JPH09128787A - 光情報記録媒体再生装置とその再生方法及び光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体再生装置とその再生方法及び光情報記録媒体

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JPH09128787A
JPH09128787A JP7309940A JP30994095A JPH09128787A JP H09128787 A JPH09128787 A JP H09128787A JP 7309940 A JP7309940 A JP 7309940A JP 30994095 A JP30994095 A JP 30994095A JP H09128787 A JPH09128787 A JP H09128787A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は超高密度に記録された光情報記録媒体
から複雑な距離制御を行うことなく記録情報を高速・高
感度で読み出す光情報記録媒体再生装置とその再生方法
及び光情報記録媒体を提供する。 【解決手段】光情報記録媒体再生装置40は、光情報記
録媒体49の表面自体と一定の微小間隔を空けて浮上す
る浮上スライダー41の先端に、底辺が円錐形に形成さ
れたプリズム42が取り付けられ、プリズム42の底面
先端に微小突起43が形成されている。レーザ光源44
から再生レーザ光45がプリズム42の微小突起43部
分に照射されると、微小突起43からエバネッセット場
48が発生し、このエバネッセット場48と回転駆動さ
れる光情報記録媒体49の上面に形成され金膜52で被
覆された記録凸部51がカップリングして、反射光46
の光強度が変化する。この反射光46の光強度の変化を
検出器47で検出して、光情報記録媒体49の記録情報
を再生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光情報記録媒体再
生装置とその再生方法及び光情報記録媒体に関し、詳細
には、光の回折限界を超えて超高密度に記録された記録
情報を再生するための光情報記録媒体再生装置とその再
生方法及び光情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、情報化社会にあって、レーザ光線
の高い空間コヒーレンス性を利用することにより該レー
ザ光を回折限界近くにまで集光したレーザスポットを用
いて、情報の記録、再生を行う光ディスク装置が実用化
されている。
【0003】これらの光ディスクにおける記録密度及び
再生限界は、レーザ光をその回折限界近くまで集光して
も、レーザ波長でほぼ決定され、レーザ光の集光のみに
よっては、記録媒体の大容量化には限度がある。
【0004】そこで、記録媒体のさらなる大容量化の要
望に応えるため、各方面で超高密度記録化技術及び超微
小記録ピットの再生技術の研究が行われており、このよ
うな次世代超高密度記録メモリの一つとして、エバネッ
セント場におけるフォトンのトンネリング現象を用いて
記録・再生を行ういわゆるPSTM(フォトン走査型ト
ンネリング顕微鏡)を応用した光メモリが提案されてい
る。
【0005】このPSTMは、日本物理学会誌Vol.
48,No1,1993 p25に詳細に記載されてい
るが、簡単に説明すると、図9に示すように、観察対象
物体1の界面に対して通常全反射を起こすような角度で
入射光2を入射させ、観察対象物体1の界面近傍に、該
界面から離れるに従って指数関数的に光強度が減衰する
エバネッセント場3を発生させる。この場合、観察対象
物体1の界面が完全に平坦であると、全反射により発生
するエバネッセント場3も平面内で均一になるが、観察
対象物体1の界面に微小な凹凸や微小物体等が存在する
と、形成されるエバネッセント場3もこれらの形状に応
じて乱され、微小な凹凸あるいは微小物体の表面近傍に
のみエバネッセント場3が局在する。そのため、光ファ
イバーや金属等で形成された先端の鋭いプローブ4をこ
の局在化したエバネッセント場3に近づけると、エバネ
ッセント場3が散乱されるため、その散乱光を直接検
出、あるいは、光ファイバーで散乱光を伝播光5に変換
し、この伝播光5を検出器6で検出することにより、エ
バネッセント場3の強度を測定する。
【0006】すなわち、このエバネッセント場3の乱れ
に応じた検出器6の出力を利用し、その出力が一定にな
るように、プローブ4と観察対象物体1との距離を制御
して、プローブ4を観察対象物体1に対して走査、ある
いは、プローブ4に対して観察対象物体1を移動させる
ことにより、観察対象物体1の表面形状に対応した出力
7を得ることができる。
【0007】そして、PSTMの解像度は、基本的にプ
ローブの先端形状に依存するため、先端部の鋭利性を向
上させると、エバネッセント場は、プローブの形状に応
じて局在化し、通常の光学的顕微鏡における光の回折限
界を超える解像度を得ることができる。
【0008】このような超解像性を利用した超高密度光
メモリとしては、例えば、日本化学会第65春季年会
(1993)講演予稿集IIp287に記載されているよ
うなものがあり、この超高密度光メモリは、図10に示
すような原理により、記録・再生を行う。
【0009】すなわち、図10において、記録及び再生
のためのレーザ光11を、プローブ12に適当な方法で
入射し、該プローブ12中を導波させて、鋭く尖ったプ
ローブ12の先端部で該先端部の三次元形状とほぼ同程
度の広がりを有するエバネッセント場13を形成させ
る。記録媒体14としては、透明基板15上にフォトク
ロミック材料を含む記録層16を形成したものが用いら
れている。
【0010】この超高密度光メモリでは、記録を行う場
合は、プローブ12を記録用のレーザ光11の波長程度
以下の距離まで記録層16に近接させ、エバネッセント
光13により記録層16にフォトクロミック反応を起こ
させることにより、記録層16の透過率を変化させるこ
とで、情報の記録を行う。
【0011】また、情報の再生を行う場合は、エバネッ
セント場13が透明基板15側へ透過する光17の強度
を検出器18で検出することにより行う。
【0012】したがって、プローブ12を透明基板15
に対して相対的に走査することにより、記録情報を再生
することができる。
【0013】このような微小プローブを用いて、基板上
の微小領域で光(磁気)化学反応を行わせることにより
記録を行い、また、その結果生じる局所的な光学特性の
変化をNSOM(近視野走査型光学顕微鏡)を用いて再
生する方法が、種々提案されている。
【0014】例えば、ベル研究所の研究結果として、Ne
ar-field magneto-optics and highdensity data stora
ge,E.Betzig et.al,Appl.Phys.Lett.61(2),13 July 199
2 p142 に記載されているものによれば、記録媒体とし
て、高いファラデー効率を有するコバルト−白金積層膜
を用いている。そして、記録媒体への記録を、アルゴン
レーザ(488nm)を微小プローブを用いてコバルト
−白金積層膜に照射し、キューリー点以上に加熱して、
局所的に磁化を反転させることにより行い、記録媒体か
らの読み出しを、コバルト白金積層膜にアルゴンレーザ
(515nm)を照射して、透過光の偏光面の傾きの二
次元分布を検出することにより行っている。
【0015】この方法によれば、記録分解能が、約10
0nmで、再生分解能が、30〜50nmであり、45
Gb/inの記録が達成されている。
【0016】また、Liu,Z.F.;Hashimoto,K.;Fujishima,
A. Natura, 1990, 347, 658.において、PSTMの材料
としてアゾベンゼン誘導体を用いた高密度記録・再生の
提案がなされており、この提案は、アゾベンゼン誘導体
LB膜が紫外光及び可視光で可逆的なシスートランス異
性化反応を起こすことから、フォトンモードによる高密
度記録材料として注目されていることに着目したもので
ある。
【0017】この方法では、紫外アルゴンレーザ(35
0nm)の光を先端径約100nmのファイバーで形成
されたプローブを用いて、光異性化反応を局所的に行わ
せ、レーザ光強度を落として、媒体を透過した透過光強
度を検出することにより再生している。
【0018】さらに、Liu,Z.F.;Morigaki,K.;Enomoto,
T.;Hashimato,K.;Fujishima,A J.Phys.Chem., 1992 , 9
6 ,1875. において、ジアリールエテン誘導体のスピン
コート膜を用いた同様の高密度記録・再生の提案がなさ
れている。
【0019】また、高密度記録・再生を目的として、特
開平7−21564号公報、特開平4−14620号公
報、特開平6−139620号公報等に記載された技術
が提案されており、これらに記載されたものは、プリズ
ムによる全反射で発生したエバネッセント波が記録層の
金属部に表面プラズモンを励起させ、それにより入射光
のエネルギーが共鳴的に吸収されることを利用して、反
射光量の変化として情報を読み出すものである。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の高密度記録・再生の各提案にあっては、高密
度記録・再生を行うことはできるが、高速処理の要求さ
れる光情報記録媒体としては、その処理速度が遅いとい
う問題とともに、なお、再生感度が低いという問題があ
った。
【0021】例えば、上記PSTMを含め、プローブを
利用したプローブメモリは、観察対象物体の観測を行う
ために開発されたもので、記録密度を大幅に向上させる
ことはできるが、プローブと記録層との距離を原子オー
ダーから数十nmオーダーという非常に両者を接近させ
た状態で距離制御する必要があり、その走査速度やデー
タ転送速度が非常に遅く、高速処理の要求される光情報
記録媒体としては、改良の余地があった。
【0022】すなわち、光情報記録媒体の記録・再生に
おいては、記録密度とともに、再生速度、すなわち、高
速アクセス、高データ転送レートが要求され、また、超
高密度というプローブメモリの大きな特徴を生かすため
には、音声や動画等の大容量データの記録・再生に利用
できることが重要な課題となるが、上記提案にあって
は、高速処理の要求される光情報記録媒体としては、プ
ローブと観察対象との相対的走査速度が遅く、改良の余
地があった。
【0023】この問題を解決するためには、高速でプロ
ーブ走査を行わせ、かつ、プローブと記録媒体との間の
距離制御を極めて精度よく行う必要がある。
【0024】この点を解決する手段として、例えば、OP
TICAL DATA STORAGE USING A SOLIDIMMERSION LENS, MO
RIS'94 p123に記載された実験がある。
【0025】この方法は、スポット形を、高NA(Nume
rical Aperture:開口数)を実現するSIL(SOLID IM
MERSION LENS)により縮小化して、高転送レートを達成
するために、SILを浮上ヘッドに搭載し、浮上したS
ILの表面に発生するエバネッセント場により、MO
(Magneto-Optical Disk:光磁気ディスク)メディアの
信号を再生している。
【0026】ところが、この実験では、エバネッセント
場がSILの底面の全反射により発生しているため、エ
バネッセント場が広域にわたり存在すること及びMOメ
ディアを用いて再生しているため、エバネッセント場が
効率良くカップリングせず、分解能が悪いという問題が
あった。
【0027】また、上記PSTMを含め、プローブを利
用したプローブメモリは、再生において、透過光を利用
しているため、基本的に記録部が未記録部と光学定数が
異なっていることが必要であり、その結果、再生感度が
悪いという問題があった。
【0028】さらに、上記公報に記載されたものは、い
ずれもプリズムによる全反射で発生したエバネッセント
波が記録層の金属部に表面プラズモンを励起させ、それ
により入射光のエネルギーが共鳴的に吸収されることを
利用して、反射光量の変化として情報を読み出すもので
ある。
【0029】したがって、プリズムの底面の全反射を利
用しているため、エバネッセント場が広域にわたって存
在し、また、プラズモンを利用していることもあって、
解像度が悪いという問題があった。
【0030】なお、光を利用しないAFM(Atomic For
ce Microscope :原子間力顕微鏡)やSTM(Scanning
Tunneling Microscope :走査型トンネリング顕微鏡)
を用いたプローブメモリあるいは光を組み合わせたAF
Mプローブメモリ等が種々提案されている。
【0031】例えば、O plus E 1994年10月 p
48等に記載されたものがあり、これは、AFMを用い
て従来の相変化材料に現在の光ディスクの数1000倍
の記憶容量を可能にするものである。これによると、記
録媒体として相変化材料であるGeSbTe合金(厚さ
20nm)を導電性基板上にスパッタしたものを用い、
ディスク表面に微小な力(10N)でAFM探針(金被
覆窒化ケイ素)を接触させて3Vのパルス電圧を印加す
る。このパルス電圧により探針先端で発生するジュール
熱で相変化材料が局所的に結晶化し、ディスクの表面形
状を変化させることなく、直径約10nmの微細領域の
抵抗値を100倍以上(例えば、1011Ωから109 Ω
以下に)変化させることができる。そして、記録媒体か
らの情報の再生は、0.5Vの電圧をAFM探針に印加
し、ディスク面の抵抗値を読み出すことにより行われ
る。
【0032】この再生方法によれば、従来、AFM方式
においては情報を凹凸で記録していたのに対し、記録面
は平坦である。したがって、記録面に探針を接触させて
記録凹凸を再生する従来のAFMコンタクトレコーディ
ングでは、再生スピードが探針の機械的共振周波数によ
り制限されていたのに対して、上記方法によれば、平坦
記録面であるので、再生スピードを探針の機械的共振周
波数以上に設定することができる。
【0033】ところが、この方法によっても、基本的に
は、AFMコンタクトレコーディングに変わりなく、探
針の摩擦及び振動による再生スピードやアクセス速度に
制限があり、また、記録面を傷つけるという問題があっ
た。
【0034】そこで、請求項1記載の発明は、光情報記
録媒体自体の表面に対して一定の距離を保って浮上する
浮上部材にエバネッセント場を発生する微小突起または
微小開口を取り付け、光情報記録媒体の表面にこのエバ
ネッセット場とカップリングする記録凸部を設けること
により、複雑な制御回路を用いることなく、微小突起ま
たは微小開口とを常に一定の間隔を保った状態で光情報
記録媒体を高速で回転させて、高速、高解像度で、か
つ、安定して、正確な記録情報の再生を行うことのでき
る光情報記録媒体再生装置を提供することを目的として
いる。
【0035】請求項2記載の発明は、微小突起あるいは
微小開口を光情報記録媒体の記録凸部と同等に形成する
ことにより、エバネッセント場のカップリング現象の効
率を向上させて、再生感度を向上させることのできる光
情報記録媒体再生装置を提供することを目的としてい
る。
【0036】請求項3記載の発明は、光情報記録媒体自
体の表面に対して一定の距離を保って浮上する浮上部材
にエバネッセント場を発生する微小突起または微小開口
を取り付け、光情報記録媒体の表面にこのエバネッセッ
ト場とカップリングする記録凸部を設けることにより、
複雑な制御回路を用いることなく、微小突起または微小
開口とを常に一定の間隔を保った状態で光情報記録媒体
を高速で回転させて、高速、高解像度で、かつ、安定し
て、正確な記録情報の再生を行うことのできる光情報記
録媒体再生方法を提供することを目的としている。
【0037】請求項4記載の発明は、微小突起あるいは
微小開口を光情報記録媒体の記録凸部と同等に形成する
ことにより、エバネッセント場のカップリング現象の効
率を向上させて、再生感度を向上させることのできる光
情報記録媒体再生方法を提供することを目的としてい
る。
【0038】請求項5記載の発明は、光情報記録媒体の
表面の微小凹凸の最大の高低差よりも記録凸部を高く形
成することにより、エバネッセント場が記録凸部とのみ
適切にカップリングして、記録凸部以外の凸部の誤検出
を防止し、検出精度を向上させることのできる光情報記
録媒体を提供することを目的としている。
【0039】請求項6記載の発明は、少なくとも記録凸
部の表面を金属で被覆することにより、再生感度を向上
させるとともに、データ転送速度を向上させることので
きる光情報記録媒体を提供することを目的としている。
【0040】請求項7記載の発明は、光情報記録媒体の
記録凸部以外の部分をガラスあるいはプラスチックによ
り形成することにより、記録凸部と記録凸部以外の部分
とのコントラストを向上させて、より一層再生感度を向
上させるとともに、データ転送速度を向上させることの
できる光情報記録媒体を提供することを目的としてい
る。
【0041】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の光
情報記録媒体再生装置は、回転駆動されるディスク状の
支持体上に記録情報単位となる所定の大きさの記録凸部
の形成された光情報記録媒体と、前記回転駆動される光
情報記録媒体の前記記録凸部の形成された側の表面自体
に対して一定距離を保って浮上するとともに、前記光情
報記録媒体側の表面に微小突起あるいは微小開口の形成
された浮上部材と、前記浮上部材の前記微小突起あるい
は前記微小開口にレーザ光を照射して、エバネッセント
場を発生させるレーザ光照射手段と、前記レーザ光が前
記微小突起あるいは前記微小開口に照射されることによ
り発生するエバネッセント場と前記記録凸部とのカップ
リングによる該レーザ光の反射光量変化を検出する検出
手段と、を備え、前記検出手段の検出結果に基づいて、
前記光情報記録媒体の前記記録情報を再生することによ
り、上記目的を達成している。
【0042】ここで、光情報記録媒体は、ディスク状に
形成された支持体を基板として、その表面に少なくとも
記録情報単位となる微小の記録凸部が形成されている。
【0043】この記録凸部は、種々の方法を用いて形成
することができる。例えば、AFMを利用したクラスタ
ー蒸着法では、金蒸着したカンチレバーから金クラスタ
ーをSi基板上にSiO2 を重ねた支持体上に、電界蒸
着させることにより、例えば、直径10〜20nm、高
さ数nmの記録凸部を形成することができる。
【0044】また、他の例としては、熱刺激により形状
記録現象を示す形状記憶樹脂を用いて記録凸部を形成す
ることができる。これは、形状記憶樹脂が、その弾性率
が急激に変化する温度以上に加熱されると、膨張して、
凸状の隆起が形成される現象を利用するもので、形状記
憶樹脂としては、例えば、ポリノルボルネン、ポリイソ
プレン、スチレン−ブタジエン共重合体及びポリウレタ
ン等を用いることができる。
【0045】さらに、記録凸部を形成する安価な方法と
しては、作製したい記録凸部の大きさ(例えば、100
nm)に対応するアクリル球を水中に分散させ、アルコ
ールで適当に希釈したものを、支持体上に塗付して、溶
媒を蒸発させることによりアクリル球を1層のみ分散さ
せて形成する方法がある。
【0046】なお、記録凸部を形成させる方法として
は、上記の方法に限定されるものではない。
【0047】また、浮上部材は、種々の機構のものを用
いることができるが、例えば、既知のハードディスクに
用いられているスライダーをそのまま利用することがで
き、特に、平滑記録面であっても、吸着等の問題を低減
するために、プローブと記録面が100nmオーダーで
離れていても十分な再生信号が得られる場合を除き、コ
ンタクトスタートストップ方式(CSS方式:浮上ヘッ
ドを記録面に接触させたまま装置の起動、停止を行う方
式)ではなく、非接触に起動、停止を行う方式を利用す
ることが好ましい。非接触方式としては、例えば、セル
フローディング型浮上ヘッドスライダー機構、スライダ
ー昇降型ロード/アンロード機構、ランプロード型ロー
ド/アンロード機構等が適している。
【0048】すなわち、CCS方式では、スライダーの
低浮上化に伴うスライダーの静止時における吸着及び混
合潤滑領域における摩擦・磨耗の問題が発生し、この吸
着は、本発明のように記録面である光情報記録媒体の表
面が微小の記録凸部を問題とするような、微小化された
面であれば、さらに顕著になるため、採用することがで
きない。
【0049】なお、現在では、この吸着現象緩和のため
に平滑にした磁気ディスクの表面にわざわざ粗さをつけ
るテクスチャリングが施されているが、この表面粗し方
法は、本発明においては、記録凸部のコントラストを低
下させるため、好ましいものではない。
【0050】また、浮上部材には、その光情報記録媒体
側の面に微小突起あるいは微小開口が形成されており、
この微小突起または微小開口は、エバネッセント場を局
在化させて生成するのに適した大きさで、浮上部材の大
きさに比べて非常に微小に形成することが好ましい。
【0051】浮上部材は、微小突起または微小開口、す
なわち、プローブと光情報記録媒体との間で効率良くエ
バネッセント場がカップリングするように、できるだけ
少ない浮上量を保つことが必要である。
【0052】具体的には、浮上量としては、300nm
以下が望ましいが、その下限は、極限的には、0nm以
下であるが、現実的には、数十〜100nmの範囲が望
ましい。すなわち、光情報記録媒体再生装置による再生
は、プローブと記録面でエバネッセント場がカップリン
グする(近接場との相互作用による散乱や蛍光励起)こ
とを利用するものであるため、プローブ(微小突起ある
いは微小開口)と記録凸部を10nm程度以下に近づけ
ることが好ましいが、この10nm以下という距離は、
浮上部材の表面と光情報記録媒体自体の表面、すなわ
ち、支持体の表面との距離で達成できなくても、浮上部
材の光情報記録媒体との対向面に配置された微小開口ま
たは微小突起が記録凸部と10nmに近接すればよい。
【0053】この場合、微小突起は、浮上部材の浮上量
や振動等の問題が生じなければ、記録凸部とは接触して
も問題なく、この微小突起または微小開口は、上述のよ
うに、浮上部材の大きさに比べて非常に微小に形成され
ているため、浮上部材の浮上量には、ほとんど影響を与
えない。
【0054】浮上部材の微小突起または微小開口は、そ
の突起の先端径あるいは突起の先端曲率半径またはその
開口の大きさが、適切なエバネッセント場を発生させ、
かつ、記録凸部と適切にカップリングするためには、照
射されたレーザ光、すなわち、再生光の波長λに対し
て、λ/500〜λ/10程度が好ましい。
【0055】そして、微小突起や微小開口の作製方法
は、適切なエバネッセント場を発生させ、かつ、記録凸
部と適切にカップリングする形状のものを作製できるも
のであれば、何等限定されるものではなく、種々の方法
が可能である。
【0056】すなわち、微小突起は、浮上部材の材料自
身に設けてもよいし、別途作製した微小突起を浮上部材
に付着させてもよい。
【0057】微小突起を作製する方法としては、例え
ば、フィラメント加熱式プラー(PULLER)を用いて、2
段引きガラスマイクロピペットにアルミニウムを蒸着被
覆する方法(A.Lewis and K.Lieberman:Anal.Chem.,63
(1991) 625A-638A 参照)、あるいは、石英ロッド、シ
ングルモード石英光ファイバーの先端を鋭利に研磨し
て、アルミニウムを蒸着被覆後、ピンホールを開口させ
る方法、シングルモード光ファイバーをCOレーザ加熱
式マイクロピペットプラーで加工し、アルミニウムを被
覆する方法、あるいは、光ファイバーの一端を化学エッ
チングにより先鋭化し、先端部を選択的に金属で被覆す
る方法(大津「フォトン制御」プロジェクト研究報告書
平成5年度:財団法人神奈川科学技術アカデミー)等
がある。
【0058】これらの方法で作製された微小突起は、光
ファイバー、石英ロッド、あるいは、マイクロピペット
に、レーザ光を導波させることでエバネッセント場を発
生させることができる。
【0059】さらに、浮上部材の表面に微結晶を圧着、
接着させたり、適当な材料、例えば、ポリスチレンラテ
ックス球を圧着、接着させる方法(精密光学会誌 Vo
l.60,No. 8,1994 p1122参照)によっ
ても、本発明の微小突起としての機能を有する微小突起
を作製することができるが、これらの方法の場合、レー
ザ光は、浮上部材の表面で全反射させることが必要にな
るため、全反射が生じるような材料面の形状及びレーザ
入射カップリングを選択する必要がある。
【0060】また、微小開口を作製する方法としては、
レーザ光を利用した加工や単に機械的な方法による加工
等どのような方法を用いてもよい。
【0061】浮上部材に微小開口を作製した場合には、
再生レーザ光は、この微小開口にダイレクトに照射して
もよいし、途中に光ファイバー、光導波路を介して照射
してもよい。
【0062】そして、光情報記録媒体は、記録情報単位
が光情報記録媒体表面の記録凸部で構成され、記録情報
がない場所、すなわち、非記録部は、記録凸部が存在し
ない場所である。
【0063】したがって、浮上部材に形成された微小突
起または微小開口が、記録凸部を走査したとき、微小突
起または微小開口と光情報記録媒体の記録凸部が非常に
近接するため、微小突起または微小開口からしみ出した
エバネッセント場がカップリングにより散乱されて、微
小突起または微小開口に入射したレーザ光の反射光量が
このカップリングの度合で低下し、非記録部では、記録
凸部が存在しないため、微小突起または微小開口に局在
するエバネッセント場は、光情報記録媒体とカップリン
グが弱いか、あるいは、カップリングが起きないため、
反射光量の変化がほとんどない。
【0064】その結果、この反射光量の変化を検出手段
で検出することにより、光情報記録媒体の記録情報の再
生を行うことができる。
【0065】このように、記録情報の再生が光情報記録
媒体の表面凸部の有無に対して行われるため、記録情報
が屈折率変化や磁化方向の変化で記録される方式に比
べ、再生感度を向上させることができ、高記録密度化、
高データ転送レート化を図ることができる。
【0066】なお、エバネッセント場の発生を利用した
再生装置であっても、透過光による再生方法では、レー
ザ光を照射する部分と、透過光を検出する部分と、が別
であり、システムが複雑化するばかりでなく、再生レー
ザ光の当てられた部分全体の透過光をも集光するため、
目的の情報部以外からの散乱光やカップリング光を検出
する恐れがあり、解像度が低下する。
【0067】すなわち、透過光による再生方法として
は、例えば、図11に示すように、再生レーザ光21を
記録部22の形成された光情報記録媒体23に照射し
て、記録面にエバネッセント場24を形成させ、このエ
バネッセント場24を微小プローブ25により伝播光2
6に変換して、検出器27により検出する方法が考えら
れる。なお、図11中28は、全反射光である。
【0068】この方法は、検出光であるエバネッセント
場24が光情報記録媒体23に対して、再生レーザ光2
1と反対側の面にあることから透過光検出型といえ、再
生レーザ光21によるエバネッセント場24は、再生し
たい記録部22以外にも存在する。したがって、この再
生したい記録部22以外のエバネッセント場24が微小
プローブ25とカップリングして、解像度を低下させ
る。
【0069】また、透過光による別の再生方法として
は、例えば、図12に示すように、微小プローブ31に
再生レーザ光32を入射し、微小プローブ31の先端に
エバネッセント場33を発生させ、光情報記録媒体34
で反射された反射光35ではなく、光情報記録媒体34
上の記録部36とカップリングしたときの散乱光37、
すなわち、透過光を集光レンズ38で集光して、検出器
39で検出する方法が考えられる。
【0070】この方法は、四方八方に散乱する散乱光3
7を効率良く検出することが非常に難しく、解像度が低
下する。
【0071】請求項1記載の発明の構成によれば、浮上
部材は、光情報記録媒体の支持体、すなわち、光情報記
録媒体自身の表面に対して追従して、常に、一定の距離
を保持するので、光情報記録媒体のうねり、すなわち、
支持体のうねりに対し、浮上部材に取り付けられた微小
突起または微小開口と記録凸部の間隔を常に一定に保つ
ことができ、エバネッセント場を発生させるプローブ
(微小開口、微小突起)と光情報記録媒体との間隔を複
雑な制御回路を用いることなく、浮上部材の微小突起あ
るいは微小開口と一定の間隔を保った状態で、光情報記
録媒体を高速で回転させることができる。
【0072】したがって、データ転送及びアクセス速度
を向上させることができるとともに、高解像度で、か
つ、安定して、正確な記録情報を再生することができ
る。
【0073】特に、微小突起あるいは微小開口から発生
するエバネッセント場と記録凸部との間のカップリング
による反射光の光量変化により記録情報を再生する反射
型であるので、システムが簡単で、かつ、浮上部材に微
小突起あるいは微小開口が形成されているので、微小開
口または微小突起を数十nmオーダーで近接させること
ができ、微小突起または微小開口によりエバネッセント
場を所望の記録凸部にのみ照射することができるととも
に、エバネッセント場の照射された所望の記録凸部から
の記録情報だけを効率良く反射光中に含ませることがで
き、検出感度を向上させることができる。
【0074】この場合、例えば、請求項2に記載するよ
うに、前記浮上部材の前記微小凸部あるいは前記微小開
口は、前記光情報記録媒体に形成された前記記録凸部の
二次元的あるいは三次元的大きさと同程度の大きさに形
成されていてもよい。
【0075】上記構成によれば、エバネッセント場のカ
ップリング現象、すなわち、微小突起あるいは微小開口
で全反射した光が近接する物体に非接触で伝わるフォト
ンのトンネリング現象は、微小突起または微小開口の大
きさ及び形状と記録凸部の大きさ及び形状、特に、その
大きさにより、効率が変化し、その両者の大きさと形状
がほぼ同一のときに最大となるが、いま、微小突起ある
いは微小開口の大きさと形状のうち少なくともその大き
さが記録凸部と同程度に形成されているので、より一層
再生感度を向上させることができる。
【0076】請求項3記載の発明の光情報記録媒体再生
方法は、ディスク状の支持体上に記録情報単位となる所
定の大きさの記録凸部の形成された光情報記録媒体が回
転駆動され、該回転駆動される光情報記録媒体の前記記
録凸部の形成された側の表面自体に対して浮上部材が一
定距離を保って浮上し、該浮上部材の前記光情報記録媒
体側の表面に微小突起あるいは微小開口が形成されてお
り、該微小突起あるいは該微小開口に、レーザ光照射手
段によりレーザ光を照射してエバネッセント場を発生さ
せ、該発生するエバネッセント場と前記記録凸部とのカ
ップリングによる該レーザ光の反射光量変化を検出手段
により検出して、前記光情報記録媒体の前記記録情報を
再生することにより、上記目的を達成している。
【0077】上記構成によれば、浮上部材は、光情報記
録媒体の支持体、すなわち、光情報記録媒体自身の表面
に対して追従して、常に、一定の距離を保持するので、
光情報記録媒体のうねり、すなわち、支持体のうねりに
対し、浮上部材に取り付けられた微小突起または微小開
口と支持体の間隔を常に一定に保つことができ、エバネ
ッセント場を発生させるプローブ(微小開口、微小突
起)と光情報記録媒体との間隔を複雑な制御回路を用い
ることなく、浮上部材の微小突起あるいは微小開口と一
定の間隔を保った状態で、光情報記録媒体を高速で回転
させることができる。また、この浮上部材は、記録凸部
に対しては追従しないため、浮上部材に取り付けられた
微小突起または微小開口が支持体の記録凸部が存在する
位置に対向した場合、記録媒体と近接し、逆に記録凸部
がない位置に対向した場合には、記録媒体と遠ざかるこ
とになり、浮上部材に取り付けられた微笑突起または微
小開口は、記録凸部のみと近接することができ、正確な
記録情報を再生することができる。
【0078】したがって、データ転送及びアクセス速度
を向上させることができるとともに、高解像度で、か
つ、安定して、正確な記録情報を再生することができ
る。
【0079】特に、微小突起あるいは微小開口から発生
するエバネッセント場と記録凸部との間のカップリング
による反射光の光量変化により記録情報を再生する反射
型であるので、システムが簡単で、かつ、浮上部材に微
小突起あるいは微小開口が形成されているので、微小開
口または微小突起を数十nmオーダーで近接させること
ができ、微小突起または微小開口によりエバネッセント
場を所望の記録凸部にのみ照射できるとともに、エバネ
ッセント場の照射された所望の記録凸部からの情報だけ
が効率良く反射光中に含ませることができ、検出感度を
向上させることができる。
【0080】この場合、例えば、請求項4に記載するよ
うに、前記浮上部材の前記微小凸部あるいは前記微小開
口は、前記光情報記録媒体に形成された前記記録凸部の
二次元的あるいは三次元的大きさと同程度の大きさに形
成されていてもよい。
【0081】上記構成によれば、微小突起あるいは微小
開口の大きさと形状のうち少なくともその大きさが記録
凸部と同程度に形成されているので、より一層、再生感
度を向上させることができる。
【0082】請求項5記載の発明の光情報記録媒体は、
回転駆動されるディスク状の支持体上に記録情報単位と
なる所定の大きさの記録凸部が形成され、前記記録凸部
の形成された前記支持体の表面自体に対して一定距離を
保って浮上する浮上部材に形成された微小突起あるいは
微小開口にレーザ光の照射により発生するエバネッセン
ト場と前記記録凸部とのカップリングによる該レーザ光
の反射光量変化に基づいて前記記録情報の再生される光
情報記録媒体であって、前記記録凸部は、前記光情報記
録媒体の当該記録凸部の形成された表面自体の凹凸の最
大高低差よりも高く形成されていることにより、上記目
的を達成している。
【0083】上記構成によれば、光情報記録媒体の表面
に微小の凹凸がある場合に、記録凸部がこの光情報記録
媒体の表面の微小凹凸の最大の高低差よりも高く形成さ
れているので、エバネッセント場がこの光情報記録媒体
の表面の微小凸部とカップリングするのを防止して、あ
るいは、表面の凹部に形成された記録凸部とエバネッセ
ント場がカップリングしないことを防止して、エバネッ
セント場を記録凸部とのみ適切にカップリングさせるこ
とができ、記録凸部以外の凸部の誤検出を防止すること
ができる。その結果、検出精度をより一層向上させるこ
とができる。
【0084】請求項6記載の発明の光情報記録媒体は、
回転駆動されるディスク状の支持体上に記録情報単位と
なる所定の大きさの記録凸部が形成され、前記記録凸部
の形成された前記支持体の表面自体に対して一定距離を
保って浮上する浮上部材に形成された微小突起あるいは
微小開口にレーザ光の照射により発生するエバネッセン
ト場と前記記録凸部とのカップリングによる該レーザ光
の反射光量変化に基づいて前記記録情報の再生される光
情報記録媒体であって、前記記録凸部は、少なくともそ
の表面が所定の金属により被覆されていることにより、
上記目的を達成している。
【0085】上記構成によれば、少なくとも記録凸部の
表面が金属で覆われているので、再生感度を向上させる
ことができるとともに、データ転送速度を向上させるこ
とができる。
【0086】上記各場合において、例えば、請求項7に
記載するように、前記支持体が、ガラスあるいはプラス
チックにより形成されていてもよい。
【0087】上記構成によれば、光情報記録媒体の記録
凸部以外の部分がガラスあるいはプラスチックで形成さ
れているので、記録凸部と記録凸部以外の部分とのコン
トラストを向上させることができ、より一層再生感度を
向上させることができるとともに、データ転送速度を向
上させることができる。
【0088】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0089】尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の
好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の
限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明に
おいて特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これ
らの態様に限られるものではない。
【0090】図1は、本発明の光情報記録媒体再生装置
とその再生方法及び光情報記録媒体を適用した光情報記
録媒体再生装置及び光情報記録媒体の側面部分断面図で
ある。
【0091】図1において、光情報記録媒体再生装置4
0は、浮上スライダー(浮上部材)41の先端部にプリ
ズム42が取り付けられており、浮上スライダー41
は、通常のハードディスクのスライダー、特に、非接触
方式のスライダー、例えば、セルフローディング型浮上
ヘッドスライダー機構、スライダー昇降型ロード/アン
ロード機構、ランプロード型ロード/アンロード機構等
を利用することができる。
【0092】プリズム42の底面は、凸状の円錐形状に
形成されており、プリズム42の底面の円錐形状の頂点
に、ポリスチレンラテックス球により形成された微小突
起43が圧着されている。微小突起43は、その直径が
約500nmに形成されている。
【0093】光情報記録媒体再生装置40は、レーザを
出射するレーザ光源44を備え、レーザ光源44から出
射されたレーザ光は、プリズム42の底面に再生レーザ
光45として入射される。プリズム42の底面に入射さ
れた再生レーザ光45は、プリズム42の底面で全反射
され、反射光46として検出器47に入射される。検出
器47は、入射される反射光46の光量変化を検出し、
検出器47としては、例えば、4分割フォトディテクタ
ーが用いられている。
【0094】上述のように、プリズム42の円錐形状の
底面の頂点に微小突起43が取り付けられているため、
レーザ光源44からの再生レーザ光45がプリズム42
の底面の円錐形状の頂点部に照射されると、この再生レ
ーザ光45により微小突起43には、その表面形状に対
応した局在化したエバネッセント場48が発生する。
【0095】浮上スライダー41の下方には、光情報記
録媒体49が配置され、光情報記録媒体49は、ディス
ク状のガラス基板(支持体)50上に記録情報単位であ
る記録凸部51が形成され、さらに、記録凸部51とガ
ラス基板50が金膜52により被覆されている。
【0096】すなわち、光情報記録媒体49は、図2の
(a)に示すような表面が平坦なガラス基板50を用意
し、このガラス基板50上に、図2の(b)に示すよう
に、水中に分散させた後アルコールで適当に希釈した直
径約100nmのアクリル球を塗付して、溶媒のアルコ
ールを蒸着させと、アクリル球を均一に1層だけ分散さ
せることができる。その後、図7の(c)に示すよう
に、金膜52を蒸着することで、ガラス基板50上に直
径約100nm、高さ約30nmの円柱状の記録凸部5
1を有する光情報記録媒体49を形成している。
【0097】この場合、記録凸部51上に蒸着された金
膜52と、ガラス基板50上に直接蒸着された金膜52
とは、図2の(c)に示すように、間隙が形成されてい
る。
【0098】また、記録凸部51は、例えば、上述した
AFMを利用したクラスター蒸着法等により形成しても
よく、このクラスター蒸着法は、図3に示すように、金
蒸着したカンチレバー70から金クラスターを、基板、
例えば、Si基板71上にSiO2 72を重ねた支持体
73上に、スイッチ74をオン/オフ操作して、電界蒸
着させることにより、例えば、直径10〜20nm、高
さ数nmの記録凸部51を形成することができる。
【0099】そして、上記浮上スライダー41に取り付
けられている微小突起43は、上記光情報記録媒体49
に形成されている記録凸部51の大きさ及び形状(記録
凸部51が図1に示すように金膜52等の金属で被覆さ
れているときには、当該金属を含めた大きさ及び形状)
と同等の大きさ及び形状に形成されていることが望まし
い。
【0100】光情報記録媒体49は、ターンテーブル5
3に載せられ、図示しないモータにより、例えば、図1
中矢印方向に回転される。
【0101】こうして、回転される光情報記録媒体49
に対して、上記浮上スライダー41は、上述のように、
ハードディスクのスライダーを用いると、記録凸部51
に影響されることなく、光情報記録媒体49自体の表
面、すなわち、金膜52の蒸着されたガラス基板50自
体の表面に対して、一定の微小距離、例えば、0nm〜
数十nmを保って浮上する。
【0102】次に、作用を説明する。
【0103】光情報記録媒体49は、ターンテーブル5
3上に載せられ、回転されると、浮上スライダー41
は、光情報記録媒体49の表面、すなわち、金膜52の
蒸着面から図1に両矢印で示す所定の距離Wを常に一定
に保って浮上する。
【0104】いま、浮上スライダー41として、通常の
ハードディスクのスライダーを利用することができるの
で、0nm〜数十nmオーダーで光情報記録媒体49と
浮上スライダー41との距離を一定に保った状態で、浮
上させることができる。
【0105】すなわち、光情報記録媒体49は、ガラス
基板50自体が大きな歪みを有することがあるが、光情
報記録媒体49がターンテーブル53に搭載されて回転
されると、この大きな歪みは、浮上スライダー41にと
って光情報記録媒体49の記録凸部51に対する場合よ
りも低周波数の凹凸となり、浮上スライダー41は、こ
の低周波数の凹凸に追従して、一定の距離を保って浮上
する。
【0106】なお、この浮上スライダー41が光情報記
録媒体49の表面自体、すなわち、金膜52の蒸着面
(支持体であるガラス基板50)との距離を一定に保
ち、記録凸部51によりその距離が変動しないことを、
再生レーザ光45を微小突起43に当たらないようにず
らして、4分割フォトディテクターである検出器47に
より浮上スライダー41の動きを検出することにより確
認した。
【0107】次いで、再生レーザ光45をプリズム42
の底面の頂点部分に照射させて、この頂点部分に形成さ
れている微小突起43上で全反射させると、微小突起4
3からエバネッセント場48が発生し、この状態で光情
報記録媒体49をターンテーブル53により回転させ
る。
【0108】光情報記録媒体49が回転して、微小突起
43が記録凸部51と対向すると、エバネッセント場4
8が記録凸部51とカップリングし、散乱光が発生す
る。
【0109】また、光情報記録媒体49が回転して、微
小突起43が記録凸部51のない部分に対向すると、エ
バネッセント場48は、記録凸部51がないため、カッ
プリングしない。
【0110】したがって、エバネッセント場48を発生
させた後の反射光46を検出器47でモニターすると、
エバネッセント場48のカップリングによる反射光46
の光量変化、すなわち、記録凸部51の有無を検出する
ことができ、記録情報単位である記録凸部51の有無に
より記録情報を再生することができる。
【0111】そして、このエバネッセント場48は、浮
上スライダー41の先端部に設けられたプリズム42の
円錐形底部の頂点部分に取り付けられた微小突起43に
より形成されているので、先鋭化されたエバネッセント
場が形成され、かつ、微小突起43と光情報記録媒体4
9の記録凸部51とが、0nm〜数十nmオーダーで一
定間隔に保持されているので、エバネッセント場48
は、光情報記録媒体49の記録凸部51と効率的にカッ
プリングする。
【0112】したがって、光情報記録媒体49を高速で
回転させて、感度よく記録凸部51を検出することがで
きる。
【0113】その結果、浮上スライダー41の微小突起
43と光情報記録媒体49自体の表面との距離を、複雑
なフィードバック制御を行うことなく、0nm〜数十n
mオーダーで一定に保持することができるとともに、光
情報記録媒体49を高速回転させることができ、高速
に、かつ、高感度で記録情報の再生を行うことができる
とともに、高速にデータ転送を行うことができる。
【0114】なお、上記再生処理において、反射光46
を検出器47で検出する際、微小突起43及び記録凸部
51の大きさと、浮上スライダー41の浮上量等を適当
に選択することにより、光強度の変化を測定することが
できるとともに、4分割フォトディテクターである検出
器47により反射光46の位置ずれ量を検出することも
できる。
【0115】また、上記実施の形態においては、光情報
記録媒体49として、ガラス基板50とその上にアクリ
ル球で形成した記録凸部51を金膜52により被膜して
いるため、検出感度を向上させることができた。
【0116】すなわち、本実施の形態の光情報記録媒体
49の表面を金膜52で被覆した場合と、金膜52で被
膜しなかった場合と、の検出器47における検出光強度
の比較実験を行ったところ、図4に示すように、金膜5
2で被覆した場合(図4中X1で表示)の方が、金膜5
2で被覆しなかった場合(図4中X2で表示)よりも格
段に検出光強度が高いことが判明した。
【0117】このことから、エバネッセント場48と記
録凸部51とがカップリングする際、記録凸部51が金
属により被覆されているか、記録凸部51が金属で形成
されているほうが、より一層効率良くエバネッセント場
48が散乱されて、検出感度が向上することが判明し
た。
【0118】この記録凸部51を金で被覆する方法は、
上記実施の形態のものに限るものではなく、例えば、図
5に示すように、記録凸部51を含め、ガラス基板50
上を全て金膜52で被覆する方法、図6に示すように、
ガラス基板50上の記録凸部51の全体を金膜52で被
覆する方法、あるいは、図7に示すように、ガラス基板
50上の記録凸部51の先端部のみに金膜52を被覆す
る方法等のいずれの方法であってもよく、要は、エバネ
ッセント場48が効率良くカップリングして散乱できる
ものであればよい。なお、記録凸部51自体を、金等の
金属で形成してもよい。
【0119】また、記録凸部51を被覆あるいは記録凸
部51自体を形成する金属としては、金膜52に限るも
のではなく、エバネッセント場48と効率良くカップリ
ングするものであれば、銀等何であってもよい。
【0120】そして、記録凸部51と微小突起43との
関係についても、上記浮上スライダー41に取り付けら
れている微小突起58は、上記光情報記録媒体49に形
成されている記録凸部51の大きさ及び形状(記録凸部
51が図1に示すように金膜52等の金属で被覆されて
いるときには、当該金属を含めた大きさ及び形状)と同
等の大きさ及び形状に形成されていることが望ましいこ
とが判明した。
【0121】すなわち、記録凸部51を上述のように水
中に分散させた後アルコールで適当に希釈した直径約1
00nmのアクリル球をガラス基板50上に塗付して、
溶媒のアルコールを蒸着させ、その上に金膜52を蒸着
して形成したものに対して、金膜52の蒸着量を種々変
化させて、検出器47の検出結果を測定したところ、金
膜52の蒸着量が非常に少ない場合は、再生信号のCN
R(CN比:キャリア−ノイズ比)が悪化し、また、金
膜52の蒸着量がある程度以上増えると、金膜52の蒸
着量が増えるに従ってノイズが増加した。
【0122】これは、金膜52の蒸着量が非常に少ない
場合は、微小突起43のポリスチレンラテックス球表面
に存在する微小突起も含めた全体の形状に比較して、金
膜52で被覆された記録凸部51全体が小さいため、エ
バネッセント場48のカップリング効率が悪く、逆に、
金膜52の蒸着量がある程度以上増えると、微小突起4
3全体の形状に比較して、金膜52で被覆された記録凸
部51全体が大きくなって、記録凸部51以外の部分が
微小突起43とカップリングする確率が生じるために、
再生信号のノイズが増加すると考えられる。
【0123】そして、微小突起43と記録凸部51(上
記金膜52を含めたもの)との二次元的大きさや三次元
的形状が同等に形成されているときに、最もノイズの発
生が少なく、良好な再生精度を得ることができた。
【0124】そのため、本実施の形態では、上記浮上ス
ライダー41に取り付ける微小突起43と光情報記録媒
体49に形成する金膜52を含めた記録凸部51を、そ
の二次元的大きさ及び三次元的形状を同等のものとし
た。
【0125】さらに、本実施の形態においては、光情報
記録媒体49に形成する記録凸部51の高さを、光情報
記録媒体49の表面の微小凹凸の最大高低差よりも高く
形成している。
【0126】すなわち、光情報記録媒体49の表面に
は、微細な凹凸が存在し得るが、このような微細な凹凸
が存在すると、浮上スライダー41の微小突起43から
発生されるエバネッセント場48がこの微細な凹凸とカ
ップリングする恐れがあり、ノイズの原因となる。
【0127】そこで、本実施の形態においては、図8に
示すように、光情報記録媒体49の表面の微細な凸部の
うち最大凸部49aの高さdmaxと、光情報記録媒体
49の表面の微細な凹部のうち最大凹部49bの深さd
minと、の高低差(dmax+dmin)よりも記録
凸部51の高さdを高く形成している。
【0128】したがって、これら光情報記録媒体49自
体の表面の凸部49aとエバネッセント場48とのカッ
プリングの発生を抑制することができ、また、表面の凹
部49bに形成された記録凸部51とエバネッセント場
48がカップリングできるようになり、さらに、この状
態でも表面の凸部とのカップリングは弱くおさえられる
ため、ノイズの発生を抑制して、再生信号の低ノイズ化
及び正確な記録情報の再生を図ることができる。
【0129】以上、本発明者によってなされた発明を好
適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもな
い。
【0130】例えば、上記実施の形態においては、光情
報記録媒体49の支持体としてガラス基板50を用いて
いるが、ガラス基板50に限るものではなく、プラスチ
ック等を用いることができるが、非金属のものが適して
いる。
【0131】すなわち、エバネッセント場とカップリン
グすることによる反射光の光量変化を検出することによ
り、再生を行っているので、記録凸部以外の部分が非金
属であるほうがカップリング効率が良いからである。
【0132】また、上記実施の形態においては、光情報
記録媒体49をガラス基板50にアクリル球により記録
凸部51を形成して、その上に金膜52を蒸着している
が、光情報記録媒体49としては、これに限るものでは
なく、例えば、ガラス基板50上に金属を直接記録凸部
として形成してもよい。
【0133】さらに、上記実施の形態においては、浮上
スライダー41として、既存のハードディスクのスライ
ダーを用いているが、浮上部材としては、これに限るも
のではなく、光情報記録媒体49自体の表面と一定の微
小間隔を有して浮上するものであれば、どのようなもの
でも適用することができる。
【0134】また、上記実施の形態においては、微小突
起43を、ポリスチレンラテックス球を用いて形成して
いるが、ポリスチレンラテックス球に限るものでないこ
とは、いうまでもない。
【0135】さらに、上記実施の形態においては、浮上
スライダー41に微小突起43を形成しているが、微小
突起に限るものではなく、微小開口であってもよい。要
は、局在化したエバネッセント場を適切に発生させるこ
とのできるものであれば、微小突起であっても、微小開
口であってもよい。
【0136】
【発明の効果】請求項1記載の発明の光情報記録媒体再
生装置によれば、浮上部材は、光情報記録媒体の支持
体、すなわち、光情報記録媒体自身の表面に対して追従
して、常に、一定の距離を保持するので、光情報記録媒
体のうねり、すなわち、支持体のうねりに対し、浮上部
材に取り付けられた微小突起または微小開口と支持体の
間隔を常に一定に保つことができ、エバネッセント場を
発生させる微小突起または微小開口と光情報記録媒体と
の間隔を複雑な制御回路を用いることなく、浮上部材の
微小突起あるいは微小開口と一定の間隔を保った状態
で、光情報記録媒体を高速で回転させることができる。
【0137】その結果、データ転送及びアクセス速度を
向上させることができるとともに、高解像度で、かつ、
安定して、正確な記録情報を再生することができる。
【0138】特に、微小突起あるいは微小開口から発生
するエバネッセント場と記録凸部との間のカップリング
による反射光の光量変化により記録情報を再生する反射
型であるので、システムが簡単で、かつ、浮上部材に微
小突起あるいは微小開口が形成されているので、微小開
口または微小突起を数十nmオーダーで近接させること
ができ、微小突起または微小開口によりエバネッセント
場を所望の記録凸部にのみ照射することができるととも
に、エバネッセント場の照射された所望の記録凸部から
の記録情報だけを効率良く反射光中に含ませることがで
き、検出感度を向上させることができる。
【0139】請求項2記載の発明の光情報記録媒体再生
装置によれば、微小突起あるいは微小開口の大きさと形
状のうち少なくともその大きさが記録凸部と同程度に形
成されているので、より一層再生感度を向上させること
ができる。
【0140】請求項3記載の発明の光情報記録媒体再生
方法によれば、浮上部材は、光情報記録媒体の支持体、
すなわち、光情報記録媒体自身の表面に対して追従し
て、常に、一定の距離を保持するので、光情報記録媒体
のうねり、すなわち、支持体のうねりに対し、浮上部材
に取り付けられた微小突起または微小開口と支持体の間
隔を常に一定に保つことができ、エバネッセント場を発
生させるプローブ(微小開口、微小突起)と光情報記録
媒体との間隔を複雑な制御回路を用いることなく、浮上
部材の微小突起あるいは微小開口と一定の間隔を保った
状態で、光情報記録媒体を高速で回転させることができ
る。
【0141】その結果、データ転送及びアクセス速度を
向上させることができるとともに、高解像度で、かつ、
安定して、正確な記録情報を再生することができる。
【0142】特に、微小突起あるいは微小開口から発生
するエバネッセント場と記録凸部との間のカップリング
による反射光の光量変化により記録情報を再生する反射
型であるので、システムが簡単で、かつ、浮上部材に微
小突起あるいは微小開口が形成されているので、微小開
口または微小突起を数十nmオーダーで近接させること
ができ、微小突起または微小開口によりエバネッセント
場を所望の記録凸部にのみ照射できるとともに、エバネ
ッセント場の照射された所望の記録凸部からの情報だけ
が効率良く反射光中に含ませることができ、検出感度を
向上させることができる。
【0143】請求項4記載の発明の光情報記録媒体再生
方法によれば、微小突起あるいは微小開口の大きさと形
状のうち少なくともその大きさが記録凸部と同程度に形
成されているので、より一層、再生感度を向上させるこ
とができる。
【0144】請求項5記載の発明の光情報記録媒体によ
れば、光情報記録媒体の表面に微小の凹凸がある場合
に、記録凸部がこの光情報記録媒体の表面の微小凹凸の
最大の高低差よりも高く形成されているので、エバネッ
セント場がこの光情報記録媒体の表面の微小凸部とカッ
プリングするのを防止して、エバネッセント場を記録凸
部とのみ適切にカップリングさせることができ、記録凸
部以外の凸部の誤検出を防止することができる。また、
表面の微小凹部に形成された記録凸部とエバネッセント
場とをカップリングさせることができ、この状態にあっ
ても表面の凸部とエバネッセント場とのカップリングは
弱くおさえることができる。その結果、検出精度をより
一層向上させることができる。
【0145】請求項6記載の発明の光情報記録媒体によ
れば、少なくとも記録凸部の表面が金属で覆われている
ので、再生感度を向上させることができるとともに、デ
ータ転送速度を向上させることができる。
【0146】請求項7記載の発明の光情報記録媒体によ
れば、光情報記録媒体の記録凸部以外の部分がガラスあ
るいはプラスチックで形成されているので、記録凸部と
記録凸部以外の部分とのコントラストを向上させること
ができ、より一層再生感度を向上させることができると
ともに、データ転送速度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光情報記録媒体再生装置とその再生方
法及び光情報記録媒体の一実施の形態を適用した光情報
記録媒体再生装置及び光情報記録媒体の要部側面図。
【図2】図1の光情報記録媒体の記録凸部の製造方法を
説明するための光情報記録媒体の側面図。
【図3】光情報記録媒体の記録凸部の他の製造方法を示
す図。
【図4】光情報記録媒体の記録凸部を金で被覆した場合
(X1)と被覆しない場合(X2)の検出光強度の相違
を示す図。
【図5】ガラス基板と記録凸部の全てを金膜で被覆する
例を示す光情報記録媒体の側面図。
【図6】記録凸部のみを金膜で被覆する例を示す光情報
記録媒体の側面図。
【図7】記録凸部の先端部のみを金膜で被覆する例を示
す光情報記録媒体の側面図。
【図8】光情報記録媒体の記録凸部を光情報記録媒体の
最大凸部と最大凹部の高低差よりも高く形成している状
態を示す光情報記録媒体の側面図。
【図9】観察対象物体に入射光を入射させ、発生される
エバネッセント場をプローブで散乱光として観察する従
来の方法の説明図。
【図10】レーザ光をプローブに入射し、その先端部に
発生するエバネッセント場により記録層にフォトクロミ
ック反応を起こさせて、その記録層の透過率で情報の再
生を行う従来の方法の説明図。
【図11】従来の透過光を利用した再生方法の一例を示
す図。
【図12】従来の透過光を利用した再生方法の他の例を
示す図。
【符号の説明】
40 光情報記録媒体再生装置 41 浮上スライダー 42 プリズム 43 微小突起 44 レーザ光源 45 再生レーザ光 46 反射光 47 検出器 48 エバネッセット場 49 光情報記録媒体 50 ガラス基板 51 記録凸部 52 金膜 53 ターンテーブル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転駆動されるディスク状の支持体上に記
    録情報単位となる所定の大きさの記録凸部の形成された
    光情報記録媒体と、 前記回転駆動される光情報記録媒体の前記記録凸部の形
    成された側の表面自体に対して一定距離を保って浮上す
    るとともに、前記光情報記録媒体側の表面に微小突起あ
    るいは微小開口の形成された浮上部材と、 前記浮上部材の前記微小突起あるいは前記微小開口にレ
    ーザ光を照射して、エバネッセント場を発生させるレー
    ザ光照射手段と、 前記レーザ光が前記微小突起あるいは前記微小開口に照
    射されることにより発生するエバネッセント場と前記記
    録凸部とのカップリングによる該レーザ光の反射光量変
    化を検出する検出手段と、 を備え、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記光情
    報記録媒体の前記記録情報を再生することを特徴とする
    光情報記録媒体再生装置。
  2. 【請求項2】前記浮上部材の前記微小凸部あるいは前記
    微小開口は、 前記光情報記録媒体に形成された前記記録凸部の二次元
    的あるいは三次元的大きさと同程度の大きさに形成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体
    再生装置。
  3. 【請求項3】ディスク状の支持体上に記録情報単位とな
    る所定の大きさの記録凸部の形成された光情報記録媒体
    が回転駆動され、該回転駆動される光情報記録媒体の前
    記記録凸部の形成された側の表面自体に対して浮上部材
    が一定距離を保って浮上し、該浮上部材の前記光情報記
    録媒体側の表面に微小突起あるいは微小開口が形成され
    ており、該微小突起あるいは該微小開口に、レーザ光照
    射手段によりレーザ光を照射してエバネッセント場を発
    生させ、該発生するエバネッセント場と前記記録凸部と
    のカップリングによる該レーザ光の反射光量変化を検出
    手段により検出して、前記光情報記録媒体の前記記録情
    報を再生することを特徴とする光情報記録媒体再生方
    法。
  4. 【請求項4】前記浮上部材の前記微小凸部あるいは前記
    微小開口は、 前記光情報記録媒体に形成された前記記録凸部の二次元
    的あるいは三次元的大きさと同程度の大きさに形成され
    ていることを特徴とする請求項3記載の光情報記録媒体
    再生方法。
  5. 【請求項5】回転駆動されるディスク状の支持体上に記
    録情報単位となる所定の大きさの記録凸部が形成され、
    前記記録凸部の形成された前記支持体の表面自体に対し
    て一定距離を保って浮上する浮上部材に形成された微小
    突起あるいは微小開口にレーザ光の照射により発生する
    エバネッセント場と前記記録凸部とのカップリングによ
    る該レーザ光の反射光量変化に基づいて前記記録情報の
    再生される光情報記録媒体であって、 前記記録凸部は、 前記光情報記録媒体の当該記録凸部の形成された表面自
    体の凹凸の最大高低差よりも高く形成されていることを
    特徴とする光情報記録媒体。
  6. 【請求項6】回転駆動されるディスク状の支持体上に記
    録情報単位となる所定の大きさの記録凸部が形成され、
    前記記録凸部の形成された前記支持体の表面自体に対し
    て一定距離を保って浮上する浮上部材に形成された微小
    突起あるいは微小開口にレーザ光の照射により発生する
    エバネッセント場と前記記録凸部とのカップリングによ
    る該レーザ光の反射光量変化に基づいて前記記録情報の
    再生される光情報記録媒体であって、 前記記録凸部は、 少なくともその表面が所定の金属により被覆されている
    ことを特徴とする光情報記録媒体。
  7. 【請求項7】前記支持体が、ガラスあるいはプラスチッ
    クにより形成されていることを特徴とする請求項5また
    は請求項6記載の光情報記録媒体。
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