JPH09124329A - ガラスセルの製造方法 - Google Patents

ガラスセルの製造方法

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Publication number
JPH09124329A
JPH09124329A JP28137695A JP28137695A JPH09124329A JP H09124329 A JPH09124329 A JP H09124329A JP 28137695 A JP28137695 A JP 28137695A JP 28137695 A JP28137695 A JP 28137695A JP H09124329 A JPH09124329 A JP H09124329A
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JP
Japan
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bottomed tube
inner mold
mold
bottomed
glass cell
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Withdrawn
Application number
JP28137695A
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English (en)
Inventor
Kenji Kikuchi
健次 菊地
Kazunari Kagawa
一成 賀川
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)
  • Optical Measuring Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有底管と金型の隙間が大きい場合でも、しわ
を生じさせずに金型形状を高精度に転写し、毛細管現象
による液の上昇を招くコーナー部を無くしたガラスセル
を製造する。 【解決手段】 光学素材からなる有底管1を加熱炉9に
より成形可能な温度に加熱する。加熱した有底管1の開
口部1aから有底管1の内部に角の無いほぼ方形の内型
4を挿入して内型4の先端4aで有底管を押し伸ばし、
有底管1と内型4との間隔を少なくする。その後、吸引
用の穴8、ホース6を通じて真空ポンプにより、押し伸
ばした有底管1の内面と内型4との間に存在する空間を
減圧し、有底管1の内面を内型4に密着して有底管1の
内面を内型4の形状に成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動化学分析装置
に使用される角型ガラスセルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスセル内の被検試料と試薬を反応さ
せ、ガラスセルに光を照射して分析を行う光学センサを
利用した自動化学分析装置には、一般に角型のガラスセ
ルが使用されている。
【0003】従来、この種のガラスセルを製造する技術
としては、例えば特公平3−69852号公報に開示さ
れた製造方法が知られている。この製造方法では、底部
のあるガラス管(有底管と呼ぶ)の内部に、角の無いほ
ぼ方形の金型を挿入し、加熱しながら有底管内面と金型
外周との間隙を減圧することにより有底管の内面を金型
の外周形状に成形し、有底管を冷却した後、金型を有底
管から除去し、光が透過する対向する側面外周を研磨し
てガラスセルを製造していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のガラスセル
の製造方法では、図13(a)に示すように、有底管内
面41と金型外周42の間に隙間43が存在する状態
で、隙間43を減圧して有底管内面1を金型外周42の
形状に成形するため、図13(b)に示すように、有底
管内面41の径に対して金型の対角線の寸法が小さく、
有底管内面41と金型外周42との隙間43が大きい場
合、隙間43を減圧して成形したときに、図13(c)
に示すように、成形したガラスセル44にしわが生じる
という問題点があった。
【0005】さらに、成形したガラスセルにしわが生じ
るため、角の無いほぼ方形の金型を使用して成形して
も、金型の形状を完全に転写することが不可能であり、
角を無くした金型外周の形状が転写されず、ガラスセル
の内面に角状のコーナー部が残ってしまうため、コーナ
ー部に毛細管現象による液の上昇が生じたり、コーナー
部の洗浄が困難になるという問題点があった。
【0006】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたもので、請求項1および請求項3に関わる発明
は、有底管と内型の隙間が大きい場合でも成形したガラ
スセルにしわが生じるのを防ぎ、内型の形状が有底管内
面に完全に転写された高精度なガラスセルの製造を可能
にするとともに、コーナー部での毛細管現象による液の
上昇を防ぎ、また、洗浄が容易に行うことができるガラ
スセルを製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】また、請求項2に関わる発明は、内型で有
底管を大きく押し伸ばしたときでも、ガラスセルの底面
角部の肉厚を薄くすることなく、しわの無い、内型の形
状が完全に転写された内面を有する高精度なガラスセル
を製造する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、以下のように構成した。請求項1の発明
は、光学素材からなる有底管を成形可能な温度に加熱す
る工程と、加熱した有底管の開口部から有底管内部に角
の無いほぼ方形の内型を挿入し内型の先端で有底管を押
し伸ばす工程と、押し伸ばした有底管の内面と前記内型
との隙間を減圧して有底管の内面を内型の形状に成形す
る工程によりガラスセルを製造することとした。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の構成にあっ
て、光学素材からなる有底管に、底部の肉厚を円筒部の
肉厚よりも厚くした有底管を用いてガラスセルを製造す
ることとした。
【0010】請求項3の発明は、請求項1の構成にあっ
て、有底管の内部に内型を挿入して内型の先端で有底管
を押し伸ばす工程と、有底管の内面と内型との隙間を減
圧する工程とを同時に行ってガラスセルを製造すること
とした。
【0011】次に、本発明の作用を説明する。請求項1
の発明の作用は、以下の通りである。加熱炉内に有底管
を挿入し、有底管のガラス素材の転移点以上の温度に加
熱して成形可能な状態にする。その後、有底管の開口部
から角の無いほぼ方形の内型を有底管の内部に挿入し、
内型の先端で有底管を押し伸ばす。ここで、有底管は内
型に伸ばされることによって内型に沿うように変形し、
これによって有底管の内面と内型との隙間が小さくな
る。内型を所定の位置まで有底管に押し込んで、有底管
の開口部を真空ポンプと通じた弾性部材により密閉した
後、有底管の内部を減圧して有底管の内面が内型に密着
するように成形する。
【0012】請求項2の発明の作用は、以下の通りであ
る。底部の肉厚が円筒部の肉厚よりも厚い有底管を用い
ることにより、有底管を押し伸ばしたときに、底面の角
部の肉厚が薄くなることのないガラスセルを成形する。
【0013】請求項3の発明の作用は、以下の通りであ
る。有底管の開口部には、内型が挿通可能な孔を設けた
弾性部材が設けてあり、弾性部材を挿通して内型が有底
管の内部に挿入されると有底管の内部を密閉するように
なっている。加熱炉に有底管を挿入し、有底管のガラス
素材の転移点以上の温度に加熱して成形可能な状態にす
る。その後、有底管の開口部に設けた弾性部材の孔から
角の無いほぼ方形の内型を有底管の内部に挿入し、内型
の先端で有底管を押し伸ばして有底管と内型の隙間を小
さくしながら、同時に有底管の内部を減圧して有底管の
内面が内型に密着するように成形する。
【0014】
【発明の実施の形態】
[発明の実施の形態1]図1および図2に本発明の実施
形態1のガラスセル製造方法に用いる製造装置の概略図
を示す。図1は正面図、図2は要部の断面図である。以
下に製造装置を説明する。
【0015】図において、有底管1はその開口部1aを
上に向けて有底管駆動装置10により上下方向に移動可
能な有底管保持部材2に設置されており、この有底管1
は有底管保持部材2に形成した円形穴状の保持部2a内
径に設けた耐熱Oリング3で保持されている。また、コ
ーナー部を曲面にした方形状の内型4は、有底管保持部
材2の上方で内型駆動装置11により上下方向に移動可
能な内型保持部材5に設置されており、この内型4は内
型保持部材5に貫設した方形状の内型設置部5aに保持
され、内型保持部材5の中心に配置されている。この内
型設置部5aには、真空ポンプ(図示省略)に接続され
たホース6が内型保持部材5の上面方向から連結されて
いる。ここで、有底管保持部材2と内型保持部材5は、
それぞれ保持した有底管1と内型4の中心が同軸上で上
下方向に移動可能なように配置されており、有底管1の
開口部1aから有底管1の内部に内型4を先端4aから
挿入できるようになっている。また、内型4を有底管1
に挿入した際に有底管1の開口部1aと接触する内型保
持部材5の底面部分には、有底管1の外径よりも大きい
円板状の耐熱ゴムパッド7が貼り付けてあり、有底管1
内部の気密性が保たれるようになっている。
【0016】内型4の内部には、内型4の上面中心に設
けた上部開口部8aと耐熱ゴムパッド7下方の内型4側
面に設けた下部開口部8bを有するL字型の吸引用の穴
8が形成されており、穴8と内型保持部材5の内型設置
部5aおよびホース6を介して有底管1の内部と真空ポ
ンプが通じるようになっている。この内型4は、先端4
aから耐熱ゴムパッド7までの長さ4bが有底管1の長
さよりも長く形成されている。また、有底管保持部材2
の下方には、有底管保持部材2に設置した有底管1を所
定温度に加熱軟化する加熱炉9が設置されている。
【0017】次に、上記構成の製造装置によりガラスセ
ルを製造する方法を図1〜図5を用いて説明する。有底
管保持部材2に有底管1を設置した後、有底管駆動装置
10により有底管保持部材2を下降して有底管1を加熱
炉9の内部に挿入し、有底管1をガラス素材の転移点以
上の温度になるまで加熱する。
【0018】有底管1が成形可能な温度になった時点
で、内型駆動装置11により内型保持部材5を下降し、
内型4を有底管1の内部に挿入する。これにより、図3
(a)に示すように、有底管1内部の底面は内型4の先
端4aで下方に押され、有底管1は押し伸ばされて底部
に近づく程細くなり、図3(b)の断面形状に示すよう
に方形に近い形に変形され、有底管1の内面と内型4と
の隙間は有底管1を押し伸ばす前より小さくなる。内型
保持部材5は、内型4で有底管1を押し伸ばしながら下
降を続け、耐熱ゴムパッド7が有底管1の開口部1aが
接触した位置で停止する。これにより、有底管1の内部
がゴムパッド7により密閉され、有底管2内部の空気は
下部開口部8bから穴8、上部開口部8a、ホース6を
通じて真空ポンプ(図示省略)によって吸引・減圧さ
れ、図4(a)に示すように、有底管1は内型4の形状
に沿うように変形する。このように、有底管1の内面と
内型4との隙間を小さくしてから有底管1の内部を減圧
することで、内型4の転写性が向上し、図4(b)の断
面形状に示すように、有底管1の内面が内型4に完全に
密着するように成形される。
【0019】成形後、有底管1および内型4を有底管駆
動装置10および内型駆動装置11により上昇させて加
熱炉9内から搬出し、冷却してから内型4を成形した有
底管1から除去する。そして、内型4により成形された
部分を所定の長さに切断し、光を透過させる向かい合っ
た二面の外面を研磨することで、図5に示すような、所
望のガラスセル12が得られる。
【0020】次に、本発明の実施形態1のガラスセル製
造方法によって、ガラスセルを製造した場合の具体例を
説明する。なお、以下の説明においては、上記番号を用
いて説明するものとする。
【0021】本例では、有底管1のガラス素材としてパ
イレックス(転移転560℃、屈伏点653℃、軟化点
820℃、線膨張係数3.2×10-6)を使用し、有底
管1の長さが70mmで内径9mm、外径12mmと
し、底部が半球状のものを用いた。また、内型4の型材
にはSUS440(線膨張係数18×10-6)を使用
し、断面形状が5mm×6mmの長方形で、側面は鏡面
に研磨加工してあり、側面および底面のコーナー部は角
部をなくすようにR0.5の曲面に加工したものを用い
た。この内型4は、横断面対角線の寸法が約7.4mm
であり、内径9mmの有底管1に挿入すると、内型4の
コーナー部と有底管1の内面との間に0.8mmの隙間
が存在するようになっている。上記有底管1と内型4は
有底管保持部材2および内型保持部材5に設置するが、
このとき、内型4は、内型保持部材5の底面に設けた耐
熱ゴムパッド7から内型4先端までの長さが80mmと
なるようにして設置され、有底管1の長さよりも長くな
っている。
【0022】まず、有底管1を有底管駆動部10により
下降させて加熱炉9内に底部から60mmを挿入し、1
000℃に保持した加熱炉9内で50秒間加熱する。こ
れにより、有底管1はガラス素材の転移点820℃以上
の温度に加熱され、成形可能となる。
【0023】次に、内型4を内型駆動装置11により降
下させ、内型4の先端4aから有底管1の内部に挿入
し、先端4aで有底管1の底部を下方に押すことで有底
管1の全体を伸ばして内型4に沿うように変形させ、有
底管1の内面と内型4との隙間を小さくする。このと
き、有底管1を10mm伸ばし、内型保持部材5の下面
に設けた耐熱ゴムパッド7が有底管1の開口部1aに接
触した位置で内型保持部材5を停止し、耐熱ゴムパッド
7により有底管1の内部を密閉する。密閉後、真空ポン
プによりホース6、吸引用の穴8等を通じて穴8の下部
開口部8bから有底管1内部の空気を吸引し、内部の圧
力が0.3気圧以下になるように減圧して30秒保持す
る。この吸引・減圧により、有底管1の内面が内型4に
密着するように成形される。
【0024】成形後、内型4を挿入したまま有底管1を
上昇させて、加熱炉9から出し、有底管1と内型4を同
時に冷却させ、内型4を有底管1の内部から引き出す。
ここで、内型4の方が有底管1よりも線膨張係数が大き
いため、両者を冷却すると有底管1の内部寸法よりも内
型4の外形寸法が小さくなり、有底管1から内型4を容
易かつ安全に引き出すことができる。内型4を引き出し
た後の後工程で、有底管1を所定の長さ40mmに切断
し、光を透過させる向かい合った側面の外面を研磨加工
することで、所望のガラスセル12を得る。得られたガ
ラスセル12を切断して断面の形状を測定したところ、
内面の形状は5.04mm×6.05mmの長方形であ
り、コーナー部はR0.53の曲面となっていた。
【0025】本発明の実施形態1によれば、有底管1を
内型4で押し伸ばして有底管1の内面と内型4との隙間
を小さくしてから有底管1内部を減圧し、有底管1内面
を内型4に密着させて成形することで、内型4と有底管
1との隙間が大きい場合でも、内型4の転写性が向上
し、しわを生じさせることなく、内型4の形状が有底管
1の内面に完全に転写された高精度なガラスセルを成形
することができる。また、内型4の側面および底面のコ
ーナー部にはR0.5の曲面加工を施してあるので、液
体を入れる内面のコーナー部に角部がなくなるため、毛
細管現象による液の上昇もなく、洗浄も容易に行えるガ
ラスセルを得ることができる。
【0026】[発明の実施の形態2]本発明の実施形態
2では、上記本発明の実施形態1に用いたと同様の製造
装置を用い、図6に示すような底部の厚みを厚くした有
底管21を使用してガラスセルを製造した。
【0027】本発明の実施形態2の製造方法ガラスセル
の成形は上記実施形態1と同様の方法で行う。ガラスセ
ルの成形にあって、有底管を加熱した後、内型で有底管
を押し伸ばす際に、押し伸ばす長さが大きいと、図8に
示すように、成形したガラスセル23の底面の角部が極
度に薄くなる可能性があるが、本発明の実施形態2にあ
っては、予め底部の厚みを厚くした有底管21を用いる
ことにより、図7に示すように、底面の角部で肉厚が薄
くなることを防いだガラスセル22を成形することがで
きる。
【0028】次に、本発明の実施形態2のガラスセル製
造方法によって、ガラスセルを製造した場合の具体例を
説明する。なお、以下の説明においては、有底管以外を
除いて図1、図2の番号を用いて説明するものとする。
【0029】本例では、有底管21のガラス素材として
パイレックス(転移点560℃、屈伏点653℃、軟化
点820℃)を使用し、有底管21の長さが70mm
で、内径9mm、外径12mmとし、底部の半球状の部
分の肉厚を2.5mmにして円筒の部分よりも厚くし
た。また、内型4の型材にはSUS404を使用し、断
面形状が5.5mm×4.5mmの長方形で、側面は鏡
面に研磨加工してあり、側面および底面のコーナー部は
角部をなくすようにR0.5の曲面に加工したものを用
いた。この内型4は、横断面対角線の寸法が約6.8m
mであり、内径9mmの有底管21に挿入すると、内型
4のコーナー部と有底管21の内面との間に1.1mm
の隙間が存在するようになっている。上記有底管21と
内型4は有底管保持部材2および内型保持部材5に設置
するが、このとき、内型4は、内型保持部材5の底面に
設けた耐熱ゴムパッド7から内型4の先端4aまでの長
さが85mmとなるようにして設置され、内型4を有底
管21との隙間が大きい分、有底管21を伸ばす量を1
5mmと大きく伸ばしている。上記のように設定した有
底管21および内型4を用いて、上記実施形態1と同様
の方法でガラスセルの成形を行った。
【0030】本実施形態2の具体例において、上記実施
形態1の具体例と同じく底部と円筒部との肉厚が1.5
mmの有底管を用いて成形を行った場合、実施形態1の
内型を使用したときよりも、有底管の内面と内型との隙
間が大きくなって内型で押し伸ばす長さが大きいため、
有底管の底面角部の肉厚が0.5mm以下と薄くなり、
その部分で強度が弱くなるという問題があったが、本実
施形態2の具体例のように、底部の肉厚を2.5mmと
厚くした有底管21を用いて成形した場合、成形して得
られたガラスセル22の底面角部の肉厚は1mm以上を
確保することができる。
【0031】本発明の実施形態2によれば、底部の肉厚
を円筒部より厚くした有底管21を用いることにより、
内型4と有底管21との隙間が大きく、加熱後に内型4
で有底管21を押し伸ばす長さが大きい場合でも、しわ
が無く、内型の形状が完全に転写され、しかも底面角部
の肉厚が薄くなることのない高精度なガラスセルを得る
ことができる。
【0032】[発明の実施の形態3]図9および図10
に本発明の実施形態3のガラスセル製造方法に用いる製
造装置の概略図を示す。図9は正面図、図10は要部の
断面図である。以下に製造装置を説明する。
【0033】本発明の実施形態3では、有底管1はその
開口部1aに予め耐熱ゴム栓31を挿入された状態で有
底管保持部材2に設置される。また、方形状の内型32
は、内型保持部材5に貫設した長方形状の内型設置部5
aに保持され、内型保持部材5の中心に配置されてい
る。内型設置部5aには、真空ポンプ(図示省略)に接
続されたホース6が内型保持部材5の上面方向から連結
されている。内型32は、内型設置部5aで保持される
保持部側32bと有底管1の成形に使用する先端側32
cとで断面形状が異なっており、保持部側32bの断面
形状は先端側32cの断面形状よりもひとまわり大きく
なっている。保持部側32bと先端側32cとの境界に
は段部32dが形成され、この段部32dには保持部側
32b側面と先端側32c側面をつなぐテーパ加工が施
されている。内型32の内部には、内型32の上面中心
に設けた上部開口部8aから内型32の側面に設けた下
部開口部8bに通じるL字型の吸引用の穴8が形成され
ており、下部開口部8bは段部32dのすぐ下に設けら
れている。
【0034】耐熱ゴム栓31の内部には内型32を挿入
するための挿入孔31aが設けられている。挿入孔31
aの形状は、内型32の保持部側32bの断面形状より
小さく、先端側32cの断面形状より大きくなってお
り、内型32の先端側32cが挿入されたときには耐熱
ゴム栓31と内型32との間に隙間が存在し、内型32
の保持部側32bが挿入されたときには挿入孔31aと
密着し有底管1の内部が密閉されるようになっており、
上記穴8と内型保持部材5の内型設置部5aおよびホー
ス6を介して有底管1の内部と真空ポンプ(図示省略)
が通じるようになっている。
【0035】有底管保持部材2および内型保持部材5
は、本発明の実施形態1に用いる製造装置と同様に、有
底管駆動装置10および内型駆動装置11により上下方
向へ移動可能となっている。さらに、有底管保持部材2
と内型保持部材5は、それぞれ保持した有底管1と内型
32の中心が同軸上で上下方向に移動可能なように配置
されており、内型保持部材5を下降させることにより有
底管1の開口部1aに設けた耐熱ゴム栓31の挿入孔3
1aから有底管1の内部に内型4を挿入できるようにな
っている。また、内型32の先端側32cの長さは、有
底管1の内部に挿入された内型32の先端32aが有底
管1の底1bに接触したときに保持部側32bの太い部
分が耐熱ゴム栓31に挿入されるように形成されてい
る。また、有底管保持部材2の下方には、有底管保持部
材2に設置した有底管1を所定温度に加熱軟化する加熱
炉9が設置されている。
【0036】次に、上記構成の製造装置によりガラスセ
ルを製造する方法を図9〜図12を用いて説明する。有
底管1の開口部1aに耐熱ゴム栓31を装着し、有底管
保持部材2に有底管1を設置する。その後、有底管駆動
装置10により有底管保持部材2を下降して有底管1を
加熱炉9の内部に挿入し、有底管1をガラス素材の転移
点以上の温度になるまで加熱する。
【0037】有底管1が成形可能な温度になった時点
で、内型駆動装置11により内型保持部材5を下降し、
有底管1の開口部1aに設けた耐熱ゴム栓31の挿入孔
31aから内型4の先端側32cを有底管1の内部に挿
入する。このとき、内型32の先端32aが有底管1の
底1aに接触するまでは、図10に示すように、耐熱ゴ
ム栓31の挿入孔31aと内型32の間には隙間が存在
している。内型32がそのまま下降を続け、内型32の
先端32aが有底管1の底1aに接触すると、内型32
の保持部側32bが耐熱ゴム栓31の挿入孔31aに進
入し、耐熱ゴム栓31と内型32の保持部側32bによ
り有底管1の内部が密閉される。それと同時に、内型3
2の穴8の下部開口部8bから有底管1内部の空気の吸
引が始まる。内型32はその後も下降が続けられて有底
管1の底1bは内型32の先端32aにより押され、有
底管1は、図11に示すように、内型32により押し伸
ばされながら、同時に内部の空気は穴8の下部開口部8
bから吸引され、その内部は減圧される。そして、内型
保持部材5は内型32を所定の長さだけ有底管1の内部
に押し込んだ位置まで下降して停止される。これによ
り、有底管1の内面と内型32との隙間を小さくしなが
ら、同時に有底管1の内部が減圧されるため、有底管1
の熱が内型32に奪われて変形しにくくなる前に有底管
1が内型32の形状に沿うように変形することで、減圧
による成形が行われ、成形前の有底管1と内型32の隙
間が大きい場合でも内型32の転写性が向上し、図12
に示すように、有底管1の内面が内型32に完全に密着
するように成形される。
【0038】成形後、有底管1および内型32を有底管
駆動装置10および内型駆動装置11により上昇させて
加熱炉9内から搬出し、冷却してから内型32を成形し
た有底管1から除去する。そして、内型32により成形
された部分を所定の長さに切断し、光を透過させる向か
い合った二面の外面を研磨することで、所望のガラスセ
ル12が得られる。
【0039】次に、本発明の実施形態3のガラスセル製
造方法によって、ガラスセルを製造した場合の具体例を
説明する。なお、以下の説明においては、上記番号を用
いて説明するものとする。
【0040】本例では、有底管1のガラス素材としてパ
イレックス(転移点560℃、屈伏点653℃、軟化点
820℃、線膨張係数3.2×10-6)を使用し、有底
管1の長さが70mmで内径9mm、外径12mmと
し、底部が半球状のものを用いた。さらに、有底管1の
開口部1aに耐熱ゴム栓31を嵌めたとき、耐熱ゴム栓
31の上面から有底管1の底面までの長さは75mmと
なるようにしてある。
【0041】また、内型4の型材にはSUS440(線
膨張係数18×10-6)を使用し、全長を100mmと
し、保持部側32bの断面形状が7mm×8mmの長方
形で、先端側32cの断面形状が5mm×6mmの長方
形となっている。内型32の側面は鏡面に研磨加工して
あり、側面および底面のコーナー部は角部をなくすよう
にR0.5の曲面に加工してある。この内型4は、先端
側32cの横断面対角線の寸法が約7.4mmであり、
内径9mmの有底管1に挿入すると、内型4の角部と有
底管1の内面との間に0.8mmの隙間が存在するよう
になっている。また、断面形状の大きさが異なる保持部
側32bと先端側32cとの境界の段部にはテーパが施
してあり、有底管1の開口部1aに嵌めた耐熱ゴム栓3
1の挿入孔31aに保持部側32bの太い部分が挿入し
易いようにしてある。また、内型32の内部には、上面
から側面に向けてL字型の吸引用の穴8が直径2mmの
大きさで開けられており、側面に開口した下部開口部8
bは内型の保持部側32bと先端側32cとの境に設け
た段部32dの1mm下に設けてある。さらに、有底管
1および内型32をそれぞれ有底管保持部材2および内
型保持部材5に設置するが、内型保持部材5は、内型3
2を下降させて有底管1を10mm押し伸ばした位置で
下降を停止するように設定してある。
【0042】まず、有底管1を有底管駆動部10により
下降させて加熱炉9内に有底管1の底部から60mmを
挿入し、1000℃に保持した加熱炉9内で50秒間加
熱する。これにより、有底管1はガラス素材の転移点8
20℃以上の温度に加熱され、成形可能となる。次に、
内型保持部材5を内型駆動装置11により降下させ、有
底管1の開口部1aに設けた耐熱ゴム栓31の挿入孔3
1aから内型32の先端32aを有底管1の内部に挿入
する。内型32の先端32aが有底管1の底1bに接触
すると、内型32の保持部側32bが耐熱ゴム栓31の
挿入孔31aに進入して挿入孔31aを塞ぎ、有底管1
の内部を密閉する。それと同時に吸引用の孔8、内型設
置部5aおよびホース6を通じて孔8の下部開口部8b
から真空ポンプ(図示省略)により吸引を始める。
【0043】その後も内型32の下降を続け、有底管1
を下方に押し伸ばして内型32の先端側32cに沿うよ
うに変形させ、有底管1の内面と内型32との隙間を小
さくしながら、同時に有底管1内部の空気を吸引して内
部の圧力が0.3気圧以下になるように減圧して有底管
1を成形する。このとき、内型32は有底管1を10m
m伸ばした位置で停止し、停止させた後、15秒間減圧
を保持する。この吸引・減圧により、有底管1の内面が
内型32の先端側32cに密着するように成形される。
【0044】成形後、内型32を挿入したまま有底管1
を上昇させて加熱炉9から出し、有底管1と内型32を
同時に冷却した後、内型32を有底管1の内部から引き
出す。内型4を引き出した後の後工程で、有底管1を所
定の長さ40mmに切断し、光を透過させる向かい合っ
た二面の外面を研磨加工することで、所望のガラスセル
22を得る。得られたガラスセル22を切断して断面の
形状を測定したところ、内面の形状は5.04mm×
6.05mmの長方形であり、コーナー部はR0.52
の曲面となっていた。
【0045】本発明の実施形態3によれば、有底管1を
内型32で押し伸ばして有底管1の内面と内型32との
隙間を小さくしながら、同時に有底管1の内部を減圧し
て成形することにより、有底管1の熱が有底管1を押し
伸ばす際に内型32に奪われて有底管1が変形しにくく
なる前に、減圧によって有底管1内面を内型32に密着
させて成形を行えるため、内型32と有底管1との隙間
が大きい場合でも、内型32の転写性が向上し、しわの
無い高精度なガラスセルを製造することができる。ま
た、液体を入れる内面のコーナー部に角部がなくなるた
め、毛細管現象による液の上昇もなく、洗浄も容易に行
えるガラスセルを得ることができる。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明のガラスセルの製
造方法によれば、以下の効果を得ることができる。請求
項1の発明によれば、有底管と内型の隙間が大きい場合
でも、有底管の内面に内型の形状を完全に転写させた、
しわの無い高精度なガラスセルを得ることができる。し
かも、液体を入れる内面のコーナー部に角部がなくたる
ため、毛細管現象による液の上昇もなく、洗浄も容易に
行えるガラスセルを得ることができる。
【0047】請求項2の発明によれば、請求項1の効果
に加え、有底管と内型の隙間が大きく、有底管を押し伸
ばす長さが大きい場合でも、底面角部の肉厚が薄くなる
ことのない高精度なガラスセルを得ることができる。
【0048】請求項3の発明によれば、請求項1の効果
に加え、内型形状の転写性をさらに向上させた、しわの
無い高精度なガラスセルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のガラスセルの製造方法の
実施に使用する製造装置を概略的に示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態1のガラスセルの製造方法の
実施に使用する製造装置の要部を示す縦断面図である。
【図3】図3(a)は本発明の実施形態1における有底
管の押し伸ばし工程を示す縦断面図、図3(b)は同工
程における有底管と内型を示す横断面図である。
【図4】図4(a)は本発明の実施形態1における吸引
・減圧の工程を示す縦断面図、図4(b)は同工程にお
ける有底管と内型を示す横断面図である。
【図5】本発明の実施形態1で製造したガラスセルを示
す横断面図である。
【図6】本発明の実施形態2に用いる有底管を示す縦断
面図である。
【図7】本発明の実施形態2で製造したガラスセルの底
部を示す縦断面図である。
【図8】底部と円筒部の肉厚が同じ有底管を用いて製造
したガラスセルの底部を示す縦断面図である。
【図9】本発明の実施形態3のガラスセルの製造方法の
実施に使用する製造装置を概略的に示す正面図である。
【図10】本発明の実施形態2のガラスセルの製造方法
の実施に使用する製造装置の要部を示す縦断面図であ
る。
【図11】本発明の実施形態3における有底管の押し伸
ばし工程と吸引・減圧の工程を示す縦断面図である。
【図12】本発明の実施形態3における有底管内面を内
型形状に成形する工程を示す縦断面図である。
【図13】従来技術における有底管と金型を示す横断面
図である。
【符号の説明】
1,21 有底管 4,32 内型 7 耐熱ゴムパッド 8 吸引用の穴 9 加熱炉 12,22 ガラスセル 31 耐熱ゴム栓

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学素材からなる有底管を成形可能な温
    度に加熱する工程と、加熱した有底管の開口部から有底
    管内部に角の無いほぼ方形の内型を挿入し内型の先端で
    有底管を押し伸ばす工程と、押し伸ばした有底管の内面
    と前記内型との隙間を減圧して有底管の内面を内型の形
    状に成形する工程を有することを特徴とするガラスセル
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 光学素材からなる有底管に、底部の肉厚
    を円筒部の肉厚よりも厚くした有底管を用いることを特
    徴とする請求項1記載のガラスセルの製造方法。
  3. 【請求項3】 有底管の内部に内型を挿入して内型の先
    端で有底管を押し伸ばす工程と、有底管の内面と内型と
    の隙間を減圧する工程とを同時に行うことを特徴とする
    請求項1記載のガラスセルの製造方法。
JP28137695A 1995-10-30 1995-10-30 ガラスセルの製造方法 Withdrawn JPH09124329A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2022074738A1 (ja) * 2020-10-06 2022-04-14
JP2022061456A (ja) * 2020-10-06 2022-04-18 ユアサ化成株式会社 研磨システム

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