JP3597555B2 - リークテスタ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、リークテスタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、アセプティック包装された紙容器においては、滅菌された包材によって紙容器を製造し、滅菌された食品を滅菌された雰囲気において充填(じゅうてん)するようにしているが、食品が充填された後に紙容器の密封性が低下すると、紙容器内に空気が進入して食品を変敗させてしまう。
【0003】
また、レトルト包装、ホット充填等においては、食品が充填された後の所定の工程中に大きな圧力変化が容器に加わり、圧力変化に対応することができない容器はその工程中において密封性が低下していることが分かる。これに対して、アセプティック包装された紙容器においては、大きな圧力変化が加わるような工程がないので、紙容器の密封性を検査することができず、密封性が低下した紙容器であっても良品として扱われてしまう場合がある。
【0004】
そこで、アセプティック包装された紙容器においては、インキベーションという工程を設け、食品が充填された後の製品を一週間ほど保管して、密封性が低下した紙容器内の食品が変敗したかどうかを調べることによって紙容器の良否の判断をするようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のインキベーションによる判断においては、製品を保管するためのスペースが必要なだけでなく、製品を出荷するまでに遅れ時間が生じてしまうので、製品の製造コストが高くなってしまう。
そこで、食品が充填された直後に紙容器の密封性をリークテスタによって自動的に検査することが考えられる。前記リークテスタは、紙容器以外の包装容器の密封性を検査するために各種提供されている。
【0006】
例えば、音を利用して包装容器の密封性を検査する検査機は、包装容器に衝撃波を与え、その反響音が所定の周波数を有するかどうかを判断するようになっている。
また、圧力を利用して包装容器の密封性を検査する検査機は、包装容器をチャンバ内に入れ、チャンバを減圧した後のチャンバ内の圧力が変化するかどうかを判断するようになっている。
【0007】
さらに、包装容器の絶縁性を利用して包装容器の密封性を検査する検査機は、電極間に包装容器を配設し、包装容器の所定の部位の絶縁抵抗が低くなるかどうかを判断するようになっている。
また、包装容器の形状の変化を利用して包装容器の密封性を検査する検査機は、食品の熱処理の際に生じる負圧による包装容器の壁のパネリングの量を測定するようにしている。
【0008】
そして、充填された食品の漏れを利用して包装容器の密封性を検査する検査機は、包装容器に負圧を与えるか、加圧するかして充填された食品の漏れを発生させるとともに包装容器の表面の温度を赤外線センサによって測定するようにしている。この場合、食品が漏れた部分においては、食品が蒸発して気化熱を奪い包装容器の表面の温度が低下する。そこで、包装容器の表面の温度の低下を測定することによって食品の漏れがあるかどうかを判断するようにしている。
【0009】
ところが、包装容器がアセプティック包装された紙容器である場合には、前述したような検査機を使用しても紙容器の密封性を正確に検査することができない。
すなわち、音を利用する検査機を使用すると、アセプティック包装された紙容器にはヘッドスペースを形成しない満量充填方式が採用されるので、反響音が小さくなってしまう。また、包材として紙が使用されるので、反響音が減衰してしまう。したがって、反響音が所定の周波数を有するかどうかを判断することができない。
【0010】
また、圧力を利用する検査機を使用すると、アセプティック包装された紙容器にはヘッドスペースが形成されないので、紙容器の壁にピンホールがあってもチャンバ内の圧力はほとんど変化しない。さらに、包材が柔軟であり包装容器の形状が一様でないので、チャンバの大きさを紙容器の寸法に限りなく近づけることができない。したがって、チャンバ内の圧力の変化の検査精度を高くすることができない。しかも、紙容器をチャンバに収容する際の機械的トラブルが生じてしまう。
【0011】
また、包装容器の絶縁性を利用する検査機を使用すると、アセプティック包装された紙容器には、包材にアルミニウムが使用されるので絶縁耐性が不足してしまう。したがって、紙容器の所定の部位の絶縁抵抗を測定することができない。そして、包装容器の形状の変化を利用する検査機を使用すると、アセプティック包装された紙容器においては、食品の熱処理の際に包材に大きな温度変化が生じない。したがって、紙容器の形状の変化を検出することができない。
【0012】
さらに、充填された食品の漏れを利用する検査機を使用すると、アセプティック包装された紙容器においては、紙容器に損傷を与えることなく食品を漏れさせることは困難である。そこで、紙容器を長時間減圧状態に維持して漏れを発生させるようにしているが、その分だけ紙容器の製造時間が長くなってしまう。
また、前記検査機において包装容器の表面の温度が赤外線センサによって測定されるようになっているが、紙容器の製造工程においては表面に水滴、食品等が付着することが多く、その場合、赤外線センサが誤作動してしまう。さらに、紙容器全体の表面の温度を同時に測定することができず、紙容器の底面等、赤外線センサを対向させることができない部分に食品の漏れがあるかどうかを判断することはできない。
【0013】
本発明は、前記従来のリークテスタの問題点を解決して、製品の製造コストが高くなることがなく、アセプティック包装された紙容器の密封性を正確に検査することができるリークテスタを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明のリークテスタにおいては、紙容器の頂面を検査するために、紙容器を反転させ、横転状態にする反転装置と、加圧空気を吹き付けて紙容器の頂面の水滴を除去する空気噴射装置と、水滴が除去された後の紙容器の頂面をパッドによって覆い、該パッドを介して頂面に負圧を加える減圧装置と、前記紙容器の頂面の温度を測定するセンサと、測定された温度に基づいて紙容器の密封性が低下しているかどうかを判断する制御装置とを有する。
【0015】
本発明の他のリークテスタにおいては、紙容器の側面をパッドによって挟持し、該パッドを介して紙容器の側面に負圧を加え、該側面を膨らませる減圧装置と、前記紙容器の側面の膨らみを測定するセンサと、測定された膨らみに基づいて紙容器の密封性が低下しているかどうかを判断する制御装置とを有する。
【0016】
【作用及び発明の効果】
本発明によれば、前記のように、リークテスタにおいては、紙容器の頂面を検査するために、紙容器を反転させ、横転状態にする反転装置と、加圧空気を吹き付けて紙容器の頂面の水滴を除去する空気噴射装置と、水滴が除去された後の紙容器の頂面をパッドによって覆い、該パッドを介して頂面に負圧を加える減圧装置と、前記紙容器の頂面の温度を測定するセンサと、測定された温度に基づいて紙容器の密封性が低下しているかどうかを判断する制御装置とを有する。
【0017】
この場合、充填機から反転装置に搬送された紙容器は、紙容器の頂面を検査するために、前記反転装置によって反転させられ、横転状態にされ、空気噴射装置によって紙容器の頂面から水滴が除去され、減圧装置によってパッドにより覆われた紙容器の頂面に負圧が加えられる。次に、前記センサによって紙容器の頂面の温度が測定され、該温度に基づいて紙容器の密封性が低下しているかどうかが判断される。そして、紙容器の密封性が低下している場合は、前記負圧によって紙容器内の食品が漏れて頂面に浸出し、食品が蒸発して気化熱を奪い、紙容器の頂面の温度が低下する。
【0018】
この場合、紙容器の頂面から水滴が除去されているので、紙容器の頂面に付着した水滴によってセンサが誤作動することはない。したがって、紙容器の密封性を正確に検査することができる。
【0019】
また、紙容器を搬送しながら紙容器の密封性を検査することができるので、製品を保管するためのスペースが不要になるだけでなく、製品を出荷するまでの遅れ時間がなくなる。その結果、製品の製造コストが高くなることがない。
【0021】
本発明の他のリークテスタにおいては、紙容器の側面をパッドによって挟持し、該パッドを介して紙容器の側面に負圧を加え、該側面を膨らませる減圧装置と、前記紙容器の側面の膨らみを測定するセンサと、測定された膨らみに基づいて紙容器の密封性が低下しているかどうかを判断する制御装置とを有する。
【0022】
この場合、充填機から搬送された紙容器は、減圧装置によってパッドにより挟持された紙容器の側面に負圧が加えられる。次に、前記センサによって紙容器の側面の膨らみが測定され、該膨らみに基づいて紙容器の密封性が低下しているかどうかが判断される。前記紙容器の密封性が低下している場合は、前記負圧によって紙容器内に外気が進入させられ、紙容器の側面を膨らませる。
したがって、紙容器の密封性を正確に検査することができる。
【0023】
また、紙容器を搬送しながら紙容器の密封性を検査することができるので、製品を保管するためのスペースが不要になるだけでなく、製品を出荷するまでの遅れ時間がなくなる。その結果、製品の製造コストが高くなることがない。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施例におけるリークテスタの斜視図、図2は本発明の第1の実施例における真空チャンバの斜視図である。
図に示すように、アセプティック包装された紙容器11はブリック型の形状を有し、飲み口となる図示しない注出口が頂面に形成され、該注出口がプルタブ12によって閉鎖される。そのために、図示しない充填機において、ウェブ状の包材に穴あけ加工を施して注出口を形成した後、容器内面側から包材の断面を保護するための内貼(ば)りテープを当て、容器外面側からプルタブテープを当ててそれらを挟持してヒートシールするようにしている。
【0025】
この場合、前記内貼りテープ及びプルタブテープは、いずれもウェブ状の形状でヒートシール部に供給され、一定の寸法に切断されてヒートシールされる。この時、内貼りテープ及びプルタブテープの少なくとも一方が蛇行すると、シール不良が生じるだけでなく、空気を巻き込んでバーストし、ピンホールが発生することもある。
【0026】
そこで、本発明のリークテスタにおいては、前記プルタブ部分について紙容器11の密封性を重点的に検査するようにしている。そのために、本発明のリークテスタは、紙容器11を反転させて横転状態にする反転装置15、加圧空気を吹き付けてプルタブ部分の水滴を除去する空気噴射装置17、紙容器11のプルタブ部分に負圧を加える減圧装置19、赤外線によって紙容器11の表面の温度を測定する赤外線センサ21、不良品の紙容器11を排出するエジェクタ装置23、紙容器11を元の直立状態に戻す正転装置25、及び測定された温度に基づいて紙容器11の密封性が低下しているかどうかを判断するための図示しない制御装置から成る。
【0027】
本実施例においては、充填機において食品が充填された紙容器11は図示しないコンベアによってリークテスタに搬送され、前記反転装置15にセットされる。この場合、反転装置15及び正転装置25としては互いに対向して配設された1対の丸ベルト33、35を有する。該丸ベルト33、35は前記紙容器11の搬送路に沿って延び、紙容器11を挟持した状態で走行させられる。そして、丸ベルト33、35は紙容器11の搬送方向における空気噴射装置17より上流側において、図示しないガイドによって90度捩(ね)じられて直立状態から横転状態になり、紙容器11の搬送方向におけるエジェクタ装置23より下流側において、図示しないガイドによって90度捩じられて横転状態から直立状態になる。
【0028】
したがって、前記紙容器11も丸ベルト33、35に挟持されたまま、紙容器11の搬送方向における空気噴射装置17より上流側において直立状態から横転状態になり、紙容器11の搬送方向におけるエジェクタ装置23より下流側において横転状態から直立状態になる。
次に、前記空気噴射装置17は横転状態の紙容器11の横方向から加圧空気を吹き付けてプルタブ部分の水滴を除去する。この場合、該プルタブ部分に加圧空気を吹き付けるようにしているので、紙容器11の他の部分に比べ水滴を確実に除去することができる。
【0029】
続いて、前記プルタブ部分における紙容器11の密封性を検査するために、紙容器11の頂面を減圧装置19にセットし、頂面に負圧を加える。前記減圧装置19は、前記紙容器11の搬送方向における上流側と下流側とに配設された1対のプーリ37、38と、該プーリ37、38間に張設され、矢印A方向に走行させられるベルト39と、該ベルト39の外周面の複数箇所に突設された真空チャンバ41と、該真空チャンバ41に真空を発生させる図示しない真空源とから成る。
【0030】
前記真空チャンバ41はベルト39に固定されたブラケット42、及び該ブラケット42に固定されたゴム製のパッド43から成り、該パッド43は前記紙容器11の頂面と対向して開口し、頂面を収容するだけの寸法を備えた凹部44を有する。
前記構成の減圧装置19において、紙容器11がベルト39及び真空チャンバ41の走行と同期させられて搬送され、図示しないプッシャ等によって紙容器11の頂面側がパッド43内に挿入される。そして、前記真空源によって前記真空チャンバ41の凹部44内が一定時間減圧される。
【0031】
したがって、前記プルタブ部分における紙容器11の密封性が低下している場合には、プルタブ部分において負圧が加わるので紙容器11内の食品が漏れて浸出する。この場合、減圧は約−50〜100〔mmHg〕の軽微なものでよく、保持時間も10〜15秒で十分である。なお、紙容器11内の食品が漏れるとパッド43が汚れるので、パッド43を洗浄する洗浄器48、及びパッド43を乾燥させる乾燥器49が前記ベルト39と対向させて配設される。
【0032】
そして、前記減圧装置19によって紙容器11内の食品が漏れた場合、プルタブ部分における紙容器11の表面に浸出した食品は再び紙容器11内に戻ることはない。
次に、紙容器11は横転状態のまま温度検出部に搬送される。該温度検出部においては、前記紙容器11の頂面が赤外線センサ21と対向させられ、プルタブ部分における紙容器11の表面の温度が測定される。該プルタブ部分における紙容器11の表面に食品が浸出していると、食品が蒸発して気化熱を奪い紙容器11の表面の温度が低下する。したがって、紙容器11の表面の温度の低下によって食品の浸出を検出するようにしている。
【0033】
すなわち、前記赤外線センサ21の測定結果は、検出信号として制御装置に送られ、該制御装置において閾(しきい)値と比較され、検出温度が閾値より低い場合に食品の浸出を検出する。このようにして、紙容器11の密封性を検査し、紙容器11の良否を判断することができる。
続いて、食品が浸出している紙容器11は不良品であるとして、エジェクタ装置23によって排出される。該エジェクタ装置23としては加圧空気や図示しないリニアアクチュエータなどが使用され、プッシャ機構によって丸ベルト33、35間から紙容器11を押し出して排出する。
【0034】
そして、食品が浸出していない紙容器11は良品であるとして、正転装置25によって紙容器11が元の直立状態に戻され、次の工程部分に搬送される。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。
図3は本発明の第2の実施例におけるリークテスタの斜視図、図4は本発明の第2の実施例におけるリークテスタの反転装置の平面図、図5は本発明の第2の実施例におけるリークテスタの反転装置の側面図である。
【0035】
第2の実施例において、リークテスタは、紙容器11を反転させ、横転状態又は倒立状態で一定時間保持する反転装置51、紙容器11の側面の膨らみ量を測定する測定装置53、不良品の紙容器11を排出する図示しないエジェクタ装置、及び測定された膨らみ量に基づいて紙容器11の密封性が低下しているかどうかを判断するための図示しない制御装置から成る。
【0036】
ところで、前記紙容器11に食品として液体食品を充填する場合、紙容器11は、充填機55において、ウェブ状の包材を筒状に成形しながら食品を筒状の包材内に満たし、一定間隔ごとにヒートシールして製造するようになっている。この場合、充填される液体食品の量より紙容器11の容量が大きくなるように紙容器11の寸法が設定され、紙容器11を開封した時に外気を進入させ、液こぼれが生じないようにしてある。
【0037】
したがって、紙容器11が完成した後においては、紙容器11内はわずかに減圧された状態になっていて、紙容器11の側面は内側にわずかに窪(くぼ)んでいる。
この種の紙容器11の頂面においてピンホールが発生すると、紙容器11内はわずかに減圧されているので、外気が紙容器11内に進入し、紙容器11の側面が膨れる。したがって、紙容器11の側面の状態を監視することによって、紙容器11の密封性を検査することができる。
【0038】
ところが、ピンホールが紙容器11の底面、側面等における液体食品の液面より下方に形成された場合には、液体食品がピンホールの発生した部分を押すので外気が紙容器11内に進入するのが阻害され、紙容器11の側面は膨らまない。したがって、紙容器11の側面の状態を監視しても、紙容器11の密封性を検査することはできない。そこで、紙容器11を横転状態又は倒立状態にして一定時間保持した後、紙容器11の側面の状態を監視することによって、紙容器11の密封性を検査するようにしている。
【0039】
本実施例においては、充填機55から排出された紙容器11は第1コンベア56によって反転装置51に間欠的に搬送される。そして、該反転装置51によって反転させられ直立状態から倒立状態にさせられた紙容器11は、再び反転装置51によって反転させられ倒立状態から直立状態にされ、第2コンベア57によって測定装置53に間欠的に搬送される。
【0040】
前記反転装置51は1対のプーリ61、62と、該プーリ61、62間に張設され、矢印B方向に間欠的に走行させられるベルト63と、該ベルト63の外周面の複数箇所に突設された保持チャンバ64とから成る。なお、該保持チャンバ64は複数の紙容器11を同時に保持することができるように溝状の形状を有する。
【0041】
したがって、前記第1コンベア56によって搬送された複数の紙容器11が反転装置51の直下の搬入位置S1に到達し、前記保持チャンバ64内にセットされると、ベルト63が所定距離だけ走行させられ、次の保持チャンバ64が搬入位置S1に移動する。続いて、次の複数の紙容器11が保持チャンバ64内にセットされると、ベルト63が所定距離だけ走行させられ、次の保持チャンバ64が搬入位置S1に移動する。
【0042】
このように、ベルト63が間欠的に走行させられるのに伴って、紙容器11も矢印B方向に搬送され、図5に示すように、紙容器11は順に直立状態C1、横転状態C2、倒立状態C3、倒立状態C4、横転状態C5、直立状態C6になり、第2コンベア57の反転装置51の直下の搬出位置S2に到達する。
そして、搬出位置S2に到達した紙容器11は間欠的に搬出され、測定装置53に搬送される。なお、反転装置51の周囲には保持チャンバ64の先端の軌跡に沿って図示しないガイドを配設し、保持チャンバ64から紙容器11が落下しないようにしている。
【0043】
したがって、前記紙容器11は反転装置51によって横転状態C2、倒立状態C3、倒立状態C4及び横転状態C5が一定時間保持されるので、紙容器11の側面の状態を監視することによって紙容器11の密封性を検査することができる。
続いて、紙容器11は第2コンベア57によって測定装置53に搬送される。本実施例においては、該測定装置53としてトラッカー(登録商標、ベンソス社)等を使用した。前記測定装置53は図示しない近接センサを有し、該近接センサから対象物である紙容器11の側面までの距離を測定する。そして、前記測定装置53の測定結果は、検出信号として制御装置に送られる。
【0044】
この場合、あらかじめ設定したタイムスパンを設けて前記距離を3回測定し、測定値のうちの最低値と平均値とを制御装置において比較するようにしている。また、3回の測定値によって紙容器11の側面の3点が描く湾曲の曲率を計算し、該曲率によって紙容器11の良否を判断することができる。
そして、試験結果においては、50〔μm〕程度の極めて小さなピンホールが紙容器11に発生した場合でも、10秒程度の間に横転状態C2から倒立状態C3、C4を経て横転状態C5にすると、紙容器11の側面が膨らみ、前記測定装置53によって膨らみ量を測定することができた。
【0045】
続いて、側面が膨らんだ紙容器11は不良品であるとして、エジェクタ装置によって排出される。この場合、エジェクタ装置としては加圧空気や図示しないリニアアクチュエータなどが使用され、プッシャ機構によって第2コンベア57から紙容器11を押し出して排出する。
そして、側面が膨らんでいない紙容器11は良品であるとして、次の工程部分に搬送される。
【0046】
なお、紙容器11の倒立状態C3、C4において、紙容器11の底面の成形状況を、例えば、図示しないCDカメラ等を使用して視覚によって検査することもできる。
次に、本発明の第3の実施例について説明する。
図6は本発明の第3の実施例におけるリークテスタの概略図である。
【0047】
図に示すように、リークテスタは、紙容器11を反転させ、倒立状態で一定時間保持する反転装置81、紙容器11の側面の膨らみを測定する図示しない測定装置、不良品の紙容器11を排出する図示しないエジェクタ装置、及び測定された膨らみに基づいて紙容器11の密封性が低下しているかどうかを判断するための図示しない制御装置から成る。
【0048】
そして、前記反転装置81は、それぞれ回転自在に配設され、図における反時計回りに回転させられる歯車82〜85を有する。また、図示しない充填機から紙容器11を受けて前記歯車82に搬送する第1コンベア86、歯車82から紙容器11を受けて歯車83に搬送する第2コンベア87、歯車83から紙容器11を受けて歯車84に搬送する第3コンベア88、歯車84から紙容器11を受けて歯車85に搬送する第4コンベア89、及び歯車85から紙容器11を受けてエジェクタ装置に搬送する第5コンベア90を有する。
【0049】
この場合、前記各歯車82〜85の周縁には面93、94によって複数の歯92が形成され、各紙容器11は前記歯92によって支持される。
前記紙容器11は順に直立状態C1、横転状態C2、倒立状態C3、横転状態C4、直立状態C5になり、横転状態C2、倒立状態C3及び横転状態C4が一定時間保持されるので、紙容器11の側面の膨らみを測定することによって紙容器11の密封性を検査することができる。
【0050】
次に、本発明の第4の実施例について説明する。
図7は本発明の第4の実施例における真空パッドの減圧前の状態図、図8は本発明の第4の実施例における真空パッドの減圧後の状態図である。
図に示すように、紙容器11は図示しない搬送路上の所定の位置において真空パッド71、72によって両側から挟持される。該真空パッド71、72は紙容器11の側面と対向して開口する凹部73、74を有し、該凹部73、74は図示しない真空源に接続される。そして、該真空源によって前記真空パッド71、72の凹部73、74内が一定時間減圧される。
【0051】
その結果、前記紙容器11の側面に負圧が加わり、図8に示すように側面が膨らみ、その分だけ頂面及び底面は窪む。そして、紙容器11の密封性が低下している場合には、紙容器11内に外気が強制的に進入させられ、側面が大きく膨らむ。
そこで、前記凹部73、74内に近接センサ75、76を配設し、該近接センサ75、76によって側面の膨らみを測定し、紙容器11の密封性を検査するようにしている。本実施例においては、近接センサ75、76から紙容器11の側面までの距離を測定する。そして、前記近接センサ75、76の測定結果は、検出信号として図示しない制御装置に送られ、該制御装置において閾値と比較され、測定された距離が閾値より短い場合に紙容器11の密封性が低下していることを検出する。このようにして、紙容器11の密封性を検査し、紙容器11の良否を判断することができる。
【0052】
本実施例においては、ピンホールが紙容器11の底面に発生した場合であっても外気が紙容器11内に進入するので、紙容器11を横転状態にしたり倒立状態にしたりする必要がない。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるリークテスタの斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施例における真空チャンバの斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施例におけるリークテスタの斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施例におけるリークテスタの反転装置の平面図である。
【図5】本発明の第2の実施例におけるリークテスタの反転装置の側面図である。
【図6】本発明の第3の実施例におけるリークテスタの概略図である。
【図7】本発明の第4の実施例における真空パッドの減圧前の状態図である。
【図8】本発明の第4の実施例における真空パッドの減圧後の状態図である。
【符号の説明】
11 紙容器
15、51、81 反転装置
17 空気噴射装置
19 減圧装置
21 赤外線センサ
53 測定装置
75、76 近接センサ
Claims (2)
- (a)紙容器の頂面を検査するために、紙容器を反転させ、横転状態にする反転装置と、
(b)加圧空気を吹き付けて紙容器の頂面の水滴を除去する空気噴射装置と、
(c)水滴が除去された後の紙容器の頂面をパッドによって覆い、該パッドを介して頂面に負圧を加える減圧装置と、
(d)前記紙容器の頂面の温度を測定するセンサと、
(e)測定された温度に基づいて紙容器の密封性が低下しているかどうかを判断する制御装置とを有することを特徴とするリークテスタ。 - (a)紙容器の側面をパッドによって挟持し、該パッドを介して紙容器の側面に負圧を加え、該側面を膨らませる減圧装置と、
(b)前記紙容器の側面の膨らみを測定するセンサと、
(c)測定された膨らみに基づいて紙容器の密封性が低下しているかどうかを判断する制御装置とを有することを特徴とするリークテスタ。
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