JPH0912488A - ジフルオロメタンの合成 - Google Patents
ジフルオロメタンの合成Info
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Abstract
い空時収率でジフルオロメタンを製造すること。 【解決手段】 塩化メチレン100モル当り0.1〜5
モルの酸素の存在下、330〜450℃の温度範囲で、
バルク型または担持型クロム触媒を用いて反応を行わせ
ることを特徴とする、無水フッ素化水素酸を使用する塩
化メチレンの気相接触フッ素化によるジフルオロメタン
の製造法。
Description
分野に関し、さらに詳しくは塩化メチレンのフッ素化に
よるジフルオロメタン(F32)の製造に関する。
メタンは、オゾン層をおかす恐れがない。したがって、
ジフルオロメタンは、CFC(クロロフルオロ炭化水
素)類の代替物として特に有用である。1,1,1−ト
リフルオロエタン(F143a)、1,1,1,2−テ
トラフルオロエタン(F134a)またはペンタフルオ
ロエタン(F125)のような他のヒドロフルオロアル
カン類との混合物として、冷凍、空調およびその他の用
途において、特にF22(クロロジフルオロメタン)お
よびF502(F22とクロロペンタフルオロエタンの
共沸混合物)の代替物としての用途が意図されている。
知である。F12(ジクロロジフルオロメタン)または
F22の水素化分解(日本特許第60−01731号お
よび欧州特許第508 660号)は、一般的に選択性
があまりよくなく、かつ副産物として価値のないメタン
が生成されるという欠点がある。最近、ビス(フルオロ
メチル)エーテルのフッ素化によりF32を製造するこ
とが提案されている(欧州特許第518 506号)。
0)をフッ素化することによりF32を製造することも
可能である。多くの特許がこの反応に関して、Cr2 O
3 、CrF3 、AlF3 、Cr/炭素、Ni/AlF3
などの触媒の使用を要件の一つとして挙げている。
触媒が急速に炭化するか、あるいは結晶化する傾向があ
ることである。この問題は、触媒の安定性を良好に保ち
ながら高い空時収率と良好な選択性を達成しようとする
場合に、非常に厄介なものとなる。
および酸化クロムの機械的な混合物のような特殊な触媒
を採用することが提案されている(英国特許第821
211号)。この特許は塩化メチレンのフッ素化を例示
しているが、この触媒で得られるF32の空時収率は低
く(<200g/h/l)、またその試験の累計反応時
間は5時間にも満たない。
めに、しばしばフッ素化反応中に酸素または空気を連続
的に吹き込むことが考えられている。このようなことか
ら、日本特許第51−82206号には、0.001〜
1%の酸素を使用して、主として酸化クロムとその他の
酸化金属を任意に含む触媒の活性を維持することが記載
されている。1%を超す酸素を使用した場合、二次反応
が起きることが示されており、0.05〜0.1%の酸
素の使用が好ましいと推奨されている。この特許におい
てはフッ素化反応は100〜500℃の範囲、好ましく
は250〜350℃の範囲で行われる。さらにこの特許
では、反応を200℃で開始して、酸素の導入により触
媒活性が維持されることも記載されている。ただしこの
特許は、その反応としてCCl4 、CHCl3 、CH2
Cl2 、CCl3 F、C2 Cl6、C2 Cl4 とC2 H
3 Cl3 のフッ素化について述べているが、実施例はペ
ルハロゲン化飽和化合物(CCl4 およびC2 Cl3 F
3 )のフッ素化に関するものだけである。ペルハロゲン
化分子の反応性は水素化分子の反応性とは大きく異なる
ものであることは周知のことである。
リフルオエタン)のような水素化分子は脱離反応(HC
lまたはHFの排除)および塩素化反応に敏感であり、
これらの反応により無価値の副産物が生成されることに
なる。フランス特許第2 433 500号が示すよう
に、この反応温度(通常ペルハロゲン化分子のフッ素化
処理に採用されている温度よりも高温)での酸素の導入
は選択性の低下をもたらすことになる。
HClの酸化のための良好な触媒でもある(米国特許第
4 803 065号および米国特許第4 822 5
89号)。フッ素化反応中に導入される酸素は生成され
たHClと反応して、ディーコン反応により塩素を生ず
る。この塩素により、反応混合物中に存在する水素化さ
れた物質が容易に塩素化される。酸素の存在下でのF1
33aのフッ素化の場合、主としてF120類(C2 H
Cln F5-n )の物質が生成されることになる。塩素の
生成以外に、このディーコン反応は水も生成し、これは
特にフッ素化反応工程では腐食の問題を生ずるので望ま
しくないものである。
応を制限することができるある種のクロムをベースとし
た混合触媒の使用が提案されている。この点で、英国特
許第546 883号はバルク型触媒の場合に、ニッケ
ルのようなある種の金属の添加によってHClの酸化が
部分的に抑制されることを示している。同様の現象はN
i−Cr/AlF3 混合触媒(欧州特許第486 33
3号および国際公開第93/25507号)でも観察さ
れている。
7号はクロムを含まない触媒上でF133aからF13
4aへのフッ素化反応を行うことを提示している。ここ
で推奨されている固体は、コバルト、マンガン、ニッケ
ル、パラジウム、銀、ルテニウムおよびアルミニウムか
ら選ばれる少なくとも一種類の金属を含むものである。
ッ素化反応の場合にクロム触媒は低い選択性しか示さな
い(F22およびハロゲン化エタン誘導体が生成され
る)として、日本特許第5−339179号もまたクロ
ムを含まない触媒群の使用を記載している。なおこれら
の触媒は専らF32合成用のものである。CoCl2 /
AlF3 またはNiCl2 /AlF3 のようなこれらの
触媒は高度に選択的であり、それらの安定性は希土類
(La、Ce)またはアルカリ土類元素(Mg、Ca、
Sr)から選ばれる添加物質によって向上する。酸素の
存在下で得られる寿命は相当長い(150日)ものであ
るが、F32の空時収率は非常に低く(<10g/h/
l)、F32の産業的生産に対応できるものではない。
めの手段】F32の空時収率を上げることを狙いとし
た、より短い接触時間での塩化メチレンのフッ素化の試
みにおいて、上述の特許から当然予想されることとは逆
に、意外にもNi/AlF3 またはNi−Cr/AlF
3 のような通常のフッ素化触媒は、たとえ酸素の存在下
であっても安定でないことが判明した。
酸化金属を添加しない)触媒が、酸素の存在下で選択性
を大きく損なうことなく、すぐれた安定性で、塩化メチ
レンの気相フッ素化によりF32を製造することができ
る、ある温度範囲のあることが判明した。
在下(3モル%)、酸化クロム触媒上で250〜450
℃の範囲で塩化メチレンのフッ素化反応を行った場合
に、ディーコン反応が実際上存在しないことを最初に発
見したときは意外であった。塩素化反応で生成された副
産物もその量は極めて少なかった。さらに、ディーコン
反応が存在しないことにより、リアクター中での水の生
成を少なくすることができ、これによって腐食現象も抑
制されることになる。したがって塩化メチレンのフッ素
化は、F133a、C2 Cl4 、F123またはF12
4などの場合のフッ素化反応とは異なり、非常に特殊な
反応である。
ろとは矛盾するが、反応選択性を減ずることなく、酸素
の存在下でこのフッ素化反応を行うために、クロムをベ
ースとした触媒を使用することが可能である。したがっ
て、選択性を上げるために特別の添加物質を使用する必
要がない。即ち、混合触媒用の添加物質を排除でき、そ
の結果触媒の製造が簡略化でき、それによってコストも
削減されることになる。
触媒を使用することによって、さらに極めて高いF32
空時収率を達成することもできる。加えて、試験したフ
ッ素化触媒の中では活性相にクロムだけを含む(バルク
型または担持型)触媒のみが塩化メチレンのフッ素化温
度において炭化物の形成を抑さえることができるのも意
外であった。
いてのみ効果が維持されることも発見された。330℃
未満では酸素の導入により炭化物の形成を遅らせること
はできず、触媒は徐々に失活する。一方、400℃を超
える温度では固体の結晶化を招き、活性の減少につなが
ることになる。
した形で選択的に調製するためには、酸素の導入、バル
ク型または担持型クロムベース触媒、ならびに制限した
温度範囲を組み合わせることが必要である。
0モル当り0.1〜5モルの酸素の存在下で、バルク型
または担持型クロム触媒を用い、かつ330〜450℃
の温度範囲で反応を行わせることを特徴とする、無水フ
ッ化水素酸を使用する塩化メチレンの気相接触フッ素化
によるF32の製造にある。
に使用する前駆物質は、好ましくは酸化クロム、水酸化
クロム、ハロゲン化クロム、酢酸クロムまたは硝酸クロ
ムである。固体触媒の場合は、部分的にフッ素化され、
大きな表面積を有するクロムベースの固体を選択するの
が好ましく、それらには熱安定性および強靱性を上げる
ためにアルミナまたはグラファイトのような不活性成分
を任意に含んでもよい。この触媒はまた、アルミナまた
は部分的にフッ素化された不活性担体にクロム誘導体を
堆積させることによっても得ることができる。その場
合、堆積クロムの質量は好ましくは20%以下である。
活性ガスで希釈した状態で導入される。O2 /CH2 C
l2 モル比は好ましくは0.5〜3%の範囲とされる。
変えることができる。通常は1.5〜10の範囲、好ま
しくは2〜5の範囲である。
450℃の範囲の温度で行わねばならない。しかしなが
ら、結晶化による触媒の失活の危険をなくし、高い空時
収率を得るためには350〜400℃の範囲の温度で反
応させるのが好ましい。
での測定)の比率として規定される接触時間は広い範囲
で変えることができ、通常は0.01〜10秒の間であ
る。実用上は、0.05〜5秒の間の接触時間とするの
が好ましい。
で行うことができる。1〜20の絶対バールの範囲の圧
力を選択するのが好ましい。
が、発明を制限するものではない。
63μm)0.1mlを有するバルク状酸化クロムを、
無水HFで活性化した後使用する。
を200℃で乾燥し、次にN2 /HFの混合物により2
00℃で処理する。初期の発熱がおさまった後、温度を
380℃に上げる。次にこの触媒を純粋な無水HF流中
で380℃に18時間保つ。
を有する: フッ素含量:27重量% クロム含量:53重量% 半径4nm〜63μmの孔の容積:0.13ml/g BET表面積:101m2 /g。
素化水素酸により約300℃でフッ素化処理して部分的
にフッ素化されたアルミナ(全体で、83質量%のフッ
化アルミニウムおよび16%のアルミナを含む)250
mlを入れる。このフッ素化された担体の含浸前の物理
化学的特性は下記の通りである: 形状:直径1〜2mmのビーズ 見掛け密度:0.57g/ml BET表面積:67m2 /g 孔容積:0.72ml/g(半径4nmから63μmの
範囲の孔)。
1)を、表1に示す量で使用して別途調製する。CrO
3 から調製する触媒(B)および(D)の場合には、ク
ロムが酸化状態III になるのを抑えるために、メタノー
ル系媒体中で含浸を行う。これを行うために、クロムお
よびメタノール溶液(溶液2)を含む水溶液を攪拌しな
がら、担体の上に同時に添加する。
で、攪拌されている担体に対して行う。次にこの触媒を
窒素気流下、流動床中で約110℃で4時間乾燥する。
クターに充填し、欧州特許第0 486 333号に記
述されている手順にしたがって、窒素/HF混合物の固
定床中で賦活する。下記の表IIはこのようにして賦活
された触媒の化学的組成を示す。
を、直径1cmで容積40mlのインコネル600製の
チューブ式リアクターに充填する。第一段階では、HF
および空気をそれぞれ0.68モル/hおよび0.03
モル/hの流速で導入する。次に、温度150℃に設定
された予熱器中で気化した塩化メチレンを気体状で、リ
アクター中に0.23モル/hの流速で導入する。反応
は大気圧下で行う。リアクター温度は350℃に維持
し、この条件下における接触時間は0.3秒である。
マトグラフィーにより分析する。これらの結果をまとめ
て下記の表III に示す。
形で導入された酸素が消費されたかどうかを検証するこ
ともできる。これらの反応条件下では、導入された酸素
の5%がCOに変換され、CO2 の生成はごく少量であ
る。その他副産物(F23およびF40)はそれぞれ7
00ppm以下の少量である。リアクター出口における
O2 /N2 モル比は0.26であり、これはディーコン
反応がないことを示している。
2の空時収率(1350g/h/l)およびF31+F
32の選択性が99.7%以上という完全に安定した活
性を維持できることが判明した。
行った。反応物の流速は、接触時間を0.3秒に保つよ
うに調節した。これらの結果をまとめて次の表に示す。
ず、生成されたCO/CO2 の量は検出閾値(<0.0
5%)以下の少量であった。
失活し、2.5%(質量)の炭素を含んでいた。
活性を維持することはできないことが判明した。この温
度ではF32の高い空時収率(1200g/h/l)を
得ることができるが、炭化物またはその前駆物質の形成
を継続的に抑制するには不充分である。
条件で塩化メチレンのフッ素化反応を行った。得られた
結果を表Vにまとめて示す。
ず、生成されたCO/CO2 の量は検出閾値(<0.0
5%)以下の少量であった。100ppmのビス(フル
オロメチル)エーテルの生成が観察された。
i/AlF3 およびNi−Cr/AlF3 )上で、実施
例1と同じ条件で反応を行った。
31に対する選択性を次の表VIに示す。
ベースとする触媒AおよびBで得られた寿命を達成する
ことはできず、連続的な空気の導入および高温にも関わ
らず炭化により失活した。
/CO2 が生成され、ビス(フルオロメチル)エーテル
が生成された(<10ppm)。導入された酸素は反応
していない。
ンのフッ素化温度における炭化物形成を抑制または阻止
するためにはクロム単体を含む触媒(触媒AおよびB)
を用いることが必要であることを示している。
Claims (7)
- 【請求項1】 塩化メチレン100モル当り0.1〜5
モルの酸素の存在下、330〜450℃の温度範囲で、
バルク型または担持型クロム触媒を用いて反応を行わせ
ることを特徴とする、無水フッ化水素酸を使用する塩化
メチレンの気相接触フッ素化によるジフルオロメタンの
製造法。 - 【請求項2】 O2 /CH2 Cl2 モル比を0.5〜3
%の範囲とする、請求項1に記載の製造法。 - 【請求項3】 反応を350〜400℃の温度範囲で行
わせる、請求項1または2に記載の製造法。 - 【請求項4】 バルク型状クロム触媒を使用する、請求
項1〜3のいずれかに記載の製造法。 - 【請求項5】 担持型クロム触媒を使用し、そのクロム
の含有量が好ましくは20重量%未満である、請求項1
〜3のいずれかに記載の製造法。 - 【請求項6】 接触時間を0.01〜10秒間の範囲、
好ましくは0.05〜5秒間の範囲とする、請求項1〜
5のいずれかに記載の製造法。 - 【請求項7】 反応を1〜20絶対バールの圧力下で行
わせる、請求項1〜6のいずれかに記載の製造法。
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