JPH09128655A - レシートプリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課 題】簡単な構造でレシートの落下を防止する手段
を備えたレシートプリンタの提供。 【解決手段】印字部Ｂの下流側に位置するカッターユニ
ット７の出口側開口部７３の上方に、断面略くの字状の
レシート落下防止部材６を固着し、その下方平面部をレ
シート上面に対して傾斜させてレシート押さえ片６２と
し、レシート押さえ片６２の先端６３を出口側開口部７
３の下流側下部のレシート押さえ面７４ｂに押圧接触さ
せ、カットされたレシート１０１ａの後端を両者で挟持
するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、レシートプリンタ
に関し、更に詳しくは、レシートプリンタにおける発行
済レシートの保持機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】小売店などで使用されるレシートプリン
タによって発行されるレシートは、自動的にカットされ
るので、そのままでは発行口から落下してしまい、客の
手前体裁が悪かった。これを防止するために、受け皿を
設けてレシートを受けとる方法も考えられたが、発行さ
れるレシートの長さが一定でないので実用に至らなかっ
た。そこで、レシートをカットするとき完全にカットし
ないで、わずかな部分を残してカットする事によりレシ
ートの落下を防止するハーフカットという方法が提案さ
れた。しかし、この方法ではレシートを手で引っ張って
切り離すとき、印字部にあるレシート用紙が同時に引っ
張られてしまうので、これを防いで正常な印字を行う為
に、印字ヘッドのレシート用紙に対する押圧力を大きく
する必要があり、印字ヘッドに負担がかかり、耐久性に
問題があった。

【０００３】次に、上記の問題を解決した方法として、
レシートの発行口に筒状のガイドテーブルと山形状のレ
シートガイドを直列に配置して、レシートの曲げ抵抗を
増やすことによって解決する方法が提案された。（実開
昭５５−４０４９６公報参照）しかし、この方法では、
二つの部材を直列に配置する必要から装置の大型化を招
いてしまった。そして、カッターの下流側ガイドテーブ
ルを通過してから、山形状のレシートガイドでレシート
を曲げるので、印字部からレシートを押し出してからの
距離が長くなってしまい、途中でレシートが腰折れする
虞れがあった。又、紙質、気温、湿度によってレシート
用紙の腰の強さや接触抵抗が異なるため、レシート用紙
のスムーズな進行と安定した保持力の確保が難しかっ
た。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな従来技術の問題点を解決するためにされたもので、
その目的は、簡単な構造でレシートの落下を防止する手
段を備えたレシートプリンタを提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明のレシートプリンタは、請求項１では、
レシート用紙に印字部で印字を行い、カット部でフルカ
ットしたレシートをレシート発行口に望ませるレシート
プリンタにおいて、カットされたレシートの上面を斜め
に押さえるレシート落下防止部材と、前記レシートの下
面を受けるレシート押さえ面とを備えることを特徴とす
る。ここでレシート落下防止部材とは、断面形状が略く
の字型の薄板で、上方の平面部がカッターの下流側に固
着されており、下方の平面部は、側面視したとき、レシ
ート上面に対して傾斜したレシート押さえ片とし、その
先端は、レシート押さえ面に接触している。尚、このと
きの接触圧力は、レシート落下防止部材が軽く弾性変形
する程度である。

【０００６】又、請求項２では、前記印字部は、プラテ
ンローラとサーマルヘッドより成ることを特徴とする。

【０００７】又、請求項３では、前記カット部は、レシ
ートの下方から上昇するカッターとカッター受けとを備
えており、前記したレシート落下防止部材は、カッター
受けに支持されることを特徴とする。ここでカッター受
けとは、レシートを下側から突き上げてカットするとき
にレシート用紙の持ち上がりを防ぐためのもので、上昇
したカッターの保護を兼ねた部材である。又、レシート
落下防止部材の支持方法としては、接着剤、両面テープ
等によっても良いし、ネジ止めにしても良い。

【０００８】又、請求項４では、前記レシート落下防止
部材は、導電性の高い材質から成り、且つレシートとの
接触部はレシートの幅に亘ってブラシ状に形成したこと
を特徴とする。ここで、導電性の高い材質とは、カーボ
ン繊維、アモルファス繊維、ステンレス繊維等のこと
で、ブラシ状に形成とは、上記材質から成る糸状の繊維
をアルミニウム等で形成された基台に多数本植え込んで
ブラシ状にしたことである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係わるレシートプ
リンタの一実施例を図面に基づいて説明する。本実施例
のレシートプリンタは、図１に示すように、本体Ａ正面
（図面では左側）に入力用キーボード１と、ＬＣＤタッ
チパネル２と、レシート発行口３を備え、上面には、客
用の表示器４を備えている。レシート発行部は、発行口
カバー５の内側に設けた、レシート落下防止部材６を支
持したカッターユニット７と、その上流に近接して配置
されて印字部Ｂを構成しているサーマルヘッド８とプラ
テンローラ９、更に上流側に配置されたレシートロール
１０とから成る。

【００１０】カッターユニット７は、ソレノイドなどに
よって上下動するカッター７１を内蔵した市販品で、カ
ッター刃面が上向きになるように設置されている。又、
カッターユニット７の上部のカッター受け７２の出口側
開口部７３の下流側の平面部分７４ａは、その上面に外
部からの見栄えを良くするために化粧部材７５が取り付
けられ、化粧部材７５の上面をカットされたレシートを
保持するレシート押さえ面７４ｂとしている。

【００１１】レシート落下防止部材６は、０．１２５mm
厚のポリエステルフィルムやその他の樹脂、又はステン
レス等の薄板を断面略くの字型に曲げ加工したものであ
り、その幅は、レシートの幅よりも広い。次にレシート
落下防止部材６の取り付け位置関係について説明する。
上方の平面部６１裏面に接着材等を塗布し、カッター受
け７の出口側開口部７３の上位置に固着する。固着位置
は、レシート押さえ片６２の先端６３がレシート押さえ
面７４ｂに接触して、レシート落下防止部材６の折り曲
げ部６４が弾性変形して、レシート上面に軽く押圧力を
与える程度とする。

【００１２】なお、レシート落下防止部材６の形状は、
本実施例に限るものではない。図６は、くの字型に曲げ
た線材１１を複数本取り付けた例である。又、図７は、
図６と同様の線材１２の先端にローラー１３を取り付け
てレシートの繰り出しをスムーズにしたものである。

【００１３】又、図５は、レシート落下防止部材として
静電気除去機能を有するブラシ１４を用いた例である。
これは、市販のものでも良く、基台１５の裏面に接着材
などを塗布してカッター受け７２の出口側開口部７３の
上位置に固着する。固着位置は、ブラシ１４の先端１６
がレシート押さえ面７４ｂに接触して折れ曲り、レシー
ト上面に軽く押圧力を与える程度とする。そして基台に
接続したアース線を本体のアース端子に接続させる。
尚、カッター受けが金属製ならば、これをアースして基
台１５をビス止めしてもアース出来る。

【００１４】次に、本実施例レシートプリンタの動作を
図面に基づいて説明する。印字部Ｂにおいて印字されプ
ラテンローラ９によって繰り出されたレシート先端１０
２は、入口側開口部７６よりカッターユニット内に入
り、後方のカット位置がカッター７１の直上にくるま
で、レシート落下防止部材６のレシート押さえ片６２を
わずかに持ち上げるようにして進行する。（図２） カット位置が、カッター７１の直上にきたところでレシ
ート１０１の繰り出しが停止される。そして、カッター
７１が作動してレシート１０１をカットする。この直
後、印字済みレシート１０１ａは、その先端側の自重に
よってレシート発行口３の外側（図面では左側）に落下
しそうになるが、レシート後端近くがレシート押さえ片
６２とレシート押さえ面７４ｂとの間に挟持されるた
め、落下すること無く保持される。（図３）又、発行さ
れたレシートが長くなり、カットされたレシート１０１
ａがレシート押さえ面７４ｂの先端より外側に垂れ下が
っても、レシート押さえ片６２からレシート押さえ面７
４ｂの先端までの平面部の距離があるので、押圧力は小
さくても良い。尚、レシート押さえ面７４ｂは、レシー
トを押さえることが出来れば、本体ケースＡやその他の
部分に設ける事も出来る。

【００１５】

【発明の効果】本発明のレシートプリンタは、以上説明
したようにカッターの下流側にカットされたレシートの
上面を斜めに押さえるレシート落下防止部材を設けたの
で、フルカットしたレシートの落下を確実に防止でき
る。又、この効果は、レシート用紙の材質や環境に左右
されること無く発揮することが出来る。又、小スペース
で安価に実施する事が出来、更に、レシート落下防止部
材の下側平面部はレシート上面を斜めに押さえるので、
レシートの侵入を妨げることがなく、したがってレシー
ト詰まり等のトラブルの発生が無い。

【００１６】又、請求項２〜４記載のように構成した場
合の特有の効果を以下に記載する。請求項２において
は、ハーフカットする場合と比較して、レシート取りだ
しの際に印字部に余分な力が加わらないので、サーマル
ヘッドの押圧力を低く設定できる。したがってサーマル
ヘッド及びプラテンローラの摩耗が低減出来寿命も伸び
る。更に、押圧力が低い分印字部全体を軽量化出来るの
で、例えばレシートの入れ替え等の保守に便利な片持ち
支持にする事が出来る。

【００１７】請求項３においては、レシート落下防止部
材の取り付けを、既存部品を利用して行うので新たな設
置スペースを必要とせず、安価に取り付けが出来る。

【００１８】請求項４においては、レシート落下防止部
材に静電気防止機能を持たせるので、レシートに発生し
た静電気による装置の誤動作を防止する事が出来、又、
新たな設置スペースを必要とせず、部品点数も少なくて
済む。

【図面の簡単な説明】

【図１】発行口カバーの一部を切欠したレシートプリン
タ側面図。

【図２】レシート発行中のレシート落下防止部材の状態
を示す拡大図。

【図３】落下防止部材がレシートを保持している状態を
示す拡大図。

【図４】カッターユニットとレシート落下防止部材の斜
視図。

【図５】レシート落下防止部材を静電気除去ブラシで構
成した場合の拡大側面図。

【図６】レシート落下防止部材を線材で構成した例を示
す斜視図。

【図７】レシート落下防止部材を先端にローラーを取り
付けた線材で構成した例を示す斜視図。

【符号の説明】

Ａ・・・本体 ７４ｂ・レシート押
さえ面 Ｂ・・・印字部 ８・・・サーマルヘ
ッド ６・・・レシート落下防止部材 ９・・・プラテンロ
ーラ ６２・・レシート押さえ片 ７・・・カッターユニット ７１・・カッター ７２・・カッター受け

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】レシート用紙に印字部で印字を行い、カッ
   ト部でフルカットしたレシートをレシート発行口に望ま
   せるレシートプリンタにおいて、カットされたレシート
   の上面を斜めに押さえるレシート落下防止部材と、前記
   レシートの下面を受けるレシート押さえ面とを備えるこ
   とを特徴とするレシートプリンタ。
2. 【請求項２】前記印字部は、プラテンローラとサーマル
   ヘッドより成ることを特徴とする請求項１記載のレシー
   トプリンタ。
3. 【請求項３】前記カット部は、レシートの下方から上昇
   するカッターと、カッター受けとを備えており、前記し
   たレシート落下防止部材は、カッター受けに支持される
   ことを特徴とする請求項１又は請求項２記載のレシート
   プリンタ。
4. 【請求項４】前記レシート落下防止部材は、導電性の高
   い材質から成り、且つレシートとの接触部はレシートの
   幅に亘ってブラシ状に形成したことを特徴とする請求項
   １から請求項３までのいずれかに記載のレシートプリン
   タ。