JPH09123617A - 可逆性感熱発色組成物、およびそれを用いた可逆性記録媒体 - Google Patents

可逆性感熱発色組成物、およびそれを用いた可逆性記録媒体

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JPH09123617A
JPH09123617A JP8235791A JP23579196A JPH09123617A JP H09123617 A JPH09123617 A JP H09123617A JP 8235791 A JP8235791 A JP 8235791A JP 23579196 A JP23579196 A JP 23579196A JP H09123617 A JPH09123617 A JP H09123617A
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恭治 筒井
Masaru Shimada
勝 島田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性の良好な可逆性感熱発色組成物及
び可逆性感熱記録媒体を提供すること。 【解決手段】 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化
合物を用い、加熱温度及び/又は加熱後の冷却速度の違
いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成し
うる可逆性熱発色性組成物において、電子受容性化合物
として下記一般式(1)で表わされる化合物を用いるこ
とを特徴とする可逆性感熱発色組成物。 【化1】 (式中、Aは電子供与性呈色性化合物を発色しうる顕色
部を表わし、Rはヘテロ原子を含む2価の芳香族基を含
んでいてもよい主鎖部の炭素数8以上の脂肪族炭化水素
基を、また、Xはヘテロ原子を含む会合性の基を表わ
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子供与性呈色性
化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した
可逆性感熱発色組成物に関する。また本発明は、その可
逆性感熱発色組成物を用い、熱エネルギーを制御するこ
とにより発色画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記録
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子供与性呈色性化合物(以下、
発色剤又はロイコ染料ともいう)と電子受容性化合物
(以下、顕色剤ともいう)との間の発色反応を利用した
感熱記録媒体は広く知られており、ファクシミリ、ワー
ドプロセッサ、科学計測機などのプリンタに使用されて
いる。しかし、これらの実用化されている従来の記録媒
体はいずれも不可逆的な発色であり、一度記録した画像
を消去して繰り返して使用することはできない。
【0003】一方、特許公報によれば発色と消色を可逆
的に行なうことができる記録媒体も提案されており、例
えば、顕色剤として没食子酸とフロログルシノールを組
み合わせて用いるもの(特開昭60−193691号公
報)、顕色剤にフェノールフタレインやチモールフタレ
インなどの化合物を用いるもの(特開昭61−2376
84号公報)、発色剤と顕色剤とカルボン酸エステルの
均質相溶体を記録層に含有するもの(特開昭62−13
8556号公報、特開昭62−138568号公報及び
特開昭62−140881号公報)、顕色剤にアスコル
ビン酸誘導体を用いたもの(特開昭63−173684
号公報)、顕色剤にビス(ヒドロキシフェニル)酢酸又
は没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いるもの(特
開平2−188293号公報及び特開平2−18829
4号公報)などが開示されている。しかしながら、以上
に示した従来の可逆性感熱記録媒体は、発色の安定性と
消色性の両立という点、或いは発色の濃度や繰り返しに
おける安定性という点で問題を残しており、実用的な記
録媒体として満足し得るものではない。
【0004】我々は、先に特開平5−124360号公
報において顕色剤として長鎖脂肪族炭化水素基をもつ有
機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物又はフェノー
ル化合物を用い、これと発色剤であるロイコ染料と組み
合わせることによって、発色と消色を加熱冷却条件によ
り容易に行わせることができ、しかもその発色状態と消
色状態を常温において安定に保持させることが可能であ
り、しかも発色と消色を安定して繰り返すことが可能な
可逆性発色組成物及びこれを記録層に用いた可逆性感熱
記録媒体を提案した。これは発色の安定性と消色性のバ
ランスや発色濃度の点で実用レベルの性能を持つもので
あるが、保存特性の面で改良すべき余地があった。その
後、長鎖脂肪族炭化水素基をもつフェノール化合物につ
いての特定の構造の使用が提案されているが(特開平6
−210954号公報)、これも同様の問題を持ってい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、保存
安定性の良好な可逆性感熱発色組成物及び可逆性感熱記
録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な発色剤と顕色剤の組成物の可逆的な発色消色現象で
は、長鎖脂肪族炭化水素基をもつ顕色剤の発色剤を発色
させる能力と分子間の凝集力のバランスが重要であると
考え、種々の構造の化合物を検討してきた。その結果、
長鎖炭化水素基の末端位に会合性の基を有する顕色剤を
用いることにより、上記の課題が解決できることを見い
出した。
【0007】本発明は電子供与性呈色性化合物の電子受
容性化合物による発色反応を利用した可逆性熱発色性組
成物において、本発明では電子受容性化合物として下記
一般式(1)で表わされる化合物を用いるものである。
【0008】
【化3】 (式中、Aは電子供与性呈色性化合物を発色しうる顕色
部を表わし、Rはヘテロ原子を含む2価の芳香族基を含
んでいてもよい主鎖部の炭素数8以上の脂肪族炭化水素
基を、また、Xはヘテロ原子を含む会合性の基を表わ
す。)
【0009】Aは電子供与性呈色性化合物を発色しうる
顕色部であり、好ましくは以下の構造のものが挙げられ
る。
【0010】
【化4】
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】 (式中、環Bはベンゼン環、ナフタレン環等の芳香環、
或いは複素環を示し、R1はアルキル基、アルコキシ
基、ハロゲン原子を表わす。また、nは1〜3を、mは
0〜3を表わす。Rは置換基を有していてもよい主鎖部
の炭素数が8以上の炭化水素基を示し、この中には2価
の芳香族炭化水素基を含んでいてもよい。また、脂肪族
炭化水素基は分枝した炭化水素基を有していてもよく、
不飽和結合を有していてもよい。炭化水素基につく置換
基としては、水酸基、ハロゲン、アルコキシ基等があ
る。また、Rの脂肪族炭化水素の炭素数が7以下では発
色の安定性や消色性が低下するため、炭素数は8以上が
好ましく、11以上であることがより好ましい。なお、
炭素数7以下の場合でも可逆性のない感熱記録媒体への
使用は可能である。) Rの好ましい例としては以下のものが挙げられる。
【0013】
【化7】 なお、式中のq、q'はそれぞれ前記Rの炭素数を満足
する整数、q”、q'''は0〜5の整数を表わす。ま
た、Rはヘテロ原子を含む2価の基を含んでいてもよ
く、例えば −Y−R2− −R3−Y−R2− で表わされる2価の基を示す。式中、R2、R3はRと同
様の2価の基を示し、また、Yはヘテロ原子を含む2価
の基を示し、好ましくは、
【0014】
【化8】 で表わされる基を少なくとも1個以上有する2価の基を
表わす。その例としては、下記のものが挙げられる。
【0015】
【化9】
【0016】また、Yはさらにアルキレン等の炭化水素
基を介してさらに上記のヘテロ原子を含む基を1個以上
有する2価の基でもよい。すなわち、以下に示される構
造の化合物が挙げられる。
【0017】
【化10】 ここで、R4は前記のRと同様の2価の基及び結合手を
示し、Y1およびZはYと同様の2価の基を表わす。ま
た、lは1〜4の整数を表わす。このとき繰り返される
Z及びR4はそれぞれ同一であっても、異なっていても
よい。また、lが1以上の場合は主鎖部の炭素数の和が
8以上である。
【0018】Xは会合性の基を示す。会合性の基とは水
素結合又は静電的相互作用、双極子相互作用、誘起極子
相互作用などの分子間相互作用を持つ基である。具体的
には例えば、次のようなヘテロ原子を含む基を少なくと
も1個以上有する基を表わす。
【0019】
【化11】 その例としては、下記のものが挙げられる。
【0020】
【化12】 本発明で用いられる好ましい化合物の例としては、下記
式(2)〜(7)で表わされる化合物が挙げられる。
【0021】
【化13】
【0022】
【化14】
【0023】
【化15】
【0024】
【化16】
【0025】
【化17】
【0026】
【化18】 また、例えば式(2)の構造で、ヘテロ原子を含む基を
複数含んだ下記式(8)で表わされる化合物も好ましい
構造の1つとして挙げられる。
【0027】
【化19】 式中のR1〜R4、X、Y、Z及びn、lは前記と同様で
ある。また、全く同様にして式(3)〜(7)に対して
ヘテロ原子を含む基を複数含む構造の化合物も挙げられ
る。また、例えば式(2)の構造で特に好ましい例とし
ては下記式で表わされる化合物が挙げられる。
【0028】
【化20】
【0029】
【化21】
【0030】
【化22】
【0031】
【化23】 式中のrは8以上である。また、式(3)〜(8)につ
いても同様なものが挙げられる。本発明におけるフェノ
ール化合物の更に具体的な例としては、例えば式(9)
の例として表1に示した化合物が挙げられる。また、他
の式で表わされる化合物もこれらと同様なものが具体例
として挙げられる。しかし、本発明は何等これらに限定
されるものではない。顕色剤構造の具体例を以下に示
す。
【0032】
【表1−1】
【0033】
【表1−2】
【0034】
【表1−3】
【0035】
【表1−4】
【0036】
【表1−5】
【0037】また、更に具体的なフェノール化合物とし
て例えば以下のものが挙げられる。その例として表1中
の下記式で表わされる化合物の具体的な例を表2に挙げ
る。なお、表1中の他の式で表わされる化合物について
も同様なものが挙げられる。但し、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0038】
【化24】 顕色剤の具体例を以下に示す。
【0039】
【表2】
【0040】本発明の可逆性感熱発色組成物は、基本的
に前記の顕色剤と発色剤を組み合わせることによって構
成されるものである。本発明で用いる発色剤は電子供与
性を示すものであり、それ自体無色あるいは淡色の染料
前駆体(ロイコ染料)であり、特に限定されず、従来公
知のもの、例えばトリフェニルメタンフタリド系化合
物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、ロ
イコオーラミン系化合物、インドリノフタリド系化合物
などから選択できる。その発色剤を以下に示す。本発明
に用いる好ましい発色剤として次の一般式の化合物があ
る。
【0041】
【化25】
【0042】
【化26】 (ただし、R1は水素または炭素数1〜4のアルキル
基、R2は炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル
基又は置換されていてもよいフェニル基を示す。フェニ
ル基に対する置換基としては、メチル基、エチル基など
のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキ
シ基又はハロゲン等が示される。R3は水素、炭素数1
〜2のアルキル基、アルコキシ基又はハロゲンを表わ
す。R4は水素、メチル基、ハロゲン又は置換されてい
てもよいアミノ基を表わす。アミノ基に対する置換基と
しては、例えば、アルキル基、置換されていてもよいア
リール基、置換されていてもよいアラルキル基を示す。
ここでの置換基はアルキル基、ハロゲン、アルコキシ基
などである。)このような発色剤の具体例としては、例
えば次の化合物が挙げられる。
【0043】2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチル
アミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ
(n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イ
ソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニ
リノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチル
アミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−
N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メ
チル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フル
オラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソア
ミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピ
ルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p
−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル
−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2
−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6
−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフルオロ
メチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3
−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミ
ノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−
3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N
−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−
エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−エチル−p−
トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−
トルイジノ)フルオラン、
【0044】2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−
N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o−クロロアニ
リノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−ク
ロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−
(m−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−(p−アセチルアニリノ)−6−
(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオラ
ン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トル
イジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−
メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−
ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチル
アニリノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−6−
(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベ
ンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フ
ルオラン、2−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)−6
−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−
(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p
−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−
(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ
−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−メチル
アミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2
−エチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)
フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチル−
2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−エチルア
ミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)
フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルア
ニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−
エチルアニリノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6
−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジ
エチルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フ
ルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−メチルア
ニリノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N
−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N
−メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N
−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N
−プロピルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−
(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミ
ノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−アミノ−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フ
ルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−エチル
アニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル
−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−
(N−プロピル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2
−アミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリ
ノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−2,
4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−
(N−プロピル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラ
ン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−クロロアニリ
ノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−
クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−
プロピル−p−クロロアニリノ)フルオラン、
【0045】2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフ
ルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイ
ジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラン、3
−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−
ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−ク
ロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フル
オラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチル
アミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−3−
クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−
(m−トリフルオロメチルアニリノ)−3−クロロ−6
−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジクロロ
アニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−イソアミルア
ミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジブチルアミ
ノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−メチル−N
−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ
−6−(N−エチル−N−トルイジノ)フルオラン、そ
の他。
【0046】本発明において好ましく用いられる他の発
色剤の具体例を示すと以下のとおりである。2−アニリ
ノ−3−メチル−6−(N−2−エトキシプロピル−N
−エチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリ
ノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)フルオラン、2
−(p−クロロアニリノ)−6−(N−n−パルミチル
アミノ)フルオラン、2−(p−クロルアニリノ)−6
−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラン、2−ベンゾ
イルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フル
オラン、2−(o−メトキシベンゾイルアミノ)−6−
(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベ
ンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−ジベンジルアミノ−4−メトキシ−6−(N
−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジル
アミノ−4−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジ
ノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−
4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p
−トルイジノ)−3−(t−ブチル)−6−(N−メチ
ル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−メトキシ
カルボニルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−アセチルアミノ−6−(N−メチル−p−トル
イジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(m−
トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、4−メトキ
シ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、
2−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−6−ジブチル
アミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−クロロ
−6−(N−エチル−pートルイジノ)フルオラン、2
−(α−フェニルエチルアミノ)−4−クロロ−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−(N−ベンジル−p−ト
リフルオロメチルアニリノ)−4−クロロ−6−ジエチ
ルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
ピロリジノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6
−ピロリジノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−
6−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミ
ノ)フルオラン、2−メシジノ−4’,5’−ベンゾ−
6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフルオ
ロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ピロリジノフル
オラン、2−(α−ナフチルアミノ)−3,4−ベンゾ
−4’−ブロモ−6−(N−ベンジル−N−シクロヘキ
シルアミノ)フルオラン、2−ピペリジノ−6−ジエチ
ルアミノフルオラン、2−(N−n−プロピル−p−ト
リフロロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラ
ン、2−(ジ−N−p−クロロフェニル−メチルアミ
ノ)−6−ピロリジノフルオラン、2−(N−n−プロ
ピル−m−トリフルオロメチルアニリノ)−6−モルフ
ォリノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル
−N−n−オクチルアミノ)フルオラン、1,2−ベン
ゾ−6−ジアリルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−
6−(N−エトキシエチル−N−エチルアミノ)フルオ
ラン、
【0047】ベンゾロイコメチレンブルー、2−[3,
6−ビス(ジエチルアミノ)]−6−(o−クロロアニ
リノ)キサンチル安息香酸ラクタム、2−[3,6−ビ
ス(ジエチルアミノ)]−9−(o−クロロアニリノ)
キサンチル安息香酸ラクタム、3,3−ビス(p−ジメ
チルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−
ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリ
ド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−
ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルア
ミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェ
ニル)−6−クロロフタリド、3,3−ビス(p−ジブ
チルアミノフェニル)フタリド、3−(2−メトキシ−
4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ
−4,5−ジクロロフェニル)フタリド、3−(2−ヒ
ドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−
メトキシ−5−クロロフェニル)フタリド、3−(2−
ヒドロキシ−4−ジメトキシアミノフェニル)−3−
(2−メトキシ−5−クロロフェニル)フタリド、3−
(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3
−(2−メトキシ−5−ニトロフェニル)フタリド、3
−(2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−
3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)フタリド、
3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−
3−(2−ヒドロキシ−4−クロロ−5−メトキシフェ
ニル)フタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フル
オレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタ
リド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−
イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェ
ニル)−4−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−
メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−
4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3
−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−
7−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−
ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3
−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)
−7−アザフタリド、6’−クロロ−8’−メトキシ−
ベンゾインドリノ−スピロピラン、6’−ブロモ−2’
−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、その
他。
【0048】本発明の可逆性感熱発色組成物は、加熱温
度及び/又は加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発
色した状態と消色した状態を形成しうるものである。こ
の基本的な発色・消色現像を説明する。図1はこの組成
物の発色濃度と温度との関係を示したものである。はじ
め消色状態(A)にある組成物を昇温していくと、溶融
し始める温度T1で発色が起こり溶融発色状態(B)と
なる。溶融発色状態(B)から急冷すると発色状態のま
ま室温に下げることができ、固まった発色状態(C)と
なる。この発色状態が得られるかどうかは、溶融状態か
らの降温の速度に依存しており、徐冷では降温の過程で
消色が起き、はじめと同じ消色状態(A)あるいは急冷
発色状態(C)より相対的に濃度の低い状態が形成され
る。一方、急冷発色状態(C)をふたたび昇温していく
と発色温度より低い温度T2で消色が起き(Dから
E)、ここから降温するとはじめと同じ消色状態(A)
に戻る。実際の発色温度、消色温度は、用いる顕色剤と
発色剤の組み合わせにより変化するので目的に合わせて
選択できる。また溶融発色状態の温度と急冷したときの
発色濃度は、必ずしも一致するものではなく、異なる場
合もある。
【0049】本発明の組成物では、溶融状態から急冷し
て得た発色状態(C)は顕色剤と発色剤が分子どうしで
接触反応しうる状態で混合された状態である。この状態
は顕色剤と発色剤が凝集して発色を保持した状態であ
り、この凝集構造の形成により発色が安定化していると
考えられる。一方、消色状態は両者が相分離した状態で
ある。この状態は少なくとも一方の化合物の分子が集合
してドメインを形成したり結晶化した状態であり、凝集
あるいは結晶化することにより発色剤と顕色剤が分離し
て安定化した状態であると考えられる。本発明では多く
の場合、両者が相分離し顕色剤が結晶化することによっ
てより完全な消色が起きる。図1に示した溶融状態から
徐冷による消色及び発色状態からの昇温による消色は、
いずれもこの温度で凝集構造が変化し、相分離や顕色剤
の結晶化が起きている。
【0050】本発明の組成物を可逆性感熱記録媒体とし
て用いる場合、発色記録の形成はサーマルヘッドなどに
よりいったん溶融混合する温度に加熱し、急冷すればよ
い。また、消色は加熱状態から徐冷する方法と発色温度
よりやや低い温度に加熱する方法の二つである。しか
し、これらは両者が相分離したり、少なくとも一方が結
晶化する温度に一時的に保持するという意味で同じであ
る。発色状態の形成で急冷するのは、この相分離または
結晶化温度に保持しないようにするためである。ここに
おける急冷と徐冷はひとつの組成物に対して相対的なも
のであり、その境界は発色剤と顕色剤の組み合わせによ
り変化する。
【0051】組成物中の発色剤と顕色剤の割合は、使用
する化合物の組み合わせにより適切な範囲が変化する
が、おおむねモル比で発色剤1に対し顕色剤が0.1か
ら20の範囲であり、好ましくは0.2から10の範囲
である、この範囲より顕色剤が少なくても多くても発色
状態の濃度が低下し実用に適さない。
【0052】本発明の可逆性感熱記録媒体は、支持体上
に前記の組成物を主成分として含む記録層を設けたもの
である。支持体としては紙、樹脂フィルム、合成紙、金
属箔、ガラスまたはこれらの複合体などであり、記録層
を保持できるものであればよい。
【0053】記録層は本発明の組成物が存在していれば
どのようなものでもよいが、一般的にはバインダー樹脂
中に発色剤と顕色剤が細かく均一に分散した状態が用い
られる。発色剤と顕色剤は個々に粒子を形成していても
よいが、より好ましくは複合された粒子として分散され
た状態を形成する。これは発色剤と顕色剤をいったん溶
融したり溶解することによって達成できる。このような
記録層の形成は、各材料をそれぞれ溶剤中で分散溶解し
たのち混合した液、あるいは各材料を混合して溶剤中で
分散又は溶解した液を支持体上に塗布し、乾燥すること
によって行われる。発色剤と顕色剤はマイクロカプセル
中に内包して用いることもできる。
【0054】本発明の可逆性感熱記録媒体には、必要に
応じて記録層の塗布特性や発色消色特性を改善したり制
御するための添加剤を用いることができる。これらの添
加剤には、例えば分散剤、界面活性剤、導電剤、充填
剤、滑剤、酸化防止剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、発
色安定化剤、消色促進剤などがある。
【0055】記録層の形成に用いられるバインダー樹脂
としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩
化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポリ
スチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリ
エステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカ
ーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル
酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系共重
合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコー
ル、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、デンプン類などがある。これらのバインダー
樹脂の役割は、組成物の各材料が記録消去の熱印加によ
って片寄ることなく均一に分散した状態を保つことにあ
る。従って、バインダー樹脂には耐熱性の高い樹脂を用
いることが好ましい。例えば熱、紫外線、電子線などで
バインダー樹脂を架橋させてもよい。
【0056】本発明の可逆性感熱記録媒体は、基本的に
支持体上に上記の記録層が設けられたものであるが、記
録媒体としての特性を向上するため、保護層、接着層、
中間層、アンダーコート層、バックコート層などを設け
ることができる。
【0057】サーマルヘッドを用いた印字では熱と圧力
のため記録層の表面が変形し、いわゆる打痕ができる場
合がある。これを防止するため表面に保護層を設けるこ
とが好ましい。保護層には、ポリビニルアルコール、ス
チレン無水マレイン酸共重合体、カルボキシ変性ポリエ
チレン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホル
ムアルデヒド樹脂等、樹脂のほか、紫外線硬化樹脂、及
び電子線硬化樹脂などが使用できる。また、保護層中に
は紫外線吸収剤などの添加剤を含有させることができ
る。
【0058】記録層と保護層の接着性向上、保護層の塗
布による記録層の変質防止、保護層中の添加剤の記録層
への移行を防止する目的で、両者の間に中間層を設ける
ことも好ましい。また、記録層の上に設置される保護
層、中間層には酸素透過性の低い樹脂を用いることが好
ましい。記録層中の発色剤及び顕色剤の酸化を防止又は
低減することが可能になる。
【0059】また、印加した熱を有効に利用するため支
持体と記録層の間に断熱性のアンダーコート層を設ける
ことができる。断熱層は有機又は無機の微小中空体粒子
をバインダー樹脂を用いて塗布することにより形成でき
る。支持体と記録層の接着性の改善や支持体への記録層
材料の浸透防止を目的としたアンダーコート層を設ける
こともできる。
【0060】中間層、アンダーコート層には、前記の記
録層用の樹脂と同様の樹脂を用いることができる。ま
た、保護層、中間層、記録層及びアンダーコート層には
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化
ケイ素、水酸化アルミニウム、カオリン、タルクなどの
フィラーを含有させることができる。その他、滑剤、界
面活性剤分散剤などを含有させることもできる。
【0061】本発明の可逆性感熱記録媒体を用いて発色
画像を形成させるためには、いったん発色温度以上に加
熱したのち急冷されるようにすればよい。具体的には、
例えばサーマルヘッドやレーザー光で短時間加熱すると
記録層が局部的に加熱されるため、直ちに熱が拡散し急
激な冷却が起こり、発色状態が固定できる。一方、消色
させるためには適当な熱源を用いて比較的長時間加熱し
冷却するか、発色温度よりやや低い温度に一時的に加熱
すればよい。長時間加熱すると記録媒体の広い範囲が昇
温し、その後の冷却は遅くなるため、その過程で消色が
起きる。この場合の加熱方法には、熱ローラ、熱スタン
プ、熱風などを用いてもよいし、サーマルヘッドを用い
て長時間加熱してもよい。記録層を消色温度域に加熱す
るためには、例えばサーマルヘッドへの印加電圧やパル
ス幅を調節することによって、印加エネルギーを記録時
よりやや低下させればよい。この方法を用いれば、サー
マルヘッドだけで記録・消去ができ、所謂オーバーライ
トが可能になる。勿論、熱ローラ、熱スタンプによって
消色温度域に加熱して消去することもできる。
【0062】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明する。なお、実施例中の「部」及び「%」はいずれも
重量を基準とするものである。
【0063】合成例1 4−(11−ヒドロキシウンデ
シルメルカプト)フェノールの合成 室温にて、85%水酸化カリウム1.45gをエタノー
ル100mlに溶解した後、4−メルカプトフェノール
2.78gを加え溶解した。この混合液に11−ブロモ
−1−ウンデカノール5.0gを加えた後、エタノール
還流条件で3時間反応した。この反応液を室温まで冷却
した後ロータリーエバポレーターにより濃縮した。濃縮
した反応液を水500mlに投入し激しく撹拌し、白色
の固体を得た。この白色固体を酢酸エチル−ヘキサンの
混合溶媒から再結晶して4−(11−ヒドロキシウンデ
シルメルカプト)フェノール4.5gを得た。融点9
9.6℃。元素分析結果水素9.49%、炭素68.3
2%、硫黄10.98%(計算値 水素9.52%、炭
素68.87%、硫黄10.81%)図2に本化合物の
赤外線吸収スペクトル測定結果を示した。
【0064】合成例2 4−(10−カルボキシデシル
メルカプト)フェノールの合成 室温にて、85%水酸化カリウム2.89gをエタノー
ル150mlに溶解した後、4−メルカプトフェノール
5.30gを加え溶解した。この混合液に10−ブロモ
−1−ウンデカン酸10.0gを加えた後、エタノール
還流条件で3時間反応した。この反応液を室温まで冷却
した後ロータリーエバポレーターにより濃縮した。濃縮
した反応液を水500mlに投入し激しく撹拌し、白色
の固体を得た。この白色固体を酢酸エチル−ヘキサンの
混合溶媒から再結晶して4−(10−カルボキシデシル
メルカプト)フェノール9.5gを得た。融点123.
6℃。元素分析結果水素8.38%、炭素65.61
%、硫黄10.28%(計算値 水素8.44%、炭素
65.77%、硫黄10.33%)図3に本化合物の赤
外線吸収スペクトル測定結果を示した。
【0065】実施例1 発色剤として、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブ
チルアミノフルオランを用い、顕色剤として本発明の4
−(11−ヒドロキシウンデシルメルカプト)フェノー
ルを用いて可逆性感熱発色組成物を以下のように作成し
た。まず発色剤と顕色剤を1:5の混合比(モル比)と
なるように秤量し、乳鉢で粉砕混合した。厚さ1.2m
mのガラス板をホットプレート上で温度170℃に加熱
した。このガラス板上に、上記の混合物を少量のせて溶
融させた。混合物はいずれも溶融と同時に発色し黒色と
なった。続いて、溶融混合物の上からカバーグラスをか
ぶせ、融液を一様な厚さに広げ、すぐにガラス板ごと全
体を用意しておいた氷水中に沈め、急冷した。降温後、
すぐに氷水上にから取り出し、付着した水を除き、薄膜
状の発色し可逆性感熱発色組成物を得た。次に、上記の
発色状態の組成物試料を85℃に加熱したホットプレー
ト上に置くと瞬時に消色した。再びこの消色した組成物
試料を170℃に加熱した後氷水中で急冷すると黒色を
呈した。このことから本発明の組成物は発色消色の繰り
返し特性を有することが確認された。
【0066】実施例2 実施例1中の4−(11−ヒドロキシウンデシルメルカ
プト)フェノールの代わりに4−(10−カルボキシデ
シルメルカプト)フェノールを用い、消色温度を90℃
にした以外は、実施例1と同様にして行なったところ、
実施例1と同様に発色消色の繰り返し特性を有すること
が確認された。
【0067】実施例3 下記組成物をボールミルを用いて粒径1〜4μmまで粉
砕分散して記録層塗工液を調整した。 2−(o−クロロアニリノ)−6−N− 2部 ジブチルアミノフルオラン 4−(11−ヒドロキシウンデシルメルカプト)フェノール 8部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部 (ユニオンカーバイト社製、VYHH) メチルエチルケトン 45部 トルエン 45部 上記組成の記録層塗工液を、厚さ100μmのポリエス
テルフィルム上にワイヤーバーを用い塗布し、乾燥して
膜厚約6.0μmの記録層を持つ本発明の可逆性感熱記
録媒体を作製した。
【0068】実施例4 下記組成物をボールミルを用いて粒径1〜4μmまで粉
砕分散して記録層塗工液を調整した。 2−アニリノ−3−メチル−6− 2部 (N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン 4−(10−カルボキシデシルメルカプト)フェノール 8部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部 (ユニオンカーバイト社製、VYHH) メチルエチルケトン 45部 トルエン 45部 上記組成の記録層塗工液を、実施例3と同様に塗布乾燥
して反発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0069】比較例 下記組成物をボールミルを用いて粒径1〜4μmまで粉
砕分散して記録層塗工液を調整した。 2−アニリノ−3−メチル−6− 2部 (N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン 4−ウンデシルメルカプトフェノール 8部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部 (ユニオンカーバイト社製、VYHH) メチルエチルケトン 45部 トルエン 45部
【0070】これら記録媒体を8ドット/mmのサーマ
ルヘッドによって印加電圧13.3V、印加パルス幅
1.2mm/秒の条件で印字し発色画像を得た。この発
色画像の光学濃度をマクベス濃度計RD−914を使用
し測定した。この測定結果を表3に示す。次にこの発色
した記録媒体を表中の温度の恒温槽中に約1分入れて消
色させ、消色濃度を測定した。更に、上記発色操作と消
色操作を10回繰り返して行ない、発色の可逆性を調べ
たところ、本発明の記録媒体は発色消色の繰り返しが可
能であることを確認できた。
【0071】
【表3】 また、発色させた記録媒体を40℃乾燥条件で24時間
保存したところ、実施例3、4の記録媒体は画像濃度が
ほとんど低下しなかったのに対し、比較例の記録媒体は
画像濃度の低下が非常に大きいものであった。
【0072】
【発明の効果】以上詳細かつ具体的に説明したように、
本発明の可逆性感熱発色組成物は、安定な発色状態と良
好な消色状態を繰り返して形成できるため、これを用い
た可逆性感熱記録媒体はコントラストの高い画像の形成
と消去が容易な操作により可能になる。また発色画像は
保存安定性の高いものであり、実用性の高い書替え型記
録媒体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆性感熱発色組成物の発色・消色特
性を示す図である。
【図2】本発明の可逆性感熱発色組成物に用いられる1
の顕色剤の赤外線吸収スペクトル図である。
【図3】本発明の可逆性感熱発色組成物に用いられる別
の顕色剤の赤外線吸収スペクトル図である。
【符号の説明】
A 消色状態 B 溶融発色状態 C 固体発色状態 D 消色過程 E 消色状態
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 勝 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化
    合物を用い、加熱温度及び/又は加熱後の冷却速度の違
    いにより相対的に発色した状態と消色した状態を形成し
    うる可逆性熱発色性組成物において、電子受容性化合物
    として下記一般式(1)で表わされる化合物を用いるこ
    とを特徴とする可逆性感熱発色組成物。 【化1】 (式中、Aは電子供与性呈色性化合物を発色しうる顕色
    部を表わし、Rはヘテロ原子を含む2価の芳香族基を含
    んでいてもよい主鎖部の炭素数8以上の脂肪族炭化水素
    基を、また、Xはヘテロ原子を含む会合性の基を表わ
    す。)
  2. 【請求項2】 前記Aが下記式で表わされる基を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の可逆性感熱発色組成物 【化2】 (式中、環Bはベンゼン環、ナフタレン環等の芳香環、
    或いは複素環を示し、R1はアルキル基、アルコキシ
    基、ハロゲン原子を表わす。また、nは1〜3を、mは
    0〜3を表わす。)
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2の可逆性感熱発色
    組成物を主成分として含有する記録層を支持体上に設け
    たことを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
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