JPH11250460A - 情報記録及び/又は再生方法、並びに、情報記録及び/又は再生装置 - Google Patents

情報記録及び/又は再生方法、並びに、情報記録及び/又は再生装置

Info

Publication number
JPH11250460A
JPH11250460A JP10052181A JP5218198A JPH11250460A JP H11250460 A JPH11250460 A JP H11250460A JP 10052181 A JP10052181 A JP 10052181A JP 5218198 A JP5218198 A JP 5218198A JP H11250460 A JPH11250460 A JP H11250460A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
recording medium
light
information
scatterer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10052181A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroko Sasaki
浩子 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP10052181A priority Critical patent/JPH11250460A/ja
Publication of JPH11250460A publication Critical patent/JPH11250460A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Optical Head (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】記録媒体の種類を問わず、回折限界を越える微
小領域に高密度で且つ高速に所望の情報を記録すること
が可能な情報記録方法及び情報記録再生装置を提供す
る。 【解決手段】プローブ100の散乱体に記録用レーザー
光を集光させた際に、記録用レーザー光によって加熱さ
れた散乱体の先端から記録媒体1に熱伝導が発生して、
記録媒体の物理的性質を変化させることによって、回折
限界を越えた微小な領域に情報を記録する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、先端を先鋭化した
探針を用いて、媒体の微小領域に所望の情報を記録する
方法並びにその情報記録装置、及び/又は、記録された
情報を再生する情報再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、情報の記録方法としては、磁気記
録法と光記録法が主流であり、メモリデバイス(例え
ば、記録媒体)の記録密度は、2Gbit/inch2 に達して
いるが、今後益々高密度記録の要望が増えるものと予想
される。
【0003】現行における高密度記録の方法としては、
例えば、Land-groove recording と呼ばれる記録領域の
拡張技術や、信号を高分解能で再生する超解像技術が知
られている。更に、開口数(NA)の高いレンズの開発
やレーザー光源を短波長化して記録領域を微小化するこ
とによって、高密度記録を実現する方法が知られてい
る。この方法において、現行では近赤外から赤色(波
長:800〜600nm)の半導体レーザーが用いられ
ているが、特に400nm程度の波長(青色レーザー
光)を有する半導体レーザーを用いると、記録密度を4
Gbit/inch2 にすることができる。
【0004】しかし、現行のような半導体レーザーの短
波長化に基づく高密度化法では、光の回折限界によっ
て、将来の需要を満足するような高密度記録を実現する
ことは困難である。
【0005】このため、現行の磁気記録法や光記録法等
とは異なる情報記録技術の提案や開発が行われている。
中でも走査型プローブ顕微鏡(Scanning probe microsc
ope:SPM)を用いた情報記録技術は、超高密度記録化
を期待できるため研究が進んでおり、原子間力顕微鏡
(Atomic force microscope:AFM)技術を応用したメ
モリデバイスや走査型近接場光顕微鏡(Scanning near-
field optical microscope: SNOM )技術を応用し
たメモリデバイスの研究が盛んに行われている。
【0006】SPMは、プローブ(探触針、探針)を試
料表面に対して1μm以下まで近接させた際に両者の間
に働く相互作用を検出しながらプローブをXY方向ある
いはXYZ方向に走査することによって、試料の表面情
報を測定する装置であり、例えば、走査型トンネル顕微
鏡(Scanning tunneling microscope:STM)、原子間
力顕微鏡(AFM)、磁気力顕微鏡(Magnetic force m
icroscope:MFM)の総称である。
【0007】このようなSPMの中でも、特に、198
0年代以降、“波長より小さい寸法(厚さ)の領域に局
在し、自由空間を伝搬しない”という特性を有するエバ
ネッセント場(波)を検出することによって、光の回折
限界を越える分解能を実現した走査型近接場光顕微鏡
(SNOM)が提案されている。なお、SNOMは、生
体試料の蛍光測定や、フォトニクス用材料及び素子の評
価(誘電体光導波路の各種特性評価、半導体量子ドット
の発光スペクトルの測定、半導体面発光素子の諸特性の
評価等)等への応用をめざして盛んに開発が進められて
いる。
【0008】このようなSNOMには、測定用プローブ
として、例えば先端を先鋭化させた光ファイバやガラス
棒又は水晶探針が用いられており、基本的には光が照射
された試料表面に探針を接近させながら測定用プローブ
を走査することによって、試料の表面近傍の光の場の状
態(例えば、試料の光学情報)を検出することができる
ように制御されている。例えば、1993年12月21
日付けでベテッヒ(Betzig)等に付与されたUSP5、
272、330号公報には、先鋭化したプローブに光を
導入して、そのプローブ先端の微小開口の近傍にエバネ
ッセント場を発生させた状態において、このエバネッセ
ント場を試料に接触させた際に試料を透過した光の光強
度を2次元マッピングすることによって、試料の光学情
報を測定することができるSNOMが開示されている。
【0009】一方、AFMは、プローブ即ちカンチレバ
ーの先端に形成された探針を試料表面に接近又は接触し
た際に、探針先端と試料表面との間に働く相互作用力に
応じて変位するカンチレバーの変位を例えば光学式変位
センサを用いて光学的に検出することによって、試料の
表面情報を測定することができるように制御されてい
る。例えば、特開昭62−130302号公報には、試
料表面と探針先端との間の相互作用力を2次元マッピン
グすることによって、試料の表面情報(例えば、試料の
表面凹凸情報)を測定することができるAFMが開示さ
れている。なお、このようなAFM測定技術は、他のS
PM装置にも応用されており、試料と探針との間の距離
を一定に保つための手段即ちレギュレーションを行なう
手段として用いられている。
【0010】また、例えばファンフルスト( N.F.Van H
ulst)等は、SNOM技術を応用することによって、試
料の光学情報をSNOM測定しながら同時に試料の表面
情報をAFM測定することが可能なSNOM装置を提案
している(Appl.Phys.Lett.62(50)p.461(1993) 参
照)。
【0011】即ち、ファンフルスト等のSNOM装置で
は、全反射プリズム上に載置された試料に対してHe−
Neレーザー光を全反射プリズム側から照射して、試料
表面近傍にエバネッセント場を局在させる。そして、こ
の試料表面近傍に局在しているエバネッセント場に窒化
シリコン製のAFM用プローブ即ちカンチレバーを差し
入れて、エバネッセント場を散乱させて伝搬光に変換し
た際、窒化シリコン製プローブ内を透過した光を検出す
ることによって、試料の光学情報がSNOM測定され
る。このとき同時に、上述したAFM測定技術に基づい
てカンチレバーの変位を検出することによって試料の表
面情報がAFM測定される。
【0012】ところで、ベテッヒやファンフルスト等の
SNOMは、いずれもプローブを介して光を伝搬させる
必要上、少なくともプローブ先端は、光学的に透明でな
ければならない。この場合、プローブ先端には、光が通
過可能な開口を形成する必要があるが、先端に開口が形
成されたプローブを大量に、しかも均一な精度で作製す
ることは容易なことではない。
【0013】特に、超解像度が要求されるSNOMに
は、通常の光学顕微鏡で実現可能な分解能を越える分解
能が求められており、この要求を満足するためには、プ
ローブ先端の開口径は、少なくとも0.1μm以下(好
ましくは、0.05μm以下)であることが必要であ
る。
【0014】このような限定条件の下、プローブの開口
を再現性良く形成することがは極めて困難である。更
に、開口を通してプローブ内に入射する光の量は、開口
半径の2乗に比例して少なくなるため、SNOM像の分
解能を向上させるように、開口径を小さくすると、逆
に、検出光量が減少してS/N比が悪くなってしまう。
【0015】そこで、河田等は、特開平6−13784
7号公報において、先端に開口を有しないプローブ(探
針)を備えたSNOMを提案している。このSNOM
は、試料の表面近傍に局在しているエバネッセント場を
プローブ(探針)によって散乱させて伝搬光に変換した
際、プローブ(探針)の外側を伝搬する伝搬光即ち散乱
光を例えばプローブの側方に配置された光検出器で検出
することによって、試料の光学情報を得ることができる
ように構成されている。なお、このようなSNOMは、
散乱光をSNOM情報として検出しているため、散乱モ
ードSNOMと呼ばれている。
【0016】なお、河田等は、第42回日本応用物理学
関係連合講演会(予稿集No.3、916頁、1995
年3月)において、STM用金属探針をプローブに使用
した散乱モードSNOM装置を提案している。この散乱
モードSNOM装置では、試料表面と探針先端との間の
距離をフィードバック制御している間、試料表面近傍に
局在しているエバネッセント場から散乱した散乱光を探
針及び試料の横方向から観察することによって、STM
測定と同時に散乱モードSNOM測定を行っている。
【0017】更に、第43回日本応用物理学関係連合講
演会(予稿集No.3、867頁、1996年3月)に
おいて、河田等は、斜め上方から試料に伝搬光を照射し
た際に、探針先端と試料表面との間に生じる多重散乱状
態を検出することによって散乱モードSNOM測定が可
能であることを報告している。
【0018】同様に、Opt.Lett.20(1995)p.1924 におい
て、バケロット(Bachelot)等は、先端に開口が形成さ
れていない散乱用プローブを用いた散乱モードSNOM
装置を報告している。
【0019】また、佐々木等は、第57回日本応用物理
学会学術講演会(予稿集No.3、774頁、1996
年10月)において、プローブとしてAFM用マイクロ
カンチレバー(例えば、特開平8−313541号公
報、特開平7−311207号公報参照)を用いた散乱
モードSNOM装置を報告している。
【0020】更に、シルバ(Silva )等は、文献「Appl.P
hys.Lett.65(6) p.658(1994)」において、半球状のガラ
スの平面部分に20〜40nm径の銀製小片を付したプ
ローブ(プラズモンプローブ)を用いて、光磁気記録媒
体の記録マークを検出する方法を提案している。この方
法では、プラズモン共鳴近傍の波長を有するレーザー光
を暗視野照明技術に基づいて銀製小片に照射することに
よって、この銀製小片からの散乱光の強度を増強させて
いる。
【0021】現在では、上述したようなAFM技術や散
乱モードSNOM技術を応用した情報記録方法が提案さ
れている。まず、AFM技術を応用した情報記録方法に
よれば、マーミン(H.J.Mamin )等の文献「Appl.Phys.
Lett.61(1992) p.1003」において、先端径が10nm程
度に先鋭化した探針を有するAFM用カンチレバーを用
いることによって、10Gbit/inch2 の高密度記録を実
現している。具体的には、高速記録を図るため、高速で
回転させたポリメタクリル酸メチル(PMMA)から成
る記録媒体を用いており、この記録媒体に対してPMM
Aの融点よりも高温に加熱した探針を接触させることに
よって、記録媒体に対して凹凸状のピットを機械的に記
録している。このような記録方法において、探針は、記
録媒体を通してレーザー光を照射することによって加熱
されている。また、AFM用カンチレバーは、一般的な
半導体製造プロセス技術を利用して作製することができ
る。この結果、記録媒体には、約150nm×150n
m程度の径を有する微細なピットを形成することができ
る。
【0022】なお、記録媒体に記録された情報の再生方
法もAFM技術を応用して行われており、AFM測定方
法によってピットの有無を検出し、その検出データに信
号処理を施すことによって情報が再生される。
【0023】一方、SNOM技術を応用した情報記録方
法によれば、ベテッヒ(Betzig)等の文献「Appl.Phys.
Lett.61(1992)p.142」において、先端に開口が形成され
た開口プローブを用いたSNOM装置が提案されてお
り、この開口プローブから光磁気記録媒体に光を照射し
て磁化方向を反転させることによって、所望の情報を記
録している。この場合、光磁気記録媒体上には、直径が
約60nm程度のスポットが形成されるため、40〜1
00Gbit/inch2 の高密度記録が実現される。また、ホ
サカ(Hosaka)等の文献「J.Appl.Phys.79(1996)p.808
2」にも開口プローブを用いたSNOM装置が提案され
ており、この開口プローブから相変化型記録媒体に光を
照射し、その部分を加熱して相変化させることによっ
て、所望の情報を記録している。この場合、相変化型記
録媒体上には、直径が約60nm程度のスポットが形成
されるため、上記同様の高密度記録が実現される。
【0024】なお、上記各記録媒体に記録された情報の
再生方法もSNOM技術を応用して行われている。即
ち、光磁気記録媒体に記録された情報の再生において、
光磁気記録媒体にSNOM測定用光を照射しながらプロ
ーブを走査した際、散乱光の偏光角の回転状態を検出す
ることによって、情報を再生している。一方、相変化型
記録媒体に記録された情報の再生において、相変化型記
録媒体にSNOM測定用光を照射しながらプローブを走
査した際、反射率の相違に起因した散乱光の光強度の変
化を検出することによって、情報を再生している。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、開口プ
ローブを応用した情報記録方法では、開口プローブから
記録媒体に照射する光の光量(即ち、熱エネルギー)が
少ないため、光の回折限界を越えるような微小領域への
情報の記録ができないだけで無く、更に、情報記録に要
する時間がかかり過ぎるといった問題点がある。照射光
量を増加させるためには、開口を拡げれることも考えら
れるが、開口を拡げた場合には、高密度記録を実現でき
なくなってしまうといった問題が生じる。
【0026】また、このような問題は、開口の無い散乱
用プローブを用いることによって解消することは可能で
あるが、散乱用プローブを用いた情報記録方法におい
て、通常用いられているようなカンチレバーや金属針を
適用すると、プローブ固有の共振周波数によってプロー
ブの駆動周波数が制限されてしまうため、実用化に必要
なデータ転送レートを達成することができなくなってし
まうといった問題が生じる。
【0027】一方、AFM技術を応用した情報記録方法
では、記録媒体上に機械的にピットを形成しているた
め、記録した情報の消去して、新たな情報を重ね書きで
きないといった問題がある。更に、AFM技術を応用し
た情報記録方法では、機械的にピットを形成することが
可能な記録媒体しか利用することができないため、記録
媒体の種類に一定の制限があるといった問題もある。
【0028】本発明は、このような課題を解決するため
に成されており、その目的は、記録媒体の種類を問わ
ず、回折限界を越える微小領域に高密度で且つ高速に所
望の情報を記録することが可能な情報記録方法及び情報
記録装置、並びに、高密度記録された情報を再生するこ
とが可能な情報再生装置を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の情報記録方法は、保持部材によって
固定された波長以下の散乱体を媒体に近接させ、散乱体
に集束光を照射し、散乱体によって散乱された散乱光を
熱源として用いることによって情報の記録を行う。
【0030】また、本発明は、光によって記録媒体に情
報を記録する情報記録及び/又は再生装置において、光
の波長以下の散乱体と、この散乱体を記録媒体に近接さ
せる変位機構と、散乱体に集束光を照射する照射機構と
を備えており、散乱体によって散乱された前記集束光の
少なくとも一部を熱源として用いることによって、情報
の記録を行う。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態に係
る情報記録再生装置について、添付図面を参照して説明
する。図1(a),(b)には、夫々、本実施の形態の
情報記録再生装置に適用可能な光学ヘッド即ちプローブ
100が示されており、図2には、このようなプローブ
100が組み込まれた情報記録再生装置の構成が示され
ている。
【0032】図1(a),(b)に示すように、本実施
の形態に適用可能なプローブ100は、夫々、光の波長
以下の微小な散乱体102と、この散乱体102を保持
する保持部材101とから構成されている。
【0033】図2に示すように、本実施の形態の情報記
録再生装置には、プローブ100に対向して記録媒体1
をセット可能なアクチュエータ(例えば、圧電体チュー
ブスキャナ)4が設けられており、このアクチュエータ
4は、支持部材2を介して回転駆動体3に固定されてい
る。
【0034】回転駆動体3及びアクチュエータ4は、夫
々、駆動回路5を介してコントローラ6に電気的に接続
されており、駆動回路5は、コントローラ6から出力さ
れる制御信号に基づいて、回転駆動体3を所定方向に高
速回転させると共に、アクチュエータ4を所定方向に所
定量だけ変位させる。この結果、記録媒体1とプローブ
100との間の位置合わせを行うことができると共に、
記録媒体1とプローブ100との間の距離を調整するこ
とができる。
【0035】なお、本実施の形態に適用可能な記録媒体
1としては、光や熱を作用させることによって、その物
理的性質が局所的に変化する媒体(例えば、光磁気記録
媒体や相変化型記録媒体など)であれば、その種類は限
定されることは無い。
【0036】このような構成によれば、情報の記録時又
は再生時に、変位センサ7から出力される変位信号に基
づいて、コントローラ6から所定の制御信号を駆動回路
5に出力することによって、アクチュエータ4にセット
した記録媒体1を三次元方向に移動(高速回転)させな
がら、情報の高速記録又は高速再生を行うことが可能と
なる。なお、このような高速記録又は高速再生時の記録
媒体1に対するトラッキング制御は、アクチュエータ4
を所定方向に所定量だけ変位させることによって行われ
る。
【0037】また、本実施の形態の情報記録再生装置に
は、後述する記録用レーザー光及び再生用レーザー光の
いずれか一方を選択的に出射可能なレーザー光源10
と、このレーザー光源10の偏光方向を必要に応じて変
化させるための偏光子9と、レーザー光源10から出射
したレーザー光をプローブ100に集光させる集光レン
ズ8と、レーザー光源10の光量を調整するためのフィ
ルタ(図示しない)とが設けられている。なお、集光レ
ンズ8は、その焦点位置にプローブ100の散乱体10
2が位置付けられるように、位置調整することができる
ように構成されている。
【0038】次に、本実施の形態の情報記録方法につい
て説明する。従来の情報記録(光磁気記録や光相変化記
録)方法では、記録用レーザー光をスポット照射して記
録媒体1を直接加熱し、記録媒体1の物理的性質を変化
させることによって、情報の記録が行われている。例え
ば、記録媒体1として光磁気記録媒体を用いた場合に
は、キュリー温度以上に光磁気記録媒体を加熱して磁化
方向を反転させることによって情報の記録が行われ、記
録媒体1として相変化型記録媒体を用いた場合には、こ
の相変化型記録媒体を融点以上に加熱してアモルファス
から結晶に変化させることによって情報の記録が行われ
る。
【0039】これに対して、本実施の形態の情報記録方
法には、レーザー光源10が用いられる。レーザー光
は、集光レンズ8によって決まる回折限界の領域に集光
して、この領域の温度を上昇させる。このときレーザー
光によって、この領域の温度上昇が、記録媒体1の物理
的性質を変化させるまでに至らないようにする必要があ
る。しかしながら、プローブ100の散乱体102と記
録媒体1との間の空間距離は、後述するように非常に微
小に保たれているため、熱の発散が起こり難く散乱体1
02の先端部では輻射熱等によって温度が上昇する。
【0040】つまり、本実施の形態の情報記録方法で
は、まず、プローブ100の散乱体102に記録用レー
ザー光を集光して散乱光を発生させる。そして、この散
乱光によって、散乱体102の先端径又はこれと略同程
度の記録媒体1上の局所領域が選択的に且つ間接的に加
熱され、記録媒体1に対する情報の記録が行われる。
【0041】このように記録用レーザー光を散乱体10
2に集光させた状態において、プローブ100からの反
射光は、対物レンズ13からハーフミラー70を介して
変位センサ7に入力される。このとき、変位センサ7
は、反射光の光学的変化に基づいて、プローブ100と
記録媒体1との間の相対的な変位をモニタして、その変
位信号をコントローラ6に出力する。コントローラ6
は、変位信号に基づいて、所定の制御信号を出力する。
そして、コントローラ6から出力される制御信号に基づ
いて、アクチュエータ4を駆動することによって、プロ
ーブ100を記録媒体1にナノメートルオーダ又はそれ
以下のオーダで接近させて維持するフィードバック制御
が行われる。
【0042】このようなフィードバック制御中、記録用
レーザー光によって加熱された散乱体102の先端から
記録媒体1に熱伝導が発生して、記録媒体1の物理的性
質を変化させることによって、回折限界を越えた微小な
領域に情報が記録される。
【0043】具体的には、記録媒体1として光磁気記録
媒体を用いた場合には、散乱体102からの熱伝導によ
って光磁気記録媒体の局所領域がキュリー温度以上に加
熱され、その領域の磁化方向が反転する。この場合、光
磁気記録媒体のうち、散乱体102の先端径又はこれと
略同程度の局所領域に情報が記録される。従って、光磁
気記録媒体に対する高密度記録(即ち、回折限界を越え
る微小領域に対する高密度記録)を実現することができ
る。
【0044】同様に、記録媒体1として相変化型記録媒
体を用いた場合には、散乱体102の先端からの熱伝導
によって相変化型記録媒体の局所領域が所定温度以上に
加熱され、その領域がアモルファスから結晶へ変位す
る。この場合も、相変化型記録媒体のうち、散乱体10
2の先端径又はこれと略同程度の局所領域に情報が記録
される。従って、相変化型記録媒体に対する高密度記録
(即ち、回折限界を越える微小領域に対する高密度記
録)を実現することができる。
【0045】更に、本実施の形態の情報記録方法では、
回転駆動体3によって記録媒体1を高速回転させながら
情報の記録が行われるため、情報の高速記録と高密度記
録を同時に実現することが可能である。
【0046】なお、情報記録動作中、アクチュエータ4
によって記録媒体1を移動制御することによって、プロ
ーブ100の散乱体102先端と記録媒体1との間のト
ラッキング制御が行われる。この場合、所望の情報が信
号化されたデータ信号に基づいてコントローラ6からア
クチュエータ4に制御信号を出力して、アクチュエータ
4を制御することによって、記録媒体1に対する散乱体
102の接離動作を制御することができる。この結果、
記録媒体1に所望の情報を時系列的に記録することが可
能となる。
【0047】また、光の吸収率が高く且つ効率良く輻射
熱を放出可能な材料(例えば、金)をプローブ100の
散乱体102の表面にコーティングすることによって、
記録の効率を上げることができる。
【0048】更に、図2に示すように、記録用レーザー
光をプローブ100の保持部材101を介して散乱体1
02に集光させる方法では、保持部材101として、記
録用レーザー光を透過可能な透明部材を適用することが
好ましい。これに対して、記録用レーザー光を記録媒体
1を介してプローブ100の散乱体102に集光させる
方法では、記録媒体1として、記録用レーザー光を透過
可能な透明記録媒体を適用することが好ましい。
【0049】このように本実施の形態によれば、記録媒
体の種類を問わず、回折限界を越える微小領域に高密度
で且つ高速に所望の情報を記録することが可能な情報記
録方法及び情報記録装置を実現することができる。
【0050】なお、上述の実施の形態では、その一例と
して、熱的記録方法を説明したが、光化学変化を利用し
た記録方法にも本実施の形態の情報記録方法及び情報記
録装置を適用することができる。
【0051】また、上述した実施の形態の変形例に係る
情報記録方法として、プローブ100の散乱体102に
表面プラズモンを励起させることによって、プローブ1
00からの輻射熱を用いた情報記録の効率を上げること
が可能である。
【0052】この変形例の情報記録方法では、上述した
実施の形態と同様の構成で記録を行うが、表面プラズモ
ンを励起させるために、レーザー光源10からの記録用
レーザー光を偏光子9によって所定の偏光(例えば、p
偏光)に制御すると共に、自由電子を有する金属材料で
散乱体102を形成する必要がある。
【0053】そして、実際の情報記録に際し、偏光子9
によって偏光が制御された記録用レーザー光を集光レン
ズ8を介して散乱体102に集光させる。このとき、散
乱体102に励起された表面プラズモンと記録媒体1と
の相互作用によって、散乱体102の先端径又はこれと
略同程度の局所領域に対応した記録媒体1の局所領域の
状態が効率良く変化する。この結果、記録媒体1に対す
る情報の記録が効率良く行われる。
【0054】なお、散乱体102として、表面プラズモ
ンを励起し易い物質(例えば、銀、金など)を用いるこ
とによって、記録効率をより一層向上させることが可能
である。
【0055】また、上述した実施の形態の変形例に係る
情報記録方法及び情報記録装置において、例えば図3に
示すように、記録媒体1を加熱する加熱機構を別途用い
ても良い。
【0056】本変形例に適用した加熱機構は、加熱用レ
ーザー光源15と、この加熱用レーザー光源15から出
射された加熱用レーザー光を記録媒体1に照射させる加
熱用レンズ14とを備えている。
【0057】加熱用レンズ14としては、加熱用レーザ
ー光を記録媒体1に集光させる集光レンズを適用するこ
とが好ましい。集光レンズを適用した場合、加熱用レー
ザー光を記録媒体1に集光させることができるため、集
光レンズを適用しない場合に比べて記録効率を向上させ
ることが可能となる。
【0058】本変形例の情報記録では、加熱用レーザー
光源15から加熱用レンズ14を介して記録媒体1に加
熱用レーザー光を集光させた際、この加熱用レーザー光
によって記録媒体1が加熱されて、この記録媒体1の状
態(例えば、物理的性質)が変化しないように(具体的
には、情報の記録や消去が生じないように)、加熱用レ
ーザー光源15の出力が制御される。
【0059】具体的には、記録媒体1の状態が変化する
直前のギリギリの温度まで記録媒体1を加熱するよう
に、加熱用レーザー光源15の出力が制御される。例え
ば、記録媒体1として光磁気記録媒体を用いた場合に
は、その磁化方向が反転するキュリー温度の直前の温度
まで光磁気記録媒体が加熱されるように、加熱用レーザ
ー光源15の出力が制御される。また、例えば、記録媒
体1として300℃で相変化する相変化型記録媒体を用
いた場合には、300℃の直前の温度(例えば、299
℃)まで相変化型記録媒体が加熱されるように、加熱用
レーザー光源15の出力が制御される。
【0060】そして、実際の情報記録では、加熱用レー
ザー光を記録媒体1に集光させて記録媒体1の状態が変
化する直前のギリギリの温度まで加熱した状態におい
て、レーザー光源10からの記録用レーザー光をプロー
ブ100の散乱体102に集光して散乱光を発生させ
て、散乱体102の先端径又はこれと略同程度の局所領
域を選択的に且つ間接的に加熱することによって、記録
媒体1に対する情報の記録が効率よく行われる。
【0061】本変形例の情報記録方法及び情報記録装置
によれば、加熱用レーザー光によって記録媒体1の状態
が変化するギリギリの温度まで記録媒体1を加熱してい
るため、散乱光によって記録媒体1を加熱するための温
度が低くて済む。この結果、記録媒体1に対する熱的影
響を少なくすることができると共に、局所的に記録媒体
1の加熱が行われるため、加熱による記録効率を上げる
ことが可能となる。
【0062】なお、本変形例の情報記録方法及び情報記
録装置では、加熱機構を別途適用しているが、これに限
定されることは無く、例えばレーザー光源10を加熱用
レーザー光源として用いることも可能である。
【0063】また、記録媒体1の加熱は、上述したよう
な光学的方法に限定されることは無く、例えば、記録媒
体1をヒータ等で電気的に加熱しても良い。更に、記録
媒体1の作製プロセス中に、記録媒体加熱用発熱体(図
示しない)を記録媒体1に作り込んでも良い。記録媒体
加熱用発熱体としては、例えば、通電によって所望の温
度に発熱可能なピエゾ抵抗層を適用することができる。
この場合、情報記録中に、ピエゾ抵抗層に電流を供給し
てピエゾ抵抗層を発熱させることによって、記録媒体1
を電気的に加熱することができる。
【0064】次に、上記情報記録方法によって所望の情
報が高密度記録された記録媒体1から情報を高速に再生
する情報再生方法及び情報再生装置について説明する。
図2及び図3に示すように、本実施の形態の情報再生装
置は、散乱体102から発生させた散乱光によって、記
録媒体1の記録状況を検出することができるように構成
されている。
【0065】このような構成において、レーザー光源1
0から必要に応じて偏光子9を介して射出された再生用
レーザー光が、集光レンズ8によってプローブ100の
散乱体102に集光すると、この散乱体102から散乱
光が発生する。
【0066】このとき、散乱体102と記録媒体1との
間の距離がナノメートル以下に接近している場合、散乱
光と記録媒体1が相互作用することによって、散乱光に
は、記録媒体1の光学的特性が反映される。
【0067】具体的には、記録媒体1が相変化型記録媒
体である場合、散乱光は、微小な領域(散乱体102の
先端径又は又はこれと略同程度の局所領域)内の相変化
に対応した反射率分布を反映している。また、記録媒体
1が光磁気記録媒体である場合、散乱光は、微小な領域
(散乱体102の先端径又は又はこれと略同程度の局所
領域)内の磁化方向に対応した偏光角の回転分布を反映
している。
【0068】このような光学的特性を有する散乱体10
2からの散乱光は、対物レンズ13からハーフミラー7
0を介して取り込まれた後、必要に応じて検光子11等
を介して散乱光検出ユニット72に入射する。
【0069】このような情報再生では、偏光子9によっ
て再生用レーザー光の偏光角を制御しておけば、検光子
11によって特定の偏光成分を有する散乱光を精度良く
選別することができる。特に、記録媒体1として光磁気
記録媒体を用いている場合には、この検光子11によっ
て、磁化方向に対応した偏光角成分を有する散乱光のみ
を精度良く散乱光検出ユニット72に入射させることが
できる。
【0070】散乱光検出ユニット72は、レンズ74と
ピンホール76と散乱光検出器(例えば、光電子増倍
管)12とを備えており、対物レンズ13を介して散乱
光検出ユニット72に入射した散乱光は、レンズ74か
らピンホール76を介して散乱光検出器12に導光され
る。
【0071】散乱光検出器12は、受光した散乱光の光
量に対応した電気信号をコントローラ6に出力するよう
に制御されており、この電気信号に基づいて、情報の再
生が行われる。
【0072】具体的には、記録媒体1として相変化型記
録媒体が用いられている場合、情報記録領域と未記録領
域とで散乱光の反射率が相違する。また、記録媒体1と
して光磁気記録媒体が用いられている場合、情報記録領
域と未記録領域とで偏光角の回転状態が相違する。従っ
て、このように反射率又は偏光角の回転状態の異なる散
乱光を散乱光検出器12を介して検出することによっ
て、記録媒体1に高密度記録された情報を高速に再生す
ることができる。
【0073】次に、上述したような本実施の形態の情報
記録方法及び情報記録再生装置に適用可能なプローブ1
00について、図4を参照して説明する。図4(a)〜
(d)に示すように、プローブ100の散乱体102
は、入射光を波長以下の領域内で散乱させるように、そ
の先端径が入射光の波長の1/2以下に設計する必要が
ある。特に、散乱体102の先端径の大きさによって、
記録及び再生の解像度が決まるため、散乱体102の先
端径は、数十ナノメートル以下であることが好ましい。
なお、このような微小な散乱体102は、例えば銀や金
等の金属材料で形成することができる。
【0074】また、散乱体102を保持する保持部材1
01は、記録用及び再生用レーザー光が散乱体102に
透過照射されるように透明部材で形成することが好まし
い。従って、記録用及び再生用レーザー光として可視光
を用いる場合、例えばガラスや石英等を適用することが
できる。また、記録用及び再生用レーザー光として赤外
光を用いる場合、例えばガラスやシリコン等を適用する
ことができる。
【0075】特に図4(c),(d)に示すように、保
持部材101が透明なレンズ状に形成されている場合、
集光レンズ8を用いること無く、記録用及び再生用レー
ザー光を散乱体102に集光させることができる。この
ため、記録光学系及び再生光学系の構成を簡略化するこ
とが可能となる。
【0076】なお、保持部材101として固体液浸レン
ズ(図示しない)を用いた場合、この固体液浸レンズ
は、通常のレンズに比べて、その開口数(NA)が高い
ため、散乱体102に対して記録用及び再生用レーザー
光を高密度で且つ高パワーで集光させることができる。
この結果、記録効率及び再生効率を上げることが可能と
なる。
【0077】また、図5(a),(b)に示すように、
プローブ100の散乱体102が記録媒体1(図2及び
図3参照)に対向するように、プローブ100をスライ
ダー114に取り付けて光学ヘッドを構成しても良い。
【0078】スライダー114は、情報の記録時及び再
生時において、高速回転している記録媒体1から数十ナ
ノメートル以下の距離を維持しつつ、記録媒体1上に浮
上させることができるように構成されている。従って、
このスライダー114に取り付けられたプローブ100
の散乱体102は、記録媒体1に対して数十ナノメート
ル以下の距離に近接して位置付けられる。
【0079】この場合、記録用及び再生用レーザー光が
保持部材101を介して散乱体102に照射されるよう
に、スライダー114は、光を透過することが可能な材
料で形成することが好ましい。なお、散乱体102をス
ライダー114に直接取り付けるても良い。
【0080】このような構成によれば、記録時及び再生
時において、記録媒体1又はプローブ100のラスター
スキャンでは実現することが困難な記録及び再生の高速
化を実現することができる。更に、散乱体102をスラ
イダー114に直接取り付けることによって、光学ヘッ
ドの構成をよりコンパクトにすることができる。
【0081】また、図6(a),(b)に示すように、
プローブ100の代わりに、例えばシリコン製のいわゆ
るテトラヘドラルタイプのカンチレバーチップ200を
適用しても良い。
【0082】カンチレバーチップ200は、支持部20
3と、この支持部203から延出したカンチレバー20
1と、このカンチレバー201の先端に設けられた四面
体形状の探針202とから構成されている。
【0083】カンチレバー201は、その先端が二等辺
三角形状に形成された短冊形状を成しており、探針20
2は、その先端206がカンチレバー201の先端20
5の鉛直上に位置付けられるように形成されている。ま
た、カンチレバー201の背面(探針202が形成され
た面とは反対側の面)には、所定の厚さを有する高反射
膜204(例えば、アルミニウム膜)がコーティングさ
れている。
【0084】カンチレバー201は、その先端が変位自
在に構成されており、このカンチレバー201の変位状
態は、上述した変位センサ7(図2及び図3参照)によ
って光学的に測定することができるようになっている。
【0085】このようなカンチレバーチップ200をプ
ローブとして用いる場合、探針202が散乱体として作
用する。また、カンチレバー201が透明であれば、記
録用及び再生用レーザー光をカンチレバー201を透過
させて探針202先端に照射することができる。一方、
カンチレバー201が不透明であれば、カンチレバー2
01を回避した方向から記録用及び再生用レーザー光を
探針202先端に照射する。
【0086】このようなカンチレバー201は、従来の
SNOM用カンチレバーと同じような動作をさせるわけ
ではないため、従来のような記録速度に関する問題は起
きないと共に、シリコンプロセスで一体成形できるた
め、製造プロセスが簡略化して製造コストを低減するこ
とができる。
【0087】また、最近では、探針202とカンチレバ
ー201の先端部分が透明なカンチレバーチップ200
も開発されており、このようなカンチレバーチップ20
0を用いることによって、カンチレバー201を透過し
て記録用及び再生用レーザー光を探針202先端に照射
することができる。
【0088】また、このようなカンチレバーチップ20
0も、図5に示すように、スライダー114に取り付け
ることが可能であり、一方、スライダー114自体をシ
リコンプロセスで作製して、このスライダー114に散
乱体102を直接取り付けて光学ヘッドをコンパクトに
形成することも可能である。
【0089】なお、本明細書中には、以下の発明が含ま
れる。付記1. 保持部材によって固定された波長以下
の散乱体を媒体に近接させ、前記散乱体に集束光を照射
し、前記散乱体によって散乱された散乱光を熱源として
用いることによって、情報の記録を行うことを特徴とす
る情報記録及び/又は再生方法。 (構成、作用効果)この発明によれば、保持部材に固定
された光の波長以下の散乱体からの散乱光を熱源として
用いることによって、記録媒体の種類を問わず、微小領
域に高密度で且つ高速に所望の情報を記録することが可
能な情報記録方法を実現することができる。付記2.
光によって記録媒体に情報を記録する情報記録及び/又
は再生装置において、光の波長以下の散乱体と、この散
乱体を記録媒体に近接させる変位機構と、前記散乱体に
集束光を照射する照射機構とを備えており、前記散乱体
によって散乱された前記集束光の少なくとも一部を熱源
として用いることによって、情報の記録を行うことを特
徴とする情報記録及び/又は再生装置。 (構成、作用効果)この発明によれば、光の波長以下の
散乱体からの散乱光を熱源として用いることによって、
記録媒体の種類を問わず、微小領域に高密度で且つ高速
に所望の情報を記録することが可能な情報記録装置を実
現することができる。付記3. 情報再生時において、
前記照射機構から照射される集束光の光強度を減光する
減光手段と、前記散乱体から散乱した散乱光を検出する
光検出手段と、この光検出手段によって検出された検出
信号を電気的に処理する電気処理手段とを更に備えてい
ることを特徴とする付記2に記載の情報記録及び/又は
再生装置。 (構成、作用効果)この発明によれば、照射機構から照
射された集束光を散乱体によって散乱させて、その散乱
光を検出することによって、微小領域に記録された情報
を光学的に再生することができる。付記4. 前記照射
機構は、前記散乱体と前記媒体との間にプラズモンを励
起させる機構を有することを特徴とする付記2に記載の
情報記録及び/又は再生装置。 (構成、作用効果)この発明によれば、散乱体に表面プ
ラズモンを効率良く励起させることによって、散乱体か
らの輻射熱を用いた情報記録の効率を上げることができ
る。付記4´. 前記プラズモンを励起させる機構は、
偏光素子であることを特徴とする付記4に記載の情報記
録及び/又は再生装置。 (構成、作用効果)この発明によれば、集束光の偏光を
制御して、散乱体に表面プラズモンを効率良く励起させ
るこによって、散乱体からの輻射熱を用いた情報記録の
効率を上げることができる。付記5. 前記照射機構
は、前記記録媒体の物理的状態が変化する温度よりも低
く前記記録媒体を加熱することを特徴とする付記2又は
付記4に記載の情報記録及び/又は再生装置。 (構成、作用効果)この発明によれば、記録媒体に対す
る熱的影響を少なくすることができると共に、局所的に
記録媒体の加熱が行われるため、加熱による記録効率を
上げることが可能となる。付記6. 前記記録媒体を加
熱する加熱機構を更に備えていることを特徴とする付記
2又は付記4に記載の情報記録及び/又は再生装置。 (構成、作用効果)この発明によれば、加熱機構によっ
て所望の温度まで記録媒体を加熱しているため、散乱光
によって記録媒体を加熱するための温度が低くて済む。
この結果、記録媒体に対する熱的影響を少なくすること
ができると共に、局所的に記録媒体の加熱が行われるた
め、加熱による記録効率を上げることが可能となる。付
記7. 前記加熱機構による前記記録媒体の加熱は、前
記記録媒体の物理的状態が変化する温度よりも低いこと
を特徴とする付記6に記載の情報記録及び/又は再生装
置。 (構成、作用効果)この発明によれば、記録媒体の状態
(例えば、物理的性質)が変化する直前のギリギリの温
度まで記録媒体を加熱しているため、散乱光によって記
録媒体を加熱するための温度が低くて済む。この結果、
記録媒体に対する熱的影響を少なくすることができると
共に、局所的に記録媒体の加熱が行われるため、加熱に
よる記録効率を上げることが可能となる。付記8. 前
記加熱機構は、集束光を射出することを特徴とする付記
6又は付記7に記載の情報記録及び/又は再生装置。 (構成、作用効果)この発明は、集束光を記録媒体に照
射することによって、記録した微小領域を含む集束光の
直径程度の領域だけを効率よく加熱することができる。
この結果、記録媒体に対する熱的影響を少なくすること
ができると共に、局所的に記録媒体の加熱が行われるた
め、加熱による記録効率を上げることが可能となる。付
記9. 前記散乱体は、透明媒質の保持部材に固定され
ていることを特徴とする付記2〜付記8のいずれか1に
記載の情報記録及び/又は再生装置。 (構成、作用効果)この発明によれば、保持部材を通し
て集束光を散乱体に照射させることが可能となる。付記
10. 前記保持部材は、前記散乱体に前記照射機構か
らの光束を集光する集光レンズであることを特徴とする
付記9に記載の情報記録及び/又は再生装置。 (構成、作用効果)この発明によれば、集光レンズを用
いること無く、集束光を散乱体に照射させることができ
る。このため、記録光学系及び再生光学系の構成を簡略
化することが可能となる。付記11. 前記保持部材
は、固体液浸レンズであることを特徴とする付記10に
記載の情報記録及び/又は再生装置。 (構成、作用効果)この発明によれば、固体液浸レンズ
は、通常のレンズに比べて開口数(NA)が高いため、
散乱体に対して集束光を高密度で且つ高パワーで集光さ
せることができる。この結果、記録効率及び再生効率を
上げることが可能となる。付記12. 前記散乱体は、
前記保持部材を介してスライダーに取り付けられている
ことを特徴とする付記9〜11のいずれか1に記載の情
報記録及び/又は再生装置。 (構成、作用効果)この発明によれば、記録時及び再生
時において、記録媒体又は散乱体のラスタースキャンで
は実現することが困難な記録及び再生の高速化を実現す
ることができる。付記13. 前記保持部材は、スライ
ダーであることを特徴とする付記9に記載の情報記録及
び/又は再生装置。 (構成、作用効果)この発明によれば、記録時及び再生
時において、記録媒体又は散乱体のラスタースキャンで
は実現することが困難な記録及び再生の高速化を実現す
ることができると共に、散乱体をスライダーに直接取り
付けることによって、光学ヘッドの構成をよりコンパク
トにすることができる。付記14. 前記散乱体は、シ
リコンプロセスで作製されていることを特徴とする付記
2〜9のいずれか1に記載の情報記録及び/又は再生装
置。 (構成、作用効果)この発明によれば、散乱体をシリコ
ンプロセスで保持部材と共に一体成形できるため、製造
プロセスが簡略化され製造コストを低減することができ
る。付記15. 前記散乱体は、保持部材を介してスラ
イダーに取り付けられていることを特徴とする付記14
に記載の情報記録及び/又は再生装置。 (構成、作用効果)この発明によれば、記録時及び再生
時において、記録媒体又は散乱体のラスタースキャンで
は実現することが困難な記録及び再生の高速化を実現す
ることができる。付記16. 前記散乱体は、スライダ
ーと一体に形成されていることを特徴とする付記15に
記載の情報記録及び/又は再生装置。 (構成、作用効果)この発明によれば、記録時及び再生
時において、記録媒体又は散乱体のラスタースキャンで
は実現することが困難な記録及び再生の高速化を実現す
ることができると共に、散乱体をスライダーに直接取り
付けることによって、光学ヘッドの構成をよりコンパク
トにすることができる。付記17. 前記照射機構は、
照射する光の偏光を制御する偏光制御手段を有してお
り、前記光検出手段は、前記散乱光の偏光を選別する偏
光選別手段を有していることを特徴とする付記3に記載
の情報記録及び/又は再生装置。 (構成、作用効果)この発明によれば、偏光制御手段に
よって集束光の偏光角を制御しておけば、偏光選別手段
によって特定の偏光成分を有する散乱光を精度良く選別
することができる。この結果、記録媒体に高密度記録さ
れた情報を高速に再生することができる。付記18.
光によって記録媒体に情報を記録する情報記録及び/又
は再生装置において、光の波長以下の散乱体と、この散
乱体を記録媒体に近接させる変位機構と、前記散乱体に
集束光を照射する照射機構とを備えており、前記散乱体
によって散乱された前記集束光の少なくとも一部を用い
ることによって、情報の記録を行うことを特徴とする情
報記録及び/又は再生装置。 (構成、作用効果)この発明によれば、光の波長以下の
散乱体からの散乱光を熱源として用いることによって、
記録媒体の種類を問わず、微小領域に高密度で且つ高速
に所望の情報を記録することが可能な情報記録再生装置
を実現することができる。付記19. 情報再生時にお
いて、前記照射機構から照射される集束光の光強度を減
光し、前記減光手段を経て前記散乱体に照射され、前記
散乱体から散乱した散乱光を検出し、この光検出手段に
よって検出された検出信号を電気的に処理することを特
徴とする付記1に記載の情報記録及び/又は再生方法。 (構成、作用効果)この発明によれば、照射機構から照
射された集束光を散乱体によって散乱させて、その散乱
光を検出することによって、微小領域に記録された情報
を光学的に再生することができる。付記20. 前記記
録媒体を加熱することを特徴とする付記1又は付記19
に記載の情報記録及び/又は再生装置。 (構成、作用効果)この発明によれば、加熱機構によっ
て所望の温度まで記録媒体を加熱しているため、散乱光
によって記録媒体を加熱するための温度が低くて済む。
この結果、記録媒体に対する熱的影響を少なくすること
ができると共に、局所的に記録媒体の加熱が行われるた
め、加熱による記録効率を上げることが可能となる。
【0090】
【発明の効果】本発明によれば、記録媒体の種類を問わ
ず、回折限界を越える微小領域に高密度で且つ高速に所
望の情報を記録することが可能な情報記録方法及び情報
記録再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は、夫々、本発明の一実施の形
態の情報記録再生装置に適用可能なプローブの構成を示
す図。
【図2】本発明の一実施の形態に係る情報記録再生装置
の構成を示す図。
【図3】本発明の変形例に係る情報記録再生装置の構成
を示す図。
【図4】(a)〜(d)は、夫々、本発明の一実施の形
態の情報記録再生装置に適用可能なプローブにレーザー
光を集光させている状態を示す図。
【図5】本発明に適用可能なプローブをスライダーに取
り付けた状態を示す図であり、(a)は、その斜視図、
(b)は、同図(a)の背面図。
【図6】本発明の一実施の形態の情報記録再生装置に適
用可能なカンチレバーチップの構成を示す図であって、
(a)は、その斜視図、(b)は、同図(a)のb−b
線に沿う断面図。
【符号の説明】
1 記録媒体 100 プローブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保持部材によって固定された波長以下の
    散乱体を媒体に近接させ、前記散乱体に集束光を照射
    し、前記散乱体によって散乱された散乱光を熱源として
    用いることによって情報の記録を行うことを特徴とする
    情報記録及び/又は再生方法。
  2. 【請求項2】 光によって記録媒体に情報を記録する情
    報記録及び/又は再生装置において、 光の波長以下の散乱体と、 この散乱体を記録媒体に近接させる変位機構と、 前記散乱体に集束光を照射する照射機構とを備えてお
    り、 前記散乱体によって散乱された前記集束光の少なくとも
    一部を熱源として用いることによって、情報の記録を行
    うことを特徴とする情報記録及び/又は再生装置。
  3. 【請求項3】 情報再生時において、前記照射機構から
    照射される集束光の光強度を減光する減光手段と、 前記減光手段を経て前記散乱体に照射され、前記散乱体
    から散乱した散乱光を検出する光検出手段と、 この光検出手段によって検出された検出信号を電気的に
    処理する電気処理手段とを更に備えていることを特徴と
    する請求項2に記載の情報記録及び/又は再生装置。
JP10052181A 1998-03-04 1998-03-04 情報記録及び/又は再生方法、並びに、情報記録及び/又は再生装置 Withdrawn JPH11250460A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10052181A JPH11250460A (ja) 1998-03-04 1998-03-04 情報記録及び/又は再生方法、並びに、情報記録及び/又は再生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10052181A JPH11250460A (ja) 1998-03-04 1998-03-04 情報記録及び/又は再生方法、並びに、情報記録及び/又は再生装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11250460A true JPH11250460A (ja) 1999-09-17

Family

ID=12907648

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10052181A Withdrawn JPH11250460A (ja) 1998-03-04 1998-03-04 情報記録及び/又は再生方法、並びに、情報記録及び/又は再生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11250460A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6614742B2 (en) 1999-12-14 2003-09-02 Fuji Xerox, Ltd. Optical head, magneto-optical head, disk apparatus and manufacturing method of optical head
US6700856B2 (en) 1999-12-28 2004-03-02 Fuji Xerox Co., Ltd. Optical head, magneto-optical head, disk apparatus and manufacturing method of optical head
US6949732B2 (en) 2001-07-18 2005-09-27 Hitachi Ltd. Optical apparatuses using the near-field light
US7406005B2 (en) 2002-02-27 2008-07-29 Fujitsu Limited Optical recording medium, memory apparatus, and recording/reproduction method
FR2921192A1 (fr) * 2007-09-17 2009-03-20 Commissariat Energie Atomique Lentille a immersion solide et procede de realisation associe
WO2013057955A1 (ja) * 2011-10-19 2013-04-25 パナソニック株式会社 情報装置及び情報処理を行う方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6614742B2 (en) 1999-12-14 2003-09-02 Fuji Xerox, Ltd. Optical head, magneto-optical head, disk apparatus and manufacturing method of optical head
US6700856B2 (en) 1999-12-28 2004-03-02 Fuji Xerox Co., Ltd. Optical head, magneto-optical head, disk apparatus and manufacturing method of optical head
US6949732B2 (en) 2001-07-18 2005-09-27 Hitachi Ltd. Optical apparatuses using the near-field light
US7406005B2 (en) 2002-02-27 2008-07-29 Fujitsu Limited Optical recording medium, memory apparatus, and recording/reproduction method
EP2012319A1 (en) 2002-02-27 2009-01-07 Fujitsu Limited Optical recording medium, its recording/reproducing apparatus, its storage apparatus, and its recording/reproducing method
FR2921192A1 (fr) * 2007-09-17 2009-03-20 Commissariat Energie Atomique Lentille a immersion solide et procede de realisation associe
WO2013057955A1 (ja) * 2011-10-19 2013-04-25 パナソニック株式会社 情報装置及び情報処理を行う方法
JPWO2013057955A1 (ja) * 2011-10-19 2015-04-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 情報装置及び情報処理を行う方法
US9001632B2 (en) 2011-10-19 2015-04-07 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Information device and method for performing information processing

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7630287B2 (en) Near field optical head and optical recording device
US5602820A (en) Method and apparatus for mass data storage
Hosaka et al. SPM-based data storage for ultrahigh density recording
US5598387A (en) High-density optical data storage unit and method for writing and reading information
Milster Near-field optics: a new tool for data storage
JP4060150B2 (ja) マイクロ集積型近接場光記録ヘッド及びこれを利用した光記録装置
US7738207B2 (en) Optical storage system using an antenna for recording information data to a phase-change type medium
EP1063641B1 (en) Information recording apparatus
JP2002197652A (ja) 高密度情報記録再生装置
JPH11250460A (ja) 情報記録及び/又は再生方法、並びに、情報記録及び/又は再生装置
US5513168A (en) Optical information read/write apparatus
US6584062B1 (en) Near-field optical recording apparatus assistively heating recording medium
JP3574521B2 (ja) 光情報記録媒体再生装置及び再生方法
JPH10222885A (ja) 情報記録再生装置
JP2753590B2 (ja) 高密度メモリー装置
JP2001291258A (ja) 近接場光ヘッド、近接場光ヘッドの作製方法ならびに光情報記録再生装置
Imura et al. Nanoscale modification of phase change materials with near-field light
Jung et al. Near-field fiber tip to handle high input power more than 150 mW
JPH0721564A (ja) 光記録媒体の記録再生方法およびその装置
JP4265941B2 (ja) 光学ヘッド装置および光情報記録再生装置
JP4162317B2 (ja) 近視野光メモリヘッド
JP3953631B2 (ja) 情報再生装置
JP2006030015A (ja) 磁気情報検出装置
JPH11326346A (ja) 光学プローブ、近接場走査型光顕微鏡及び光学装置
JP4370880B2 (ja) 光学素子の製造方法、記録及び/又は再生装置及び光学顕微鏡装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050510