光導波路素子への入射光は、
この回折形凹レンズ44によって非点収差が与えられる
ため、この光を利用することにより入射結合効率を減少
させることなく入射角、波長変動の許容範囲を拡大で
き、また光検出器受光面に導波光を集光することができ
る。プリズムを樹脂成形等の手段により作製すればプリ
ズム面に簡単に回折形レンズを形成でき、光導波路素子
と回折形レンズを一体化できるので部品点数を減らすこ
とができる。
【0057】
【発明の効果】本発明の光ピックアップ装置によれば、
光導波路素子入射光の光路上に非点収差を付与する手段
を設け、非点収差を有する集束光を光導波路素子に結合
させることにより入射角変動、波長変動の許容範囲を拡
大でき、光導波路層内での導波光の広がりを抑えること
ができる。また、上記非点収差を有する集束光の第一焦
線が光導波路層内に含まれ、第一焦点がプリズム端に、
第二焦点が光導波路素子の光検出器にくるよう各構成要
素を配置することで、最も効果的に入射角変動、波長変
動の許容値を拡大でき、導波光の広がりを抑え、光導波
路素子のサイズを小さくすることができる。
【0058】また、光源、光検出素子、光導波路素子を
同一パッケージ内に収める構成とすることにより、光ピ
ックアップ装置を小型にできる。
【0059】また、本発明の光導波路素子によれば、非
点収差を有する集束光の第一焦線が光導波路層内に含ま
れ、第一焦点がプリズム端に、第二焦点が光導波路素子
の光検出器にくるよう各構成要素を配置することで、最
も効果的に入射角変動、波長変動の許容値を拡大でき、
導波光の広がりを抑えることができる。また、検出光に
非点収差を付与する手段をプリズム結合器と一体化して
作製することにより、部品点数を減らすことができ、装
置の小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ピックアップ装置の第一の実施の形
態を表す図である。
【図2】図1の光ピックアップ装置に係る光導波路素子
を表す図である。
【図3】本発明の光ピックアップ装置の第二の実施の形
態を表す図である。
【図4】回折レンズを用いた光ピックアップ装置を表す
図である。
【図5】図4の実施例に用いられるフレネルゾーンプレ
ート型レンズを説明する図である。
【図6】平板ガラスを用いた光ピックアップ装置を表す
図である。
【図7】本発明の光ピックアップ装置の第三の実施例を
表す図である。
【図8】非点収差を与える手段とプリズム結合器とを一
体化して作製した光導波路素子を表す図である。
【図9】非点収差を与える手段とプリズム結合器とを一
体化して作製した光導波路素子の別の例を表す図であ
る。
【図10】第一の従来例を表す図である。
【図11】第一の従来例の光導波路素子の側面図であ
る。
【図12】第二の従来例を表す側面図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ 3 グレーティング 4 ホログラム 5 ビームスプリッタ 6 コリメートレンズ 7 対物レンズ 8 光磁気ディスク 11 サーボエラ信号検出用光検出器 12 シリンドリカルレンズ 13 光導波路素子 16 偏光選択膜 17 全反射ミラー 18 シリンドリカルレンズ 19 回折形レンズ 20 平板ガラス 21 トーリックレンズ 31 プリズム 36 光検出器 37 第一焦点 38 第二焦点 39 第一誘電体層 40 第二誘電体層 41 第三誘電体層 42 基板 43 シリンドリカルレンズ 44 回折形レンズ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、該光源からの光を記録担体に集
    光させる対物レンズと、前記記録担体からの反射光を二
    分割するビームスプリッタとを備え、前記ビームスプリ
    ッタで二分割された一方の反射集束光を光検出素子に導
    いてサーボエラー信号を検出し、他方の反射集束光を光
    導波路素子に導いて光信号を検出する光ピックアップ装
    置において、 該光ピックアップ装置は、前記ビームスプリッタと光導
    波路素子との間に前記集束光に非点収差を付与する手段
    を有し、 前記光導波路素子は、プリズム結合器と光検出器とを備
    え、 前記非点収差を付与する手段、プリズム結合器及び光検
    出器は、光導波路素子に導かれる非点収差を有する集束
    光の第一焦線が光導波路層面内に、第一焦点がプリズム
    端に、第二焦点が光検出器上にくるようそれぞれ構成及
    び配置されてなることを特徴とする光ピックアップ装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光ピックアップ装置にお
    いて、前記非点収差を付与する手段が、シリンドリカル
    レンズまたは回折形レンズまたは光軸に対して傾けて配
    置された平板ガラスであることを特徴とする光ピックア
    ップ装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の光ピックアップ装置にお
    いて、シリンドリカルレンズの屈折率及び曲率は、f1
    をレンズから第一焦点までの距離、f2をレンズから第
    二焦点までの距離、n、rをそれぞれレンズの屈折率、
    曲率とするとき、次式を満足することを特徴とする光ピ
    ックアップ装置。 1/f2=(1−n)/r+1/f1
  4. 【請求項4】 光源と、該光源からの光を平行光に変換
    するコリメートレンズと、該平行光を記録担体に集光さ
    せる対物レンズとがこの順に配置され、前記光源と前記
    コリメートレンズとの間に前記記録担体からの反射光を
    二分割するビームスプリッタを有し、該ビームスプリッ
    タで二分割された一方の反射集束光を回折素子を介して
    光検出素子に導いてサーボエラー信号を検出し、他方の
    反射集束光を光導波路素子に導いて光信号を検出する光
    ピックアップ装置において、 該光ピックアップ装置は、前記ビームスプリッタと光導
    波路素子との間に前記集束光に非点収差を付与する手段
    を有し、 前記光源、光検出素子、非点収差を付与する手段及び光
    導波路素子は同一パッケージ内に納められ、 前記光導波路素子は、プリズム結合器と光検出器とを備
    え、 前記非点収差を付与する手段、プリズム結合器及び光検
    出器は、光導波路素子に導かれる非点収差を有する集束
    光の第一焦線が光導波路層面内に、第一焦点がプリズム
    端に、第二焦点が光検出器上にくるようそれぞれ構成及
    び配置されてなることを特徴とする光ピックアップ装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の光ピックアップ装置にお
    いて、前記非点収差を付与する手段が、シリンドリカル
    レンズまたは回折形レンズまたは光軸に対して傾けて配
    置された平板ガラスであることを特徴とする光ピックア
    ップ装置。
  6. 【請求項6】 光源と、該光源からの光を平行光に変換
    するコリメートレンズと、該平行光を記録担体に集光さ
    せる対物レンズとがこの順に配置され、前記コリメート
    レンズと前記対物レンズとの間に前記記録担体からの反
    射光を二分割するビームスプリッタを有し、該ビームス
    プリッタで二分割された一方の反射光を回折素子を介し
    て光検出素子に導いてサーボエラー信号を検出し、他方
    の反射光を光導波路素子に導いて光信号を検出する光ピ
    ックアップ装置において、 該光ピックアップ装置は、前記ビームスプリッタと光導
    波路素子との間に前記反射光を非点収差を有する集束光
    に変換するトーリックレンズを有し、 前記光導波路素子は、プリズム結合器と光検出器とを備
    え、 前記非点収差を付与する手段、プリズム結合器及び光検
    出器は、光導波路素子に導かれる非点収差を有する集束
    光の第一焦線が光導波路層面内に、第一焦点がプリズム
    端に、第二焦点が光検出器上にくるようそれぞれ構成及
    び配置されてなることを特徴とする光ピックアップ装
    置。
  7. 【請求項7】 光源と、該光源からの光を記録担体に集
    光させる対物レンズと、前記記録担体からの反射集束光
    を用いて光信号を検出する光導波路素子とを備えた光ピ
    ックアップ装置において、 該光ピックアップ装置は、光路上の光導波路素子の前に
    前記集束光に非点収差を付与する手段を有し、 前記光導波路素子は、プリズム結合器と光検出器とを備
    え、 前記非点収差を付与する手段、プリズム結合器及び光検
    出器は、光導波路素子に導かれる非点収差を有する集束
    光の第一焦線が光導波路層面内に、第一焦点がプリズム
    端に、第二焦点が光検出器上にくるようそれぞれ構成及
    び配置されてなることを特徴とする光ピックアップ装
    置。
  8. 【請求項8】 非点収差を有する集束光を入射して光信
    号を検出する光導波路素子において、 前記光導波路素子は、プリズム結合器と光検出器とを備
    え、 該プリズム結合器及び光検出器は、光導波路素子に導か
    れる非点収差を有する集束光の第一焦線が光導波路層面
    内に、第一焦点がプリズム端に、第二焦点が光検出器上
    にくるようそれぞれ構成及び配置されてなることを特徴
    とする光導波路素子。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の光導波路素子におい
    て、該光導波路素子に結合する光に対して非点収差を付
    与する手段を、前記プリズム結合器の光が入射する面に
    形成されてなることを特徴とする光導波路素子。
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