JPH09123022A - マガリバ状の歯部を備えたかさ歯車のラッピング方法 - Google Patents
マガリバ状の歯部を備えたかさ歯車のラッピング方法Info
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Abstract
ハイポイドギヤの軸芯関係にある歯車状工具を設けるこ
とにより、ラッピング処理を更に効果的に行い得るマガ
リバ状の歯部を備えたかさ歯車のラッピング方法を提供
すること。 【解決手段】マガリバ状の歯部を備えたかさ歯車の対を
構成する第1歯車1及び第2歯車2に対して、オフセッ
トした位置に軸芯を備えハイポイドギヤの軸芯関係にあ
る歯車状工具4、5を配置する。第1歯車1と歯車状工
具4とを噛合すると共に第2歯車2と歯車状工具5とを
噛合し、噛合部分にラッピング液を供給して、歯部の噛
合面をラッピング処理する。
Description
るマガリバ状の歯部を備えたかさ歯車(一般的にはマガ
リバかさ歯車やハイポイドギヤ)のラッピング方法に関
する。
る。マガリバかさ歯車対は、図6(A)に示す様に歯す
じが曲線である第1歯部101を備えたピニオンギヤ状
の第1歯車100と、歯すじが曲線である第2歯部20
1を備えたリングギヤ状の第2歯車200とで構成され
ている。図6(A)に示す様に、第1歯車100の軸芯
Waと第2歯車200の軸芯Wbとは位置Paで直交状
態で交差している。
対をなす第1歯車100の第1歯部101及び第2歯車
200の第2歯部201の精度を確保するため、図6
(A)に示す配置において、第1歯車100を回転駆動
させることにより、第1歯車100及び第2歯車200
を噛合しつつ、噛合部分に供給管300からラッピング
液を供給して、ラッピング処理することにしている。
101の噛合面及び第2歯部201の噛合面の精度を良
好に仕上げることができる。よって、歪を誘発し易い焼
入等の様な熱処理を歯車に施した場合であっても、熱処
理後にラッピング処理を行えば、熱処理に伴う噛合面の
歪みを矯正するのに有利である。更に近年、ラッピング
処理の生産性の一層の向上、歯車精度の一層の向上を図
るため、上記したラッピング処理を更に効果的に行うこ
とが要望されている。
ログ(NO.514)には、図6(B)に示すハイポイ
ドギヤにおいてラッピング処理を行う技術が開示されて
いる。ハイポイドギヤは、図6(B)に示す様に、第1
歯車100の軸芯Wcを位置Paから所定距離つまりΔ
L3オフセットさせて食い違う様に、第1歯車100と
第2歯車200との軸芯関係を設定したものである。
イポイドギヤにおいてラッピング処理した場合には、ラ
ッピング処理効果が更に向上することを知見し、試験で
確認した。ラッピング処理効果が向上する理由は、軸芯
が食い違うハイポイドギヤの軸芯関係に設定すれば、マ
ガリバかさ歯車の形態だけでラッピング処理する場合に
比較して、歯すじ方向に滑りが発生し易いため、滑りに
伴いラッピング液の微小砥粒の転動が誘発されるためと
推察される。
説明すれば、平板500を滑り方向に往復移動させれ
ば、平板500間に挟装されている微小砥粒502の転
動が誘発され、ラッピング効果が向上するものであり、
本発明方法においても同様な傾向が得られると推察され
る。本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、
マガリバ状の歯部を備えたかさ歯車に対して、ハイポイ
ドギヤの軸芯関係にある歯車状工具を設けることによ
り、ラッピング処理を更に効果的に行い得るマガリバ状
の歯部を備えたかさ歯車のラッピング方法を提供するこ
とを課題とする。
の歯部を備えたかさ歯車のラッピング方法は、マガリバ
状の歯部を備えたかさ歯車の対を構成する第1歯車及び
第2歯車の少なくとも一方をラッピングする方法であ
り、第1歯車及び第2歯車のうちの少なくとも一方の軸
芯に対して、これと交わる位置から所定距離オフセット
した位置に軸芯を備えると共に少なくとも一方と噛合す
る歯車状工具を配置し、第1歯車及び第2歯車の少なく
とも一方と歯車状工具とを噛合しつつ、噛合部分にラッ
ピング液を供給して、少なくとも一方の歯部の噛合面を
ラッピング処理することを特徴とするものである。
が曲線状をなすマガリバ状の歯部を備えたかさ歯車の対
を構成するものである。本発明方法によれば、次の単独
形態及び並設形態を採用できる。本発明方法に係る単独
形態としては、第1歯車及び第2歯車のうちの一方の軸
芯に対して、これと交わる位置から所定距離オフセット
した位置に軸芯を備えると共に一方と噛合する歯車状工
具を配置する。そして、一方と歯車状工具とを噛合しつ
つ噛合部分にラッピング液を供給して、一方の歯部の噛
合面をラッピング処理する。
第1歯車の軸芯に対して、これと交わる位置から所定距
離オフセットした位置に軸芯を備えると共に第1歯車と
噛合する第1歯車状工具を配置する。更に第2歯車の軸
芯に対して、これと交わる位置から所定距離オフセット
した位置に軸芯を備えると共に第2歯車と噛合する第2
歯車状工具を配置する。
すると共に、第2歯車と第2歯車状工具とを噛合しつ
つ、各噛合部分にラッピング液を供給して、第1歯車の
歯部の噛合面及び第2歯車2の歯部の噛合面をラッピン
グ処理する。ラッピング液は一般的には液に微小砥粒を
混合したものを採用できる。微小砥粒としては、アルミ
ナ、CBN等の様にラッピング処理に通常使用されるも
のを採用でき、特に限定されるものではない。
定されるものではなく、一般的には鋳鉄系や鋼系等の金
属製にできる。
て説明する。本実施例によれば、斜視図である図1に示
す様に、第1歯車1及び第2歯車2は、マガリバかさ歯
車の対を構成するものである。第1歯車1は鋳鉄系や鋼
系の金属製のピニオンギヤ状であり、歯すじが曲線であ
る第1歯部10を備えている。第2歯車2は鋳鉄系や鋼
系の金属製のリングギヤ状であり、歯すじが曲線である
第2歯部20を備えている。
P2とは位置Pcで交差している。交差状況は直交であ
る。従って、第1歯車1と第2歯車2とはハイポイドギ
ヤの関係ではない。なお図1の平面図を模式的に図2に
示す。本実施例によれば図3及び図4から理解できる様
に、リングギヤ状の第1歯車状工具4が配置されてい
る。第1歯車状工具4はピニオンギヤ状の第1歯車1と
噛合する。更に、ピニオンギヤ状の第2歯車状工具5が
配置されている。第2歯車状工具5は、リングギヤ状の
第2歯車2と噛合する。
る様に、第1歯車状工具4の軸芯N1が第2歯車2の軸
芯P2からオフセットする様に、第1歯車状工具4を配
置する。故に第1歯車状工具4の軸芯N1は、第1歯車
1の軸芯P1に対して所定距離つまりΔL1オフセット
されている。従って第1歯車1と第1歯車状工具4と
は、軸芯が食い違うハイポイドギヤの軸芯関係とされて
いる。
2歯車状工具5の軸芯N2が第1歯車1の軸芯P1から
オフセットする様に、第2歯車状工具5を配置する。故
に第2歯車状工具5の軸芯N2は、第2歯車2の軸芯P
2に対して所定距離つまりΔL2オフセットされてお
り、換言すれば位置Pcからオフセットされている。従
って第2歯車2と第2歯車状工具5とは、軸芯関係が食
い違うハイポイドギヤの軸芯関係とされている。
は、それぞれ硬質樹脂製(例えばナイロン樹脂製)であ
り、歯切り加工されており、高精度のマスターギヤとし
て機能できる。本実施例によれば、第1歯車1は駆動モ
ータ等の駆動機構に接続されており、駆動源として機能
する。従って図3において第1歯車1が矢印A1方向に
駆動すると、第1歯車1と噛合する第1歯車状工具4が
矢印A2方向に回転する。更に駆動源としての第1歯車
1が矢印A1方向へ駆動すると、これと噛合する第2歯
車2が矢印A3方向に回転する。更に第2歯車2と噛合
する第2歯車状工具5が矢印A4方向に回転する。
管82の先端からそれぞれラッピング液を吐出すること
により、各噛合部分にラッピング液87を供給する。こ
れにより第1歯車1の第1歯部10の噛合面はラッピン
グ処理される。同様に第2歯車2の第2歯部20の噛合
面はラッピング処理される。このとき本実施例によれ
ば、第1歯車と第2歯車2とはハイポイドギヤの関係で
はないものの、第1歯車1と第1歯車状工具4とは前述
した様にハイポイドギヤの軸芯関係に設定されているた
め、第1歯車1の第1歯部10の噛合面は良好にラッピ
ング処理される。前述の様にハイポイドギヤの軸芯関係
に設定されているため、噛合面に滑りが作用し、滑りに
伴い砥粒が転動するためと推察される。
ポイドギヤの関係ではないものの、、第2歯車2と第2
歯車状工具5ともハイポイドギヤの軸芯関係に設定され
ているため、第2歯車2の第2歯部20の噛合面は良好
にラッピング処理される。図5に示す様に第1歯車1の
第1歯部10は、互いに背向する噛合面10a、10b
を備えている。そこで駆動源である第1歯車1の回転方
向を一方向にすれば、一方の噛合面10aと第1歯車状
工具4とが噛合して一方の噛合面10aをラッピング処
理でき、また第1歯車1の回転方向を逆方向にすれば、
他方の噛合面10bと第1歯車状工具4とが噛合して他
方の噛合面10bをラッピング処理できる。
向する噛合面を備えているため、同様のことがいえる。
更に本実施例によれば、マスターギヤとして機能できる
第1歯車状工具4及び第2歯車状工具5の双方を用いて
おり、第1歯車1の歯部10の噛合面を第1歯車状工具
4でラッピング処理すると共に、第2歯車2の歯部20
の噛合面を第2歯車状工具5でラッピング処理するた
め、第1歯車1の第1歯部10のピッチ精度、第2歯車
2の第2部のピッチ精度の確保に有利である。従って第
1歯車1と第2歯車2との間で発生する伝達誤差を軽
減、回避するのに有利である。
第1歯車1にブレーキを適宜かければ、第1歯車1と第
1歯車状工具4との噛合関係にもブレーキ作用を伝達で
きて面圧を高くでき、ラッピング効果を向上させる得る
効果も期待できる。同様にして、第2歯車2と第2歯車
状工具5との噛合関係にもブレーキ作用を伝達できて面
圧を高くでき、ラッピング効果を向上させる得る効果を
期待できる。
及び第2歯車状工具5は樹脂製であるため、金属に比較
して、ラッピング液に含まれている微小砥粒を突きささ
り等で受け止め易い。そのため歯車製品となる第1歯車
1の第1歯部10の噛合面や歯車製品となる第2歯車2
の第2歯部20の噛合面に微小砥粒が突きささることを
抑制でき、突きささった微小砥粒に起因する異音や寿命
低下を抑制でき、第1歯車1及び第2歯車2の高品質の
維持に有利である。
歯車の対を構成する第1歯車1及び第2歯車2に、本発
明方法を適用したものであるが、これに限定されるもの
ではない。マガリバ状の歯部を備えたハイポイドギヤの
対を構成する第1歯車及び第2歯車に、本発明方法を適
用することも可能である。
おいて、第1歯車100に対する第1歯車状工具をオフ
セットして設ける共に、第2歯車200に対する第2歯
車状工具をオフセットして設けることにしても良い。上
記した実施例では第1歯車状工具4及び第2歯車状工具
5は樹脂製であるが、これに限らず鋳鉄製とすることも
可能である。
した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱
しない範囲内で必要に応じて適宜選択できるものであ
る。 (付記)上記した実施例から次の技術的思想も把握でき
る。 かさ歯車の対を構成する第1歯車及び第2歯車の双方
をラッピングする方法であり、第1歯車の軸芯に対し
て、これと交わる位置から所定距離オフセットした位置
に軸芯を備えると共に第1歯車と噛合する第1歯車状工
具を配置し、第2歯車の軸芯に対して、これと交わる位
置から所定距離オフセットした位置に軸芯を備えると共
に該第2歯車と噛合する第2歯車状工具を配置し、第1
歯車と第1歯車状工具とを噛合すると共に、第2歯車と
第2歯車状工具とを噛合しつつ、各噛合部分にラッピン
グ液を供給して、第1歯車の歯部の噛合面及び第2歯車
の歯部の噛合面をラッピング処理することを特徴とする
かさ歯車のラッピング方法。 第1歯車状工具及び第2歯車状工具のうちの少なくと
も一方は、硬質樹脂製であるに記載の方法。
関係となる歯車状工具を設けるので、マガリバ状の歯部
を備えたかさ歯車の対を構成する第1歯車及び第2歯車
の少なくとも一方の歯部の噛合面を良好にラッピング処
理できる。従って歯部の噛合面の精度を向上するのに有
利である。故に焼入等の熱処理を歯車に施した場合であ
っても、歪みの低減、回避に有利である。
ガリバかさ歯車対をラッピング処理している形態の斜視
図である。
ガリバかさ歯車対をラッピング処理している形態を模式
的に示す平面図である。
図である。
具、5は第2歯車状工具を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】マガリバ状の歯部を備えたかさ歯車の対を
構成する第1歯車及び第2歯車の少なくとも一方をラッ
ピングする方法であり、 該第1歯車及び該第2歯車のうちの少なくとも該一方の
軸芯に対して、これと交わる位置から所定距離オフセッ
トした位置に軸芯を備えると共に少なくとも該一方と噛
合する歯車状工具を配置し、 該第1歯車及び該第2歯車の少なくとも該一方と該歯車
状工具とを噛合しつつ、噛合部分にラッピング液を供給
して、少なくとも該一方の歯部の噛合面をラッピング処
理することを特徴とするマガリバ状の歯部を備えたかさ
歯車のラッピング方法。
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JP2566723Y2 (ja) | 歯車ホーニング盤における内歯車形砥石の機上ドレス装置 |
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