JPH09124266A - 自動着脱吊り治具 - Google Patents

自動着脱吊り治具

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JPH09124266A
JPH09124266A JP30336995A JP30336995A JPH09124266A JP H09124266 A JPH09124266 A JP H09124266A JP 30336995 A JP30336995 A JP 30336995A JP 30336995 A JP30336995 A JP 30336995A JP H09124266 A JPH09124266 A JP H09124266A
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JP
Japan
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hanging
push rod
eye plate
hanging jig
pushed
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JP30336995A
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Hiroshi Sakamoto
博司 坂本
Naohiro Yamashita
直宏 山下
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吊り軸82を出没させる動力駆動装置とホー
ス又は電線を不要とし、行動範囲の制限をなくす。 【解決手段】 下向きに二又部15が形成された吊り治
具本体11と、二又部15内に挿入されたアイプレート
92の吊り穴に挿脱するように出没可能に設けられた吊
り軸82と、二又部15のつけ根部に下方へ貫通突出し
てアイプレート92により押し上げられるように昇降可
能に設けられたプッシュロッド31と、プッシュロッド
31を押し下げるように設けられた押し下げばね22
と、プッシュロッド31が押し上げられたとき吊り軸8
2の突出又は没入の一方の動作を行わせ、次回にプッシ
ュロッド31が押し上げられたときは吊り軸82の突出
又は没入の他方の動作を行わせるフリップフロップ間欠
運動機構とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、人が近
づくことができない物体をクレーンなどで吊り上げ,運
搬,吊り下ろしなどの作業をするため、被吊り物体のア
イプレート(被吊り穴部材)に吊り軸(ロックピン)を
自動的に挿入抜脱して上記作業を遠隔操作で行うことを
可能にする自動着脱吊り治具(いわゆるマジックハン
ド)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は従来の自動着脱吊り治具を示す。
被吊り物体90の上面にはアイプレート(被吊り穴部
材)92が一体的に取り付けられている。また、吊り治
具本体11の下側には被吊り物体90のアイプレート9
2が挿入されるように吊り治具二又部15が一体的に取
り付けられている。吊り治具二又部15には吊り穴15
hから出没する吊り軸(ロックピン)82が設けられ、
吊り軸82を出没させるように駆動する駆動シリンダ5
9が設けられている。駆動シリンダ59は油圧又は圧縮
空気又は電動機又は電磁力により駆動される。吊り治具
本体11の上面には吊り治具アイプレート17が一体的
に取り付けられている。
【0003】図5(B)に示すように、従来の自動着脱
吊り治具で被吊り物体90を吊るときは、駆動シリンダ
59により吊り軸82を後退させて吊り治具二又部15
の内側空間を開けておき、吊り治具アイプレート17に
連結した図示しないクレーン等で吊り治具本体11を吊
り下ろして吊り治具二又部15の内側空間に被吊り物体
90のアイプレート92を挿入し、吊り穴92hの中心
線に吊り穴15hの中心線を合わせた後、図5(C)に
示すように、駆動シリンダ59により吊り軸82を推進
駆動して吊り穴92h内に挿通させる。これで被吊り物
体90を吊り治具本体11を介して図示しないクレーン
などで吊り上げることができる。吊り下ろして被吊り物
体90を吊り治具本体11から離脱させるときは、駆動
シリンダ59により吊り軸82を後退駆動して吊り軸8
2を吊り穴92hから抜き外せば離脱させることができ
る。以上の動作はすべて遠隔操作により行わせる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動着脱吊り治
具は上記のようであるが、吊り軸82を進退させる駆動
力を発揮するものとして、駆動シリンダ59で代表した
油圧又は空気圧シリンダ又は電動機又電磁力機構等を設
けることが必要であり、また、油圧又は圧縮空気を供給
するホース等の配管あるいは電力を供給する電力配線が
必要である。したがって、設備が複雑で高価となり経費
も高くなる。また、吊り上げ・運搬・吊り下ろし作業の
行動範囲が、ホース配管あるいは電力配線の到達範囲内
に限定されるというような課題があった。
【0005】この発明は上記課題を解消するためになさ
れたもので、吊り軸82を進退させる駆動シリンダ59
などの駆動装置とその動力供給用のホース又は電線が不
必要で、そのために作業の行動範囲が制限されない自動
着脱吊り治具を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る自動着脱
吊り治具は、被吊り物体のアイプレートが挿入されるよ
うに下向きに二又部が形成された吊り治具本体と、前記
二又部内に挿入された前記アイプレートの吊り穴に挿脱
するように出没可能に設けられた吊り軸と、前記二又部
のつけ根部に下方へ貫通突出してこの二又部内に挿入さ
れた前記アイプレートにより押し上げられるように昇降
可能に設けられたプッシュロッドと、このプッシュロッ
ドを押し下げるように設けられた押し下げばねと、前記
プッシュロッドが押し上げられたとき前記吊り軸の突出
又は没入の一方の動作を行わせ、次回に前記プッシュロ
ッドが押し上げられたときは前記吊り軸の突出又は没入
の他方の動作を行わせるフリップフロップ間欠運動機構
とからなるものである。また、この発明に係る自動着脱
吊り治具は、被吊り物体のアイプレートが挿入されるよ
うに下向きに二又部が形成された吊り治具本体と、前記
二又部内に挿入された前記アイプレートの吊り穴に挿脱
するように出没可能に設けられた吊り軸と、前記二又部
のつけ根部に下方へ貫通突出してこの二又部内に挿入さ
れた前記アイプレートにより押し上げられるように昇降
可能に設けられたプッシュロッドと、このプッシュロッ
ドを押し下げるように設けられた押し下げばねと、前記
プッシュロッドに固着して設けられたラックと、このラ
ックにかみ合うように設けられた歯車と、前記プッシュ
ロッドが上昇するときの前記歯車の回転に駆動されて駆
動ピンを第1の位置からその反対側である第2の位置に
又はこの第2の位置から前記第1の位置に移動させ、前
記プッシュロッドが下降するときは駆動ピンをそのまま
の位置に保持させる間欠運動機構と、前記駆動ピンの前
記第2の位置への移動又は前記第1の位置への移動に連
動して前記吊り軸の突出又は没入の動作を行わせるリン
ク機構とからなるものである。
【0007】この発明における自動着脱吊り治具は、二
又部内に挿入されたアイプレートによりプッシュロッド
が押し上げられると、フリップフロップ間欠運動機構が
吊り軸の突出又は没入の一方の動作を行わせ、次回にプ
ッシュロッドが押し上げられたときは、フリップフロッ
プ間欠運動機構は吊り軸の突出又は没入の他方の動作を
行わせる。したがって、プッシュロッドが押し上げられ
る度に、吊り軸はアイプレートの吊り穴に挿入されるか
又は吊り穴から抜脱される。吊り軸がアイプレートの吊
り穴に挿入されれば被吊り物体の吊り上げなどが可能と
なり、抜脱されれば被吊り物体を離脱させることができ
る。また、この発明における自動着脱吊り治具は、二又
部内に挿入されたアイプレートによりプッシュロッドが
押し上げられると、このプッシュロッドに設けられたラ
ックにかみ合う歯車が回転し、間欠運動機構は、プッシ
ュロッドが上昇するときの歯車の回転により駆動ピンを
第1の位置からその反対側である第2の位置に又は第2
の位置から第1の位置に移動させ、プッシュロッドが下
降するときは駆動ピンをそのままの位置に保持させる。
リンク機構は駆動ピンの第2の位置への移動又は第1の
位置への移動に連動して吊り軸の突出又は没入の動作を
行わせ、吊り軸は二又部内に挿入されたアイプレートの
吊り穴に挿入されるか又は吊り穴から抜脱される。した
がって、アイプレートによりプッシュロッドが押し上げ
られる度に、吊り軸はアイプレートの吊り穴に挿入され
るか又は吊り穴から抜脱される。吊り軸が挿入されれば
被吊り物体の吊り上げなどが可能となり、抜脱されれば
被吊り物体を離脱させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
図について説明する。図1はこの発明による自動着脱吊
り治具の実施の一形態を示し、(A)は吊り軸(ロック
ピン)82が没入状態のときの縦断面図、(B)は吊り
軸82が突出状態のときの縦断面図、(C)は間欠運動
機構を示す図である。図1において、11は吊り治具本
体であり、吊り治具本体11の下部は下向きの吊り治具
二又部15に形成され、吊り治具二又部15の内側空間
は、図示しない被吊り物体のアイプレート92が挿入さ
れるように形成されている。吊り治具本体11の吊り治
具二又部15には横方向に貫通穴があけられ、その穴に
吊り軸82(ロックピン)が進退自由に挿入されて設け
られている。吊り治具本体11の吊り治具二又部15の
つけ根部にも上下に貫通する穴があけられ、その穴にプ
ッシュロッド31が昇降自由に挿入されて設けられてい
る。
【0009】図1に示すように、プッシュロッド31に
はばね受けつば35が形成されており、このばね受けつ
ば35と吊り治具本体11のばね受け13との間に、プ
ッシュロッド31を常に下方に押すように押し下げばね
22(コイルスプリング)が装填されている。押し下げ
ばね22で押し下げられているプッシュロッド31は、
ばね受けつば35が吊り治具本体11に当たったところ
で止められる。また、プッシュロッド31の上部にはラ
ック33が一体形成又は取付により設けられている。ま
た、ラック33にかみ合う中間歯車44が設けられ、中
間歯車44にかみ合う駆動歯車55が設けられている。
図1(C)に示すように、駆動歯車55の内側には、一
方向(反時計方向)回転には引っ掛かり、他方向(時計
方向)回転には引っ掛からない鋸状歯5tが形成されて
おり、駆動歯車55のこの鋸状歯5tに一方向(反時計
方向)回転にのみ引っ掛かるように、図示しないばねで
押された送りつめ65がつめピン64で回動自由に取り
付けられたつめ板63が設けられている。なお、駆動歯
車55の時計方向の回転に引きずられてつめ板63が時
計方向の回転をしないように、つめ板63には逆転(時
計方向回転)を阻止する図示しない押えつめが設けられ
ている。
【0010】図1に示すように、つめ板63には歯車軸
56を介して駆動ピン67が取り付けられている。プッ
シュロッド31の上昇にともなってラック33にかみ合
う中間歯車44が時計方向に回転し、中間歯車44にか
み合う駆動歯車55が反時計方向に回転するが、プッシ
ュロッド31の上昇によって駆動歯車55が半回転する
ように、ラック33,中間歯車44及び駆動歯車55の
径(歯数)が決定されている。つめ板63及び駆動ピン
67は、駆動歯車55が反時計方向に回転するとき(プ
ッシュロッド31が上昇するとき)だけ同一方向に同一
回転角度で回転をし、駆動歯車55が時計方向に回転す
るとき(プッシュロッド31が下降するとき)は回転し
ない。また、プッシュロッド31が押し下げばね22に
押し下げられて図示のように最下位置にあるときは、駆
動ピン67は図示のように必ず左側位置又は右側位置に
あるように組み立てられている。なお実際には、鋸状歯
5tと送りつめ65との間や図示しない押えつめとの間
には遊びがあるので、プッシュロッド31の上昇によっ
て駆動歯車55が半回転より若干多く回転するように形
成することになる。
【0011】図1(B)に示すように、吊り治具本体1
1に取り付けられた梃子支持材73の支点ピン75に回
動自由に支持されてリンクレバー(梃子)71が設けら
れており、リンクレバー71の上端部には駆動ピン67
が入ってスライドするように被動長穴71hが形成さ
れ、リンクレバー71の下端部には吊り軸82の外端部
に設けられた吊り軸駆動ピン85が入ってスライドする
ように駆動長穴71iが形成されている。リンクレバー
71を支持する支点ピン75の図の左右の位置及びリン
クレバー71の上下の梃子の長さを決める上下の位置
は、図1(A)に示すように駆動ピン67が左側位置に
あるときは吊り軸82が吊り治具本体11の吊り治具二
又部15の内側空間から完全に後退し、図1(B)に示
すように駆動ピン67が右側位置にあるときは吊り軸8
2が吊り治具本体11の吊り治具二又部15の内側空間
内に突出してアイプレート(被吊り穴部材)92の吊り
穴92h内に十分に挿入されるように決定されている。
【0012】図2はこの自動着脱吊り治具の外観を示
し、(A)は側面図、(B)は正面図、(C)は歯車機
構部分の平面断面図である。図2(B)に示すように、
リンクレバー71は一対の部材で形成されており、リン
クレバー71の一対の部材の間隔が上部と下部とで異な
るのは駆動ピン67の取付幅と吊り軸駆動ピン85の取
付幅とが異なるためである。図中の符号は図1に示すも
のと同じであり、図1についての上記説明を参照すれば
理解できると思われるので、図2についてのその他の説
明は省略する。
【0013】次に、図1及び図2に示すこの発明による
自動着脱吊り治具の動作について説明する。図3は、図
示しない被吊り物体を吊り上げるために、この自動着脱
吊り治具に図示しない被吊り物体のアイプレート92を
連結する手順(過程)を示す。先ず、図3(A)に示す
ように、この自動着脱吊り治具の駆動ピン67が左側位
置にあり、リンクレバー71,吊り軸駆動ピン85を介
して吊り軸82が右位置にあり、吊り軸82が吊り治具
二又部15の内側空間から完全に退去しており、吊り治
具二又部15の内側空間にアイプレート92を挿入する
ことができる状態にあることを確認した後、この自動着
脱吊り治具を吊っている図示しないクレーンなどを吊り
下ろして、図3(B)に示すように、この自動着脱吊り
治具を下げて、アイプレート92を吊り治具二又部15
の内側空間内に挿入させる。
【0014】アイプレート92を吊り治具二又部15の
内側空間内にさらに挿入させて、図3(C)に示すよう
に、アイプレート92の上端面でプッシュロッド31の
下端を突き上げてプッシュロッド31を押し上げさせ
る。アイプレート92で押し上げられるプッシュロッド
31は押し下げばね22を圧縮して上昇する。プッシュ
ロッド31と一体のラック33も上昇し、ラック33に
かみ合う中間歯車44は時計方向に回転する。中間歯車
44にかみ合う駆動歯車55は反時計方向に回転する。
駆動歯車55の反時計方向の回転により、図1(C)に
示す送りつめ65及びつめ板63を介して、駆動ピン6
7が、図3(B)に示す左側位置から反時計方向に回転
して、図3(C)に示す右側位置に移動する。前述のよ
うに、ラック33,中間歯車44,駆動歯車55の歯数
比などが、アイプレート92によって押し上げられるプ
ッシュロッド31の上昇高さに対して駆動ピン67が半
回転するように決定して形成されているからである。駆
動ピン67が図3(B)に示す左側位置から図3(C)
に示す右側位置に移動すれば、リンクレバー71及び吊
り軸駆動ピン85を介して吊り軸82が図の左方へ押し
やられ、図3(C)に示すように、吊り軸82が吊り治
具二又部15の内側空間内に突出してアイプレート92
の吊り穴92h内に挿入される。なお、アイプレート9
2の吊り穴92hの上下方向の長さは、図示のように、
吊り軸82が挿入された状態でプッシュロッド31を押
し上げることが十分可能な長さに形成されている。
【0015】これで吊り上げ可能状態となったので、図
3(D)に示すように、この自動着脱吊り治具を吊り上
げる。すると、プッシュロッド31を押し上げるアイプ
レート92の力がなくなり、プッシュロッド31は押し
下げばね22の押し下げ力により下降する。プッシュロ
ッド31が下降すれば、ラック33にかみ合う中間歯車
44を介して、駆動歯車55が時計方向に回転する。し
かし、図1(C)に示すように、駆動歯車55が時計方
向に回転しても、送りつめ65が鋸状歯5tに滑ってか
からないので、つめ板63に回転を伝達することができ
ず、また、つめ板63は図示しない押えつめにより逆転
(時計方向の回転)が阻止されているので、つめ板63
は回転せず、図3(D)に示すようにプッシュロッド3
1が下がっても、駆動ピン67は図3(C)に示す右側
位置を維持する。したがって、駆動ピン67からリンク
レバー71,吊り軸駆動ピン85を介して吊り軸82も
吊り治具二又部15の内側空間内に突出したままであ
り、図3(D)に示すように、吊り軸82はアイプレー
ト92にかかっているので、図示しないクレーンなどで
図示しない被吊り物体を吊り上げて運搬などを行うこと
ができる。
【0016】次に、図4によって、被吊り物体を吊り下
ろして、アイプレート92からこの自動着脱吊り治具を
外す手順(過程)について説明する。図示しない被吊り
物体を所定の場所に吊り下ろした後、なお図示しないク
レーンを下げて、図4(A)に示すように、この自動着
脱吊り治具を降下させれば、プッシュロッド31がアイ
プレート92に当り、アイプレート92にプッシュロッ
ド31が突き上げられて、図4(B)に示すように、プ
ッシュロッド31は押し下げばね22を圧縮して上昇
し、プッシュロッド31に固着されているラック33も
上昇し、ラック33にかみ合う中間歯車44を時計方向
に回転させ、中間歯車44はかみ合う駆動歯車55を反
時計方向に回転させる。図1(C)に示すように、駆動
歯車55が反時計方向に回転すると、鋸状歯5tに引っ
掛かる送りつめ65を介してつめ板63が反時計方向に
回転して、駆動ピン67が図4(A)に示す右側位置か
ら反時計方向に回転して図4(B)に示す左側位置に移
動する。前述のように駆動ピン67は半回転だけ回るよ
うに構成されている。駆動ピン67が右側位置から左側
位置へ移動すれば、リンクレバー71及び吊り軸駆動ピ
ン85を介して吊り軸82が右方へ移動させられ、図4
(B)に示すように、吊り軸82は吊り治具二又部15
の内側空間から完全に退去する。
【0017】次に、この自動着脱吊り治具を吊り上げれ
ば、図4(C)に示すように、アイプレート92が相対
的に下がるにつれて、プッシュロッド31は押し下げば
ね22によって押し下げられ、ラック33にかみ合う中
間歯車44を反時計方向に回転させ、中間歯車44にか
み合う駆動歯車55を時計方向に回転させる。ところ
が、図1(C)に示すように、駆動歯車55が時計方向
に回転しても鋸状歯5tによってつめ板63に回転を伝
達することができず、また、つめ板63は図示しない押
えつめにより逆転(時計方向の回転)が阻止されている
ので、つめ板63は回転せず、図4(C)に示すように
プッシュロッド31が下がっても、駆動ピン67は図4
(B)に示す左側位置を維持する。したがって、駆動ピ
ン67からリンクレバー71,吊り軸駆動ピン85を介
して吊り軸82も吊り治具二又部15の内側空間内から
退去したままであり、図4(D)に示すように、吊り軸
82に当たることなくアイプレート92を吊り治具二又
部15の内側空間から抜き出すことができる。
【0018】なお、この発明による自動着脱吊り治具の
実施の形態を図1乃至図4について説明したが、この説
明において、駆動ピン67の右側位置又は左側位置と
は、特許請求の範囲に記載した第1の位置又は第2の位
置を具体的に述べたものであり同じ意味である。
【0019】なお、図1(C)において、駆動歯車55
の内周部に鋸状歯5tを形成したが、つめ板63の外周
に鋸状歯5tを形成してつめ車とし、駆動歯車55の内
周部につめピン64を介して送りつめ65を取り付けた
構成としてもよい。そうすれば、つめ車であるつめ板6
3の鋸状歯5tにかけるように逆転を阻止する押えつめ
を設けることができる。
【0020】なお、中間歯車44を省略して、ラック3
3で駆動歯車55を直接に回転駆動するようにしてもよ
い。その場合は駆動歯車55の回転が上記説明と逆の方
向となるので、鋸状歯5tの方向も図と逆の方向とすれ
ばよい。
【0021】なお、この発明による自動着脱吊り治具の
図1乃至図4に示す実施の形態の説明において、プッシ
ュロッド31の昇降運動を歯車機構及びつめ車による間
欠運動機構により駆動ピン67に伝達する構成を示した
が、リンク機構又はカム機構によりフリップフロップ間
欠運動機構を構成して、プッシュロッド31の上昇運動
のみを吊り軸82の突出動作又は没入動作に伝達させ、
プッシュロッド31の下降運動は伝達させない構成とす
ることもできる。
【0022】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、被吊
り物体のアイプレートでこの自動着脱吊り治具のプッシ
ュロッドを押し上げさせて、吊り軸を出没させるように
したので、自動着脱のための動力装置やホース又は電線
が不要となり、吊り上げ運搬等の作業の行動範囲が制限
されないというような効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による自動着脱吊り治具の実施の一形
態を示し、(A)は吊り軸が没入状態のときの縦断面
図、(B)は吊り軸が突出状態のときの縦断面図、
(C)は間欠運動機構を示す部分図である。
【図2】この発明による自動着脱吊り治具の実施の一形
態を示し、(A)は側面図、(B)は正面図、(C)は
歯車機構部分の平面断面図である。
【図3】この発明による自動着脱吊り治具の実施の一形
態の動作を示し、(A)はアイプレートを挿入する状態
の縦断面図、(B)はアイプレートでプッシュロッドを
突き上げようとする状態の縦断面図、(C)はアイプレ
ートでプッシュロッドを突き上げた状態の縦断面図、
(D)は突出した吊り軸でアイプレートを吊った状態の
縦断面図である。
【図4】この発明による自動着脱吊り治具の実施の一形
態の動作を示し、(A)はアイプレートでプッシュロッ
ドを突き上げようとする状態の縦断面図、(B)はアイ
プレートでプッシュロッドを突き上げた状態の縦断面
図、(C)はアイプレートを抜き出そうとする状態の縦
断面図、(D)はアイプレートを抜き出した状態の縦断
面図である。
【図5】従来の自動着脱吊り治具を示し、(A)は正面
図、(B)は側面図、(C)は要部拡大側面断面図であ
る。
【符号の説明】
11:吊り治具本体、 15:吊り治具二又部、22:
押し下げばね、31:プッシュロッド、 33:ラッ
ク、44:中間歯車、55:駆動歯車、 56:歯車
軸、63:つめ板、 64:つめピン、65:送りつ
め、 67:駆動ピン、71:リンクレバー、 75:
支点ピン、82:吊り軸、 85:吊り軸駆動ピン、9
2:アイプレート。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被吊り物体のアイプレートが挿入される
    ように下向きに二又部が形成された吊り治具本体と、前
    記二又部内に挿入された前記アイプレートの吊り穴に挿
    脱するように出没可能に設けられた吊り軸と、前記二又
    部のつけ根部に下方へ貫通突出してこの二又部内に挿入
    された前記アイプレートにより押し上げられるように昇
    降可能に設けられたプッシュロッドと、このプッシュロ
    ッドを押し下げるように設けられた押し下げばねと、前
    記プッシュロッドが押し上げられたとき前記吊り軸の突
    出又は没入の一方の動作を行わせ、次回に前記プッシュ
    ロッドが押し上げられたときは前記吊り軸の突出又は没
    入の他方の動作を行わせるフリップフロップ間欠運動機
    構とからなる自動着脱吊り治具。
  2. 【請求項2】 被吊り物体のアイプレートが挿入される
    ように下向きに二又部が形成された吊り治具本体と、前
    記二又部内に挿入された前記アイプレートの吊り穴に挿
    脱するように出没可能に設けられた吊り軸と、前記二又
    部のつけ根部に下方へ貫通突出してこの二又部内に挿入
    された前記アイプレートにより押し上げられるように昇
    降可能に設けられたプッシュロッドと、このプッシュロ
    ッドを押し下げるように設けられた押し下げばねと、前
    記プッシュロッドに固着して設けられたラックと、この
    ラックにかみ合うように設けられた歯車と、前記プッシ
    ュロッドが上昇するときの前記歯車の回転に駆動されて
    駆動ピンを第1の位置からその反対側である第2の位置
    に又はこの第2の位置から前記第1の位置に移動させ、
    前記プッシュロッドが下降するときは駆動ピンをそのま
    まの位置に保持させる間欠運動機構と、前記駆動ピンの
    前記第2の位置への移動又は前記第1の位置への移動に
    連動して前記吊り軸の突出又は没入の動作を行わせるリ
    ンク機構とからなる自動着脱吊り治具。
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