JP3872480B2 - 熱流束解析を利用した2ゾーン自動環境制御アルゴリズム - Google Patents

熱流束解析を利用した2ゾーン自動環境制御アルゴリズム Download PDF

Info

Publication number
JP3872480B2
JP3872480B2 JP2004049627A JP2004049627A JP3872480B2 JP 3872480 B2 JP3872480 B2 JP 3872480B2 JP 2004049627 A JP2004049627 A JP 2004049627A JP 2004049627 A JP2004049627 A JP 2004049627A JP 3872480 B2 JP3872480 B2 JP 3872480B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zone
air
temperature
mass flow
flow rate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004049627A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004256101A (ja
Inventor
エス. アイゼンアワー ロナルド
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Technical Center North America Inc
Original Assignee
Nissan Technical Center North America Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Technical Center North America Inc filed Critical Nissan Technical Center North America Inc
Publication of JP2004256101A publication Critical patent/JP2004256101A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3872480B2 publication Critical patent/JP3872480B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/00642Control systems or circuits; Control members or indication devices for heating, cooling or ventilating devices
    • B60H1/00735Control systems or circuits characterised by their input, i.e. by the detection, measurement or calculation of particular conditions, e.g. signal treatment, dynamic models
    • B60H1/0075Control systems or circuits characterised by their input, i.e. by the detection, measurement or calculation of particular conditions, e.g. signal treatment, dynamic models the input being solar radiation
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/00007Combined heating, ventilating, or cooling devices
    • B60H1/00021Air flow details of HVAC devices
    • B60H1/00064Air flow details of HVAC devices for sending air streams of different temperatures into the passenger compartment
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/00007Combined heating, ventilating, or cooling devices
    • B60H1/00021Air flow details of HVAC devices
    • B60H2001/00185Distribution of conditionned air

Description

本発明は、車両のキャビン内の複数の環境制御ゾーンにおける環境を自動的に制御する方法、自動環境制御装置、車両のキャビン内の複数の環境制御ゾーンにおける環境を自動的に制御するためのシステムの環境制御装置に関する。
従来技術の環境制御システムの一例を図1に示す。該システムは、内部空気温度センサ28から、温度信号を受け取る電子マイクロプロセッサ制御装置26を備える。また、制御装置26は、太陽光センサ30及び周囲空気温度センサ32からも信号を受け取る。制御装置26は、34で示すように、蒸発器38及びヒーターコア40の上のブロワ36を空気が通過している時に、ブロワ36の速度を制御するための電圧を発生する。従来の方法において、ヒーターコア40を通過する空気流は混合ドア42により制御することができ、その開度は空気混合制御装置44により制御する。従来の方法におけるプロセッサ26は、概略図的に46で示すように、混合ドアを作動させる。
空気は、ドア52の位置によって、48で示される上側のコントロールパネル領域や50で示される下側の車両床領域に分配され、この制御は空気モード制御装置54によって行われる。制御装置26により、56で示すように空気モード制御装置54を作動させる。
車両運転者は、所望の温度を従来の制御ヘッドで設定でき、その出力は制御装置に入力として供給される。
吸気質量流量はまた、制御線60で示されるように、電子制御装置26により決められる。
電子制御装置は、様々な周知のデジタル・マイクロプロセッサの1つであってもよい(例えば、8ビット・1チップ・マイクロコンピュータ)。それは熱流束制御方程式を記憶する読み取り専用メモリ(ROM)を備える。また、情報が中央処理装置(CPU)により参照されROM内に記憶された方程式に従って駆動回路への出力を生成するためにCPU論理によって用いられる前に、センサから該情報を受け取る通常のランダムアクセスメモリレジスタ(RAM)を有する。周知の方法においてCPUは、順次処理のステップを行う際、継続する制御ループの間、センサの情報を監視する。
自動車の内部熱関数は、太陽光負荷の熱流束(kW/m)、太陽熱負荷を伝え得る有効ガラス面積、車両のパッセンジャー室内のパッセンジャー及び電子装置が発生する熱、車両を取り囲む空気の周囲温度、空気質量流量(エンタルピー変化率/度)、空調制御装置の平均出口温度、及びパッセンジャー室と外気との間の伝熱の伝熱係数を含む(ただしこれらには限られない)、多くの変数により影響される。自動車の温度制御装置においては、最も効果的に目標内部温度を維持しようとする際、これらの変数間の熱力学的相互作用を考慮するべきである。
本発明者に与えられた特許である米国特許第5,832,990号は、空気流を含む上述した変数に反応する、車両のための自動環境制御システムの一例である。上記990特許は、周囲温度、吹出口温度、太陽光負荷及び空気流(これらには限られない)の変化に応じ、熱力学原理に従ってこれら4つの変数間の関係を考慮することにより熱流束を制御することができ、熱流束の調節により内部温度誤差を補正する、自動車の自動内部温度制御システムを教示するものである。米国特許第6,272,871号及び第6,272,873号は、従来技術の空調制御装置の例であり、その内容を本願明細書に援用する。
熱流束の調節で内部温度誤差を補正すると共に、車両内部の2つのゾーンの温度を自動的に制御することが望まれている。ある環境制御アルゴリズムは、高価な車両レベルの試験の試行錯誤に依存する様々なセンサ入力に適用される実証的に決定された係数やゲイン値に基づいて、2つの別個の吹出口温度を計算する。これらのアルゴルズムは熱流を考慮しておらず、また良くても、該計算方法においてシステムの空気流の直接の影響がないために熱流の考慮が軽視されている。この省略により、特に目標ゾーン温度が異なる場合に、誤差が生じたりや、ゾーン毎に適当な環境を達成する仕事における相当な妥協をしなければならない。
典型的な動作環境において、例えば、より強い又はより弱い冷却のどちらが要求されるかは、車両が日陰にあるか、日陰にないかによることから、これは1つの問題である。従来の2ゾーン環境制御システムでは、全熱負荷の制御において空気流の影響を考慮することなく目標内部温度を達成するように吹出口温度を調節しようとしている。従来のシステムでは、システムの吹出口の温度の調節に影響するように設計されているが、システムが目標内部温度を達成しようとする際に、全熱流束それ自体に、定量化可能で著しい変化を与るものではない。
本発明者は、従来技術の不足を克服する、熱流束解析を利用した2ゾーン自動環境制御アルゴリズムを発見した。本発明者は、車両キャビンの熱的な作用に対するエネルギー収支の考察を利用し、2ゾーン(限定ではなく例として、左右)に対する一組の制御方程式を発見した。空気流の因子は、2つの吹出口温度の計算に直接含まれている。これは開発工程を著しく簡略化し、しかも多くの場合、空気流の直接の影響を無視することにより発生する誤差を本質的に補正する。この方程式を利用する論理システムは、(低コストの理由から)単一の内部温度センサを有する可能性のある2つのゾーンから複数の内部センサを有する2つのゾーンまでの熱平衡を扱う。更に、本発明は、システムの単一の空気流源に対して提供されうるものであるが、この種の設計には限られない。そのような場合、主たるゾーン及び二次的なゾーンが、制御の優先度の目的で定義される。主たるゾーンは、過渡応答(全体的なキャビン温度補正)を支配し、全システムの空気流を調節するのに利用できる。二次的なゾーンには、最大限に冷たい、又は最大限に熱い吹出口温度がそのゾーンの温度達成のために十分でない場合にのみシステムの空気流を増加させられる、安定化向上論理を備えることができる。加えて、二次的なゾーンは、このゾーンの温度目標調節の速度に依存する一時的な吹出口温度のオーバーシュートを生じる、過渡増大論理を備えることができる。
本発明の一実施形態において、少なくとも第1ゾーン及び第2ゾーンを備え、前記第1ゾーンに配置された温度センサと、前記ゾーンの各々に調整空気吹出ベントとを有する自動車のキャビンの複数の環境制御ゾーンにおける環境を自動的に制御する方法であって、前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンの目標温度値を得ること、前記第1ゾーンのセンサから第1ゾーン温度値の推定値を得ること、周囲空気温度値を得ること、前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンのうちの少なくとも1つについて太陽光負荷熱流束値を得ること、少なくとも前記第1ゾーン温度値の推定値に基づく第1ゾーンゲイン係数値を得ること、少なくとも上記得られた各値と、前記キャビン及び周囲空気の間の伝導/対流伝熱係数と、太陽光負荷透過有効ガラス面積と、前記キャビン内の空気の混合に基づいた係数としてのゾーンエアクロスオーバ作用係数と、前記吹出口温度と空気流との関係に対する所定の制限条件とに基づいて、第1ゾーン吹出口及び第2ゾーン吹出口の吹出口温度及び質量流量を自動的に決定すること、前記決定された吹出口温度及び質量流量とそれぞれ相互に関係した吹出口温度及び質量流量で、前記第1ゾーン吹出口及び前記第2ゾーン吹出口から前記キャビンへ調整空気を供給することを含む方法がある。
本発明の他の実施形態において、前記ゾーンエアクロスオーバ作用係数が可変でありかつ空気分配モードに依存する方法がある。
本発明の他の実施形態において、前記方法は更に、誤差項を計算し、該誤差項を、新しい第2ゾーン吹出口温度を定めるために第2ゾーン吹出口温度から引くことを含み、前記誤差項は、前記第1ゾーン目標温度値に基づく値と、前記第1ゾーン温度値の推定値と、前記第2ゾーン吹出口の空気質量流量と、少なくとも前記第1ゾーン温度値の推定値に基づく第2ゾーンゲイン係数値とを含み、前記第2ゾーンに供給される前記調整空気は前記新しい第2ゾーン吹出口温度である。
本発明の他の実施形態において、前記第1ゾーン温度推定値が約20℃乃至約28℃にあるとき、前記第1ゾーンゲイン係数値及び前記第2ゾーンゲイン係数値がほぼ等しい方法がある。
本発明の他の実施形態において、第1ゾーン温度推定値の少なくとも約10℃から約20℃の範囲、及び少なくとも約28℃から約35℃の範囲での変化に伴って、前記第1ゾーンゲイン係数値及び前記第2ゾーンゲイン係数値が逆に変化する方法がある。
本発明の他の実施形態において、前記第1ゾーンゲイン係数値が、第1ゾーン温度推定値の約20℃未満での増加に伴って減少し、第1ゾーン温度推定値の約28℃を超えての増加に伴って増加する方法がある。
本発明の他の実施形態において、前記方法は更に、前記第2ゾーン吹出口温度値に加えられるオーバーセット値を計算することを含み、前記オーバーセット値が、前記第2ゾーン目標温度値に基づく値と、前記キャビン及び前記周囲空気の間の伝導/対流伝熱係数と、前記空気質量流量とを含み、オーバーシュートの大きさを設定する値によって調節される。
本発明の他の実施形態において、前記第1ゾーンに供給される調整空気の質量流量が前記第2ゾーンに供給される調整空気の質量流量と略同じである方法がある。
本発明の他の実施形態において、前記方法は更に、前記キャビン及び前記周囲空気の間の伝導/対流伝熱係数と、前記第2ゾーン目標温度値と、前記周囲空気温度値と、前記第2ゾーンについての太陽光負荷熱流束値と、前記太陽光負荷透過有効ガラス面積と、一定の冷却装置温度及び一定の加熱装置温度からなるグループから選ばれる能力温度値とに基づいて、最小空気質量流量を計算することを含み、前記キャビンに送られる前記調整空気の空気質量流量は、前記計算された最小空気質量流量に基づく。
本発明の他の実施形態において、前記キャビンに送られる空気の空気質量流量が、所定の制限条件に基づいて変化しうる質量流量を上回る所定の最大空気質量流量に限られる方法がある。
本発明の他の実施形態において、所定の制限条件に基づく前記可変の質量流量が実質的に様々なブロワ電圧と相互に関係し、前記最大空気質量流量が実質的に前記ブロワ電圧と相互に関係し、前記最大空気質量流量は、所定の制限条件に基づく前記空気質量流量に相当する電圧をたかだか約2ボルト上回る程度の相当ブロワ電圧に限られる。
本発明の他の実施形態において、前記第1ゾーン吹出口と前記第2ゾーン吹出口とから、ある吹出口温度と質量流量とで前記キャビンに供給される前記調整空気が、前記決定された吹出口温度と質量流量とにそれぞれ等しいものである方法がある。
本発明の他の実施形態において、少なくとも第1ゾーン及び第2ゾーンを備え、第1ゾーンに配置された温度センサと、前記ゾーンの各々に調整空気吹出ベントとを有する自動車のキャビンの複数の環境制御ゾーンにおける環境を自動的に制御する方法であって、少なくとも方程式
D=[TGT(D)+{Ge・(TGT(D)−RMd)+K・(TGT(D)−T)−qs(D)・GL}/GA−R・T]/(1−R)
及び
P=TD+{(TGT(P)−TGT(D))・(1+K/GA)−(qs(P)−qs(D))・GL/GA}/(1−R)
ここで、
D=第1ゾーン吹出口温度、
P=第2ゾーン吹出口温度、
TGT(D)=第1ゾーン目標温度、
TGT(P)=第2ゾーン目標温度、
Ge=ゲイン係数、
RMd=センサによる第1ゾーン温度推定値、
s(D)=第1ゾーン太陽光負荷熱流束、
s(P)=第2ゾーン太陽光負荷熱流束、
GL=太陽光負荷透過有効ガラス面積、
=周囲温度、
GA=空気質量流量、
K=前記キャビンと周囲空気との間の伝導または対流伝熱係数、
R=ゾーンクロスオーバ作用係数、
=第2ゾーン側の真の吹出口温度(蒸発器温度≦T≦ヒーター空気吹出口温度)、
に関係するアルゴリズムを利用することを少なくとも含み、TD、TP及びGAの関係に対する所定の制限条件を用いて上記方程式を解くことによりTD、TP及びGAを自動的に決定すること、前記決定された吹出口温度及び質量流量と相互に関係する吹出口温度及び質量流量で前記第1ゾーン吹出口及び前記第2ゾーン吹出口から前記キャビンに調整空気を供給することを含む方法がある。
本発明の他の実施形態において、前記計算されたTPの値から、
Ge’・(TGT(D)−RMd)/GA
が減算され、Ge’はGe以下のゲイン係数である方法がある。
本発明の他の実施形態において、前記第1ゾーン温度推定値が約20℃乃至約28℃にあるときにGeとGe’とが略等しい方法がある。
本発明の他の実施形態において、第1ゾーン温度推定値の少なくとも約10℃から約20℃の範囲、及び少なくとも約28℃から約35℃の範囲での変化に伴って、Ge及びGe’が逆に変化する方法がある。
本発明の他の実施形態において、Geが、第1ゾーン温度推定値の約20℃未満での増加に伴って減少し、第1ゾーン温度推定値の約28℃を超えての増加に伴って増加する方法がある。
本発明の他の実施形態において、前記TPの値に、
OverSet・(1+K/GA)
が加算され、ここで、
OverSet=X・(TGT(P)−FSet)
であり、Xは補正値であって、
FSet=FSet+Y・(TGT(P)−FSet)
であり、Yは、ループルーチンがFsetの方程式をFsetの単一の値を得るアルゴリズムで利用できるように任意に設定される乗数である方法がある。
本発明の他の実施形態において、前記方法は更に、方程式
GA=K・(TGT(P)−T−qs(P)・GL/K)/(CapacityTemperature−TGT(P))
から最小空気質量流量を計算することを含み、ここで、CapacityTemperatureは、一定の冷却装置温度及び一定の加熱装置温度からなるグループから選択される値であり、前記キャビンに送られる前記調整空気の空気質量流量は、前記計算された最小空気質量流量に基づくものである。
本発明の他の実施形態において、前記キャビンに送られる空気の空気質量流量が、所定の制限条件に基づいて変化しうる質量流量を上回る所定の最大空気質量流量に限られる方法がある。
本発明の他の実施形態において、所定の制限条件に基づく前記可変の質量流量が実質的に様々なブロワ電圧と相互に関係し、前記最大空気質量流量が実質的に前記ブロワ電圧と相互に関係し、前記最大空気質量流量は、所定の制限条件に基づく前記空気質量流量に相当する電圧をたかだか約2ボルト上回る程度の相当ブロワ電圧に限られる方法がある。
本発明の他の実施形態において、前記制限条件が、空気流と前記吹出口温度との関係における熱力学的条件因子(制限ファクター)を修正する人的条件因子を含み、前記方法が、更に、前記吹出口温度を修正しうる変化をもたらすような前記方程式の変数の漸進的(インクリメンタル)な変化に応じて前記制限条件を繰り返し呼び出すことを含む方法がある。
本発明の他の実施形態において、前記第1ゾーン吹出口と前記第2ゾーン吹出口とから、ある吹出口温度と質量流量とで前記キャビンに供給される前記調整空気が、前記決定された吹出口温度と質量流量とにそれぞれ等しいものである方法がある。
本発明の他の実施形態において、少なくとも第1ゾーン及び第2ゾーンを備える自動車のキャビンの複数の環境制御ゾーンにおける環境を自動的に制御する自動環境制御装置であって、調整空気を前記キャビン内に吹き込むエアブロワと、前記第1ゾーンにて前記エアブロワと流体連通する空気吹出ベントと、前記第2ゾーンにて前記エアブロワと流体連通する空気吹出ベントと、前記エアブロワ、前記第1ゾーンベント及び前記第2ゾーンベントと流体連通する空気冷却装置及び空気加熱装置と、前記第1ゾーンに配置され、前記第1ゾーンの温度値の推定値を与える温度センサと、プロセッサ及びメモリを含む電子処理装置とを備え、前記メモリは複数の方程式を記憶し、前記複数の方程式は前記第1ゾーン吹出口及び前記第2ゾーン吹出口のそれぞれの前記空気吹出口温度及び質量流量についての方程式を含み、前記方程式は、前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンの目標温度値と、第1ゾーン温度値の推定値と、周囲空気温度値と、前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンのうちの少なくとも1つについての太陽光負荷熱流束値と、少なくとも第1ゾーン温度値の推定値に基づく第1ゾーンゲイン係数値と、前記キャビンと前記周囲空気との間の伝導/対流伝熱係数と、太陽光負荷透過有効ガラス面積と、前記キャビンの空気の混合に基づいた係数としてのゾーンエアクロスオーバ作用係数とを含む変数に基づいており、前記電子処理装置は、前記吹出口温度と空気流との関係に対する所定の制限条件によって拘束される方程式に基づいて、前記ベントから吹き出している前記空気の質量流量及び温度を自動的に制御及び調節する自動環境制御装置がある。
本発明の他の実施形態において、前記自動環境制御装置は、前記空気加熱装置の中又は周りを通過して前記キャビンに入る空気の量を変える装置を含む。
本発明の他の実施形態において、前記自動環境制御装置は、自動環境制御システムを有する自動車を含む。
本発明の他の実施形態において、前記第1ゾーン吹出口と前記第2ゾーン吹出口とから、ある吹出口温度と質量流量とで前記キャビンに供給される調整空気が、前記決定された吹出口温度と質量流量とにそれぞれ等しいものであるようにした装置がある。
本発明の他の実施形態において、少なくとも第1ゾーン及び第2ゾーンを備える自動車のキャビンの複数の環境制御ゾーンにおける環境を制御する環境制御システムの少なくとも1つの構成要素を制御する環境制御装置であって、前記キャビンに吹き込まれている調整空気の質量流量を表す信号を受信する装置と、前記キャビンに吹き込まれている空気の加熱及び冷却を制御するための信号を出力する装置と、前記キャビンに吹き込まれている空気の前記質量流量を制御するための信号を出力する装置と、前記キャビン内で検出された温度を表す信号を受信する装置と、少なくとも複数の方程式に基づくアルゴリズムを記憶する装置であって、前記複数の方程式が第1ゾーン吹出口及び第2ゾーン吹出口の空気吹出口温度及び質量流量についての方程式を含み、前記方程式は、前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンの目標温度値と、第1ゾーン温度値の推定値と、周囲空気温度値と、前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンのうちの少なくとも1つについての太陽光負荷熱流束値と、少なくとも第1ゾーン温度値の推定値に基づく第1ゾーンゲイン係数値と、前記キャビンと周囲空気との間の伝導/対流伝熱係数と、太陽光負荷透過有効ガラス面積と、前記キャビンの空気の混合に基づいた係数としてのゾーンエアクロスオーバ作用係数とを含む変数に基づいている装置と、前記第1ゾーン及び第2ゾーン吹出口温度と空気流との関係に対する複数の所定の制限条件を記憶する装置とを備え、前記制御装置は、前記吹出口温度と空気流との関係に対する所定の制限条件によって拘束される方程式に基づいて、前記ベントから吹き出している空気の前記質量流量及び温度を制御及び調節するための信号を自動的に出力する装置がある。
本発明の他の実施形態において、少なくとも第1ゾーン及び第2ゾーンを備え、前記第1ゾーンに配置された温度センサと、前記第2ゾーンに配置された温度センサと、前記ゾーンの各々に調整空気吹出ベントとを有する自動車のキャビンの複数の環境制御ゾーンにおける環境を自動的に制御する方法であって、前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンの目標温度値を得ること、前記第1ゾーン温度センサ及び前記第2ゾーン温度センサからそれぞれ前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンの温度値の推定値を得ること、周囲空気温度値を得ること、前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンのうちの少なくとも1つについて太陽光負荷熱流束値を得ること、前記第1ゾーン温度値の推定値に基づくゲイン係数値及び前記第2ゾーン温度値の推定値に基づくゲイン係数値のうちの少なくとも1つを得ること、少なくとも上記得られた各値と、前記キャビン及び周囲空気の間の伝導/対流伝熱係数と、太陽光負荷透過有効ガラス面積と、前記キャビン内の空気の混合に基づいた係数としてのゾーンエアクロスオーバ作用係数と、前記吹出口温度と空気流との関係に対する所定の制限条件とに基づいて、第1ゾーン吹出口及び第2ゾーン吹出口の吹出口温度及び質量流量を自動的に決定すること、前記決定された吹出口温度及び質量流量と相互に関係する吹出口温度及び空気質量流量で、前記第1ゾーン吹出口及び前記第2ゾーン吹出口から前記キャビンへ調整空気を供給することを含む方法がある。
本発明の他の実施形態において、前記ゾーンエアクロスオーバ作用係数が可変でありかつ空気分配モードに依存する方法がある。
本発明の他の実施形態において、前記第1ゾーンに供給される調整空気の質量流量が前記第2ゾーンに供給される調整空気の質量流量と略同じである方法がある。
本発明の他の実施形態において、前記方法は更に、前記キャビン及び前記周囲空気の間の伝導/対流伝熱係数、前記第2ゾーン目標温度値と、前記周囲空気温度値と、前記第2ゾーンについての太陽光負荷熱流束値と、前記太陽光負荷透過有効ガラス面積と、一定の冷却装置温度及び一定の加熱装置温度からなるグループから選ばれる能力温度値とに基づいて、最小空気質量流量を計算することを含み、前記キャビンに送られる前記調整空気の空気質量流量は、前記計算された最小空気質量流量に基づく。
本発明の他の実施形態において、前記キャビンに送られる空気の空気質量流量が、所定の制限条件に基づいて変化しうる質量流量を上回る所定の最大空気質量流量に限られる方法がある。
本発明の他の実施形態において、所定の制限条件に基づく前記可変の質量流量が実質的に様々なブロワ電圧と相互に関係し、前記最大空気質量流量が実質的に前記ブロワ電圧と相互に関係し、前記最大空気質量流量は、所定の制限条件に基づく前記空気質量流量に相当する電圧をたかだか約2ボルト上回る程度の相当ブロワ電圧に限られる方法がある。
本発明の他の実施形態において、前記第1ゾーン吹出口と前記第2ゾーン吹出口とから、ある吹出口温度と質量流量とで前記キャビンに供給される前記調整空気が、前記決定された吹出口温度と質量流量とにそれぞれ等しいものである方法がある。
本発明の他の実施形態において、少なくとも第1ゾーン及び第2ゾーンを備え、前記第1ゾーンに配置された温度センサと、前記第2ゾーンに配置された温度センサと、前記ゾーンの各々に空気吹出ベントとを有する自動車のキャビンの複数の環境制御ゾーンにおける環境を自動的に制御する方法であって、少なくとも方程式
D=[TGT(D)+{Ge(D)・(TGT(D)−RMd)+K・(TGT(D)−T)−qs(D)・GL}/GA(D)−R・T]/(1−R)
及び
P=[TGT(P)+{Ge(P)・(TGT(P)−RMp)+K・(TGT(P)−T)−qs(P)・GL}/GA(P)−R・T]/(1−R)
ここで、
D=第1ゾーン吹出口温度、
P=第2ゾーン吹出口温度、
TGT(D)=第1ゾーン目標温度、
TGT(P)=第2ゾーン目標温度、
Ge(D)=第1ゾーン温度値の推定値に基づくゲイン係数、
Ge(P)=第2ゾーン温度値の推定値に基づくゲイン係数、
RMd=センサによる第1ゾーン温度推定値、
RMp=センサによる第2ゾーン温度推定値、
s(D)=第1ゾーン太陽光負荷熱流束、
s(P)=第2ゾーン太陽光負荷熱流束、
GL=太陽光負荷透過有効ガラス面積、
=周囲温度、
GA(D)=前記第1ゾーンの空気質量流量、
GA(P)=前記第2ゾーンの空気質量流量、
K=前記キャビンと周囲空気との間の伝導または対流伝熱係数、
R=ゾーンクロスオーバ作用係数、
=前記第2ゾーン側の真の吹出口温度(蒸発器温度≦T≦ヒーター空気吹出口温度)、
=前記第1ゾーン側の真の吹出口温度(蒸発器温度≦T≦ヒーター空気吹出口温度)、
に関係するアルゴリズムを利用することを少なくとも含み、TD、TP、GA(D)及びGA(P)の関係に対する所定の制限条件を用いて上記方程式を解くことによりTD、TP及びGAを自動的に決定すること、前記決定された吹出口温度及び質量流量とそれぞれ相互に関係した吹出口温度及び質量流量で前記第1ゾーン吹出口及び前記第2ゾーン吹出口からキャビンに調整空気を供給することを含む方法がある。
本発明の他の実施形態において、前記第1ゾーン吹出口と前記第2ゾーン吹出口とから、ある吹出口温度と質量流量とで前記キャビンに供給される調整空気が、前記決定された吹出口温度と質量流量とにそれぞれ等しいものである方法がある。
本発明の他の実施形態において、GA(D)がGA(P)に等しいか又は略等しい方法がある。
本発明の他の実施形態において、Ge(D)がGe(P)に等しいか又は略等しい方法がある。
本発明の他の実施形態において、前記方法が更に、方程式
GA(D/P)=K・(TGT(P)−T−qs(P)・GL/K)/(CapacityTemperature−TGT(P))
から最小空気質量流量を計算することを含み、ここで、CapacityTemperatureは、一定の冷却装置温度及び一定の加熱装置温度からなるグループから選択される値であり、前記キャビンに送られる調整空気の空気質量流量は、前記計算された最小空気質量流量に基づくものである。
本発明の他の実施形態において、前記キャビンに送られる空気の空気質量流量が、所定の制限条件に基づいて変化しうる質量流量を上回る所定の最大空気質量流量に限られる方法がある。
本発明の他の実施形態において、所定の制限条件に基づく前記可変の質量流量が実質的に様々なブロワ電圧と相互に関係し、前記最大空気質量流量が実質的に前記ブロワ電圧と相互に関係し、前記最大空気質量流量は、所定の制限条件に基づく前記空気質量流量に相当する電圧をたかだか約2ボルト上回る程度の相当ブロワ電圧に限られる方法がある。
本発明の他の実施形態において、少なくとも第1ゾーン及び第2ゾーンを備える自動車のキャビンの複数の環境制御ゾーンにおける環境を自動的に制御する自動環境制御装置であって、調整空気を前記キャビン内に吹き込むエアブロワと、前記第1ゾーンにて前記エアブロワと流体連通する空気吹出ベントと、前記第2ゾーンにて前記エアブロワと流体連通する空気吹出ベントと、前記エアブロワ、前記第1ゾーンベント及び前記第2ゾーンベントと流体連通する空気冷却装置及び空気加熱装置と、前記第1ゾーンに配置され、前記第1ゾーンの温度値の推定値を与える温度センサと、プロセッサ及びメモリを含む電子処理装置とを備え、前記メモリは複数の方程式を記憶し、前記複数の方程式は前記第1ゾーン吹出口及び前記第2ゾーン吹出口のそれぞれの前記空気吹出口温度及び質量流量についての方程式を含み、前記方程式は、前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンの目標温度値と、第1ゾーン温度値の推定値と、周囲空気温度値と、前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンのうちの少なくとも1つについての太陽光負荷熱流束値と、少なくとも第1ゾーン温度値の推定値に基づく第1ゾーンゲイン係数値と、前記キャビンと前記周囲空気との間の伝導/対流伝熱係数と、太陽光負荷透過有効ガラス面積と、前記キャビンの空気の混合に基づいた係数としてのゾーンエアクロスオーバ作用係数とを含む変数に基づいており、前記電子処理装置は、前記吹出口温度と空気流との関係に対する所定の制限条件によって拘束される方程式に基づいて、前記ベントから吹き出している前記空気の質量流量及び温度を自動的に制御及び調節する自動環境制御装置がある。
本発明の他の実施形態において、前記第1ゾーンがドライバーゾーン(運転席ゾーン)であり、前記第2ゾーンがパッセンジャーゾーン(助手席ゾーン)である方法がある。
本発明の他の実施形態において、前記第1ゾーンがドライバーゾーンであり、前記第2ゾーンがパッセンジャーゾーンである装置がある。
自動車(例えば車、SUV、ミニバン、ステーション・ワゴン、ピックアップ・トラック、その他、但しこれらに限られない)のキャビンのための本発明の環境制御システムによって、1人又は複数の乗員が、キャビン内で維持されるべき所望の温度を選択することができる。例えば、本発明によってドライバーは、ドライバーが快適であると感じるキャビンの温度値(例えば72°F)を確認することができる。また、この自動車の環境制御システムは、少なくともキャビンのドライバー側において、別個の温度又は該キャビンの他の部分と同じ温度に維持しながら又は維持しようとしつつ、設定温度(目標温度)を維持又は少なくとも実現しようとするシステムの様々な装備品を調節する。環境制御システムは、空調制御装置及び暖房装置を利用するシステムを含むが、これに限定されるものではない。尚、本発明はキャビン温度に影響を及ぼすいかなるシステムにも使用できる。本発明は、2ゾーン環境制御システムのためのシステムへ改変すれば、図1に示した上記のような従来技術の環境制御システムで利用することができる。例えば、キャビンの各々のゾーンに吹き込まれている空気の吹出口温度を変化させるために、ドライバーゾーンのための独立した混合ドア(ミックスドア)及びパッセンジャーゾーンのための独立したドアがあってよい。更に、限定ではなく例として、ドライバーゾーン及びパッセンジャーゾーンのための独立した伝熱装置327があってよく、例えば独立した蒸発器及びヒーターコアを含み得る。更に、限定ではなく例として、他の構成においては、独立したヒーターコア、蒸発器コア、ブロワ、単一及び2構成要素の組合せを含むことができる。更に、空気流の方向を変えるのではなく、内部の流体の流れを制限する熱交換器を利用してもよい。
所望の温度(例えばドライバーによってセットされる)は、自動車のキャビンの目標温度又は安定化した若しくはキャビンの平均の温度である。キャビンの温度は、自動車のキャビンに配置された一つのセンサまたは複数のセンサで測定される。自動車の設計の間、センサの配置は、自動車のモデルによって変化する傾向がある。例えば一つのセンサの場合、設計者はセンサを、ダッシュボード又は自動車の天井又は自動車のセンターコンソールに配置することがある。一般的にセンサの位置は、製造上の条件又は自動車の内部の美観的な設計上の条件に基づいて決定される。例えば、まさしく自動車の中央のダッシュボードに配置されたセンサは、見込まれる自動車の購入者にとって美的に不満足なものかもしれない。従って、温度センサは、正確とは言えない読みが生じ得る場所に配置されるか、又はセンサによって検出される温度が実際の温度又は車両乗員によって知覚される温度に追いついて行けない場所に配置される場合が多い。例えば、センサが座席の下に配置され、調整空気がダッシュボードの上部のベントを介してキャビンに吹き込んでいて、目標温度が変更された場合、車の乗員は、該変化を検出する座席の下のセンサよりもかなり前に、温度の変化を感じるであろう。これを改善するため、限定ではなく例として、日産エクステラ等の所定の自動車クラスのキャビンにおいて、目標温度の変更後にシステムに現れる誤差を測定する実証的試験を行う。人的要因の制限条件を随意的に考慮に入れた範囲の広い実証的試験を通して、誤差ゲイン関数を、感じられる温度と目標温度との間の不一致を補償するように決定できる。このように、実証的試験を通して、所定の自動車クラスに対してユーザにとって非常に満足のいく自動車環境制御システムを提供するためのゲイン関数が得られる。尚、おそらく実証的試験は車の各々異なるクラスに対して行う必要があるであろう。従って、例えば、日産エクステラのための実証的試験の結果は日産マキシマには適用できない可能性があるので、おそらくマキシマのために実証的試験が必要となるであろう。しかし、1つのクラスの車からの結果と同一又は同様の結果を他のクラスの車に対して使用することによって、本発明が実施でき、実証的試験の必要性を排除又は低減できることはあり得る。
本発明の制御システムは、自動車キャビン内に調整空気を導く又は放出する一連のベントを含み得るが、これに限定されるものではない(尚、調整空気は、空調制御装置(限定ではなく単に例として)から得られる冷気と、例えばヒーターコア内又は上を通過させて得られる熱風との両方を含むが、これらに限られず、更に周囲温度の空気をも含み得る)。これらのベントは、キャビン内の様々な場所に配置されるベント吹出口を有することができる。例えば、自動車ではよく、ダッシュボードの上部、ダッシュボードの概ねユーザの胸の高さ位置、及びダッシュボードの下の概ねユーザの膝の高さ位置又は床上にベント吹出口がある。ベント吹出口はまた、ドアパネル、天井及びキャビンの後部にも配置されることがある。本発明は、キャビンのどこのベント吹出口によっても実施できる。
本発明の好ましい実施形態における自動車のキャビンの環境を変える又は維持する主たる方法は、キャビン内に吹き込む調整空気の吹出口温度を変える又は維持することによる。ここで、吹出口温度は、限定ではなく例として、ベント吹出口で測定される空気の温度として定義できる。自動車のキャビンの環境を変える又は制御する第2の方法は、キャビンに吹き込まれている調整空気の速度、より適切には質量流量を変えることによる。これは例えば、送風機に接続された電気モータに供給されている電流の電圧を調節することによって達成できる。このように、例えばブロワ電圧を増やすことによって、ベントから吹き出している空気の速度又は質量流量は増加するであろう。さらに例えば電圧を減少させることによって、キャビンに吹き込まれている空気の速度または質量流量は減少するであろう。
経済的な理由のため、本発明の好ましい実施形態の自動車環境制御システムは、主として、キャビンの全体にわたって略同じ量の空気を動かす一つのブロワで動作する。すなわち、例えば、自動車のドライバー側の吹出口から吹き出している空気の量は、自動車のパッセンジャー側の吹出口から吹き出している空気の量と同じ、又は略同じである。尚、本発明者は、ゾーン間における質量流量のわずかな相違は、環境制御システムにほとんど常に存在することは認識している。限定ではなく例として、ブロワが複数の場合には、例えそれらが(同じ量の空気を送り出すために)同じ速度に設定されたとしても、1つのブロワが、例えば製作公差が原因で、他のものより多量の空気を動かすように動作するかも知れない。更に、限定ではなく例として、ゾーンへの空気流路はそれぞれ異なって作られることがあり得、また障害物又はより大きな程度のゾーンへの空気流の妨げが存在し得る(これには、ドライバーゾーンミックスドアが、パッセンジャーゾーンのミックスドアよりも、より多くの空気をヒーターコアのまわりに導くように配置されている状況がありえる)。しかしある場合には、後述するように、このブロワ速度はその車の一つの側で他方のものと異なる。更に、本発明は、ドライバー側で吹出口から吹き出している空気の質量流量がパッセンジャー側のそれと異なるようなシステムにおいて実施できる。そのような状況は、独立して制御されるブロワを利用するシステムの場合にあり得、ドライバーゾーンのブロワは、意図的にパッセンジャーゾーンのものと異なる速度で動作するであろう。
本発明は、キャビンに吹き込まれている空気の吹出口温度を変化させることによって動作する、自動車のための環境制御システムを提供する。この吹出口温度の値は、様々な関数に基づくものである。すなわち、本発明の好ましい一実施形態における吹出口温度は単なる目標温度ではない。むしろ本発明の吹出口温度は、感じられる内部温度を生じさせ得るものであり、また周囲温度、太陽光負荷、及び空気流(限定ではなく例として)の関数である。このように、吹出口温度は多くの場合、所望の目標温度を達成するか又は維持するための機能の変更に応じて変化する条件に従って変化する動的な温度である。加えて、吹出口温度は、ドライバーの及びパッセンジャーの期待を満たすように動的である。すなわち、自動車内の環境がどのように感じられるべきかについての期待が考慮に入れられる。このように、吹出口温度は、所定の人的要因の制限条件により更に影響を受ける。
尚、吹出口温度は、温度を測定するために用いられるセンサのタイプに従って、瞬間的な温度でも平均温度でもあり得る。更に、所定の設定に対する吹出口温度の正確な推定値を得るために実証的試験を行うことができるので、吹出口温度をリアルタイムで測定する必要はない。限定ではなく例として、吹出口温度は、蒸発器温度及びヒーターコア温度、或いは吹出口温度を与えるそれら2つの組合せに基づいて、所定の混合ドア位置での実証的試験に基づいて推定できる。この情報は、搭載されたコンピュータに記憶させ、参照することができる。このように、吹出口温度は、自動車において吹出口温度を変化させるために用いられる1つ以上の装備品の位置又は設定を表す変数で置き換えられる。
上記990特許の中で教示される制御方程式は、環境制御システムの空気ベントの吹出口を通過していく空気の平均吹出口温度を計算するためのアルゴリズムを教示する。該制御方程式は、複雑で冗長なゲイン調整の必要性なく内部温度を本質的に管理するため、本発明の好適な基礎であり、自動車の安定化された内部温度から導かれる。上記990特許の教示を具体化するシステムにおける吹出口温度に対する方程式は、内部温度を目標値に維持するための空気流変化に対して作用する。空気流を変えることによって、熱制御方程式の挙動に従い、変化は自動的になされる。従って、暑く、日が照っている日に、空気流が減少すると、吹出口温度は目標内部温度を所望のレベルに保つためにより冷たくなる。
また上記990特許は、自動車のための自動環境制御システムで使用できる人的要因の制限条件を教示する。これらの教示は本発明に適用でき、その全体が本願明細書に援用される。本発明の好ましい一実施形態は、上記990の特許において教示される人的要因の制限条件のいくつかまたは全てを利用する。
上記990特許の教示と組み合わせて、キャビンの熱流束の関係(例えば、方向成分のある又はない、エネルギー対時間)が一定である車両のための環境制御システムにおいて、車両キャビンにおける安定化されたエネルギー収支関係は次のように表せることが分かる。
0=GA・(TGT−T)+K・(TGT−T)−q・GL・・・(1)
ここで、
=平均吹出口温度
TGT=安定化された室又はキャビンの平均温度
=太陽光負荷熱流束
GL=太陽光負荷透過有効ガラス面積
=周囲温度(外部)
GA=空気質量流量(エンタルピー変化率/度)
K=室と周囲との間の伝導又は対流の伝熱係数(面積を含む)
方程式(1)をTについて解くことにより、所定の目標キャビン温度を与えるために必要な吹出口温度の計算を可能にする安定化された条件に対する基本的な環境制御方程式は次のようになる。
=target+(1/GA)・{K・(target−T)−q・GL}・・・(2)
上記の方程式(図2の22にプロットした)は、伝熱定数K及びGLを主たる補正値として用いている。
空気流チューニングと内部温度との間の相互作用は、この熱流束の比例制御における好ましい一実施形態において、考慮に入れられる。それは、自動的に全ての変数を結びつけることによってこれを行う。熱流項に対する調節がなされると、本発明の熱流束の関係は、自動的にその他の全ての因子における変動を明らかにする。このようにして、本発明を実施するのに用いられる制御方程式は、空気流が制御方程式に現れない場合、複雑で冗長なゲイン調節の必要性なく内部温度を本質的に管理する。
本発明を具体化するシステムにおける吹出口温度に対する方程式は、内部温度を目標値に維持するための空気流変化に対して作用し得る。空気流を変えることによって、熱制御方程式の挙動に従い、変化は自動的になされる。従って、例えば暑く、日が照っている日に、空気流が減少すると、吹出口温度は目標内部温度を所望のレベルに保つためにより冷たくなり得る。
空気流が補正の間に図2のプロットにおける24で示される分散を生じるように変化すると、安定化された室温状態が保たれる。これは、ライン22の目標室温ラインとの位置「A」における交点と、位置「B」で示す空気流補正変化後の対応する交点とで示される。
図2において、太線22でプロットされた熱流束制御方程式は、約42度の吹出口温度で、25度の室温線と交差する。空気流調節後の対応する吹出口温度は、図2に示すように、約37度である。
尚、図2は、内部の温度と目標温度との間に誤差が存在しない状況を示している。すなわち、内部温度が目標温度に等しければ、吹出口温度は直接方程式(2)から計算される。方程式(2)の誤差の影響は後述する。
異なる太陽光負荷と目標温度の条件に対して、吹出口温度における変化は、
ΔT=ΔTGT+{K・ΔTGT−GL・Δq}・(1/GA)
又は
ΔT=(ΔTGT)・(1+K/GA)−Δq(GL/GA)・・・(3)
により計算される。
尚、方程式(1)〜(3)は単一ゾーンの環境制御システムに適用できる。単一ゾーン環境制御において、キャビンは一塊の均一な温度の空気とみなされる。同一の平均吹出口温度の調整空気が車両の両側に送られ、ゾーン間で正味の伝熱はほとんどない、あるいは全くない。すなわち、空気はほぼ同じ温度である。従って、方程式(2)はキャビン全体に適用でき、又は全系の空気流(GA)の半分、ガラス面積(GL)の半分、及び伝導の面(K)の半分を分担する各々の方程式で、各ゾーンに対して適用できる。尚、半分にすることは算術的にキャンセルされ、方程式2の吹出口温度はこの概念化による影響を受けない。
従来の車両環境制御システムにおいては、キャビンに送られる調整空気として、キャビンの両側において同じ空気が送られる。すなわち、例えばドアに最も近いキャビンのドライバーゾーンのベントは、パッセンジャードアに最も近いキャビンのパッセンジャーゾーンのベントと同一又は略同一の吹出口温度を有する空気を吹き出すであろう。更に例えばこれは、キャビンの中央付近に位置するがまだドライバーゾーンにあるベントと、中央に近い位置であるがパッセンジャーゾーンにあるベントとを有する場合でもありうる。これはまた、例えば、キャビンの一方の側にキャビンの他方の側よりも多くのベントがある場合、ベントが均等な間隔で配置されていない場合(例えばハンドルやグローブボックスを供するため)、及び/又はベントが均等な間隔で配置されておらずかつ区画の一方の側に区画の他方の側よりも多くのベントが配置されている場合でもありえる。本発明による2ゾーン環境制御システムにおいては、各々のゾーンに異なる吹出口温度の調整空気を送ることが可能である。
車両の幾何学的形状は、2ゾーン間で生じる混合の程度に影響し得、クロスオーバ作用の原因となる。2ゾーン自動車環境制御システムにおいて、ドライバーゾーンのベントから吹き出している調整空気の吹出口温度は、パッセンジャーゾーンのベントから吹き出している調整空気の吹出口温度とは異なることがありえる。従って、このような状況では、キャビンの一方の側の空気は、キャビンの他方の側の空気の温度と異なり、それゆえキャビンの環境に関するドライバーとパッセンジャーとの両方の要求に対応する能力が提供される。異なる温度の空気の塊は、温度に関してお互いに影響を及ぼす。すなわち、空気は一般的にキャビンの一方から他方に自由に移動するため、空気の塊がクロスオーバ作用を他の塊に及ぼす。実際、そのような状況では、空気はキャビンの一方から他方に吹き込みうる。例えば、キャビンの中央により近いがそれでもまだドライバーゾーンにあるベントが自動車のパッセンジャーゾーンに向けられていれば、ドライバーゾーンの吹出口温度の空気が区画のパッセンジャー側に吹き込むであろう。さらに、例えば、ドライバーゾーン吹出口からの空気がキャビンのパッセンジャーゾーンから遠ざかって吹き出している場合、及びパッセンジャーゾーン吹出口からの空気がキャビンのドライバーゾーンから遠ざかって吹き出している場合においても、空気はキャビンの一方から他方へと移り得る。例えばこれは、床ベントから吹き出している空気について空気の塊を分離するのに多くの場合主要な影響を及ぼすセンターコンソールを有する自動車の場合に見られる。センターコンソールが、一般的には大きければ大きいほど、特に高ければ高いほど(例えば床から測定して)、クロスオーバ作用は小さくなるであろう。更に、限定ではなく例として、座席の幾何学的形状はもちろん天井の幾何学的形状も影響する。天井の幾何学的形状は、例えば照明、コンパス、温度計、ビデオ・モニタ、その他を備えうる屋根に取り付けられたセンターコンソールを有する場合に、同様に影響する。つまり、空気はキャビンの一方から他方まで移動し得る。そして、空気の量は、一般的に固定された車両の幾何学的形状に依存する。図3は、ゾーン間で生じる混合を概念的に示す。本発明は、この現象を明らかにするアルゴリズムを提供する。
上記したように、本発明は自動車のドライバーゾーン、パッセンジャーゾーンの両方に対して同一のブロワ速度を用いる。従って、キャビンの1つのゾーンからキャビンの他のゾーンまでの空気のクロスオーバ作用を決定する中で、それら2つのゾーンへの空気流は等しいという仮定を置くことができる。キャビン内部の幾何学的形状に関する上記の議論から分かるように、このクロスオーバの効果は自動車のモデルによって、また実際おそらくは同じモデルの選択された付加的な特徴のいくつかによっても変化しうる。更に、クロスオーバ作用は、所定の設計の自動車の実証的試験を通して決定することができる。従って、クロスオーバ作用を明らかにするために方程式(2)に代入される係数を特定することは役に立つ。尚、通常クロスオーバ作用は、ほとんど常に存在するが、多くの場合小さいものである。それにも関わらず、それは以下の説明で分かるように、考慮に入れられるものである。
従来の環境制御システムと同様に、好ましい一実施形態によってドライバーは所望のブロワ速度を入力することができる。例えばドライバーに、例えばどの位置が選択されたかによって異なるブロワ速度を与え、キャビン内に異なる質量流量を与える4位置スイッチを提供し得る。このような状況では、ブロワ速度が人的要因の試験の結果から特定されたブロワ速度と異なる場合に、制御方程式を拘束するために用いる人的要因の制限条件は、この入力されたブロワ速度に基づいて取り消し得る。このような状況では、制御システムはその後、この新しい質量流量に基づいて、新しい吹出口温度を特定するであろう。この吹出口温度は、制御方程式から直接に算出されるであろう。従って、このような状況では、GAの大体の値はユーザによって制御されるであろう。尚、ユーザはスイッチで設定を調節することでブロワ速度を制御することができるが、ユーザはその速度を完全には制御できない。すなわち、ユーザは、おおよその又は大体のブロワ速度を制御することができ、制御装置がブロワ速度の小さな調節、即ち実証的な人的要因の試験を通して予め定められた調節を行うであろう。
尚、ここでの用語で、「ドライバーゾーン」及び「パッセンジャーゾーン」という言い回しを用いているが、各々「第1ゾーン」及び「第2ゾーン」という言い回し又はその逆も同様に使用し得る。すなわち、ドライバーゾーン及びパッセンジャーゾーンは、単に自動車のゾーンを表しており、ここでは便宜及び明快さのために用いている。
上記したように、キャビンに吹き込まれている空気の質量流量は、ブロワ速度だけでなく、調整されてキャビンに吹き込まれている空気に対する障害物の関数でもある。例えば、ミックスドアが完全閉鎖位置にある場合には、ドアがフルコールド条件に置かれている場合よりも空気流に対する障害物が少ない。従って、フルコールド位置において、空気流路における圧力損失はより少なく、空気は、フルホット位置よりもフルコールド位置において、たとえブロワ速度が両方の場合に同じであっても、より大きな質量流量でキャビンに流れ込むであろう。尚、例えばミックスドアの位置がどのように質量流量を変化させるかを測定するために、所定のモデルの自動車において実証的試験を行うことができる。したがって、本発明の好ましい一実施形態においてはまた、ドライバーによる入力に従ったブロワ速度の変更と空気流の障害物の変化との両方に基づいて実証的に定められた質量流量を記憶する制御装置を備えることもあり得る。これらの値は、したがって質量流量に対する制御方程式において利用しうる。
説明を簡単にするため、2つのゾーンへの空気流が等しいと仮定する。いずれのゾーンへの真の平均吹出口温度も、キャビンのドライバーゾーンのベントの吹出口温度(TD)とキャビンのパッセンジャーゾーンのそれ(TP)との混合である、実証的に定められた係数に依存するであろう。この係数「R」は、この効果のために設計され、0乃至0.5の範囲にあり、常にではないが一般的に、決して制限の意味ではなく0.05乃至0.2の範囲にあり、多くの場合約0.1である。図3に示すような2つのゾーンに関して、方程式の形にこの係数を適用すると次のようになる。
ドライバー側の真の平均吹出口温度=(1−R)・TD+R・TP・・・(4)
及び
パッセンジャー側の真の平均吹出口温度=(1−R)・TP+R・TD・・(5)
ドライバー側の制御方程式(4)の目的は、TD(これはパッセンジャー側の温度の影響を明らかにするように変わる可能性がある)を計算することにある。これは、それぞれTGT(D)及びqs(D)で記されるドライバー側の目標温度及び太陽光負荷を含む方程式(2)を利用して開始する、下記の代数的ステップによりなされる。
(1−R)・TD+R・TP=TGT(D)+(1/GA)・{K・(TGT(D)−T)−qs(D)・GL}
従って、
D={TGT(D)+(K/GA)・(TGT(D)−T)−qs(D)・(GL/GA)−R・(TP)}/(1−R)
上記のように、自動車の温度センサによって検出された温度に関する誤差が多くの場合存在する。すなわち、目標室温及び実際のキャビンの温度との間に偏差がある。ここで実際のキャビンの温度とは、センサによって測定された温度である。所定の車両設計での実証的な試験を通して、比例補正のための無矛盾な熱流束ゲインを提供する誤差項が特定できる。この誤差項は、ドライバーゾーンの室温推定値と、ドライバー側の目標温度との間の偏差に基づく関数と共に、方程式(4)に加えることができる。この誤差補正項は、ドライバーゾーンの室温推定値(RMd)及び誤差ゲイン(Ge)を用いる。方程式は次のようになる。
D=[TGT(D)+{Ge・(TGT(D)−RMd)+K・(TGT(D)−T)−qs(D)・GL}/GA−R・TP]/(1−R)
しかし、試験を通して、上記方程式におけるTPの値が、蒸発器の温度以上、ヒーター空気の吹出口温度以下の値に拘束されることが明らかになった。従って、TPは新たな変数(T)で置き換えられ、上記の方程式は次のようになる。
D=[TGT(D)+{Ge・(TGT(D)−RMd)+K・(TGT(D)−T)−qs(D)・GL}/GA−R・T]/(1−R)・・・(6)
ここで、
=パッセンジャーゾーン側の真の吹出口温度(蒸発器温度≦T≦ヒーター空気吹出口温度)。
尚、TPが特定の範囲(蒸発器温度以上、ヒーター空気吹出口温度以下)内にある場合には、T=TPである。
そのゾーンに対する室温推定値(RMp)が利用できる場合(これは例えば、パッセンジャーゾーンに配置された温度センサから得られる)には、パッセンジャーゾーンに対する同様の方程式が存在する。パッセンジャー用の添え字に変えて、この方程式は次のようになる。
P=[TGT(P)+{Ge・(TGT(P)−RMp)+K・(TGT(P)−T)−qs(P)・GL}/GA−R・T]/(1−R)・・・(7)
ここで、
=ドライバーゾーンの真の吹出口温度(蒸発器温度≦T≦ヒーター空気吹出口温度)
複数のキャビン温度センサを有する本発明の一実施形態において、方程式(6)及び(7)は、自動車に搭載されたコンピュータ制御装置において、反復法によって解くことができる。Rの値は、空気の分配モード(例えば、空気が床ベント、ダッシュボードベントまたはその二つの組合せのいずれから吹き込まれているか)に依存するであろう。そしてそれは実証的試験によって決定される。本発明の好ましい一実施形態では、環境制御システムが空気の分配モードを検出して、適当なRの値を選択するようにすることができる。Geの値は、過渡応答の補正に対して柔軟性を与えるために室温の推定値に依存しうる。
本発明の好ましい一実施形態においては、コンピュータ制御装置は、リアルタイムの測定又は記憶された測定値、又はその両方によって得られたデータで、上記及び下記の方程式の値を定期的に書き換え、新しい温度及び質量流量を決定する。これはまた、ドライバー又はパッセンジャーが目標温度を変更する時にもなされる。
本明細書中の他の方程式に加えて、方程式(6)及び(7)の変数の1つ以上の値について、欠けているか又は利用できない可能性がある。このような状況において、本発明の好ましい一実施形態では、他の値又は欠けている変数の最後に記録された値を利用することができる。すなわち、その変数が方程式を利用するために得なければならないものの場合、変数は置き換えによって得ることができる。限定ではなく例として、本発明の好ましい一実施形態では、自動制御システムは、パッセンジャーが所望の温度を入力するまで、ドライバーゾーン及びパッセンジャーゾーンの両方に対してドライバーゾーンの目標温度を用いる。重ねて限定ではなく例として、ドライバーが目標温度72°Fを入力し、パッセンジャーが目標温度を入力しなければ、制御システムはドライバー側及びパッセンジャーゾーンの方程式の両方に対して72°Fを用いるであろう。更に例として、その後パッセンジャーが例えば75°Fを入力し、ドライバーが温度設定を変更しなければ、制御システムは、パッセンジャーに対する目標温度として75°Fを、ドライバーに対する目標温度として72°Fを用いるであろう。上記したように、本発明は、値が自動車の一方側においてのみ利用可能である場合に、目標温度に対してのみならずその他の変数に対しても前述の論理を利用することで実施することができる。方程式に見られるように、方程式(6)及び(7)におけるGeの値は互いに等しくなり得、又は方程式(6)はドライバーゾーンの温度センサのGeの値を有することができ、方程式(7)はパッセンジャーゾーンの温度センサのGeの値を有することができる。
さらに本発明は、いくつかの項を意図的に約す、又はそれらの方程式に対する影響を減少させることにより実施できる。例えば、本発明はGe=1の値を利用することによって実施しうる。従って、方程式(6)及び(7)は、ゲイン関数を無視して実行し得る。
その上、本発明は吹出口温度を決定するために方程式を利用し、その後決定された吹出口温度から一連の値又は変数値を加え又は引くことにより実施でき、結果として生じる温度はキャビンに吹き込まれている空気の実際の吹出口温度を設定するために利用される。従って、ドライバーゾーンの少なくとも1つとパッセンジャーゾーンの少なくとも1つの吹出口からキャビンに供給される調整空気の吹出口温度及び質量流量は、それぞれ、決定された吹出口温度及び質量流量と相関があればよい。しかし、好ましい一実施形態では、方程式から決定された吹出口温度と等しい又はほぼ等しい値が、実際の吹出口温度を設定するために用いられる。
本発明の好ましい一実施形態の人的要因の制限条件を、代表的なやり方でここで簡単に議論する。制御方程式から分かるように、吹出口温度TD及びTPは、周囲温度と質量流量とを含む多くの変数の関数である。本発明の一実施形態において、実証的試験は、所定の指定された目標温度を達成するために主観的に最も快適な質量流量及び吹出口温度の組合せを決定するために行われる。例えば、目標温度が70°Fとして入力され、周囲温度が50°Fであるとすると、キャビンの目標温度を満足させられる様々な吹出口温度及び質量流量があろう。しかし、ドライバー及び/又はパッセンジャーにとって快適と感じられる吹出口温度及び質量流量はより限られた数であろうし、大抵はドライバー又はパッセンジャーにとって最も快適なただ1つの温度及び1つの質量流量があろう。このように、実証的試験を通して、この1つの最も快適な温度及び質量流量を決定することができる。例えば、個人的嗜好や人的要因から導き出される空気流と吹出口温度との間の関係の例を示す図4を参照して、所望の目標温度が25℃で周囲温度が15℃である場合には、実証的試験は、いくつかのモデルの自動車について、システムの最大能力の例えば40%の空気流量でおよそ43℃の吹出口温度が最も快適であろうことを示している(これは単なる一例であり、実証的結果が変化するかもしれず、おそらく変化するであろうことに留意)。このように、TD及びTPに対する制御方程式が、実験から得られた人的要因の結果に基づく制限条件を用いて利用できることが分かる。本発明のこの好ましい実施形態において、これらの人的要因の制限条件は、自動車に搭載された制御装置に記憶され、制御方程式を拘束するために定期的に参照される。このように、吹出口温度と空気流との間には所定の関係がある。
本発明の好ましい一実施形態は、キャビンのドライバーゾーンにある単一のセンサを利用する。これは、ドライバーゾーンの温度設定が優位にあることが望ましいという仮定に基づいてなされる。すなわち、システムはパッセンジャー側の温度設定よりもドライバーゾーンの温度設定に反応する。尚、本発明は、パッセンジャー側の優位性又はいくつかの他の優位性の形式を利用しても実施しうる。しかし、この好ましい実施形態はドライバーゾーンの優位性を基にしているため、代数的定式化は、ドライバーゾーンに対する制御方程式から始められる。
この実施形態においては、パッセンジャーはパッセンジャーゾーンにおいて利用できる室温センサを持たない。本発明の好ましい一実施形態がドライバー側の優位性に基づいているため、方程式(6)は本発明を実施するためのアルゴリズムを定式化するために用いることができる。しかし、ドライバーゾーンのセンサを利用するパッセンジャーのための吹出口温度に対する制御方程式として、新しい方程式が認識されるべきである。この方程式は、以下の方程式に示すように、パッセンジャー側の吹出口温度推定値の基礎として、ドライバーゾーンからのパラメータと併用して、方程式(3)を利用することにより得られる。
P−TD={TGT(P)−TGT(D)}・(1+K/GA)−{qs(P)−qs(D)}・GL/GA・・・(8)
方程式(8)のTPに、パッセンジャー側の真の平均吹出口温度についての方程式である方程式(5)を代入することで、次の方程式が得られる。
(1−R)・TP+R・TD−TD={(TGT(A)−TGT(D))・(1+K/GA)−(qs(P)−qs(D))・GL/GA
または、TPについて解くと:
P=TD+{(TGT(P)−TGT(D))・(1+K/GA)−(qs(P)−qs(D))・GL/GA}/(1−R)・・・(9)
従って、上の方程式(9)は、ドライバー側優位の2ゾーン環境制御システムの本発明のこの実施形態における、パッセンジャーのための吹出口温度の制御方程式である。
本発明を実施する好ましいこの実施形態においては、方程式(6)及び(9)を、自動車に搭載されたコンピュータ制御装置において反復法によって解く。しかし、方程式(9)は方程式(6)が有するような誤差補正項を含まないので、本発明のこの実施形態における本発明の誤差補正(過渡反応)はドライバー側の制御方程式によって支配される。このことは、差し障りのないこともあり、時には望ましこともあるが、キャビンの温度が定常又はほぼ定常であるときにドライバーが目標温度(TGT(D))に変更を加えようとすると、ある場合にはパッセンジャーの快適さを損なうこともありえる。そのような状況においては、TPの値から誤差項を引くことも好都合である。これらの状況は実証的試験を通して確認され、概して約20℃から約28℃までにわたる「快適な範囲(Comfortable Zone)」と受け止められる中で生じるが、この範囲には制限されない。尚、この範囲はテストを通して決定されるので、試験の結果により拡大、縮小、移動するかも知れない。従って、本発明の他の実施形態においては全体又は一部において、上記範囲よりも広いか又は狭い範囲でもあり得る。実際、本発明は、試験の結果に依存して、約0℃よりも下から約50℃まで広がる快適な範囲や、その間の0.1℃の増分での任意の温度範囲においてもTPの値から誤差項を引いて実施しうる。それ故、誤差項を考慮に入れたパッセンジャー側の吹出口温度に対する方程式は、次のように定式化できる。
P(Comfortable Zone)=TP−Ge・(TGT(D)−RMd)/GA・・・(10)
ここでTPは方程式(9)から得られ、方程式(9)だけが、定められた快適な範囲外のキャビン温度についてパッセンジャー側の吹出口温度を計算するのに用いられる。
しかし、本発明の他の実施形態では、ドライバーゾーンの誤差ゲインとは独立した誤差ゲインが、好ましくは実証的試験を通して、パッセンジャーゾーンについて特定できる。従って、方程式(10)は次のようになる。
P(Gain)=TP−Ge’・(TGT(D)−RMd)/GA・・・(11)
ここでGe’はパッセンジャーの除去ゲインとして定義され、好ましくは実証的試験を通して決定される。
本発明の他の実施形態では一定の誤差ゲインを利用することができるが、本発明の好ましい一実施形態の誤差ゲインは定数ではない。図5は、車両のキャビンを急速に暖めるか又は急速に冷やすかの主観的な性質に対処するカスタマイズされた誤差ゲイン値の一例を示す。図5の値は、好ましくは実証的試験を通して決められ、人的要因の制限条件及び/又は車両の構造によって変わり得る。図5から、ゲイン値は推定された室温によって変化することが分かる。尚、これらの値は実証的試験の結果に従い異なることがあり得るため、あるいはおそらく異なるであろうことから、本発明は図5に示される値に限られない。
別個に可変の誤差ゲインを用いることで、キャビン内の過渡的な温度のふるまいは、パッセンジャーが快適に感じるように制御できる。このように、本発明は温度誤差に比例した熱を供給する熱流束設計を利用する。
本発明該好ましい実施形態におけるドライバーゾーンの優位性により、パッセンジャーが目標温度を変えても、パッセンジャーによって十分早く知覚される又は十分な量であると知覚される反応をアルゴリズムが与えられないという状況があり得る。本発明者は、自動車のための環境制御システムの好ましい一実施形態が、目標温度の変化に積極的に反応する能力を有し得ることを確認した。例えば(限定ではなく)、パッセンジャーがキャビン内部の温度を前に75°Fに設定していて、この設定を65°Fに変えた場合に、環境制御システムが、65°Fの温度が得られた又はすぐ得られるだろうとパッセンジャーが感じるように反応するのが望ましい。これは例えば、制御システムが素早くかつ十分にパッセンジャーの要求に反応しているとパッセンジャーが感じるのに十分な時間だけ、環境制御システムのブロワ速度を変化させることによって又はパッセンジャー側の吹出口温度を下げることによって、あるいはその2つの組合せによって達成し得る。
従って、本発明の好ましい一実施形態は、キャビン環境に変化が確かに起こったとパッセンジャーが感じる刺激をパッセンジャーに素早く与えるための一時的な吹出口温度のオーバーシュートの方程式を含む。これは好ましくは、環境制御システムの制御アルゴリズムに導入された場合に、この機能がないときに通常そうあるであろう温度と比べて、吹出口温度を一時的に増加又は減少させる、オーバーシュート又はアンダーシュート吹出口温度を与える方程式によって達成される。限定ではなく例として、この機能により、適切なオーバーシュート又はアンダーシュートを達成するようにパッセンジャー側のミックスドアを一時的に配置し得る。
好ましい一実施形態において、一時的なパッセンジャー側吹出口温度オーバーシュートに対する方程式は、タイミング・ループで周期的に計算されて最も良く定式化される。好ましい一実施形態において、パッセンジャー側の目標温度変化に対する所望の過剰反応マージンのための一般的なオーバーシュートの方程式は次のようである。
OverSet=X・(TGT(P)−FSet)
ここで、Xはオーバーシュートの大きさを設定する補正値であり、人的要因の条件付けを目的とする実証的試験に基づいて決定される。FSetは、パッセンジャー側の目標温度の時間減衰値であり、これは次の方程式から決定できる。
FSet=FSet+Y・(TGT(P)−FSet)
ここでYは、実証的試験を通して定められるような、パッセンジャーの快適さを好ましくは最大にする時間内でFsetの単一の値を得るアルゴリズムでFsetの方程式を利用できるように、任意に設定される乗数である。例えば、Yの値が0.1である場合、FSetの方程式はほぼ100ループで単一の値に達する。計算されたオーバーシュート又はアンダーシュート値は、下記のようにTPに対する方程式に加えられる。
P’=TP+OverSet・(1+K/GA)
尚、OverSet値は、TPへの加算又は減算のいずれが望まれるかによって、正又は負のいずれにもなりうる。
従って、OverSet項が時間とともに徐々に減衰するにつれて、TP’は徐々にTPに近づき、最終的にTP’はTPに等しくなり、するとオーバーシュートの調節はもはや環境の制御に有効には利用されなくなる。基礎制御方程式から過剰調節分を分離することにより、ドライバーゾーンはオーバーシュート温度の影響に対する過剰反応を避けられる。
上記アルゴリズムを実行する環境制御システムにおいて、パッセンジャーは空気混合制御の限界に達し得る可能性がある。例えば、もし強い太陽光負荷がパッセンジャー側にだけ存在すると、日陰にいるドライバーにとっては十分な低いブロワ速度では、フルコールド設定もパッセンジャーに快適さを与えるのに十分ではないかも知れない(尚、上述の好ましい実施形態においては、ドライバーがキャビン全体に対するブロワ速度を設定する)。従って、本発明の好ましい一実施形態は、パッセンジャー側でフルコールド位置にしたときに、パッセンジャーを満足させる最低限の空気流を計算するアルゴリズムを含む。このアルゴリズムは、また、同様にフルホット条件にも適用できる。空気質量流量に対する以下の方程式は、このようなケースを補償するために作られた:
GA=K・(TGT(P)−T−qs(P)・GL/K)/(CapacityTemperature−TGT(P))・・・(12)
ここでCapacityTemperatureは、該好ましい実施形態においては、動作しているのが空調装置かヒーターかによって、一定の冷却装置温度(例えば、該好ましい実施形態において、空調制御装置の蒸発器の一定蒸発器温度)にほぼ等しいか又は等しい温度、又は一定の加熱装置の空気出口温度(例えば、該好ましい実施形態においては、一定のヒーターコアの空気吹出口温度)にほぼ等しいか又は等しい温度である。この好ましい実施形態において、これらの値は所定の値であって、センサによって得られた値ではないので、望ましくない空調制御装置の周期変動に伴うブロワの変動やエンジンの冷却液の温度変化を避けられる。
このように、本発明の環境制御システムは、ドライバーによって設定されたものよりもパッセンジャー側の空気流を増加させることが必要となる状況を認識するように構成することができる。方程式(12)を用いて、最小空気流値GAを計算できる。しかし本発明は、好ましくは、方程式(12)から算出される空気流を、ドライバーゾーンの空気流をせいぜい所定の量超える程度の値に制限するアルゴリズムを含む。限定ではなく例として、パッセンジャー側の空気流は、現在の空気モードにおけるドライバー側システムの最低のブロワ速度よりも例えば2.0V以下だけ大きい相当ブロワ電圧に制限できる。
好ましい一実施形態において、この最小ブロワ電圧は、他の最低限の調節と並行して適用される。例えば、太陽光負荷の最低ブロワ速度の調節が方程式(12)により定められる調節を上回る場合には、この調節は適用されない。方程式(12)が太陽光負荷の調節よりも大きい最小ブロワ電圧を示す場合、方程式(12)は有効に最低限のブロワ速度をセットするであろう。
本発明の好ましい一実施形態では、環境制御システムは本明細書中の少なくとも1以上又は全ての方程式に関係する1又は複数のアルゴリズムを利用する。本発明の好ましい一実施形態では、一アルゴリズムは、一方程式又はその置換された方程式又は数学的に同等な方程式又はその方程式の変数の他に付加的な変数も含む方程式を利用する場合、その方程式に関係する。例として、例えば方程式(6)を基にするアルゴリズムは、その方程式を利用することができるし、又は例えばGAがその方程式の左辺に、TDがその等式の右辺にくるように操作された方程式を利用する等もできる。更に例として、方程式(7)を基にするアルゴリズムは、上記のような方程式、又は付加的な項(例として、例えば乗員による内部の発熱に対する項)を有する方程式を利用することができる。従って、これらの方程式は、最低限のものを表している。
尚、本発明の上記好ましい実施形態を実施するうえで、実証的試験はさまざまな変数(例えばR)の値を得るために依拠される。しかし本発明は、1つ以上の変数を得るために、コンピュータの使用の有無にかかわらず、所定のキャビンの室内及びキャビン内の空気流の数学的モデルに基づいて、計算流体力学を利用することによって実施できる。実際、これらの変数に対する満足な値を得るために利用できるどんな実用的方法も、本発明の実施のために利用できる。
また重ねて言及すれば、上記変数の少なくともいくつかは車両設計に依存し、これらの変数は、本制御システムが導入される車両によって異なるかも知れない。これらの変数は、実証的試験、較正又はチューニングによって、あるいは他のタイプのテスト、較正又はチューニングによって決めることができる。好ましい一実施形態において、これらの変数は決定されて定数として扱われ、自動車の構造又は構成部品が変わらない限り変わることは予期されていない。
また本発明は、人が吹出口温度及び質量流量を決定する必要なく吹出口温度及び質量流量を決定できる、例えば(ただし限定ではない)コンピュータ又はプロセッサ等の装置に本発明を組み込むことにより、吹出口温度及び質量流量を自動的に決定するために利用できる。基本的に本発明は、吹出口温度及び質量流量を決定するために本発明を使用することができるいかなるタイプの論理回路又は論理素子を用いても実施できる。
本発明中の教示は、当業者にとって明らかなように様々な制御システムや制御装置とともに利用できる。それらは、正確に教示の通りに利用されうるような又は本発明の2ゾーン環境制御システムを実施するために当業者によって変形されうるような、またその全体が本願明細書に援用される、上記990特許において教示されるシステムを含む。以下は、本発明を好ましい一実施形態において実施するために、それらの教示をどのように利用しうるかの記述である。
図6は、本発明の制御方法を実行するための制御ステップを例示するフロー図を示す。上述した主観的要求は、通常車両毎にユニークな関数に含まれる。目標内部温度及び空気流と吹出口温度との関係は、これらの関数に含められる。所望の空気流は、図6の66で初期化される。空気流の初期化が完了したかどうかに関して、68で問合せがなされる。完了していない場合、プロセスは実行ブロック70へ進み、ここで空気流が推定される。初期化が完了していた場合、プロセスは実行ブロック74に直接進み、内部温度と周囲温度の値、及び太陽光負荷が推定又は測定され、76で該推定/測定値を用いて、温度設定、周囲温度、及び太陽光負荷の関数として所望の目標内部温度が計算される。その後、新しい目標値が計算される。それからルーチンは実行ブロック78に進み、第1及び第2ゾーン(例えば、ドライバーゾーン及びパッセンジャーゾーン)に対する吹出口温度が、ROMに記憶されている熱流束方程式を用いて計算される。この後にブロック80で、例えばマイクロプロセッサにおいて、空気混合制御論理ルーチンを実行する。
その後、微調整された空気流の推定値GAnが、新しい空気流を決定するために82で推定される。この空気流の推定値は、限定ではなく例として、人的要因の制限条件及び空気の制限効果のような因子に基づく。空気流の微調整においては、太陽光負荷に関連するブロワ速度の最低限値の考慮や、ブロワ速度で吹出口温度を制限する等のその他の主観的な考慮をしてもよい。更に、空気の混合動作は、その論理において明らかにできる空気流の偏差を生じても良い。そして、調節された空気流は、微調整された空気流の推定値GAnに基づいて84で計算される。それから、新しい空気流と前の空気流との間の相違が、較正によって予め定められた限界未満かどうかを判断するために、86で問合せがなされる。もしその相違が限界未満でなければ、機能フローは実行ブロック74に戻り、ルーチンは繰り返される。前の空気流と新しい空気流との相違がある限界未満になるまで該ルーチンは繰り返す。その時点で、該論理はそれから、それぞれブロック88及び90で示すように、空気分配論理及びブロワ速度論理を計算する。
図7のルーチンは、例えば第2ゾーンの乗員、例えばパッセンジャー(又は他の実施形態では、第1ゾーンの乗員)側が空気混合制御の限界に達するような上記の状況において、環境を制御するために用いることができる(例えば強い太陽光負荷がパッセンジャー側にのみ存在し、フルコールド設定もパッセンジャーに快適さを与えるのに十分ではない場合)。ブロック92で、ヒーター及び/又は蒸発器の能力温度が測定又は推定される。実行ブロック94で、内部温度値、周囲温度値、及び太陽光負荷が推定又は測定され、98でその推定された内部温度値を用いて、所望の目標吹出口温度が、温度設定、周囲温度、及び太陽光負荷の関数として計算される。
ブロック100で、目標吹出口温度は、能力温度又は主観的な温度に基づいて決められる。主観的な温度は、顧客の要求の統計的な分析から導かれる。顧客の要求がシステムの温度限界(能力)を超える場合には、ヒーター又は蒸発器の温度が主観的な要求の代わりに適用される。例えば、主観的な吹出口温度要求が70°Fであるのに、ヒーターの温度が65°Fしかなければ、65°Fが計算において使用される。「パスブースト」論理(ブロック106参照)は、最低ブロワ速度が蒸発器及びヒーターの能力温度限界に依存する所定のゾーンに対して与えられることを確実にするのに役立たせるために用意されている。方程式(12)と組み合わせてブロック100で決定された目標吹出口温度を用いて、空気質量流量GAの要求は、ブロック102で決定される。尚、ブロック98及び100の実行は、両方とも目標内部温度及び/又は吹出口温度の値を計算するか又は反復するための方程式を利用することで成し遂げられ、ルックアップテーブルが、単独又はファジー論理と組み合わせてこれらの値を得るために利用できる。本発明の実施形態が第1ゾーン(例えばドライバーゾーン)の空気流をせいぜい所定の量だけ上回る程度の値に空気流を制限するアルゴリズムを含むと、空気流の限界調節はブロック104でなされる。更に、この部分はまた、ブロック102での除算が不確定の場合にも値を提供することができる。106では、パスブースト論理ルーチンは、最低ブロワ速度が、上で特定された蒸発器及びヒーターの能力温度限界に依存する所定のゾーンに対して与えられることを確実にするように実行される。論理ルーチンが最低ブロワ速度を特定しなければ、室温を目標温度まで速やかに増加又は減少させるように吹出口温度及びブロワ速度を調節するための、室温誤差補正論理がブロック108で利用される。それからルーチンはブロック110へ進み、空気混合論理が計算され、その後ブロック112で空気分配論理が計算され、ブロック114でブロワ速度論理が計算される。106で最低ブロワ速度が必要である場合、制御ブロック108、110及び112はバイパスされ、ルーチンは制御ブロック107へと直接進み、特別な空気流の最低限度がセットされる。この後に、論理は114でブロワ速度論理を計算する。尚、図7のルーチンは空気流及び吹出口温度の更なる指定を考慮することもできる。内部の温度が推定された後、ルーチンは周囲空気温度、温度設定及び太陽光負荷を考慮することにより所望の内部温度の計算に進む。それから、所望の定常状態の吹出口温度が計算でき、その後ルーチンは空気流に対する内部温度誤差ゲインの計算に進むことができる。続いて、吹出口温度についての内部温度誤差ゲインが計算でき、これは現在の所望の吹出口温度を計算するために利用することができる。
尚、本発明は、例えば特許第6,272,873号において教示されるような、様々な空調制御システム及びシステム構成要素で実施できる。
本発明の開示が与えられれば、当業者であれば、本発明の精神及び範囲の中で他の実施形態及び変形があり得ることを理解するであろう。したがって、本発明の精神及び範囲内にある本開示から当業者によって達成しうる全ての変形態様は、本発明の更なる実施形態として含まれることになる。本発明の範囲は、したがって、添付の請求項に記載したように定められることになる。
本発明の実施に適用できる従来技術の環境制御システムの全体的な車両設備の概略図である。 システムの補正中、目標キャビン温度が維持されている時に空気流が変化する場合に得られる安定化された条件の概略図である。 2ゾーン・キャビンの概略図である。 環境制御システムに対する一般化されたエネルギー収支条件と、人的要因により課された制限条件を表す実証的な関係を示す図である。 誤差ゲイン係数値の一例を概略的に示す図である。 本発明の一実施形態を実行するための処理ステップを図示する論理フローチャートである。 本発明の一実施形態を実行するための処理ステップを図示する論理フローチャートである。

Claims (52)

  1. 少なくとも第1ゾーン及び第2ゾーンを備え、前記第1ゾーンに配置された温度センサと、前記ゾーンの各々に調整空気吹出ベントとを有する自動車のキャビンの複数の環境制御ゾーンにおける環境を自動的に制御する方法であって、
    前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンの目標温度値を得ること、
    前記第1ゾーンのセンサから第1ゾーン温度値の推定値を得ること、
    周囲空気温度値を得ること、
    前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンのうちの少なくとも1つについて太陽光負荷熱流束値を得ること、
    少なくとも前記第1ゾーン温度値の推定値に基づく第1ゾーンゲイン係数値を得ること、
    少なくとも上記得られた各値と、前記キャビン及び周囲空気の間の伝導/対流伝熱係数と、太陽光負荷透過有効ガラス面積と、前記キャビン内の空気の混合に基づいた係数としてのゾーンエアクロスオーバ作用係数と、吹出口温度と空気流との関係に関する所定の制限条件と、に基づいて、第1ゾーン吹出口及び第2ゾーン吹出口のそれぞれの吹出口温度及び質量流量を自動的に決定すること、
    前記決定された吹出口温度及び質量流量とそれぞれ相互に関係した吹出口温度及び質量流量で、前記第1ゾーン吹出口及び前記第2ゾーン吹出口から前記キャビンへ調整空気を供給することを含む方法。
  2. 前記ゾーンエアクロスオーバ作用係数が可変でありかつ空気分配モードに依存する請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、更に、
    誤差項を計算し、第2ゾーン吹出口温度から前記誤差項を差し引いて新たな第2ゾーン吹出口温度を定めることを含み、
    前記誤差項は、前記第1ゾーン目標温度値と、前記第1ゾーン温度値の推定値と、前記第2ゾーン吹出口の空気質量流量と、少なくとも前記第1ゾーン温度値の推定値に基づく第2ゾーンゲイン係数値と、に基づく値であり、
    前記第2ゾーンに供給される前記調整空気が、前記新たな第2ゾーン吹出口温度である方法。
  4. 前記第1ゾーン温度推定値が約20℃と約28℃との間にあるとき、前記第1ゾーンゲイン係数値及び前記第2ゾーンゲイン係数値がほぼ等しい請求項3に記載の方法。
  5. 少なくとも約10℃から約20℃の範囲及び少なくとも約28℃から約35℃の範囲での第1ゾーン温度推定値の変化に伴って、前記第1ゾーンゲイン係数値及び前記第2ゾーンゲイン係数値が逆に変化する請求項4に記載の方法。
  6. 、約20℃未満の範囲での第1ゾーン温度推定値の増加に伴って前記第1ゾーンゲイン係数値が減少し、約28℃を超えた範囲での第1ゾーン温度推定値の増加に伴って前記第1ゾーンゲイン係数値が増加する請求項5に記載の方法。
  7. 請求項1に記載の方法であって、更に、
    前記第2ゾーン吹出口温度値に加えられるオーバーセット値を計算することを含み、
    前記オーバーセット値は、前記第2ゾーン目標温度値と、前記キャビンと前記周囲空気との間の伝導/対流伝熱係数と、前記空気質量流量とに基づき、オーバーシュートの大きさを設定する値によって調節される値である方法。
  8. 前記第1ゾーンに供給される調整空気の質量流量が前記第2ゾーンに供給される調整空気の質量流量と略同じである請求項1に記載の方法。
  9. 請求項8に記載の方法であって、更に、
    前記キャビンと前記周囲空気との間の伝導/対流伝熱係数と、前記第2ゾーン目標温度値と、前記周囲空気温度値と、前記第2ゾーンについての太陽光負荷熱流束値と、前記太陽光負荷透過有効ガラス面積と、一定の冷却装置温度及び一定の加熱装置温度からなるグループから選ばれる能力温度値と、に基づいて、最小空気質量流量を計算することを含み、
    前記キャビンに送られる前記調整空気の空気質量流量は、前記計算された最小空気質量流量に基づく方法。
  10. 前記キャビンに送られる空気の空気質量流量が、所定の制限条件に基づいて変化しうる質量流量を上回る所定の最大空気質量流量に限られる請求項9に記載の方法。
  11. 所定の制限条件に基づく前記可変の質量流量が様々なブロワ電圧と実質的に相互に関係し、前記最大空気質量流量が前記ブロワ電圧と実質的に相互に関係し、前記最大空気質量流量は、所定の制限条件に基づく前記空気質量流量に相当する電圧をたかだか約2ボルト上回る程度の相当ブロワ電圧に限られる請求項10に記載の方法。
  12. 前記第1ゾーン吹出口及び前記第2ゾーン吹出口から、前記キャビンに供給される前記調整空気の吹出口温度及び質量流量が、前記決定された吹出口温度及び質量流量にそれぞれ等しいものである請求項1に記載の方法。
  13. 少なくとも第1ゾーン及び第2ゾーンを備え、第1ゾーンに配置された温度センサと、前記ゾーンの各々に調整空気吹出ベントとを有する自動車のキャビンの複数の環境制御ゾーンにおける環境を自動的に制御する方法であって、
    少なくとも方程式
    D=[TGT(D)+{Ge・(TGT(D)−RMd)+K・(TGT(D)−T)−qs(D)・GL}/GA−R・T]/(1−R)
    及び
    P=TD+{(TGT(P)−TGT(D))・(1+K/GA)−(qs(P)−qs(D))・GL/GA}/(1−R)
    ここで、
    D=第1ゾーン吹出口温度、
    P=第2ゾーン吹出口温度、
    TGT(D)=第1ゾーン目標温度、
    TGT(P)=第2ゾーン目標温度、
    Ge=ゲイン係数、
    RMd=センサによる第1ゾーン温度推定値、
    s(D)=第1ゾーン太陽光負荷熱流束、
    s(P)=第2ゾーン太陽光負荷熱流束、
    GL=太陽光負荷透過有効ガラス面積、
    =周囲温度、
    GA=空気質量流量、
    K=前記キャビンと周囲空気との間の伝導または対流伝熱係数、
    R=ゾーンクロスオーバ作用係数、
    =第2ゾーン側の真の吹出口温度(蒸発器温度≦T≦ヒーター空気吹出口温度)、
    に関係するアルゴリズムを利用することを少なくとも含み、
    D、TP及びGAの関係に関する所定の制限条件を用いて上記方程式を解くことによりTD、TP及びGAを自動的に決定すること、
    前記決定された吹出口温度及び質量流量とそれぞれ相互に関係した吹出口温度及び質量流量で前記第1ゾーン吹出口及び前記第2ゾーン吹出口から前記キャビンに調整空気を供給することを含む方法。
  14. 前記計算されたTPの値から、
    Ge’・(TGT(D)−RMd)/GA
    が減算され、Ge’はGe以下のゲイン係数である請求項13に記載の方法。
  15. 前記第1ゾーン温度推定値が約20℃と約28℃との間にあるときにGeとGe’とが略等しい請求項14に記載の方法。
  16. 少なくとも約10℃から約20℃の範囲及び少なくとも約28℃から約35℃の範囲での第1ゾーン温度推定値の変化に伴って、Ge及びGe’が逆に変化する請求項15に記載の方法。
  17. 約20℃未満の範囲での第1ゾーン温度推定値の増加に伴ってGeが減少し、約28℃を超える範囲での第1ゾーン温度推定値の増加に伴ってGeが増加する請求項16に記載の方法。
  18. 前記TPの値に、
    OverSet・(1+K/GA)
    が加算され、ここで、
    OverSet=X・(TGT(P)−FSet)
    であり、Xは補正値であって、
    FSet=FSet+Y・(TGT(P)−FSet)
    であり、Yは、ループルーチンでFsetの単一の値を得るアルゴリズムにおいて前記Fsetの方程式を利用するために任意に設定される乗数である請求項13に記載の方法。
  19. 請求項13に記載の方法であって、更に、方程式
    GA=K・(TGT(P)−T−qs(P)・GL/K)/(CapacityTemperature−TGT(P))
    から最小空気質量流量を計算することを含み、
    ここで、CapacityTemperatureは、一定の冷却装置温度及び一定の加熱装置温度からなるグループから選択される値であり、前記キャビンに送られる前記調整空気の空気質量流量は、前記計算された最小空気質量流量に基づくものである方法。
  20. 前記キャビンに送られる空気の空気質量流量が、所定の制限条件に基づいて変化しうる質量流量を上回る所定の最大空気質量流量に限られる請求項19に記載の方法。
  21. 所定の制限条件に基づく前記可変の質量流量が様々なブロワ電圧と実質的に相互に関係し、前記最大空気質量流量が前記ブロワ電圧と実質的に相互に関係し、前記最大空気質量流量は、所定の制限条件に基づく前記空気質量流量に相当する電圧をたかだか約2ボルト上回る程度の相当ブロワ電圧に限られる請求項20に記載の方法。
  22. 請求項13に記載の方法であって、
    前記制限条件が、空気流と前記吹出口温度との関係における熱力学的条件因子を修正する人的条件因子を含み、
    更に、前記吹出口温度を修正しうる変化をもたらすような前記方程式の変数の漸進的な変化に応じて前記制限条件を繰り返し呼び出すことを含む方法。
  23. 前記第1ゾーン吹出口及び前記第2ゾーン吹出口から、前記キャビンに供給される前記調整空気の吹出口温度及び質量流量が、前記決定された吹出口温度及び質量流量にそれぞれ等しいものである請求項13に記載の方法。
  24. 少なくとも第1ゾーン及び第2ゾーンを備える自動車のキャビンの複数の環境制御ゾーンにおける環境を自動的に制御する自動環境制御装置であって、
    調整空気を前記キャビン内に吹き込むエアブロワと、
    前記第1ゾーンにて前記エアブロワと流体連通する空気吹出ベントと、
    前記第2ゾーンにて前記エアブロワと流体連通する空気吹出ベントと、
    前記エアブロワ、前記第1ゾーンベント及び前記第2ゾーンベントと流体連通する空気冷却装置及び空気加熱装置と、
    前記第1ゾーンに配置され、前記第1ゾーンの温度値の推定値を与える温度センサと、
    プロセッサ及びメモリを含む電子処理装置とを備え、
    前記メモリは複数の方程式を記憶し、前記複数の方程式は前記第1ゾーン吹出口及び前記第2ゾーン吹出口のそれぞれの前記空気吹出口温度及び質量流量についての方程式を含み、前記方程式は、
    前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンの目標温度値と、
    第1ゾーン温度値の推定値と、
    周囲空気温度値と、
    前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンのうちの少なくとも1つについての太陽光負荷熱流束値と、
    少なくとも第1ゾーン温度値の推定値に基づく第1ゾーンゲイン係数値と、
    前記キャビンと前記周囲空気との間の伝導/対流伝熱係数と、
    太陽光負荷透過有効ガラス面積と、
    前記キャビンの空気の混合に基づいた係数としてのゾーンエアクロスオーバ作用係数と、を含む変数に基づいており、
    前記電子処理装置は、前記吹出口温度と空気流との関係に対する所定の制限条件によって拘束される方程式に基づいて、前記ベントから吹き出している前記空気の質量流量及び温度を自動的に制御及び調節する自動環境制御装置。
  25. 更に前記空気加熱装置の中又は周りを通過して前記キャビンに入る空気の量を変える装置を含む請求項24に記載の装置。
  26. 請求項23に記載の自動環境制御システムを有する自動車。
  27. 前記第1ゾーン吹出口及び前記第2ゾーン吹出口から、前記キャビンに供給される調整空気の吹出口温度及び質量流量が、前記決定された吹出口温度及び質量流量にそれぞれ等しいものである請求項24の自動環境制御装置。
  28. 少なくとも第1ゾーン及び第2ゾーンを備える自動車のキャビンの複数の環境制御ゾーンにおける環境を制御する環境制御システムの少なくとも1つの構成要素を制御する環境制御装置であって、
    前記キャビンに吹き込まれている調整空気の質量流量を表す信号を受信する装置と、
    前記キャビンに吹き込まれている空気の加熱及び冷却を制御するための信号を出力する装置と、
    前記キャビンに吹き込まれている空気の前記質量流量を制御するための信号を出力する装置と、
    前記キャビン内で検出された温度を表す信号を受信する装置と、
    少なくとも複数の方程式に基づくアルゴリズムを記憶する装置であって、前記複数の方程式が第1ゾーン吹出口及び第2ゾーン吹出口のそれぞれの空気吹出口温度及び質量流量についての方程式を含み、前記方程式は、
    前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンの目標温度値と、
    第1ゾーン温度値の推定値と、
    周囲空気温度値と、
    前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンのうちの少なくとも1つについての太陽光負荷熱流束値と、
    少なくとも第1ゾーン温度値の推定値に基づく第1ゾーンゲイン係数値と、
    前記キャビンと周囲空気との間の伝導/対流伝熱係数と、
    太陽光負荷透過有効ガラス面積と、
    前記キャビンの空気の混合に基づいた係数としてのゾーンエアクロスオーバ作用係数と、を含む変数に基づいている装置と、
    前記第1ゾーン及び第2ゾーン吹出口温度と空気流との関係に対する複数の所定の制限条件を記憶する装置とを備え、
    前記制御装置は、前記吹出口温度と空気流との関係に対する所定の制限条件によって拘束される方程式に基づいて、前記ベントから吹き出している空気の質量流量及び温度を制御及び調節するための信号を自動的に出力する。
  29. 少なくとも第1ゾーン及び第2ゾーンを備え、前記第1ゾーンに配置された温度センサと、前記第2ゾーンに配置された温度センサと、前記ゾーンの各々に調整空気吹出ベントとを有する自動車のキャビンの複数の環境制御ゾーンにおける環境を自動的に制御する方法であって、
    前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンの目標温度値を得ること、
    前記第1ゾーン温度センサ及び前記第2ゾーン温度センサからそれぞれ前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンの温度値の推定値を得ること、
    周囲空気温度値を得ること、
    前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンのうちの少なくとも1つについて太陽光負荷熱流束値を得ること、
    前記第1ゾーン温度値の推定値に基づくゲイン係数値及び前記第2ゾーン温度値の推定値に基づくゲイン係数値のうちの少なくとも1つを得ること、
    少なくとも上記得られた各値と、前記キャビンと周囲空気との間の伝導/対流伝熱係数と、太陽光負荷透過有効ガラス面積と、前記キャビン内の空気の混合に基づいた係数としてのゾーンエアクロスオーバ作用係数と、吹出口温度と空気流との関係に対する所定の制限条件とに基づいて、第1ゾーン吹出口及び第2ゾーン吹出口のそれぞれの吹出口温度及び質量流量を自動的に決定すること、
    前記決定された吹出口温度及び質量流量と相互に関係する吹出口温度及び質量流量で、前記第1ゾーン吹出口及び前記第2ゾーン吹出口から前記キャビンへ調整空気を供給することを含む方法。
  30. 前記ゾーンエアクロスオーバ作用係数が可変でありかつ空気分配モードに依存する請求項29に記載の方法。
  31. 前記第1ゾーンに供給される調整空気の質量流量が前記第2ゾーンに供給される調整空気の質量流量と略同じである請求項29に記載の方法。
  32. 請求項31に記載の方法であって、更に、
    前記キャビンと前記周囲空気との間の伝導/対流伝熱係数と、前記第2ゾーン目標温度値と、前記周囲空気温度値と、前記第2ゾーンについての太陽光負荷熱流束値と、前記太陽光負荷透過有効ガラス面積と、一定の冷却装置温度及び一定の加熱装置温度からなるグループから選ばれる能力温度値と、に基づいて、最小空気質量流量を計算することを含み、
    前記キャビンに送られる前記調整空気の空気質量流量は、前記計算された最小空気質量流量に基づく方法。
  33. 前記キャビンに送られる空気の空気質量流量が、所定の制限条件に基づいて変化しうる質量流量を上回る所定の最大空気質量流量に限られる請求項32に記載の方法。
  34. 所定の制限条件に基づく前記可変の質量流量が様々なブロワ電圧と実質的に相互に関係し、前記最大空気質量流量が前記ブロワ電圧と実質的に相互に関係し、前記最大空気質量流量は、所定の制限条件に基づく前記空気質量流量に相当する電圧をたかだか約2ボルト上回る程度の相当ブロワ電圧に限られる請求項33に記載の方法。
  35. 前記第1ゾーン吹出口及び前記第2ゾーン吹出口から、前記キャビンに供給される前記調整空気の吹出口温度及び質量流量が、前記決定された吹出口温度及び質量流量にそれぞれ等しいものである請求項29に記載の方法。
  36. 少なくとも第1ゾーン及び第2ゾーンを備え、前記第1ゾーンに配置された温度センサと、前記第2ゾーンに配置された温度センサと、前記ゾーンの各々に空気吹出ベントとを有する自動車のキャビンの複数の環境制御ゾーンにおける環境を自動的に制御する方法であって、
    少なくとも方程式
    D=[TGT(D)+{Ge(D)・(TGT(D)−RMd)+K・(TGT(D)−T)−qs(D)・GL}/GA(D)−R・T]/(1−R)
    及び
    P=[TGT(P)+{Ge(P)・(TGT(P)−RMp)+K・(TGT(P)−T)−qs(P)・GL}/GA(P)−R・T]/(1−R)
    ここで、
    D=第1ゾーン吹出口温度、
    P=第2ゾーン吹出口温度、
    TGT(D)=第1ゾーン目標温度、
    TGT(P)=第2ゾーン目標温度、
    Ge(D)=第1ゾーン温度値の推定値に基づくゲイン係数、
    Ge(P)=第2ゾーン温度値の推定値に基づくゲイン係数、
    RMd=センサによる第1ゾーン温度推定値、
    RMp=センサによる第2ゾーン温度推定値、
    s(D)=第1ゾーン太陽光負荷熱流束、
    s(P)=第2ゾーン太陽光負荷熱流束、
    GL=太陽光負荷透過有効ガラス面積、
    =周囲温度、
    GA(D)=前記第1ゾーンの空気質量流量、
    GA(P)=前記第2ゾーンの空気質量流量、
    K=前記キャビンと周囲空気との間の伝導または対流伝熱係数、
    R=ゾーンクロスオーバ作用係数、
    =前記第2ゾーン側の真の吹出口温度(蒸発器温度≦T≦ヒーター空気吹出口温度)、
    =前記第1ゾーン側の真の吹出口温度(蒸発器温度≦T≦ヒーター空気吹出口温度)、
    に関係するアルゴリズムを利用することを少なくとも含み、
    D、TP、GA(D)及びGA(P)の関係に関する所定の制限条件を用いて上記方程式を解くことによりTD、TP及びGAを自動的に決定すること、
    前記決定された吹出口温度及び質量流量とそれぞれ相互に関係した吹出口温度及び質量流量で前記第1ゾーン吹出口及び前記第2ゾーン吹出口からキャビンに調整空気を供給することを含む方法。
  37. 前記第1ゾーン吹出口及び前記第2ゾーン吹出口から、前記キャビンに供給される調整空気の吹出口温度及び質量流量が、前記決定された吹出口温度及び質量流量にそれぞれ等しいものである請求項36に記載の方法。
  38. GA(D)がGA(P)に等しいか又は略等しい請求項37に記載の方法。
  39. Ge(D)がGe(P)に等しいか又は略等しい請求項37に記載の方法。
  40. 請求項38に記載の方法であって、更に、方程式
    GA(D/P)=K・(TGT(P)−T−qs(P)・GL/K)/(CapacityTemperature−TGT(P))
    から最小空気質量流量を計算することを含み、
    ここで、CapacityTemperatureは、一定の冷却装置温度及び一定の加熱装置温度からなるグループから選択される値であり、前記キャビンに送られる調整空気の空気質量流量は、前記計算された最小空気質量流量に基づくものである方法。
  41. 前記キャビンに送られる空気の空気質量流量が、所定の制限条件に基づいて変化しうる質量流量を上回る所定の最大空気質量流量に限られる請求項40に記載の方法。
  42. 所定の制限条件に基づく前記可変の質量流量が様々なブロワ電圧と実質的に相互に関係し、前記最大空気質量流量が前記ブロワ電圧と実質的に相互に関係し、前記最大空気質量流量は、所定の制限条件に基づく前記空気質量流量に相当する電圧をたかだか約2ボルト上回る程度の相当同等ブロワ電圧に限られる請求項40に記載の方法。
  43. 少なくとも第1ゾーン及び第2ゾーンを備える自動車のキャビンの複数の環境制御ゾーンにおける環境を自動的に制御する自動環境制御装置であって、
    調整空気を前記キャビン内に吹き込むエアブロワと、
    前記第1ゾーンにて前記エアブロワと流体連通する空気吹出ベントと、
    前記第2ゾーンにて前記エアブロワと流体連通する空気吹出ベントと、
    前記エアブロワ、前記第1ゾーンベント及び前記第2ゾーンベントと流体連通する空気冷却装置及び空気加熱装置と、
    前記第1ゾーンに配置され、前記第1ゾーンの温度値の推定値を与える温度センサと、
    プロセッサ及びメモリを含む電子処理装置とを備え、
    前記メモリは複数の方程式を記憶し、前記複数の方程式は前記第1ゾーン吹出口及び前記第2ゾーン吹出口のそれぞれの前記空気吹出口温度及び質量流量についての方程式を含み、前記方程式は、
    前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンの目標温度値と、
    第1ゾーン温度値の推定値と、
    周囲空気温度値と、
    前記第1ゾーン及び前記第2ゾーンのうちの少なくとも1つについての太陽光負荷熱流束値と、
    少なくとも第1ゾーン温度値の推定値に基づく第1ゾーンゲイン係数値と、
    前記キャビンと前記周囲空気との間の伝導/対流伝熱係数と、
    太陽光負荷透過有効ガラス面積と、
    前記キャビンの空気の混合に基づいた係数としてのゾーンエアクロスオーバ作用係数と、を含む変数に基づいており、
    前記電子処理装置は、前記吹出口温度と空気流との関係に対する所定の制限条件によって拘束される方程式に基づいて、前記ベントから吹き出している前記空気の質量流量及び温度を自動的に制御及び調節する自動環境制御装置。
  44. 前記第1ゾーンがドライバーゾーンであり、前記第2ゾーンがパッセンジャーゾーンである請求項1に記載の方法。
  45. 前記第1ゾーンがドライバーゾーンであり、前記第2ゾーンがパッセンジャーゾーンである請求項13に記載の方法。
  46. 前記第1ゾーンがドライバーゾーンであり、前記第2ゾーンがパッセンジャーゾーンである請求項24に記載の装置。
  47. 前記第1ゾーンがドライバーゾーンであり、前記第2ゾーンがパッセンジャーゾーンである請求項28に記載の装置。
  48. 前記第1ゾーンがドライバーゾーンであり、前記第2ゾーンがパッセンジャーゾーンである請求項29に記載の方法。
  49. 前記第1ゾーンがドライバーゾーンであり、前記第2ゾーンがパッセンジャーゾーンである請求項36に記載の方法。
  50. 前記第1ゾーンがドライバーゾーンであり、前記第2ゾーンがパッセンジャーゾーンである請求項43に記載の装置。
  51. 少なくとも第1ゾーン及び第2ゾーンを備え、第1ゾーンに配置された温度センサと、前記ゾーンの各々に調整空気吹出ベントとを有する自動車のキャビンの複数の環境制御ゾーンにおける環境を自動的に制御する方法であって、
    少なくとも方程式
    D=[TGT(D)+{Ge・(TGT(D)−RMd)+K・(TGT(D)−T)−qs(D)・GL}/GA−R・TP]/(1−R)
    及び
    P=TD+{(TGT(P)−TGT(D))・(1+K/GA)−(qs(P)−qs(D))・GL/GA}/(1−R)
    ここで、
    D=第1ゾーン吹出口温度、
    P=第2ゾーン吹出口温度、
    TGT(D)=第1ゾーン目標温度、
    TGT(P)=第2ゾーン目標温度、
    Ge=ゲイン係数、
    RMd=センサによる第1ゾーン温度推定値、
    s(D)=第1ゾーン太陽光負荷熱流束、
    s(P)=第2ゾーン太陽光負荷熱流束、
    GL=太陽光負荷透過有効ガラス面積、
    =周囲温度、
    GA=空気質量流量、
    K=前記キャビンと周囲空気との間の伝導または対流伝熱係数、
    R=ゾーンクロスオーバ作用係数、
    に関係するアルゴリズムを利用することを少なくとも含み、
    D、TP及びGAの関係に関する所定の制限条件を用いて上記方程式を解くことによりTD、TP及びGAを自動的に決定すること、
    前記決定された吹出口温度及び質量流量とそれぞれ相互に関係した吹出口温度及び質量流量で前記第1ゾーン吹出口及び前記第2ゾーン吹出口から前記キャビンに調整空気を供給することを含む方法。
  52. 少なくとも第1ゾーン及び第2ゾーンを備え、前記第1ゾーンに配置された温度センサと、前記第2ゾーンに配置された温度センサと、前記ゾーンの各々に空気吹出ベントとを有する自動車のキャビンの複数の環境制御ゾーンにおける環境を自動的に制御する方法であって、
    少なくとも方程式
    D=[TGT(D)+{Ge(D)・(TGT(D)−RMd)+K・(TGT(D)−T)−qs(D)・GL}/GA(D)−R・TP]/(1−R)
    及び
    P=[TGT(P)+{Ge(P)・(TGT(P)−RMp)+K・(TGT(P)−T)−qs(P)・GL}/GA(P)−R・TD]/(1−R)
    ここで、
    D=第1ゾーン吹出口温度、
    P=第2ゾーン吹出口温度、
    TGT(D)=第1ゾーン目標温度、
    TGT(P)=第2ゾーン目標温度、
    Ge(D)=第1ゾーン温度値の推定値に基づくゲイン係数、
    Ge(P)=第2ゾーン温度値の推定値に基づくゲイン係数、
    RMd=センサによる第1ゾーン温度推定値、
    RMp=センサによる第2ゾーン温度推定値、
    s(D)=第1ゾーン太陽光負荷熱流束、
    s(P)=第2ゾーン太陽光負荷熱流束、
    GL=太陽光負荷透過有効ガラス面積、
    =周囲温度、
    GA(D)=前記第1ゾーンの空気質量流量、
    GA(P)=前記第2ゾーンの空気質量流量、
    K=前記キャビンと周囲空気との間の伝導または対流伝熱係数、
    R=ゾーンクロスオーバ作用係数、
    に関係するアルゴリズムを利用することを少なくとも含み、
    D、TP、GA(D)及びGA(P)の関係に対する所定の制限条件を用いて上記方程式を解くことによりTD、TP及びGAを自動的に決定すること、
    前記決定された吹出口温度及び質量流量とそれぞれ相互に関係した吹出口温度及び質量流量で前記第1ゾーン吹出口及び前記第2ゾーン吹出口からキャビンに調整空気を供給することを含む方法。

JP2004049627A 2003-02-26 2004-02-25 熱流束解析を利用した2ゾーン自動環境制御アルゴリズム Expired - Fee Related JP3872480B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US10/373,202 US6782945B1 (en) 2003-02-26 2003-02-26 Dual zone automatic climate control algorithm utilizing heat flux analysis

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004256101A JP2004256101A (ja) 2004-09-16
JP3872480B2 true JP3872480B2 (ja) 2007-01-24

Family

ID=32771426

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004049627A Expired - Fee Related JP3872480B2 (ja) 2003-02-26 2004-02-25 熱流束解析を利用した2ゾーン自動環境制御アルゴリズム

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6782945B1 (ja)
EP (1) EP1452356B1 (ja)
JP (1) JP3872480B2 (ja)
DE (1) DE602004001242T2 (ja)

Families Citing this family (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10155410C1 (de) * 2001-11-10 2003-09-25 Preh Elektro Feinmechanik Verfahren zur Steuerung einer Klimaanlage für ein Fahrzeug
DE10302285B4 (de) * 2003-01-22 2006-05-04 Preh Gmbh Verfahren zur Bestimmung der Innenraumtemperatur eines Kfz-Fahrgastraumes, Anordnung zur Durchführung des Verfahrens sowie Temperatursensor
US20040149426A1 (en) * 2003-01-30 2004-08-05 Visteon Global Technologies, Inc. Method and system for controling an automotive multizone HVAC system
US6983889B2 (en) * 2003-03-21 2006-01-10 Home Comfort Zones, Inc. Forced-air zone climate control system for existing residential houses
US7392661B2 (en) * 2003-03-21 2008-07-01 Home Comfort Zones, Inc. Energy usage estimation for climate control system
US20050023363A1 (en) * 2003-05-29 2005-02-03 Sharma Ratnesh K. CRAC unit control based on re-circulation index
US7735744B2 (en) 2004-03-11 2010-06-15 Nissan Technical Center North America, Inc. Control of coolant flow rate for vehicle heating
ATE457238T1 (de) * 2004-12-07 2010-02-15 Behr Hella Thermocontrol Gmbh Modellbasiertes verfahren zur regelung einer kfz- klimaanlage
US7513439B2 (en) * 2005-09-15 2009-04-07 Nissan Technical Center North America, Inc. Automatic climate control system for vehicle
US20080256967A1 (en) * 2007-04-20 2008-10-23 Honda Motor Co., Ltd. Fitness factor for automatically adjusting a vehicle hvac system
US9681587B2 (en) 2007-08-30 2017-06-13 Pce, Inc. System and method for cooling electronic equipment
US20090301116A1 (en) * 2008-06-09 2009-12-10 Lear Corporation Climate controlling system
US8740104B2 (en) * 2008-06-30 2014-06-03 Chrysler Group Llc Variable electric auxiliary heater circuit pump
DE102009007414A1 (de) * 2009-02-04 2010-08-05 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Verfahren zur Temperatursteuerung in einem Fahrzeug
US8807445B2 (en) * 2009-03-12 2014-08-19 GM Global Technology Operations LLC Auxiliary heater pump control
KR100929210B1 (ko) * 2009-04-29 2009-12-01 주식회사 삼양발부종합메이커 정유량 자동제어장치
CN102472515B (zh) * 2009-07-31 2014-06-11 惠普开发有限公司 传感器的调试
US20110048825A1 (en) * 2009-08-28 2011-03-03 Gary Starr Air conditioner for electric car
JP5641425B2 (ja) * 2011-01-07 2014-12-17 いすゞ自動車株式会社 車室内の冷暖房システム
CN103328238B (zh) * 2011-01-21 2015-11-25 三电有限公司 车辆用空气调节装置
WO2014143187A1 (en) * 2013-03-15 2014-09-18 Michael Armstrong Lifing and performance optimization limit management for turbine engine
DE102013225579A1 (de) 2013-05-22 2014-11-27 Sms Siemag Ag Vorrichtung und Verfahren zur Steuerung und/oder Regelung eines Glüh- oder Wärmebehandlungsofens einer Metallmaterial bearbeitenden Fertigungsstraße
US9428035B2 (en) 2014-02-11 2016-08-30 Nissan North America, Inc. Vehicle HVAC noise control system
US9862248B2 (en) * 2014-02-26 2018-01-09 Nissan North America, Inc. Vehicle HVAC noise control system
KR101664684B1 (ko) 2015-04-27 2016-10-10 현대자동차주식회사 자동차용 공조장치 제어 시스템 및 방법
US10625568B2 (en) 2015-10-09 2020-04-21 Volvo Truck Corporation Energy consumption of a multiple zone heating, ventilating and air conditioning system for a vehicle and method
KR102563472B1 (ko) * 2016-12-15 2023-08-04 현대자동차주식회사 대형차량의 멀티존 에어컨 시스템 및 그 제어방법
US10393595B2 (en) * 2017-01-12 2019-08-27 GM Global Technology Operations LLC Estimating a cabin temperature of a vehicle
US10479163B2 (en) * 2017-11-14 2019-11-19 GM Global Technology Operations LLC Method for controlling a thermal comfort control system for ride share vehicles
CN109318681A (zh) * 2018-10-29 2019-02-12 珠海格力电器股份有限公司 一种车辆热管理方法、系统及车辆
CN110704946B (zh) * 2019-09-22 2023-04-07 中国航空工业集团公司沈阳飞机设计研究所 一种飞机舱温计算方法
US11407278B2 (en) * 2019-09-26 2022-08-09 GM Global Technology Operations LLC Vehicle cabin thermal management system

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3416993B2 (ja) * 1993-07-20 2003-06-16 株式会社デンソー 空調装置
US5553661A (en) * 1995-10-23 1996-09-10 Delco Electronics Corporation Solar position correction for climate control system
US5832990A (en) 1995-11-30 1998-11-10 Nissan Research & Development, Inc. Automatic temperature control method and apparatus for an automotive vehicle
JP3633072B2 (ja) * 1996-01-11 2005-03-30 株式会社デンソー 車両用空調装置
FR2761305B1 (fr) * 1997-03-25 1999-06-18 Valeo Climatisation Dispositif de chauffage-ventilation pour vehicule automobile a commande selective selon les zones de l'habitacle
US5995889A (en) 1997-11-26 1999-11-30 Nissan Research & Development, Inc. Automatic temperature control method and apparatus for an automotive vehicle
US6272871B1 (en) 2000-03-30 2001-08-14 Nissan Technical Center North America Air conditioner with energy recovery device
US6272873B1 (en) 2000-04-13 2001-08-14 Hi-2 Technology, Inc. Self powered motor vehicle air conditioner

Also Published As

Publication number Publication date
EP1452356B1 (en) 2006-06-21
US20040164171A1 (en) 2004-08-26
EP1452356A1 (en) 2004-09-01
US6782945B1 (en) 2004-08-31
DE602004001242D1 (de) 2006-08-03
JP2004256101A (ja) 2004-09-16
DE602004001242T2 (de) 2007-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3872480B2 (ja) 熱流束解析を利用した2ゾーン自動環境制御アルゴリズム
US7640753B2 (en) Control method for thermal regulation of a vehicle seat
US10696136B2 (en) Method for motor vehicle interior climate control
US6173902B1 (en) Method and system for controlling an automotive HVAC system based on the principle of HVAC work
CN100368221C (zh) 冷却液流量控制方法及设备
JP2778213B2 (ja) 車両用空調制御装置
JP3239378B2 (ja) 車両用空調装置
US10279650B2 (en) Adaptive vehicle climate control system and method
EP1340635B1 (en) Adaptive automatic climate control method for a motor vehicle
US5725052A (en) Dual zone air-conditioning system for motor vehicles with improved air flow rate
US11407278B2 (en) Vehicle cabin thermal management system
KR101940729B1 (ko) 자동차의 내부 온도의 멀티존 조절 방법 및 관련 에어­컨디셔닝 시스템
US20220388372A1 (en) Automotive seat based microclimate system
WO2021158860A1 (en) Thermal conditioning system including segmented architecture
US20230063435A1 (en) Vehicle microclimate personalization based on occupant thermophysiology
US20220388366A1 (en) Automotive seat based microclimate system
US20230036016A1 (en) Thermophysiologically-based microclimate control system
JP2015182697A (ja) 車両用空調装置
KR101677454B1 (ko) 차량용 공조장치
US6712280B2 (en) Deep mass compensation for a vehicle automatic climate control
US6732938B1 (en) Quasi-steady-state control method for a vehicle automatic climate control
JP3186383B2 (ja) 車両用空調装置
US6224478B1 (en) Climate control system
JPH0495518A (ja) 車両用空調制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060712

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061003

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061019

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091027

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101027

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111027

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121027

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121027

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131027

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees