JPH09127106A - 液体試料分析用具及び分析方法 - Google Patents

液体試料分析用具及び分析方法

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JPH09127106A
JPH09127106A JP31573295A JP31573295A JPH09127106A JP H09127106 A JPH09127106 A JP H09127106A JP 31573295 A JP31573295 A JP 31573295A JP 31573295 A JP31573295 A JP 31573295A JP H09127106 A JPH09127106 A JP H09127106A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔性フィルム上に作製された試薬層を有す
る液体試料分析用具は、測定時に液体試料が試薬層及び
多孔性フィルムを透過し、測光部表面に漏洩する現象が
見られ、光学的測定におけるバラツキを生じ、さらに、
血液試料の測定の場合、ヘマトクリット値、つまり赤血
球の影響をかなり受ける。 【解決手段】 支持体に光透過性フィルムを固定し、か
つ光透過性フィルムと多孔性フィルムとの間に1〜20
0μmの隙間を設ける。これによって、液体試料中の特
定成分を迅速かつ簡便に分析することができ、かつ液体
試料が測光面に漏洩することのない安定した光学的測定
が可能となり、再現性が向上した。しかも、液体試料が
全血の場合、ヘマトクリット値の影響が軽減された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明に属する技術分野】 本発明は、液体試料中の特
定成分を分析するための分析用具に関する。
【0002】
【従来の技術】 これまで液体試料中の特定成分を迅速
かつ簡易に分析するための手段として、多くの乾式の分
析用具が開発されてきた。乾式分析用具は、試薬の調製
を必要とせず、測定対象試料を用具に滴下することなど
の簡単な操作のみにより、液体試料中の特定成分を分析
することを可能にしている。
【0003】分析用具の構造は、例えば、分析される試
料を保持または展開させる層と分析に用いられる試薬を
保持する層と反応の場となる層を有する。測定時、液体
試料により試薬層中の試薬を溶解することによって呈色
反応が開始する。呈色した色素量は反応層の表面より光
学的手段により反射率を測定し、これにより試料中の特
定成分を分析する。
【0004】臨床検査の分野において、液体試料中の特
定成分の分析には、基質特異性の高い酵素反応を用いた
分析法が従来より広範囲に用いられている。
【0005】例えば、特定成分がグルコース、乳酸、尿
酸、コレステロールなどの体液分析のような酸化酵素を
用いた反応系の場合、一般的に、酸素の供給が、充分行
われる必要がある。しかし、従来の乾式分析用具におい
ては、反応の場である試薬層が分析試料と支持体とに挟
まれた形状となり、外部から酸素を充分供給することが
できなかった。
【0006】これまでの乾式分析用具としては、例え
ば、酸化酵素及び過酸化酵素を用いた検出系をポリマー
中に分散させ、プラスチック部材に塗布した耐水性試験
フィルムが特公昭49−33800号に記載されてい
る。このフィルムは、試料を試薬層と一定時間接触させ
た後に脱脂綿等で拭き取り除去することにより、生成し
た呈色色素の測定をフィルムの試料供給側から行うこと
を可能とした。しかし、反応により測定可能な色素量を
得るには、試料の拭き取りの後、大気中に一定時間放置
し、試薬層に酸素を充分量供給する必要がある。
【0007】特公昭53−21677号には、液体不浸
透性支持体上に、試薬層及び展開層を設けた多層試験フ
ィルムが開示されている。このフィルムの展開層に試料
を点着すると、試料は展開層で広がった後、試薬層に移
行する。試薬層において生成した呈色色素を液体不浸透
性支持体側より測定する。しかし、このフィルムにおい
ては、反応の場である試薬層が測定試料と支持体とに挟
まれた形となるため、反応系の中の酸素量が不足し、測
定に充分な反応を行わせる事ができなかった。
【0008】この欠点を解決するために、特開昭60−
82859号に一体型多層分析用具が開示された。この
分析用具は、展開層と試薬層との間に酸素透過性蛋白質
不透過性光遮蔽層を有しており、大気と試薬層の接触を
向上させている。しかし、試薬層への支持体側は大気と
接触していないため、試薬層への酸素の供給は充分とは
いえなかった。
【0009】本出願人による特開昭60−205364
号に開示されている分析用具は、試薬層と支持体の間に
多孔質疎水性の酸素供給層を設けている。これにより試
薬層への酸素供給を著しく向上させることができた。し
かし、この酸素供給層は、充分量の酸素を保有するため
の厚みを有するため、支持体側からの光透過性が得られ
ず、試料を除去した後、試料供給側から生成した呈色色
素を測定しなければならなかつた。
【0010】しかし、本出願人により、この解決策とし
て、多孔性フィルムを試薬層の支持体に用いた分析用具
が特開平2−150751号において開示されている。
この分析用具は多孔性フィルム上に試薬層を設置して
いる。これにより、多孔性フィルムの試薬層側とは逆の
側面が大気に接触するため、酸素が多孔性フィルム側よ
り供給され、充分な反応を行わせることが可能となっ
た。しかし、この方法を用いると、液体試料が試薬層及
び多孔性フィルムを透過することによって液漏れが発生
し、測定面である多孔性フィルム上の乱反射や液体試料
の層形成による光学的距離の変化等の影響により、光学
的測定におけるバラツキを生じることがわかった。さら
に、液体試料が全血の場合、ヘマトクリット値、つまり
赤血球の影響をかなり受けることがわかった。
【0011】また、本出願人により、支持体とカバーが
毛細管現象を誘導する程度の間隔で設置されて毛細管を
形成している分析用具が特開平4−188065号にお
いて開示されている。しかし、この方法も又、液体試料
が試薬層及び多孔性フィルムを透過することによって液
漏れが発生し、測定面である多孔性フィルム上の乱反射
や液体試料の層形成による光学的距離の変化等の影響に
より、光学的測定におけるバラツキを生じることがわか
った。さらに、この方法も又、液体試料が全血の場合、
ヘマトクリット値、つまり赤血球の影響をかなり受ける
ことがわかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、上
記の様な従来技術の問題点を解決し、迅速かつ簡便に精
度良く、特定成分を分析するための用具及び方法を提供
することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】 本発明は、特開平2−
150751号及び特開平4−188065号の改良で
もあり、特開平2−150751号及び特開平4−18
8065号に記載のものが応用できる。
【0014】本発明は、液体試料中の特定成分を分析す
るための用具であって、支持体1、該支持体に固定され
た光透過性フィルム2、該光透過性フィルムの上部に隙
間8、該光透過性フィルムを覆うように、かつ該光透過
性フィルムとの間に1〜200μmの隙間を有する様に
固定された多孔性フィルム3、該光透過性フィルムに面
していない側の該多孔性フィルム面上に固着した試薬層
4からなることを特徴とする分析用具である。
【0015】また、光透過性フィルム2の上部に隙間8
を設けるためのスペーサー7を配置してもよい。
【0016】さらに、該支持体が、直径0.5〜10m
mの貫通孔を有し、該光透過性フィルムが、該貫通孔を
覆っていてもよいし、該試薬層を覆うように、該支持体
上に固定した試料保持層5を有してもよい。
【0017】また、液体試料中の特定成分を分析するた
めの用具であって、光透過性フィルム2、該光透過性フ
ィルムの上部に隙間8、該光透過性フィルムを覆うよう
に、かつ該光透過性フィルムとの間に1〜200μmの
隙間を有する様に固定された多孔性フィルム3、該光透
過性フィルムに面していない側の該多孔性フィルム面上
に固着した試薬層4を、マウント6内に有することを特
徴とする分析用具である。
【0018】これもまた、光透過性フィルム2の上部に
隙間8を設けるためのスペーサー7を配置してもよい。
【0019】また、少なくとも該試薬層を覆い、該支持
体との間に、毛細管室10を形成するように、該支持体
に固定され、試料供給口11と空気抜き口12を有した
カバー9を有することを特徴とする分析用具である。
【0020】さらに、液体試料中の特定成分を分析する
方法であって、液体試料を試料保持層に滴下することに
よって試薬層に浸透させ、試薬層及び多孔性フィルムを
通過し、漏れ出てくる試薬の溶解した液体試料を多孔性
フィルムと光透過性フィルムとの隙間に保持し、生成し
た色素を光透過性フィルムの大気に面している側から分
析することを特徴とする分析方法である。
【0021】ここで、液体試料が供給されたことを試料
保持層における光学的変化によって検知し、自動的に分
析することもできる。
【0022】また、液体試料中の特定成分を分析する方
法であって、液体試料を試料供給口に滴下、又は試料供
給口から吸引することによって液体試料を毛細管室に導
入させ、試薬層に到達させた後、液体試料を試薬層に浸
透させ、試薬層及び多孔性フィルムを透過し、漏れ出て
くる試薬の溶解した液体試料を多孔性フィルムと光透過
性フィルムとの隙間に保持し、生成した色素を光透過性
フィルムの大気に面している側から、分析することを特
徴とする分析方法である。
【0023】ここで、液体試料が供給されたことを毛細
管室における光学的変化によって検知し、自動的に分析
することもできる。
【0024】
【発明の実施の形態】 本発明における支持体は、材質
が光透過性のものであっても、また、支持体の試料保持
層のみに覆われている部分に、貫通孔を更に1個設けて
も良い。これにより、血液などの試料が試料保持層に滴
下された事を、測定側から確認することが可能となる。
そして、試料滴下から測定までの時間を一定にして自動
的に分析することが可能となる。
【0025】本発明に用いる多孔性フィルムは、種々の
ものを用いることができる。ただし、空隙率が10〜9
6%、孔径が0.01〜20μm、厚さが5〜150μ
mの多孔性フィルムが好適である。なぜなら、この様な
多孔性フィルムは空気透過性であり、酸化反応の必要な
酸素を空気中から試薬層に容易に充分量供給することが
できるからである。上記の多孔性フィルムには、種々の
ものがある。例えば、ニュークリポア(ニュークリポア
製)及びセルガード(ヘキストセラニーズ製)、サイク
ロポア(ワットマン製)、オムニポア(ミリポア製)、
ゴアテックス(ゴアテックス製)、フィルタライト(メ
ムテック製)の商品名で市販されている。
【0026】本発明における光透過性フィルムは、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリスチレンなど種々のもの
や、上記の多孔性フィルムを用いることができる。ただ
し、空隙率が10〜90%、孔径が0.01〜2μm、
厚さが5〜30μmのものが好適である。また、フィル
ムの材質は疎水性のものがよい。
【0027】試料保持層は、滴下された液体試料を試料
保持層全面に広げ、かっその試料が振動等により流出す
るのを防ぐという機能を有する。このような試料保持層
の材料としては、繊維性多孔性材料が好ましく、例え
ば、濾紙、織物、不織布、メッシュ、メンブレン等が好
適である。試料保持層に、抗凝固剤、アスコルビン酸オ
キシダーゼ、コレステロールエステラーゼ等を予め保持
させておくことも可能である。
【0028】多孔性フィルム、光透過性フィルム及び試
料保持層の支持体への固定は、例えば、熱可塑性樹脂を
用いて熱圧着するか、又は両面テープ等を用いて行うこ
とができる。
【0029】本発明における試薬層は、特定成分を分析
可能な酵素及び色素前駆体を含有する。例えば、特定成
分がグルコースの場合、グルコースオキシダーゼ、、ペ
ルオキシダーゼおよび4−アミノアンチピリン、N−エ
チル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−
3,5−ジメチルアニリンなど種々の色素前駆体を含有
する。また、試薬層は、光を遮蔽する不溶性粒子を含有
し、これにより、例えば、血液の様な着色成分含有試料
の分析においても、多孔性フィルム側から測定する事に
より、着色成分を隠蔽し、正確な分析結果を得ることが
可能となる。
【0030】不溶性粒子としては、二酸化チタン、酸化
亜鉛、硫酸バリュウム及び酸化マグネシウムなどの光反
射性の白色粒子が好適であるが、液体試料に溶解せず光
を遮蔽する物質であればどのようなものでも良い。例え
ば、フルオロカーボン、ポリスチレンラテックス粒子、
炭酸カルシウム、タルク、アルミニウム粉末、デキスト
ラン、アクリル系ポリマー粒子、ポリスチレン系ラテッ
クス粒子などがあげられる。
【0031】試薬液の塗布性能を高めるために、試薬液
に親水性高分子を添加してもよい。親水性高分子として
は、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロー
ス、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、ゼラチン、修飾ゼラチン、寒天等
があげられる。更に、試薬層の形状を維持したり、浸透
性を向上するために、これら親水性高分子に乳化エマル
ジョン系接着剤やラテックス粒子を添加することもあ
る。
【0032】また、試薬液に界面活性剤、可塑剤、安定
化剤などを加えることによっても塗布性能及び反応性を
向上させることができる。
【0033】本発明における試薬層を、酵素や色素前駆
体等を含む反応層と二酸化チタンのような不溶性粒子を
含む分離層の2層に分けることも可能である。
【0034】試薬層を浸透し、多孔性フィルムまで浸透
してきた液体試料は、漏洩するという問題を起こす。こ
の液体試料が漏洩する問題は、しばしば分析用具として
の性能を悪化させるが、本発明によれば、光透過性フィ
ルムが試薬層を固着する多孔性フィルムと微少な隙間を
維持して面している場合、多孔性フィルムから漏洩した
液体試料は光透過性フィルムの材質の疎水性のため、表
面張力により光透過性フィルムに固有する孔からは漏洩
することなく、多孔性フィルムと光透過性フィルムの隙
間を広がる。すなわち、液体試料が下部に配置された光
透過性フィルムを透過し、漏洩することのない安定した
測光面を得ることが可能となる。
【0035】また、試薬層が光学的な反射層となるた
め、漏洩した液体試料で満たされた、多孔性フィルムと
光透過性フィルムの間隙がセルとなり、漏洩した液体試
料中で呈色した色素量を光学的に測定することが可能と
なる。
【0036】さらに、血液試料の場合、ヘマトクリット
値が変化した場合、漏洩する液体試料の量は変化する
が、漏洩した液体試料に応じて多孔性フィルムと光透過
性フィルムの間隙を横方向に展開するため、多孔性フィ
ルムと光透過性フィルムの間隙の大きさは変化しない。
従って、光学的セル長が、血液試料のヘマトクリット値
により変化しないため、測定値への影響の回避が可能と
なる。
【0037】以下に実施例を示すが、これによって本発
明が限定されるものではない。
【0038】
【実施例1】 血中グルコースの定量 多孔性フィルム(ニュークリポア;厚み20μm)に下
記の組成の試薬液を濡れ厚さ100μmで塗布し、乾燥
後、16mm×16mmに裁断した。 試薬液組成: グルコースオキシダーゼ 10ku ペルオキシダーゼ 20ku 4−アミノアンチピリン 150mg N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル) −3,5−ジメチルアニリン 200mg 0.15Mリン酸緩衝液(pH7.0) 2ml 4.0wt%ヒドロキシプロピルセルロース水溶液 3g 50wt%二酸化チタン水溶液 1g 熱可塑性樹脂が塗布され、直径4mmの貫通孔を有する
支持体に、貫通孔を覆うように、7mm×7mmに切断
した光透過性フィルム(ニュークリポア;厚み20μ
m)を重ね、熱圧着した。厚み30μmのポリエチレン
テレフタレートフィルムを2mm×7mmに切断し、こ
れを4本用意し、上記の光透過性フィルム周囲に設置
し、支持体と熱圧着した。その上に前記の16mm×1
6mmの試薬層を固着した多孔性フィルムを試薬層を上
にして重ね、支持体と熱圧着した。更に、20mm×2
0mmの濾紙を重ね、支持体と熱圧着し、分析用具を作
製した。
【0039】これを、図1を用いて説明する。図1は、
貫通孔を有する支持体1上に貫通孔を覆うように固定し
た光透過性フィルム2、光透過性フィルム2を覆うよう
にかつ隙間を有するように支持体1に固定された多孔性
フィルム3、多孔性フィルム3に固着した試薬層4、試
薬層を覆うように支持体1に固定した試料保持層5を有
する分析用具の断面図である。光透過性フィルム2、多
孔性フィルム3及び試料保持層5は、熱可塑性樹脂又は
両面テープ(図示せず)で支持体1に固定されている。
【0040】また、別の態様を、図2、3、4に示す。
図2は、図1に示す分析用具の、支持体1上の試料保持
層5のみに覆われている部分に、貫通孔を設けた態様を
示す。これは、例えば、血液などの試料が滴下されたこ
とを矢印Aの位置において検知し、検知後、一定時間反
応させ、矢印Bの位置で試薬層4の反射率を測定し、分
析することができる。
【0041】図3は、貫通孔を有する支持体1上に貫通
孔を覆うように固定した光透過性フィルム2、光透過性
フィルム2を覆うようにかつ隙間を有するように支持体
1に固定された多孔性フィルム3、多孔性フィルム3に
固着した試薬層4、試薬層を覆うように支持体1に固定
した試料保持層5をマウント6内に有する分析用具の断
面図である。マウントは、多孔性フィルム側及び試料保
持層側のいずれにも貫通孔を有する。
【0042】図4は、貫通孔を有する支持体1上に貫通
孔を覆うように固定した光透過性フィルム2、光透過性
フィルム2を覆うようにかつ隙間を有するように支持体
1に固定された多孔性フィルム3、多孔性フィルム3に
固着した試薬層4、試薬層を覆いながら、支持体との間
に、毛細管室10を形成するように、支持体に固定され
たカバー9から成る分析用具の断面図である。このカバ
ー9は、試料供給開口11と空気抜き開口12を有す
る。なお、図1〜図4は、わかり易くするために上下方
向を拡大してある。
【0043】
【比較例1】比較として、熱可塑性樹脂が塗布され、直
径4mmの貫通孔を列を有する支持体に、貫通孔を覆う
ように、前記の試薬層を固着した多孔性フィルムを試薬
層を上にして重ね、支持体と熱圧着した。更に20mm
×20mmの濾紙を重ね、支持体と熱圧着し、分析用具
を作製した。
【0044】実施例1、比較例1で作製した分析用具
に、同一のヘマトクリット値で、種々のグルコース濃度
の異なる血液試料を20μlずつ滴下し、1分後に支持
体の貫通孔を通して、下方から、積分球式反射率計を用
いて測定波長λ=640nmにおける反射率をn=20
で測定した。また、同一のグルコース濃度で、種々のヘ
マトクリット値の異なる血液試料を上述と同様の方法で
n=5で測定した。反射率から、クベルカームンク(K
ubelka−Munk)の式の簡略型: K/S=(1−R)/2R K:定数 S:散乱係数 R:反射率/100 に従って、K/S値を求めた。K/S値は、モル濃度に
相関するので、検量線を作成して、濃度換算することが
できる。再現性として、濃度換算後の変動係数(C.
V.(%))を求めた。測定結果を表1、表2、表3、
表4に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】実施例1に示す本発明の分析用具と比較例
1の分析用具を比較した場合、どちらもグルコース濃度
に対するK/S値の変化について、直線性がみられる。
しかし、血液試料のヘマトクリット値の変化についての
分析値を比較すると、比較例1の分析用具より、実施例
1の分析用具は再現性が向上し、ヘマトクリット値によ
る影響が小さくなった。
【0050】
【実施例2】 血中乳酸の定量 多孔性フィルム(サイクロポア;厚み20μm)に下記
の組成の試薬液を濡れ厚さ100μmで塗布し、乾燥
後、実施例1と同様に分析用具を作製した。 試薬液組成: 乳酸オキシダーゼ 990ku ペルオキシダーゼ 23ku 4−アミノアンチピリン 50mg N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル) −3,5−ジメチルアニリン 200mg 0.30Mリン酸緩衝液(pH7.0) 2ml 4.0wt%ヒドロキシプロピルセルロース水溶液 3.7g 50wt%二酸化チタン水溶液 1.2g 非イオン性界面活性剤(10%トリトンX−100) 0.5ml
【0051】
【比較例2】比較例の分析用具も、比較例1と同様に作
製した。
【0052】実施例2、比較例2で作製した分析用具
に、同一のヘマトクリット値で、種々の乳酸濃度の異な
る血液試料を20μlずつ滴下し、1分後に支持体の貫
通孔を通して、下方から、積分球式反射率計を用いて測
定波長λ=640nmにおける反射率をn=20で測定
した。また、同一乳酸濃度で、種々のヘマトクリット値
の異なる血液試料を上述と同様の方法でn=5で測定し
た。測定結果を表5、表6、表7、表8に示す。
【0053】
【表5】
【0054】
【表6】
【0055】
【表7】
【0056】
【表8】
【0057】実施例2に示す本発明の分析用具と比較例
2の分析用具を比較した場合、どちらも乳酸濃度に対す
るK/S値の変化について、直線性がみられる。しか
し、血液試料のヘマトクリット値の変化についての分析
値を比較すると、比較例2の分析用具より、実施例2の
分析用具は再現性が向上し、ヘマトクリット値による影
響がかなり小さくなった。
【0058】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の分析用
具を用いると、液体試料中の特定成分を迅速かつ簡便に
分析することができ、かつ液体試料が測光面に漏洩する
ことのない安定した光学的測定が可能となり、再現性が
向上した。しかも、液体試料が全血の場合、ヘマトクリ
ット値の影響が軽減され、臨床検査等において絶大な効
果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の液体試料分析用具の態様の断面図で
ある。
【図2】 本発明の液体試料分析用具の態様の断面図で
ある。
【図3】 本発明の液体試料分析用具の態様の断面図で
ある。
【図4】 本発明の液体試料分析用具の態様の断面図で
ある。
【符号の説明】
1 支持体 2 光透過性フィルム 3 多孔性フィルム 4 試薬層 5 試料保持層 6 マウント 7 スペーサー 8 隙間 9 カバー 10 毛細管室 11 試料供給口 12 空気抜き口

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体試料中の特定成分を分析するための
    用具であって、支持体1、該支持体に固定された光透過
    性フィルム2、該光透過性フィルムの上部に隙間8、該
    光透過性フィルムを覆うように、かつ該光透過性フィル
    ムとの間に1〜200μmの隙間を有する様に固定され
    た多孔性フィルム3、該光透過性フィルムに面していな
    い側の該多孔性フィルム面上に固着した試薬層4からな
    ることを特徴とする分析用具。
  2. 【請求項2】 光透過性フィルム2の上部に隙間8を設
    けるためのスペーサー7を配置することを特徴とする請
    求項1に記載の分析用具。
  3. 【請求項3】 支持体1が、直径0.5〜10mmの貫
    通孔を有し、光透過性フィルム2が、該貫通孔を覆って
    いることを特徴とする請求項1又は2に記載の分析用
    具。
  4. 【請求項4】 試薬層4を覆うように、支持体1上に固
    定した試料保持層5を有することを特徴とする請求項1
    〜3、いずれかに記載の分析用具。
  5. 【請求項5】 液体試料中の特定成分を分析するための
    用具であって、光透過性フィルム2、該光透過性フィル
    ムの上部に隙間8、該光透過性フィルムを覆うように、
    かつ該光透過性フィルムとの間に1〜200μmの隙間
    を有する様に固定された多孔性フィルム3、該光透過性
    フィルムに面していない側の該多孔性フィルム面上に固
    着した試薬層4を、マウント6内に有することを特徴と
    する分析用具。
  6. 【請求項6】 光透過性フィルム2の上部に隙間8を設
    けるためのスペーサー7を配置することを特徴とする請
    求項5に記載の分析用具。
  7. 【請求項7】 少なくとも試薬層4を覆い、支持体1と
    の間に、毛細管室10を形成するように、該支持体に固
    定され、試料供給口11と空気抜き口12を有したカバ
    ー9を有することを特徴とする請求項1に記載の分析用
    具。
  8. 【請求項8】 光透過性フィルム2が、 空隙率が10〜90%、孔径が0.01〜2μm、厚さ
    が5〜30μmであることを特徴とする請求項1〜7、
    いずれかに記載の分析用具。
  9. 【請求項9】 多孔性フィルム3が、 空隙率が10〜96%、孔径が0.01〜20μm、厚
    さが5〜150μmであることを特徴とする請求項1〜
    8、いずれかに記載の分析用具。
  10. 【請求項10】 試薬層4が、不溶性粒子を含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜9、いずれかに記載の分析用
    具。
  11. 【請求項11】 試薬層4が、液体試料中の特定成分を
    分析するための酵素及び色素前駆体を含有することを特
    徴とする請求項1〜10、いずれかに記載の分析用具。
  12. 【請求項12】 請求項1〜6、又は8〜11、いずれ
    かに記載の分析用具を用いて、液体試料中の特定成分を
    分析する方法であって、液体試料を試料保持層に滴下す
    ることによって試薬層に浸透させ、試薬層及び多孔性フ
    ィルムを通過し、漏れ出てくる試薬の溶解した液体試料
    を多孔性フィルムと光透過性フィルムとの隙間に保持
    し、生成した色素を光透過性フィルムの大気に面してい
    る側から、分析することを特徴とする分析方法。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の液体試料中の特定
    成分を分析する方法であって、液体試料が供給されたこ
    とを試料保持層における光学的変化によって検知し、自
    動的に分析することを特徴とする分析方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜3、又は7〜11、いずれ
    かに記載の分析用具を用いて、液体試料中の特定成分を
    分析する方法であって、液体試料を試料供給口に滴下、
    又は試料供給口から吸引することによって液体試料を毛
    細管室に導入させ、試薬層に到達させた後、液体試料を
    試薬層に浸透させ、試薬層及び多孔性フィルムを透過
    し、漏れ出てくる試薬の溶解した液体試料を多孔性フィ
    ルムと光透過性フィルムとの隙間に保持し、生成した色
    素を光透過性フィルムの大気に面している側から、分析
    することを特徴とする分析方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の液体試料中の特定
    成分を分析する方法であって、液体試料が供給されたこ
    とを毛細管室における光学的変化によって検知し、自動
    的に分析することを特徴とする分析方法。
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