JPH09123448A - インクジェット式記録ヘッド、及びその製造方法 - Google Patents
インクジェット式記録ヘッド、及びその製造方法Info
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- JPH09123448A JPH09123448A JP30662295A JP30662295A JPH09123448A JP H09123448 A JPH09123448 A JP H09123448A JP 30662295 A JP30662295 A JP 30662295A JP 30662295 A JP30662295 A JP 30662295A JP H09123448 A JPH09123448 A JP H09123448A
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Abstract
て高密度印刷に適した記録ヘッドを構成すること。 【解決手段】 圧力発生室1を凹部としてシリコン単結
晶基板2のハーフエッチングにより、また圧力発生室1
とノズル開口5とを接続するノズル連通孔6を圧力発生
室1よりも幅が狭い貫通孔として形成し、圧力発生室1
の容積を可及的に小さくしつつ、他面側のノズル開口5
とノズル連通孔6により接続する。
Description
スペーサ形成部材に使用したインクジェット式記録ヘッ
ド、及びこれの製造方法に関する。
と振動板とをスペーサの両面に接着して圧力室を形成
し、振動板を圧電振動子により変形させる形式のインク
ジェット式記録ヘッドは、インク滴を飛翔させるための
駆動源として熱エネルギを使用しないから、熱によるイ
ンクの変質がなく、特に熱により劣化しやすいカラーイ
ンクを吐出させることが可能で、しかも圧電振動子の変
位量を調整してインク滴のインク量を自在に調節するこ
とが可能であるため、高品質なカラー印刷のためのプリ
ンタを構成するのに最適なヘッドである。
てより品質の高いカラー印刷を行おうとすると、一層高
い解像度が要求されるため、圧電振動子やスペーサ部材
の隔壁等のサイズが必然的に小さくなって、部材の加工
や、部材の組立に高い精度が要求される。
を高い精度で加工が可能なシリコン単結晶基板の異方性
エッチングを用いたパーツ製作技術、いわゆるマイクロ
マシニング技術を適用してインクジェット式記録ヘッド
を構成する部材を加工することが検討され、種々な技術
や手法が提案されている(例えば、特開平3-187755号公
報、特開平3-187756号公報、特開平3-187757号公報、特
開平4-2790号公報、特開平4-129745号公報、特開平5-62
964号公報)。
印刷しようとすると、ノズル開口の配列密度を高めるば
かりでなく、1つのドット自体の面積を画像信号に対応
して変化させる、いわゆる面積階調による印刷が要求さ
れる。このためには1回のインク滴の吐出のインク量を
可及的に少なくし、かつ高速駆動を可能ならしめて1つ
ピクセルに対して複数回のインク滴の吐出ができる記録
ヘッドを実現する必要がある。
を小さくし、かつ瞬時に圧力発生室の容積変化として反
映させることが必要となる。そしてつぎに、圧力発生室
の小さな容積変化をインク滴の吐出に結び付けるには圧
力発生室内での圧力損失を可及的に小さくする必要があ
る。圧電振動子の変位を効率良く圧力発生室の容積変化
に結び付けるためには圧力発生室の剛性を高めることが
重要な要件となり、また圧力発生室での圧力損を小さく
するためには、圧力発生室の容積をも可及的に小さくす
ることが必然的な課題となる。
積を小さくすることが考えれるが、これに当接する圧電
振動子の加工精度等を考慮すると、せいぜいノズル開口
の配列ピッチ程度が限界となるから、結局のところ圧力
発生室の深さを浅くして容積を縮小する方法を採らざる
を得ない。
組立工程等でのスペーサのハンドリングを考慮すると、
シリコン単結晶基板の厚みは少なくとも220μm以上
が必要で、これより薄いものでは強度が低くて組立工程
時に破損が生じるという問題がある。
基板をその一方の面だけからエッチングする、いわゆる
ハーフエッチングを適用することによりシリコン単結晶
基板の厚みよりも浅く形成することが可能ではある。し
かしながら、他方でシリコン単結晶基板をスペーサに用
いる場合には、圧力発生室に対向させてノズルプレート
を設け、ノズル開口と圧力発生室とを連通させために、
圧力発生室からノズルプレートが設けられる面に連通さ
せるための貫通部の形成が必要となる。
により貫通部Hを形成するためには、図14に示したよ
うに少なくともシリコン単結晶基板の厚みの約1.7倍
(√3倍)以上の開口長さを設定する必要があり、基板
に220μm以上のものを用いると、貫通部の最小長さ
が380μm程度となる。
の増加を引き起こすことになるばかりでなく、この連通
孔がシリコン単結晶基板の厚み、つまり220μmで、
かつ長手方向の長さが380μmにもなるから、高密度
で圧力発生室を配列した場合のように圧力発生室の隔壁
を薄くせざるを得ない場合には、隔壁の剛性が低下して
しまうという問題がある。
ものであって、その目的とするところは可及的に厚いシ
リコン単結晶基板を母材として、これの厚みよりも浅い
圧力発生室を備えた新規なインクジェット式記録ヘッド
を提供することである。
記録ヘッドの製造方法を提案することである。
るために本発明においては、シリコン単結晶基板の異方
性エッチングにより圧力発生室、インク供給口及び共通
のインク室が形成されたスペーサに、該スペーサの一方
の面に前記圧力発生室に一致したピッチでノズル開口が
穿設されたノズルプレートと、他方の面に前記圧力発生
室を膨張収縮させる振動板とを設けたインクジェット式
記録ヘッドにおいて、前記圧力発生室が前記シリコン単
結晶基板のハーフエッチングによる凹部として形成さ
れ、また前記圧力発生室と前記ノズル開口とを接続する
ノズル連通孔が前記シリコン単結晶基板のフルエッチン
グにより前記圧力発生室よりも幅が狭い貫通孔として形
成され、さらに前記共通のインク室が前記シリコン単結
晶基板のフルエッチングによる貫通孔または、ハーフエ
ッチングによる凹部として形成するようにした。
可及的に小さし、かつ他面側のノズル開口とはノズル連
通孔により接続して、インク滴の吐出に関る実効容積を
小さくし、かつ貫通孔が占める割合を少なくしてシリコ
ン単結晶基板の剛性を生かす。
に基づいて説明する。図1、図2は、それぞれ本発明の
一実施例を圧力発生室1近傍の断面構造でもって示すも
のであり、また図3はスペーサの上面構造を示すもので
あって、図中符号2は、本発明が特徴とするスペーサ
で、所定の結晶方位、例えば表面に結晶方位(110)
を持つシリコン単結晶基板を母材として構成されてお
り、一方の面にはスペーサ2の厚みよりも深さD1が小
さい圧力発生室1、及びインク供給口3が形成されてい
る。
する貫通孔として形成された共通のインク室4が設けら
れており、さらに圧力発生室1の他端には圧力発生室1
とノズル開口5とを接続する後述の貫通孔からなるノズ
ル連通孔6が形成され、これのノズルプレート7側には
ノズル開口5と接続の自由度を高めるために、ノズル開
口5の直径φよりも大きく、かつ圧力発生室の幅W2よ
りも小さな幅W4で、またその深さが圧力発生室1の深
さD1と同程度の深さD2をもつ凹部8が形成されてい
る。
1と同じ深さの凹部として形成されているが、その幅W
1を圧力発生室1の幅W2のほぼ1/2程度に狭くされ
ていて、圧力発生室1で加圧されたインクがノズル開口
5から可及的に多く吐出できるように構成されている。
び凹部8は、スペーサ1の母材となるシリコン単結晶基
板を一方の面からだけ異方性エッチングを施して所定の
厚みD1、D2となった時点でエッチングを停止するい
わゆるハーフエッチングにより形成されている。
発生室1、1、1‥‥の全てをカバーできる程度の大き
な開口面積が必要であるから、シリコン単結晶基板を両
面から貫通するまで異方性エッチングするいわゆるフル
エッチングにより貫通孔として形成されている。
ノズル開口5とを接続するノズル連通孔6は、圧力発生
室1の長手方向に延び、かつ貫通させるに必要な長さL
(Lはシリコン単結晶基板の厚みの√3倍以上)を圧力
発生室1の長手方向に求めて幅W3を可及的に狭く抑え
ながらフルエッチングにより形成されている。
がノズル連通孔6の幅W3より大きくなるように形成す
るのが好ましく、例えばノズル連通孔6を構成している
貫通孔の幅W3を70μm以下に、またノズル連通孔6
を隔てる壁の厚みW5を70μm以上の範囲で選択し、
圧力発生室1の深さD1を60μm以下に選択すると、
圧力発生室1のコンプライアンスを可及的に小さくでき
て、直径25μmのノズル開口から10ナノグラム(1
0のマイナス6乗立方mm)程度のインク滴を秒速7メー
トル以上の速度で吐出、飛翔させることが可能となる。
面に圧力発生室側に振動板10が、また他方の面にノズ
ルプレート7が固着されて流路ユニットに纏められた上
で、振動板10に後述する圧電振動子11が設けられて
記録ヘッドとして構成される。
aと、圧電振動子11の振動を効率よく圧力発生室全体
に伝達するために厚肉部10bとから構成されていて、
厚肉部10bに縦振動モードの圧電振動子11の先端が
固定されている。
長させるための駆動信号を印加すると、振動板10が圧
力発生室1側に変位して圧力発生室1を収縮させる。こ
れにより、圧力発生室1のインクが加圧されてノズル連
通孔6を経由してノズル開口5からインク滴として吐出
する。
厚みよりも小さな深さD1を備え、しかもノズル連通孔
6となる貫通孔の幅W3が狭いから、圧力発生室1の実
質的な容積、つまり圧電振動子11の伸長、収縮による
インクの圧力変化に関与できる容積が小さくなり、その
分だけスペーサ2の剛性が大きくなる。
印加される圧電振動子11からの変位が、圧力発生室1
を区画する壁やインクで吸収される割合が小さく抑えら
れて、圧力発生室1の容積変化に効率良く変換されるこ
とになり、インク量の少ないインク滴を所定の速度で確
実に吐出させることができる。
容積が小さいため、高速駆動可能な縦振動モードの圧電
振動子11に十分に追従できてインク滴吐出の繰り返し
周波数が高くなる。したがって、画像信号の濃度に対応
して同一箇所に着弾させるインク滴の数を制御すること
ができる。
サ2の厚みに比較して小さいため、圧力発生室1を貫通
孔として形成している従来の記録ヘッドに比較して全体
の強度が高くなり、圧電振動子11の伸縮に対しても従
来起こりがちであったヘッド全体の変形を防止できる。
は、1画素分の印字信号に対して微小なインク滴を同一
の箇所に一定の速度で、かつ高い位置精度で記録用紙に
着弾させることができることになり、面積階調での印刷
が可能となる。
ついて説明する。図4(I)において符号20は、結晶
方位(110)を表面に有し、組立工程において容易に
ハンドリングできる程度の厚み、例えば220μmのシ
リコン単結晶基板で、その両面には貫通孔となる領域、
この図ではノズル連通孔6を形成する領域に窓21、2
2を有している。
の接続用の凹部8に対応する部分には、貫通孔形成に耐
える程度の薄い層23a、24aを、また圧力発生室1
の隔壁となる領域には厚い層23b、24bの2段階の
厚みを備えた二酸化珪素膜(SiO2)が形成されてい
る。
25wt%程度で温度80℃に維持されたKOHの水溶
液に浸漬すると、窓21、22の両面から異方性エッチ
ングが開始され、共通のインク室4やまたノズル連通孔
6となる貫通孔25が形成される(図4(II))。
が半分程度になるようにエッチングして圧力発生室1と
なる領域、及びノズル開口5との接続用の凹部8となる
領域26、27を露出させて(図4(III))、上述と
同様の酸化シリコンエッチング液により異方性エッチン
グを実行する。
到達した時点でエッチングを停止することにより、一方
の面に圧力発生室1、及びインク供給口3となる浅い凹
部28が、また他面にノズル開口5と連通する連通用の
凹部8となる凹部29が形成される(図4(IV))。
3、及びノズル開口連通用の凹部8が浅い凹部として形
成され、また一方の面に形成された圧力発生室となる凹
部28からシリコン単結晶基板2を貫通して他面のノズ
ル開口との連通用の凹部29まで到達し、かつ圧力発生
室1の幅W2に比較して幅W3の狭い貫通孔6が形成さ
れる。そして不要な二酸化珪素膜(SiO2)30、31
を除去し、必要に応じて再度全表面に二酸化珪素膜を形
成した後、一方の面に振動板10を、また他方の面にノ
ズルプレート7を接着剤で固定することにより流路ユニ
ットが完成する。
iO2)を2段階の厚みに形成しているため、マスクの位
置合わせ工程が1度で済み、凹部28、29と貫通孔2
5との相対的位置を高い精度で形成することができる。
と連通孔6との接続の自由度を高めるために接続用の凹
部8を形成しているが、インク吐出の機能には直接関与
しないから、必要に応じて形成すればよい。
を圧力発生室1領域の内に形成するようにしているが、
図5に示したように先端6aを圧力発生室1の領域外に
形成することにより、圧力発生室1の長手方向のサイズ
を短くしてその容積を可及的に小さくすることができ
る。
開口5との連通用の凹部8をノズル開口5の近傍にだけ
限定して形成しているが、図6に示したように圧力発生
室1やインク供給口3と同様に一端35aが共通のイン
ク室4に連通し、また他端35bがノズル開口5に対向
する領域まで延びる、ほぼ圧力発生室1の幅W2、また
は凹部8の幅W4と同程度の凹部35として形成するこ
とにより、ノズル開口5との接続の自由度を高めつつ、
この凹部35を第2のインク供給口として利用してイン
ク滴吐出後における圧力発生室1へのインクを表面及び
裏面の両面から行うことができる。
記録ヘッドに使用するスペーサの他の実施例を示すもの
で、図中符号40は、表面の結晶方位(110)を有す
るシリコン単結晶基板を母材とするスペーサで、一方の
面には凹部として形成された圧力発生室41、インク供
給口42が前述と同様の異方性エッチングにより形成さ
れている。
ほぼ圧力発生室41の幅の半分程度の幅で、圧力発生室
41のノズル開口側の一半からノズル開口5が位置する
領域に延びる部分43aと、ノズル開口5に対向する領
域で圧力発生室41の幅に一致する部分43bとからな
る略「L」字状の貫通孔からなるノズル連通孔43が形
成されている。
41の一方の隔壁に一致させ、かつ圧力発生室41のノ
ズル開口側の先端で拡幅させることにより、圧力発生室
41の幅を可及的に小さく、貫通孔の長さを短く形成す
ることが可能となる。
にノズル連通孔43を隔てる壁の厚みW5がノズル連通
孔43の幅W3より大きく形成されていて、好ましくは
ノズル連通孔43を構成している貫通孔の幅W3を70
μm以下に、またノズル連通孔43を隔てる壁の厚みW
5を70μm以上の範囲で選択し、ハーフエッチングで
形成される圧力発生室1の深さを60μm以下に選択す
ると、圧力発生室41のコンプライアンスを可及的に小
さくできて、直径25μmのノズル開口から10ナノグ
ラム(10のマイナス6乗立方mm)程度のインク滴を秒
速7メートル以上の速度で吐出、飛翔させることが可能
となる。
通孔43の形成方法の一実施例を、圧力発生室近傍に例
を採って示すものであって、図中ハッチングにより示す
領域はエッチング保護膜を示している。
内、ハーフエッチングにより凹部として形成する領域に
はエッチング保護膜50が、また貫通孔として形成すべ
きノズル連通孔43のほぼ中央には細長く延び、先端5
1aが斜めに形成された保護膜51が、さらにはノズル
開口を取り囲むように形成される領域には、その貫通孔
を分けるように細長く延びる保護膜52が、それぞれシ
リコン単結晶基板の両面に位置合わせして設けられてい
る。
を異方性エッチング液に浸漬して両面から異方性エッチ
ングを開始すると、保護膜が形成されていない領域がエ
ッチングを受け、同時に保護膜51で保護されている領
域の先端51aもエッチングを受ける(図9(II))。
通すると、保護膜51により保護されていた領域も同時
にエッチングを受けてその先端51aが保護膜52の位
置に到達する(図9(III))。
端側51bと保護膜52とに保護されている部分を切り
離す(図(IV))。
グ保護膜50、52、51bを除去してから(図10
(I))、この面から再び異方性エッチングを施して、
圧力発生室として最適な深さまでエッチングが進んだ段
階でエッチングを停止すると、圧両発生室、及びインク
供給口となる凹部が形成され、同時に圧力発生室の先端
側に残っていた部分61、62も除去されて貫通孔が完
成する(図10(II))。
と対向する裏面に共通のインク室4からノズル開口5に
至る凹部(図6における符号35で示す凹部)を形成す
ることにより、共通のインク室4からのインクを表裏両
面から圧力発生室1に供給することができる。
インク室4を貫通孔として形成するようにしているが、
インク滴のインク量をより少なくし、また高速駆動を可
能ならしめるには圧力発生室を貫通孔ではなく、スペー
サ2に底部を有する凹部として構成さするのが望まし
い。
ように振動板に対向する面には各圧力発生室1、41に
接続する全てのインク供給口3、42と連通する凹部か
らなる第1の共通のインク室71、81を、またノズル
プレート7と対向する面には前記第1の共通のインク室
71、81とあいまって印刷に必要なインクを賄う容積
を確保できる程度の凹部からなる第2の共通のインク室
72、82を形成する。
72とを、及び81と82とを連通させるようにこれら
が対向する領域の適当な位置に貫通孔からなる接続孔7
3、83を設けて第1、第2の共通のインク室71、7
2、及び81、82のインクの流動性の向上を図るよう
にする。
ズル開口5とノズル連通孔6、43とを接続する凹部を
第2の共通のインク室72、82にまで延長した凹部を
示す。
ズルプレート7側の第1の共通のインク室71、81ま
たは第2の共通のインク室72、82にインクタンクか
らインクを供給すると、接続孔73、83を介して他方
の共通のインク室72、82または71、81にインク
が流れ込み、これら2つの共通のインク室71、72、
及び81、82の合計の容積により印刷に必要なインク
をインク供給口3、42からだけ、または凹部35、8
4とノズル連通孔6、43をも使用して圧力発生室1、
41に供給することができる。
占有面積が減ると、スペーサ2、40の剛性が高くなる
ため、組立作業が容易になるばかりでなく、印刷時の圧
電振動子11の変位に起因する記録ヘッド全体の曲がり
を抑えて記録媒体への着弾位置の精度を向上することが
できる。
った分、ノズルプレート7に頼っていた分の剛性を減ら
してノズルプレート7を薄くすることができるため、ノ
ズル開口5の流路長方向の抵抗が小さくなり、したがっ
てその口径を25μmよりもさらに小さくできて微小量
のインク滴吐出に適したノズル開口を形成することが容
易となる。
通する凹部35、84を第2の圧力発生室72、82に
まで延長しているが、図12(イ)、(ロ)に示したよ
うにノズル開口5とノズル連通孔6、43を連通させる
に十分なサイズの凹部75、85として形成してもよ
い。
2、40は、先ずノズル連通孔6、43となる貫通孔、
及び第1の共通のインク室71、81と第2の共通のイ
ンク室72、82とを接続する接続孔73、83となる
貫通孔をシリコン単結晶基板の両面から異方性エッチン
グにより形成する。
3、42、及び第1の共通のインク室71、81となる
凹部をシリコン単結晶基板の一方の面からハーフエッチ
ングにより形成する。
及びノズル連通孔6、43とノズル開口5との接続を容
易にするための凹部75、85を上記ハーフエッチング
と同時、または別工程として実行する。
の側に第2の共通のインク室72、82を設けている
が、一方の面の凹部で共通のインク室として十分な容積
が確保できる場合には図13(イ)、(ロ)に示したよ
うに圧力発生室1、41が形成されている面だけに共通
のインク室71、81を設けてもよい。
ズル連通孔6、43だけが貫通孔となるため、スペーサ
2、40を構成するシリコン単結晶基板のそのものに近
い剛性を生かすことができて、ノズルプレート7の薄型
化やノズル開口5のさらなる縮小化を図ることができ
る。
は、先ずノズル連通孔6、43となる貫通孔をシリコン
単結晶基板の異方性フルエッチングにより形成し、次い
で圧力発生室1、41、インク供給口3、42、及び共
通のインク室71、81となる凹部をシリコン単結晶基
板の一方の面から異方性ハーフエッチングにより形成
し、さらにノズル連通孔6、43とノズル開口5との連
通を図る凹部75、85を上記ハーフエッチングと同
時、または別工程としてハーフエッチングすることによ
り形成することができる。
の共通のインク室71、81、インク供給口3、42、
及び圧力発生室1、41は、同一面のハーフエッチング
により形成されるため、第1の共通のインク室71、8
1の深さD3、D4と圧力発生室1、41の深さD5、
D6とは同一の深さとなる。
の共通のインク室72、82、及びノズル開口5との接
続を容易にする凹部75、85はシリコン単結晶基板の
他方の同一面のエッチングとして形成されるため、第2
の共通のインク室72、82の深さD7、D8と凹部7
5、85の深さD9、D10とは同一の深さとなる。
は、圧力発生室を凹部としてシリコン単結晶基板のハー
フエッチングにより、また圧力発生室とノズル開口とを
接続するノズル連通孔を圧力発生室よりも幅が狭い貫通
孔として形成したので、ノズル開口の高密度配列に対応
できるばかりでなく、組立工程での破損を防止でき、さ
らには駆動時におけるヘッドの変形を防止して印字品質
の向上を図ることができる。
例を、圧力発生室の配列方向の断面構造で示す図であ
る。
の長手方向の断面構造を示す図である。
一実施例を示す上面図である。
ドにおけるスペーサの製造方法を示す図である。
施例をスペーサの上面構造と、断面構造でもって示す図
である。
って示す図である。
施例をスペーサの上面構造、及び断面構造で示す図であ
る。
断面構造を示す図である。
ングにより共通のインク室やノズル連通孔となる貫通孔
を形成する工程を示す図である。
ングにより圧力発生室やインク供給口をなる凹部を形成
する工程を示す図である。
を凹部として構成した本発明の他の実施例を、スペーサ
の圧力発生室の長手方向の断面構造でもって示す図であ
る。
を凹部として構成した本発明の他の実施例を、スペーサ
の圧力発生室の長手方向の断面構造でもって示す図であ
る。
を凹部として構成した本発明の他の実施例を、スペーサ
の圧力発生室の長手方向の断面構造でもって示す図であ
る。
り形成される貫通孔の一例を示す図である。
Claims (25)
- 【請求項1】 シリコン単結晶基板の異方性エッチング
により圧力発生室、インク供給口及び共通のインク室が
形成されたスペーサに、該スペーサの一方の面に前記圧
力発生室に一致したピッチでノズル開口が穿設されたノ
ズルプレートと、他方の面に前記圧力発生室を膨張収縮
させる振動板とを設けたインクジェット式記録ヘッドに
おいて、 前記圧力発生室が前記シリコン単結晶基板のハーフエッ
チングによる凹部として形成され、また前記圧力発生室
と前記ノズル開口とを接続するノズル連通孔が前記シリ
コン単結晶基板のフルエッチングにより前記圧力発生室
よりも幅が狭い貫通孔として形成され、さらに前記共通
のインク室が前記シリコン単結晶基板のフルエッチング
による貫通孔として形成されているインクジェット式記
録ヘッド。 - 【請求項2】 シリコン単結晶基板の異方性エッチング
により圧力発生室、インク供給口及び共通のインク室が
形成されたスペーサに、該スペーサの一方の面に前記圧
力発生室に一致したピッチでノズル開口が穿設されたノ
ズルプレートと、他方の面に前記圧力発生室を膨張収縮
させる振動板とをもうけたインクジェット式記録ヘッド
において、 前記圧力発生室が前記シリコン単結晶基板のハーフエッ
チングによる凹部として形成され、また前記圧力発生室
と前記ノズル開口とを接続するノズル連通孔が前記シリ
コン単結晶基板のフルエッチングにより前記圧力発生室
よりも幅が狭い貫通孔として形成され、さらに前記共通
のインク室が前記シリコン単結晶基板の前記圧力発生室
が形成される面にハーフエッチングによる凹部として形
成されているインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項3】 シリコン単結晶基板の異方性エッチング
により圧力発生室、インク供給口及び共通のインク室が
形成されたスペーサに、該スペーサの一方の面に前記圧
力発生室に一致したピッチでノズル開口が穿設されたノ
ズルプレートと、他方の面に前記圧力発生室を膨張収縮
させる振動板とを設けたインクジェット式記録ヘッドに
おいて、 前記圧力発生室が前記シリコン単結晶基板のハーフエッ
チングによる凹部として形成され、また前記圧力発生室
と前記ノズル開口とを接続するノズル連通孔が前記シリ
コン単結晶基板のフルエッチングにより前記圧力発生室
よりも幅が狭い貫通孔として形成され、さらに前記共通
のインク室が前記シリコン単結晶基板の両面に2つに分
離されたハーフエッチングによる凹部して形成され、か
つ貫通孔からなる接続孔により接続されているインクジ
ェット式記録ヘッド。 - 【請求項4】 前記ノズル連通孔が前記シリコン単結晶
基板の前記ノズル開口側に形成された凹部を介して前記
共通のインク室に連通されている請求項1、2、3に記
載のインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項5】 前記ノズル開口に対向する前記シリコン
単結晶基板の領域に、前記ノズル開口よりも面積が大き
な凹部が形成されている請求項1、2、3に記載のイン
クジェット式記録ヘッド。 - 【請求項6】前記ノズル開口に対向する前記シリコン単
結晶基板の領域に、前記ノズル開口及びノズル連通孔の
幅よりも幅が広く、かつ前記圧力発生室の幅よりも小さ
く、かつ深さが前記圧力発生室の凹部と同一である凹部
が形成されている請求項1、2、3に記載のインクジェ
ット式記録ヘッド。 - 【請求項7】 前記ノズル開口に対向する凹部が前記共
通のインク室に連通するように延長されている請求項
5、6に記載のインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項8】 前記共通のインク室を構成する凹部が前
記圧力発生室をなす凹部と同一の深さとして形成されて
いる請求項2、3に記載のインクジェット式記録ヘッ
ド。 - 【請求項9】 前記ノズル開口側に形成される共通のイ
ンク室を構成する凹部と、前記ノズル開口に対向する凹
部とが同一の深さに形成されている請求項3のインクジ
ェット式記録ヘッド。 - 【請求項10】 前記ノズル連通孔を隔てる壁の厚みが
前記連通孔の幅よりも大きく選択されている請求項1、
2、3に記載のインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項11】 前記ノズル連通孔の幅が70μm以下
で、また前記ハーフエッチングにより形成された凹部の
深さが60μm以下である請求項1、2、3に記載のイ
ンクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項12】 前記ノズル連通孔の幅が70μm以下
で、また前記ハーフエッチングにより形成された凹部の
深さが60μm以下で、さらに前記ノズル連通孔を隔て
る壁の厚みが70μm以上である請求項1、2、3に記
載のインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項13】 シリコン単結晶基板の異方性エッチン
グにより圧力発生室、インク供給口及び共通のインク室
が形成されたスペーサに、該スペーサの一方の面に前記
圧力発生室に一致したピッチでノズル開口が穿設された
ノズルプレートと、他方の面に前記圧力発生室を膨張収
縮させる振動板とを設けたインクジェット式記録ヘッド
において、 前記圧力発生室が前記シリコン単結晶基板のハーフエッ
チングにより凹部として形成され、また前記圧力発生室
と前記ノズル開口とを接続するノズル連通孔が前記シリ
コン単結晶基板のフルエッチングにより前記圧力発生室
よりも幅が狭く、かつ一方の壁が前記圧力発生室を区画
する壁に一致するとともに前記ノズル開口と対向する領
域で前記圧力発生室と同一の幅を備えた貫通孔として形
成され、さらに前記共通のインク室がフルエッチングに
よる貫通孔として形成されているインクジェット式記録
ヘッド。 - 【請求項14】 シリコン単結晶基板の異方性エッチン
グにより圧力発生室、インク供給口及び共通のインク室
が形成されたスペーサに、該スペーサの一方の面に前記
圧力発生室に一致したピッチでノズル開口が穿設された
ノズルプレートと、他方の面に前記圧力発生室を膨張収
縮させる振動板とを設けたインクジェット式記録ヘッド
において、 前記圧力発生室が前記シリコン単結晶基板のハーフエッ
チングにより凹部として形成され、また前記圧力発生室
と前記ノズル開口とを接続するノズル連通孔が前記シリ
コン単結晶基板のフルエッチングにより前記圧力発生室
よりも幅が狭く、かつ一方の壁が前記圧力発生室を区画
する壁に一致するとともに前記ノズル開口と対向する領
域で前記圧力発生室と同一の幅を備えた貫通孔として形
成され、さらに前記共通のインク室が前記シリコン単結
晶基板の前記圧力発生室が形成される面にハーフエッチ
ングによる凹部して形成されているインクジェット式記
録ヘッド。 - 【請求項15】 シリコン単結晶基板の異方性エッチン
グにより圧力発生室、インク供給口及び共通のインク室
が形成されたスペーサに、該スペーサの一方の面に前記
圧力発生室に一致したピッチでノズル開口が穿設された
ノズルプレートと、他方の面に前記圧力発生室を膨張収
縮させる振動板とを設けたインクジェット式記録ヘッド
において、 前記圧力発生室が前記シリコン単結晶基板のハーフエッ
チングにより凹部として形成され、また前記圧力発生室
と前記ノズル開口とを接続するノズル連通孔が前記シリ
コン単結晶基板のフルエッチングにより前記圧力発生室
よりも幅が狭く、かつ一方の壁が前記圧力発生室を区画
する壁に一致するとともに前記ノズル開口と対向する領
域で前記圧力発生室と同一の幅を備えた貫通孔として形
成され、さらに前記共通のインク室が前記シリコン単結
晶基板の両面に2つに分離されたハーフエッチングによ
る凹部して形成され、かつ貫通孔からなる接続孔により
接続されているインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項16】 前記共通のインク室を構成する凹部が
前記圧力発生室をなす凹部と同一の深さとして形成され
ている請求項14、15に記載のインクジェット式記録
ヘッド。 - 【請求項17】 前記ノズル連通孔と前記共通のインク
室が、前記スペーサのノズル開口側に形成された凹部に
より連通されている請求項13、14、15に記載のイ
ンクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項18】 前記ノズル連通孔を隔てる壁の厚みが
前記連通孔の幅よりも大きく選択されている請求項1
3、14、15に記載のインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項19】 前記ノズル連通孔の幅が70μm以下
で、また前記ハーフエッチングにより形成された凹部の
深さが60μm以下である請求項13、14、15に記
載のインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項20】 前記ノズル連通孔の幅が70μm以下
で、また前記ハーフエッチングにより形成された凹部の
深さが60μm以下で、さらに前記ノズル連通孔を隔て
る壁の厚みが70μm以上である請求項13、14、1
5に記載のインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項21】 圧力発生室とノズル開口とを接続する
ノズル連通孔、及び共通のインク室となる貫通孔をシリ
コン単結晶基板の両面からの異方性エッチングにより形
成する第1工程と、前記貫通孔形成後に圧力発生室とな
る凹部を前記シリコン単結晶基板の一方の面からハーフ
エッチングにより形成する第2工程と、前記工程により
貫通孔、及び凹部が形成されたシリコン単結晶基板の圧
力発生室となる凹部側に振動板を、また他方の面にノズ
ルプレートを固定する第3工程とからなるインクジェッ
ト式記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項22】 圧力発生室とノズル開口とを接続する
ノズル連通孔、及び共通のインク室となる貫通孔をシリ
コン単結晶基板の両面からの異方性エッチングにより形
成する第1工程と、前記貫通孔形成後に圧力発生室とな
る凹部を前記シリコン単結晶基板の一方の面からハーフ
エッチングにより形成する第2工程と、前記ノズル開口
に対向する面にハーフエッチングにより接続用の凹部を
形成する第3工程と、前記工程により貫通孔、及び凹部
が形成されたシリコン単結晶基板の圧力発生室となる凹
部側に振動板を、また他方の面にノズルプレートを固定
する第4工程とからなるインクジェット式記録ヘッドの
製造方法。 - 【請求項23】 圧力発生室とノズル開口とを接続する
ノズル連通孔、及び共通のインク室となる貫通孔をシリ
コン単結晶基板の両面からの異方性エッチングにより形
成する第1工程と、前記貫通孔形成後に圧力発生室とな
る凹部を前記シリコン単結晶基板のハーフエッチングに
より形成する第2工程と、前記ノズル開口に対向する面
にハーフエッチングによりノズル連通孔と共通のインク
室を連通させる凹部を形成する第3工程と、前記工程に
より貫通孔、及び凹部が形成されたシリコン単結晶基板
の圧力発生室となる凹部側に振動板を、また他方の面に
ノズルプレートを固定する第4工程とからなるインクジ
ェット式記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項24】 圧力発生室とノズル開口とを接続する
ノズル連通孔となる貫通孔、及び共通のインク室となる
領域に接続孔となる貫通孔をシリコン単結晶基板の両面
からの異方性エッチングにより形成する第1工程と、前
記貫通孔形成後に圧力発生室及び第1の共通のインク室
となる凹部を前記シリコン単結晶基板の一方の面からハ
ーフエッチングにより形成する第2工程と、第2の共通
のインク室となる凹部を前記シリコン単結晶基板の他方
の面からハーフエッチングにより形成する第3の工程
と、前記工程により貫通孔、及び凹部が形成されたシリ
コン単結晶基板の第1の圧力発生室となる凹部側に振動
板を、また他方の面にノズルプレートを固定する第4工
程とからなるインクジェット式記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項25】 前記第2工程と第3工程とのハーフエ
ッチングが前記シリコン単結晶基板の両面から同時に実
施される請求項22、23、24に記載のインクジェッ
ト式記録ヘッドの製造方法。
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