JPH09125292A - 電極基体 - Google Patents

電極基体

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Publication number
JPH09125292A
JPH09125292A JP7285405A JP28540595A JPH09125292A JP H09125292 A JPH09125292 A JP H09125292A JP 7285405 A JP7285405 A JP 7285405A JP 28540595 A JP28540595 A JP 28540595A JP H09125292 A JPH09125292 A JP H09125292A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
substrate
titanium
platinum
group metal
Prior art date
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Pending
Application number
JP7285405A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Shimamune
孝之 島宗
Setsuo Ogata
節郎 尾形
Yoshiyuki Kawaguchi
善之 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
De Nora Permelec Ltd
Original Assignee
Permelec Electrode Ltd
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Publication date
Application filed by Permelec Electrode Ltd filed Critical Permelec Electrode Ltd
Priority to JP7285405A priority Critical patent/JPH09125292A/ja
Publication of JPH09125292A publication Critical patent/JPH09125292A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Electrolytic Production Of Metals (AREA)
  • Electrodes For Compound Or Non-Metal Manufacture (AREA)
  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素発生反応での陽極に使用可能な電極基体
を得る。 【解決手段】 チタンなどの基体上に、白金族の金属ま
たはその化合物が付着した酸化チタンからなる溶射層を
形成した酸素発生反応に好適な陽極用の基体。 【効果】 基体金属面での腐食が生じず、高電流密度で
長期間の電気分解が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主に高速亜鉛めっき
や電解銅箔製造などの強酸性浴中で高電流密度で使用さ
れる電解用の陽極に関するものであり、陽極用の電極基
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高速亜鉛めっきや電解銅箔製造には従来
から鉛陽極が使用されてきた。その理由は電解浴が硫酸
を主成分としたものであり、極めて腐食性が強く、その
中で安定な導電性の物質は鉛以外にほとんど無いこと、
電解電流密度が極めて大きいこと、さらに、鉛は比較的
安価であること等による。また、鉛は容易に他の金属と
合金をつくり、加工性も極めて良いこという特徴を有す
ることもその理由である。しかしながら、このような特
徴を有する鉛は、消耗の少ない鉛合金を用いた場合で
も、電解時の消耗量は数mg/Ahであり、それが環境
を汚染する可能性があること、また、製品であるメッキ
層中や電解箔中に含まれて悪影響を及ぼすという問題点
があった。そこで、チタン等の弁金属の表面に白金族金
属やその酸化物を被覆したいわゆる寸法安定性電極が使
用されるようになった。この電極は最初、食塩の電気分
解によって水酸化ナトリウムと塩素を生産する際に塩素
発生用電極として使われ、大成功を納めたものである。
【0003】こうした電極の被覆成分などを変えて酸素
発生用に使用したが、酸素の被覆層中への移動およびそ
れに伴い基体であるチタンの表面酸化による不働態化が
起こるという問題点があった。その解決のために本発明
者らも種々の工夫を行っている。すなわち、たとえ一部
分不働態化が起こっても導電性を保持するために、基体
金属表面をあらかじめ他の金属を含む酸化物とし、半導
体に近い導電性を与え、電極表面から移動した酸素と反
応しても導電性を失わないように、あらかじめ酸素の少
ない非化学量論的な酸化物を形成しておく方法などであ
る。
【0004】また、チタンはこれらの用途に使う電解浴
である硫酸中では必ずしも化学的には安定でないことか
ら表面にタンタルを被覆し、その後に被覆を形成するこ
と、また、ガラス質中間層の被覆を行ってチタンを完全
に覆ってしまうことも行われている。しかしながら、こ
れらは極めて良い性質を発揮する反面、欠点も有してい
る。すなわち、基体表面への半導体の酸化物被覆の形成
は電子部品を作る場合のようには、必ずしも完全には形
成されないので、電極触媒の被覆層が寿命となる前に電
極基体が不導態化する。また、腐食に対しても必ずしも
耐食性が大きくないことがあげられる。これは被膜中に
導電性を保持するために白金等の導電物質を含有してい
る物でも同様であった。
【0005】一方、タンタルを被覆している基体では、
タンタル自身は十分な耐蝕性を示すが、タンタルとチタ
ンとの膨張係数の相違から、電極触媒物質を塗布した化
合物の熱分解によって電極触媒層を形成する工程におい
て、体積膨張が起こり、それによって基体であるチタン
から剥離してしまう。そのために、電極触媒物質の形成
条件が極めて制限されるという問題があり、必ずしも良
い効果が期待できなかった。
【0006】また、ガラス質の被覆は導電性が必ずしも
良くないこと、また電極触媒物質とこのガラス質被覆と
の接着性が良くないという問題点がある。すなわち、通
常は電極触媒物質と基体は化学結合を形成するが、ガラ
ス質中間層の場合は化学結合が期待できないことによ
る。このように種々の工夫がなされ、改良が行われてい
るが、問題点が十分に解決されているとは言えなかっ
た。また、耐蝕性物質を溶射する技術が提案されている
が、溶射層そのものは耐蝕性が十分にあっても、電極の
中間層としてはその厚さは100μm程度であるので、
貫通孔を完全に防ぐことは極めて困難であった。このわ
ずかな貫通孔を通って腐食性の電解液が溶射層と基体と
の間に入ると、電解中であっても基体の分極が行われな
いために、界面が腐食するということがあり、十分な耐
久性があるとは言えなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、腐食性の酸
性電解液中において不溶性の陽極として使用することが
可能な長寿命の電極用基体を提供することを課題とする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、陽極用の電極
基体において、チタン基体表面に白金族金属またはその
化合物が付着した酸化チタン粒子の溶射による層を形成
した電極基体である。また、酸化チタン粒子上に付着し
た白金族金属が白金である電極基体である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の電極基体は、酸化チタン
粒子をプラズマ溶射等の溶射手段によって形成した層に
貫通孔が存在しても、溶射層を形成する酸化チタン粒子
としてその表面に白金族の金属またはその化合物が付着
した粒子を使用して溶射層を形成した場合には、酸性溶
液中において陽極とした場合にも、基体のチタンを保護
することが可能であることを見出し本発明を完成したも
のである。
【0010】本発明に使用することができるチタン粒子
は、精製したルチル粉末やプラズマ溶射用として市販さ
れている酸化チタンまたはルチル粉末を使用することが
でき、これらの酸化チタンはプラズマ溶射中の高い温度
によって一部還元され、導電性を有するようになる。酸
化チタン粒子の粒径は、10〜200μmのものが好ま
しく、20〜100μmであることがより好ましい。1
0μmよりも小さい場合には、溶射中に揮散しやすく、
付着しないものが多くなるとともに、表面の凹凸が生じ
にくく平滑となって表面積の拡大が行われない。200
μmよりも大きい場合には、溶射時に溶射物が全体的に
は溶解状態にならないために不均一となりやすく、また
多孔化し易い。
【0011】また、酸化チタン表面に付着する白金族金
属またはその化合物は、粒子表面をパラジウム等で活性
化した後、無電解めっきを行う方法、酸化チタン粒子の
表面に、白金族の金属化合物の溶液中に浸漬し、その後
に400〜600℃における熱分解処理によって表面に
形成する方法、粒子表面をパラジウム等で活性化した後
に無電解めっきを行う方法等によって付着させることが
できるが、単に酸化チタン粒子を白金族の金属化合物の
溶液中に浸漬した後に乾燥させるのみでも良く、噴霧、
塗布等によっても良い。このような酸化チタン粒子上の
白金族の金属化合物は溶射時に金属、酸化物として酸化
チタン粒子に析出する。
【0012】白金族の金属またはその化合物の付着量
は、電極基体1m2 あたり1〜10g程度となるように
することが好ましく、例えば100μmの酸化チタンの
層を溶射によって形成する場合には、酸化チタン1kg
当たり白金族金属として2〜20gとなるように白金族
金属の塩を10%程度の塩酸に溶解したり、またはイソ
プロピルアルコールやブチルアルコールに溶解して塗布
液とすることが好ましく、濡れ性の良好なイソプロピル
アルコールと希塩酸の混合溶液を使用することがより好
ましい。白金族の金属または白金族金属の化合物として
は、入手の容易な塩化白金酸や硝酸白金を挙げることが
できる。溶射手段としては、溶射すべき材料がセラミッ
クスであるので、プラズマ溶射が好ましい。プラズマ溶
射では、プラズマガスとしてアルゴンと水素とを使用す
ることが好ましい。
【0013】また、本発明の電極基体としては、一般に
不溶性陽極に使用される、JIS1級または2級の純度
が高く耐蝕性の大きなチタンまたはチタン合金が好まし
い。電極基体上に形成する溶射層の厚さは30〜100
μmが好ましい。プラズマ溶射等によって溶射層を形成
する前に、基体表面をブラストなどによって表面処理し
て付着力を高めることが好ましく、JISRmaxによ
って表される表面アラサは50〜150μmとすること
が好ましい。溶射層の形成は、表面の処理によって付着
力を高める処理を行った後に、清浄化を行い、あらかじ
め白金族金属の塩を被覆した酸化チタンの粉末をプラズ
マ溶射する。溶射層の厚さは目的とする電極によって変
えればよいが、30〜100μmが好ましい。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を説明
する。 実施例1 チタン板を#120鉄グリットによってブラストを行っ
て表面粗度 JISRmax=110μmとし、さらに
85℃の25%硫酸中で酸洗を行って表面に残留してい
るグリットを除くとともに、表面を活性化して基体とし
た。次いで空気中で500℃に加熱して表面酸化を行っ
た。この表面に平均粒径8μmのあらかじめ一酸化炭素
と二酸化炭素の混合気体中1000℃で還元処理した酸
化チタン粒子を濃度1g/lの塩化白金酸の塩酸水溶液
に浸漬した後に乾燥した粒子をプラズマ溶射装置によっ
て溶射した。溶射はプラズマ溶射ガン(Metco社
製)を用い、溶射条件は電流500A、電圧60〜70
V、プラズマガスはアルゴンと水素の混合気体を用い、
原料供給量は、20g/分、ピッチ5mm、および溶射
ガンと基体との距離は100mmであった。
【0015】溶射層の厚さは平均で50μmであり、こ
れにより約85%の基体表面が被覆されていた。厚さ5
0μmの溶射層は約2g/m2 の白金量となった。な
お、溶射後白金は金属状態となっていることがX線回折
によって確認された。この表面にチタン85モル%、タ
ンタル15モル%を含む4塩化タンタルと5塩化タンタ
ルの塩酸水溶液を塗布し、空気中560℃で15分間加
熱した。この操作を3回繰り返した。さらに、この表面
に塩化イリジウム酸をタンタルペンタブトキシドのエチ
ルアルコール溶液に、イリジウム:タンタル=70:3
0(モル比)となるようにした塗布液を塗布し、530
℃で10分間焼成した。この操作を15回繰り返して電
極とした。
【0016】得られた電極を陽極として15%の硫酸中
で75℃において電流密度200A/dm2 で電気分解
を行った。通電開始後2050時間後に電解電圧が上昇
した。電極を電解槽から取り出して、電極基体および電
極触媒物質の消耗状況を調べたところ、電極基体と電極
触媒物質層には腐食はみられなかった。また、電極表面
の電極触媒物質は消耗して存在しており、電圧上昇が電
極触媒物質の消耗によって生じていることがわかった。
【0017】実施例2 酸化チタン粒子をパラジウム金属の微粉末をアミルアル
コールに分散した液に浸漬して乾燥後に、パラジウムを
付着させた酸化チタンを用いた点を除き実施例1と同様
にして、チタン基体上に厚さ20μmの溶射層を形成し
た。溶射層のパラジウム量は2g/m2 であった。得ら
れた電極基体の溶射層上に実施例1と同様にして、チタ
ンおよびタンタル酸化物層を設けた後、電極物質の被覆
層を形成した。この試料を実施例1と同様の条件で電気
分解を行ったところ、1930時間で電圧が上昇した。
この試料の断面を分析したところ、チタン基体の腐食は
全く見られず電極物質の消耗のみが見られた。
【0018】比較例1 白金塩の塗布を行わなかったチタン粉末を用い、溶射層
の厚さを50μmとした以外の点を除き実施例1と同様
にして電極を作製した。実施例1と同様の条件で電気分
解を行ったところ、1480時間で電圧が上昇し電気分
解の継続ができなくなった。実施例1と同様にして、電
極の電極触媒層および電極触媒物質を調べたところ、酸
化チタンの溶射層と電極基体の間が腐食しており、電極
触媒物質は約30%残っており、腐食が短寿命の原因で
あることがわかった。
【0019】
【発明の効果】強酸性下の腐食性電解液中で陽極として
使用することが可能な腐食に対する耐性の極めて大きな
電極基体が得られ、電極触媒層が残存している間に、電
極基体と電極触媒層の下地層との間の腐食により電極が
使用不可能となることを防止することができ、高性能の
電極の作製が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C25D 1/04 311 C25D 1/04 311

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極用の電極基体において、チタン基体
    表面に白金族金属またはその化合物が付着した酸化チタ
    ン粒子の溶射による層を形成したことを特徴とする電極
    基体。
  2. 【請求項2】 白金族金属が白金であることを特徴とす
    る請求項1記載の電極基体。
JP7285405A 1995-11-01 1995-11-01 電極基体 Pending JPH09125292A (ja)

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JP7285405A JPH09125292A (ja) 1995-11-01 1995-11-01 電極基体

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JP7285405A JPH09125292A (ja) 1995-11-01 1995-11-01 電極基体

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ID=17691102

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JP7285405A Pending JPH09125292A (ja) 1995-11-01 1995-11-01 電極基体

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003038155A1 (en) * 2001-10-10 2003-05-08 Oro As Arrangement of an electrode, method for making same, and use thereof
JP2011509349A (ja) * 2008-01-08 2011-03-24 トレッドストーン テクノロジーズ インク. 電気化学的用途のための高導電性表面
WO2022085610A1 (ja) * 2020-10-21 2022-04-28 アサヒプリテック株式会社 金属回収装置の状態監視システム

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WO2003038155A1 (en) * 2001-10-10 2003-05-08 Oro As Arrangement of an electrode, method for making same, and use thereof
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