JP5556571B2 - 容器の密封方法 - Google Patents
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Description
その代表的な一例の断面を図6に示した。
この容器の製造、および内容物の充填、密封は、図5に示したように胴部、底部を予め成形した容器本体(15)の、上部開口部(14)から内容液(9)を充填し、この開口部(14)を、予め飲み口(6)をタブシール材(5)で封止した状態の蓋材(2)を用い、落とし蓋方式により密封する方法が用いられていた。
また、無菌充填を行う場合、容器本体とは別部材となる蓋材の殺菌が必要であり、さらに、無菌チャンパー内で、容器本体へ内容物を充填した後に別の蓋材で密封する工程は、非常に複雑な操作が必要となる。
しかし、予め蓋材を一体化し、内容物を充填した状態で飲み口部タブ材をヒートシールによって封止する方法においては、ヒートシールユニットの反対側の受け部を、容器本体内に設けることができないので、シールされる蓋材とタブ材の重なった部分に十分な安定した圧力をかけることが困難であった。
そのために飲み口部のタブ材を一定のシール圧力を保持した状態で蓋材にシールすることが出来なかった。上記の事情から、このような蓋材で密封する成形容器の密封方式としては、前述の落とし蓋方式が一般的に用いられていた。
すなわち、容器本体(15)の上部開口部に、予め飲み口(6)を有する蓋材(2)を取り付けた容器内に、内容液(9)を充填後、前記飲み口(6)の上面にタブシール材(5)を重ね、加熱加圧面が球面状の加熱シール部材(8)で、加熱加圧後、加熱加圧面が前記加熱シール部材(8)と同じ球面状で、かつ、飲み口(6)の形状と相似形の突起部を有する加熱シール部材で加熱加圧して密封する方法である。
球面状の加熱加圧面を有する加熱シール部材(8)で、しかも一方の加熱シール部材の加熱加圧面に、飲み口と相似形の突起を設けた構成としたので、飲み口(6)をタブシール材(5)で密封する際、蓋材(2)の内側に受け台がなくても、確実に密封することができる容器の密封方法となる。
るために蓋材(2)の天面が加熱シール部材(8)の曲面に沿ってたわみ、容器に負荷をかけることになるので極力避けたいのが実情であった。
さらに、上記のような、内容物を充填後、蓋材の飲み口を密封する容器の密封方法においては、シール部に内容液が付着して(液ガミシール)擬似シール状態で不完全なシールしか得られなかった場合にも外観から判別することが困難であった。
すなわち、真空吸引によってシール部が上に持ち上げられて加熱シール部材に圧接され一度目のシール時に容器内側方向に多少湾曲した蓋材の変形を矯正すると同時に加熱シール部材への押圧が均一にかかることによって確実で安定した密閉状態が得られる。
図1は容器の密封工程の開始前の状態を示す説明図であり、図2は容器の密封工程の一度目のシールの状態を示す説明図であり、図3は容器の密封工程の真空引き再シールを示す説明図である。
タブシール材(5)による飲み口(6)の密封は、上部に待機している加熱シール部材(8)が図の矢印のように下降してきて蓋材(2)の飲み口周縁上にタブシール材(5)を押し付けて加熱加圧しタブシール材下面と蓋材上面をヒートシールすることによって行う。
上方から下降してくる加熱シール部材(8)の底面はタブシール材(5)の上面に圧接されて蓋材(2)に必要な圧力をかけながら加熱状態で所定の時間接触していることによって蓋材(2)の飲み口(6)周辺のタブシール材(5)のヒートシールを行い一回目の密封操作を完了する。
このために、加熱シール部材(8)の加圧による圧力は、加熱シール部材(8)が蓋材(2)の弾性と平衡する圧力となるが、この圧力は飲み口(6)を含めた蓋材(2)の形状や材質によって変動するので、ヒートシールに必要な圧力をしかも均一に一定時間かけ続けるのは困難である。
このために本発明の密封方法においては、最初のヒートシールによる密封操作に続けて蓋材の変形を矯正した状態での再度のヒートシールを行うことでこれらの問題を解決することに成功した。
一回目の密封操作完了後に容器上部のタブシール材(5)のヒートシールされた領域を含む蓋材(2)の上方からパッキン(13)を介して真空チャンバー(11)を容器外周縁上部に密着させてチャンバー内部の真空引きを行い減圧状態とする。これによって下方へたわんだ状態であった蓋材(2)は逆に上方へたわんでゆく状態となる。この状態で加熱シール部材(8)を所定位置まで下降させてタブシール材(5)の上面に圧接して再度ヒートシールを行う。
蓋材(2)、底部材(4)および胴部材(3)に用いる材料は紙を主体とした積層材料であり、紙以外に用いる構成材料としてはポリエチレンフィルム等の熱接着性樹脂層、ポリエステルフィルムなどの熱可塑性樹脂層、ガスバリア性フィルムなどが挙げられ、これらを複数層積層したものを用いる。
前記の紙としては液体用容器に通常使われる紙であれば用いることが出来るが、加工性と保形性からみて坪量が50〜500g/m2の板紙が望ましい。
例えば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)などを使用することができるがヒートシール性を考慮して低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)または直鎖線状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)が好ましい。
前記熱接着性樹脂層の厚みは、紙容器に充填する内容物の種類、内容量、保存期間、充
填包装機械適性などにより適宜決定されるが、ラミネート強度面を考慮して10μmから100μmの範囲が好ましい。
合成樹脂としてはたとえば、ヒートシール性に優れたポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、強度やバリア性に優れたポリエチレンテレフタレートや2,6−ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂が挙げられる。
ガスバリア性フィルムの前記蒸着フィルムに用いるプラスチックフィルムとしては10〜100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムが、無機酸化物蒸着層の厚みとしては10〜100nmが好ましい。
蓋材、底部材および胴部材用の積層材料を以下の層構成で作成した。
・紙基材:晒クラフト紙(坪量320g/m2)
・熱可塑性樹脂層:厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
・熱接着性樹脂層:厚さ40μm、密度0.920g/cm3の低密度ポリエチレン
・ガスバリア性フィルム:熱可塑性樹脂層上に厚さ100nmの酸化ケイ素薄膜を蒸着したポリエステルフィルム
を用いた。
各層間を接着する接着剤にはポリウレタン系接着剤を用い、(容器外側)熱接着性樹脂層/紙基材/熱可塑性樹脂層/ガスバリア性フィルム/熱接着性樹脂層(容器内側)の構成からなる積層材料を得た。
紙基材:晒クラフト紙(坪量83g/m2)
アルミニウム箔:厚さ12μm
熱可塑性樹脂層:厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
ピール層:高密度ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレン樹脂とをブレンドした、厚さ35μmの無延伸ポリプロピレンフィルム
を用いた。
蓋材は基材に飲み口部を穿孔すると共に、底部材と同じ大きさとなる略円形状の蓋材形状に打ち抜き、外周縁部が上向きに起立する形状に絞り成形する。
その際、蓋材に刻切された飲み口部分の形状に合わせて切り抜かれたタブシール材を蓋材の飲み口部周縁の上面の一部に貼着してタブシール材を起立状態とする。
する工程であれば他の形状の容器の場合も用いることが出来る。
2…蓋部材
3…胴部材
4…底部材
5…タブシール材
6…飲み口
7…環状脚部
8…加熱シール部材
9…内容液
10…ヘッドスペース
11…真空チャンバー
12…真空引き
13…パッキン
14…開口部
15…容器本体
Claims (3)
- 容器本体の開口部に、予め飲み口を有する蓋材を取り付けた容器内に、内容物を充填後、前記飲み口の上面にタブシール材を重ね、加熱シール部材で加熱加圧してヒートシール後、該シール部をチャンバーで覆い真空吸引した状態で再度加熱加圧して密封することを特徴とする容器の密封方法。
- 加熱シール部材で加熱加圧してヒートシール後、該シール部をチャンバーで覆い真空吸引した状態で同じ加熱シール部材を用いて再度加熱加圧して密封することを特徴とする請求項1に記載の容器の密封方法。
- 予めタブシール材を取り付けた蓋材を用いたことを特徴とする請求項1または2に記載の容器の密封方法。
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