JPH09127708A - 感光性平版印刷版の現像処理方法 - Google Patents

感光性平版印刷版の現像処理方法

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JPH09127708A
JPH09127708A JP30225795A JP30225795A JPH09127708A JP H09127708 A JPH09127708 A JP H09127708A JP 30225795 A JP30225795 A JP 30225795A JP 30225795 A JP30225795 A JP 30225795A JP H09127708 A JPH09127708 A JP H09127708A
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JP
Japan
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developing
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lithographic printing
photosensitive lithographic
development
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Application number
JP30225795A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Nakai
英之 中井
Toshitsugu Suzuki
利継 鈴木
Yoko Hirai
葉子 平井
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用する現像母液及び現像補充液の使用量を
低減し、製版コストを低減することができるとともに、
スラッジの発生量が抑制され、ロングラン適性が向上
し、優れた感度安定性を有しており、廃液量を低減する
ことができる感光性平版印刷版の現像処理方法を提供す
ること。 【解決手段】 現像液を循環再使用する自動現像機を用
いて画像露光された感光性平版印刷版を現像処理するに
当たり、スタート時の仕込み母液量Aを、1.5X≦
A≦10X〔Aは仕込み母液量(リットル)、Xは自動
現像機において処理可能な感光性平版印刷版の幅の最大
値(メートル)である。〕とし、処理による現像液の劣
化を補償するための現像補充液を補充して現像処理す
る、感光性平版印刷版の処理による現像液の劣化を補
償するための現像補充液の補充を、対象とする感光性平
版印刷版を処理する直前に行なう、感光性平版印刷版
の処理による現像液の劣化を補償する為の現像補充液の
補充を、対象とする感光性平版印刷版を処理している間
に行なう感光性平版印刷版の現像処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動現像機を用いて感
光性平版印刷版を現像処理する方法に関する。
【0002】
【発明の背景】多量の感光性平版印刷版を現像処理して
製版する場合、自動現像機が用いられている。これら自
動現像機での現像処理においては、自動現像機のスター
ト時に現像母液を仕込み、これを再循環させて現像処理
が行なわれる。
【0003】従来、その自動現像機で処理できる感光性
平版印刷版の幅が0.9mである自動現像機の場合、自動現
像機のスタート時に現像槽に約20リットル〜30リットル
の現像母液が仕込まれ、また、その自動現像機で処理で
きる感光性平版印刷版の幅が1.3mである自動現像機の場
合、自動現像機のスタート時に現像槽に約50リットル〜
70リットルの現像母液が仕込まれていた。これは処理可
能な感光性平版印刷版の幅1m当り約22〜54リットルで
あった。
【0004】上記現像母液の量は、現像末期においても
感光性平版印刷版の初期の性能を維持するために必要で
あると信じられていた。
【0005】現実の現像処理においては、自動現像機の
スタート時に現像槽に現像母液を仕込んで現像処理をす
る場合、1回の現像母液の仕込みによって現像処理され
る感光性平版印刷版の量は一定ではなく、その時々の状
況に応じて、100m2位のこともあれば、5000m2位のこと
もあり、更に10000m2近くのこともあった。また、連続
で処理する期間も1ヶ月のこともあれば3ヶ月のことも
ある。
【0006】また、自動現像機で現像する場合、現像処
理の進行によって現像液の活性が劣化し、感光性平版印
刷版の初期の性能が維持できなくなるが、この現像液の
活性を補償するために現像補充液を補充することが行な
われている。この場合、現像液の補充は、例えば、感光
性平版印刷版を1枚処理したら、一定量の現像補充液
を補充する、処理した感光性平版印刷版の長手あるい
は幅手の長さに比例する量の現像補充液を補充する、
処理した感光性平版印刷版の面積に比例する量の現像補
充液を補充する、ことによって行なわれている。
【0007】上記従来の自動現像機による現像において
は、自動現像機のスタート時に多量の現像母液が用いら
れるため廃液量が多かった。
【0008】また、特開昭63-109444号公報には、処理
される感光性平版印刷版1枚毎に、未使用の現像液を使
用することが記載されているが、全ての感光性平版印刷
版が現像不足を起すことなく現像されるようにするため
に、十分な現像液を使用しなければならず、多量の廃液
を生じてしまう。
【0009】近年、環境公害規制の強化が行なわれてき
ており、現像廃液をそのまま下水道への廃棄することは
不可能となってきている。従って、廃液を廃棄するため
には、環境公害を生じないように廃液を処理しなければ
ならず、これら廃液の処理にはコストがかかるので廃液
量をできるかぎり少なくすることが要求されている。ま
た、廃液量を少なくすることができるということは、使
用する現像剤の量を少なくすることができるということ
であり、コストを下げることができるので、トータルの
現像コストが下げられるので好ましい。
【0010】そこで、本発明者らが検討したところ、上
記のように、現像末期においても感光性平版印刷版の初
期の性能を維持するために、自動現像機のスタート時に
多量の現像母液を用いることが要であると信じられてい
たが、そのような多量の現像母液を用いる必要がなく、
それよりも少ない量の現像母液でも感光性平版印刷版の
初期の性能を維持することができ、しかも、スラッジの
発生量が抑制され、ロングラン適性が向上し、優れた感
度安定性を有していることが判明した。また、自動現像
機のスタート時に用いる現像母液が少ないため廃液量も
少なく、現像コストを下げることができることができ
る。
【0011】
【発明の目的】従って、本発明の目的は、使用する現像
母液及び現像補充液の使用量を低減し、製版コストを低
減することができるとともに、スラッジの発生量が抑制
され、ロングラン適性が向上し、優れた感度安定性を有
している感光性平版印刷版の現像処理方法を提供するこ
とにある。また、本発明のさらなる目的は、廃液量を低
減することができる感光性平版印刷版の現像処理方法を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、 (1)現像槽及び現像補充液補充装置を有し、現像液を
循環再使用する自動現像機を用いて画像露光された感光
性平版印刷版を現像処理する方法において、スタート時
の仕込み母液量Aを、1.5X≦A≦10X〔Aは仕込み母
液量(リットル)、Xは自動現像機において処理可能な
感光性平版印刷版の幅の最大値(メートル)である。〕
とし、処理による現像液の劣化を補償するための現像補
充液を補充して現像処理することを特徴とする感光性平
版印刷版の現像処理方法。 (2)現像槽及び現像補充液補充装置を有し、現像液を
循環再使用する自動現像機を用いて画像露光された感光
性平版印刷版を現像処理する方法において、感光性平版
印刷版の処理による現像液の劣化を補償するための現像
補充液の補充を、対象とする感光性平版印刷版を処理す
る直前に行なうことを特徴とする感光性平版印刷版の現
像処理方法。 (3)現像槽及び現像補充液補充装置を有し、現像液を
循環再使用する自動現像機を用いて画像露光された感光
性平版印刷版を現像処理する方法において、感光性平版
印刷版の処理による現像液の劣化を補償する為の現像補
充液の補充を、対象とする感光性平版印刷版を処理して
いる間に行なうことを特徴とする感光性平版印刷版の現
像処理方法。によって達成される。
【0013】以下、本発明について詳細に説明する。
【0014】本発明の現像処理方法よって現像処理する
ことができる感光性平版印刷版は、ネガ型の感光性平版
印刷版であってもよく、また、ポジ型の感光性平版印刷
版であってもよい。
【0015】感光性平版印刷版は、支持体上に感光層を
設けたものであり、ネガ型の感光性平版印刷版にあって
は、支持体上にネガ型の感光層が、また、ポジ型の感光
性平版印刷版にあっては、支持体上にポジ型の感光層が
設けられている。
【0016】ネガ型の感光層を形成させるための感光材
料としては、光重合型及び/または光架橋型及び/また
はジアゾ型等の感光性材料が挙げられる。
【0017】本発明で用いることができる光重合型の感
光性材料には特に限定はなく、公知の光重合型の感光性
材料のいずれをも用いることができるが、本発明に用い
るのに好ましい感光性材料の一例として、(a)少なく
とも2個の末端ビニル基を有するビニル単量体、(b)
光重合開始剤及び(c)バインダーとしての高分子化合
物からなる感光性材料を挙げることができる。
【0018】上記成分(a)のビニル単量体としては、
例えば、特公昭35-5093号、同35-14719号、同44-28727
号の各公報に記載されているものが用いられ、ポリオー
ルのアクリル酸又はメタクリル酸エステル〔例えば、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート〕、メチレンビス(メ
タ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルア
ミドのようなビス(メタ)アクリルアミド類、及び、ウ
レタン基を含有する不飽和単量体、例えば、ジ−(2′
−メタクリロキシエチル)−2,4−トリレンジウレタ
ン、ジ−(2−アクリロキシエチル)トリメチレンジウ
レタン等のようなジオールモノ(メタ)アクリレートと
ジイソシアネートとの反応生成物等が挙げられる。
【0019】成分(b)の光重合開始剤としては、例え
ば、J.Kosar著「ライト・センシシティブ・システム
ズ」第5章に記載されているようなカルボニル化合物、
有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ
並びにジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素な
どが挙げられる。具体的な光重合開始剤については、英
国特許第1,459,563号明細書に開示されており、本発明
においては、これら開示の光重合開始剤を用いることが
できる。
【0020】成分(c)のバインダーとしては、公知の
種々のポリマーを使用することができる。具体的なバイ
ンダーの詳細については、米国特許第4,072,527号明細
書に記載されている。
【0021】また、例えば、ポリエステル樹脂、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、塩化ビニル
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エ
ポキシ樹脂、アクリレート系共重合体、酢酸ビニル系共
重合体、フェノキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリアクリロニトリルブタジエン、ポリ
酢酸ビニル、水酸基を有する親油性高分子化合物(例え
ば、側鎖に脂肪族性水酸基を有するモノマー、例えば、
2−ヒドロキシエチルアクリレート又は2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート等と他の共重合し得るモノマーと
の共重合体)、特開昭54-98613号公報に記載されている
ような芳香族性水酸基を有する単量体(例えば、N−
(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4
−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−、m−
またはp−ヒドロキシスチレン、o−、m−またはp−
ヒドロキシフェニルメタクリレート)と他の共重合し得
るモノマーとの共重合体、米国特許第4,123,276号明細
書に記載されているヒドロキシエチルアクリレート単位
またはヒドロキシエチルメタクリレート単位を主なる繰
り返し単位として含むポリマー、シェラック、ロジン等
の天然樹脂、ポリビニルアルコール、米国特許第3,751,
257号明細書に記載されているポリアミド樹脂、米国特
許第3,660,097号明細書に記載されている線状ポリウレ
タン樹脂、ポリビニルアルコールのフタレート化樹脂、
ビスフェノールAとエピクロルヒドリンを縮合したエポ
キシ樹脂、アルカリ可溶性樹脂(例えば、ノボラック樹
脂、フェノール性水酸基を有するビニル系重合体、特開
昭55-57841号公報に記載されている多価フェノールとア
ルデヒド又はケトンとの縮合樹脂)等が挙げられる。上
記ノボラック樹脂としては、例えば、フェノール・ホル
ムアルデヒド樹脂、クレゾール・ホルムアルデヒド樹
脂、特開昭55-57841号公報に記載されているようなフェ
ノール・クレゾール・ホルムアルデヒド共重縮合樹脂、
特開昭55-127553号公報に記載されているようなp−置
換フェノールとフェノールもしくは、クレゾールとホル
ムアルデヒドとの共重縮合樹脂等が挙げられる。
【0022】(a)少なくとも2個の末端ビニル基を有
するビニル単量体、(b)光重合開始剤及び(c)バイ
ンダーとしての高分子化合物は、光重合性感光材料の固
形分中に(a)は20〜80重量%、(b)は0.1〜20重量
%、(c)は20〜80重量%含有されるのが好ましい。
【0023】また、これらの光重合性感光材料には、ジ
アゾ化合物、熱重合禁止剤、可塑剤、染料や顔料等を含
有させることができる。
【0024】本発明で用いることができる光架橋型の感
光性材料には、特に限定はなく、公知の光架橋型の感光
性材料のいずれをも用いることができるが、本発明に用
いるのに好ましい感光性材料の一例として、光二量化可
能な基を有する化合物を含有する感光性材料を挙げるこ
とができる。
【0025】上記光二量化可能基を有する化合物として
は、例えば、ケイ皮酸エステル、β−フリルアクリル酸
エステル、α−シアノケイ皮酸エステル、p−アジドケ
イ皮酸エステル、β−スチリルアクリル酸エステル、α
−シアノ−β−スチリルアクリル酸エステル、p−フェ
ニレンジアクリル酸エステル、p−(2−ベンゾイルビ
ニル)−ケイ皮酸エステル、β−ナフチルアクリル酸エ
ステル、シンナミリデンピルビン酸エステル、α−メチ
ル−β−スチリルアクリル酸エステル、α−フェニル−
β−スチリルアクリル酸エステル、α−シアノ−β−フ
リルアクリル酸エステル、p−ジメチルアミノケイ皮酸
エステル、さらには上記のエステルに対応するアミド、
カルコン、ベンジリデンアセトン、スチルバゾール、ス
チルベン、α−フェニルマレイミド、クマリン、ピロ
ン、アントラセン、ジベンズアゼピン、あるいはこれら
の誘導等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0026】これら光二量化可能な基を有する化合物は
単独であるいは2種以上の化合物を混合して使用するこ
とができる。
【0027】本発明の光架橋型の感光性材料には、上記
光二量化可能な基を有する化合物の他に、増感剤を使用
することが好ましい。
【0028】本発明において使用できる増感剤の代表的
な例として、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノ
ン、5−ニトロアセナフテン、p−ニトロジフェニル、
p−ニトロアニリン、2−ニトロフルオレノン、1−ニ
トロピレン、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチル
アミン、N−ベンゾイル−4−ニトロ−1−ナフチルア
ミン、ミヒラーズケトン、N−ブチルアクリドン、5−
べンゾイルアセナフテン、1,8−フタロイルナフタリ
ン、1,2−ベンズアンスラセン、9,10−フェナン
トラキノン、クロルベンズアンスロン、N−フェニルチ
オアクリドン、1,2−ベンズアンスラキノン、N−メ
チル−2−ベンゾイルメチレン−β−ナフトチアゾー
ル、2−クロルチオキサトン、2,4−ジメチルチオキ
サントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、エ
オシン、エリストシン、ピクラミド等を挙げることがで
きるが、これらに限定されるものではない。これらの増
感剤の使用は必ずしも不可欠のものではないが、より長
波長サイドの光利用効率を高める目的で使用される。
【0029】また、本発明の光架橋型の感光性材料に
は、形態保持性を与える等の目的で、必要に応じて無機
粉末やポリマーを混合することもできる。
【0030】上記の無機粉末として有用なものは、光架
橋型の感光性材料に分散し得るもので、代表例として、
コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン等を挙
げることができる。また、上記のポリマーとしは、光二
量化可能な基を有する化合物、さらには増感剤と混合し
得る性質を持つているならば、通常のビニルポリマー、
(メタ)アクリル酸エステルポリマー、未加硫ゴム、ポ
リエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタ
ン、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アルキド樹脂、メラミ
ン樹脂、フェノール樹脂、ガムロジン、ポリテルペン、
クマロン−インデン樹脂、さらにはこれらの混合物を広
く使用することができる。
【0031】本発明で用いることのできるジアゾ型の感
光性材料には特に限定はなく、公知のジアゾ型の感光材
料のいずれをも用いることができる。
【0032】これらジアゾ化合物としては、p−ジアゾ
ジフェニルアミンとホルムアルデヒドとの縮合物である
ジアゾ樹脂が代表的なものであって、水不溶性で有機溶
媒可溶性のものが好ましく、例えば、特公昭47-1167号
公報及び同57-43890号公報等に記載されている水不溶性
でかつ通常の有機溶媒可溶性のものが挙げられる。
【0033】本発明において用いるジアゾ樹脂として
は、カルボキシル基および水酸基からなる群から選ばれ
た基を少なくとも一つ有する芳香族化合物と芳香族ジア
ゾニウム化合物とを構成単位として分子中に含有する共
縮合ジアゾ樹脂が好ましい。
【0034】上記カルボキシル基および水酸基からなる
群から選ばれた基を少なくとも一つ有する芳香族化合物
とは、少なくとも1つのカルボキシル基で置換された芳
香族環および/または少なくとも1つのヒドロキシル基
で置換した芳香族環を分子中に含むものであって、この
場合、上記カルボキシル基とヒドロキシル基とが同一の
芳香族環に置換されていてもよい。
【0035】そして、上記の芳香族環としては、好まし
くはアリール基、例えば、フェニル基、ナフチル基を挙
げることができる。
【0036】また、前記のカルボキシル基あるいはヒド
ロキシル基は芳香族環に直接結合してもよく、何らかの
結合基(以下、単にジョイントという。)を介して結合
していてもよい。
【0037】上記の場合において、1つの芳香族環に結
合するカルボキシル基の数としては1または2が好まし
く、また1つの芳香族環に結合するヒドロキシル基の数
としては1〜3が好ましい。さらにジョイントとして
は、例えば、炭素数1〜4のアルキレン基を挙げること
ができる。
【0038】上記共縮合ジアゾ樹脂には対アニオンが用
いられる。対アニオンには、該ジアゾ樹脂と安定に塩を
形成し、かつ、該樹脂を有機溶媒に可溶となすアニオン
を含む。これらは、デカン酸および安息香酸等の有機カ
ルボン酸、フェニルリン酸等の有機リン酸およびスルホ
ン酸を含み、典型的な例としては、メタンスルホン酸、
クロロエタンスルホン酸、ドデカンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メシチレンスルホ
ン酸、およびアントラキノンスルホン酸、2−ヒドロキ
シ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、ヒ
ドロキシスルホン酸、4−アセチルベンゼンスルホン
酸、ジメチル−5−スルホイソフタレート等の脂肪族並
びに芳香族スルホン酸、2,2′,4,4′−テトラヒ
ドロキシベンゾフェノン、1,2,3−トリヒドロキシ
ベンゾフェノン、2,2′,4−トリヒドロキシベンゾ
フェノン等の水酸基含有芳香族化合物、ヘキサフルオロ
リン酸、テトラフルオロホウ酸等のハロゲン化ルイス
酸、ClO4、IO4等の過ハロゲン酸等が挙げられる
が、これらに限られるものではない。これらの中で、特
に好ましいものは、ヘキサフルオロリン酸、テトラフル
オロホウ酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン−5−スルホン酸である。
【0039】また、本発明においてジアゾ樹脂は、感光
性組成物の固形分中に通常1〜20重量%、好ましくは2
〜10重量%含有させるとよい。
【0040】本発明のネガ型感光性平版印刷版は、支持
体上に上記光重合型及び/または光架橋型及び/または
ジアゾ型の感光性材料を含有する感光層を形成したもの
である。
【0041】次に、本発明のポジ型感光性平版印刷版に
用いるオルトキノンジアジド化合物について説明する。
【0042】本発明のポジ型感光性平版印刷版は、支持
体上にオルトキノンジアジド化合物を感光性材料として
含有する感光層を形成したものである。
【0043】オルトキノンジアジド化合物としては、例
えば、o−ナフトキノンジアジドスルホン酸と、フェノ
ール類及びアルデヒド又はケトンの重縮合樹脂とのエス
テル化合物が挙げられる。
【0044】上記フェノール類としては、例えば、フェ
ノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾ
ール、3,5−キシレノール、カルバクロール、チモー
ル等の一価フェノール、カテコール、レゾルシン、ヒド
ロキノン等の二価フェノール、ピロガロール、フロログ
ルシン等の三価フェノール等が挙げられる。
【0045】また、アルデヒドとしては、ホルムアルデ
ヒド、べンズアルデヒド、アセトアルデヒド、クロトン
アルデヒド、フルフラール等が挙げられる。これらのう
ち好ましいものはホルムアルデヒド及びべンズアルデヒ
ドである。また、ケトンとしてはアセトン、メチルエチ
ルケトン等が挙げられる。
【0046】前記重縮合樹脂の具体的な例としては、フ
ェノール・ホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール・ホ
ルムアルデヒド樹脂、m−,p−混合クレゾール・ホル
ムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ベンズアルデヒド樹
脂、ピロガロール・アセトン樹脂等が挙げられる。
【0047】前記o−ナフトキノンジアジド化合物にお
いて、フェノール類のOH基に対するo−ナフトキノン
ジアジドスルホン酸の縮合率(OH基1個に対する反応
率)は、15〜80%が好ましく、より好ましいのは20〜45
%である。
【0048】更に、本発明に用いられるo−キノンジア
ジド化合物としては、特開昭58-43451号公報に記載のあ
る以下の化合物も挙げることができる。即ち、例えば、
1,2−ベンゾキノンジアジドスルホン酸エステル、
1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、
1,2−ベンゾキノンジアジドスルホン酸アミド、1,
2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミドなどの公知
の1,2−キノンジアジド化合物、更に具体的にはジエ
イ・コサール(J.Kosar)著「ライト・センシティブ・
システムズ」(“Light-Sensitive Systems”)第339〜
352頁(1965年)、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ
(John Wiley&Sons)社(ニューヨーク)やダブリュー
・エス・ディー・フォレスト(W.S.De Forest)著「フ
ォトレジスト」(Photoresist)第50巻,(1975年)、
マグローヒル(McGraw-Hill)社(ニューヨーク〕に記
載されている1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スル
ホン酸フェニルエステル、1,2,1′,2′−ジ−
(ベンゾキノンジアジド−4−スルホニル)−ジヒドロ
キシビフェニル、1,2−ベンゾキノンジアジド−4−
(N−エチル−N−β−ナフチル)−スルホンアミド、
1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸シクロ
ヘキシルエステル、1−(1,2−ナフトキノンジアジ
ド−5−スルホニル)−3,5−ジメチルピラゾール、
1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸−4″
−ヒドロキシジフェニル−4″−アゾ−β−ナフトール
エステル、N,N−ジ−(1,2−ナフトキノンジアジ
ド−5−スルホニル)−アニリン、2−(1,2−ナフ
トキノンジアジド−5−スルホニルオキシ)−1−ヒド
ロキシ−アントラキノン、1,2−ナフトキノンジアジ
ド−5−スルホン酸−2,4−ジヒドロキシベンゾフェ
ノンエステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−ス
ルホン酸−2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン
エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホ
ン酸クロリド2モルと4,4′−ジアミノベンゾフェノ
ン1モルの縮合物、1,2−ナフトキノンジアジド−5
−スルホン酸クロリド2モルと4,4′−ジヒドロキシ
−1,1′−ジフェニルスルホン1モルの縮合物、1,
2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド1
モルとプルプロガリン1モルの縮合物、1,2−ナフト
キノンジアジド−5−(N−ジヒドロアビエチル)−ス
ルホンアミドなどの1,2−キノンジアジド化合物を挙
げることができる。又、特公昭37-1953号、同37-3627
号、同37-13109号、同40-26126号、同40-3801号、同45-
5604号、同45-27345号、同51-13013号、特開昭48-96575
号、同48-63802号、同48-63803号各公報に記載された
1,2−キノンジアジド化合物をも挙げることができ
る。
【0049】上記o−キノンジアジド化合物のうち、
1,2−ベンゾキノンジアジドスルホニルクロリド又は
1,2−ナフトキノンジアジドスルホニルクロリドをピ
ロガロール・アセトン縮合樹脂又は2,3,4−トリヒ
ドロキシベンゾフェノンと反応させて得られるo−キノ
ンジアジドエステル化合物が特に好ましい。
【0050】本発明においては、o−キノンジアジド化
合物として、上記化合物を各々単独で用いてもよいし、
また、2種以上組合せて用いてもよい。
【0051】オルトキノンジアジド化合物を感光性材料
として含有する感光層にはアルカリ可溶性樹脂を混入す
ることが好ましい。これらアルカリ可溶性樹脂として
は、ノボラック樹脂、フェノール性水酸基を有するビニ
ル系重合体、特開昭55-57841号公報に記載されている多
価フェノールとアルデヒド又はケトンとの縮合樹脂等が
挙げられる。
【0052】上記ノボラック樹脂としては、例えば、フ
ェノール・ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール・ホルム
アルデヒド樹脂、特開昭55-57841号公報に記載されてい
るようなフェノール・クレゾール−ホルムアルデヒド共
重縮合樹脂、特開昭55-127553号公報に記載されている
ようなp−置換フェノールとフェノールもしくはクレゾ
ールとホルムアルデヒドとの共重縮合樹脂等が挙げられ
る。
【0053】ノボラック樹脂の分子量(ポリスチレン標
準)は、好ましくは数平均分子量Mnが3.00×102〜7.5
0×103、重量平均分子量Mwが1.00×103〜3.00×104
より好ましくはMnが5.00×102〜4.00×103、Mwが3.
00×103〜2.00×104である。
【0054】上記ノボラック樹脂は単独で用いてもよい
し、2種以上組合せて用いてもよい。
【0055】上記ノボラック樹脂の感光性組成物中に占
める割合は5〜95重量%が好ましい。
【0056】オルトキノンジアジド化合物の感光層中に
占める割合は6〜60重量%が好ましく、特に好ましいの
は、10〜50重量%である。
【0057】本発明のオルトキノンジアジド化合物を感
光性材料として含有する感光層には、必要に応じて、可
塑剤、界面活性剤、有機酸、酸無水物などを添加するこ
とができる。
【0058】更に、本発明のオルトキノンジアジド化合
物を感光性材料として含有する感光層には、該感光性組
成物の感脂性を向上させるために、例えば、p−tert−
ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂やp−n−オク
チルフェノールホルムアルデヒド樹脂や、あるいはこれ
らの樹脂がo−キノンジアジド化合物で部分的にエステ
ル化されている樹脂などの感脂化剤を添加することもで
きる。
【0059】また、本発明の光重合型及び/または光架
橋型の感光性材料を含有する感光層及びオルトキノンジ
アジド化合物を感光性材料として含有する感光層には、
露光により可視画像を形成させるプリントアウト材料を
添加することができる。プリントアウト材料は露光によ
り酸もしくは遊離基を生成する化合物と共に用いられ、
露光により該化合物から生成した酸もしくは遊離基と相
互作用することによってその色調を変え、色画像を形成
する。プリントアウト材料には、露光により生成した上
記酸もしくは遊離基と相互作用することによってその色
調を変える色素が用いられる。
【0060】該色素としては、フリーラジカルまたは酸
と反応して色調を変化するものが好ましく使用できる。
ここに「色調が変化する」とは、無色から有色の色調へ
の変化、有色から無色あるいは異なる有色の色調へのい
ずれをも包含する。好ましい色素は酸と塩を形成して色
調を変化するものである。
【0061】感光層には、更に種々の添加物を加えるこ
とができる。
【0062】例えば、塗布性を改良するためのアルキル
エーテル類(例えば、エチルセルロース、メチルセルロ
ース)、フッ素系界面活性剤類や、ノニオン系界面活性
剤〔例えば、プルロニックL−64(旭電化(株)
製)〕、塗膜の柔軟性、耐摩耗性を付与するための可塑
剤(例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコー
ル、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸
ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、
リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオ
クチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル
酸又はメタクリル酸のオリゴマーおよびポリマー)、画
像部の感脂性を向上させるための感脂化剤(例えば、特
開昭55-527号公報記載のスチレン−無水マレイン酸共重
合体のアルコールによるハーフエステル化物等)、安定
剤〔例えば、リン酸、亜リン酸、有機酸(クエン酸、シ
ュウ酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタリンスルホン酸、
4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン−5−ス
ルホン酸、酒石酸等)〕、現像促進剤(例えば、高級ア
ルコール、酸無水化物等)等が挙げられる。これらの添
加剤の添加量はその使用対象目的によって異なるが、一
般に感光性組成物の全固形分に対して、0.01〜30重量%
である。
【0063】本発明の光重合型及び/または光架橋型の
感光性材料を含有する感光層を有するネガ型感光性平版
印刷版及びオルトキノンジアジド化合物を感光性材料と
して含有する感光層を有するポジ型感光性平版印刷版
は、必要とする上記の各成分を溶媒に溶解させた塗布液
を支持体表面に塗布乾燥させ、感光層を形成することに
より製造することができる。
【0064】上記各成分を溶解させる溶媒としては、メ
チルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチル
セロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、
ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコ
ール、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレン
グリコールジカルボン酸メチルエーテル、ジプロピレン
グリコールメチルエチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸プ
ロピル、ギ酸ブチル、ギ酸アミル、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチ
ル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサ
ン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン、メチルシクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、
アセチルアセトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられ
る。これらの溶媒は、単独あるいは2種以上混合して使
用することができる。
【0065】塗布方法としては、従来公知の方法、例え
ば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エア
ーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布及びカーテン
塗布等を用いることができる。
【0066】塗布液の濃度は1〜50重量%の範囲とする
ことが望ましい。この場合、塗布液の塗布量は、おおむ
ね、固形分として0.2〜10g/m2程度とすればよい。
【0067】支持体としては、紙、プラスチック(例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンな
ど)ラミネート紙、アルミニウム(アルミニウム合金も
含む)、亜鉛、銅などのような金属の板、二酢酸セルロ
ース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタールなどの
ようなプラスチックのフィルム、上記の如き金属がラミ
ネートもしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフィ
ルム、アルミニウムもしくはクロームメッキが施された
鋼板などが挙げられ、これらのうち特に、アルミニウム
及びアルミニウム被覆された複合支持体が好ましい。
【0068】また、アルミニウム材の表面は、保水性を
高め、感光層との密着性を向上させる目的で粗面化処理
されていることが望ましい。
【0069】粗面化方法としては、一般に公知のブラシ
研磨法、ボール研磨法、電解エッチング、化学的エッチ
ング、液体ホーニング、サンドブラスト等の方法および
これらの組合せが挙げられ、好ましくはブラシ研磨法、
電解エッチング、化学的エッチングおよび液体ホーニン
グが挙げられ、これらのうちで、特に電解エッチングの
使用を含む粗面化方法が好ましい。また、電解エッチン
グの際に用いられる電解浴としては、酸、アルカリまた
はそれらの塩を含む水溶液あるいは有機溶剤を含む水性
溶液が用いられ、これらのうちで特に塩酸、硝酸または
それらの塩を含む電解液が好ましい。さらに、粗面化処
理の施されたアルミニウム板は、必要に応じて酸または
アルカリの水溶液にてデスマット処理される。こうして
得られたアルミニウム板は、陽極酸化処理されることが
望ましく、特に好ましくは、硫酸またはリン酸を含む浴
で処理する方法が挙げられる。また、さらに必要に応じ
て、ケイ酸アルカリや熱水による処理、その他水溶性高
分子化合物や弗化ジルコニウム酸カリウム水溶液への浸
漬等による表面処理を行うことができる。
【0070】支持体の裏面には、アルミニウムの陽極酸
化皮膜の溶出を抑えるために、有機金属化合物あるいは
無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金
属酸化物からなる被覆層あるいは有機高分子化合物から
なる被覆層(以下、バックコート層という。)を設ける
ことが好ましい。
【0071】バックコート層は、現像時にアルミニウム
の溶出が抑えられ量用いればよく、0.001〜10g/m2
範囲の塗布量が好ましく、より好ましくは、0.01〜1g
/m2であり、0.02〜0.1g/m2が最も好ましい。
【0072】バックコート層をアルミニウム支持体の裏
面に被覆する方法としては種々の方法が適用できるが、
上記の塗布量を確保する上で最も好ましいのは、バック
コート層塗布液を作成して塗布、乾燥する方法である。
【0073】支持体上に光重合型及び/または光架橋型
の感光性材料を含有する感光層を有するネガ型感光性平
版印刷版においては、空気中の酸素による重合禁止作用
を防止する為、例えば、ポリビニルアルコール、酸性セ
ルロース類等のような酸素遮断性に優れたポリマーより
なる保護層を設けてもよい。
【0074】感光性平版印刷版は、線画像、網点画像等
を有する透明原画を通して感光される。露光に好適な活
性光の光源としては、カーボンアーク灯、水銀灯、キセ
ノンランプ、メタルハライドランプ、ストロボ等が挙げ
られる。
【0075】本発明において、感光性平版印刷版の現像
処理は、現像槽及び現像補充液補充装置を有し、現像液
を循環再使用する自動現像機を用い、スタート時の仕込
み母液量Aを、1.5X≦A≦10X〔Aは仕込み母液量
(リットル)、Xは自動現像機において処理可能な感光
性平版印刷版の幅の最大値(メートル)である。〕と
し、処理による現像液の劣化を補償するための現像補充
液を補充して行なわれる。また、本発明においては、感
光性平版印刷版の処理による現像液の劣化を補償するた
めの現像補充液の補充は、対象とする感光性平版印刷版
を処理する直前、あるいは、感光性平版印刷版を処理し
ている間に行なわれる。
【0076】スタート時に現像槽へ仕込む現像液(母
液)、処理による現像液の劣化を補償するために現像槽
へ補充する現像補充液には、通常、アルカリ金属の珪酸
塩を含む水系アルカリ現像液、現像補充液が用いられ
る。
【0077】アルカリ金属の珪酸塩を含む水系アルカリ
現像液、現像補充液に用いられるアルカリ金属の珪酸塩
としては、例えば、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウ
ム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム等が挙
げられる。これらの中でも好ましいものは、カリウムの
珪酸塩である。現像液、現像補充液には、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナ
トリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウ
ム、第二リン酸カリウム、第三リン酸アンモニウム、第
二リン酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム等のような無機
アルカリ剤、モノ、ジ又はトリエタノールアミン及び水
酸化テトラアルキルアンモニウムのような有機アルカリ
剤及び有機ケイ酸アンモニウム等の他のアルカリ剤を含
有させることができる。
【0078】上記アルカリ剤の濃度は、感光性平版印刷
版に用いられている感光性組成物及びアルカリの種類に
より異なるが、0.05〜20重量%の範囲が好ましく、0.1
〜10重量%の範囲が適当である。
【0079】また、現像液、現像補充液には、ノニオン
界面活性剤を添加してもよい。ノニオン界面活性剤の添
加量は、0.01〜10重量%の範囲であり、好ましくは0.02
〜2重量%の範囲である。
【0080】スタート時に現像槽へ仕込む現像液として
は、〔SiO2〕/〔M〕(式中、〔SiO2〕は、Si
2のモル濃度を示し、〔M〕は、アルカリ金属のモル
濃度を示す。)が、0.35〜1.0であり、かつ、SiO2
含有量が1〜5重量%であるアルカリ金属の珪酸塩を含
む水系アルカリ現像液が好ましい。更に好ましくは、
〔SiO2〕/〔M〕が、0.4〜0.9であり、かつ、Si
2の含有量が1〜3重量%であるアルカリ金属の珪酸
塩を含む水系アルカリ溶液である。
【0081】また、現像補充液としては、〔SiO2
/〔M〕が、0.2〜0.8の範囲であり、かつ、SiO2
含有量が1〜5重量%であるアルカリ金属の珪酸塩を含
む水系アルカリ現像液が好ましい。更に好ましくは、
〔SiO2〕/〔M〕が0.3〜0.7であり、かつ、SiO2
の含有量は1〜4重量%であるアルカリ金属の珪酸塩を
含む水系アルカリ溶液である。
【0082】現像液及び現像補充液は2液以上で構成し
てもよいが、現像補充液を2液以上で構成すると、補充
装置の供給部、収容タンク等が複雑になり、装置が大き
くなってしまう等の理由から、現像補充液は1液で構成
することが好ましい。
【0083】現像液のpH(25℃、以下同じ)は、12以
上13.5以下が好ましく、現像補充液のpHは、12.5以上
14以下が好ましく、現像補充液のpHが現像液のpHよ
り0.5以上高いことが好ましい。
【0084】以下、図面によって本発明の感光性平版印
刷版の現像処理方法を説明するが、本発明の感光性平版
印刷版の現像処理方法は特許請求の範囲に記載の構成要
件によってのみ限定されるものであって、これら図面の
記載によって限定されるものではない。
【0085】図1は、本発明の感光性平版印刷版の現像
処理方法に用いる自動現像機の一例を示す概略構成図で
ある。
【0086】図1において、1は現像槽、2は搬送ロー
ラ、3は絞りローラ、4は串型ローラ、5は受ローラ、
はブラシローラ、7はポンプ、81〜84はシャワーパ
イプ、9は補充制御装置、10は補充ポンプ、11はマ
イクロスイッチ、12は現像液タンク、13は現像補充
液タンクを表す。
【0087】図1に示された自動現像機において、画像
露光された感光性平版印刷版は、現像槽1の挿入口から
挿入され、搬送ローラ2によって一定の速度で搬送さ
れ、現像槽1を通過する間に現像され、絞りローラ3に
よって現像液を絞られ送り出される。ブラシローラ
感光性平版印刷版の表面を擦り現像を促進する。次い
で、現像された感光性平版印刷版は水洗される。
【0088】マイクロスイッチ11は感光性平版印刷版
が挿入されたことことを検知し、信号を発生する。補充
制御装置9は、マイクロスイッチ11からの信号によっ
て補充ポンプ10を制御し、現像補充液を、現像補充液
タンク13から現像液タンク12に補充することができ
るようになっている。
【0089】補充制御装置9での補充ポンプ10の制御
は、現像補充液の補充を対象とする感光性平版印刷版を
処理する直前に行なうには、マイクロスイッチ11から
の信号を受けると同時に、一定量の補充液が補充される
ように行えばよく、また、現像補充液の補充を、対象と
する感光性平版印刷版を処理している間、あるいは、処
理した後に行なうには、マイクロスイッチ11からの信
号を受けてからタイミングを見計らって、処理している
間、あるいは、処理した後に、一定量の補充液が補充さ
れるように行えばよい。また、補充制御装置9は、経時
補充、日間補充をするための補充ポンプ10の制御も行
うことができる。
【0090】現像液は、現像液タンク12からポンプ7
によって送られシャワーパイプ81〜84から感光性平版
印刷版上に供給され、現像槽1の底部から現像液タンク
12に戻るようになっている。
【0091】近年、公害防止のため、現像処理に用いた
現像剤等の廃棄が困難になってきており、廃棄する水洗
水の量も少なくすることが求められている。そのため、
水洗廃液もできるかぎり再利用することが好ましく、水
洗廃液の少なくとも一部を現像液、現像補充液の希釈水
として再利用し、水洗廃液の排気量を少なくすることが
好ましい。
【0092】本発明においては、スタート時に、現像液
を、リットルで表した仕込み量を(A)、メートルで表
したその自動現像機において処理可能な最大の感光性平
版印刷版の幅を(B)としたとき (B)×1.5≦(A)≦(B)×10倍 で表される仕込み量(A)で仕込み、現像処理される。
【0093】また、本発明においては、感光性平版印刷
版の処理による現像液の劣化を補償するために現像補充
液の補充を、対象とする感光性平版印刷版を処理する直
前、あるいは、感光性平版印刷版を処理している間に行
なわれる。
【0094】本発明の現像処理方法を実施する場合、現
像槽1に流入した大気と接触することによってもたらさ
れる現像液の劣化、現像液からの水分の蒸発を避けるた
めに、 現像槽1上に覆いを設けると共に、感光性平版印刷版
の入口及び出口に感光性平版印刷版が通過する間だけ開
く仕切り板を設け密閉構造とする 現像槽1上に覆いを設けると共に、感光性平版印刷版
の入口及び出口に感光性平版印刷版の通過を妨げない軟
質のプラスチックで構成したブレードを設け密閉構造と
する 現像槽1上に覆いを設けると共に、現像槽1の空間の
空気から現像液の劣化をもたらす炭酸ガスを除去する炭
酸ガス除去装置を設ける 現像槽1上に覆いを設けると共に、現像槽1の空間の
空気を加温する加湿器を設ける等の手段を採ることが好
ましい。
【0095】本発明において用いる自動現像機は、感光
性平版印刷版の現像を如何なる手段で行なうものであっ
てもよいが、図1に示したように、感光性平版印刷版を
水平方向に搬送し、現像液を吐出ノズル等を用いて感光
性平版印刷版に現像液を供給し、現像を行なうことが好
ましい。
【0096】また、スタート時に現像槽1への現像液の
仕込み、現像補充液の補充を制御装置を用いて自動的に
行なえるようにすることが好ましい。
【0097】現像補充液の補充は、例えば、感光性平版
印刷版を1枚あるいは複数枚処理する度に1定量;処理
する感光性平版印刷版の長手方向の長さに比例する量;
処理する感光性平版印刷版の長手方向の長さを測定し、
それを積算し、積算した値が所定の値になった時に1定
量;処理する感光性平版印刷版の面積に比例する量;処
理する感光性平版印刷版の面積を測定し、それを積算
し、積算した値が所定の値になった時に1定量;例え
ば、特開昭61-182041号公報に記載されているように、
感光性平版印刷版の面積と非画像部率から処理する感光
性平版印刷版の非画像部面積を算出し、この非画像部面
積に比例する量;処理する感光性平版印刷版の非画像部
面積を積算し、積算した値が所定の値になった時に1定
量;例えば、特開昭61-117547号公報に記載されている
ように、感光性平版印刷版の非画像部の溶出度合いを交
流インピーダンス計、光反射センサー等で測定し、該溶
出度合いと予め感光性平版印刷版の品種によって定めて
おいた補充条件より算出されて量;例えば、特開昭61-1
62049号公報に記載されているように、現像液の劣化度
をセンサーにより測定し、劣化度がそれまでの感光性平
版印刷版の処理量によって定められた所定のレベルにな
った時に、それまでの感光性平版印刷版の処理量によっ
て定められた量;例えば、特開昭60-142339号公報に記
載されているように、現像液のpHを検出し、現像液の
活性度が所定の範囲に維持される量補充することによっ
て行なわれる。
【0098】また、上記の現像補充液の補充とは別に、
現像液が大気中の炭酸ガスを吸収することによってもた
らされる現像液の劣化を補償するために、いわゆる経時
補充、日間補充を行なうことが好ましい。
【0099】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。
【0100】実施例1 《ポジ型感光性平版印刷版試料》厚さ0.24mmのJIS−
1050アルミニウム板を、2%水酸化ナトリウム水溶液に
浸漬し、脱脂処理を行った後に、希硝酸溶液中にて電気
化学的に粗面化し、よく洗浄した後に希硫酸溶液中で陽
極酸化処理を行って2.5g/m2の酸化皮膜を上記アルミ
ニウム板表面上に形成させた。このように処理されたア
ルミニウム板を水洗、乾燥し砂目支持体を得た。
【0101】上記砂目支持体に下記組成の感光性組成物
塗布液(1)を乾燥重量が2.0g/m2となるように塗布
し、乾燥してポジ型感光性平版印刷版試料を得た。
【0102】 〈感光性組成物塗布液(1)〉 ナフトキノン−(1,2)−ジアジド−(2)−5−スルホン酸クロライドとピ ロガロール・アセトン樹脂とのエステル化合物(特開昭60-143345号公報合成例 2に記載された化合物) 2.7g フェノールとm−、p−混合クレゾールとホルムアルデヒドとの共重縮合樹脂( フェノール、m−クレゾール及びp−クレゾールの仕込みモル比が10:54:36、 重量平均分子量Mw=5500) 7.0g p−tert−オクチルフェノールとホルムアルデヒドより合成されたノボラック樹 脂とナフトキノン−(1,2)−ジアジド−(2)−5−スルホン酸クロライド とのエステル化合物(縮合率:50モル、Mw=1700) 0.1g ポリエチレングリコール#2000 0.1g ナフトキノン−(1,2)−ジアジド−(2)−4−スルホン酸クロライド 0.05g ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学(株)製) 0.08g エチルセロソルブ 80g メチルセロソルブ 20g
【0103】《ネガ型感光性平版印刷版試料》上記の砂
目支持体に下記組成の感光性組成物塗布液(2)を乾燥
重量が1.5g/m2となるように塗布し、乾燥してネガ型
感光性平版印刷版試料を得た。 〈感光性組成物塗布液(2)〉 高分子化合物A 5g 下記構造式で表される増感剤 0.25g
【0104】
【化1】 プロピレングリコールモノメチルエーテル 50g メチルエチルケトン 50g メガファックF−177(大日本インキ(株)製、フッ素系ノニオン系界面活性剤 ) 0.03g なお、上記感光性組成物塗布液(2)における高分子化
合物Aは下記により合成されたものである。
【0105】(高分子化合物Aの合成)撹拌機、冷却管
を備えた1リットルフラスコに2,3−ジメチルマレイ
ン酸無水物126g(1モル)、6−アミノカプロン酸131
g(1モル)及びトルエン600ミリリットルを入れ、100
℃に加熱しながら1時間撹拌した。次に、Dean-Stark水
分離器を取り付け、トルエン還流下水を除去しつつ3時
間撹拌した。反応終了後混合物を冷却した後、ヘキサン
1.5リットルに晶析した。ろ過、乾燥により得られた固
体をさらに水1.5リットル中に分散させリスラリーとし
た。ろ過、乾燥することにより、下記の化合物(i)の
白色固体231gを得た。
【0106】
【化2】 次に、撹拌機、冷却管を備えた300ミリリットルフラス
コに、化合物(i)57.4g(0.24モル)及び塩化チオニ
ル29.7g(0.25モル)を入れ、室温下1時間撹拌した。
更に80℃に加熱しながら1時間撹拌した。反応終了後、
冷却し、エーテル150ミリリットルを加えた。次にフラ
スコに滴下ロートを取り付け、反応混合物を氷水浴にて
冷却しながら2−ヒドロキシエチルメタクリレート26.0
g(0.2モル)とピリジン31.6g(0.4モル)の混合物を
滴下ロートにより、約30分間かけて滴下した。滴下終了
後、氷水浴下で1時間撹拌し、更に50℃に加熱しながら
2時間撹拌した。反応終了後、冷却し、酢酸エチル400
ミリリットルと共に反応混合物を分液ロートヘ入れた。
水、1N塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水
の順に洗浄した。
【0107】この溶液を硫酸ナトリウムで乾操した後、
溶媒を減圧留去することにより下記の化合物(ii)の液
体59gが得られた。
【0108】
【化3】 次に、撹拌機、冷却管、滴下ロートを備えた200ミリリ
ットルフラスコに1−メトキシ−2−プロパノール30.1
gを入れ、窒素気流下75℃に加熱した。このフラスコ中
へ、化合物(ii)22.8g(0.065モル)、メタクリル酸
3.0g(0.035モル)、2,2′−アゾビスイソ酪酸ジメ
チル1.15g(0.005モル)及び1−メトキシ−2−プロ
パノール30.1gの混合物を滴下ロートにより2.5時間か
けて滴下した。滴下終了後、更に75℃で3時間撹拌した
後、水1リットルに撹拌下投入した。析出物をろ過によ
り集め乾燥することにより、24gの高分子化合物Aを得
た。
【0109】高分子化合物Aのゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーにより求めた重量平均分子量(ポリス
チレン標準)は21,000であった。 《ネガ型感光性平版印刷版試料及びポジ型感光性平版印
刷版試料の現像処理》上記により得られた菊全サイズの
ネガ型感光性平版印刷版試料及びポジ型感光性平版印刷
版試料に、それぞれ対応する網点の絵柄を有する原稿フ
ィルム及び感度測定用ステップタブレット(イーストマ
ンコダック社製、No.2、濃度差0.15ずつ21段階のグレ
ースケール)を密着して、2kWメタルハライドランプを
光源として8.0mW/cm2の条件で70cmの距離から60秒間露
光した。
【0110】次に、処理することが可能な感光性平版印
刷版の最大幅が910mmであり、現像補充液補充装置を有
し、現像液を循環再使用する疑似密閉した自動現像機
に、下記の組成を有する現像母液を仕込み、上記露光済
みのポジ型感光性平版印刷版及びネガ型感光性平版印刷
版を、下記の組成を有する現像母液、及び現像補充液を
用いて30℃で12秒間現像処理した。
【0111】 〈現像母液〉 A珪酸カリウム(SiO2:26重量%、K2O:13重量%) 100重量部 水酸化カリウム 19重量部 水 1200重量部 〈現像補充液〉 A珪酸カリウム(SiO2:26重量%、K2O:13重量%) 100重量部 水酸化カリウム 22重量部 水 640重量部 〈条件1(本発明)〉1日当たり、菊全サイズのポジ型
感光性平版印刷版150版及び菊全サイズのネガ型感光性
平版印刷版50版の感光性平版印刷版(合計200版)を処
理順序をランダムにして、2週間に亙り現像処理を行な
い、合計2400版の感光性平版印刷版を下記の条件で現像
処理した。
【0112】スタート時の現像母液の仕込み量 3リットル 〔スタート時の現像母液量/処理することが可能な感光
性平版印刷版の最大幅=3.3(リットル/m)〕
【0113】現像補充液の補充量 処理補充:70ミリリットル/m2 経時補充:240ミリリットル/時間 日間補充(自動現像機の非稼働期間での補充):200ミ
リリットル/時間 600版現像処理した後、現像液を廃棄し、新しく現像母
液を仕込み同様に現像処理を行い、これを繰り返した。
【0114】〈条件2(比較)〉1日当たり、菊全サイ
ズのポジ型感光性平版印刷版150版及び菊全サイズのネ
ガ型感光性平版印刷版50版の感光性平版印刷版(合計20
0版)を処理順序をランダムにして、2週間に亙り現像
処理を行ない、合計2400版の感光性平版印刷版を下記の
条件で現像処理した。
【0115】スタート時の現像母液の仕込み量 24リットル 〔スタート時の現像母液量/処理することが可能な感光
性平版印刷版の最大幅=26.4(リットル/m)〕
【0116】現像補充液の補充量 処理補充:70ミリリットル/m2 経時補充:240ミリリットル/時間 日間補充(自動現像機の非稼働期間での補充):200
ミリリットル/時間現像母液を廃棄することなく現像処
理を行なった。
【0117】《結果》 −条件1(本発明)での処理− 現像槽にスラッジの発生はなく、簡単に清掃することが
できた。また、現像母液の使用量は12リットルであっ
た。従って、廃液しなければならない使用済み現像母液
の量は12リットルであり、低コスト、低廃液量を達成で
きた。 −条件2(比較)での処理− 現像槽に大量のスラッジが発生しており、清掃に非常に
時間がかかった。また、廃液しなければならない使用済
み現像母液は24リットルあり、コストがかかり、廃液量
も多い。
【0118】実施例2 実施例1記載の菊全サイズのポジ型感光性平版印刷版試
料に、それぞれ対応する網点の絵柄を有する原稿フィル
ム及び感度測定用ステップタブレット(イーストマンコ
ダック社製、No.2、濃度差0.15ずつ21段階のグレース
ケール)を密着して、2kWメタルハライドランプを光源
として8.0mW/cm2の条件で70cmの距離から60秒間露光し
た。
【0119】次に、実施例1記載の現像母液を実施例1
記載の自動現像機に仕込み、上記露光済みのポジ型感光
性平版印刷版を、実施例1記載の現像補充液を補充しな
がら30℃で12秒間現像処理した。
【0120】菊全サイズのポジ型感光性平版印刷版を1
日で200版、下記の条件で連続現像処理した。
【0121】〈条件1(本発明)〉スタート時の現像母
液の仕込み量を2リットルとし、各ポジ型感光性平版印
刷版を処理する前に56ミリリットルの現像補充液を補充
した。また、経時補充として、1分当たり4ミリリット
ルの現像補充液を補充した。
【0122】〈条件2(本発明)〉スタート時の現像母
液の仕込み量を2リットルとし、各ポジ型感光性平版印
刷版を処理している間に56ミリリットルの現像補充液を
補充した。また、経時補充として、1分当たり4ミリリ
ットルの現像補充液を補充した。
【0123】〈条件3(本発明)〉スタート時の現像母
液の仕込み量を2リットルとし、各ポジ型感光性平版印
刷版を処理した後に56ミリリットルの現像補充液を補充
した。また、経時補充として、1分当たり4ミリリット
ルの現像補充液を補充した。
【0124】《結果》 −条件1(本発明)での処理− ステップ感度は、クリア感度で±1/4段(約±10%)
以内におさまっており、安定していた。 −条件2(本発明)での処理− ステップ感度は、クリア感度で±1/4段(約±10%)
以内におさまっており、安定していた。 −条件3(本発明)での処理− ステップ感度は、クリア感度で±1/2段(約±20%)
の動きがあり、条件1及び2での処理と比較して安定し
ていなかった。
【0125】
【発明の効果】本発明によれば、使用する現像母液及び
現像補充液の使用量を低減し、製版コストを低減するこ
とができるとともに、スラッジの発生量が抑制され、ロ
ングラン適性が向上し、優れた感度安定性を有してい
る。また、本発明の現像処理方法によれば、廃液量を低
減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像処理方法に用いられる自動現像機
の一例を示す図である。
【符合の説明】
1;現像槽 2;搬送ローラ 3;絞りローラ 4;串型ローラ 5;受ローラ ;ブラシローラ 7;ポンプ 81〜84;シャワーパイプ 9;補充制御装置 10;補充ポンプ 11;マイクロスイッチ 12;現像液タンク 13;現像補充液タンク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現像槽及び現像補充液補充装置を有し、
    現像液を循環再使用する自動現像機を用いて画像露光さ
    れた感光性平版印刷版を現像処理する方法において、ス
    タート時の仕込み母液量Aを、1.5X≦A≦10X〔Aは
    仕込み母液量(リットル)、Xは自動現像機において処
    理可能な感光性平版印刷版の幅の最大値(メートル)で
    ある。〕とし、処理による現像液の劣化を補償するため
    の現像補充液を補充して現像処理することを特徴とする
    感光性平版印刷版の現像処理方法。
  2. 【請求項2】 現像槽及び現像補充液補充装置を有し、
    現像液を循環再使用する自動現像機を用いて画像露光さ
    れた感光性平版印刷版を現像処理する方法において、感
    光性平版印刷版の処理による現像液の劣化を補償するた
    めの現像補充液の補充を、対象とする感光性平版印刷版
    を処理する直前に行なうことを特徴とする感光性平版印
    刷版の現像処理方法。
  3. 【請求項3】 現像槽及び現像補充液補充装置を有し、
    現像液を循環再使用する自動現像機を用いて画像露光さ
    れた感光性平版印刷版を現像処理する方法において、感
    光性平版印刷版の処理による現像液の劣化を補償する為
    の現像補充液の補充を、対象とする感光性平版印刷版を
    処理している間に行なうことを特徴とする感光性平版印
    刷版の現像処理方法。
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