JPH09125263A - Ito残渣の除去・洗浄方法 - Google Patents

Ito残渣の除去・洗浄方法

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JPH09125263A
JPH09125263A JP30990995A JP30990995A JPH09125263A JP H09125263 A JPH09125263 A JP H09125263A JP 30990995 A JP30990995 A JP 30990995A JP 30990995 A JP30990995 A JP 30990995A JP H09125263 A JPH09125263 A JP H09125263A
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JP
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ito
residue
brush
film
roll
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Application number
JP30990995A
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English (en)
Inventor
Shigenori Kiyama
茂憲 樹山
Hideki Tanaka
秀樹 田中
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Gunze Ltd
Original Assignee
Gunze Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/22Secondary treatment of printed circuits
    • H05K3/26Cleaning or polishing of the conductive pattern

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  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)
  • Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ITO膜の電気回路板の製造において、非回
路部分のITO膜エッチング除去後のITO残渣を迅
速、確実に、損傷を与えることなく除去洗浄する方法の
提供。 【解決手段】 ITO膜電気回路板を作製するに際し
て、エッチングの適切な時間内に溶解除去されずに残存
(非電気回路部分)するITO残渣を、水の存在でロー
ル状ブラシ、例えば線径64μmのナイロン66マルチ
フィラメントによって作られたロールブラシの自動回動
によって、ブラッシングする。ITO残渣は、すみやか
に完全に除去・洗浄される。ロール状ブラシは、他にポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンのマルチフィ
ラメントによっても同様に除去・洗浄される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ITO薄膜電気回
路板の製造過程において、酸エッチング後に非回路部分
に残るITO残渣を確実に、かつ迅速に除去・洗浄する
ための改良されたITO残渣の除去・洗浄方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ITO(Indium Tin Oxide/酸化インジ
ウム錫)は、スパッタリング蒸着法等によって、透明性
に優れた導電膜が容易に得られる理由から、電子分野へ
の利用が活発である。例えば、アクティブマトリックス
型LCD(Liquid CrysttallinDisplay/液晶表示)の
代表であるTFT(Thin Film Transistor/薄膜トラン
ジスター)ーLCDにおいて、そのTFTアレイ基板上
の表示電極として、またカラーフィルタ基板上の対向電
極として利用されている。
【0003】いずれの場合でもITO電極(電気回路)
として利用するためには、まず基板(フィルム、ガラス
板、セラミック板等)上にスパッタリング等によってI
TOからなる導電膜を形成せしめたる後、写真製版、ス
クリーン印刷等と酸エッチングとの組合せによって必要
な電気回路を作製する。
【0004】ところで、前記ITO膜の電気回路形成手
段に関し、写真製版でもスクリーン印刷等の印刷でも、
非電気回路部分のITO膜は、塩酸とか塩化第二鉄等の
水溶液によってエッチングし完全に除去する必要がある
が、これが容易に除去できない事情がある。それは、次
のような理由による。
【0005】つまり、ITOはスパッタリング等によっ
て蒸発され基板上で凝固して導電膜を形成するが、その
ITO膜は、実質的には非晶質である。しかし、結晶部
分も含まれる場合が多い。この結晶部分が存在すると所
要時間内にエッチング除去することは極めて困難とな
る。従って、これはITO残渣として基板から除去され
ずに残っている。該残渣の存在は、特にファイン回路パ
ターンにおいて、その切れ具合が悪く、高密度のファイ
ンパターンを常に安定して作製することができないこと
は勿論、データ線の断線やTFT画素内、画素間のリー
ク電流による画像のムラを引き起こす結果になり致命的
になるので、絶対に回避せねばならないことである。
【0006】また、膨潤状態で一度除去されたITO膜
が、偶発的に基板に再付着する場合がある。かかる場合
も前記同様に電流リークによる致命的欠点となるので、
これによる懸念も完全に払拭せねばならない。尚、IT
O残渣の存在は、酸エッチング後に観察される白化現象
で容易に識別できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記のようなエッチン
グ後のITO残渣による問題から、その解決策としてと
られている手段は、面状又はロール状のスポンジを使っ
て水中で手動又は自動的に擦って除去するとか、面状の
布ブラシ又は線状に起毛された枠付きのブラシを固定し
て、これにエッチング処理後のITO回路板を水中で当
接して、上下に手動又は自動的に擦りながら除去する等
の方法がとられている。
【0008】しかし、これらいずれの方法もITO残渣
を安定して確実にかつ迅速に除去することには問題があ
って、更に改良技術の検討が必要になっている。つま
り、前記スポンジによる場合はいずれの場合も迅速に除
去できず、場合によっては全く除去できないこともあ
る。この原因は、スポンジであることでどうしても所定
の押圧が得られず、かつ平面で擦るとういう動作である
ので、特に微細な非電気回路部に残るITO残渣は、除
去できないものと考えられる。また、特にロール状スポ
ンジでは、基板のサイズが大きくなればなる程中心部分
のITO残渣の除去効率が悪く、両サイドとの間に除去
ムラがでやすい。これは、恐らく中心部と周辺部との間
に押圧の差がでるためと考えられる。
【0009】一方、ブラシでの除去では、面状の布ブラ
シでは電気回路部分に傷がつき易いことであり、また、
線状の枠付きブラシでは、極めて長時間のブラッシング
が必要であり、あまりにも長時間であることで時には電
気回路部分に傷をつけることさえある。これは、ITO
残渣に対しては点での接触であり、微細な非電気回路部
分のITO残渣の除去は行われるが、接触が非連続的で
あることで簡単に分離除去できず、極めて長時間を要す
るためと考えられる。
【0010】本発明は、前記従来技術の欠点に対して、
鋭意検討しついに見い出されたものであって、その目的
とするところは、ITO膜の電気回路板の製造におい
て、特にITO膜の非回路部を酸エッチングによって除
去しても残存が避けられないITO残渣部分を、確実
に、迅速にかつ電気回路部分に傷をつけることなく除去
・洗浄し、高精度のITO膜の電気回路板を収得するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、次の手段
によって容易に達成される。即ち、本発明はシート状基
体に形成されたITO導電膜の非回路部分を酸エッチン
グによって溶解除去した後、該非回路部分に残るITO
残渣を除去・洗浄する方法において、合成樹脂からなる
ロール状ブラシを自動回転させ、水洗することによりな
るものである。以下に本構成を実施例と共に詳述する。
【発明の実施の形態】
【0012】まず、ITO膜の非電気回路部分を酸エッ
チングにより溶解除去するということは、一般に行われ
るITO膜の電気回路の形成手段である。つまり、まず
合成樹脂、ガラス、セラミック等のシート状物を基体と
して、この片面又は両面にスパッタ蒸着法によってIT
Oを蒸着せしめて導電膜を形成せしめる。透明なITO
膜を得るので、次にITO膜面にフォトレジストをコー
ティング又は該レジストのフィルム状物(ドライフィル
ム)を密着して後、所望とする電気回路パターンを描写
したネガマスキングフィルムを真空密着して、紫外線に
より露光する。該回路パターン部分のフォトレジストは
光硬化する。又スクリーン印刷法による場合には、予め
該回路パターンが版上に作製されているので、フォトレ
ジストインキを使って印刷すれば、回路パターン部分に
のみインキが印刷されるので、そのまま紫外線を露光す
れば回路パターン部にあるインキは光硬化する。前記得
られた露光済みのITO蒸着板は、アルカリ水溶液によ
って現像後、前記酸溶液と所定時間接触(浸漬、スプレ
ー等)することによって、非電気回路部分のITO膜は
溶解除去される。これでITO膜の電気回路が形成され
る。
【0013】尚、前記基体の1つである合成樹脂の種
類、シート状物の厚さ、フォトレジストの種類(ネガ型
か、ポジ型か)、電気回路のパターン内容によってIT
O残渣の残存状態が影響されることはないので、これら
に条件的制限はない。しかし、スパッタ蒸着において
は、酸素とアルゴン等による動作圧によって、ITO残
渣量、つまり、酸エッチング不溶解部分の量が異なるの
で、発生量の少ない動作圧を選ぶとよく、これは低いよ
りも高い方(例えば10-3Torr程度)が望ましい。
また、前記エッチングにおける酸との接触時間は、IT
O膜の膜厚、ITOの残渣量によって異なるが、特にI
TO残渣量には大きく影響される。つまり、残渣量が多
ければより長時間のエッチングを行うことが望まれる。
しかし、ITO膜の膜厚分が溶解除去された後は、サイ
ドエッチングが始まるので、これが始まる時点で停止し
た方がよい。尚、エッチング時間の1つの目安として例
示しておく。例えば、ITO膜の厚さが1300オンク゛スト
ロームで、これを30℃、5%(重量)の塩酸水と接触
(浸漬)せしめた場合、約1.5分で溶解が終了するの
で、この時点でエッチングを停止するとよい。
【0014】前記のとおり、一般的手段によって、現
像、エッチング処理されて得られたITO膜電気回路板
には、前記の理由により酸不溶解部分つまりITO残渣
が非電気回路部分の基体面に当初の蒸着された状態のま
まで、あるいは膨潤状態で、更には一度エッチング除去
されたITOが、再付着したような状態で残存している
場合もある。これは、前述の理由によって非回路部分か
ら完全に、確実にかつ迅速に除去し洗浄される必要があ
る。そこで、このITO残渣の除去・洗浄を本発明で
は、特に基体面に水を存在せしめて、そこに合成繊維に
よるロール状ブラシを接して、自動回転せしめて擦りつ
つ水洗・除去・洗浄するのである。
【0015】ここで、前記除去・洗浄の実施時間には特
に制限はないが、望ましいのは、エッチング処理後間断
なく引き続き実施することである。つまりエッチング液
が、基板面から蒸発して乾燥しない間に行うのが望まし
い。これは、改めてエッチングを停止するための水洗の
必要がないのは勿論であるが、ITO残渣の除去がより
容易(確実、迅速)であるからである。
【0016】ロール状ブラシを形成する合成繊維は、ま
ず素材として耐水性があって適度の剛性と柔軟性(弾性
回復、耐屈曲性)を持つものであれば特に制限はない。
このような素材は、例えば脂肪族ポリアミド(ナイロン
6、66、11、12等)、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等の半芳香族ポリエス
テル、ポリプロピレン、ポリエチレン(例えば中圧法)
等のポリオレフィン、フッ素系樹脂、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリフェニレンサルファイド等である。中
でも脂肪族系ポリアミド、半芳香族ポリエステル又はポ
リオレフィンが好ましい。
【0017】前記素材は、溶融紡糸によって繊維状に形
成する必要があるが、その条件には特に規制はなく、一
般に行われる方法による。繊維の形状(断面)は、一般
には円形であるが、異形断面であってもよい。太さ(断
面直径)については、これも適度の剛性と柔軟性の発現
に寄与するので、適当な太さの繊維が望まれる。つまり
あまりにも小さいと柔軟性が勝るので、所定の押圧が得
られず、またブラシの起毛状態が維持できなくなること
から、ITO残渣が迅速に除去できない。特に微細な非
電気回路部分にあるITO残渣の除去は極めて困難であ
る。一方、あまりにも太いと剛性が勝るので傷つけやす
く、また微細な非電気回路部分にあるITO残渣も除去
が困難になる。以上のような理由から、望まれる太さは
約30〜100μm、より好ましくは40〜80μmで
ある。
【0018】ロール状ブラシは、所定長の前記繊維が、
シャフトの全周囲に所定の起毛密度をもって立設されて
いるものをいうが、その作製手段には特に制限はない。
例えば、次のような方法を挙げることができる。まず、
フィラメントを基布に織成する。織成に際しては、可能
な限り立設するようにする。次に所定長の長さになるよ
うにカットする。カットのままでもよいが、断面エッジ
を曲面的に加工してもよい。最後に、所定幅にカットし
た起毛面をステンレス管、塩ビ管等にスパイラル状に捲
着してロール状ブラシとする。また、束状にしたフィラ
メントを塩ビ管に直接植え込んで作製することもでき
る。植え込みは、千鳥状にして回転状態で見て可能な限
り隔間のないようにするのがよい。また、U字型に曲げ
た金属製治具にフィラメントを挟んで固定し、起毛した
線状ブラシを前記管にスパイラル状に捲着してロール状
ブラシとする。尚、前記いずれの方法による場合も起毛
の長さと密度の大小は少なからず、適度の剛性と柔軟性
に影響を与える。従って、望ましい範囲がある。それ
は、起毛長については、約5〜20mm、起毛密度は約2
0〜100本/mm2になるように加工するのがよい。
【0019】また前記起毛に際して、素材の異なる異種
の繊維を適宣混合して起毛してもよく、また太さの異な
る同種又は異種の繊維を混合して起毛してもよい。これ
は場合によっては、直立起毛状態での耐久性(耐屈曲
性)とか、ITO残渣の除去効果により優れるからであ
る。
【0020】かくして得られたロール状ブラシは、自動
回転せしめるため、スピコンモーター等を駆動源とする
回転機構に接続される必要がある。ここで回転は、一方
向に限らず逆回転も意味する。つまり回動ロール状ブラ
シである。これは、1回のブラッシングでは、完全にI
TO残渣等が除去できない場合には、数回のブラッシン
グが必要であり、かかる場合に操作上有効である。また
逆方向への回転は、より効果的にITO残渣等を除去す
る場合もあるからである。勿論、同一直線上に複数本設
けることもできる。この複数本設ける場合、同種ではあ
るが、繊維の太さ、起毛密度の異なるロール状ブラシ、
又は異種で同一又は異なる繊維の太さと起毛密度を持つ
ロール状ブラシを各々組合わせて設けることもできる。
また、ロール状ブラシを左右揺動しつつ回転させてもよ
い。ロール状ブラシには、受けロールとしてスポンジ又
はゴムロールを使用してもよいが、同じロール状ブラシ
を対峙して設けてもよい。この同じロール状ブラシを対
峙してこれを一対として設ける場合には、除去・洗浄処
理するITO膜の電気回路板の両面を処理することにな
り、両面回路板の場合に、一挙に同時に行うことがで
き、また片面回路板でも裏面も同時に除去・洗浄するこ
とができるのでより好ましい。
【0021】尚、ロール状ブラシの配設は回路板を上下
に動作するようにしてもよいし、水平に動作するように
行ってもよい。ロール状ブラシは回路板に対して、所定
の押圧がかけられるように押圧調整機構を取り入れるの
が望ましい。押圧は、弱いとITO残渣の除去・洗浄効
果は小さいが、逆に強くてもその効果は、減少すると共
にブラシとしての耐久性も低下する。最適範囲は適宜実
験により知るのが好ましい。前記左右揺動幅、回転速度
についても除去・洗浄効果に影響するのでこれも適宜実
験により最適範囲を知るのが好ましい。
【0022】かかる自動回転できるロール状ブラシに、
処理用のITO膜電気回路板を揺動しつつ通す場合に、
水の存在が必要であるが、これは該回路板に損傷を与え
ることなく、ITO残渣等を迅速に確実に除去し洗浄す
るためであり、またロール状ブラシ自身の耐久性(直立
起毛状態と耐摩耗性)維持のためでもある。
【0023】水の存在手段は、例えば前記回路板が浸漬
される状態でもよいし、ノズルより噴射する方法でもよ
い。いずれにしても常に水で濡れた状態をつくればよ
い。また、水は、一般には常温でよいが加熱水であって
も良い。更に水に若干の脂肪族アルコールが溶解された
ものでも良い。これは、回路板面の濡れを良化すると共
に、ITO残渣の除去がより容易になる場合があるから
である。
【0024】尚、ITO残渣が除去・洗浄されるのは、
次のような作用によるものと考えられる。ロール状ブラ
シの自動回転は、処理対象のITO膜電気回路板面に対
して次のような運動をする。回路板に接触する最初の段
階では、ブラシは倒れずに(直立の状態で)その先端を
当接する。そして、この段階を過ぎると、今度はそのブ
ラシ先端が若干倒れる状態が続き、それを通過すると再
び元の状態に復帰する。この状態は、極めて高速度で繰
り返される。つまり、倒れている間は、丁度ほうきでゴ
ミを掃くような状態にある。
【0025】このようなロール状ブラシの繰り返し運動
に対して、まず最初の当接段階で、ブラシの先端部分で
微細な非電気回路部に存在するITO残渣をもたたきつ
けて脱離するように作用し、そして次の段階で倒れたブ
ラシ面で分離されたITO残渣が、水の介在で前記回路
板から払い落とされて、ITO残渣が除去される結果に
なる。水の存在は、脱離したITO残渣がその場所から
容易に除去されるための潤滑油的作用もしていると考え
られる。
【0026】以下に比較例と共に、実施例によって更に
詳述する。
【0027】
【実施例1】厚さ100μm、大きさ300×300mm
のポリカーボネート板(PC板と呼ぶ)を2枚準備し、
次の条件でITOのマグネトロンスパッタリングを行っ
た。まず、2枚のPC板の両面を水洗、乾燥した後、直
ちにこれをスパッタリング装置内に入れる。PC板を1
50℃に加熱すると同時に、動作圧が5×10-3Tor
rになるように、酸素を含むアルゴンガスで調整し、前
処理としてグロー放電を行った。次にターゲットとなる
ITOに電圧を印加(電圧380V、2分)し、ITO
を蒸気化し、これをPC板の両前処理面に蒸着固定し、
膜厚1300オンク゛ストロームのITO膜を持つ2枚のPC板
を得た(以下ITO膜PC板と呼ぶ)。
【0028】次に、前記2枚のITO膜PC板の両面に
アクリル系の感光性樹脂をコーティングし、これに図1
で示すITO残渣テストパターンのレイアウトされたネ
ガフィルム(マスクフィルム)を真空密着し、紫外線に
よる露光を行って、両面にパターン部分を光硬化した。
そして弱アルカリ水に浸漬して、未露光部分(非パター
ン部分)の樹脂を溶解除去して水洗した。得られたもの
は、パターン部分は残し、非パターン部のITO膜が露
出されている。尚、図1は線幅10μm、線間(隔間)
10μmの串形パターンを咬み合わせた状態のパターン
を上段に等間隔で5個(A1〜A5)、そして中段には
線幅30μm、線間30μmの串形パターンの咬み合わ
せパターンC1を等間隔で5個(C5)、更に下段には
上段と同じパターンにより、各段に横列でレイアウトし
たネガフィルムであり、ITO残渣の除去・洗浄効果を
確認のために使用するものである。
【0029】次に、5%(重量)の塩酸水溶液を30℃
に調整した槽の中に、前記2枚の露光、現像したITO
膜PC板を1.5分浸漬した。この中の1枚は十分に水
洗して、乾燥した(以下現像済みPC板と呼ぶ)。もう
1枚は、そのまま引続き図3に示す装置によって、水の
存在下でのロール状ブラシの自動回転によってブラッシ
ングを行った。
【0030】ここで図3の装置は、垂直往復型ブラッシ
ング装置の概略を側面図で示している。槽10の中心に
位置して、まず11で示す2個のロール状ブラシが該P
C板14に対して、若干の押圧になるように対峙して、
モーターを駆動源として自動回動するように設けられて
いる。自動回動は、可変でかつタイマーでもって自動的
に回動がストップするようになっている。ロール状ブラ
シ11は、図2の(1)で示すブラシ2である。同ブラ
シ2は、厚さ0.2mmのステンレス板をU字状に曲げた
治具3の中に、直径64μmのナイロン66マルチフィ
ラメント4を、起毛長が20mmになるように2mm幅で挟
み込んで固定した帯状ブラシを、直径12mm、長さ4
00mmのステンレス製シャフト1に、スパイラル状に
捲着固定したものである。そして、図3の2個のロール
状ブラシ11、11の上下には、PC板14をニップし
て所定速度で上下搬送する回動ロール12が、可変速可
能な駆動モーターに連結され2組4個各々対峙して設け
られている。またPC板の両面に水を噴射する2組のノ
ズル13が対峙して、ロール状ブラシ11とニップロー
ラー12との間に各々設けられている。
【0031】ブラッシング条件は、ロール状ブラシ11
の回転速度を560r.p.m.として、ニップロール1
2の回動は、PC板14等の被ブラッシング板が、1往
復(上下動1回)するのに5秒を必要とする速さで回転
するようにした。水を噴射しつつ6往復して終了し、P
C板14を取り出して乾燥した。(以下ITO残渣除去
PC板と呼ぶ。)
【0032】最後に、前記得られたエッチング済みPC
板とITO残渣除去PC板とについて、電気リークテス
トをテスターにて行った。テスターは各パターン(A1
〜A5、C1〜C5)のすべてについて、図1で示すa
1とa2、a3とa4に接触端子を押し当てて、抵抗値
の指針の動きを見た。その結果エッチング済みPC板で
は、いずれのパターンにおいても数kΩ以上を指示した
が、ITO残渣除去ポリカ板については、指針の動きは
全くなく抵抗値は∞を示した。これによって線間幅10
μmの間隔の中のITO残渣の存在と、残渣が前記ブラ
ッシングによって完全に除去・洗浄されていることが理
解できる。
【0033】
【実施例2】厚さ75μm、大きさ300×300mmの
ポリイミドフィルム(以下PIフィルムと呼ぶ)を使用
し、まず実施例1と同様にITO膜の蒸着ー紫外線露光
ー弱アルカリ水現像を行い、非パターン部にITO膜が
露出されているITO導電膜付きPIフィルムを得た。
但しITOのスパッタリングはPIフィルムの片面のみ
をより厚く蒸着し、1700オンク゛ストロームのITO膜とし
た。
【0034】次に前記ITO膜付きPIフィルムの1枚
を用いて、実施例1と同様に塩酸水溶液(5%、30
℃)に2.0分浸漬した(この2.0分の浸漬は電気回路
部分のITO膜のサイドエッチングがスタートする寸前
の時間である。)。2分経過後直ちに取り出して、非電
気回路部分を観察すると、いたるところに白化したもの
が観察された。これは、ITO残渣(ITO結晶部分)
であり、所望時間のエッチングでは溶解除去されない。
従って、このITO残渣を、次のロール状ブラシを用い
て実施例1と同じ条件によって水洗・ブラッシングを行
って除去・洗浄した。
【0035】用いたロール状ブラシは図2の(2)に示
すブラシである。該ブラシはテトロン基布6に、線径7
5μmのポリブチレンテレフタレートのマルチフィラメ
ントを密度が60本/mm2 になるようにパイル織りし
て、これを図の如く起毛長が12mmになるようにカット
して得たパイル布7を、塩ビ製管5に捲着固定したもの
である。
【0036】水を噴射しつつ、6往復して終了し、取り
出して非電気回路部分を観察したところ、ブラッシング
前の白化物は消失し、全く見られなかった。十分乾燥し
て、実施例1と同様にテスターにてリークチェックを行
ったが、いずれの回路パターンも抵抗値∞を指示した。
【0037】
【実施例3】実施例2において得たもう1枚のITO膜
付きPIフィルムを用いて、以後実施例2と同様に、塩
酸水溶液で非電気回路部分のITO膜のエッチングを行
い、引続き次のロール状ブラシを用いて、同様に水洗し
つつブラッシングしてITO残渣を除去した。
【0038】用いたロール状ブラシは図2の(3)で示
す。該ブラシは、中圧法によって得たポリエチレンの3
7μm直径のマルチフィラメントの一端を直接塩ビ製管
8に千鳥状に垂直に埋設固定し、起毛長15mmにカット
したポリエチレン繊維9のロール状ブラシである。起毛
は該ロールが回動した状態で、間隔のないようにされて
いる。
【0039】実施例2と同様に水を噴射しつつ、6往復
して終了し、取り出して非電気回路部分を観察したとこ
ろ、ブラッシング前の白化物は消失し全く見られなかっ
た。十分乾燥して実施例1と同様にテスターにてリーク
チェックを行ったが、いずれの回路パターンも抵抗値∞
を指示した。
【0040】
【比較例1】実施例2によって得られた残る1枚のIT
O導電膜付きPIフィルムを用いて、以後実施例2と同
様に塩酸水溶液で非電気回路部分のITOエッチングを
行い、引続き次のロール状ブラシを用いて、同様に水洗
しつつブラッシングして、ITO残渣の除去・洗浄を試
みた。
【0041】用いたロール状ブラシは、塩ビ製パイプに
肉厚15mmになるように、円筒状の軟質ポリウレタン発
泡体を、挿着固定した発泡ロール(軟らかさ、35g/
cm2の押圧で約5mmへこむ連続気泡体)で、これを実施
例1の装置の回動ローラ部分に2本対峙(約3mmへこむ
押圧に調整)して、セットした。
【0042】まず最初6往復してストップしてITO残
渣の有無をチェックした。広い面積の非電気回路部分の
ITO残渣は、中心部分を若干残して除去されたが、回
路パターンの内部はいずれも白化物が観察された。そこ
で、さらに6往復してストップして観察した。30μm
回路パターンの部分は、エッジ(回路部分と回路部分の
境界)に若干残す程度で、隔間の中心部分は除去されて
いたが10μm回路パターンではほとんど変化はなかっ
た。この段階でブラッシングはやめて乾燥して、テスタ
ーによってリークチェックした。その結果、30μm回
路パターン中心部分の2ヶ所と10μm回路パターンの
全部にリークが見られた。
【0043】
【発明の効果】本発明は前述の通り構成されるので、次
のような効果を奏する。
【0044】適切なITOの酸エッチング(ITO膜回
路のサイドエッチングが、開始される直前迄)によって
も、エッチングされないITO残渣を、極めて短時間
に、確実に、かつ損傷させることなく除去・洗浄するこ
とができる。
【0045】大サイズで、かつ極めてファインパターン
のITO膜回路板でも、高性能、高品質でもって容易に
作製することができるので、回路板を例えば、アクティ
ブマトリックス型LCDの電極基板として使用した場
合、画像ムラのない高画質で情報表示をすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ITO残渣チェック用テストパターン(ネガ型
フィルム)の平面図である。
【図2】ロール状ブラシの3態様の斜視図である。 (1) ステンレス板に挟み込んだ線状のナイロン66
ブラシを、シャフトに捲着して作ったロールブラシの斜
視図である。 (2) 基布にパイル織り、カットしたポリブチレンテ
レフタレートブラシをシャフトに捲着しつくったロール
ブラシの斜視図である。 (3) 塩ビ管にポリエチレンマルチフィラメントを千
鳥状に直接植え込んだロールブラシの斜視図である。
【図3】垂直往復型ブラッシング装置の要部側面図であ
る。
【符号の簡単な説明】
A1〜A5 ITO膜の回路パターン a1〜a4 接触端子位置 C1〜C5 ITO膜の別回路パターン 1 ステンレス製シャフト 2 ブラシ 3 治具 4 ナイロン66マルチフィラメント 5 塩ビ製管 6 テトロン基布 7 パイル布 8 塩ビ製管 9 ポリエチレン繊維 10 槽 11 ロール状ブラシ 12 回動ロール 13 ノルズ 14 PC板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基体に形成されたITO導電膜
    の非回路部分を、酸エッチングによって溶解除去した
    後、該非回路部分に残るITO残渣を除去・洗浄する方
    法において、合成繊維からなるロール状ブラシを自動回
    転させ、水洗することを特徴とするITO残渣の除去・
    洗浄方法。
  2. 【請求項2】 合成繊維が、脂肪族ポリアミド、半芳香
    族ポリエステル又はポリオレフィンの中から選ばれてな
    る太さが20〜100μmの繊維である請求項1に記載
    のITO残渣の除去・洗浄方法。
JP30990995A 1995-11-02 1995-11-02 Ito残渣の除去・洗浄方法 Pending JPH09125263A (ja)

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