JPH09123731A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JPH09123731A
JPH09123731A JP30999095A JP30999095A JPH09123731A JP H09123731 A JPH09123731 A JP H09123731A JP 30999095 A JP30999095 A JP 30999095A JP 30999095 A JP30999095 A JP 30999095A JP H09123731 A JPH09123731 A JP H09123731A
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JP
Japan
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space
temperature
control
spaces
vehicle
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JP30999095A
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English (en)
Inventor
Mamoru Seiji
護 政氏
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Bosch Corp
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Zexel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空調制御要素の制御量を熱負荷に関する複数
の物理量に基づいて算出し、車室内温度を設定された目
標温度に収束するよう空調制御要素を最適制御する車両
用空調装置において、車室内を複数空間に分けて個別制
御する場合に各空間を精度よく温調制御する。 【解決手段】 車室内を複数の制御空間に分割して少な
くともその1つの空間に温度検出器を設ける。温度検出
器が設けられた空間に対しては、その空間の推定温度と
温度検出器によって検出された空間温度との差に応じて
当該空間に対応する動的モデルに修正を加える。温度検
出器が設けられていない空間に対しては、他の空間との
関係において決められた熱的特性と、温度検出器が設け
られた空間の動的モデルに対する修正量とに基づいてこ
の空間に対応する動的モデルに修正を加える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、測定困難または
測定不可能な物理量を含む熱負荷に関する複数の物理量
を現代制御理論に基づいて処理し、温度調節手段、風量
調節手段、吹出モード調節手段等の空調制御要素の最適
制御量を算出して、車室内温度を設定された目標温度に
収束させる車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現代制御理論を利用して車室内温度を目
標温度に空調する車両用空調装置としては、例えば、特
開平5−50836号公報に示されているものが公知と
なっている。これは、車室内温度設定値に基づいて空調
制御に必要な熱負荷に関する物理量のうち時間的に推移
させるべき物理量(車室内温度と皮膚温度)の目標値を
算出し、制御対象に対する制御量と車室内温度とから空
調に関する動的モデルの内部状態を表わす状態変数を推
定し、前記目標値に追従するための最適制御定数を算出
すると共に、目標値、推定状態変数、車室内温度に基づ
いて制御対象に対する最適制御量を決定し、これによ
り、あらゆる環境に対して応答性と安定性を確保するよ
うにしたものである。
【0003】より具体的に説明すれば、このシステムで
用いられるコントローラは、図3のブロック図(同公報
の図2と同一)で示されるように、日射量Qsun、外
気温度Tamb、車室内温度設定値Tptc、車室内温
度Tincに基づいて空調ユニット10を制御するため
の制御量(エアミックスドア開度X,ブロア駆動電圧V
f)を算出するもので、機能的には、規範モデル20、
オブザーバ30、線型補償器40、及び最適レギュレー
タ50から構成されている。
【0004】規範モデルに20おいては、空調ユニット
10による吹出温度Toと吹出風量Gaとを乗員の快適
感に合うよう推移させるために、数式1で示す状態方程
式に基づき、車室内温度設定値Tptcを変化させたと
きの乗員の快適感にあった目標車室内温度Tinc*
目標皮膚温度Tf* とを算出する。
【0005】
【数1】dXr/dt=Ar・Xr+Br・Tptc Yr=Cr・Xr
【0006】ここで、Ar、Br、Crは係数行列であ
り、Yr=Xr=[Tf* ,Tinc* T である。
【0007】オブザーバ30は、車体温度の推定値Tm
S 、車室内温度の推定値TincS、吹出し風量の推定
値GaS 、エアミックスドア開度の推定値XmmS から
なる状態変数XoS (=[TmS ,TincS ,G
S ,XmmS T )を推定し、推定された状態変数の
うち車体温度の推定値TmS 、吹出し風量の推定値Ga
S、およびエアミックスドア開度の推定値XmmS に基
づいて現在の皮膚温度推定値TfS を予測する。
【0008】そして、最適レギュレータ50において
は、数式2に示す評価関数Jを用い、線型補償器40に
よる線型化補償を考慮した系において、目標値との偏差
や制御量の変化率を算出すると共に、評価関数Jを最小
にする空調ユニット10の制御量Uを決定する。
【0009】
【数2】J=∫{W1・(ΔTint)2 +W2・(Δ
Tf)2 +W3・(du1/dt)2 +W4・(du2
/dt)2 }dt
【0010】ここで、ΔTintは車室内温度の目標値
Tinc* からの偏差、ΔTfは皮膚温度の目標値Tf
* からの偏差、du1/dtはブロア駆動電圧Vf(吹
出風量Ga)を決定する指令値の変化率、du2/dt
はエアミックスドア開度X(吹出し温度To)を決定す
る指令値の変化率を表し、W1〜W4は重み係数であ
る。
【0011】そして、制御量U(=[u1,u2]T
の決定にあたっては、上記数式1と線型化補償を行う変
換関数とから数式3に示すような拡大系を構成し、この
拡大系において評価関数Jを最小とする制御則から数式
4で示される制御定数(K1,K2,K3)を決定す
る。
【0012】
【数3】dE/dt=Ae・E+Be・dU/dt
【0013】
【数4】U=K1・Y+K2・∫edt+K3・Xr+
{U(0)−K1・Y(0)−K3・Xr(0)}
【0014】ここで、E=[dY/dt,e,dXr/
dt]T であり、Ae,Beは係数行列、e=Yr−Y
である。U(0)、Y(0)、Xr(0)はそれぞれ制
御指令値、出力、状態変数の初期値である。
【0015】このような制御において、上述のオブザー
バは、図4(同公報の図4と同一)に示されるように、
例えば同次元状態観測器からなり、制御対象の状態方程
式(数式5)に対し、予め同定した推定モデルに状態変
数の推定誤差εo(=XoS−Xo)を零に収束させる
ためにフィードバックを加えて数式6のモデルを形成す
る。
【0016】
【数5】dXo/dt=Ao・Xo+Bo・U Yo=Tinc=Co・Xo
【0017】
【数6】dXoS /dt=Ao・XoS +Bo・U+F
・(Yo−YoS ) YoS =TincS =Co・XoS
【0018】このようなオブザーバにあっては、Aoが
不安定マトリクスであっても、適当なゲインFを選ぶこ
とにより、Ao−FCoを安定マトリクスにでき、推定
誤差εo(=XoS −Xo)を速く零に収束させること
ができる利点がある。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
システムでは、オブザーバにより車室内を1つの推定モ
デルで近似するようにしているので、日射等により車室
の左右または上下で空調環境が異なるような場合には精
度が悪く、モデル精度としては充分なものとは言えな
い。このような不都合に対し、車室内空間を上下、左
右、または前後において独立温調(個別温調)すること
も考えられるが、このような場合には、制御空間の数が
増加するので空調制御要素の増加はやむを得ないとして
も、単に上述のシステムを空間の数だけ増加させた場合
には、他の空間との間の熱的相関を考慮しない制御が行
われたり、各空間毎に室温センサを設けなければならな
いので室温センサの数も増えてしまう。このため、各空
間を独立制御する場合であっても、少ない室温センサを
もって各空間をいかに関連づけて個別制御するか、換言
すれば、空調制御要素の制御量の算出に用いられる熱負
荷に関する物理量を他の空間との関係においていかに推
定すべきかが問題となる。
【0020】そこで、この発明においては、種々の環境
下において応答性と安定性を確保する従来の空調制御の
目的を前提とした上で、車室内を複数空間に分けて個別
制御する場合に各空間を精度よく温調制御することがで
きる車両用空調装置を提供することを課題としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】しかして、この発明の特
徴とするところは、複数の空調制御要素の制御量を熱負
荷に関する複数の物理量に基づいて算出し、車室内温度
を設定された目標温度に収束するよう前記空調制御要素
を最適制御する車両用空調装置において、車室内を複数
の制御空間に分割して少なくともその1つの空間に室温
センサを設け、前記室温センサが設けられた空間に対し
ては、その空間の推定温度と室温センサによって検出さ
れた空間温度との差に応じて当該空間に対応する動的モ
デルに修正を加えて前記物理量を推定すると共に、前記
室温センサが設けられていない空間に対しては、他の空
間との関係において決められた熱的特性と、前記室温セ
ンサが設けられた空間の動的モデルに対する修正量とに
基づき当該空間に対応する動的モデルに修正を加えて前
記物理量を推定するようにしたことにある。
【0022】ここで、空調制御要素とは、温度調節手
段、風量調節手段、吹出モード調節手段等の空調ユニッ
トの制御可能な要素を意味し、したがって、空調制御要
素の制御量とは、エアミックスドア開度(吹出温度)、
ブロア駆動電圧(吹出風量)、吹出モードを変更するダ
ンパ開度等をいう。また、熱負荷に関する物理量には、
車室内設定温度のように乗員の操作によって設定できる
制御パラメータ、日射量、外気温、車室内温度等のよう
に測定可能ないし測定容易な制御パラメータ、車体温
度、車室や車体の熱容量等のように測定困難あるいは測
定不可能な制御パラメータを含んでいる。
【0023】そして、車室内温度を設定された目標温度
に収束するよう空調制御要素を最適制御する車両用空調
装置の基本構造としては、従来より公知の構造、即ち、
熱負荷に関する物理量のうち時間的に推移させるべき目
標値を発生する手段と、空気調和に関する系の動的モデ
ルに基づいて熱負荷に関する物理量のうち測定困難ある
いは測定不可能な物理量を推定する手段と、前記目標
値、推定物理量、及び熱負荷に関する物理量のうち測定
可能な物理量に基づいて車室内温度を目標とする温度に
収束させる空調制御要素の最適制御量を決定する最適レ
ギュレータとを備えたものを利用すればよい。
【0024】したがって、室温センサが設けられた空間
に対応する動的モデルにあっては、算出された空間の推
定温度と室温センサによって実際に検出された空間温度
との差が考慮されるので、例えば従来から知られる同次
元オブザーバとしてその動的モデルの内部状態を表す物
理量(状態変数)が精度よく推定される。これに対し
て、室温センサが設けられていない空間に対応する動的
モデルに対しては、室温センサを有する空間の動的モデ
ルに用いられた修正量を単に付加しただけでは充分な精
度が得られないので、他空間との関係において決められ
た熱的特性をさらに考慮して内部状態を表す物理量(状
態変数)を推定する。これにより、いずれの空間におい
ても物理量を精度よく推定することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面により説明するが、車室内空間を上下、左右、あるい
は前後の2つの空間に分割し、それぞれを独立温調する
場合を想定し、一方を第1空間、他方を第2空間とす
る。また、全体システム構成としては、現代制御理論を
利用した各種空調装置(例えば特開平5−50836号
公報等)を利用することが可能であるので、便宜上、全
体システム構成は特開平5−50836号公報と基本的
に同様のものを想定し、以下において本願の特徴部分を
中心に説明する。
【0026】また、空調ユニットとしては、1つの空調
ユニットに各空間に対応する数だけのエアミックスドア
等を設けてそれぞれの空間を独立に制御するものであっ
ても、各空間毎に対応する別々の空調ユニットを設ける
ものであってもよい。
【0027】ところで、本態様においては、2つに分割
された空間のうち、第1空間の熱収支モデルを数式7の
ように、第2空間の熱収支モデルを数式8のように考え
る。
【0028】
【数7】 Mr1・dTr1/dt =α1(To1−Tr1)−β1(Tr1−Tb1)+Qs1 Mb1・dTb1/dt =β1(Tr1−Tb1)−δ1(Tb1−Ta)+Qs2
【0029】
【数8】 Mr2・dTr2/dt =α2(To2−Tr2)−β2(Tr2−Tb2)+Qs3 Mb2・dTb2/dt =β2(Tr2−Tb2)−δ2(Tb2−Ta)+Qs4
【0030】数式7の第1式は第1空間で見た熱収支モ
デルを表す微分方程式、第2式は第1空間側の車体で見
た熱収支モデルを表す微分方程式であり、数式8の第1
式は第2空間で見た熱収支モデルを表す微分方程式、第
2式は第2空間側の車体で見た熱収支モデルを表す微分
方程式である。
【0031】ここで、Taは外気温を表し、To1は第
1空間に吹き出す空気の吹出温、Tr1は第1空間に配
置された室温センサによって検出された第1空間の室
温、Tb1は第1空間側の車体温度、Mr1は第1空間
の熱容量、Mb1は第1空間側の車体熱容量、α1は第
1空間への風量、β1は第1空間からこの空間側の車体
への熱伝達率、δ1は第1空間側の車体から大気への熱
伝達率、Qs1は日射による第1空間へ直接侵入する熱
量、Qs2は日射による第1空間側の車体が吸収する熱
量を表す。また、To2は第2空間に吹き出す空気の吹
出温、Tr2は第2空間の室温、Tb2は第2空間側の
車体温度、Mr2は第2空間の熱容量、Mb2は第2空
間側の車体熱容量、α2は第2空間への風量、β2は第
2空間からこの空間側の車体への熱伝達率、δ2は第2
空間側の車体から大気への熱伝達率、Qs3は日射によ
る第2空間へ直接侵入する熱量、Qs4は日射による第
2空間側の車体が吸収する熱量を表す。
【0032】上記微分方程式を行列表現すると、数式9
のようになり、これを書き直すと数式10で示される状
態方程式となる。X1(=[Tr1,Tb1]T )、X
2(=[Tr2,Tb2]T )は状態変数ベクトルであ
り、U1(=[To1,Ta,Qs1,Qs2]T )、
U2(=[To2,Ta,Qs3,Qs4]T )は制御
入力値ベクトルである。第1空間の推定モデルによって
推定されるX1の状態変数の推定値をZ1(=[Tr
1’,Tb1’]T )とし、第2空間の推定モデルによ
って推定されるX2の状態変数の推定値をZ2(=[T
r2’,Tb2’]T )とすると、各空間の推定モデル
は、各々数式11により表される。
【0033】
【数9】
【0034】
【数10】 dX1/dt=A1・X1+B1・U1 ・・・(1) dX2/dt=A2・X2+B2・U2 ・・・(2) Y1=Tinc=C1・X1
【0035】
【数11】dZ1/dt=A1・Z1+B1・U1 dZ2/dt=A2・Z2+B2・U2 Y1’=C1・Z1
【0036】第1空間の推定モデルに対して、状態変数
の推定誤差e1(=X1−Z1)を零に収束させるため
に、図1に示されるように、Y1(=Tinc)とY
1’(=Tr1’)との誤差をフィードバックして第1
空間のオブザーバを数式12のように表し、第1空間の
オブザーバに加えられるフィードバック量の補正量を第
2空間の推定モデルに加えて、第2空間のオブザーバを
数式13のように表す。
【0037】
【数12】dZ1/dt=A1・Z1+B1・U1+K
1(Y1−Y1’)
【0038】
【数13】dZ2/dt=A2・Z2+B2・U2+K
2・K1(Y1−Y1’)
【0039】ここで、K1は、前述した如く第1空間の
推定モデルが収束するように予め決定され、K2は、第
1空間と第2空間との熱的相関を考慮して第2空間の推
定モデルを補正する係数行列であり、例えば、第1空間
と第2空間との熱伝達率を用いて数式14のように決定
されている。
【0040】
【数14】
【0041】K1,K2の決定手法をより具体的に説明
すると、K1にあっては、状態変数の推定誤差e1が
(X1−Z1)であることから、数式10(1)−数式
12より数式15を得る。
【0042】
【数15】 dX1/dt−dZ1/dt=A1(X1−Z1)−K1(Y1−Y1’) =A1(X1−Z1)−K1・C1(X1−Z1)
【0043】ここで、e=X1−Z1から、数式15は
数式16(1)のようになり、この一般解は数式16
(2)で表される。
【0044】
【数16】 de/dt=(A1−K1・C1)e ・・・(1) e=EXP(A1−K1・C1)t ・・・(2)
【0045】したがって、A1−K1・C1が負となる
K1を適宜選択することでeを収束させることができ
る。
【0046】これに対してK2の決定にあっては、先
ず、図1で示されたオブザーバが図2に示されるように
詳述されることから、これに基づいて説明する。いま、
オブザーバのモデルが実際のシステムと一致しており、
推定誤差eが制御入力値の誤差(例えば、外気温による
誤差)によるものと仮定すると、オブザーバの修正量
(=K1a(Tinc−Tr1))は第1空間側の車体
に関する熱量に換算した場合、数式17(1)のように
表され、したがって、数式17(2)となる。
【0047】
【数17】 K1a(Tinc−Tr1’)=Tb1’・β1/Mb1 ・・・(1) Tb1’=K1a(Tinc−Tr1’)・Mb1/β1 ・・・(2)
【0048】今、第2空間側の誤差が第1空間側の誤差
と同一の原因によって生じているとすれば、第2空間の
修正熱量は、数式18(1)のようにすればよく、した
がって、K2aは、数式18(2)のようになる。
【0049】
【数18】 Tb1’・β2/Mb2= K1a(Tinc−Tr1’)・Mb1/β1・β2/Mb2・・・(1) K2a=Mb1・β2/β1/Mb2 ・・・(2)
【0050】同様に、オブザーバの修正量(=K1b
(Tinc−Tr1’))は数式19(1)のように表
され、この場合の修正量はTa’・δ2/Mb2である
から、同様に演算すれば、K2bは数式19(2)のよ
うになる。
【0051】
【数19】 K1b(Tinc−Tr1’)=Ta’・δ1/Mb1 ・・・(1) K2b=Mb1・δ2/δ1/Mb2 ・・・(2)
【0052】そして、第1空間と第2空間との分割の仕
方によっては、例えばMb1≒Mb2となる場合もあ
り、この場合には、図1のK2が前述の数式14のよう
に決定される。
【0053】したがって、本発明の第1空間に対応する
動的モデルに対しては、第1空間に設けられた室温セン
サによって検出された実測温度(検出値)とその推定温
度との偏差に基づいて修正が加えられる従来と同様の構
成であり、動的な内部状態を表す物理量(第1空間の室
温Tr1と第1空間側の車体温度Tb1)が精度よく推
定される。これに対して、第2空間に対応する動的モデ
ルにあっては、その修正量を第1空間の動的モデルに対
する修正量と同一にしたのではモデル精度に問題がある
ことから、他空間との関係において決められた熱的特性
を表す係数行列を第1空間の動的モデルに対する修正量
に乗じ、この乗じた値をもって第2空間の動的モデルを
修正するようにしているので、第2空間の動的モデルの
内部状態を表す物理量(第2空間の室温Tr2と第2空
間側の車体温度Tb2)も精度よく推定できる。
【0054】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
車室内を複数の制御空間に分割し、各空間の空調に関す
る系の動的モデルに基づいて空調制御要素を最適制御し
て各空間を独立温調するに際し、少なくとも1つの動的
モデルに対してはそのモデルに対応する空間温度と推定
空間温度との偏差に基づいて修正を加え、他の動的モデ
ルに対しては、これに対応する空間の他空間との関係で
決定された熱的特性を更に考慮して修正を加えるように
しているので、各動的モデルにおいて物理量の推定精度
を高めることができ、分割された各々の車室内空間にお
いて精度よく温調制御することができる。また、各空間
毎に室温センサを必要としないので、各空間を独立温調
制御する場合であっても、少ない室温センサで対応する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る車両用空調装置に用いら
れるオブザーバの例を示すブロック図である。
【図2】図2は、オブザーバをさらに詳述したブロック
図である。
【図3】図3は、従来の車両用空調装置の全システム構
成を示す機能ブロック図である。
【図4】図4は、従来のオブザーバの例を示すブロック
図である。
【符号の説明】
10 空調ユニット 20 規範モデル 30 オブザーバ 40 線形補償器 50 最適レギュレータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の空調制御要素の制御量を熱負荷に
    関する複数の物理量に基づいて算出し、車室内温度を設
    定された目標温度に収束するよう前記空調制御要素を最
    適制御する車両用空調装置において、 車室内を複数の制御空間に分割して少なくともその1つ
    の空間に室温センサを設け、 前記室温センサが設けられた空間に対しては、その空間
    の推定温度と室温センサによって検出された空間温度と
    の差に応じて当該空間に対応する動的モデルに修正を加
    えて前記物理量を推定すると共に、前記室温センサが設
    けられていない空間に対しては、他の空間との関係にお
    いて決められた熱的特性と、前記室温センサが設けられ
    た空間の動的モデルに対する修正量とに基づき当該空間
    に対応する動的モデルに修正を加えて前記物理量を推定
    する推定部を備えたことを特徴とする車両用空調装置。
JP30999095A 1995-11-02 1995-11-02 車両用空調装置 Pending JPH09123731A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7775447B2 (en) * 2003-12-30 2010-08-17 Airbus Deutschland Gmbh Method for controlling the temperature of feed air injected into the cabin zone of a passenger aircraft

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7775447B2 (en) * 2003-12-30 2010-08-17 Airbus Deutschland Gmbh Method for controlling the temperature of feed air injected into the cabin zone of a passenger aircraft

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