JP2006030015A - 磁気情報検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】再生時にもレーザー光を用い局所的な熱を加えるタイプの光アシスト媒体の記録マーク形状を測定するには、記録マークの測定時にも同様の光を照射しそのビームスポット周辺の測定を行う必要があるが、このようなことが可能な走査型プローブ顕微鏡は今まで存在しなかった。本発明は、レーザー光照射領域、非照射領域およびエッジ部における磁気情報の測定を行うことができる磁気情報検出装置を提供する。
【解決手段】磁気情報検出可能な走査型プローブ顕微鏡が、温度によって磁性が変化する測定対象物14の任意点に光ビーム15を固定して照射する光照射部を備えており、探針111を用いて測定対象物14の磁気情報(測定対象物14の磁化の向きとその磁化の大きさ)を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気情報検出装置に関し、さらに詳しくは、光アシスト媒体や光磁気媒体などの光の熱を利用した磁気記録媒体における磁化の向きやその大きさなどの磁気情報を検出するための磁気情報検出装置に関する。
近年、コンピュータはもとより、音楽、画像、映像を書き換えることのできる保存媒体として、磁気媒体、光磁気媒体、相変化媒体などのディスク型記録媒体が用いられている。特に映像の分野では、放送番組の多チャンネル化・ハイビジョン化により、番組の記録情報量はますます増大しており、記録媒体の高密度化が求められている。次世代の高密度ディスクとしてさまざまな技術が検討されているが、特に、光アシストによる記録再生方式が期待されている。
この方式の特徴は、記録についてはレーザー光を用い高保磁力記録媒体を加熱して保磁力を一時的に下げて外部磁場により情報を記録し、再生については高感度・高分解能の磁気センサーによりその媒体から漏洩磁束を検出して実行することにある。この方式には、低磁場ヘッドを用いて高密度記録可能な熱安定性に優れた高保磁力媒体に記録することが可能であるので、また、レーザービーム径に応じた昇温領域で記録することが可能であるので、レーザー光を波長限界近傍まで集光照射することで高密度記録が可能になるという特徴がある。
また、光アシスト媒体の高密度化の一手法として、再生時にも記録時と同様にレーザー光を集光照射し熱を加える方法がある(例えば、非特許文献1を参照)。また、室温で漏洩磁場が少なく温度が上がると漏洩磁場が大きくなる媒体を用いる方法や、室温と再生温度とで磁化を反転させ中間温度での磁化を消失させる方法で、より高密度の記録マークの再生を可能にしている。
こうした高密度記録媒体の開発において、記録されたマークの形状を再生時と同じ条件で直接観察することが必要である。マークのエッジ部の形状は信号品質に大きな影響を与えるため、エッジ部を詳細に観察することは特に重要である。サブミクロンオーダーの非常に小さいマークであるため、光学顕微鏡では観察することはできず、SEM(電子顕微鏡)や、AFM(原子間力顕微鏡)、STM(トンネル顕微鏡)、SNOM(近接場顕微鏡)などのSPM(走査型プローブ顕微鏡)が用いられる。特に、記録マークが磁気情報を伴う場合には、MFM(磁気力顕微鏡)などの磁気検出可能なSPMが用いられる。
温度によって磁気情報が変化する媒体を測定するために、ヒーターによって測定対象物全体を加熱することの可能なMFMも市販されているが、このようなMFMでは、測定対象物全体を加熱しているため、レーザー光を用いた局所加熱の場合に比べると、記録マークのエッジ部の状態が異なってしまうという問題がある。
前記光アシスト媒体のような、再生時にもレーザー光を集光照射する磁気媒体の評価を正確に行うには、レーザー光を集光照射する集光照射機構を持つSPMが必要である。
このようなSPMとして、特許文献1に開示された装置がある。この装置は、探針にレーザー光を集光照射する機構を有するSTMであり、探針中の磁化の向きをレーザー光によって制御することで、任意方向の磁化状態の検出を可能としている。
特開2000−121310号公報(2000年4月28日公開) シャープ株式会社発行の「シャープ技報」第87号p.32−37(2003年12月発行)
しかしながら、特許文献1の装置では、レーザー光を測定対象物ではなく探針に集光照射しており、レーザー光照射時だけ磁気情報の検出をすることができる構造となっている。このため、レーザー光照射領域における磁気情報しか測定することができず、非照射領域における磁気情報や照射領域と非照射領域との境界(エッジ部)における磁気情報の測定を行うことができないといった問題点がある。
本発明の課題は、このような従来技術の問題点を解決し、レーザー光照射領域、非照射領域およびエッジ部における磁気情報の測定を行うことができる磁気情報検出装置を提供することにある。
本発明の1つの観点によれば、温度によって磁気情報が変化する測定対象物の磁気情報を検出する磁気情報検出部と、この磁気情報検出部を測定対象物の表面で走査させる走査部と、レーザーの光ビームの照射位置を固定した状態でその光ビームを測定対象物の表面に集光スポットができるように照射する光照射部とを備えてなることを特徴とする磁気情報検出装置が提供される。
本発明の他の観点によれば、温度によって磁気情報が変化する測定対象物の磁気情報を検出する磁気情報検出部と、この磁気情報検出部を測定対象物の表面で走査させる走査部と、レーザーの光ビームの照射位置を固定した状態でその光ビームを測定対象物の表面に集光スポットができるように照射する光照射部と、測定対象物の表面内で光ビームを移動させる光移動部とを備えてなり、走査部の走査速さと光移動部の移動速さとが異なることを特徴とする磁気情報検出装置が提供される。
本発明の1つの観点に係る磁気情報検出装置にあっては、磁気情報検出部を用いて測定対象物の磁気情報を検出することにより、光アシスト媒体や光磁気媒体のような、再生時にレーザー光を集光照射する媒体の評価を行う上で、集光照射領域、非照射領域、そのエッジ部における磁気情報の比較を行うことができる。したがって、記録されたマークの形状を再生時と同じ条件で直接観察することができ、再生品質の向上や媒体の高密度化に必要な情報を詳細に観察することができる。また、集光スポット中心の温度が最も高く、スポットから離れるに従って温度が低くなる温度分布下での磁化測定を行うことができるので、測定対象物の磁気温度特性を一度の測定で得ることもできる。さらに、エッジ部の形状は、媒体の磁気温度特性、熱伝導性、熱吸収率などによって決定されるので、エッジ部の形状を観察することで、これらの特性などの評価を同時に行うことができ、測定時間を短縮することも可能である。
本発明の他の観点に係る磁気情報検出装置にあっては、走査部の走査速さと光移動部の移動速さとが異なることにより、測定対象物表面を集光スポットが移動した時の温度分布を作成し、その領域での磁気分布を検出することができる。したがって、実際の使用状況により即した測定が可能となる。光アシスト媒体などの記録媒体は通常、ディスク形状の基板の上に形成されており、ディスクを高速回転させて記録再生を行う。このため、集光スポットは記録媒体上を高速で移動しており、その温度分布は、ディスクが回転していない場合とは異なっている。測定対象物の表面上で、ディスク回転時と同様の相対速度で光ビームを走査することにより、高速回転するディスク上の温度分布を作成することができる。また、光ビームの走査を往復運動にし、往路のみで光ビームの照射をONし、復路では照射をOFFすることにより、最小限の走査でディスク上の温度分布と同等の温度分布を作成することができる。
本発明の1つの観点に係る磁気情報検出装置は、前記測定対象物からの透過光または反射光を検出する光検出部と、前記光ビームの集光スポットの直径を変更することのできる集光スポット径調整部と、前記光検出部により検出された光量に基づいて集光スポット径を一定値に制御するフォーカス制御部とをさらに備えているのが好ましい。このように構成されている場合には、磁気検出中に生じる測定対象物と光照射部との距離の変動(熱ドリフト)による集光スポット径の変動に対して、常に集光スポット径が一定となるよう補正を行うことができ、検出の精度が向上する。
MFMなどの走査型顕微鏡は、面分布を測定する際、面内の各点を順次走査して検出を行う。このため、測定に非常に時間がかかってしまう。光ビームを測定対象物に照射すると、熱ドリフトが生じやすく、測定中に集光スポット径が変動してしまい、局所温度分布が変化してしまうおそれが高い。集光スポット径を一定値に制御することで、長時間の測定中でも媒体の温度分布が変動することなく、測定を行うことが可能となる。
本発明の1つの観点に係る磁気情報検出装置は、前記光照射部が、少なくとも磁気情報検出時に光ビームをONにする照射切替部を備えているのが好ましい。このように構成されている場合には、光照射による加熱を最小限に抑えることができ、磁気情報検出部にある磁性体への加熱を抑えることができる。したがって、磁性体の熱による磁化低下を緩和することができ、測定精度を向上させることができる。
例えば、磁気情報検出部が探針であるMFMでは、まず、探針で測定対象物の表面形状の測定を行い、次に、測定した測定対象物表面から一定量離れた箇所で磁気情報の検出を行っている。探針の先端は、磁性体から構成されており、探針先端の磁性体と測定対象物の磁場との相互作用により、磁気情報を検出するようにしている。磁性体は、温度が上昇するに従い、磁化が弱くなること、また、保磁力が小さくなるため外部磁場の影響を受けやすくなり磁化方向が乱れることから、探針先端には可能な限り熱を加えない方が精度の良い測定ができる。測定対象物表面測定時に光照射をOFFし、磁場検出時のみ光照射をONすることで、測定対象物からの伝熱による加熱を減少することができる。このため、探針先端の温度上昇を最小限に抑えることができ、測定精度が向上する。
本発明の1つの観点に係る磁気情報検出装置は、前記光照射部が、光ビームの強度を調整する強度調整部を備えているのが好ましい。このように構成されている場合には、測定対象物の温度分布を変更することができるので、より詳細な磁気情報を検出することが可能となる。さまざまな強度の光ビームで測定対象物を加熱することができるので、集光スポット中心の温度を、所望の温度(例えば、磁化の消失するキュリー温度や磁化の反転する補償温度など)に設定することができる。したがって、測定対象物の特性に合わせた磁気情報検出が可能となり、より多くの情報を得ることが可能となる。
本発明の1つの観点に係る磁気情報検出装置は、前記強度調整部が、前記磁気情報検出部の走査速度よりも速い速度で光ビームを変調照射することのできる光変調部を備えているのが好ましい。このように構成されている場合には、より急峻な温度分布下における物理情報を検出することが可能となる。熱の伝達には一定の時間が必要なため、高速で入射光を変調すると外周部に熱が伝わりにくくなり、弱いパワーで連続照射するときよりも急峻な温度分布を作ることができる。また、変調速度を磁気情報検出部の走査速度よりも速くすることで、磁場検出に影響を与えずに検出することが可能となる。
本発明の1つの観点に係る磁気情報検出装置は、前記集光スポットの光学拡大像を得る光学顕微鏡をさらに備えているのが好ましい。このように構成されている場合には、測定対象物の任意位置と集光スポットとの位置合わせを行う際に、位置調整を精密かつ容易に行える。走査型顕微鏡は、走査領域が大きくてもサブミリオーダーであるため、集光スポットの位置を走査領域内に正確に合わせる必要があるが、光学拡大像を観察しながら行えば、位置調整を容易に行うことが可能である。また、光学顕微鏡にビデオカメラを接続すれば、レーザー光を光学顕微鏡で直接観察しなくて良いので、目を痛めることなく位置調整を行うことが可能である。
本発明の他の観点に係る磁気情報検出装置は、前記測定対象物からの透過光または反射光を検出する光検出部と、前記光ビームの集光スポットの直径を変更することのできる集光スポット径調整部と、前記光検出部により検出された光量に基づいて集光スポット径を一定値に制御するフォーカス制御部とをさらに備えているのが好ましい。このように構成されている場合には、集光スポット移動時に常に集光スポット径を一定値に保つことができ、精度の良い測定が可能となる。
集光スポット移動時にスポット径が変化すると測定対象物上の温度分布が実際と異なってくる。集光スポット径を一定値にするためには、測定対象物の平面度を均一にすることと、測定対象物と光走査部との平行出しを行うこととが必要であり、これには、サブミクロンオーダーの調整が必要であるが、そのような調整は非常に困難である。光検出部と集光スポット径調整部とフォーカス制御部とを備えることにより、この調整が必要なくなり、測定がきわめて容易になる。
本発明の他の観点に係る磁気情報検出装置は、前記集光スポットの光学拡大像を得る光学顕微鏡をさらに備えているのが好ましい。このように構成されている場合には、測定対象物の任意位置と集光スポットとの位置合わせを行う際に、位置調整を精密かつ容易に行うことができる。
以下、本発明の磁気情報検出装置に関するいくつかの実施の形態を説明する。
第1の実施の形態
第1の実施の形態に関する1例を図1に基づいて説明する。
最小の構成は、磁気情報(磁化の向きと磁化の大きさ)を検出するための探針とこの探針を走査させるための走査部とを備えたMFMユニット11、光照射部であるレーザー12、および集光レンズ13である。温度によって磁気情報が変化する測定対象物14に、光ビームであるレーザービーム15を、その照射位置を固定した状態で集光スポットができるように照射し、MFMユニット11で照射位置周辺の磁気情報を検出する構成となっている。
この磁気情報検出装置はさらに、集光スポット径調整部である集光レンズ移動機構16、フォーカス制御部および光検出部であるフォーカスサーボ機構17、照射切替部である照射切替機構18、強度調整部および光変調部であるパルスジェネレーター19、集光スポットの光学拡大像を得るための光学顕微鏡20、ビデオカメラ21、および測定対象物移動機構22を備えている。
MFMユニット11は、通常のMFM装置で用いるものと同等のものであり、MFMユニット11の下に測定対象物14を配置することで、微小領域における磁気情報を検出することができるものである。MFMユニット11は、磁気情報を検出する部分である探針111と、探針111を支持するプローブ112と、プローブ112の変位を検出するプローブ変位検出機構と、走査部であるプローブ走査機構とを備えている。
探針111は、磁気情報を検出するために、その全部または一部が磁性体から構成されている。プローブ112は、探針111が受けた磁気の大きさを変位に変換するもので、シリコンや窒化シリコンなどで構成されている。プローブ変位検出機構は、プローブ112の変位を検出するものである。プローブ走査機構は、ピエゾアクチュエータによる3方向走査のものが用いられている。
レーザー12および集光レンズ13は、測定対象物14の一点にレーザービーム15を照射するように調整・固定されている。本形態の特徴は、レーザービーム15の照射位置を測定対象物14上の1点に固定して集光スポットができるように照射するための機構を、MFM装置に加えている点である。
レーザービーム15を測定対象物14の任意の位置に集光照射することで、測定対象物14の一部を局所加熱する。レーザービーム15の強度はガウス分布であるため、加熱された領域もガウス分布に準じた分布となる。加熱された領域は、最も高温となる中心部から、より低温の外周部まで、温度が徐々に変化している。この領域をMFMユニット11で測定することで、測定対象物14の照射位置周辺の磁気情報を得ることができる。ここで、磁気情報とは、測定対象物14の磁化の向き(上向き、下向き)と、その磁化の大きさとをいう。
集光スポット径調整部である集光レンズ移動機構16は、集光レンズ13と測定対象物14との距離を調整することで、集光スポット径を調整するものである。これは、距離を調整することのできる機構であれば、どのような方式であっても構わない。例えば、集光レンズ13を電磁石の用いられたアクチュエーターで動かす機構や、測定対象物14をピエゾアクチュエータで動かす機構などがある。
フォーカスサーボ機構17は、集光スポット径を一定値に制御する機構である。フォーカスサーボ機構17は、測定対象物14からの反射光または透過光を検出する光検出部と、この光検出部からの信号から、非点収差法・フーコー法・ナイフエッジ法などを用いて、測定対象物14の位置と合焦点位置との差分を検出する焦点位置検出回路、および、この差分を自動的に補正するように、集光系移動機構18を用いて集光レンズ13と測定対象物14との間の距離を調整する制御回路で構成されている。
照射切替部である照射切替機構18は、レーザー12を発光させるためのレーザー駆動ドライバ、ON/OFF可能な電源、およびMFMユニット11と同期してON/OFF制御するための制御機構で構成されている。MFMユニット11では、磁気情報を検出するために、まず測定対象物14の表面形状の測定を行い、次に、測定対象物14の表面から一定量離れた箇所で受ける力を測定することで、磁気情報の検出を行っている。照射切替機構18は、レーザー12を表面形状の測定時にはOFFにして、磁気検出時にのみONにするように、レーザー12を制御している。
レーザー駆動ドライバにつなぐ電源を任意の電圧を印加できるものにすれば、レーザー12の強度を自由に設定することのできる強度調整部になる。また、この電源がパルスジェネレーター19であれば、任意の電圧を任意の波形で出力することができるため、レーザー12の強度調整だけでなく、任意の周波数でパルス化が可能である光変調部となる。
光学顕微鏡20は、測定対象物14上の集光スポットの光学拡大像を観察できるように設置されている。レーザービーム15を直接観察すると目を痛めるおそれがあるため、ビデオカメラ21を通してディスプレイ上で集光スポットの光学拡大像を観察する構造となっている。ビデオカメラ21は、顕微鏡の像を電子情報へ変換するための光電変換素子と、その情報を表示する表示装置とから構成されている。
測定対象物移動機構22は、測定対象物14を測定面内で移動させるための機構である。測定対象物14を移動させることで、測定対象物14における任意の点を集光スポット位置に設定することができる。
具体例として、光アシスト媒体を測定する場合を考える。
測定対象物14は、0.5mm厚さのガラス板の上に、補償温度が100℃である厚さ50nmのTbFeCo薄膜が形成されたものを用いた。TbFeCo薄膜は、酸化されやすいため、保護膜として、TbFeCo薄膜上に厚さ10nmのAlN薄膜を形成している。TbFeCo薄膜は、垂直磁化膜であり、未記録状態では、上向きおよび下向きの磁区がランダムに配列しているものである。磁化の温度依存性を図4に示す(横軸:温度T(℃)、縦軸:磁化M(G))。
磁気補償温度が100℃、キュリー温度が250℃であるN型フェリ磁性の特性となるように、TbFeCoの組成比を調整している。室温では、下向きの磁化は、100℃を境に反転し、上向きの磁化に変化している。さらに高温になると、磁化は一旦増大するが、この磁化は、キュリー温度に近づくにつれて小さくなり、キュリー温度において完全に消失する。
MFMユニット11は、日本ビーコ社製のDimension3100を用いた。この装置は汎用AFMであり、MFM用の探針を使用することで、MFM測定が可能である。
レーザー12は、波長780nmの半導体レーザーを用い、集光レンズ13には、NA=0.47、焦点距離3.4mmのものを用いている。MFMユニット11の下方に、測定対象物14をTbFeCo薄膜が上になるように設置する。レーザー12から出たレーザービーム15は、集光レンズ13を通り、測定対象物14に照射される。レーザービーム15は、TbFeCo薄膜上で焦点を結ぶように、集光レンズ13と測定対象物14との距離が調整されている。
図5に、光アシスト媒体を第1の実施の形態に記載した装置を用いて測定した結果を示す。集光スポット周辺での測定対象物14の温度分布は、図5bのような、集光スポット中心を中心としたガウス分布となる。高温部は100℃以上、低温部は100℃未満となっている。
集光スポット周辺の磁気特性をMFMユニット11で測定し、得られた磁気情報と測定点に対応させた面情報としてプロットすると、図5aのようになる。未記録の状態であるため、集光スポット中心から離れた室温部では、磁化の向きが上向きである磁区(以下、「上向きの磁区29」と呼ぶ)と、磁化の向きが下向きである磁区(以下、「下向きの磁区30」と呼ぶ)とがランダムに並んでいることがわかる。100℃近傍のドーナツ部では、磁化の大きさが0となり(以下、磁化の大きさが0である箇所を「磁化ゼロ箇所31」と呼ぶ)、集光スポット中心近傍の高温部では磁化の向きが反転した磁区が並んでいる。
磁化の大きさが0となるドーナツ部(磁化ゼロ箇所31)の半径や幅、形状がどのように乱れているかなどを測定することにより、実際の記録再生に即した測定対象物14の特性を得ることができる。レーザーの波長を、実際の記録再生に用いる波長と同じにすれば、レーザー光から熱への変換効率も含めた情報を得ることができる。
このような磁性体の磁化温度依存性の測定には、一般的に、カー効果測定装置やVSM装置などを用いて、磁性体全体を加熱することで行われる。しかし、光アシスト媒体が実際に使用される際にはレーザー光で局所加熱を行っており、局所的に磁場を変化させている。このように、一部分の磁場が周辺磁場と異なっていると、周辺磁場からの相互作用が生じてしまい、磁性体全体を加熱したときと状態が異なってくる。本発明を用いれば、光アシスト媒体に限らず、局所的な温度勾配のある場で温度依存性のある物理情報を持つ媒体を正確に測定することが可能となる。
集光レンズ移動機構16が付加されていれば、集光スポットの大きさを自由に設定することが可能となる。その結果、光アシスト媒体上の温度分布も変更することができる。異なった温度分布での磁化情報を測定することで、磁化の消失する範囲などをより詳しく調べることができる。
加えて、フォーカスサーボ機構17を備えていれば、熱ドリフトなどによる測定中の集光スポットの変動をなくすことが可能となる。走査型顕微鏡を用いた物理情報の検出では、光学顕微鏡のように測定領域全面を一度に測定することはできず、各点を順次測定していくため、測定に時間がかかってしまう。
本実施の形態では、測定対象物14に熱を加えているため、検出中に熱による焦点位置のずれ(熱ドリフト)が生じるおそれが高い。焦点がずれると、測定対象物14上の温度分布が変化し、検出値に影響を与えてしまう。
フォーカスサーボ機構17を用いることで、焦点位置のずれを常に補正し、温度分布を一定に保つことができるため、測定精度が向上する。また、測定対象物14を交換する場合、集光レンズ13と測定対象物14との間の距離が変化してしまうため、焦点位置を調整する必要があるが、フォーカスサーボ機構17を用いれば、焦点を合わせ直す必要がなくなるので、測定効率が向上する。
照射切替機構18を備えていれば、探針111の先端にある磁性体の加熱を最小限に抑えることが可能となる。MFMユニット11は、まず測定対象物14の表面形状の測定を行い、次に、測定対象物14の表面から一定量離れた箇所での磁気情報の検出を行っている。つまり、一箇所の磁気情報を検出するためには、2回の走査が必要である。磁気検出のために、探針111の先端は磁性体で構成されており、探針111の先端の磁性体の磁化と測定対象物の磁化とが作用することで、磁気情報を検出している。
磁性体は、温度が上昇するに従い磁化が弱くなることから、また、保磁力が小さくなるため外部磁場の影響を受けやすくなり磁化方向を一定に保ちにくくなることから、探針111の先端には可能な限り熱を加えない方が精度の良い測定をすることができる。照射切替機構18を備えていれば、探針111の先端にある磁性体の加熱を最小限に抑えることができるので、測定精度が向上する。
レーザー12に強度調整部が備わっていれば、レーザーのパワーを任意の値に設定することで、媒体を加熱する温度を変化させることができ、より詳細な測定が可能となる。例えば、前記光アシスト媒体に、より大きな強度のレーザー光を照射し、集光スポット中心がキュリー温度を超えるようにすれば、磁化の消失する様子を観察することができる。
図6に、図5の例のレーザー強度を2倍に変更した結果を示す。磁化ゼロ箇所31が2箇所あり、集光スポット中心にある磁化ゼロ箇所31では、TbFeCo膜のキュリー温度を超えて磁化が消失していることがわかる。また、100℃近傍のドーナツ部の磁化ゼロ箇所31は、図5の例よりも半径が大きくなっており、集光スポットの外側にシフトしていることがわかる。
レーザー12にパルスジェネレーター19が接続されていれば、レーザー12の出力を任意の周波数で変調(パルス化)することができる。変調された光を照射する場合と、変調されていない光を照射する場合とでは、平均強度が同じであっても前者の方が温度分布を急峻にすることができる。これは、媒体の熱伝導速度が遅いため、変調された光の速度に完全に追従できず、外周部に熱が伝わりにくくなるからである。
レーザー平均強度と変調速度とを調整することで、所望の温度分布を設定することができる。ただし、探針111の走査速度よりも十分に速い速度で変調を行う必要がある。走査速度と同等あるいはそれ以下の速度で変調した場合、磁気情報検出中に温度分布が変化してしまうため、10倍以上の速度で変調する方が良い。
光学顕微鏡20が付加されていれば、測定対象物14と集光スポットとの位置調整を正確かつ容易に行うことが可能となる。測定対象物14の任意位置に集光スポット中心を設定する場合、精密な位置設定が必要である。
一般の光ディスクにおいて、光ビームはサブミクロンオーダーに絞られている。同等の大きさに光ビームを絞る場合、光学顕微鏡20なしに測定対象物14の任意位置に集光スポットを正確に合わせるのは困難である。また、光学顕微鏡20は、光ビームの波長を透過する光学系で構成されていなくてはらない。例えば、探針111の変位検出に光てこ法を用いる場合、光てこで用いるレーザーの影響を低減するため、光学顕微鏡20にレーザー波長を透過させないフィルターを使用する場合があるが、このフィルターは、光ビームの波長が透過するものでなくてはならない。
また、光学顕微鏡20にビデオカメラ21が取り付けられていれば、位置調整中の目の負担を軽減することができる。レーザーの散乱光とはいえ、レーザー光を裸眼で観察すると目を痛めてしまう。ビデオカメラ21があれば、目を痛めることなく位置調整を行うことができる。集光スポットを観察するためには、ビデオカメラ21の測定可能波長領域はレーザー12の波長を含まなくてはならない。
測定対象物移動機構22が付いていれば、測定対象物14上の集光スポット中心位置を任意に設定することが可能となるため、一様な測定対象物14なくても測定可能になる。
例えば、微細な凹凸部を持った基板の上に光アシスト媒体が形成されている場合、任意の凸部または凹部にレーザー光を集光させ、そこでの磁化情報を測定することが可能となる。
測定対象物移動機構22は、粗動および微動の両方の移動機構が組み合わさっているものが望ましい。最終的に設定する箇所は非常に微細な領域であるため、ピエゾアクチュエータなどを用いた移動機構が必要であるが、ピエゾアクチュエータの可動範囲はμmオーダーしかない。そこで、粗動ステージとしてメカニカル精密ステージなどを用いると、数十mmの測定対象物上の微細な領域にレーザー光を集光することが可能となる。
前記形態の例では、測定対象物14にはTbFeCo薄膜で構成された光アシスト媒体を用いており、光源にはTbFeCo薄膜の吸収波長内の波長である780nmの半導体レーザーを用いている。吸収効率の高い波長を用いる方が効率的に熱に変換することができるため、照射光量を小さくすることができる。照射光量を必要以上に大きくすると、探針111やプローブ112にも照射による熱が加わり、測定精度を悪化させる。このため、できるだけ吸収効率の高い波長を選び、照射光量を小さくする方が望ましい。
前記形態の照射部の光源にはレーザー12を用いているが、キセノンランプや水銀灯などの他の光源であっても構わない。この場合、光スポットの大きさがレーザー12を使用したときより大きくなってしまうため、微細な領域の物理情報の検出には適さないが、より広い領域の物理情報を検出する場合に用いることができる。
プローブ走査顕微鏡の走査には非常に細かい位置制御が必要であるため、ピエゾアクチュエータが用いられるのが一般的である。プローブ112側を固定し測定対象物14側にピエゾアクチュエータを取り付けて走査する方法と、測定対象物14側を固定しプローブ112側にピエゾアクチュエータを取り付けて走査する方法とがある。前者の場合、本形態では測定対象物14と同時にレーザービーム15を集光照射するための機構すべてを動かす必要があり、応答性悪化などの弊害が生じる。このため、本形態では、MFMユニット11内にピエゾアクチュエータが内蔵された後者の方法が望ましい。また、走査に用いる素子は、ピエゾアクチュエータに限られるものではなく、微細な位置制御ができるものであれば、ボイスコイルモーターなど、どのような素子でも構わない。
プローブの変位を検出する方法には、光てこ法、光干渉法、静電容量法、PZT方式などあるが、光を使用しない検出方法が望ましい。光を用いてプローブ112の変位を検出する方法では、光学顕微鏡20を用いて測定対象物14の任意位置に集光スポット中心を設定する際、プローブ112の変位検出で用いる光がノイズとなり、調整に悪影響を及ぼすためである。光を使用する検出方法を用いる場合は、その光の波長が前記照射部の光源の波長と大きく異なっている方が良い。波長が大きく異なっていれば、バンドパスフィルターなどの光学フィルターを用いることで、前記ノイズを低減することができる。
第2の実施の形態
第2の実施の形態における1例を図2に基づいて説明する。
第2の実施の形態における基本構成は、前記第1の実施の形態に、集光用照射ユニット23を移動させるための照射ユニット移動機構24と、照射制御機構25とを加えたものである。
光移動部である照射ユニット移動機構24は、照射ユニット23を高速で往復移動させることのできるステージまたは高速回転するモーターで構成される。測定領域内で光焦点位置を探針111に対して略直線に繰返し移動させることができれば、どのような方式でも良い。
照射制御機構25は、照射ユニット移動機構24の走査方向や走査位置に基づいて、光照射のON/OFF制御を行うものである。
光アシスト媒体のような、レーザーで媒体を加熱する光ディスク媒体では、記録時・再生時に、ディスクは高速回転している。ディスク静止時とディスク回転時とでは、レーザーで加熱された局所箇所の温度分布が異なる。このため、記録時・再生時の媒体の磁気情報を検出するためには、媒体を常に回転させる必要があるが、走査型顕微鏡では測定に一定時間が必要であり、測定対象物を測定中に高速で移動させることはできない。
測定対象物14に対し照射ユニット23を照射ユニット移動機構24により移動させることで、測定対象物14と探針111との相対位置を変化させることなく、集光スポットをディスク回転時と同じように動かすことができる。また、照射ユニット移動機構24が1軸のピエゾアクチュエータなどの往復運動を行う機構である場合、往路のみ光照射を行い、復路では光照射をOFFする必要がある。照射制御機構25を用いて光照射を制御することで、ディスク回転時と同等の温度分布を作成することができる。このため、実際に使用するのと同じ状況での媒体の磁気情報を検出することが可能となる。
図7に、光アシスト媒体を第2の実施の形態に記載した装置を用いて測定した結果を示す。
光アシスト媒体は0.5mm厚さのガラスディスクの上に厚さ50nmのTbFeCo薄膜を形成したものを用いた。磁気特性は図4のようになり、第1の実施の形態における例のものと同様の特性であり、補償温度が100℃、キュリー温度が250℃である。記録マークの観察を行うため、実際の媒体の記録再生に用いる光変調記録装置を用い記録を行った。レーザービームを媒体に当てたまま、下向きの外部磁界を印加して、磁化の向きを下向きに初期化(下向きの磁区30)した後、上向き磁界を印加しながら、変調したレーザービームを当てて記録している。レーザー照射された箇所では、媒体の温度が上昇し、キュリー温度を超えた部分の磁化が上向きに変化し、記録マーク(上向きの磁区29)が形成されている。
集光用照射ユニット23を用い、記録マーク部にレーザーを照射し、MFMユニット11で測定を行った。照射ユニット移動機構24は、1軸のピエゾアクチュエータを用い、探針111の走査速度よりも高速で照射ユニット23を往復運動させている。往路で光照射をON、復路で光照射をOFFするよう、照射制御機構25を用いてレーザー光を制御している。
第1の実施の形態での例と異なり、温度分布は、照射ユニット23の移動方向では変化がなく、直角方向ではガウス分布となる。同じ光量のレーザー光を照射していても、静止状態よりも温度が上昇しにくく、温度分布も急峻になっている。温度の低い部分では上向きの磁区29であった記録マークの磁化が、温度が高い中心部分では下向きの磁区30に反転していることがわかる。
集光レンズ移動機構16とフォーカスサーボ機構17とを備えていても良い。集光位置を常に測定対象物14の上に固定することができるため、測定対象物14を設置するとき、ピエゾステージの移動方向と完全に平行にする必要がなくなり、設置がいっそう容易になる。
光学顕微鏡20を備えていても良い。照射ユニット移動機構24を固定した状態で集光スポットの位置合わせを行い、その後、照射ユニットを往復移動させることで、集光スポットの位置調整を容易に行うことができる。
第3の実施の形態
第3の実施の形態における1例を図3に基づいて説明する。
第3の実施の形態の基本構成は、前記第1の実施の形態に、測定対象物14を回転させるための測定対象物回転機構26と、磁界印加用の定磁場印加機構27または変調磁場印加機構28とを加えたものである。
測定対象物回転機構26は、ステッピングモーターやエアスピンドルなどの回転機構と、測定対象物14を固定するためのチャッキング機構とで構成されている。回転角を検出するセンサーを備えていても良い。測定対象物14は、中心に穴の空いた円盤状(ディスク形状)のものを用いる。測定対象物14の中心と測定対象物回転機構26の回転軸とを合わせてチャッキング機構で固定して、測定対象物14を任意の回転角や回転速度で回転させることができる。
測定対象物14が光アシスト媒体、光磁気媒体、相変化媒体などである場合、これらの媒体はディスク形状で用いられることが多い。測定対象物回転機構26を用いることで、ディスク形状の測定対象物14を使用状況と同等の固定方法で固定することができ、かつ、円周方向に走査することができるため、測定範囲の位置指定が容易になる。
さらに、測定対象物14を回転させ、レーザー12、集光レンズ13を用いて媒体への記録を行い、その後に記録マークの観察をすることも可能である。第1の実施の形態に関する装置で記録マークの観察をするには、他の記録装置で記録しなくてはならない。測定対象物14を設置し直すことにより、記録マークの正確な位置がわからなくなり、記録マークを探すのに非常に長い時間が必要であった。本実施の形態では、記録および測定を連続して行うことができ、測定効率が大幅に向上する。最適な記録を行うためには、レーザー12および集光レンズ13は、記録装置と同様のものを使用する方が良い。また、回転時に集光レンズ13と測定対象物14との距離が変動するため、これを補正するために、集光レンズ移動機構16とフォーカスサーボ機構17とを備えていた方が良い。
また、磁界印加用に定磁場印加機構27を備えていても良い。測定対象物14が光アシスト媒体や光磁気媒体などの、記録時に磁場の印加が必要なもののである場合、定磁場印加機構27によって任意の磁場を与えると、正常な記録を行うことができる。さらに、定磁場印加機構27を用いて測定精度を向上させることもできる。
集光レンズ移動機構16に電磁石を用いている場合、電磁石からの漏洩磁場が、測定中に過熱された記録マークの磁化を消してしまったり、乱してしまったりするおそれがある。この漏洩磁場をキャンセルするような磁場を定磁場印加機構27によって印加することで、漏洩磁場の影響をなくすことができる。
さらに、記録マーク部にレーザービーム15を照射することにより記録マーク部を加熱し、定磁場印加機構27で任意の磁場を印加することで、記録マーク部の熱や外部磁場に対する耐性を調べることも可能である。このような測定は、実際の使用時の環境と類似した環境での測定であるので、媒体の性能向上のために非常に有用である。
また、変調磁場印加機構28を備えていても良い。変調磁場印加機構28は、高速で磁場方向を変更することのできる微小磁気コイルや電流変調回路、微小コイルを測定対象物にできる限り近付けるための磁気ヘッドスライダーなどで構成されている。
光アシスト媒体や光磁気媒体などの、光と磁気を用いて記録をする媒体では、記録マークの作製方法には、光変調記録と磁界変調記録との2種がある。光変調記録は、印加磁場が一定であるため定磁場印加機構27で問題ないが、磁界変調記録は、高速で印加磁場を変調させることが必要である。変調磁場印加機構28を用いることで、磁界変調記録を行う媒体も正常に記録することができ、その記録マークを測定することができる。
図8に、光アシスト媒体を第3の実施の形態に記載した装置を用いて記録を行った後、同装置で測定した結果を示す。
光アシスト媒体は0.5mm厚さのガラスディスクの上に50nm厚さのTbFeCo薄膜を形成したものを用いた。その磁気特性は、図4のようになり、第1の実施の形態に関する例のものと同様の特性であり、補償温度が100℃、キュリー温度が250℃である。測定対象物回転機構26にガラスディスクを取り付けて、一定速度で回転させる。
記録は、レーザー強度調整機構16と定磁場印加機構27とを用いて光変調記録で行った。レーザービーム15でガラスディスクを通して光アシスト媒体をキュリー温度まで加熱し、定磁場印加機構27で下向きの磁場を印加し、媒体の磁化方向を下向きにそろえる。次に、定磁場印加機構27で上向きの磁場を印加しながら、レーザー強度調整機構16でレーザー光強度を変調させる。媒体の温度がキュリー温度を超えたところだけ上向きの磁場を持つため、記録マークを書き込むことができる。
記録マーク測定時には、測定対象物回転機構26での回転は止めて測定を行う。記録マーク部に記録時よりも低い強度のレーザーを照射し、MFMにて測定を行った。温度の低い箇所では、下向きの磁区30の中に上向きの磁区29の記録マークが形成されていることがわかる。
第1の実施の形態での例と同様に、集光スポット周辺での温度分布は、図8bのような、集光スポット中心を中心としたガウス分布となっており、図8aでは、100℃を境に磁化が反転していることがわかる。集光スポット中心内の記録マークは、磁化反転して下向きの磁区30となっており、形状がはっきりとしている。隣接の記録マークは、100℃の部分に重なり、形状がわからない。実際に、この光アシスト媒体を再生する場合にも、同様の現象が生じ、集光スポット中心の記録マークからの信号のみを検出する超解像効果が得られる。本装置は、記録と記録マークの測定とを同一の装置で行うことができるため、効率の良い測定が可能である。
第1〜第3の実施の形態では、走査型顕微鏡の探針111を用いているが、探針111は、集光スポット径よりも横分解能の高い検出が可能な磁気情報検出部であれば、針形状のものでなくても構わない。例えば、ハードディスク用のGMRヘッドやTMRヘッドなどの、微小領域の磁気情報を検出することのできる素子であっても、本発明の効果は変わらない。
本発明は、これらの形態に限るわけではない。例えば、加工装置、データ記録再生装置、露光装置などでも使用可能である。
本発明の物理情報検出装置を用いれば、微小領域の磁気情報を観察することのできる顕微鏡やセンサーなどに利用可能である。また、この磁気情報検出装置で、光アシスト媒体などの光や磁気を利用した記録再生媒体の記録再生装置に利用可能である。
図1は、本発明の測定装置における第1の実施の形態の概略図である。 図2は、本発明の測定装置における第2の実施の形態の概略図である。 図3は、本発明の測定装置における第3の実施の形態の概略図である。 図4は、光アシスト媒体の磁気温度特性を示すグラフである。 図5は、本発明における第1の実施の形態の測定装置で光アシスト媒体を測定した結果を示す図である。 図6は、本発明における第1の実施の形態の測定装置で光アシスト媒体を図5の場合よりもレーザー強度を2倍に強めて測定した結果を示す図である。 図7は、本発明における第2の実施の形態の測定装置で光アシスト媒体を測定した結果を示す図である。 図8は、本発明における第3の実施の形態の測定装置で光アシスト媒体を測定した結果である。
符号の説明
11 MFMユニット
12 レーザー
13 集光レンズ
14 測定対象物
15 レーザービーム
16 集光レンズ移動機構
17 フォーカスサーボ機構
18 照射切替機構
19 パルスジェネレーター
20 光学顕微鏡
21 ビデオカメラ
22 測定対象物移動機構
23 光集光照射ユニット
24 照射ユニット移動機構
25 照射制御機構
26 測定対象物回転機構
27 定磁場印加機構
28 変調磁場印加機構
29 上向きの磁区
30 下向きの磁区
31 磁化ゼロ箇所
111 探針
112 プローブ

Claims (9)

  1. 温度によって磁気情報が変化する測定対象物の磁気情報を検出する磁気情報検出部と、この磁気情報検出部を測定対象物の表面で走査させる走査部と、レーザーの光ビームの照射位置を固定した状態でその光ビームを測定対象物の表面に集光スポットができるように照射する光照射部とを備えてなることを特徴とする磁気情報検出装置。
  2. 前記測定対象物からの透過光または反射光を検出する光検出部と、前記光ビームの集光スポットの直径を変更することのできる集光スポット径調整部と、前記光検出部により検出された光量に基づいて集光スポット径を一定値に制御するフォーカス制御部とをさらに備えている請求項1に記載の磁気情報検出装置。
  3. 前記光照射部が、少なくとも磁気情報検出時に光ビームをONにする照射切替部を備えている請求項1または2に記載の磁気情報検出装置。
  4. 前記光照射部が、光ビームの強度を調整する強度調整部を備えている請求項1〜3のいずれか1つに記載の磁気情報検出装置。
  5. 前記強度調整部が、前記磁気情報検出部の走査速度よりも速い速度で光ビームを変調照射することのできる光変調部を備えている請求項4に記載の磁気情報検出装置。
  6. 前記集光スポットの光学拡大像を得る光学顕微鏡をさらに備えている請求項1〜5のいずれか1つに記載の磁気情報検出装置。
  7. 温度によって磁気情報が変化する測定対象物の磁気情報を検出する磁気情報検出部と、この磁気情報検出部を測定対象物の表面で走査させる走査部と、レーザーの光ビームの照射位置を固定した状態でその光ビームを測定対象物の表面に集光スポットができるように照射する光照射部と、測定対象物の表面内で光ビームを移動させる光移動部とを備えてなり、走査部の走査速さと光移動部の移動速さとが異なることを特徴とする磁気情報検出装置。
  8. 前記測定対象物からの透過光または反射光を検出する光検出部と、前記光ビームの集光スポットの直径を変更することのできる集光スポット径調整部と、前記光検出部により検出された光量に基づいて集光スポット径を一定値に制御するフォーカス制御部とをさらに備えている請求項7に記載の磁気情報検出装置。
  9. 前記集光スポットの光学拡大像を得る光学顕微鏡をさらに備えている請求項7または8に記載の磁気情報検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008051714A (ja) * 2006-08-25 2008-03-06 Fujitsu Ltd ヘッド磁界計測方法およびヘッド磁界計測装置
JP2016176829A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 国立研究開発法人産業技術総合研究所 試料ホルダ及び合成画像取得方法
CN112630144A (zh) * 2019-10-08 2021-04-09 株式会社岛津制作所 扫描型探针显微镜以及扫描型探针显微镜的位置调整方法

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