JPH09126939A - 包装体における内容液の漏洩検査方法及びその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性を有する包装用シートで内容物を包装
した袋の場合であっても、包装用シートの材質に無関係
に包装袋のシール部分の不良及びピンホールの有無を確
認することができるようにする。 【解決手段】 液体を含有する内容物が充填された包装
袋３を所定圧力で押圧し、そのシール部4a，4b又はピン
ホール18から漏洩する内溶液によりシール不良又はピン
ホールの有無を確認できるようにした包装体における内
容液の漏洩検査方法であって、前記包装袋３の被検査面
に吸液性且つ内容液よりも絶縁性を有する吸液シート11
を接触させ、該吸液シート11の前記包装袋３との接触部
分を電極15，16間に介在されることにより、電極15，16
間の通電を検出することにある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、包装袋に
充填された内容液が、包装袋のシール不良部分又はピン
ホールから漏洩しているか否かを検出し、シール不良又
はピンホールの有無を確認することができる包装体にお
ける内容物の漏洩検査方法及びその装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば、バリア性のある包装フィ
ルムを三方シール又はサイドシールした袋（パウチ）に
液体を含有する例えばレトルト食品を充填してなるパウ
チ包装が公知である。この包装は、包装された食品の長
時間の保存と品質の維持を図れる点において優れた包装
手段である。

【０００３】かかる包装体において、仮に、包装袋にシ
ール不良やピンホールが発生すると、その部分から内容
液が漏洩したり、細菌が侵入したりする。また、ガス充
填包装である場合には、空気との接触により、品質等の
低下を招来する問題があるため、シール不良等の有無を
検査する必要がある。

【０００４】その検査手段として従来では、電源部内に
おて高周波を発生させ高圧トランス部にて昇圧し電極に
印加させ放電を行い、検出回路にて検出するようにした
ものが公知である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記検
査手段では、包装袋を作成するシートが電気的絶縁体の
場合に適応できるものであって、該シートが例えば導電
性を有するアルミ箔をラミネートしたものである場合に
は、上記手段での検査が行えないという欠点がある。

【０００６】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、導電性を有する包装用シートで内容物を包
装した袋の場合であっても、包装用シートの材質に無関
係に包装袋のシール部分の不良及びピンホールの有無を
確認することができるようにすることを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために包装体における内容液の漏洩検査方法及び
その装置としてなされたものであり、包装体における内
容液の漏洩検査方法としての特徴は、液体を含有する内
容物が充填された包装袋３を所定圧力で押圧し、そのシ
ール部4a，4b又はピンホール18から漏洩する内溶液によ
りシール不良又はピンホールの有無を確認できるように
した包装体における内容液の漏洩検査方法であって、前
記包装袋３の被検査面に吸液性且つ内容液よりも絶縁性
を有する吸液シート11を接触させ、該吸液シート11の前
記包装袋３との接触部分を電極15，16間に介在されるこ
とにより、電極15，16間の通電を検出することにある。

【０００８】従って、仮に、包装袋３のシール部4a，4b
にシール不良があり、その不良部分から内容液が漏洩し
ていると、その内容液は吸液シート11に吸液されること
となる。更に、吸液シート11の内容液が吸液された部分
が電極15，16間に介在されるため、内容液が導電媒体と
なって電極15，16間を通電させ、シール不良であること
が確認できる。

【０００９】また、包装体における内容液の漏洩検査装
置としての特徴は、液体を含有する内容物が充填された
包装袋３が所定圧力で押圧され、そのシール部4a，4b又
はピンホール18から漏洩する内溶液によりシール不良又
はピンホールの有無を確認できるようにした包装体にお
ける内容液の漏洩検査装置であって、前記包装袋３の被
検査面に接触される吸液性且つ内容液よりも絶縁性を有
する吸液シート11と、該吸液シート11の前記包装袋３と
の接触部分が介在される電極15，16と、該電極15，16間
の通電を検出するための検出手段17とを備えてなること
にある。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に従って説明する。図１は本発明の第１実施の形
態を示し、１は包装袋３に例えば、液体を含有する内容
物としてレトルト食品２が充填，包装されてなる包装体
である。この包装袋３は、２軸延伸ポリエチレンテレフ
タレートフィルムに、アルミ箔をラミネートし、更に、
最内層に熱融着性を有するポリプロピレンフィルムをラ
ミネートした上下一対のシート3a，3bの周囲を四方シー
ルして形成され、端部にはヒートシールしてなるシール
部4a，4bがそれぞれ形成されている。

【００１１】５は載置台としてのコンベア装置で、包装
袋３への内容物の充填，包装工程が一連に行われて形成
された包装体１が、該コンベア装置５により搬送される
ようになっている。

【００１２】７は前記コンベア装置５上の包装体１を上
方から下方に所定の圧力で押圧するための押圧手段で、
シリンダー８により昇降自在に設けられている。

【００１３】10は前記包装体１内の内容液が前記シール
部4aから漏洩するのを検出するためのテスターで、前記
コンベア装置５の一側に設けられている。テスター10
は、前記包装体１の一方の被検査面としてのシール部4a
先端に接触する吸液シート11と、該吸液シート11に吸液
されて付着した内容液を検出するための検出装置13とを
備えている。

【００１４】吸液シート11は、吸液性が良好で且つ吸液
前は内容物２の内容液よりも良好な絶縁性を有するロー
ル状に巻回された長尺状の紙シートや不織布等のシート
からなり、支持軸12ａに繰り出し自在に支持にされてい
る。該吸液シート11の幅長さ（包装体１の搬送方向の長
さ）は、包装体１の同方向の長さ以上に設定されてい
る。また、吸液シート11は支持軸12ａの下方に設けられ
た回転駆動する巻取り軸12b に巻き取られるようになっ
ている。

【００１５】前記検出装置13は、前記のシール部4aに接
触した吸液シート11を両側から挟持し回転自在なロール
状の一対の電極15，16と、両電極15，16間に電源16から
の電流が流れて通電するのを検出するための検出手段と
しての電流検出器17とを備えている。

【００１６】本発明の第１実施の形態は上記の構成から
なり、次にその使用例について説明する。先ず、製袋機
により包装袋３が形成され、その開口から充填機により
レトルト食品が充填された後に、その開口がシールされ
包装体１が形成される。

【００１７】包装体１はコンベア装置５上を搬送され、
テスター10に到達すると、コンベア装置５は包装体１を
一旦停止させると共に、押圧手段７が下降して、所定の
圧力で包装体１をコンベア装置５との間で押圧する。こ
のとき、包装体１の一方のシール部4aは吸液シート11に
接触している。

【００１８】シール部4aが完全にシールされておれば、
このシール部4aから内容液が漏洩することはない。従っ
て、両電極15，16間には、吸液シート11が介在されてい
るため、この吸液シート11が絶縁体となり、両電極15，
16が通電することはなく、包装体１のシール部4aのシー
ル状態が良好であることが確認できる。

【００１９】また、仮に、シール部4aのシール不良によ
り、シール部4aから内容液が漏洩した場合には、吸液シ
ート１１が内容液を吸液する。吸液シート11が巻き取ら
れる際に、両電極15，16間に吸液シート11の内容液を吸
液した部分が介在されるため、内容液が導電媒体とな
り、両電極15，16間を通電させる。両電極15，16間の通
電により、電流検出器17は電流が流れたことを検出し、
包装体１が不良品であることを確認できるのである。

【００２０】尚、この不良品を排除する手段としては、
例えば電流検出器17からの不良信号により、ブザー等の
警報器を作動させて作業者に知らせたり、あるいは、図
示省略のプッシャー装置を作動させて不良品をコンベア
装置５の外に押し出すことも可能である。

【００２１】また、上記の如く包装袋３にシール部4a，
4bが両側に設けられている場合には、テスター10をコン
ベア装置５の他方側にも設け、両シール部4a，4bを同時
に検査することも可能である。また、３方シール及び４
方シールの場合も同様に、それぞれのシール部に応じて
複数のテスター10を設けることができる。

【００２２】図２は本発明の第２実施の形態を示し、上
記実施の形態では、包装体１のシール部4a，4bにおける
シール不良を検査する場合について例示したが、本実施
の形態は、包装体１に形成されたピンホール18の有無を
検査するようにしたものである。

【００２３】即ち、包装体１がコンベア装置５で矢印方
向に搬送され、しかも、テスター10はコンベア装置５の
上方に設けられている。テスター10の吸液シート11はコ
ンベア装置５の搬送方向と同じ方向に巻取り可能で、吸
液シート11の裏面側に設けられた板状の押圧体19が、包
装体１の搬送速度と同じ速度で巻き取られる吸液シート
11を包装体１に押圧する。20は押圧体19を下方に付勢す
るためのスプリング、21は吸液シート11を案内するため
のガイドローラである。

【００２４】本実施の形態では、コンベア装置５に搬送
される包装体１と同じ速度で吸液シート11を移動させる
ことにより、仮に、包装体１にピンホール18が形成され
ている場合には、該ピンホール18から漏洩した内容液が
吸液シート11に吸液されるため、前記同様に両電極15，
16間を通電させ、不良品であることが確認できる。

【００２５】本実施の形態では、吸液シート11の巻取り
方向を、コンベア装置５による包装体１の搬送方向と一
致させたため、ピンホール18の有無の検査は包装体１を
一旦停止させることなく、連続搬送しながら行うことが
可能である。

【００２６】図３は本発明の第３実施の形態を示し、本
実施の形態は、前記第２実施の形態で説明したテスター
10をコンベア装置５の両側に配置している。包装体１は
自立可能なパウチが採用されており、コンベア装置５で
包装体１を搬送する際に、両テスター10のガイドローラ
21が互いに接近するまで前進可能に設けられ、両吸液シ
ート11を包装袋３の両シート3a，3bに略沿うようにした
ものである。

【００２７】この場合、吸液シート11の包装袋３への接
触面積を大きくできる利点があり好ましいが、ガイドロ
ーラ21は必ずしも接離させる必要はなく、包装体１が両
テスター10間を連続的に通過するようにしたものであっ
ても良い。

【００２８】尚、本発明は上記実施の形態に限定される
ものではなく、包装袋の大きさ及び形状又は包装形態は
限定されるものではない。また、包装袋を形成するシー
トとしては、上記の他、表面層に２軸延伸されたポリア
ミドやポリプロピレンフィルム等が使用できる。

【００２９】内面層としては、熱融着性樹脂層としてポ
リエチレンやエチレン酢酸ビニル共重合体等、更に必要
により、中間層としてアルミニウム蒸着フィルムやエチ
レンビニルアルコール共重合体フィルム等のバリアー層
を設けた各種公知の積層フィルムが使用できる。

【００３０】また、吸液シート11の絶縁性は、ほとんど
電流を流さない程度が好ましいが、内容液よりも絶縁性
の良好なものであれば良く、吸液シート11が包装体１に
接触する前の電流値と、接触後の電流値とを比較し、接
触後の電流値の方が大きくなった場合に、内容液が包装
袋３から漏洩していると判断する場合も含む。更に、内
容物とは飲料水のように全体が液体であっても良い。

【００３１】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、包装袋の
被検査面に吸液性且つ内容液よりも絶縁性を有する吸液
シートを接触させ、該吸液シートの前記包装袋との接触
部分を電極間に介在されることにより、電極間の通電を
検出するので、例えばアルミ箔をラミネートしたような
導電性を有する包装用シートであっても、シール不良部
分又はピンホールから漏洩する内容液を検出でき、従っ
て、シール不良又はピンホールの有無を確実に確認する
ことができる。

【００３２】また、前記包装袋の被検査面に接触される
吸液性且つ内容液よりも絶縁性を有する吸液シートと、
該吸液シートの前記包装袋との接触部分が介在される電
極と、該電極間の通電を検出するための検出手段とを備
えた装置においては、上記漏洩検査方法を容易に実施で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施の形態を示す断面を含む概略
正面図。

【図２】同第２実施の形態を示す断面正面図。

【図３】同第３実施の形態を示す断面正面図。

【符号の説明】

３…包装体シート、4a，4b…シール部、11…吸液シー
ト、13…検出手段、15，16…電極、18…ピンホール

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液体を含有する内容物が充填された包装
   袋（３）を所定圧力で押圧し、そのシール部（4a），
   （4b）又はピンホール（18）から漏洩する内溶液により
   シール不良又はピンホールの有無を確認できるようにし
   た包装体における内容液の漏洩検査方法であって、前記
   包装袋（３）の被検査面に吸液性且つ内容液よりも絶縁
   性を有する吸液シート（11）を接触させ、該吸液シート
   （11）の前記包装袋（３）との接触部分を電極（15），
   （16）間に介在されることにより、電極（15），（16）
   間の通電を検出することを特徴とする包装体における内
   容液の漏洩検査方法。
2. 【請求項２】 液体を含有する内容物が充填された包装
   袋（３）が所定圧力で押圧され、そのシール部（4a），
   （4b）又はピンホール（18）から漏洩する内溶液により
   シール不良又はピンホールの有無を確認できるようにし
   た包装体における内容液の漏洩検査装置であって、前記
   包装袋（３）の被検査面に接触される吸液性且つ内容液
   よりも絶縁性を有する吸液シート（11）と、該吸液シー
   ト（11）の前記包装袋（３）との接触部分が介在される
   電極（15），（16）と、該電極（15），（16）間の通電
   を検出するための検出手段（17）とを備えてなることを
   特徴とする包装体における内容液の漏洩検査装置。