JPH0223478B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高所作業車の吊上装置に関する。

一般に、ブーム先端に作業台を装設した高所作
業車において、作業台近傍に吊上装置を設けるこ
とは公知である。例えば、先に出願人は特願昭54
−77392号（特開昭56−3689号）として、旋回台
の旋回中心と吊上装置の旋回中心とを同一軸線上
にあるように配置した高所作業車の吊上装置を出
願したが、このような従来技術にあつては、吊上
装置と作業台とを固縛する第１の操作部と、走行
時吊上装置とブームとを固縛する第２の操作部と
を備えており、各作業に対応して各操作部を操作
しなければならず、煩雑であつた。

すなわち、吊上装置による吊上作業時には、ま
ず第２の操作部を操作して吊上装置のブームに対
する固縛を解除した後、第１の操作部の選択的な
操作により作業台の旋回機構を利用して作業台の
単独旋回もしくは作業台と吊上装置の同時旋回を
行うようになつており、狭小な作業台近傍に複数
の操作部を配置する困難性に加え、誤操作によつ
て機器が損傷する恐れがある。

本発明は上記の欠点に鑑みてなされたもので、
単一のレバー操作によつて、作業台の単独旋回、
作業台と吊上装置の同時旋回、もしくは走行格納
姿勢を選択できるように構成し、作業性を向上さ
せたものである。

以下、本発明の構成を実施例について図面に基
づいて説明する。

第１図に示すように、高所作業車１の車体２上
には旋回台３が旋回制御可能に搭載されており、
旋回台３の上端にブーム４の基端が起伏自在に枢
着されている。

該ブーム４は旋回台３との間に配設された起伏
シリンダ５により起伏角度が制御されるととも
に、その長さが可変な多段伸縮式に設けられ、そ
の先端ブーム４ａの先端に中空軸７を介して作業
台６が装着されている。

すなわち、先端ブーム４ａ先部には中空軸７が
そのブラケツト７ａを介して回動自在に枢着７ｂ
されており、またアーム７ｃと先端ブーム４ａ間
および旋回台３とブーム４間にそれぞれ配設され
た連動シリンダ８，９により、前記ブーム４の起
伏動作に対応して中空軸７が常に垂直状態を維持
するように構成されている。

したがつて、作業台６に固着されたステー６
ａ，６ａが前記中空軸７回りに旋回自在に枢着さ
れていることにより、作業台６は常に水平状態を
維持するものである。

実施例では、先端ブーム４ａと中空軸７との枢
着部７ｂは、ブラケツト７ａを介してオフセツト
した位置に配置されたが、先端ブーム４ａの先部
を二股状に形成し、直接中空軸７を挾持するよう
に枢着し、その枢着部７ｂの軸心を中空軸７の軸
心と交差するように位置させてもよい。

ところで、作業台６の近傍、すなわち前記中空
軸７上には旋回ポスト１０、起伏ブラケツト１
１、作業用ブーム１２よりなる吊上装置１３が設
けられている。

この吊上装置１３は、第２図にも示すように、
前記中空軸７内に回転自在に配置された第２の中
空軸１０ａと一体に固着された旋回ポスト１０が
前記中空軸７上に旋回自在に立設され、該旋回ポ
スト１０の上端に起伏ブラケツト１１が枢軸１４
にて回動自在に枢着され、この起伏ブラケツト１
１の上部に作業用ブーム１２が摺動可能に嵌挿さ
れ、作業用ブーム１２の先端には作業用ブームヘ
ツド１２ａが固着されてなる。

前記起伏ブラケツト１１の回動すなわち作業用
ブーム１２の起伏動は、旋回ポスト１０に配設さ
れたピン孔１５と起伏ブラケツト１１に配設され
たピン孔１６とを選択してピン１７で係止するこ
とにより変更可能であり、また、作業用ブーム１
２の摺動は、該作業用ブーム１２に一定間隔で配
設されたピン孔１８を起伏ブラケツト１１のピン
孔１９に選択してピン２０を係止することにより
変更可能である。

一方、作業台６側に搭載されたウインチ装置２
１から繰り出されたワイヤ２２は、ウインチブラ
ケツト２１ａに枢着された滑車２３を経て中空軸
７内に導入された後、上方に延びて吊上装置１３
側に導びき出され、前記枢軸１４に枢着された案
内滑車２４および作業用ブームヘツド１２ａに設
けられた滑車２５を懸回しており、先端にはフツ
ク２６が固着されている。

なお、２７は作業台６側に設けた旋回モータな
どの旋回機構であつて、中空軸７に固着された歯
車２８と咬み合う図示しない歯車を備えている。

ところで、前記旋回ポスト１０を中空軸７回り
に旋回可能に枢支する第２の中空軸１０ａには、
ポストストツパ２９が固着されており、該ポスト
ストツパ２９は、中空軸７周囲を覆うように下面
を開放した円筒状に形成されてなり、その周囲に
は適数個の係合孔２９ａが適当な間隔を存して穿
設されている。

一方、中空軸７上方には旋回ストツパ３０が固
着され、その先端には係合部３０ａが形成されて
前記ポストストツパ２９の任意の係合孔２９ａに
対向して臨んでいる。

この旋回ストツパ３０は吊上装置の格納姿勢、
すなわち高所作業車の走行時に対応するため、ブ
ーム長手方向に対して一定角度旋回した状態で中
空軸７に固着されるものであるが、図面では理解
を容易にするためブーム長手方向に配置されてい
る。

更に、作業台６には操作レバー３１が配設され
ており、この操作レバー３１の中央部に連結され
た連結ロツド３２を介して固縛ピン３３が連係さ
れている。

したがつて、操作レバー３１の回動操作によつ
て固縛ピン３３は前記ポストストツパ２９の係合
孔２９ａもしくは該係合孔２９ａを通つて旋回ス
トツパ３０の係合部３０ａに係脱自在となるもの
である。

次に、本発明の実施例の作用を説明すれば、作
業台６に作業者が搭乗し、旋回台３の旋回制御お
よびブームの伸縮、起伏制御により作業台６を所
定の作業位置に上昇移動させる。この作業位置で
吊上装置１３による吊上作業を行うには、操作レ
バー３１を一段牽引操作すれば固縛ピン３３は旋
回ストツパ３０の係合部３０ａより離脱するもの
のポストストツパ２９の係合孔２９ａとは係合し
ており、この状態で旋回モータ２７を作動すれば
吊上装置１３は作業台６の旋回作動と同時に旋回
する。すなわち、吊上装置１３の旋回ポスト１０
は固縛ピン３３を介して作業台６と一体となつて
おり、作業台６の旋回に拌つて吊上装置１３およ
び作業台６は中空軸７回りに回動する。

次いで、操作レバー３１をもう一段牽引すれ
ば、固縛ピン３３は係合孔２９ａよりも離脱し、
作業台６および吊上装置１３の係合を解除するこ
ととなる。

したがつて、作業台６を旋回モータ２７によ
り、もしくは吊上装置１３を手動で旋回させるこ
とができ、結局所望の吊上作業位置に移動させて
ウインチ装置２１による吊上作業を行うことがで
きる。

吊上作業など高所作業が終了して格納する場合
には、まず吊上装置１３および作業台６を格納姿
勢に戻した後、操作レバー３１を押込めば、固縛
ピン３３はポストストツパ２９の係合孔２９ａに
係合し、更に旋回ストツパ３０の係合部３０ａに
係合するから作業台６および吊上装置１３は中空
軸７、すなわちブーム４に対し固縛されることに
なる。

以上のように本発明にあつては単一の操作レバ
ーの作動により固縛ピンを介してブームに対する
作業台および吊上装置の固縛、作業台と吊上装置
の固縛、更には吊上装置および作業台の固縛解除
を選択できることから作業性が著しく向上する。

なお、実施例において吊上装置１３の旋回中心
と作業台６の旋回中心とが同一軸線にあり、かつ
ウインチ装置２１は作業台６側に搭載され、ワイ
ヤ２２は中空軸７内を通つて吊上装置１３側に導
びき出されているので、作業台６の旋回作動およ
びブーム４の起伏あるいは旋回作動を行つてもワ
イヤの長さは不変であり、ワイヤ２２が緊張し、
あるいは弛緩することなく、吊上作業を行うこと
ができる。更に、ウインチ装置２１は吊上装置側
には搭載されていないことから、吊上装置を使用
しない高所作業時には吊上装置の分解組立が極め
て容易となるものである。

また、ブーム４は多段伸縮式に構成されたが、
ブーム段数およびその形成は本実施例に限定され
るものではない他、ウインチ装置は作業台側より
ブーム側に移設してもよいものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
高所作業車の全体側面図、第２図はブーム先部を
拡大して示す部分断面図、第３図は両ストツパと
固縛ピンとの関係を示す概略図である。 ４……ブーム、６……作業台、７……中空軸、
１３……吊上装置、２１……ウインチ装置、２９
……ポストストツパ、３０……旋回ストツパ、３
１……操作レバー、３３……固縛ピン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 先端に作業台を有するブームを装設した高所
   作業車において、前記ブーム先部に中空軸を枢着
   し、該中空軸回りに前記作業台と吊上装置の旋回
   ポストを旋回自在に枢支し、前記中空軸に旋回ス
   トツパを、一方前記旋回ポストにポストストツパ
   をそれぞれ固着するとともに、前記作業台には単
   一の操作レバーと進退自在な固縛ピンとを連係可
   能に配設し、該固縛ピンを操作レバーの操作によ
   つて前記ポストストツパに、もしくは前記ポスト
   ストツパおよび旋回ストツパに選択的に係合可能
   に構成したことを特徴とする高所作業車の吊上装
   置。 ２ 前記ポストストツパは、円筒状に形成され、
   円筒面に適数個の係合孔を有する特許請求の範囲
   第１項記載の高所作業車の吊上げ装置。 ３ 前記旋回ストツパは、先端に係合部を有する
   特許請求の範囲第１項記載の高所作業車の吊上装
   置。 ４ 前記作業台には旋回機構が設けられ、前記作
   業台を中空軸回りに旋回可能に構成した特許請求
   の範囲第１項記載の高所作業車の吊上装置。