JPH0912608A - 塩化ビニル系ポリマーの製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系ポリマーの製造方法

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JPH0912608A
JPH0912608A JP16861395A JP16861395A JPH0912608A JP H0912608 A JPH0912608 A JP H0912608A JP 16861395 A JP16861395 A JP 16861395A JP 16861395 A JP16861395 A JP 16861395A JP H0912608 A JPH0912608 A JP H0912608A
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vinyl chloride
monomer
aqueous dispersion
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treatment
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JP16861395A
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Takeshi Nishiuchi
健 西内
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 乳化重合または微細懸濁重合により得られた
塩化ビニル系重合体の水性分散液から、未反応の塩化ビ
ニルモノマーを効率良く除去することができる、モノマ
ー残留量の少ない塩化ビニル系ポリマーの製造方法の提
供。 【構成】 塩化ビニルまたは塩化ビニルを主体とする共
重合可能な単量体の混合物を乳化重合または微細懸濁重
合して得た水性分散液から未反応塩化ビニルモノマーを
回収・除去するに当たり、湿式粉砕機を備えた自己循環
配管を有する回収設備を用いて該水性分散液を循環し、
そこに含まれる粗大ポリマー粒子を粉砕しながら、もし
くは粉砕した後に脱モノマー処理を行う塩化ビニル系ポ
リマーの製造方法。脱モノマー処理を比較的温和な条件
で実施しても効率的にモノマーが除去でき、容易に残留
モノマー量の少ない塩化ビニル系ポリマーが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、残留塩化ビニルモ
ノマー含有量の少ない塩化ビニル系ポリマーの製造方法
に関するものであり、詳しくは塩化ビニルまたは塩化ビ
ニルを主体とする共重合可能な単量体の混合物(以下
「塩化ビニル系単量体」と記す)を、乳化重合または微
細懸濁重合して得られた水性分散液から、未反応の塩化
ビニル(以下「モノマー」と記す)を効率的に回収・除
去し(以下「脱モノマー処理」と記す)、モノマー残留
量の少ない塩化ビニル系ポリマーを得ることができる方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系単量体を乳化重合または微
細懸濁重合することにより塩化ビニル系ポリマーを工業
的に製造する方法においては、塩化ビニル系単量体の転
化率は通常80〜95%程度であり、重合後の水性分散
液には相当量の未反応のモノマーが含まれている。
【0003】この水性分散液をそのままラテックス用途
に用いる場合も、また乾燥して粉末状の塩化ビニル樹脂
を製造する場合においても、モノマーの残留は衛生面・
環境面のいずれからも好ましくなく、そのため、水性分
散液中のモノマー残留量をできるだけ少なくすることが
望まれている。一般に、塩化ビニル系ポリマーの水性分
散液からの脱モノマー処理方法としては、該分散液をモ
ノマー回収設備に移送し、回収容器内で未反応のモノマ
ーを減圧下に除去する方法が用いられている。しかしこ
の方法では未反応モノマーを効率よく除去することは難
しく、特に水性分散液中のモノマー残留量をポリマー重
量当たり100〜1000ppm程度まで削減すること
は極めて困難であった。
【0004】上記脱モノマー処理の改良方法として、例
えば、モノマー回収の際の減圧度を高くする(高真空
下で脱モノマーを行う)、水性分散液の温度を高くす
る、水性分散液を強く攪拌する、脱モノマー処理の
時間を長くする、等の方法が提案されている。しかし、
減圧度を高くするためには、回収設備の耐圧度を増した
り、真空設備の能力を大きくしたりする必要があり、一
方温度を高くし、または攪拌を強くすると、水性分散液
の乳化安定性が損なわれ、凝集を起こして移送できなく
なったり、製品品質が悪化する恐れがある。また、処理
時間の延長は生産性の面で問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑み、塩化ビニル系単量体の乳化重合または微細懸濁重
合により得られる塩化ビニル系ポリマーの水性分散液か
ら未反応のモノマーを効率良く回収・除去する方法、即
ち残留未反応モノマー量を容易に少なくすることができ
る塩化ビニル系ポリマー水性分散液の脱モノマー処理の
方法とこれに基づく塩化ビニル系ポリマーの製造方法を
提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の目的を
達成するため鋭意検討を重ねた結果、脱モノマー処理時
に効率よくモノマーが除去されず、ポリマー中に残留し
やすい主な原因は、重合工程で生成する、3mm、特に
10mmを越えるような粗大粒子中に含まれる未反応モ
ノマーが除去されにくいためであることを見出した。こ
の知見に基づいて、重合後の水性分散液を脱モノマー処
理するに当たり、該水性分散液を循環しながらそこに含
まれる粗大粒子を粉砕することにより、残留モノマーを
効率的に除去できることを確認し、本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明の要旨は、塩化ビニルまたは
塩化ビニルを主体とする共重合可能な単量体の混合物
(塩化ビニル系単量体)を、乳化重合または微細懸濁重
合して得られた水性分散液から未反応の塩化ビニル(モ
ノマー)を回収・除去(脱モノマー処理)するに当た
り、湿式粉砕機を備えた自己循環配管(以下「循環配
管」と略記する)を有する回収設備を用いて該水性分散
液を循環し、そこに含まれる粗大ポリマー粒子を粉砕
(以下「循環・粉砕処理」と記す)しながら脱モノマー
処理を行うことを特徴とする塩化ビニル系ポリマーの製
造方法、に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明が対象とする水性分散液
は、塩化ビニル系単量体を乳化重合または微細懸濁重合
することにより得られた塩化ビニル系ポリマーの水性分
散液(いわゆる「ラテックス」)である。塩化ビニル系
単量体の乳化重合は、塩化ビニル系単量体を水性媒体中
で乳化剤及び水溶性重合開始剤の存在下に、また微細懸
濁重合は塩化ビニル系単量体を水性媒体中で乳化剤及び
油溶性重合開始剤の存在下に均質化処理の上、重合させ
ることによって実施される。
【0009】本発明でいう塩化ビニル系単量体とは、塩
化ビニル単独及び塩化ビニルを主体とする共重合可能な
単量体の混合物を含む。塩化ビニルと共重合可能な他の
単量体としては、従来一般的に用いられているものを使
用することができ、特に限定されない。上記の他の単量
体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ステアリン酸ビニル等のビニルエステル類、メチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、オクチルビニ
ルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエ
ーテル等のアルキルビニルエーテル類、エチレン等のα
−オレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸等の一価不
飽和酸、これらの一価不飽和酸のメチルエステル、エチ
ルエステル等のアルキルエステル類、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸等の二価不飽和酸、これらの二価不飽
和酸のメチルエステル、エチルエステル等のアルキルエ
ステル類、塩化ビニリデン等のビニリデン化合物、アク
リロニトリル等の不飽和ニトリルなどの一種又は二種以
上の混合物が挙げられる。これらの他の単量体は、塩化
ビニル単量体に対し、通常、30重量%以下、好ましく
は20重量%以下の割合で使用されるが、特に制限はな
い。
【0010】本発明方法が対象とする水性分散液を製造
するために用いられる乳化剤としては、例えば、高級ア
ルコール硫酸エステル塩(アルカリ金属塩、アンモニウ
ム塩)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(アルカリ金属
塩、アンモニウム塩)、高級脂肪酸塩(アルカリ金属
塩、アンモニウム塩)その他のアニオン界面活性剤、ノ
ニオン界面活性剤、及び/またはカチオン界面活性剤が
挙げられる。これらの界面活性剤は、1種類を用いても
よいし、2種類以上の併用も可能である。乳化剤の使用
量は塩化ビニル系単量体に対し、通常0.1〜5重量%
(好ましくは0.3〜2重量%)の範囲である。
【0011】また、重合開始剤としては乳化重合法の場
合は、例えば過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、ア
ンモニウム塩)、過酸化水素等の水溶性過酸化物、また
は、これらの水溶性過酸化物と水溶性還元剤(例えば、
亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素
ナトリウム、アスコルビン酸、ナトリウムホルムアルデ
ヒドスルホキシレート等)との組合せからなる水溶性レ
ドックス系開始剤が使用され、また微細懸濁重合法の場
合は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4
−ジメチルバレロニトリル)、ラウロイルペルオキシ
ド、t−ブチルペルオキシピバレート等の単量体可溶性
(油溶性)開始剤、または、これらの油溶性開始剤と前
記の水溶性還元剤との組合せからなるレドックス系開始
剤が用いられる。
【0012】これらの重合開始剤の使用量は塩化ビニル
系単量体に対し、通常0.001〜0.1重量%程度で
ある。更に、本発明方法においては、必要に応じて、塩
化ビニル系単量体の重合に使用される重合度調整剤(連
鎖移動剤、架橋剤)、酸化防止剤、pH調整剤、レドッ
クス系開始剤の活性化剤等の各種重合助剤を適宜添加す
ることができ、これらの各成分の仕込量等は、従来塩化
ビニル系単量体の重合で実施されている一般的な条件を
用いればよい。
【0013】重合反応に使用される乳化剤、重合開始剤
等の助剤類は、重合開始前に一括して反応系に添加して
も、あるいは重合反応中に分割してもしくは連続して添
加しても構わない。重合温度は、用いる重合開始剤の種
類、重合方法、重合度調整剤の使用の有無、或いは目標
とする重合度等によっても異なるが、一般に、0〜90
℃、特に40〜70℃の範囲を用いることが多い。ま
た、反応に際しては、一定温度で重合を行わせても、ま
たは重合の途中で重合温度を変化させてもよい。
【0014】重合圧力は、用いられる塩化ビニル系単量
体の種類や組成、或いは反応温度によっても異なるが、
通常4〜12kg/cm2 程度である。また重合時のモ
ノマーと水との仕込比は、一般に水/モノマー(重量
比)で0.5〜3程度が用いられることが多い。なお、
重合に際して、別途調製しておいた塩化ビニル系ポリマ
ーを種子ポリマー(シード)として仕込んで重合しても
よい。
【0015】このようにして得られた塩化ビニル系ポリ
マーの平均重合度(JIS法)は、通常400〜800
0程度で、その粒径は大部分が10μm以下となる。上
述の方法で得られた塩化ビニル系ポリマーの水性分散液
は、通常1〜20重量%の未反応モノマーを含んでいる
ため、これを除去・回収する必要がある。脱モノマー処
理の方法としては、回分処理法と連続処理法の二法が一
般に用いられる。回分処理法としては、例えば容器内で
水性分散液に、好ましくは攪拌下で、水蒸気等を直接吹
き込むか、またはジャケット等に通じて加熱しながら減
圧処理することにより、気化したモノマーを回収する方
法が挙げられる。また、連続処理法としては、例えば塔
の上部から減圧下に水性分散液を噴霧もしくは流下さ
せ、これを塔の下部から導入した水蒸気及び/または不
活性ガスと向流接触させ、気化したモノマーをガスとし
て塔頂部から回収する方法が挙げられる。
【0016】これらの脱モノマー処理は多段で行っても
構わない。脱モノマー処理の温度は通常50〜100
℃、好ましくは50〜80℃であり、圧力は最終的には
処理温度における飽和水蒸気圧程度とすることが望まし
い。また、減圧処理時間は攪拌下で回分処理する場合は
一般に0.5〜10時間程度を用いる例が多い。
【0017】前述の通り、乳化重合や微細懸濁重合によ
り得られた塩化ビニル系ポリマー水性分散液中のポリマ
ー粒子の大きさはほとんどが10μm以下であるが、大
粒径の凝集物を少量含むことがある。このような凝集物
の形状は、一般に球形または不定形であるが、その直径
(不定形の場合は最大径)が3mm、特に10mmを越
えるものが、特にモノマーの除去に悪影響が大きい。
【0018】本発明方法においては、脱モノマー処理の
際に湿式粉砕機を備えた循環配管を有する設備を用いて
該水性分散液を循環し、上記のような粗大なポリマー粒
子を粉砕することを特徴としている。水性分散液の時間
当たりの循環量は、処理される水性分散液の総量の0.
5〜5重量倍程度が好ましい。
【0019】循環配管のモノマー回収容器からの抜き出
し位置は、水性分散液の液相部分にあれば特に限定され
ないが、分散液中のポリマー粒子、特に粗大なポリマー
粒子が沈降する傾向にあることを考慮して、液相部の下
部あるいは回収容器の底部に設けるのが好ましい。ま
た、該配管の回収容器への返送口は、気相部分とするの
がモノマーの回収の面からは好適であるが、あまり液面
から高い位置にすると水性分散液がそこに含まれる乳化
剤等によって発泡する恐れがあるので、容器頂部より液
面寄りの方が好ましい。但し、別途発泡防止策を施して
ある場合や多段塔形式のものは特に限定されない。
【0020】また、この回収・循環処理を行う時間は、
水性分散液の総量を時間当たりの循環量で除して求めら
れる平均滞留時間の4倍以上、より好ましくは6倍以上
とするのが好適である。水性分散液中の粗大粒子の粉砕
は、循環配管に設けられた湿式粉砕機により行われる。
その形式としては、例えば、スクリーンである固定子と
棒状、板状あるいはプロペラ状の粉砕羽根である回転
子、及び場合によってはライナーもしくは切刃から構成
される一般的なものでよい。スクリーンの目開きにより
粉砕処理後の粒子の最大径がコントロールされるが、一
般に目開きは細かいほどモノマー除去には有効であり、
大きくても3mm以下であることが好ましい。この目開
きは除去すべき最大粒子径やろ過抵抗、或いはスクリー
ンの強度を考慮して決定するのが一般的である。
【0021】また、粉砕処理時の液温は特に限定される
ものではないが、通常10〜80℃程度である。この粉
砕処理を行うことにより、粒子内でのモノマーの拡散に
長時間を要する粗大粒子がなくなり、脱モノマー処理時
に速やかにモノマーが除去できるようになる。また単に
粗大粒子を除くだけであれば、濾過分離、沈降分離等の
方法もあるが、ポリマーのロスや分離された粗大粒子か
らの脱モノマー処理の手間等の問題があり、効率的な方
法とは言いがたい。
【0022】この循環・粉砕処理を含む脱モノマー処理
は、重合缶とは別にモノマー回収容器(槽形式又は回収
塔形式)等のモノマー回収設備を設けて行うのが一般的
であるが、重合缶に前記の湿式粉砕機を備えた循環配管
を設置して、重合反応終了後引き続き本発明方法によっ
て循環・粉砕処理及び脱モノマー処理を行ってもよい。
この場合、一般に重合中は循環配管を閉止しておく。
【0023】真空吸引や水蒸気吹き込み等の脱モノマー
処理は、上記循環・粉砕処理を行いながら実施するの
が、処理の効率や生産性の面から好ましいが、循環・粉
砕処理を行った後で実施しても構わない。脱モノマー処
理後の水性分散液は、そのままラテックス用途に用いる
ことができる他、乾燥設備に送り、噴霧乾燥等の常法に
より乾燥されて、主にペースト用途に用いられる粉体状
塩化ビニル系樹脂が製造される。また、モノマーを含む
ガスは、圧縮及び/又は冷却されてモノマーを液化・回
収して再使用に供することができる。
【0024】
【実施例】次に、本発明方法を実施例を用いて更に具体
的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以
下の実施例の記述によって限定されるものではない。
【0025】実施例 (1)種子ポリマーの製造 攪拌機を備えた内容積300リットルの重合缶に温度5
4℃の脱イオン水90kg、過硫酸カリウム10g、ピ
ロ亜硫酸ナトリウム50g及び初期乳化剤としてラウリ
ル硫酸ナトリウム18gを仕込み、約20分間攪拌して
これらの助剤を溶解した。次いで塩化ビニル60kgを
仕込み、缶内温度を50℃に調節した。塩化ビニルの仕
込み完了後15分経過してから、予め溶解しておいた
0.2%過硫酸カリウム水溶液を重合反応速度が一定と
なるように(これは、重合による発熱量を熱量計で監視
することにより可能である)制御しながら添加した。更
に、重合率が約15%に達した時に、別途溶解しておい
た10%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を8ml/分前
後の速度で添加を開始し、その総添加量(ラウリル硫酸
ナトリウムとして)が360gになるまで継続した。缶
内圧力が50℃での塩化ビニルの飽和圧から2kg/c
2 (1960hPa)低下した時に、未反応の塩化ビ
ニルを系外へ放出して反応を終了した。得られた水性分
散液中の塩化ビニルポリマー粒子は、平均粒径0.42
μmの単分散粒子であった。
【0026】(2)塩化ビニルポリマー水性分散液の製
造 上で用いたのと同じ内容積300リットルの重合缶に脱
イオン水80kg、及び上記で調製した種子ポリマーラ
テックスをポリマー量として4.8kg仕込み、脱気し
た後、塩化ビニル75.2kgを加えた。缶内温度を5
5℃に昇温した後、全量で0.05%(対塩化ビニル)
の過酸化水素−ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシ
レートのレドックス開始剤を連続的に添加した。更に、
重合率が種子ポリマー量と塩化ビニルとの合計量に対し
て10%に達した時から乳化剤として固形分総量500
gのラウリル硫酸ナトリウムの10%水溶液を塩化ビニ
ルに対して毎時0.08%の割合で連続的に添加した。
缶内圧力が55℃の塩化ビニルの飽和圧力から1kg/
cm2 (980hPa)低下した時に、開始剤の添加を
停止して反応を終了させた。得られた水性分散液中の塩
化ビニルポリマー粒子は、粒子径0.40μmと1.3
3μmとの二山分布を示した。
【0027】(3)脱モノマー処理 上記(2)で得られた水性分散液の半分を高速攪拌型湿
式粉砕機(スクリーンの最大網目サイズ3mm、プロペ
ラ形粉砕羽根、及び切刃を装備)を備えた自己循環配管
付きのモノマー回収設備に移送した。この水性分散液を
流量300リットル/時で上記湿式粉砕機により粉砕処
理をしながら循環した。この循環・粉砕処理と同時に、
モノマー回収容器の底部付近から水蒸気(圧力3kG)
を1.5kg/時の割合で断続的に供給し、槽内温度を
68±1℃に維持しながら脱離したモノマーを水蒸気と
ともに3m3 /時(処理条件下の体積として示す)の速
度で系外へ除去した。処理は4時間行い、最終的には液
温68.0℃、内圧214mmHg(絶対圧)となっ
た。3時間経過時及び処理終了時に試料を採取しモノマ
ー残留量を測定した。結果は表に示す。
【0028】なお、水性分散液中のポリマーに含まれる
モノマー残留量は、該塩化ビニル系ポリマーの水性分散
液を一定量採取し、これをメスフラスコ中でテトラヒド
ロフラン(THF)に溶解し定容後、水素炎イオン化検
出器(FID)を備えたガスクロマトグラフにその一定
量を注入し、得られたクロマトグラム上の塩化ビニルモ
ノマー相当のピークより、別途作成した検量線を用いて
試料中の塩化ビニルモノマーの濃度を求め、分散液中の
ポリマーの重量あたりのモノマー量に換算することによ
り算出した。
【0029】比較例 (2)により得られた水性分散液の実施例に用いた残り
半分を上記モノマー回収設備に移送し、循環配管を閉止
して循環・粉砕処理を行わなかったこと以外は実施例と
同様にして脱モノマー処理を行った。上と同様にして水
性分散液中のモノマー残留量を測定し、結果を表に併せ
て示す。
【0030】
【表1】 処理条件:68±1℃、スチーム吹込 1.5kg/時
【0031】
【発明の効果】本発明方法によれば、脱モノマー処理を
比較的温和な条件で実施しても、効率的に脱モノマー処
理を行うことが可能で、容易に残留モノマー量の少ない
塩化ビニル系ポリマーを製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニルまたは塩化ビニルを主体とす
    る共重合可能な単量体の混合物(以下「塩化ビニル系単
    量体」と記す)を、乳化重合または微細懸濁重合して得
    られた水性分散液から未反応の塩化ビニル(以下「モノ
    マー」と記す)を回収・除去(以下「脱モノマー処理」
    と記す)するに当たり、湿式粉砕機を備えた自己循環配
    管を有する回収設備を用いて該水性分散液を循環し、そ
    こに含まれる粗大ポリマー粒子を粉砕(以下「循環・粉
    砕処理」と記す)しながら脱モノマー処理を行うことを
    特徴とする塩化ビニル系ポリマーの製造方法。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル系単量体を乳化重合または微
    細懸濁重合して得られた水性分散液から未反応の塩化ビ
    ニル(モノマー)を回収・除去(脱モノマー処理)する
    に当たり、湿式粉砕機を備えた自己循環配管を有する回
    収設備を用いて該水性分散液を循環・粉砕処理した上
    で、脱モノマー処理を行うことを特徴とする塩化ビニル
    系ポリマーの製造方法。
  3. 【請求項3】 水性分散液中の直径10mmを越える粒
    子を粉砕する請求項1又は2に記載の塩化ビニル系ポリ
    マーの製造方法。
JP16861395A 1995-07-04 1995-07-04 塩化ビニル系ポリマーの製造方法 Pending JPH0912608A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150037249A (ko) * 2013-09-30 2015-04-08 주식회사 엘지화학 현탁 중합에 의한 염화비닐 중합체의 제조방법

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KR20150037249A (ko) * 2013-09-30 2015-04-08 주식회사 엘지화학 현탁 중합에 의한 염화비닐 중합체의 제조방법

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