JPH09123663A - パイプ式ボールペンチップの製造方法 - Google Patents
パイプ式ボールペンチップの製造方法Info
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- JPH09123663A JPH09123663A JP7303451A JP30345195A JPH09123663A JP H09123663 A JPH09123663 A JP H09123663A JP 7303451 A JP7303451 A JP 7303451A JP 30345195 A JP30345195 A JP 30345195A JP H09123663 A JPH09123663 A JP H09123663A
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Abstract
の製造方法に関し、極小ボールを採用したにもかかわら
ず、長期にわたりボールを安定的に抱持でき、滑らかな
筆記が可能な細字用ボールペンチップを得る。 【解決手段】製造方法は、塑性変形を利用した三つの工
程、即ち、エッジ部形成工程、ボール受け座形成工程、
及びカシメ工程からなる。採用するボール6の外径Aは
0.5mmより小さい。エッジ部形成工程で、角度αが
25度〜45度のエッジ部3を形成する。また、カシメ
工程でのエッジ部3の折り曲げ角度βを15度〜25度
とする。さらに、ボール露出量Lを、ボール外径Aの2
5%〜35%とする。
Description
加工することによって得られるパイプ式ボールペンチッ
プの製造方法に関する。特に、細字筆記に最適な極小ボ
ールを採用したパイプ式ボールペンチップの製造方法に
関する。
て、先端小口部には、斜め書き時に小口部を紙面と接触
させずに滑らかな筆記が可能なよう、20度前後(本願
の角度αに相当)のテーパ部を備えた先細状エッジ部が
形成されている。前記先細状エッジ部は、金属製細管内
にセンターピンを挿入した状態で、該細管先端の外周面
に回転ローラーを圧接させることによる塑性変形によっ
て形成される。
いて、適用するボールは、外径が0.5mm〜0.7m
mの比較的大径であり、細管も、そのボール外径に比例
して比較的厚肉である。そのため、前記先細状エッジ部
は、ボールを抱持するのに十分な強度を有しており、そ
のテーパ部の角度についても余り考慮されていない。
分への書き込みに最適な細字用のボールペンチップにつ
いて、市場からの要望が高い。その目的で、ボールの外
径が0.5mmより小さい極小ボールを採用すると、細
管の肉厚(即ちエッジ部)も塑性加工上、薄肉としなけ
ればならなず、エッジ部の強度が低下する。
径を小径にすると、ボールペンチップ先端から露出した
ボール6aは、筆記時に紙面7に容易に埋没し(特に、
複数枚の重ねた状態の紙面7に筆記するときに著しく埋
没し)、それにより、エッジ部3a外面(即ち、カシメ
部5a外面)が紙面7に接触し易くなる。その結果、筆
記の際、円滑な筆記が妨げられるばかりか、エッジ部3
a外面が紙面との接触によって磨耗するため、エッジ部
3aが短期間で薄肉となりがちである。したがって、従
来のエッジ部では、小径のボールを長期に渡ってボール
を安定して抱持するための強度が不十分であり、短期間
でボールの脱落を生じさせ易い。
題点を解決するものであって、極小のボールを採用した
にもかかわらず、長期にわたりボールを安定的に抱持で
きるととともに滑らかな筆記が可能であり、しかも、製
造が容易な細字用のパイプ式ボールペンチップの製造方
法を提供しようとするものである。
し、該細管2の外周面に回転ローラー33を圧接させる
ことによる塑性変形によって、該細管2の先端に先細状
のエッジ部3を形成するエッジ部形成工程と、細管2の
先端近傍に内方への押圧変形によってボール受け座4を
形成するボール受け座形成工程と、前記ボール受け座4
の前側にボール6を挿入した後、前記エッジ部3の先端
を内方へ折り曲げてボール6を回転可能に抱持させるカ
シメ工程とからなるパイプ式ボールペンチップの製造方
法であって、適用するボール6の外径が、0.5mmよ
り小であるとともに、前記エッジ部形成工程で形成され
るエッジ部3の角度αが、25度〜45度であることを
要件とする。
を内方へテーパ状に折り曲げる場合、その折り曲げ角度
βは、15度〜25度であることが好ましい。
からのボール6の露出量Lは、ボール外径Aの25%〜
35%であることが好ましい。
肉となる先細形状であり、そして、エッジ部形成工程直
後のエッジ部3の外面と内面のなす角度をαとする(図
2参照)。前記角度αが、25度より小である場合、全
体に薄肉となり、十分な強度を有しておらず、紙面との
磨耗により短期間でボール6が脱落する。一方、前記角
度αが、45度より大では、エッジ部3の折り曲げ箇所
での肉厚が厚く、折り曲げ変形が困難である。特に、前
記角度αは、エッジ部3が、十分な強度と容易な折り曲
げ加工性を有する点で、30度〜40度が好ましい。
場合、折り曲げ箇所が、先細状エッジ部3の先端よりか
なり後方位置になるため、先細状エッジ部3の折り曲げ
箇所での肉厚が厚くなり過ぎ、ボール6を抱持させるの
に十分な大きさのカシメ部5を形成するための折り曲げ
が困難である。一方、折り曲げ角度βが、25度より大
の場合、適宜のボール露出量Lを維持しようとすると、
先細状エッジ部3の折り曲げ量が少くなり、即ち、ボー
ル6の抱持のために形成されたカシメ部5は、小さくな
って耐久性が低下する。
径Aの25%より小であるとき、筆記の際(特に、ペン
を紙面に対して極端に横に倒したり、高い筆記圧で使用
する場合)、エッジ部3が紙面と接触し易くなり、円滑
な筆記感が得られない。一方、ボール露出量Lが、ボー
ル外径Aの35%より大であるとき、該ボール露出量L
が過大であるため、いかなるエッジ部3の角度αや折り
曲げ角度βに設定しても、ボール6は容易に脱落してし
まう。
具体的には、オーステナイト系のSUS304、SUS
305、SUS321等のステンレス鋼が好ましい。
〜0.45mmのものが好ましい。なぜなら、ボール外
径Aが0.25mmより小の場合、チップ先端が尖鋭に
なり過ぎ、筆記時に紙面を破るおそれがあるからであ
る。実際には、前記ボール6は、0 3mm、又は0.
4mmのものが有効である。
ーピン32を挿入した状態で、該細管2の中央部外面
に、両側にテーパ部(角度αに相当する)を備えた回転
ローラー33を圧接させ、該細管2を塑性変形によって
二等分に切断することによって、一本の細管2からテー
パ状のエッジ部3を備えた細管2を2本同時に製造する
方法(図1参照)、あるいは、細管2の先端にセンター
ピン32を挿入した状態で、該細管2先端に、片側にテ
ーパ部を備えた回転ローラー33を圧接させ、塑性変形
によってテーパ状のエッジ部3を形成する方法等、挙げ
ることができる。
たはエッジ部形成工程を行った後、あるいはエッジ部形
成工程と同時等、カシメ工程前なら何時でもよいが、製
造が容易な点で、エッジ部形成工程の後に行うことが最
も好ましい。また、ボール受け座形成工程では、ボール
受け座4は、複数のポンチ41によって金属製細管2の
先端近傍の側壁を外方から径方向内方へ押圧塑性変形さ
せ、複数の内方突起によって構成されるものが有効であ
る(図3参照)。具体的には、3個または4個の内方突
起が製造上、好ましい。この他にも、前記ボール受け座
4は、細管2の先端近傍の側壁を環状に縮径した構成で
もよい。
3をテーパ状に折り曲げることが好ましい。この他に
も、エッジ部3をアール状に丸く折り曲げることも可能
である。
イプ式ボールペンチップ1は、ボール6が外径0.5m
mより小であるため、紙面にボール6が容易に埋没し、
エッジ部3外面が紙面によって磨耗しがちであるが、カ
シメ工程前のエッジ部形成工程で形成されるエッジ部3
の角度αを、25度〜45度に設定することによって、
折り曲げ加工が困難でない程度に、従来よりもエッジ部
3を厚肉にしてエッジ部3の耐久性を向上させることが
できる。その結果、極小のボール6であっても、短期間
で脱落することがなく、長期にわたり安定的にボール6
を抱持することが可能となる。
部3先端を内方へテーパ状に折り曲げる場合、その折り
曲げ角度βを、15度〜25度に設定したことによっ
て、前記エッジ部3の折り曲げ変形が容易となるばかり
か、長期にわたり安定したボール6の抱持が可能な適宜
な大きさのカシメ部5を形成できる。即ち、前記範囲の
折り曲げ角度βは、25度〜45度の角度αを備えたエ
ッジ部3に対して最適である。
されるエッジ部3先端からのボール6の露出量Lが、ボ
ール外径Aの25%〜35%であることによって、脱落
しない程度にボール6を露出させ、エッジ部3を紙面と
出来るかぎり接触しないようにして、滑らかな筆記が可
能なボールペンチップを得ることができる。
の製造方法の一実施例を図面に従って順に説明する(図
1〜図6参照)。即ち、製造方法は、エッジ部形成工程
(第1工程)と、ボール受け座形成工程(第2工程)
と、カシメ工程(第3工程)の三工程からなる。
参照)。ステンレス製円筒状細管2(均一肉厚を有する
長手寸法12mmのストレ−ト状パイプ)を採用する。
前記細管2内に金属製棒状体よりなるセンターピン32
を挿入した状態で、該細管2側面中央に、両側に角度α
のためのテーパ面を有する2つの回転ローラー33を圧
接させる。前記回転ローラー33は、回転方向及び回転
速度を同じに設定され、その間隙で細管2を転動させ、
塑性変形によって細管2を中央で二等分に切断する(図
1参照)。その後、細管2内からセンターピン32を抜
き取る。前記回転ローラー33のテーパ面によって、そ
れぞれの細管2の端部には、角度αのテーパ部31を備
えた円錐面状のエッジ部3が形成される(図2参照)。
(図3、図4参照)。前記エッジ部形成工程で得られた
細管2のエッジ部3側に、尖頭状のガイドピン42を挿
入し、前記細管2のエッジ部3後方の側壁を、前記ガイ
ドピン42とで挟圧するよう、3本の尖頭状のポンチ4
1によって径方向内方に押圧塑性変形させ、ボール受け
座4となる3つの内方突起を周状等間隔に形成する。
6参照)。前記ボール受け座形成工程で得られた細管2
のボール受け座4前側に、ボール6を挿入し、その後、
円錐面状内面を有するカシメダイス51の圧接により先
細状エッジ部3をテーパ状に内方へ折り曲げ、カシメ部
5を形成する。前記カシメダイス51は、エッジ部3の
テーパ部31の角度αよりβだけ大きいテーパ角度を有
し、エッジ部3を、その角度β分だけ内方へ折り曲げ
る。
5度に設定され、折り曲げ角度βは20度に設定され、
さらに、ボール露出量Lはボール外径Aの32%に設定
された。また、具体的には、採用するボール6の外径A
が0.3mmの場合、前記細管2は、外径:0.5m
m、内径:0.32mmであり、採用するボール6の外
径Aが0.4mmの場合、前記細管2は、外径:0.6
5mm、内径:0.42mmであった。
チップ(実施例1・2、及び比較例)のボール脱落試験
の結果を表1に示す。表1は、エッジ部3のテーパ部3
1の角度αを、20度,25度、35度の3種類のボー
ルペンチップ(折り曲げ角度β:20度、及びボール外
径A:0.3mmは共通)を5本づつ用意し、該ボール
ペンチップを剪断減粘性を有する水性インキを収容した
インキ収容筒に取り付けてボールペンを組み立て、該ボ
ールペンを走行筆記試験機によって自転させながらジク
ザク筆記した結果である。但し、筆記角度は、紙面に対
して60度であり、筆記荷重は、垂直方向に150グラ
ムである。また、筆記用紙は、硬質塩化ビニル樹脂製板
よりなる下敷の上に、3枚重ねられてセットされた。さ
らに、ボール脱落のチェックは、筆記距離200mmお
きにボールペンチップ先端を粘着テープの粘着面に当接
させて行った。また、筆記距離1400mmを筆記させ
た後のボールペンは、インキ収容筒に充填されたインキ
のほとんどが消費されており、このことから、筆記距離
1400mmを筆記可能なものは、長期にわたり筆記可
能であると推測される。
ールペンチップは、紙面にボールが容易に埋没し、エッ
ジ部外面が紙面によって磨耗しがちである外径0.5m
mより小さい極小ボールであるにもかかわらず、カシメ
工程前のエッジ部形成工程で形成されるエッジ部の角度
αを、25度〜45度に設定することによって、折り曲
げ加工が困難でない程度に、従来よりもエッジ部を厚肉
にしてエッジ部の耐久性を向上させることができる。そ
の結果、極小のボールであっても、短期間でボールが脱
落することがなく、長期にわたり安定的にボールを抱持
することが可能となる。
部先端を内方へテーパ状に折り曲げる場合、その折り曲
げ角度βを、15度〜25度に設定したことによって、
前記エッジ部の折り曲げ変形が容易であるとともに、長
期にわたり安定したボール抱持が可能な適宜な大きさの
カシメ部を形成できる。即ち、前記範囲の折り曲げ角度
βは、25度〜45度の角度αを備えたエッジ部(請求
項1)に対して有効である。
ールの露出量Lが、ボール外径Aの25%〜35%であ
ることによって、脱落しない程度にボールを露出させ、
エッジ部を紙面と出来るかぎり接触しないようにし、滑
らかな筆記が可能なボールペンチップを得ることができ
る。
ある。
拡大断面図である。
図である。
プの要部拡大断面図である。
要部拡大断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】金属製細管(2)内にセンターピン(3
2)を挿入し、該細管(2)の外周面に回転ローラー
(33)を圧接させることによる塑性変形によって、該
細管(2)の先端に先細状のエッジ部(3)を形成する
エッジ部形成工程と、細管(2)の先端近傍に内方への
押圧変形によってボール受け座(4)を形成するボール
受け座形成工程と、前記ボール受け座(4)の前側にボ
ール(6)を挿入した後、前記エッジ部(3)の先端を
内方へ折り曲げてボール(6)を回転可能に抱持させる
カシメ工程とからなるパイプ式ボールペンチップの製造
方法であって、適用するボール(6)の外径(A)が、
0.5mmより小であるとともに、前記エッジ部形成工
程で形成されるエッジ部(3)の角度(α)が、25度
〜45度であることを特徴とするパイプ式ボールペンチ
ップの製造方法。 - 【請求項2】カシメ工程でエッジ部(3)先端を内方へ
テーパ状に折り曲げてなり、その折り曲げ角度(β)
が、15度〜25度である請求項1のパイプ式ボールペ
ンチップの製造方法。 - 【請求項3】エッジ部(3)先端からのボール(6)の
露出量(L)が、ボール外径(A)の25%〜35%で
ある請求項1又は2のパイプ式ボールペンチップの製造
方法。
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- 1995-10-26 JP JP30345195A patent/JP3840275B2/ja not_active Expired - Fee Related
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