JP3302709B2 - 光磁気情報記録再生装置及びその製造方法 - Google Patents

光磁気情報記録再生装置及びその製造方法

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JP3302709B2
JP3302709B2 JP25674691A JP25674691A JP3302709B2 JP 3302709 B2 JP3302709 B2 JP 3302709B2 JP 25674691 A JP25674691 A JP 25674691A JP 25674691 A JP25674691 A JP 25674691A JP 3302709 B2 JP3302709 B2 JP 3302709B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気ディスク、光磁
気カード、光磁気テープ等の光磁気情報記録媒体に対し
て情報の記録再生を行なう、導波路集積型の光ピックア
ップ部を備えた光磁気情報記録再生装置、及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】書き換え可能な高密度記憶装置として開
発研究が活発な光磁気ディスクは、光磁気記録媒体から
反射される光のカー効果による偏光方向の回転を検出し
て情報再生するが、このカー効果による偏光方向の回転
は微小なので、良好な信号対雑音比(S/N比)を得る
ためには、高精度な検光子や差動検出光学系等を必要と
する。従来これらの光学系にはバルク型光学素子(検光
子、プリズム、レンズ等)が用いられていたが、バルク
型光学素子は相互の位置合わせが難しく、また、小型
化、軽量化が困難であるといった問題があった。そこ
で、これらのバルク型光学系の欠点を克服する素子とし
て、検出光学系を薄膜導波路上に集積化した”光磁気デ
ィスクピックアップ用導波路型差動検出デバイス”が提
案されている(例えば、電子通信学会量子エレクトロニ
クス研究会報告OQE86−177参照)。
【0003】図28はそのようなデバイス素子を用いた
光磁気ディスクピックアップ全体の構成を示した図であ
る。同図において、レーザダイオード50から出射した光
束はコリメートレンズ51で平行光束とされた後、このデ
バイス素子60を透過した後、対物レンズ52により光磁気
情報記録媒体としての光磁気ディスク53上に集光され
る。そして、光磁気ディスク53からの反射光は、対物レ
ンズ52を介して3焦点集光グレーティング・カプラ(T
FGC;Trifocal Focusing Grating Coupler)54に
入射する。その内、中央部のフォーカシング・グレーテ
ィング・カプラ(FGC) 54bに入射した光は素子上の
導波路を導波しながら光センサ57に入射し、また両端の
FGC54a,54cに入射した光はそれぞれ光センサ56,55
に入射する。そして演算回路58により、光センサ55〜57
の出力から、光磁気信号(MO信号)、焦点(フォーカ
ス)誤差信号(Fo信号)、トラッキング誤差信号(T
r信号)が検出される。
【0004】次に、上記構成のうち、光磁気信号差動検
出の原理を図29(a),(b)を参照して説明する。図2
9(a),(b)に示すように、光磁気ディスク53からの反
射光は、電界のP成分(Ep)とS成分(Es)の合成
ベクトルとして表すことができる。また光導波路におい
て直交するTE及びTMモードはわずかであるが、異な
る実効屈折率をもつ。そこで反射光のEp成分は、中央
のFGC 54bで位相整合条件を満たし、TMモードを励
振し、一方、Es成分は両端のFGC54a,54cで位相整
合条件を満たし、TEモードを励振するように構成す
る。このように3つのFGCは面分割型の互いに直交す
る2検光子として動作するので、光磁気信号の差動検出
ができる。ここで図29(b)に示すように、光センサ55
〜57を構成するフォトダイオード(PD)をそれぞれP
D1〜PD5とすると、光磁気信号(MO信号)は、 MO信号=(PD1)+(PD2)+(PD4)+(PD5)−
(PD3) となる。
【0005】また、フォーカス誤差信号(Fo信号)
は、3つのFGCの内、両端のFGC54a,54cを用いて
フーコー法により検出している。光磁気ディスク53が対
物レンズ52より遠ざかったときは、媒体からの反射光は
集束光となり、FGCの集光点が光センサ55,56の手前
側となり、内側のフォトダイオードPD2とPD4に入
射する光量が増す。光磁気ディスク53が対物レンズ52に
近づいたときは、該光磁気ディスク53からの反射光は発
散光となり、外側のフォトダイオードPD1とPD5に
入射する光量が増加する。すなわち、内側と外側のフォ
トダイオードの検出信号の差からフォーカス誤差信号
(Fo信号)が得られ、 Fo信号={(PD2)+(PD4)}−{(PD1)+(PD
5)} となる。また、トラッキング誤差信号は、やはり両端の
FGCを用い、プッシュプル法で検出している。すなわ
ち、光磁気ディスク53上の集光点がトラックから外れる
と、光磁気ディスク53からの反射光のx軸方向の光強度
分布が非対称となり、両端のFGCに入射する光量に差
がでてくる。したがって、トラッキング誤差信号(Tr
信号)は、 Tr信号={(PD1)+(PD2)}−{(PD4)+(PD
5)} となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図28,2
9の従来例においては、光磁気信号を検出するとき、中
央のFGC 54bでTMモードを励振し、両端のFGC54
a,54cでTEモードを励振して、面分割した信号を差動
検出するため、光磁気ディスク等の光磁気記録媒体から
の反射光のノイズや強度分布の非対称性が、差動検出し
てもキャンセルされずに残ってしまうという問題点があ
る。これは、3つのFGC面内の光強度分布が一様でな
いためである。したがって、光磁気信号を検出するに
は、導波路への光のカップリング部全面でTEモードと
TMモードの両方を励振し、その後、導波路内でTEモ
ードとTMモードを分離した方が、S/N比の良い光磁
気信号が得られると考えられる。また、従来例において
は、FGCによりTEモードとTMモードの両方を励振
しているため、光源の波長変動に対して回折効率が低下
したり焦点位置が変動してしまう。このため、光磁気信
号の検出効率や焦点位置の検出効率が低下し、雑音が増
加してS/N比が低下するという問題もある。本発明は
上記事情に鑑みてなされたものであって、S/N比の良
い光磁気信号、焦点位置検出信号(フォーカス誤差信
号)が得られる導波路集積型の光ピックアップ部を備え
た光磁気情報記録再生装置及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明では、光源(1)と、その光源からの
光を光磁気情報記録媒体(5)上に集光させる集光光学系
(2,4)と、前記光磁気情報記録媒体からの反射光を検
出する検出系集積素子(6)と、前記光磁気情報記録媒体
からの反射光を前記検出系集積素子に導波モードとして
導くプリズムカプラー(3)とからなる光磁気情報記録再
生装置において、前記検出系集積素子(6)が、TEモー
ドとTMモードの等価屈折率がほぼ等しい第一光導波路
と、その第一光導波路に結合されているTEモードとT
Mモードの等価屈折率が異なる第二光導波路と、その第
二光導波路に結合されている第三光導波路(11)を有
し、前記第二光導波路に形成された導波路集光素子(7
a,7b)と光検出器(8a,8b)とで焦点誤差信号検
出部を構成し、前記第二光導波路と、前記第三光導波路
と、第二光導波路から第三光導波路への結合部(第二結
合部)からなる(TE−TM)モード分離素子と、光検
出器(9,10)とで光磁気信号検出部を構成しているこ
とを特徴とする(図1、図2参照)。
【0008】請求項2の発明では、光源(1)と、その光
源からの光を光磁気情報記録媒体(5)上に集光させる
集光光学系(2,4)と、前記光磁気情報記録媒体からの
反射光を検出する検出系集積素子(6)と、前記光磁気情
報記録媒体からの反射光を前記検出系集積素子に導波モ
ードとして導くプリズムカプラー(3)とからなる光磁気
情報記録再生装置において、前記検出系集積素子(6)
が、TEモードとTMモードの等価屈折率がほぼ等しい
第一光導波路と、その第一光導波路に結合されているT
EモードとTMモードの等価屈折率が異なる第二光導波
路と、その第二光導波路に結合されている第三光導波路
を有し、前記第三光導波路は前記第一光導波路と一体に
形成されており、前記第一光導波路に形成された導波路
集光素子(9a,9b,10a,10b)と光検出器
(13a,13b,13c,13d)とで焦点誤差信号
検出部を構成し、前記第二光導波路と、前記第三光導波
路と、第二光導波路から第三光導波路への結合部(第二
結合部)からなる(TE−TM)モード分離素子と、光
検出器(31,32)とで光磁気信号検出部を構成して
いることを特徴とする(図1、図5参照)。
【0009】請求項3の発明では、請求項1,2記載の
光磁気情報記録再生装置において、焦点誤差信号検出部
の導波路集光素子(12a,12b、12c,12d)
と光検出器(16a,16b、16c,16d)を対称
に2組設け、トラッキング誤差信号と焦点誤差信号を検
出するようにしたことを特徴とする(図3参照)。ま
た、請求項4の発明では、請求項1,2記載の光磁気情
報記録再生装置において、焦点誤差信号検出部の導波路
集光素子(18,19,20)と光検出器(23a,2
3b、23c,23d)を平行に2組設け、トラッキン
グ誤差信号と焦点誤差信号を検出するようにしたことを
特徴とする(図4参照)。
【0010】請求項5の発明では、請求項1,2,3,
4記載の光磁気情報記録再生装置において、焦点誤差信
号検出部の導波路集光素子が、少なくとも二つ以上の導
波路鏡から成ることを特徴とする(図2〜5参照)。請
求項6の発明では、請求項1,2,3,4記載の光磁気
情報記録再生装置において、焦点誤差信号検出部の導波
路集光素子が、導波路凹面鏡と導波路凸面鏡とから成る
ことを特徴とする(図2〜5参照)。請求項7の発明で
は、請求項6記載の光磁気情報記録再生装置において、
導波路凹面鏡として導波路放物面鏡を、導波路凸面鏡と
して導波路双曲面鏡を用いることを特徴とする(図2〜
5参照)。請求項8の発明では、請求項1,2,3,4
記載の光磁気情報記録再生装置において、焦点誤差信号
検出部の導波路集光素子が、導波路凹面鏡と導波路直線
鏡とから成ることを特徴とする(図2〜5)。
【0011】請求項9の発明では、請求項1,2,3,
4記載の光磁気情報記録再生装置において、焦点誤差信
号検出部の光検出器が少なくとも一対以上の受光素子に
より構成され、対になった受光素子(71,72)が導
波光の伝搬方向に対してずれていることを特徴とする
(図7参照)。請求項10記載の発明では、請求項1,
2,3,4記載の光磁気情報記録再生装置において、焦
点誤差信号検出部の光検出器が少なくとも二つ以上の受
光素子(82a,82b)により構成され、隣接する受
光素子間に存在する導波路(83)に反射部(84)を
設けたことを特徴とする(図8参照)。
【0012】請求項11の発明では、請求項1,2記載
の光磁気情報記録再生装置において、第一光導波路の層
構成が、基板側から基板(91)、バッファ層(9
2)、第一光導波層(93)、ギャップ層(94)とな
っており、第二光導波路の層構成が、基板側から基板
(91)、バッファ層(92)、(屈折率が第一光導波
層の屈折率より高い)第二光導波層(95)、第一光導
波層(93)、ギャップ層(94)となっており、第一
光導波路から第二光導波路への結合部(第一結合部)に
おいて、前記第二光導波層の膜厚が導波光の進行方向に
対して徐々に厚くなっている(テーパ状になっている)
ことを特徴とする(図9参照)。
【0013】請求項12の発明では、請求項1,2記載
の光情報記録再生装置において、第一光導波路の層構成
が、基板側から基板(91)、バッファ層(92)、第
一光導波層(93)、ギャップ層(94)となってお
り、第二光導波路の層構成が、基板側から基板(9
1)、バッファ層(92)、(屈折率が第一光導波層の
屈折率より高い)第二光導波層(95)、ギャップ層
(94)となっており、第二光導波路に移行する際の第
一光導波路から第二光導波路への結合部において、前記
第二光導波層の膜厚が導波光の進行方向に対して徐々に
厚くなっており、且つ前記第一光導波層の膜厚が光の進
行方向に対して徐々に薄くなっている(テーパ状結合
部)ことを特徴とする(図10参照)。また、請求項1
3の発明では、請求項11,12記載の光磁気情報記録
再生装置において、第一結合部における第二光導波層
(95)の断面形状が、基板側(バッファ層側)に向け
て下に凸となっていることを特徴とする(図11、12
参照)。
【0014】請求項14の発明では、請求項1,2記載
の光磁気情報記録再生装置において、プリズムカプラー
が、基板(301)と基板上に形成されたバッファ層
(302)と、その上に形成された光導波層(303)
と、この上に形成された前記光導波層よりも低い屈折率
を持つ第一のギャップ層(304)と、この上に形成さ
れた前記光導波層よりも低い屈折率を持つ第二のギャッ
プ層(305)と、この上に形成された前記光導波層よ
りも高い屈折率を持つ誘電性接着層(306)と、この
上に設けられた前記光導波層よりも高い屈折率を持つ誘
電体プリズム(307)により構成され、且つ前記プリ
ズムが配置される部分に第二のギャップ層の一部が形成
されない部分を設けると共にこの部分に誘電性接着層が
充填されていることを特徴とする(図13参照)。
【0015】請求項15の発明では、請求項14記載の
光磁気情報記録再生装置において、プリズムカプラーの
第一のギャップ層と第二のギャップ層との組成または物
性が異なる材料から成り、 第一のギャップ層が第二のギャップ層に対するエッチ
ングストップ層としての働きをする、もしくは、 第一のギャップ層が無機材料、第二のギャップ層が有
機材料である ことを特徴とする。また、請求項16の発明では、請求
項14記載の光磁気情報記録再生装置において、プリズ
ムカプラーの第一のギャップ層の上に第二のギャップ層
を形成する際に、一部をマスクで覆うことにより第二ギ
ャップ層が形成されない部分を作り、その部分に誘電性
接着層を充填することを特徴とする。
【0016】請求項17の発明では、請求項1,2記載
の光磁気情報記録再生装置において、プリズムカプラー
が、基板(301)と基板上に形成されたバッファ層
(302)と、その上に形成された光導波層(303)
と、この上に形成された前記光導波層よりも低い屈折率
を持つ第一のギャップ層(304)と、その上の一部分
に形成された吸収性薄膜(305’)と、吸収性薄膜の
形成された部分と第一ギャップ層の一部分の上に形成さ
れた前記光導波層よりも高い屈折率を持つ誘電性接着層
(306)と、この上に設けられた前記光導波層よりも
高い屈折率を持つ誘電体プリズム(307)により構成
されたことを特徴とする(図14参照)。
【0017】請求項18の発明では、請求項1,2記載
の光磁気情報記録再生装置において、光磁気信号検出部
のモード分離素子における第三光導波路が第一光導波路
と同一の層構成で、前記第二結合部において、前記第二
光導波路における光導波層(第二光導波層)の膜厚が徐
々に薄くなっているか、または前記第二光導波層の膜厚
が徐々に薄くなり且つ前記第一光導波路における光導波
層(第一光導波層)の膜厚が徐々に厚くなっていること
を特徴とする。また、請求項19の発明では、請求項
1,2記載の光磁気情報記録再生装置において、光磁気
情報記録媒体からの反射光がプリズムカプラーによって
第一光導波路に導波モードとして導波した後第二光導波
路に移行する際の第一光導波路から第二光導波路への結
合部(第一結合部)と、光磁気信号検出部のモード分離
素子における第二結合部の成す角が、前記第二結合部に
おけるTEモードの臨界角よりも大きいことを特徴とす
る。
【0018】請求項20の発明では、請求項11,1
2,13記載の光磁気情報記録再生装置において、光検
出器の出力を電気信号として伝達するための電極配線
(104)を前記ギャップ層(107)の下に設けたことを
特徴とする(図15(a)参照)。また、請求項21の発
明では、請求項14,15,16記載の光磁気情報記録
再生装置において、光検出器の出力を電気信号として伝
達するための電極配線(104)を前記第二ギャップ層
(109)の下に設けたことを特徴とする(図15(b)
参照)。
【0019】請求項22の発明は、請求項1記載の光磁
気情報記録再生装置の製造方法であって、前記の第一光
導波路から第二光導波路への第一結合部(210)、及
び前記のモード分離素子の第二結合部(220)におけ
る前記第二光導波層(120)の断面を形成する工程
と、前記第二光導波路の導波路集光素子(230)にお
ける前記第二光導波層(120)の断面を形成する工程
とを、別個の工程で行なうことを特徴とする(図17参
照)。
【0020】請求項23の発明では、請求項22記載の
光磁気情報記録再生装置の製造方法において、受光素子
及びバッファ層(103)が形成された基板(101)
上に前記第二光導波層(120)を形成し、前記第二光
導波層上に、前記第二光導波層に比し同一エッチャント
によるエッチング速度が大なる増速層(130)と、前
記エッチャントに対しエッチング耐性を有し前記第一結
合部(210)及び前記第二結合部(220)の平面形
状に対応してパターニングされた第一マスク層(14
1)とを、この順に積層し、前記第一マスク層の開口部
より前記エッチャントを導入して、前記増速層(13
0)及び前記第二光導波層(120)をエッチングする
ことにより、前記第一結合部及び前記第二結合部におけ
る前記第二光導波層(120)の断面をテーパ状に加工
した後、前記第一マスク層(141)と前記増速層(1
30)を除去し、次いで、前記導波路集光素子の平面形
状に対応してパターニングされた第二マスク層(14
2)を積層し、前記第二マスク層の開口部(152)よ
りエッチャントを導入して前記第二光導波層(120)
をエッチングすることにより、前記導波路集光素子にお
ける前記第二光導波層の断面を形成した後、前記第二マ
スク層(142)を除去し、引き続き、前記第一光導波
層の形成以降の工程を行なうことを特徴とする(図18
参照)。
【0021】請求項24の発明は、請求項23記載の光
磁気情報記録再生装置の製造方法において、前記第一結
合部(210)及びその近傍と、前記第二結合部(22
0)及びその近傍とで、前記増速層(130)の前記エ
ッチャントによるエッチング速度が異なるようにしたこ
とを特徴とする(図19参照)。
【0022】請求項25の発明は、請求項22記載の光
磁気情報記録再生装置の製造方法において、受光素子及
びバッファ層(103)が形成された基板(101)上
に前記第二光導波層(121)を形成するに際し、前記
第一結合部(210)及び前記第二結合部(220)の
平面形状に対応したマスク(160)を用いることによ
り、前記第一結合部及び前記第二結合部における前記第
二光導波層(121)の断面をテーパ状に形成し、次い
で、前記導波路集光素子の平面形状に対応してパターニ
ングされた第二マスク層(142)を積層し、前記第二
マスク層の開口部(152)よりエッチャントを導入し
て前記第二光導波層(121)をエッチングすることに
より、前記導波路集光素子における前記第二光導波層
(121)の断面を形成した後、前記第二マスク層(1
42)を除去し、引き続き、前記第一光導波層の形成以
降の工程を行なうことを特徴とする(図20参照)。ま
た、請求項26の発明では、請求項25記載の光磁気情
報記録再生装置の製造方法において、前記第一結合部
(210)及びその近傍と、前記第二結合部(220)
及びその近傍とで、前記第二光導波層(122)を形成
するに際し用いるマスク(161、162)の断面形状
が異なるようにしたことを特徴とする(図21参照)。
【0023】請求項27の発明は、請求項1,2記載の
光磁気情報記録再生装置の製造方法であって、前記の第
一光導波路から第二光導波路への第一結合部(210)
における前記第二光導波層(120)の断面を形成する
工程と、前記のモード分離素子の第二結合部(220)
における前記第二光導波層(120)の断面を形成する
工程とを、別個の工程で行なうことを特徴とする(図2
2参照)。
【0024】請求項28の発明は、請求項27記載の光
磁気情報記録再生装置の製造方法において、受光素子及
びバッファ層(103)が形成された基板(101)上
に前記第二光導波層(123)を形成するに際し、前記
第一結合部(210)の平面形状に対応したマスク(1
63)を用いることにより、前記第一結合部における前
記第二光導波層(123)の断面をテーパ状に形成し、
次いで、前記第一結合部断面をテーパ状に加工された第
二光導波層(123)上に、前記第二光導波層に比し同
一エッチャントによるエッチング速度が大なる増速層
(133)と、前記エッチャントに対しエッチング耐性
を有し前記第二結合部の平面形状に対応してパターニン
グされた第一マスク層(144)とを、この順に積層
し、前記第一マスク層の開口部(154)より前記エッ
チャントを導入して、前記増速層(133)及び前記第
二光導波層(123)をエッチングすることにより、前
記第二結合部(220)における前記第二光導波層(1
23)の断面をテーパ状に加工した後、前記第一マスク
層(144)、または前記第一マスク層(144)と前
記増速層(133)を除去し、引き続き、前記導波路集
光素子の形成あるいは前記第一光導波層の形成以降の工
程を行なうことを特徴とする(図23参照)。
【0025】請求項29の発明では、請求項27記載の
光磁気情報記録再生装置の製造方法において、受光素子
及びバッファ層(103)が形成された基板(101)
上に前記第二光導波層(124)を形成し、前記第二光
導波層(124)上に、前記第二光導波層に比し同一の
第一エッチャントによるエッチング速度が大なる第一増
速層(134)と、前記第一エッチャントに対しエッチ
ング耐性を有し前記第一結合部の平面形状に対応してパ
ターニングされた第一マスク層(145)とを、この順
に積層し、前記第一マスク層の開口部(155)より前
記第一エッチャントを導入して、前記第一増速層(13
4)及び前記第二光導波層(124)をエッチングする
ことにより、前記第一結合部(210)における前記第
二光導波層(124)の断面をテーパ状に加工した後、
前記第一マスク層(145)、または前記第一マスク層
(145)と前記第一増速層(134)を除去し、次い
で、前記第一結合部断面をテーパ状に加工された第二光
導波層(124)上に、前記第二光導波層に比し同一の
第二エッチャントによるエッチング速度が大なる第二増
速層(135)と、前記第二エッチャントに対しエッチ
ング耐性を有し前記第二結合部の平面形状に対応してパ
ターニングされた第二マスク層(146)とを、この順
に積層し、前記第二マスク層の開口部(156)より前
記第二エッチャントを導入して、前記第二増速層(13
5)及び前記第二光導波層(124)をエッチングする
ことにより、前記第二結合部(220)における前記第
二光導波層(124)の断面をテーパ状に加工した後、
前記第二マスク層(156)、または前記第二マスク層
(156)と前記第二増速層(135)を除去し、引き
続き、前記導波路集光素子の形成あるいは前記第一導波
層の形成以降の工程を行なうことを特徴とする(図24
参照)。
【0026】請求項30の発明は、請求項13記載の光
磁気情報記録再生装置の製造方法であって、前記第二光
導波層(125)を形成する成膜工程において、複数の
成膜条件の内の一つを変化させつつ、前記第二光導波層
として希求される屈折率及び膜厚となるように、予め求
められた前記成膜条件及びその他の成膜条件と、形成さ
れる膜の屈折率及び堆積速度との関係に応じて、前記の
他の成膜条件を変化させることを特徴とする(図25〜
27参照)。
【0027】
【実施例】以下、図示の実施例に基づいて、本発明の構
成・動作及び作用について詳細に説明する。 [実施例1] 図1及び図2は請求項1の光磁気情報記録再生装置の一
実施例を説明するための概略構成図で、図1は半導体レ
ーザ等からなる光源1と、その光源1からの光を光磁気
情報記録媒体5上に集光させる集光光学系2,4と、前
記光磁気情報記録媒体5からの反射光を検出する検出系
集積素子6と、前記光磁気情報記録媒体5からの反射光
を前記検出系集積素子6に導波モードとして導くプリズ
ムカプラー3とを備えた構成の光磁気情報記録再生装置
の断面図となっている。また図2は検出系集積素子6の
平面図である。尚、図1において、光磁気情報記録媒体
5は一部分の切欠き断面のみを図示しており、全体を図
示したものではない。図2において、網点で示された部
分Bは第二光導波路(領域)であり、白地の部分Aは第
一光導波路(領域)である。ここで、第一光導波路にお
けるTEモードとTM モードの等価屈折率をそれ
ぞれNe、Nmとし、第二光導波路におけるTE
モードとTM モードの等価屈折率をそれぞれN
、Nmとすると、NeとNmはほぼ等しく、
NeとNmは異なっている。尚、図1の2は集光光
学系のコリメートレンズ、4は対物レンズである。図2
においては、8a,8b、9、10は光検出器、7a,
7bは導波路集光素子である。また、11は第三光導波
路である。
【0028】図1、図2において、光源1からの出射光
はコリメートレンズ2により集束され、プリズムカプラ
ー3に入射し、プリズムカプラー3の底面からの反射光
が対物レンズ4を通って光磁気情報記録媒体5に集光
し、その反射戻り光が再び対物レンズ4を通ってプリズ
ムカプラー3に入射し、第一光導波路にカップリングし
て導波光となる。第一光導波路を導波した光は、第二導
波路に結合し、導波路集光素子7a,7bと光検出器8
a,8bから成る焦点誤差信号(Fo信号)検出部と、
TEモードを反射させTMモードを屈折させるモード分
離素子とそれぞれのモードを検出する光検出器9、10
からなる光磁気信号(MO信号)検出部に分離し、焦点
誤差信号検出部においてはFo信号を検出し、光磁気信
号検出部においてはMO信号を検出する。
【0029】先ず、焦点誤差信号検出部におけるFo信
号検出の原理とその効果について説明する。図2におい
て、導波路集光素子7a,7bは導波路鏡であり、導波
路鏡7a,7bを反射した光が光検出器8a,8bで検
出される。ここで、対物レンズ4に対して光磁気情報記
録媒体5が合焦位置にある場合に導波路鏡7a,7bを
反射した光が光検出器8a,8bの中心に集光するよう
に各素子が配置してあり、光検出器8aの出力Paと光
検出器8bの出力Paが、Pa=Pbとなるように調整
してあれば、Fo信号ΔFをΔF=Pa−Pb(または
Pb−Pa)としてFo信号が得られる。即ち、光磁気
情報記録媒体5が対物レンズ4の焦点から遠ざかったと
きは光磁気情報記録媒体5からの反射光は合焦時に比べ
てやや集束ぎみの光束となり、前記導波路鏡7b,7a
を反射した光の焦点位置は光検出器8a,8bの手前に
なる。従って、ΔF<0となる。また、光磁気情報記録
媒体5が対物レンズ4の焦点から近づいたときは光磁気
情報記録媒体5からの反射光は合焦時に比べてやや発散
ぎみの光束となり、ΔF>0となる。
【0030】このように焦点信号検出部が導波路と光検
出器の組合せにより構成されているため、光源1の波長
の変動に対して焦点位置の変動が起こらず、これによる
検出感度等の低下が生じない。さらに、二つの導波路鏡
7a,7bを組合せているため、焦点位置の設定の自由
度が大きくなり、光学系配置の変形コンパクト化が容易
となる。尚、本実施例においては二つの導波路鏡を組合
せたが、請求項5記載の発明のように、二つ以上の導波
路鏡を組合せれば、より焦点位置の設定自由度が大きく
なる。
【0031】次に、光磁気信号検出部におけるMO信号
検出の原理を説明する。光磁気信号検出部におけるモー
ド分離素子は、第二光導波路と、第三光導波路と、第二
光導波路から第三光導波路への結合部(第二結合部)か
らなっており、第二結合部では、光導波層の膜厚が、光
の波長に対して十分に緩やかに変化している。第三光導
波路におけるTE0 モードとTM0 モードの等価屈折率
をそれぞれNe3、Nm3とすると、Ne2、Nm2、Ne
3、Nm3は次のような関係を満たしている。 Ne2>Ne3 Nm2>Nm3 Nm3/Nm2>Ne3/Ne2 従って、モード分離素子に導波してきた光束が第二結合
部に入射するときの入射角αが、第二結合部におけるT
0 モードの臨界角θe=sin(Ne3/Ne2)と、TM0
モードの臨界角θm=sin(Nm3/Nm2)の間に設定
されていれば、第二結合部において、TE0 モードは全
反射し、TM0 モードは第三光導波路11に屈折する。
そこで、全反射したTE0 モードを光検出器9で検出
し、屈折したTM0 モードを光検出器10で検出してそ
の出力の差動をとれば、MO信号が得られる。
【0032】このようにしてMO信号を検出するときに
は、光磁気情報記録媒体5からの反射光のs偏光成分、
p偏光成分が、両方同時にTE0 モード、TM0 モード
として、第一光導波路にカップリングしなければならな
いが、第一光導波路におけるTE0 モードとTM0 モー
ドの等価屈折率はほぼ等しいので、プリズムカプラー3
によって両方同時にカップリングされる。また、請求項
18記載の発明のように、第三光導波路が第一光導波路
と同一で、Ne1とNm1がほぼ等しく、且つ次式を満足
すれば、 Ne2>Ne1 Nm2>Nm1 Nm1/Nm2>Ne1/Ne2 本実施例と同様にMO信号が検出でき、且つ第三光導波
路が第一光導波路と同一でない場合よりも、製造工程を
簡略化できる。
【0033】次に、別の実施例を用いて請求項3の発明
について説明する。 [実施例2]図3は本発明の光磁気情報記録再生装置の
一実施例を説明するための構成図で、検出系集積素子の
平面図である。尚、全体構成は図1と同様である。図3
において、網点で示された部分Bは第二光導波路(領
域)であり、白地で示された部分Aは第一光導波路(領
域)である。第一光導波路におけるTE0 モードとTM
0 モードの等価屈折率をそれぞれNe1、Nm1とし、第
二光導波路におけるTE0 モードとTM0 モードの等価
屈折率をそれぞれNe2、Nm2とすると、Ne1とNm1
はほぼ等しく、Ne2とNm2は異なっている。図3にお
いては、12a,12b、12c,12dは導波路集光
素子、14、15、16a,16b,16c,16dは
光検出器、また、17は第三光導波路である。
【0034】図1、図3において、光磁気情報記録媒体
5から反射してプリズムカプラー3を介して第一光導波
路にカップリングした導波光は、第二光導波路に結合
し、該導波光の中心部分の光は光磁気信号検出部に導か
れ、実施例1と同様にしてMO信号を検出する。また、
導波光の両端部の光束は、対称に配置された2組の導波
路集光素子12a,12b、12c,12dと光検出器
16a,16b,16c,16dから成る焦点誤差信号
検出部に導かれ、Fo信号、または、Fo信号及びトラ
ッキング誤差信号(Tr信号)を検出する。以下に、F
o信号及びTr信号の検出原理について説明する。
【0035】図3において、導波路集光素子12a,1
2b,12c,12dは導波路鏡であり、12b,12
aを反射した光が光検出器16a,16bで検出され、
12d,12cを反射した光が光検出器16c,16d
で検出される。そして対物レンズに対して光磁気情報記
録媒体が合焦位置にある場合に前記第二光導波路を導波
する両端部の光束がそれぞれ2組の光検出器16a,1
6b、16c,16dの各中心に集光するように各素子
が配置してある。ここで、光磁気情報記録媒体が対物レ
ンズの焦点から遠ざかったときは光磁気情報記録媒体か
らの反射光は合焦時に比べてやや集束ぎみの光束とな
り、前記導波路鏡12a,12bと12c,12dを反
射した光の焦点位置は光検出器16a〜16dの手前に
なる。そこで、光検出器16a,16b,16c,16
dの出力をそれぞれPa,Pb,Pc,Pdとすると、
Pb>Pa,Pc>Pdとなる。従って、Fo信号ΔF
を、 ΔF=(Pa+Pd)−(Pb+Pc) とすれば、ΔF<0となる。また、光磁気情報記録媒体
が対物レンズの焦点から近づいたときは、光磁気情報記
録媒体からの反射光は合焦時に比べてやや発散ぎみの光
束となり、Pa>Pb,Pd>Pcとなって、ΔF>0
となる。また、合焦時にはPa=Pb,Pc=Pdとな
り、ΔF=0となる。また、図3のように2組の導波路
集光素子と光検出器を対称に配置することによって、T
r信号ΔTを、 ΔT=(Pa+Pb)−(Pc+Pd) とすれば、Fo信号だけでなく、Tr信号も検出できる
(請求項3)。
【0036】尚、請求項6の発明のように、本実施例に
おける第一の導波路鏡(第二導波路に結合した導波光が
最初に反射する導波路鏡であり、図3において12b,
12dがそれに当る)として(導波路)凹面鏡を用い、
第二の導波路鏡(第一の導波路鏡を反射した導波光が次
に反射する導波路鏡であり、図3において12a,12
cがそれに当る)として(導波路)凸面鏡を用いると、
いわゆる光学系から焦点位置までの距離に比べて焦点距
離の長くなる望遠構成となり、光学系の長さに対して焦
点距離を大きくとることができる。このため、光源から
の光を光磁気情報記録媒体に集光する光学系と光磁気情
報記録媒体との位置ずれに対応する光束の焦点位置変化
が大きくなり、光学系の大きさが同じ場合でも焦点位置
検出感度が高くなる。さらに望遠構成により光学系のパ
スを短くすることができ、小型集積化に有利である。
【0037】さらに請求項7の発明のように、上記導波
路凹面鏡として導波路放物面鏡を使い、上記導波路凸面
鏡として導波路双曲面鏡を使うと、これらの鏡の配置を
適当に選べば合焦時に導波路集光素子に入射する平行光
束を2組の光検出器の各中心に球面収差なしに集光する
ことができ、光束のスポット径を小さくすることができ
る。このため、球面収差によるスポット径の広がりがも
たらす焦点位置検出感度の低下を防げる。また、上記第
二の導波路鏡である導波路凸面鏡の曲率が小さい場合に
は、請求項8のように、凸面鏡ではなく直線鏡とした方
が、製作方法が簡単になり、且つ設計上の導波路鏡の形
状と実際の導波路鏡作成後の形状との違いが小さくな
る。
【0038】次に、別の実施例を用いて請求項4につい
て説明する。 [実施例3]図4は本発明の光磁気情報記録再生装置の
一実施例を説明するための構成図で、検出系集積素子の
平面図である。尚、全体構成は図1と同様である。図4
において、網点で示された部分Bは第二光導波路(領
域)であり、白地で示された部分Aは第一光導波路(領
域)である。第一光導波路におけるTE0 モードとTM
0 モードの等価屈折率をそれぞれNe1、Nm1とし、第
二光導波路におけるTE0 モードとTM0 モードの等価
屈折率をそれぞれNe2、Nm2とすると、Ne1とNm1
はほぼ等しく、Ne2とNm2は異なっている。
【0039】図4においては、18,19,20は導波
路集光素子、21,22,23a,23b,23c,2
3dは光検出器、24は第三光導波路である。本実施例
では、図に対して18の左側の面と19の右側の面で一
組の導波路集光素子を構成し、19の左側の面と20の
右側の面でもう一組の導波路集光素子を構成しており、
前述の実施例2では、2組の導波路集光素子が、導波光
の中心光線に対して対称な位置に構成されていたのに対
して、本実施例では、2組の導波路集光素子が、平行な
位置に配置されている。導波路集光素子18,19,2
0は導波路鏡であり、18と19の右側面を反射した光
が光検出器23a,23bで検出され、19の左側面と
20を反射した光が光検出器23c,23dで検出され
る。また、対物レンズに対して光磁気情報記録媒体が合
焦位置にある場合に前記第二光導波路を導波する両端部
の光束がそれぞれ2組の光検出器23a,23b、23
c,23dの各中心に集光するように各素子が配置して
ある。
【0040】図1、図4において、光磁気情報記録媒体
5から反射してプリズムカプラー3を介して第一光導波
路にカップリングした導波光は、第二光導波路に結合
し、該導波光の中心部分の光は光磁気信号検出部に導か
れ、実施例2と同様にしてMO信号を検出する。また、
導波光の両端部の光束は、上記2組の導波路集光素子と
光検出器からなる焦点誤差信号検出部に導かれFo信号
を検出する。ここで、光検出器23a,23b,23
c,23dの出力を、それぞれPa,Pb,Pc,Pd
とし、Fo信号ΔFを、 ΔF=(Pa+Pd)−(Pb+Pc) とし、Tr信号ΔTを、 ΔT=(Pa+Pb)−(Pc+Pd) とすれば、実施例2と同様にして、Fo信号、またはF
o信号及びTr信号ΔTが検出できる。
【0041】実際に、本発明を実現させるための検出系
集積素子を作成する場合には、成膜や、エッチング等の
各プロセスの際の作成誤差によって、設計値との違いが
生じ、対物レンズに対して光磁気情報記録媒体が合焦位
置にある場合に、2組の導波路鏡を反射した光が、それ
ぞれ2組の光検出器23a,23b、23c,23dの
各中心に集光しない場合がある。このような場合、前記
2組の導波路鏡の位置関係が実施例2のような対称であ
れば補正できないが、請求項4の実施例のように前記2
組の導波路鏡の位置関係が平行であれば、光磁気情報記
録媒体からプリズムカプラーを通って検出系集積素子に
入射するときの入射角度を微調整することで、前記導波
路鏡を反射した光の集光位置を補正できる。
【0042】さて、以上の実施例はすべて、光磁気情報
記録媒体から反射してプリズムカプラーを通って第一光
導波路にカップリングした導波光はすべて第二光導波路
に結合し、第二光導波路において焦点誤差信号検出部に
導かれる導波光と光磁気信号検出部に導かれる導波光に
分離するという構成であった。すなわち、焦点誤差信号
検出部が第二光導波路に形成されている構成であった。
しかし、焦点誤差信号検出部は必ずしも第二光導波路に
形成されている必要はなく、請求項2の発明のように第
一光導波路に形成されていてもよい。以下、請求項2の
一実施例について説明する。
【0043】[実施例4] 図5は本実施例の光磁気情報記録再生装置の一実施例を
説明するための構成図で、検出系集積素子の平面図であ
る。尚、全体構成は図1と同様である。図5において、
網点で示された部分Bは第二光導波路(領域)であり、
その周囲の白地で示された部分Aは実施例1の第三光導
波路に相当する部分が一体化された第一光導波(領
域)である。第一光導波路におけるTE モードとT
モードの等価屈折率をそれぞれNe、Nm
し、第二光導波路におけるTE モードとTM モー
ドの等価屈折率をそれぞれNe、Nmとすると、N
とNmはほぼ等しく、NeとNmは異なって
いる。図5においては9a,9b,10a,10bは導
波路集光素子、31,32,13a,13b,13c,
13dは光検出器である。
【0044】図1、図5おいて、光磁気情報記録媒体
5から反射してプリズムカプラー3を介して第一光導波
路にカップリングした導波光のうち、中心部の導波光は
第二光導波路に結合し、光磁気信号検出部の光検出器3
1,32に導かれ、実施例1と同様にしてMO信号を検
出する。ただし、本実施例においては、実施例1の第三
光導波路が、第一光導波路と一体化されている。より詳
しく述べると、本実施例では、実施例1の第三光導波路
に相当する部分が第一光導波路と同一の層構成で該第一
光導波路と一体に形成されており、図5においては、第
一光導波路の一部の光検出器32が配置されている領域
部分が第三光導波路に相当する部分である。そして、第
二光導波路から第三光導波路(第一光導波路の一部の第
三光導波路に相当する部分)への結合部が実施例1で述
べた第二結合部に相当し、モード分離素子として機能
し、この第二結合部からなるモード分離素子と、光検出
器31,32とで光磁気信号検出部を構成している。
た、第一光導波路にカップリングした導波光のうち両端
部の光束は、第一光導波路に形成された2組の導波路集
光素子9a,9b,10a,10bと光検出器13a,
13b、13c,13dからなる焦点誤差信号検出部に
導かれFo信号、またはFo信号及びTr信号を検出す
る。ここで、光検出器13a,13b,13c,13d
の出力を、それぞれPa,Pb,Pc,Pdとし、Fo
信号ΔFを、 ΔF=(Pa+Pd)−(Pb+Pc) とし、Tr信号ΔTを、 ΔT=(Pa+Pb)−(Pc+Pd) とすれば、実施例2と同様にして、Fo信号ΔF、また
はFo信号ΔF及びTr信号ΔTが検出できる。
【0045】第二光導波路は、光磁気信号検出部におけ
る(TE−TM)モード分離素子の構成要素であるた
め、実施例1で述べたような様々な屈折率、膜厚の制限
を受ける。従って、実施例1〜3のように、焦点誤差信
号検出部が第二光導波路に形成されている場合には、焦
点誤差信号検出部における導波路集光素子の設計自由度
が、光磁気信号検出部におけるモード分離素子設計上の
条件によって制限を受けることになる。ところが、本実
施例のように焦点誤差信号検出部が第一光導波路に形成
されている場合には、上記の制限を受けず、導波路集光
素子の設計自由度が高くなる。また、第二光導波路に焦
点誤差信号検出部が形成されている場合には、第一光導
波路から第二光導波路への第一結合部を通らなくてはな
らず、結合損失のため、焦点誤差信号検出部で検出され
る全体の光量が低下し、検出感度が悪くなるが、焦点誤
差信号検出部が第一光導波路に形成されている場合に
は、結合損失がないため、検出される全体の光量が低下
しない。
【0046】[実施例5]次に図6に、光磁気信号検出
部だけの一実施例を示す。図6において、41,42は
光検出器、また、網点で示された部分Bは第二光導波路
(領域)であり、その周囲の白地で示された部分Aは第
一光導波路(領域)であり、斜線で示された部分Cは第
三光導波路である。モード分離素子は、第二光導波路
と、第三光導波路と、第二光導波路から第三光導波路へ
の結合部(第二結合部)からなっており、第二結合部で
は光導波層の膜厚が光の波長に対して十分に緩やかに変
化している。また、第二光導波路と第三光導波路におけ
るTE0 モードとTM0 モードの等価屈折率をそれぞれ
Ne2、Nm2、Ne3、Nm3とすると、Ne2、Nm2
Ne3、Nm3は次のような関係を満たしている。 Ne2>Ne3 Nm2>Nm3 Nm3/Nm2>Ne3/Ne2 また、第一光導波路におけるTE0 モードとTM0 モー
ドの等価屈折率をそれぞれNe1、Nm1とする。
【0047】前述の実施例1〜4においては、第一光導
波路を導波した光は、第一光導波路から第二光導波路へ
の結合部(第一結合部)に垂直に入射しているが、本実
施例では、第一光導波路を導波した光のうち光磁気信号
検出部に導かれる光束は、第一結合部に斜入射する。実
施例1〜4の場合のように、第一光導波路を導波した光
が第一結合部に垂直に入射した場合には、第二光導波路
を導波するTE0 モードとTM0 モードの光路は等しい
ので、モード分離素子に導波してきた光束が第二結合部
に入射するときの入射角αが、第二結合部におけるTE
0 モードの臨界角θe=arcsin(Ne3/Ne2)と、T
0 モードの臨界角θm=arcsin(Nm3/Nm2)の間
に設定されていれば、即ち次式、 arcsin(Ne3/Ne2)<α<arcsin(Nm3/Nm2) を満足していれば、第二結合部においてTE0 モードは
全反射し、TM0 モードは第三光導波路に屈折するの
で、全反射したTE0モードを光検出器41で検出し、
屈折したTM0 モードを光検出器42で検出してその出
力の差動をとれば、MO信号が得られる。
【0048】本実施例では、さらに、図6に示すように
第一結合部に光が斜入射するので、第一結合部におい
て、TE0 モードとTM0 モードの光路が分離し、第一
結合部への入射角βの許容範囲(TE0 モードは全反
射、TM0 モードは屈折となる範囲)が第二結合部にお
ける臨界角θeとθmの差よりも大きくなる。但し、第
一結合部と第二結合部のなす角γが臨界角θeよりも小
さい場合には、逆に入射角βの許容範囲はθeとθmの
差よりも小さくなるので、γは臨界角θeよりも大きく
なければならない。このように、第一結合部が導波光の
光路に対して斜めになり、且つ第二結合部のなす角γが
第二結合部でのTE0 モードの臨界角θeよりも大きく
なるようにすれば、導波光の入射角の許容範囲が大きく
なり、各素子の作成誤差や位置ずれに強くなる。尚、本
実施例は請求項19の実施例に相当する。
【0049】ところで、前述の実施例1,2,3,4の
光磁気情報記録再生装置における焦点誤差信号検出部で
は、二つの光検出器がある間隔をおいて導波路の伝搬方
向に対して同じ位置に配置されており、合焦時に導波光
の光束が上記二つの光検出器の間に集光するようになっ
ている。上記二つの光検出器の間は、光検出器としての
機能のない不感部となっており、導波光の集光ビーム径
が上記光検出器の間隔よりも小さい場合には、合焦点前
後で焦点がずれたとき、前述のΔFはゼロであり、Fo
信号は得られない。この現象を”フォーカス誤差信号の
感度がない”という。集光ビーム径が大きくなり、光検
出器の間隔とほぼ同程度とすれば、”フォーカス誤差信
号の感度がない”という状態はなくなる。しかし、合焦
時からずれたときのFo信号の変化量は少ないことにな
る。実施例1,2,3,4の焦点誤差信号検出部におけ
る二つの光検出器の場合に、十分なFo信号感度を得る
ためには、上記光検出器の間隔を狭くすればよいが、実
際上この間隔をゼロにはできない。そこで、実効的に光
検出器の間隔をゼロにし、光検出器間の不感部をなくす
請求項9,10の発明について、以下に説明する。
【0050】図7,8は、図2,3,4,5で示された
光磁気情報記録再生装置の実施例での焦点誤差信号検出
部における光検出器の部分のみを取りだした図であり、
図7の光検出器71,72は、図3,4,5の2組の光
検出器のうち、対称中心に対して左側に配置された16
c,16d、23c,23d、13c,13dの組に相
当する図である。先ず、図7において請求項9の基本構
成と作用について述べる。図7における光検出器の配置
の特徴は、導波路集光素子を反射した導波光の内殻光線
73側にある光検出器71が、最外殻光線74側にある
光検出器72より導波路集光素子側に近づけて配置した
ことにある。これにより、図2,3,4,5にある光検
出器のように導波光の伝搬方向に対して同じ位置に配置
した場合に比べ、導波路集光素子で収束される光束にと
っては、光検出器の間隔は等価的に狭くなったことにな
る。即ち、物理的には一対の光検出器の間隔をゼロにす
ることはできないが、請求項9の発明のように、光検出
器の配置を導波光の伝搬方向に対してずらすことによ
り、実効的に光検出器間隔をゼロにし、Fo信号の検出
感度を上げることができる。
【0051】次に、図8において、請求項10の基本構
成と作用について述べる。図8においては、光検出器8
2aと82bの間には光検出不能部83が存在するが、
この光検出不能部83には、光検出器82aと82bの
間隔に対応して導波光を反射する反射部84が構成され
ている。そして、導波光80a,80bは直接光検出器
82aに入射して検出され、導波光80f,80gは光
検出器82bに入射する。また、導波光10c,10d
は反射部84の右の斜面で反射して光検出器82aに入
射し、導波光10e,10hは、やはり反射部84の左
の斜面で反射して光検出器82bに入射する。従って、
反射部84に二つの斜面を持つことになる。このよう
に、請求項10の発明では、二つの光検出器の間に存在
する受光不能部分に(微小)反射部を設けたことによ
り、従来受光できなかった光も有効に受光部に導かれ、
実効的に光検出器間の間隔をゼロにでき、Fo信号検出
感度を上げることができる。また、この際、前記反射部
において効率良く光を反射させるためには、二つの方法
がある。 一つは、全反射を用いるもの、即ち、図8での導波
光の等価屈折率をNとしたとき、導波光が反射部84に
入射する角度θが、θ<arcsinNとなるようにすれば良
い。 導波光が反射部84に入射する角度が、上記θより
も小さいときには、反射部の導波路層断面に金属膜ある
いは誘電体多層膜を成膜すれば良い。
【0052】次に、請求項11、請求項12、請求項1
3記載の、前記光磁気情報記録再生装置における第一光
導波路、第二光導波路、第一結合部(第一光導波路から
第二光導波路への結合部)の層構成について、図9、図
10をもとに説明する。尚、図9、図10は、前記検出
系集積素子における第一光導波路、第一結合部、第二結
合部の断面図である。先ず、図9を用いて請求項11に
ついて説明する。図9において、第一光導波路は、基板
側から基板91、バッファ層92、第一光導波層93、
ギャップ層94の順に構成されており、第二光導波路
は、基板側から基板91、バッファ層92、第二光導波
層95、第一光導波層93、ギャップ層94の順に構成
されている。第二光導波層の屈折率は、第一光導波層の
屈折率よりも高い。基板91が第一光導波路の屈折率よ
りも小さい誘電体であれば、バッファ層92は必要ない
が、本発明においては、導波路に一体的に作り込まれた
光検出器を構成するので、基板としてはSiなどの半導
体が適しており、Siなどの半導体を基板にするときに
は、誘電体のバッファ層92が必要である。また、ギャ
ップ層94は、プリズムカプラーにおける導波路へのカ
ップリング効率を調整するために必要な膜であり、必ず
しも図9のように第一光導波層93や第二光導波層95
の上に存在しなくても良いが、(第一、第二)光導波層
を保護する機能も兼ねるため、ギャップ層94は第一光
導波層や第二光導波層の上にかぶっていた方が良い。
【0053】また、前述のように、第一光導波路はTE
モードとTMモードの等価屈折率がほぼ等しい導波路で
あり、このような導波路は一般に光導波層の膜厚が比較
的厚く、導波モードの光導波層への閉じ込めが強い(電
界のしみだしが少ない)。それに対して、第二光導波路
は、光磁気信号検出部における(TE/TM)モード分
離素子の構成要素の一つであるため、TEモードとTM
モードの等価屈折率が異なっていなくてはならず、この
ような導波路は一般に光導波層の膜厚が比較的薄く、導
波モードの光導波層への閉じ込めが弱い(電界のしみだ
しが大きい)。従って、例えば、第二光導波路におい
て、屈折率の高い第二光導波層が、第一光導波層の上に
装荷されているような構成の場合に比べて、図9のよう
に第二光導波層が、第一光導波層の下に埋め込まれてい
るような構成の方が、第一光導波層における導波モード
の電界分布と第二光導波層における導波モードの電界分
布の重なりが大きく、第一光導波層から第二光導波層へ
のカップリング効率が高い。また、導波モードが第一光
導波層から第二光導波層へ効率良くカップリングするた
めには、第一結合部において、導波モードの等価屈折率
が十分に緩やかに変化しなくてはならず、図9に示すよ
うに第一結合部においては、第二光導波層95の膜厚
が、第一光導波層93側から第二光導波層側へ徐々に厚
くなっている(テーパ状になっている)。
【0054】次に、図10を用いて請求項12について
説明する。図10においては、第一光導波路は図9の実
施例と同じく基板側から基板91、バッファ層92、第
一光導波層93、ギャップ層94という構成になってい
るが、第二光導波路においては基板側から基板91、バ
ッファ層92、第二光導波層95、ギャップ層94の順
の構成になっており、第一光導波層93が第二光導波層
95の上に形成されていない。従って、第一結合部にお
いては、第二光導波層95の膜厚が、第一光導波路側か
ら第二光導波路側へ徐々に厚くなっていると共に、第一
光導波層93の膜厚が、第一光導波路側から第二光導波
路側へ徐々に薄くなっている。図9の構成の場合には、
第一光導波層から第二光導波層へのカップリング効率が
悪い場合に、第二光導波路へ第二光導波層の導波モード
としてカップリングできなかった光が、第一光導波層と
第二光導波層を併せた一つの導波層の導波モードとして
カップリングしてしまう場合がある。このような導波モ
ードは、焦点誤差信号検出部における光検出器や、光磁
気信号検出部における光検出器に受光され、Fo信号や
MO信号のノイズになる。ところが、図10の構成の場
合には、第二光導波路へ第二光導波層の導波モードとし
てカップリングできなかった光は、すべて導波路散乱光
となるので、焦点誤差信号検出部における光検出器や、
光磁気信号検出部における光検出器までは導波できず、
Fo信号やMO信号のノイズにはならない。
【0055】また、前述のように図9の構成においても
図10の構成においても第一結合部においては、導波モ
ードの等価屈折率が十分に緩やかに変化しなくてはなら
ず、第二光導波層の膜厚が、第一光導波層側から第二光
導波層側へ徐々に厚くなっている(テーパ状になってい
る)。このとき、第一結合部の長さが長いほど、導波モ
ードの等価屈折率の変化が緩く、第二光導波層へのカッ
プリング効率は高くなるが、検出系集積素子全体が大き
くなるため、第一結合部の長さを長くするには限界があ
る。また、請求項13の構成のように、第一結合部の長
さが同じ場合には、第一結合部における第二光導波層の
断面形状が、図11、図12に示すように、基板側に向
けて下に凸となっていたほうが、直線や、ギャップ層側
に向けて上に凸の形状よりカップリング効率は高い。即
ち、導波モードの等価屈折率変化が、結合の終わりの部
分よりも、結合の最初の部分のほうが緩やかなほうが良
い。
【0056】次に図13を用いて請求項14に記載のプ
リズムカプラーについて説明する。図13において、基
板301上に形成されたバッファ層302の上に光導波
層303が積層され、光導波層303の上にこの光導波
層303よりも屈折率の低い第一ギャップ層304が積
層されている。さらに、第一ギャップ層の上に光導波層
303よりも屈折率の低い第二ギャップ層305が積層
されているが、第二ギャップ層305が形成されていな
い領域308が一部存在する。そしてこの上に、光導波
層303よりも高い屈折率を持つ誘電体プリズム307
がこのプリズムとほぼ同じ程度の屈折率を持つ誘電性接
着剤306により接着されている。光磁気情報記録媒体
からの反射光は、第二ギャップ層305の形成されてい
ない領域308に入射し、第一ギャップ層304は、前
記入射光のプリズム底面でのビームの大きさ(あるいは
第二ギャップ層の形成されていない領域308の長さ)
に対応して最適な厚み、即ち、前記入射光が光導波層3
03へ最も効率良く結合できる膜厚d1を持つ。ここ
で、第一ギャップ層の膜厚をd1 としたとき、第二ギャ
ップ層の膜厚を十分厚くすれば、一度光導波層303に
導波した光が再びプリズムに結合してプリズムから外に
でてしまう(デカップリングする)光がほぼゼロにで
き、最高の結合効率が得られる。また、第二ギャップ層
の形成されていない領域308の位置で、光がカップリ
ングできる位置が決まるので、所望の位置に正確に光を
入射できる。
【0057】次に請求項14の一実施例を図13を用い
て説明する。尚、各部の構成を以下のようにする。 波長:633nm、 基板301:Si(n=3.858-0.018i)、 バッファ層302:SiO2(nb=1.460,db=1.000μ
m)熱酸化により成膜、 光導波層303:SiON(nf=1.530,df=1.500μm)
CVDにより成膜、 第一ギャップ層304:SiO2(ng1=1.470,dg1=0.5
00μm)スパッタにより成膜、 第二ギャップ層305:OCD(dg2=0.700μm)SiO
2系塗布膜(東京応化製)、 プリズム307:高屈折率光学ガラス(np=1.800)、 誘電性接着剤306:光学的に透明な高屈折率材料、例
えば、ポリイミド系樹脂(ここでは、デュポン社製パイ
ラリン2555(na=1.720))。
【0058】また、第二ギャップ層の形成されていない
領域308の長さは2mmとし、領域308は次のよう
にして作成した。第一ギャップ層304を成膜後、スピ
ンコートによりOCDを塗布する。さらに、フォトレジ
ストを塗布し、上記領域308に対応した遮光マスクを
おいて露光、現像し、上記領域部のフォトレジストが除
去される。その後、緩衝フッ酸により、第二ギャップ層
305(即ちOCD)をエッチングする。このときOC
Dのエッチレートは600Å/sec、また、第一ギャップ
層304のSiO2 のエッチレートは100Å/secであ
り、エッチレートの比が約6:1の差があるため、第一
ギャップ層304のSiO2 が実質的なエッチストップ
層として働く(請求項15の)。このエッチレートの
比が大きければ大きいほどエッチングのコントロールは
容易になる。本実施例ではTE0モード、TM0モードの
等価屈折率は、それぞれ1.517、1.517となり、両モード
とも結合効率約80%が得られた。また、第二ギャップ
層305の厚みを0.700μmとしたのでデカップリング
による出射光量はほぼゼロであった。
【0059】また、本実施例において、OCDの代わり
にPMMA(ng2=1.470,dg2=0.700μm)を第二ギャ
ップ層305とすると、第一ギャップ層304を成膜
後、スピンコートによりPMMAを塗布する。その後、
領域308に対応した部分を電子ビームで露光し、現像
する。これにより、領域308の部分のPMMAは除去
される。この現像プロセスでは、第一ギャップ層304
のSiO2 は物理的になんらの変化も起こさない。これ
により、上記実施例と同じく高い結合効率が得られた。
このように、第一ギャップ層を無機材料、第二ギャップ
層を有機材料とすると、第一ギャップ層の膜厚を最適に
制御するだけで良い(請求項15の)。尚、以上の二
つの実施例においては、前記第二ギャップ層305の形
成されていない領域308を、第二ギャップ層を一度全
体に形成した後、領域308に当る部分を除去するとい
う方法で形成したが、第二ギャップ層305を成膜する
際に、前記領域308に当る部分をマスクで覆うことに
より領域308を形成しても良い(請求項16)。
【0060】次に、図14を用いて請求項17記載のプ
リズムカプラーについて説明する。図14においては、
基板301上に形成されたバッファ層302の上に光導
波層303が積層され、光導波層303の上にこの光導
波層303よりも屈折率の低い第一ギャップ層304が
積層されている。さらに、第一ギャップ層の上に吸収性
薄膜層305’が積層されているが、吸収性薄膜層30
5’が形成されていない領域308が一部存在する。そ
してこの上に、光導波層303よりも高い屈折率を持つ
誘電体プリズム307がこのプリズムとほぼ同じ程度の
屈折率を持つ誘電性接着剤306により接着されてい
る。このように、本発明の特徴は、請求項14のプリズ
ムカプラーにおける(誘電体の)第二ギャップ層の代わ
りに吸収性薄膜層を構成したことにある。この吸収性薄
膜層は、前記第二ギャップ層と同じく、デカップリング
を防ぐ効果があり、且つ第二ギャップ層に比べて膜厚を
厚くする必要がないので、成膜が簡単である。但し、第
一ギャップ層が比較的薄い場合には、吸収性薄膜層によ
って、導波光が吸収損失を受ける場合がある。従って、
第一ギャップ層が比較的薄い場合には吸収性薄膜層の形
成されている領域は、できるだけ狭いほうが良い。
【0061】次に、検出系集積素子内の光検出器の出力
のための電極配線について、本発明の構成を述べる。光
検出器として、例えば基板上に形成されたフォトダイオ
ードのような受光素子を用いる場合、受光量に応じた電
流出力等の電気信号を外部へ取り出すために必要な一対
の電極のうち、一方は基板側電極を用い、他方は受光部
に接続した電極配線として基板上の絶縁膜の上にメタル
等により形成される。この電極配線は、従来、例えば図
16(a)に示すように、フォトダイオードをシリコン基
板101上に形成した場合、その電極配線104の一端
が基板と逆導電型の不純物を拡散して形成された受光部
102に接続して、光導波路のバッファ層103として
機能する酸化シリコン膜上に形成されるか、あるいは、
図16(b)のように、電極配線104が、バッファ層1
03上に積層された光導波路105上に形成されてい
た。尚、110は基板側電極である。
【0062】前者(図16(a))の場合、フォトダイオ
ードとしての製造工程を経た後、光導波路の成膜工程に
移れるので、個々の工程を分離し易いという利点があ
る。しかし、電極配線104が酸化シリコン膜のみを挾
んで基板101と対峙するため、それらの間の静電容量
が大きくなり、特に本発明の如き光電子集積デバイスに
おいては、その配線長が一般の電子デバイスに比べ著し
く長くなる傾向にあり、光検出素子の高速応答が難しく
なるという問題がある。また、後者(図16(b))の場
合、電極配線104と基板101との間に積層された光
導波路105の厚さが付加されるため、静電容量の低下
が期待できるが、電極配線104が最上層となるため、
配線の短絡を生じやすく、また、機械的損傷や物理的汚
染、腐食を受けやすいので、それらの防止には、さらに
その上に保護膜を必要とする等の問題がある。
【0063】そこで上記問題を解消するため、請求項2
0の構成では、図15(a)に示す実施例のように、電極
配線104は、バッファ層103上の第一光導波層(ま
たは第二光導波層)106とギャップ層107との間、
あるいは、第二光導波層と第一光導波層の積層構造10
6とギャップ層107との間に形成され、それら光導波
層106及びバッファ層103に設けた開口部において
受光素子の受光部102に接続される。すなわち、この
構成では、基板101との静電容量を低下させつつ、ギ
ャップ層107によって電極配線を保護することができ
る。また、請求項21の構成では、図15(b)に示す実
施例のように、電極配線104は、第一ギャップ層10
8と第二ギャップ層109の間に形成され、第一ギャッ
プ層108、光導波層106及びバッファ層103に設
けた開口部において受光素子の受光部102に接続され
る。すなわち、この構成では、第二ギャップ層109に
よって電極配線を保護しながら、上記に比べ、さらに基
板101との間の静電容量を低下させることができる。
【0064】次に、本発明の光磁気情報記録再生装置の
検出系集積素子における第一光導波路から第二光導波路
への第一結合部、モード分離素子の第二光導波路から第
三光導波路への第二結合部、及び第一光導波路あるいは
第二光導波路に形成される導波路集光素子部分の製造方
法について、請求項22乃至請求項30に記載した本発
明の方法を述べる。
【0065】先ず請求項22の方法は、請求項1の構成
の光磁気情報記録再生装置に関し、特に第一結合部につ
いては請求項11〜13の構成をとり、第二結合部につ
いては請求項18の構成をとっている検出系集積素子の
製造方法に関する。図17は検出系集積素子の断面構造
の一例を示す図であり、上記のような構成においては、
第一結合部210、第二結合部220、及び導波路集光
素子部230の各部分における第二光導波路層120の
断面形状に特徴があり、第一結合部と第二結合部では、
緩やかな傾斜を有するテーパ状、導波路集光素子部では
垂直断面が好ましい。しかし、このような各部の断面形
状を一つの膜の各所で一度に形成するのは困難であっ
た。そこで、本方法により、テーパ状断面を必要とする
第一結合部210及び第二結合部220の断面を形成す
る工程と、垂直断面を必要とする導波路集光素子部23
0の断面を形成する工程とを別々に実施することによ
り、各々の形成方法に最適なものを用いることができ
る。このとき、一方の形成工程に際しては、他方を例え
ばフォトレジスト等の保護膜を表面に設けておくことに
より、当該工程の他方の側への影響を無くすことができ
る。
【0066】次に、請求項23の発明では、請求項22
の光磁気情報記録再生装置の製造方法において、図18
の工程説明図に示すように、受光素子及びバッファ層1
03が形成された基板101上に前記第二光導波層12
0を形成し、前記第二光導波層上に、前記第二光導波層
に比し同一エッチャントによるエッチング速度が大なる
増速層130と、前記エッチャントに対しエッチング耐
性を有し前記第一結合部210及び前記第二結合部22
0の平面形状に対応してパターニングされた第一マスク
層141とを、この順に積層し(図18(a))、前記第
一マスク層の開口部より前記エッチャントを導入して、
前記増速層130及び前記第二光導波層120をエッチ
ングすることにより、前記第一結合部及び前記第二結合
部における前記第二光導波層120の断面をテーパ状に
加工した後(図18(b))、前記第一マスク層141と
前記増速層130を除去し、次いで、前記導波路集光素
子の平面形状に対応してパターニングされた第二マスク
層142を積層し(図18(c))、前記第二マスク層の
開口部152よりエッチャントを導入して前記第二光導
波層120をエッチングすることにより、前記導波路集
光素子における前記第二光導波層の断面を形成した後、
前記第二マスク層142を除去し(図18(d))、引き
続き、前記第一光導波層の形成以降の工程を行なうこと
を特徴としている。
【0067】すなわち、請求項23の方法は、請求項2
2の方法に関し、特にテーパ断面の形成に、エッチング
速度の大きな増速層130をフォトレジスト等のマスク
層141との間に設けて主としてウェットエッチングを
行ない、また、垂直断面の形成に、ドライエッチングあ
るいは通常のウェットエッチングを行なう場合の手順を
定めたものである。増速層130は、蒸着やスパッタの
ようなPVD法、熱、光やプラズマによるCVD法、あ
るいはスピンコート等による成膜、イオンインプランテ
ーションによる第二光導波層120上層へのイオン打ち
込み、またはそれらの組合せによって形成できる。例と
して、第二光導波層をCVD法によるシリコン窒化膜や
シリコン酸化窒化膜としたとき、増速層としては、成膜
条件を変えて形成した同様の材料の膜、スピンオングラ
ス、アルゴンやリンなどの第二光導波層へのイオン打ち
込みによる上層の改質等が可能である。もちろん、導波
路としての機能と上述のエッチング速度差の条件を満た
せば、あらゆる材料と成膜方法を用いて良い。
【0068】上記のような方法でテーパ断面形成を行な
った場合、引き続き増速層の除去を必要とすることが多
い。これは、増速層が一般に他の膜よりも物理的、科学
的に不安定な膜質であったり、汚染物質を含んでいた
り、光導波路の構成上不適当な膜厚・屈折率であったり
するためである。この増速層の除去は、ほぼ基板全面に
渡って行なわれるが、このときすでに垂直断面が形成さ
れている部分があると、増速層の除去に伴うエッチング
作用により、せっかく形成されている垂直断面の垂直性
や平滑性を損なう恐れがある。また、このような問題を
回避するために、増速層の形成や除去を部分的に行なお
うとすると、工程が非常に複雑になるという新たな問題
が発生する。そこで、本方法により、テーパ断面を形成
した後、垂直断面を形成するようにすると、そのような
問題を生ぜずに双方の断面形成を行なうことができる。
もちろん、増速層の除去が光導波路の構成上及び信頼性
上不要であるならば、双方の断面形成は何れの順序で行
なってもよい。
【0069】次に、請求項24の方法は、請求項23の
製造方法において、図19の工程説明図に示すように、
第一結合部210及びその近傍と、第二結合部220及
びその近傍とで、増速層130(131,132)のエ
ッチャントによるエッチング速度が異なるようにしたこ
とを特徴としている。すなわち、請求項24の方法は、
請求項23の方法による際に、同一のテーパ断面形状と
なる第一結合部210と第二結合部220で、図19
(b)のように、テーパの緩急を変えて異なった断面形状
を形成するものである。これは、第一結合部210にお
いてはあくまで緩い、例えば、1:1000以下といっ
たようなテーパを必要とするのに対し、第二結合部22
0においては、反射光や屈折光のビーム幅拡大に伴う受
光素子サイズ増大とそれによる応答速度の低下を抑える
ため、例えば、1:100程度以下のテーパでよい、と
いうような要求に答えるためのものである。
【0070】例えば、上記のような要求に対しては、図
19(a)のように第一結合部210近傍でエッチング
速度が比較的に速い増速層131を形成し、第二結合部
220近傍でエッチング速度が比較的に遅い増速層13
2を形成した後、マスク143を用いてエッチングを行
ないテーパ形成を行なえば、図19(b)のように、第
一結合部210が第二結合部220に比しより緩いテー
パ上となった断面を形成することができる。このとき、
それら二つの増速層のエッチング速度の差とは、テーパ
比を決定する、実際のテーパ断面形成工程に際しての実
質的な横方向のエッチング速度の差をいう。このような
エッチング速度の差は、増速層の形成をPVDやCVD
で行なう場合には、膜厚差や堆積条件の変化による膜密
度・膜組成の差などにより付与でき、増速層の形成をイ
オンインプランテーションにより第二光導波層上層への
イオン打ち込みで行なう場合には、ドーズ量の差により
付与できるし、それらの組合せによっても可能である。
【0071】次に、図20の工程説明図に示すように、
請求項25の製造方法は、請求項22の製造方法におい
て、受光素子及びバッファ層103が形成された基板1
01上に前記第二光導波層121を形成するに際し、前
記第一結合部210及び前記第二結合部220の平面形
状に対応したマスク160を用いることにより(図20
(a))、前記第一結合部及び前記第二結合部における前
記第二光導波層121の断面をテーパ状に形成し(図2
0(b))、次いで、前記導波路集光素子部230の平面
形状に対応してパターニングされた第二マスク層142
を積層し(図20(c))、前記第二マスク層の開口部1
52よりエッチャントを導入して前記第二光導波層12
1をエッチングすることにより、前記導波路集光素子部
230における前記第二光導波層121の断面を形成し
た後、前記第二マスク層142を除去し(図20(c))、
引き続き、前記第一光導波層の形成以降の工程を行なう
ことを特徴としている。
【0072】すなわち、請求項25の製造方法は、請求
項22の方法に関し、特にテーパ断面を、所謂シャドウ
マスクのような機械的マスク160を用いて成膜するこ
とにより形成し、また、垂直断面の形成に、ドライエッ
チングあるいは通常のウェットエッチングを行なう方法
である。第二光導波層121を蒸着やスパッタのような
PVD法、あるいは熱、光やプラズマによるCVD法に
より成膜する際に、基板上に上記のようなマスク160
を配置しておくと、その陰となった部分には膜が堆積せ
ず、露出した基板表面部分にのみ膜が堆積する。そし
て、それらの境界領域では膜厚が徐々に変化する部分が
できる。この部分がテーパになる訳であるが、緩いテー
パ断面を形成するには、マスク自体の断面もテーパ状で
あることが望ましく、図示のようなナイフエッジなどを
用いると良い。このようにしてテーパ断面部分を成膜過
程で同時に形成した後、垂直断面の要求される導波路集
光素子部分の加工を行なう。
【0073】次に、図21に示すように、請求項26の
製造方法では、請求項25の製造方法において、前記第
一結合部210及びその近傍と、前記第二結合部220
及びその近傍とで、前記第二光導波層122を形成する
に際し用いるマスク161,162の断面形状が異なる
ようにしたことを特徴としている。すなわち、請求項2
6の方法は、請求項25の方法による際に同一のテーパ
断面形状となる第一結合部210と第二結合部220
で、図21(b)に示すようにテーパの緩急を変えて異な
った断面形状を形成するものである。これは、請求項2
4の方法の説明で述べたのと同様な要求に答えるための
ものである。
【0074】請求項25の方法の説明で述べたように、
成膜時にマスクを用いてテーパを形成する場合、その得
られるテーパの形状、緩急は、用いたマスクの端部断面
形状によって異なる。そこで請求項26の方法により、
図21(a)のように、第一結合部付近と第二結合部付近
とでマスク端部の断面形状を変え、例えば、第一結合部
近傍で刃先の角度が比較的に小さいナイフエッジ状の端
部断面を有するマスク161を用い、第二結合部近傍で
刃先の角度が比較的に大きいナイフエッジ状の端部断面
を有するマスク162を用いて第二導波層122の成膜
を行なえば、第一結合部210が第二結合部220に比
しより緩いテーパ状となった第二導波層122の断面を
形成することができる。
【0075】次に、請求項27の製造方法では、請求項
1,2記載の光磁気情報記録再生装置おいて、検出系集
積素子の要部断面構造が図22に示すような構造の場合
に、第一光導波路から第二光導波路への第一結合部21
0における第二光導波層120の断面を形成する工程
と、モード分離素子の第二結合部220における第二光
導波層120の断面を形成する工程とを別個の工程で行
なうことを特徴としている。すなわち、請求項27の方
法は、請求項1、請求項2の構成の光磁気情報記録再生
装置に関し、特に、第一結合部に関しては請求項11〜
13の構成をとり、第二結合部については請求項18の
構成をとっているものの製造方法に関する。さらに、請
求項24,26と同様の目的のため、第一結合部210
と第二結合部220で、テーパの緩急を変えて異なった
断面形状を形成するものである。
【0076】前述の請求項24,26においては、同一
の工程でそれら異なった断面形状を形成する。しかし、
増速層のエッチング速度は変えても同一のエッチャント
を用いてテーパを形成する方法や、端部断面形状を変え
たシャドウマスクを用いる方法は、二つの大きく異なっ
たテーパ比の断面を形成するのには必ずしも適さないの
で、他の方法が必要となる。そこで、請求項27の方法
により、異なったテーパ状断面を必要とする第一結合部
210と第二結合部220の断面を形成する工程を別々
に実施することにより、各々の形成方法に最適なものを
用いることができる。このとき、一方の形成工程に際し
ては、他方を例えばフォトレジスト等の保護膜やシャド
ウマスクのような遮蔽を表面に設けておくことにより、
当該工程の他方の側への影響を無くすことができる。
【0077】次に、図23の工程説明図に示すように、
請求項28の製造方法は、請求項27の製造方法におい
て、受光素子及びバッファ層103が形成された基板1
01上に第二光導波層123を形成するに際し、第一結
合部210の平面形状に対応したマスク163を用いる
ことにより(図23(a))、前記第一結合部における前
記第二光導波層123の断面をテーパ状に形成し(図2
3(b))、次いで、第一結合部断面をテーパ状に加工さ
れた第二光導波層123上に、第二光導波層に比し同一
エッチャントによるエッチング速度が大なる増速層13
3と、前記エッチャントに対しエッチング耐性を有し前
記第二結合部の平面形状に対応してパターニングされた
第一マスク層144とを、この順に積層し(図23
(c))、前記第一マスク層の開口部154より前記エッ
チャントを導入して、増速層133及び第二光導波層1
23をエッチングすることにより、第二結合部220に
おける第二光導波層123の断面をテーパ状に加工した
後(図23(d))、第一マスク層144、または第一マ
スク層144と増速層133を除去し(図23(e))、
引き続き、導波路集光素子の形成あるいは第一光導波層
の形成以降の工程を行なうことを特徴としている。
【0078】すなわち、請求項28の方法は、請求項2
7の方法に関し、特に第一結合部210のテーパ断面を
所謂シャドウマスクのような機械的なマスク163を用
いて成膜することにより形成し、次いで、第二結合部2
20のテーパ断面の形成に、上述のエッチングの増速層
133を用いる方法である。これにより、第一結合部2
10にはシャドウマスクを用いた非常に緩いテーパを形
成し、その後第二結合部220のテーパを一般的なフォ
トリソグラフィーの位置・角度精度で形成することがで
きる。このようにしてテーパ断面部分を各々最適な方法
で形成した後、垂直断面の要求される導波路集光素子部
分の形成、あるいは導波路集光素子を第一光導波路に形
成する場合はこれに先立って第一光導波層の成膜を行な
う。
【0079】次に図24の工程説明図に示すように、請
求項29の製造方法は、請求項27の製造方法におい
て、受光素子及びバッファ層103が形成された基板1
01上に第二光導波層124を形成し、第二光導波層1
24上に、第二光導波層に比し同一の第一エッチャント
によるエッチング速度が大なる第一増速層134と、前
記第一エッチャントに対しエッチング耐性を有し前記第
一結合部の平面形状に対応してパターニングされた第一
マスク層145とを、この順に積層し(図24(a))、
前記第一マスク層の開口部155より前記第一エッチャ
ントを導入して、第一増速層134及び第二光導波層1
24をエッチングすることにより、第一結合部210に
おける第二光導波層124の断面をテーパ状に加工した
後(図24(b))、第一マスク層145、または第一マ
スク層145と第一増速層134を除去し、次いで、前
記第一結合部断面をテーパ状に加工された第二光導波層
124上に、前記第二光導波層に比し同一の第二エッチ
ャントによるエッチング速度が大なる第二増速層135
と、第二エッチャントに対しエッチング耐性を有し前記
第二結合部の平面形状に対応してパターニングされた第
二マスク層146とを、この順に積層し(図24
(c))、前記第二マスク層の開口部156より前記第二
エッチャントを導入して、第二増速層135及び第二光
導波層124をエッチングすることにより、第二結合部
220における第二光導波層124の断面をテーパ状に
加工した後(図24(b))、第二マスク層156、また
は第二マスク層156と第二増速層135を除去し(図
24(e))、引き続き、導波路集光素子の形成あるいは
第一導波層の形成以降の工程を行なうことを特徴として
いる。
【0080】すなわち、請求項29の方法は、請求項2
7の方法に関し、特に第一結合部210のテーパ断面形
成と、第二結合部220のテーパ断面の形成で、エッチ
ングの増速層134,135やエッチャントに異なった
ものを用いる方法である。これにより、第一結合部21
0、第二結合部220ともにテーパ断面を一般的なフォ
トリソグラフィーの位置・角度精度で形成することがで
き、尚且つそれぞれに適した増速層とエッチャントの組
合せが得られる。このようにしてテーパ断面部分を各々
最適な方法で形成した後、垂直断面の要求される導波路
集光素子部分の形成、あるいは導波路集光素子を第一光
導波路に形成する場合はこれに先立って第一光導波層の
成膜を行なう。
【0081】次に、請求項30の方法は、請求項13の
構成の光磁気情報記録再生装置に関し、特に請求項2
3,24,29の方法の、第一結合部のテーパ断面形成
にエッチングの増速層を用いるものの製造方法に関す
る。一般に、増速層を用いたテーパ形成では、その断面
は原理的には直線状であり、実際には開口部直下でのエ
ッチングの進行やエッチャントの横方向への拡散の問題
などにより上向きに凸となりがちである。一方で、第一
結合部において、第一光導波路から第二光導波路への光
の結合効率の向上のため、第二光導波層のテーパ断面が
下向きに凸状であることが望まれる場合がある。上述の
ような方法でこのような断面形状を形成するためには、
図25及び図26(b)のように、第二光導波層125が
バッファ層103に近い下層ほどエッチング速度が小さ
く、それでいて、厚さ方向で均一な屈折率を有している
必要がある。
【0082】以下、第二光導波層をプラズマCVDで成
膜する場合の例で説明する。プラズマCVDでは、基板
温度、ガス組成、放電電力、圧力など多くの成膜条件が
ある。そして、これらの条件の組合せにより、様々な膜
特性のものが成膜でき、同一の屈折率でありながら、異
なったエッチング速度のものもできる。ここで、それら
複数の成膜条件のうちの一つとして基板温度をとると、
通常基板温度が高いほどエッチング速度は小さな膜がで
きる。従って、第二光導波層の成膜中に基板温度を漸減
させてやれば、下層ほどエッチング速度が小さくなる。
このとき、その他の成膜条件に変化が無ければ通常基板
温度の変化につれて屈折率も膜厚方向で変化してしま
う。そこで、図26(a)のように、ガス組成や放電電力
など他の成膜条件の一つまたは複数を予め求めておいた
上述のような条件の組合せに従って基板温度の変化につ
れて連続的に変化させてやれば、図26(b)のように、
下層ほどエッチング速度が小さく、しかも膜厚方向に一
定の屈折率の膜が形成できる。また、このとき、膜の堆
積速度も変化して行くが、同様に予め求められた各成膜
条件に応じた堆積速度の積分値として膜厚を知ることが
できるので、成膜の終点が決定できる。
【0083】尚、このような膜は、上述の成膜条件に限
らず、エッチング速度と屈折率に影響する、その成膜法
で制御可能なあらゆる成膜条件の組合せを選んで、同様
な方法を行なうことにより形成可能である。また、この
ようにして形成された第二光導波層125に、図27の
工程説明図に示すような、増速層136やマスク147
を用いた前述と同様なテーパ形成を行なえば、第二光導
波層125のエッチングの進行につれ、よりエッチング
速度の小さい層が現われるので、横方向へのエッチング
の進行に比し、膜厚方向へのエッチングの進行が次第に
遅くなり、結果として図27(c)のような下向きに凸状
のテーパ断面が得られる。
【0084】
【発明の効果】以上説明した通り、請求項1の光磁気情
報記録再生装置においては、プリズムカプラーによって
光磁気情報記録媒体からの反射光を光導波路にカップリ
ングしているため、従来例と比べて、光源の波長変動に
よるカップリング効率の変動が少なく、また、(焦点誤
差信号検出部における)導波路集光素子に導波路鏡を用
いることにより、光源の波長変動による導波光の焦点位
置の変動が少ないため、Fo信号の(波長変動による)
検出効率が低下せず、S/N比が向上する。また、MO
信号検出に関しても従来例と比べると、従来例では光磁
気情報記録媒体からの反射光を光導波路にカップリング
するとき、カップリングを面分割してTEモード、TM
モードをそれぞれカップリングさせていたが、本発明で
は、TEモード、TMモードをプリズムカプッラーによ
って両方いっぺんにカップリングさせ、その後導波光の
一部を光磁気信号検出部に導きMO信号を検出している
ので、反射光のノイズや強度分布の非対称性による影響
を受けにくく、S/N比の良いMO信号が得られる。
【0085】請求項2の光磁気情報記録再生装置におい
ては、焦点誤差信号検出部が、(TEモードとTMモー
ドの等価屈折率がほぼ等しい)第一光導波路に構成され
ているので、導波路集光素子の設計自由度が上がり、焦
点誤差信号検出部で検出される信号が、第一結合部の結
合損失による影響を受けない。請求項3の光磁気情報記
録再生装置においては、焦点誤差信号検出部において2
組の導波路集光素子と光検出器を対称に配置することに
よって、Fo信号だけでなく、Tr信号も検出すること
ができる。請求項4の光磁気情報記録再生装置において
は、焦点誤差信号検出部において2組の導波路集光素子
と光検出器を平行に配置することにより、光磁気情報記
録媒体からプリズムカプラーに入射する入射角度を調整
することによって、光検出器への集光位置を補正でき
る。
【0086】請求項5の光磁気情報記録再生装置におい
ては、焦点誤差信号検出部の導波路集光素子を二つ以上
の導波路鏡の組合せで構成することにより、焦点位置の
設定自由度が大きくなり、光学系配置の変形、コンパク
ト化が容易となる。請求項6の光磁気情報記録再生装置
においては、焦点誤差信号検出部の導波路集光素子を導
波路凹面鏡と導波路凸面鏡で構成することにより、望遠
構成となり、光学系のパスを短くすることができ、小型
集積化ができる。また、光学系の大きさが同じ場合で
も、Fo信号の検出感度が高くなる。請求項7の光磁気
情報記録再生装置においては、請求項6の導波路凹面鏡
として導波路放物面鏡を用い、導波路凸面鏡として導波
路双曲面鏡を用いたことにより、導波路集光素子に入射
する平行高速を、二つの光検出器の中心に球面収差なし
で集光することができ、球面収差によるスポット径の広
がりがもたらす焦点位置検出感度の低下を防げる。請求
項8の光磁気情報記録再生装置においては、請求項6の
導波路凸面鏡の代わりに導波路直線鏡とすることによ
り、製作方法が簡単になり、設計上の導波路鏡の形状
と、作成後の導波路鏡の実際の形状との違いが小さくな
る。
【0087】請求項9の光磁気情報記録再生装置におい
ては、焦点誤差信号検出部の一対の光検出器の配置を導
波光の伝搬方向に対してずらすことにより、実効的に光
検出器間の間隔をゼロにし、Fo信号の感度を上げるこ
とができる。請求項10の光磁気情報記録再生装置にお
いては、焦点誤差信号検出部の一対の光検出器の間に存
在する受光不能部分に反射部を設けることにより、実効
的に光検出器間の間隔をゼロにし、Fo信号の感度を上
げることができる。
【0088】請求項11の光磁気情報記録再生装置にお
いては、第一光導波路は、基板側から基板、バッファ
層、第一光導波層、ギャップ層の順に構成されており、
第二光導波路は、基板側から基板、バッファ層、(第一
光導波層の屈折率よりも高い屈折率を持つ)第二光導波
層、第一光導波層、ギャップ層の順に構成されているこ
とにより、第二光導波路において、第二光導波層が第一
光導波層の上に装荷されている場合に比べて第一結合部
におけるカップリング効率が高くなる。また、第一結合
部においては、第二光導波層の膜厚が、第一光導波層側
から第二光導波層側へ徐々に厚くなっている(テーパ状
になっている)ことにより、第一結合部におけるカップ
リング効率が高くなる。
【0089】請求項12の光磁気情報記録再生装置にお
いては、第一光導波路は、基板側から基板、バッファ
層、第一光導波層、ギャップ層という構成になってお
り、第二光導波路においては、基板側から基板、バッフ
ァ層、第二光導波層、ギャップ層の順の構成になってお
り、第一結合部においては、第二光導波層の膜厚が、第
一光導波路側から第二光導波路側へ徐々に厚くなってい
るとともに、第一光導波層の膜厚が、第一光導波路側か
ら第二光導波路側へ徐々に薄くなっていることにより、
第一光導波層から第二光導波層へ導波モードとしてカッ
プリングできなかった光は、すべて導波路散乱光となる
ので、焦点誤差信号検出部における光検出器や、光磁気
信号検出部における光検出器に受光されることがなく、
Fo信号やMO信号のノイズにならない。従って、S/
N比の良いFo信号やMO信号が得られる。請求項13
の光磁気情報記録再生装置においては、請求項11,1
2の第一結合部において、第二光導波層の断面形状が、
基板側に向けて下に凸となっていることにより、第一結
合部の長さが同じならば、第二光導波層の断面形状が直
線の場合やギャップ層側に向けて上に凸の場合よりもカ
ップリング効率が高い。
【0090】請求項14の光磁気情報記録再生装置にお
いては、プリズムカプラーが、基板側から基板、バッフ
ァ層、光導波層、(光導波層よりも屈折率の低い)第一
ギャップ層、(光導波路よりも屈折率の低い)第二ギャ
ップ層、(光導波層よりも高い屈折率を持つ)誘電性接
着層、(光導波層よりも高い屈折率を持つ)誘電体プリ
ズムにより構成され、且つ第二ギャップ層が形成されて
いない領域が一部存在することにより、一度光導波層に
導波した光が再びプリズムに結合してプリズムから外に
出てしまう(デカップリングする)光がほぼゼロにで
き、最高の結合効率が得られ、且つ、第二ギャップ層が
形成されていない領域の位置で、光がカップリングでき
る位置が決まるので、光導波路上の所望の位置に正確に
光を入射できる。
【0091】請求項15の光磁気情報記録再生装置にお
いては、請求項14のプリズムカプラーにおいて、第二
ギャップ層が形成されていない領域を第二ギャップ層を
エッチングすることにより形成するとき、 第一ギャップ層を第二ギャップ層のエッチングスト
ップ層とすることにより、第一ギャップ層の膜厚をカッ
プリング効率が最高となる膜厚になるように成膜時にコ
ントロールでき、エッチングのコントロールに精度がい
らない。 第二ギャップ層を有機材料にすることにより、第二
ギャップ層をエッチングするプロセスが第一ギャップ層
に影響を与えず、カップリング効率が最高となるように
第一ギャップ層の膜厚を成膜時にコントロールでき、エ
ッチングのコントロールがまったくいらない。
【0092】請求項16の光磁気情報記録再生装置にお
いては、請求項14のプリズムカプラーにおいて、第二
ギャップ層が形成されていない領域を、第二ギャップ層
を成膜する際に、前記領域をマスクで覆うことにより形
成することにより、第二ギャップ層をエッチングにより
形成する場合に比べて製作工程が簡単になる。
【0093】請求項17の光磁気情報記録再生装置にお
いては、プリズムカプラーが基板側から基板、バッファ
層、光導波層、(光導波層よりも屈折率の低い)第一ギ
ャップ層、吸収性薄膜層、(光導波層よりも高い屈折率
を持つ)誘電性接着層、(光導波層よりも高い屈折率を
持つ)誘電体プリズムにより構成され、且つ吸収性薄膜
層が形成されていない領域が一部存在することにより、
一度光導波層に導波した光が再びプリズムに結合してプ
リズムから外に出てしまう(デカップリングする)光が
ほぼゼロにでき、最高の結合効率が得られ、且つ、吸収
性薄膜層が形成されていない領域の位置で、光がカップ
リングできる位置が決まるので、光導波路上の所望の位
置に正確に光を入射でき、且つ、吸収性薄膜層は請求項
14における第二ギャップ層よりも薄くてもよく、成膜
が簡単である。
【0094】請求項18の光磁気情報記録再生装置にお
いては、光磁気信号検出部における第三光導波路を、第
一光導波路と同じ層構成(膜構成)にすることにより、
作成工程を簡略化できる。請求項19の光磁気情報記録
再生装置においては、光磁気信号検出部に導かれる導波
光の光路に対して第一結合部が斜めになっており、且つ
第一結合部と第二結合部のなす角度が、第二結合部での
TEモードの臨界角よりも大きくなるようにすることに
より、前記導波光の第一結合部に入射するときの入射角
度の許容範囲が大きくなり、各素子の作成誤差や位置ず
れに強くなる。
【0095】請求項20の光磁気情報記録再生装置にお
いては、受光素子の電極配線と基板との間の静電容量が
低減し、受光素子の高速応答を可能にしながら、且つ付
加的な保護層を設けることなく、電極配線の短絡、機械
的損傷や物理的汚染、腐食を防止できる。請求項21の
光磁気情報記録再生装置においては、上記効果に加え、
さらなる受光素子の高速応答が可能になると共に、導波
層と電極配線が直接接触しないので、電極配線下でも配
線材質による光の吸収が起こらず、光導波路として利用
可能になって、検出系集積素子上の素子配置等の設計の
自由度が増す。
【0096】請求項22の製造方法によれば、テーパ状
断面を必要とする第一結合部及び第二結合部の断面を形
成する工程と、垂直断面を必要とする導波路集光素子部
の断面を形成する工程とを別々に実施することにより、
各々の形成方法に最適なものを用いることができるの
で、一つの第二光導波層の必要とする箇所で、テーパ断
面と垂直断面の異なった膜断面形状が形成可能となる。
請求項23の製造方法によれば、テーパ状断面を形成し
た後、垂直断面を形成するので、増速層を用いたテーパ
断面形成に続く増速層の除去に伴うエッチング作用によ
って、形成されている垂直断面の垂直性や平滑性を損な
う恐れが無くなり、高性能な光磁気情報記録再生装置が
製造できる。請求項24の製造方法によれば、第一結合
部近傍と第二結合部近傍とでエッチング速度が異なる増
速層を形成してテーパ形成を行なうので、請求項23と
同様の効果に加え、一度の加工で第一結合部と第二結合
部とで異なったテーパ比の断面形状を形成することがで
き、各素子構造に適したものが作製できる。
【0097】請求項25の製造方法によれば、緩やかな
テーパ断面部分をシャドウマスクを用いて成膜と同時に
形成した後、垂直断面の要求される導波路集光素子部分
の加工を行なうので、非常に緩やかなテーパ断面部分と
垂直断面部分とを、一つの第二光導波層に有する光磁気
情報記録再生装置が簡便に製造できる。請求項26の製
造方法によれば、成膜時に用いるマスクを、第一結合部
付近と第二結合部付近とで端部の断面形状を変えて成膜
を行なうことにより、請求項25と同様の効果に加え、
第一結合部と第二結合部とでテーパ比の異なる第二導波
層の断面を形成することができ、各素子構造に適したも
のが作製できる。
【0098】請求項27の製造方法によれば、異なった
テーパ状断面を必要とする第一結合部及び第二結合部の
断面を形成する工程を別々に実施するので、各々の形成
方法に最適なものを用いることができ、各素子構造の最
適化が図れ、より高性能な光磁気情報記録再生装置が製
造できる。請求項28の製造方法によれば、第一結合部
にはシャドウマスクを用いた非常に緩いテーパを形成
し、その後第二結合部のテーパを一般的なフォトリソグ
ラフィーの位置・角度精度で形成するので、請求項27
と同様の効果に加え、断面構造や平面寸法精度など各素
子部分で最も強い要求を満たした光磁気情報記録再生装
置が製造できる。
【0099】請求項29の製造方法によれば、第一結合
部のテーパ断面形成と、第二結合部のテーパ断面の形成
で、エッチングの増速層やエッチャントに異なったもの
を用い、第一結合部・第二結合部ともにテーパ断面を一
般的なフォトリソグラフィーの位置・角度精度で形成す
ることができ、尚且つ、それぞれに適した増速層とエッ
チャントの組合せが選べるので、各素子部分で要求され
る断面構造と平面寸法精度を兼ね備えた光磁気情報記録
再生装置が製造できる。
【0100】請求項30の製造方法によれば、バッファ
層に近い下層ほどエッチング速度が小さく、且つ、厚さ
方向で均一な屈折率を有している第二光導波層が得られ
るので、増速層を用いたテーパ形成を行なうことによ
り、下向きに凸となったテーパ断面形状が形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光磁気情報記録再生装置の一構成
例を示す断面図である。
【図2】請求項1の光磁気情報記録再生装置の一実施例
を示す検出系集積素子の平面図である。
【図3】請求項3の光磁気情報記録再生装置の一実施例
を示す検出系集積素子の平面図である。
【図4】請求項4の光磁気情報記録再生装置の一実施例
を示す検出系集積素子の平面図である。
【図5】請求項2の光磁気情報記録再生装置の一実施例
を示す検出系集積素子の平面図である。
【図6】請求項19の光磁気情報記録再生装置の一実施
例を示す図であって光磁気信号検出部の説明図である。
【図7】請求項9の光磁気情報記録再生装置の一実施例
を示す図であって焦点誤差信号検出部における光検出器
の説明図である。
【図8】請求項10の光磁気情報記録再生装置の一実施
例を示す図であって焦点誤差信号検出部における光検出
器の説明図である。
【図9】請求項11の光磁気情報記録再生装置の一実施
例を示す図であって検出系集積素子の層構成の説明図で
ある。
【図10】請求項12の光磁気情報記録再生装置の一実
施例を示す図であって検出系集積素子の層構成の説明図
である。
【図11】請求項13の光磁気情報記録再生装置の一実
施例を示す図であって検出系集積素子の層構成の説明図
である。
【図12】請求項13の光磁気情報記録再生装置の別の
実施例を示す図であって検出系集積素子の層構成の説明
図である。
【図13】請求項14,15,16の光磁気情報記録再
生装置の一実施例を示す図であって検出系集積素子の要
部断面図である。
【図14】請求項17の光磁気情報記録再生装置の一実
施例を示す図であって検出系集積素子の要部断面図であ
る。
【図15】請求項20,21の光磁気情報記録再生装置
の一実施例を示す図であって検出系集積素子における電
極配線の説明図である。
【図16】従来の電極配線の説明図である。
【図17】請求項22の製造方法の説明図である。
【図18】請求項23の製造方法の工程説明図である。
【図19】請求項24の製造方法の説明図である。
【図20】請求項25の製造方法の工程説明図である。
【図21】請求項26の製造方法の説明図である。
【図22】請求項27の製造方法の説明図である。
【図23】請求項28の製造方法の工程説明図である。
【図24】請求項29の製造方法の工程説明図である。
【図25】請求項30の製造方法の説明図である。
【図26】請求項30の製造方法の説明図である。
【図27】請求項30の製造方法の工程説明図である。
【図28】従来技術の一例を示す光磁気情報記録再生装
置の斜視図である。
【図29】図28に示す光磁気情報記録再生装置の信号
検出の原理を説明するための図である。
【符号の説明】
1・・・光源 2・・・コリメートレンズ 3・・・プリズムカプラー 4・・・対物レンズ 5・・・光磁気情報記録媒体 6・・・検出系集積素子 7a,7b,9a,9b,10a,10b,12a,1
2b,12c,12d,18,19,20・・・導波路
集光素子 8a,8b・・・光検出器(Fo信号検出用) 9,10,14,15,21,22,31,32・・・
光検出器(MO信号検出用) 13a,13b,13c,13d,16a,16b,1
6c,16d,23a,23b,23c,23d・・・
光検出器(Fo信号及びTr信号検出用) 91,101,301・・・基板 92,103,302・・・バッファ層 93・・・第一光導波層 94,107・・・(単層あるいは多層構造の)ギャッ
プ層 95,120〜125・・・第二光導波層 102・・・受光部 104・・・電極配線 105,106・・・(単層あるいは多層構造の)光導
波路 108・・・第一ギャップ層 109・・・第二ギャップ層 110・・・裏面電極(基板側電極) 130〜136・・・増速層 141〜147・・・マスク層 151〜157・・・マスク開口部 160〜163・・・マスク 210・・・第一結合部 220・・・第二結合部 230・・・導波路集光素子部 303・・・光導波層 304,305・・・ギャップ層 306・・・誘電性接着層 307・・・誘電体プリズム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G02B 6/13 G02B 6/12 M (72)発明者 三澤 成嘉 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株 式会社リコー内 (72)発明者 青木 真金 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株 式会社リコー内 (72)発明者 廣江 昭彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株 式会社リコー内 (72)発明者 高浦 淳 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株 式会社リコー内 (72)発明者 中山 義宣 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株 式会社リコー内 (72)発明者 船戸 広義 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株 式会社リコー内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 11/105

Claims (30)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、その光源からの光を光磁気情報記
    録媒体上に集光させる集光光学系と、前記光磁気情報記
    録媒体からの反射光を検出する検出系集積素子と、前記
    光磁気情報記録媒体からの反射光を前記検出系集積素子
    に導波モードとして導くプリズムカプラーとからなる光
    磁気情報記録再生装置において、 前記検出系集積素子が、TEモードとTMモードの等価
    屈折率がほぼ等しい第一光導波路と、その第一光導波路
    に結合されているTEモードとTMモードの等価屈折率
    が異なる第二光導波路と、その第二光導波路に結合され
    ている第三光導波路を有し、前記第二光導波路に形成さ
    れた導波路集光素子と光検出器とで焦点誤差信号検出部
    を構成し、前記第二光導波路と、前記第三光導波路と、
    第二光導波路から第三光導波路への結合部(第二結合
    部)からなる(TE−TM)モード分離素子と、光検出
    器とで光磁気信号検出部を構成していることを特徴とす
    る光磁気情報記録再生装置。
  2. 【請求項2】光源と、その光源からの光を光磁気情報記
    録媒体上に集光させる集光光学系と、前記光磁気情報記
    録媒体からの反射光を検出する検出系集積素子と、前記
    光磁気情報記録媒体からの反射光を前記検出系集積素子
    に導波モードとして導くプリズムカプラーとからなる光
    磁気情報記録再生装置において、 前記検出系集積素子が、TEモードとTMモードの等価
    屈折率がほぼ等しい第一光導波路と、その第一光導波路
    に結合されているTEモードとTMモードの等価屈折率
    が異なる第二光導波路と、その第二光導波路に結合され
    ている第三光導波路を有し、前記第三光導波路は前記第
    一光導波路と一体に形成されており、前記第一光導波路
    に形成された導波路集光素子と光検出器とで焦点誤差信
    号検出部を構成し、前記第二光導波路と、前記第三光導
    波路と、第二光導波路から第三光導波路への結合部(第
    二結合部)からなる(TE−TM)モード分離素子と、
    光検出器とで光磁気信号検出部を構成していることを特
    徴とする光磁気情報記録再生装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の光磁気情報記録再
    生装置において、焦点誤差信号検出部の導波路集光素子
    と光検出器を対称に2組設け、トラッキング誤差信号と
    焦点誤差信号を検出するようにしたことを特徴とする光
    磁気情報記録再生装置。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載の光磁気情報記録再
    生装置において、焦点誤差信号検出部の導波路集光素子
    と光検出器を平行に2組設け、トラッキング誤差信号と
    焦点誤差信号を検出するようにしたことを特徴とする光
    磁気情報記録再生装置。
  5. 【請求項5】請求項1,2,3または4記載の光磁気情
    報記録再生装置において、焦点誤差信号検出部の導波路
    集光素子が、少なくとも二つ以上の導波路鏡から成るこ
    とを特徴とする光磁気情報記録再生装置。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3または4記載の光磁気情
    報記録再生装置において、焦点誤差信号検出部の導波路
    集光素子が、導波路凹面鏡と導波路凸面鏡とから成るこ
    とを特徴とする光磁気情報記録再生装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の光磁気情報記録再生装置に
    おいて、導波路凹面鏡として導波路放物面鏡を、導波路
    凸面鏡として導波路双曲面鏡を用いることを特徴とする
    光磁気情報記録再生装置。
  8. 【請求項8】請求項1,2,3または4記載の光磁気情
    報記録再生装置において、焦点誤差信号検出部の導波路
    集光素子が、導波路凹面鏡と導波路直線鏡とから成るこ
    とを特徴とする光磁気情報記録再生装置。
  9. 【請求項9】請求項1,2,3または4記載の光磁気情
    報記録再生装置において、焦点誤差信号検出部の光検出
    器が少なくとも一対以上の受光素子により構成され、対
    になった受光素子が導波光の伝搬方向に対してずれてい
    ることを特徴とする光磁気情報記録再生装置。
  10. 【請求項10】請求項1,2,3または4記載の光磁気
    情報記録再生装置において、焦点誤差信号検出部の光検
    出器が少なくとも二つ以上の受光素子により構成され、
    隣接する受光素子間に存在する導波路に反射部を設けた
    ことを特徴とする光磁気情報記録再生装置。
  11. 【請求項11】請求項1または2記載の光磁気情報記録
    再生装置において、第一光導波路の層構成が、基板側か
    ら基板、バッファ層、第一光導波層、ギャップ層となっ
    ており、第二光導波路の層構成が、基板側から基板、バ
    ッファ層、(屈折率が第一光導波層の屈折率より高い)
    第二光導波層、第一光導波層、ギャップ層となってお
    り、第一光導波路から第二光導波路への結合部(第一結
    合部)において、前記第二光導波層の膜厚が導波光の進
    行方向に対して徐々に厚くなっている(テーパ状になっ
    ている)ことを特徴とする光磁気情報記録再生装置。
  12. 【請求項12】請求項1または2記載の光情報記録再生
    装置において、第一光導波路の層構成が、基板側から基
    板、バッファ層、第一光導波層、ギャップ層となってお
    り、第二光導波路の層構成が、基板側から基板、バッフ
    ァ層、(屈折率が第一光導波層の屈折率より高い)第二
    光導波層、ギャップ層となっており、第二光導波路に移
    行する際の第一光導波路から第二光導波路への結合部に
    おいて、前記第二光導波層の膜厚が導波光の進行方向に
    対して徐々に厚くなっており、且つ前記第一光導波層の
    膜厚が光の進行方向に対して徐々に薄くなっている(テ
    ーパ状結合部)ことを特徴とする光磁気情報記録再生装
    置。
  13. 【請求項13】請求項11または12記載の光磁気情報
    記録再生装置において、第一結合部における第二光導波
    層の断面形状が、基板側(バッファ層側)に向けて下に
    凸となっていることを特徴とする光磁気情報記録再生装
    置。
  14. 【請求項14】請求項1または2記載の光磁気情報記録
    再生装置において、プリズムカプラーが、基板と基板上
    に形成されたバッファ層と、その上に形成された光導波
    層と、この上に形成された前記光導波層よりも低い屈折
    率を持つ第一のギャップ層と、この上に形成された前記
    光導波層よりも低い屈折率を持つ第二のギャップ層と、
    この上に形成された前記光導波層よりも高い屈折率を持
    つ誘電性接着層と、この上に設けられた前記光導波層よ
    りも高い屈折率を持つ誘電体プリズムにより構成され、
    且つ前記プリズムが配置される部分に第二のギャップ層
    の一部が形成されない部分を設けると共にこの部分に誘
    電性接着層が充填されていることを特徴とする光磁気情
    報記録再生装置。
  15. 【請求項15】請求項14記載の光磁気情報記録再生装
    置において、プリズムカプラーの第一のギャップ層と第
    二のギャップ層との組成または物性が異なる材料から成
    り、 第一のギャップ層が第二のギャップ層に対するエッチ
    ングストップ層としての働きをする、もしくは、 第一のギャップ層が無機材料、第二のギャップ層が有
    機材料であることを特徴とする光磁気情報記録再生装
    置。
  16. 【請求項16】請求項14記載の光磁気情報記録再生装
    置において、プリズムカプラーの第一のギャップ層の上
    に第二のギャップ層を形成する際に、一部をマスクで覆
    うことにより第二ギャップ層が形成されない部分を作
    り、その部分に誘電性接着層を充填することを特徴とす
    る光磁気情報記録再生装置。
  17. 【請求項17】請求項1または2記載の光磁気情報記録
    再生装置において、プリズムカプラーが、基板と基板上
    に形成されたバッファ層と、その上に形成された光導波
    層と、この上に形成された前記光導波層よりも低い屈折
    率を持つ第一のギャップ層と、その上の一部分に形成さ
    れた吸収性薄膜と、吸収性薄膜の形成された部分と第一
    ギャップ層の一部分の上に形成された前記光導波層より
    も高い屈折率を持つ誘電性接着層と、この上に設けられ
    た前記光導波層よりも高い屈折率を持つ誘電体プリズム
    により構成されたことを特徴とする光磁気情報記録再生
    装置。
  18. 【請求項18】請求項1または2記載の光磁気情報記録
    再生装置において、光磁気信号検出部のモード分離素子
    における第三光導波路が第一光導波路と同一の層構成
    で、前記第二結合部において、前記第二光導波路におけ
    る光導波層(第二光導波層)の膜厚が徐々に薄くなって
    いるか、または前記第二光導波層の膜厚が徐々に薄くな
    り且つ前記第一光導波路における光導波層(第一光導波
    層)の膜厚が徐々に厚くなっていることを特徴とする光
    磁気情報記録再生装置。
  19. 【請求項19】請求項1または2記載の光磁気情報記録
    再生装置において、光磁気情報記録媒体からの反射光が
    プリズムカプラーによって第一光導波路に導波モードと
    して導波した後第二光導波路に移行する際の第一光導波
    路から第二光導波路への結合部(第一結合部)と、光磁
    気信号検出部のモード分離素子における第二結合部の成
    す角が、前記第二結合部におけるTEモードの臨界角よ
    りも大きいことを特徴とする光磁気情報記録再生装置。
  20. 【請求項20】請求項11,12または13記載の光磁
    気情報記録再生装置において、光検出器の出力を電気信
    号として伝達するための電極配線を前記ギャップ層の下
    に設けたことを特徴とする光磁気情報記録再生装置。
  21. 【請求項21】請求項14,15または16記載の光磁
    気情報記録再生装置において、光検出器の出力を電気信
    号として伝達するための電極配線を前記第二ギャップ層
    の下に設けたことを特徴とする光磁気情報記録再生装
    置。
  22. 【請求項22】請求項1記載の光磁気情報記録再生装置
    の製造方法であって、前記の第一光導波路から第二光導
    波路への第一結合部、及び前記のモード分離素子の第二
    結合部における前記第二光導波層の断面を形成する工程
    と、前記第二光導波路の導波路集光素子における前記第
    二光導波層の断面を形成する工程とを、別個の工程で行
    なうことを特徴とする光磁気情報記録再生装置の製造方
    法。
  23. 【請求項23】請求項22記載の光磁気情報記録再生装
    置の製造方法において、受光素子及びバッファ層が形成
    された基板上に前記第二光導波層を形成し、前記第二光
    導波層上に、前記第二光導波層に比し同一エッチャント
    によるエッチング速度が大なる増速層と、前記エッチャ
    ントに対しエッチング耐性を有し前記第一結合部及び前
    記第二結合部の平面形状に対応してパターニングされた
    第一マスク層とを、この順に積層し、前記第一マスク層
    の開口部より前記エッチャントを導入して、前記増速層
    及び前記第二光導波層をエッチングすることにより、前
    記第一結合部及び前記第二結合部における前記第二光導
    波層の断面をテーパ状に加工した後、前記第一マスク層
    と前記増速層を除去し、次いで、前記導波路集光素子の
    平面形状に対応してパターニングされた第二マスク層を
    積層し、前記第二マスク層の開口部よりエッチャントを
    導入して前記第二光導波層をエッチングすることによ
    り、前記導波路集光素子における前記第二光導波層の断
    面を形成した後、前記第二マスク層を除去し、引き続
    き、前記第一光導波層の形成以降の工程を行なうことを
    特徴とする光磁気情報記録再生装置の製造方法。
  24. 【請求項24】請求項23記載の光磁気情報記録再生装
    置の製造方法において、前記第一結合部及びその近傍
    と、前記第二結合部及びその近傍とで、前記増速層の前
    記エッチャントによるエッチング速度が異なるようにし
    たことを特徴とする光磁気情報記録再生装置の製造方
    法。
  25. 【請求項25】請求項22記載の光磁気情報記録再生装
    置の製造方法において、受光素子及びバッファ層が形成
    された基板上に前記第二光導波層を形成するに際し、前
    記第一結合部及び前記第二結合部の平面形状に対応した
    マスクを用いることにより、前記第一結合部及び前記第
    二結合部における前記第二光導波層の断面をテーパ状に
    形成し、次いで、前記導波路集光素子の平面形状に対応
    してパターニングされた第二マスク層を積層し、前記第
    二マスク層の開口部よりエッチャントを導入して前記第
    二光導波層をエッチングすることにより、前記導波路集
    光素子における前記第二光導波層の断面を形成した後、
    前記第二マスク層を除去し、引き続き、前記第一光導波
    層の形成以降の工程を行なうことを特徴とする光磁気情
    報記録再生装置の製造方法。
  26. 【請求項26】請求項25記載の光磁気情報記録再生装
    置の製造方法において、前記第一結合部及びその近傍
    と、前記第二結合部及びその近傍とで、前記第二光導波
    層を形成するに際し用いるマスクの断面形状が異なるよ
    うにしたことを特徴とする光磁気情報記録再生装置の製
    造方法。
  27. 【請求項27】請求項1または2記載の光磁気情報記録
    再生装置の製造方法であって、前記の第一光導波路から
    第二光導波路への第一結合部における前記第二光導波層
    の断面を形成する工程と、前記のモード分離素子の第二
    結合部における前記第二光導波層の断面を形成する工程
    とを、別個の工程で行なうことを特徴とする光磁気情報
    記録再生装置の製造方法。
  28. 【請求項28】請求項27記載の光磁気情報記録再生装
    置の製造方法において、受光素子及びバッファ層が形成
    された基板上に前記第二光導波層を形成するに際し、前
    記第一結合部の平面形状に対応したマスクを用いること
    により、前記第一結合部における前記第二光導波層の断
    面をテーパ状に形成し、次いで、前記第一結合部断面を
    テーパ状に加工された第二光導波層上に、前記第二光導
    波層に比し同一エッチャントによるエッチング速度が大
    なる増速層と、前記エッチャントに対しエッチング耐性
    を有し前記第二結合部の平面形状に対応してパターニン
    グされた第一マスク層とを、この順に積層し、前記第一
    マスク層の開口部より前記エッチャントを導入して、前
    記増速層及び前記第二光導波層をエッチングすることに
    より、前記第二結合部における前記第二光導波層の断面
    をテーパ状に加工した後、前記第一マスク層、または前
    記第一マスク層と前記増速層を除去し、引き続き、前記
    導波路集光素子の形成あるいは前記第一光導波層の形成
    以降の工程を行なうことを特徴とする光磁気情報記録再
    生装置の製造方法。
  29. 【請求項29】請求項27記載の光磁気情報記録再生装
    置の製造方法において、受光素子及びバッファ層が形成
    された基板上に前記第二光導波層を形成し、前記第二光
    導波層上に、前記第二光導波層に比し同一の第一エッチ
    ャントによるエッチング速度が大なる第一増速層と、前
    記第一エッチャントに対しエッチング耐性を有し前記第
    一結合部の平面形状に対応してパターニングされた第一
    マスク層とを、この順に積層し、前記第一マスク層の開
    口部より前記第一エッチャントを導入して、前記第一増
    速層及び前記第二光導波層をエッチングすることによ
    り、前記第一結合部における前記第二光導波層の断面を
    テーパ状に加工した後、前記第一マスク層、または前記
    第一マスク層と前記第一増速層を除去し、次いで、前記
    第一結合部断面をテーパ状に加工された第二光導波層上
    に、前記第二光導波層に比し同一の第二エッチャントに
    よるエッチング速度が大なる第二増速層と、前記第二エ
    ッチャントに対しエッチング耐性を有し前記第二結合部
    の平面形状に対応してパターニングされた第二マスク層
    とを、この順に積層し、前記第二マスク層の開口部より
    前記第二エッチャントを導入して、前記第二増速層及び
    前記第二光導波層をエッチングすることにより、前記第
    二結合部における前記第二光導波層の断面をテーパ状に
    加工した後、前記第二マスク層、または前記第二マスク
    層と前記第二増速層を除去し、引き続き、前記導波路集
    光素子の形成あるいは前記第一導波層の形成以降の工程
    を行なうことを特徴とする光磁気情報記録再生装置の製
    造方法。
  30. 【請求項30】請求項13記載の光磁気情報記録再生装
    置の製造方法であって、前記第二光導波層を形成する成
    膜工程において、複数の成膜条件の内の一つを変化させ
    つつ、前記第二光導波層として希求される屈折率及び膜
    厚となるように、予め求められた前記成膜条件及びその
    他の成膜条件と、形成される膜の屈折率及び堆積速度と
    の関係に応じて、前記の他の成膜条件を変化させること
    を特徴とする光磁気情報記録再生装置の製造方法。
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