JPH09122872A - 金型の冷却制御方法 - Google Patents

金型の冷却制御方法

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JPH09122872A
JPH09122872A JP28525395A JP28525395A JPH09122872A JP H09122872 A JPH09122872 A JP H09122872A JP 28525395 A JP28525395 A JP 28525395A JP 28525395 A JP28525395 A JP 28525395A JP H09122872 A JPH09122872 A JP H09122872A
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cooling
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Mikinari Nozaki
美紀也 野崎
Mitsuhiro Karaki
満尋 唐木
Juichi Nakamura
壽一 中村
Katsuhiro Totani
勝博 戸谷
Kazuyuki Harada
和幸 原田
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Toyooki Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金型の冷却水路内で水蒸気が発生することによ
り冷却効率が低下することを防止する。 【解決手段】下金型本体10の鋳抜きピン14、15等
を冷却するための冷却水路17、19等に冷却水を流通
させて、他の金型部分より温度上昇しやすい金型局所を
冷却する。冷却水路17、19等の金型出口側に設けら
れた温度センサ17b、19b等により、冷却水の金型
出口側での水温を検知し、この検知水温に応じて冷却水
路17、19等を流通する冷却水の流量を流量制御弁4
a、6a等により制御する。冷却水の金型出口側の水温
上昇に応じて冷却水の流量を増大させることにより、冷
却水路17、19等内での冷却水の水温を低下させて水
蒸気の発生を未然に防止したり、又は冷却水路17、1
9内で発生した水蒸気を金型外に排出したりすることが
できる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダイカスト鋳造、金
型鋳造や低圧鋳造、あるいは樹脂射出成形等に利用され
る金型の冷却制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイカスト鋳造、金型鋳造や低圧鋳造、
あるいは樹脂射出成形において、溶湯や溶融樹脂により
加熱されて高温になる金型を冷却して、金型温度を適正
に維持することは製品の品質及び生産性を向上させるた
めに重要である。従来、金型冷却は、金型内に設けられ
た冷却水路に冷却水を流通させることにより行われてい
る。例えば、特開平1−143750号公報には、金型
内の冷却水路への冷却水供給系統に開閉弁を設けるとと
もに、金型に温度センサを設け、金型の目標温度と検出
温度との偏差に応じて開閉弁の開放時の保持時間を制御
する金型の温度制御方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、温度センサに
より検出した金型温度に応じて冷却水の供給量を制御す
る上記従来方法では、以下に示すような問題があった。
すなわち、金型の鋳抜きピン等、キャビティ内に突出す
る金型局部は、キャビティ内に充填された成形材料によ
り周囲が囲まれ、しかも体積が小さいため、該成形材料
からの受熱により他の部分より高温となりやすい。しか
し、このような金型の局部的な温度変化を温度センサに
よって全て把握することは困難である。しかも、上記金
型局部内を流通する冷却水は、他の部分より高温となっ
た金型局部からの受熱により、該金型局部内で気化する
ことがある。このように金型内で冷却水が気化して水蒸
気が発生すると、金型から冷却水への伝熱が水蒸気によ
り妨げられて伝熱性が低下するばかりか、冷却水の流通
抵抗が増大して冷却水の流れが止まることがある。した
がって、金型の冷却水路内での水蒸気の発生により冷却
効率が大幅に低下してしまうという問題があり、金型温
度を温度センサにより検出する上記従来方法では、この
ような問題を確実に解決することができなかった。
【0004】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、冷却水路内で水蒸気が発生することにより冷却効
率が低下することを防止しうる金型の冷却制御方法を提
供することを解決すべき技術課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1記載の金型の冷却制御方法は、金型内に設けられた
冷却水路に冷却水を流通させて該金型を冷却する金型の
冷却制御方法において、上記冷却水の金型出口側の水温
に応じて、上記冷却水路を流通する冷却水の流量を制御
することを特徴とする。
【0006】請求項1記載の方法では、冷却水の金型出
口側の水温に応じて冷却水の流量を制御するので、冷却
水の金型出口側の水温上昇に応じて冷却水の流量を増大
させることにより、金型の冷却水路内での冷却水の水温
を低下させて水蒸気の発生を未然に防止したり、又は金
型の冷却水路内で発生した水蒸気を金型外に排出したり
することができる。また、冷却水の流量増大後、冷却水
の金型出口側の水温下降に応じて冷却水の流量を減少さ
せることにより、金型が過冷却されることを防止でき
る。
【0007】上記課題を解決する請求項2記載の金型の
冷却制御方法は、請求項1記載の金型の冷却制御方法に
おいて、前記冷却水の金型出口側の水温を検知し、該検
知水温が、前記水路内に水蒸気が発生する時の水蒸気発
生水温に応じて予め設定された設定水温以上になったと
きに、前記冷却水路を流通する冷却水の流量を増大させ
ることを特徴とする。
【0008】請求項2記載の方法では、金型の冷却水路
内に水蒸気が発生する時の水蒸気発生水温を予め求めて
おき、例えばこの水蒸気発生水温より少なくとも低い温
度に予め設定された設定水温と、冷却水の金型出口側の
水温を検知した検知水温とを比較し、該検知水温が該設
定水温以上になったときに冷却水の流量を増大させるこ
とにより、金型の冷却水路内での水蒸気の発生を未然に
防止することを確実に行うことができる。
【0009】上記課題を解決する請求項3記載の金型の
冷却制御方法は、金型内に設けられた冷却水路に冷却水
を流通させて該金型を冷却する金型の冷却制御方法にお
いて、上記冷却水の金型入口側の水圧に応じて、上記冷
却水路を流通する冷却水の流量を制御することを特徴と
する。請求項3記載の方法では、金型の冷却水路内で水
蒸気が発生すると、水蒸気により冷却水の流通抵抗が増
大して金型入口側の水圧が上昇するが、冷却水の金型入
口側の水圧上昇に応じて冷却水の流量を増大させること
により、金型の冷却水路内での冷却水の水温を低下させ
てさらなる水蒸気発生を防止したり、金型の冷却水路内
で発生した水蒸気を金型外に排出したりすることができ
る。
【0010】上記課題を解決する請求項4記載の金型の
冷却制御方法は、請求項3記載の金型の冷却制御方法に
おいて、前記冷却水の金型入口側の水圧を検知し、該検
知水圧が、前記水路内に水蒸気が発生する時の水蒸気発
生水圧に応じて予め設定された設定水圧以上になったと
きに、前記冷却水路を流通する冷却水の流量を増大させ
ることを特徴とする。
【0011】請求項4記載の方法では、金型の冷却水路
内に水蒸気が発生する時の水蒸気発生水圧を予め求めて
おき、この水蒸気発生水圧に応じて予め設定された設定
水圧と、冷却水の金型入口側の水圧を検知した検知水圧
とを比較し、該検知水圧が該設定水圧以上になったとき
に冷却水の流量を増大させるので、金型の冷却水路内で
の冷却水の水温を低下させてさらなる水蒸気発生を防止
したり、金型の冷却水路内で発生した水蒸気を金型外に
排出したりすることを確実に行うことができる。
【0012】なお、上記請求項1〜4記載の金型の冷却
制御方法において、金型の冷却水路に冷却水を供給する
給水管路に流量制御弁を設け、該流量制御弁により冷却
水の流量を制御したり該流量を増大したりすることがで
きるほか、金型の冷却水路から冷却水が排出される排水
管路にポンプ等を設け、該ポンプ等で金型の冷却水路に
負圧をかけることにより、冷却水の流量を制御したり該
流量を増大したりしてもよい。
【0013】上記課題を解決する請求項5記載の金型の
冷却制御方法は、請求項3記載の金型の冷却制御方法に
おいて、前記金型入口側の水圧をパイロット圧として作
動する流量制御弁により、冷却水の流量を制御すること
を特徴とする。請求項5記載の方法では、金型入口側の
水圧をパイロット圧として作動する流量制御弁により、
水蒸気発生による金型入口側の水圧増加に応じて冷却水
の流量を増大させたり、該水圧低下に応じて冷却水の流
量を減少させたりすることができるので、電気的なアク
チュエータを使用することなく簡単な構成により、金型
の冷却水路内での冷却水の水温を低下させてさらなる水
蒸気発生を防止したり、金型の冷却水路内で発生した水
蒸気を金型外に排出したりすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の金型の冷却制御方
法に係る実施の形態について説明する。 (実施形態1)本実施形態は、図1の模式断面図に示す
ように、ダイカスト鋳造用の金型の鋳抜きピン等、キャ
ビティ内に突出する金型局部を冷却するための冷却制御
方法に関する。
【0015】このダイカスト鋳造用金型は下金型1と上
金型2とからなり、下金型1及び上金型2を閉じた状態
で両金型間に製品形状のキャビティ3が形成される。下
金型1は下金型本体10と、下金型本体10に結合され
た冷却水路形成用の第1〜第3補助下金型11〜13と
からなる。下金型本体10には先端がキャビティ3内に
突出する第1及び第2鋳抜きピン14、15と、同じく
キャビティ3内に突出する突起部16とが設けられてい
る。
【0016】そして、下金型本体10の第1鋳抜きピン
14内及び第1〜第3補助下金型11〜13内には、第
1鋳抜きピン14を冷却するための第1冷却水路17が
設けられている。同様に、下金型本体10内、突起部1
6内及び第1〜第3補助下金型11〜13内には、突起
部16を冷却するための第2冷却水路18が設けられて
いる。同様に、下金型本体10の第2鋳抜きピン15内
及び第1〜第3補助下金型11〜13内には、第2鋳抜
きピン15を冷却するための第3冷却水路19が設けら
れている。なお、第1〜第3冷却水路17〜19は、第
1〜第3補助下金型11〜13内においては水平方向に
延設され、第1及び第2鋳抜きピン14、15、並びに
突起部16の部分においては垂直方向に延びる往復管構
造とされている。
【0017】上記第1補助下金型11内において、第1
〜第3冷却水路17〜19には、第1〜第3冷却水路1
7〜19内を流通する冷却水の金型入口側の水圧を検知
する第1〜第3圧力センサ17a〜19aが設けられて
いる。また上記第3補助下金型13内において、第1〜
第3冷却水路17〜19には、第1〜第3冷却水路17
〜19内を流通する冷却水の金型出口側の水温を検知す
る第1〜第3温度センサ17b〜19bが設けられてい
る。上記第1〜第3圧力センサ17a〜19aは特に限
定されるものではなく、本実施形態では半導体歪みゲー
ジ式のものを用いた。また、上記第1〜第3温度センサ
17b〜19bも特に限定されるものではなく、本実施
形態では熱電対式のものを用いた。なお、第1補助下金
型11内において、第3冷却水路19には、第3冷却水
路19内を流通する冷却水の金型入口側の水温を検知す
る第4温度センサ19cが設けられている。冷却水の金
型入口側の水温は、第1〜第3冷却水路17〜19内に
おいていずれも同じであると考えられるため、本実施形
態では第3冷却水路19のみに第4温度センサ19cを
設けたが、第1〜第3冷却水路17〜19の全てに冷却
水の金型入口側の水温を検知する温度センサを設ける構
成としてもよい。
【0018】上記第1補助下金型11側において、上記
第1〜第3冷却水路17〜19には、冷却水供給用のポ
ンプ3に接続された配管3aから分岐した第1〜第3給
水管4〜6が接続されている。この第1〜第3給水管4
〜6には、ポンプ3側から順に、第1〜第3給水管4〜
6内を流通する冷却水の流量を制御する第1〜第3流量
制御弁4a〜6aと、第1〜第3給水管4〜6内を流通
する冷却水の流量を検知する第1〜第3流量計4b〜6
bとがそれぞれ設けられている。上記第1〜第3流量制
御弁4a〜6aは特に限定されるものではなく、本実施
形態では電磁式比例弁を用いた。また、上記第1〜第3
流量計4b〜6bも特に限定されるものではなく、本実
施形態では電磁式のものを用いた。一方、上記第3補助
下金型13側において、上記第1〜第3冷却水路17〜
19はいずれも排水管7に接続されている。
【0019】上記第1〜第3圧力センサ17a〜19
a、第1〜第3温度センサ17b〜19b、第4温度セ
ンサ19c、及び第1〜第3流量センサ4b〜6bの検
知信号は、図2に示すように、制御装置としてのパソコ
ン8にアナログ入力される。そして、パソコン8では後
述するようにこの入力信号が処理され、パソコン8から
上記第1〜第3流量制御弁4a〜6aに出力信号がアナ
ログ出力される。
【0020】一方、上金型2は下金型1と基本的には同
様の構成で、上金型本体20と、上金型本体20に結合
された冷却水路形成用の第1〜第3補助上金型21〜2
3とからなり、上金型本体20には先端がキャビティ3
内に突出する鋳抜きピン24と、同じくキャビティ3内
に突出する突起部25とを有している。また、上金型本
体20及び第1〜第3補助上金型21〜23内には、下
金型1と同様に、鋳抜きピン24及び突起部25をそれ
ぞれ冷却するための冷却水路が設けられ、各冷却水路に
は圧力センサ及び温度センサがそれぞれ設けられてい
る。そして、各冷却水路の金型入口側には、下金型1と
同様に、ポンプ3に接続された排水管3aから分岐し流
量制御弁及び流量計がそれぞれ設けられた給水管が接続
されるとともに、金型出口側には排水管がそれぞれ接続
されている。また、圧力センサ、温度センサ及び流量計
の検知信号は、下金型1側と同様に、制御装置としての
パソコン8にアナログ入力され、パソコン8から流量制
御弁に出力信号がアナログ出力される。
【0021】以下、本実施形態に係る金型の冷却制御方
法について説明する。なお、上金型本体1においても下
金型本体1と同様に冷却制御されるので、下金型本体1
における冷却制御のみについて説明する。第1〜第3流
量制御弁4a〜6aの調整及びポンプ3の作動により、
配管3a及び第1〜第3給水管4〜6を介して第1〜第
3冷却水路17〜19に所定流量W0 の冷却水を供給し
て、第1、第2鋳抜きピン14、15及び突起部16を
冷却する。この第1、第2鋳抜きピン14、15及び突
起部16はキャビティ3内に突起しておりキャビティ3
内に充填された溶湯により周囲が囲まれ、しかも体積が
小さいため、該溶湯からの受熱により他の金型部分より
高温となりやすい。このため第1〜第3冷却水路17〜
19内を流通する冷却水は、他の金型部分より高温とな
った第1、第2鋳抜きピン14、15及び突起部16か
らの受熱により徐々に高温となり、第1〜第3冷却水路
17〜19内を流通する冷却水の金型出口側での水温が
徐々に上昇し、気化することがある。
【0022】本実施形態では、パソコン8での処理を図
3のフローチャートに示すように、第1〜第3冷却水路
17〜19内を流通する冷却水の金型出口側での水温を
第1〜第3温度センサ17b〜19bで検知し、この検
知信号に応じて第1〜第3冷却水路17〜19内を流通
する冷却水の流量を制御することにより、上記第1〜第
3冷却水路17〜19内での水蒸気発生を未然に防止す
る。
【0023】すなわち、第1〜第3冷却水路17〜19
に上記所定流量W0 で冷却水を供給する場合において、
各第1〜第3冷却水路17〜19を流通する冷却水の金
型出口側での水温変化をそれぞれ調べることにより、図
4に示すように各第1〜第3冷却水路17〜19内で水
蒸気が発生したと判断される時の出口水温(水蒸気発生
水温)を予め求めておき、この水蒸気発生水温よりも低
い温度の設定水温1:T1を決定し、これをパソコン8
にセットしておく。また、各第1〜第3冷却水路17〜
19に大流量の冷却水を供給することにより第1、第2
鋳抜きピン14、15及び突起部16が過冷却されるこ
とを防止する観点から、上記設定水温1:T1より低い
温度の設定水温2:T2をそれぞれ決定し、これをパソ
コン8にセットしておく。なお、上記設定水温1:T1
及び設定水温2:T2の決定については、特に限定され
るものではないが、設定水温1:T1は水蒸気発生水温
よりも5〜10℃程度低い温度とすることができ、設定
水温2:T2は金型を過冷却することなく保持できる最
低温度よりも高い温度とすることができる。
【0024】そして、第1〜第3冷却水路17〜19内
を流通する冷却水は金型からの受熱により加熱され、冷
却水の金型出口側の水温は徐々に上昇するが、第1〜第
3冷却水路17〜19に上記所定流量W0 で冷却水を供
給して第1、第2鋳抜きピン14、15及び突起部16
を冷却している間中、第1〜第3冷却水路17〜19内
を流通する冷却水の金型出口側の水温はそれぞれ第1〜
第3温度センサ17b〜19bで検知される。パソコン
8では、この金型出口側の検知水温と上記設定水温1:
T1とが比較され、検知水温が設定水温1:T1以上に
なったときに、所定の計算式に基づいて大流量W1 が決
定され、この大流量W1 に応じた出力信号がパソコン8
から第1〜第3流量制御弁4a〜6aに出力されて第1
〜第3冷却水路17〜19内を流通する冷却水の流量が
増大される。これにより、図5に示すように、第1〜第
3冷却水路17〜19内を流通する冷却水の金型出口側
での水温は水蒸気発生水温に到達することなく下降する
ので、第1〜第3冷却水路17〜19内での水蒸気の発
生を未然に確実に防止することができる。なお、仮に、
金型出口側の検知水温が設定水温1:T1に到達した時
点で第1〜第3冷却水路17〜19内に水蒸気が発生し
ていたとしても、第1〜第3冷却水路17〜19内を流
通する冷却水の流量増大により第1〜第3冷却水路17
〜19内の水蒸気を金型外に素早く排出することができ
る。したがって、第1〜第3冷却水路17〜19内での
水蒸気の発生により冷却効率が低下することを確実に防
止することが可能となる。
【0025】このように大流量W1 で冷却水が供給され
ることにより、第1〜第3冷却水路17〜19内を流通
する冷却水の金型出口側での水温は、図5に示すように
徐々に下降するが、第1〜第3冷却水路17〜19に大
流量W1 で冷却水が供給されている間も上記出口水温は
第1〜第3温度センサ17b〜19bで検知される。し
たがって、パソコン8では、この検知水温と上記設定水
温2:T2とが比較され、検知水温が設定水温2:T2
以下になったときに、所定の計算式に基づいて小流量W
2 が決定され、この小流量W2 に応じた出力信号がパソ
コン8から第1〜第3流量制御弁4a〜6aに出力され
て第1〜第3冷却水路17〜19内を流通する冷却水の
流量が減少される。これにより、図5に示すように、第
1〜第3冷却水路17〜19内を流通する冷却水の金型
出口側での水温は徐々に上昇し、第1、第2鋳抜きピン
14、15及び突起部16が過冷却されることを確実に
防止するができる。
【0026】また本実施形態では、第1〜第3冷却水路
17〜19内を流通する冷却水の流量は第1〜第3流量
計4b〜6bで検知され、パソコン8でこの検知流量と
上記所定流量W0 、大流量W1 及び小流量W2 とが比較
され、その比較結果に応じた出力信号がパソコン8から
第1〜第3流量制御弁4a〜6aに出力されるので、第
1〜第3冷却水路17〜19内を流通する冷却水の流量
を確実に制御することができる。
【0027】さらに本実施形態では、第4温度センサ1
9cにより第3冷却水路19内を流通する冷却水の金型
入口側での水温が検知される。このため、第1〜第3冷
却水路17〜19に供給される冷却水の外部温度等に影
響される水温に応じて、大流量W1 や小流量W2 の値を
変え、季節を通して一様な冷却状態が得られるようにす
ることができる。
【0028】なお、本実施形態において、検知水温が設
定水温1:T1以上になったときの大流量演算、及び検
知水温が設定水温2:T2以下になったときの小流量演
算については、特に限定されるものではないが、例えば
以下のようにすることができる。すなわち、供給冷却水
の水温を所定値としたときの基準となる大流量W1 と小
流量W2 を予め定めるとともに、この水温が高低変化し
たときの変化度合いに対して基準大流量、基準小流量に
対する所望の大流量、小流量の補正係数を試行により定
めておく。そして、検出した供給冷却水の水温をもと
に、基準値と補正係数の乗算を行って、水温が高い場合
は大流量を、水温が低い場合は小流量を得るものとする
ことができる。
【0029】また、本実施形態においては、第1〜第3
冷却水路17〜19内を流通する冷却水の金型出口側で
の水温に応じて冷却水の流量を制御するものであるか
ら、金型入口側での水圧を検知する第1〜第3圧力セン
サ17a〜19aは特に設けなくてもよい。 (実施形態2)本実施形態は、図6〜図9に示すよう
に、上記実施形態1と同様の構成の冷却制御装置におい
て、第1〜第3冷却水路17〜19内を流通する冷却水
の金型入口側での水圧を第1〜第3圧力センサ17b〜
19bで検知し、この検知水圧に応じて第1〜第3冷却
水路17〜19内を流通する冷却水の流量を制御するこ
とにより、上記第1〜第3冷却水路17〜19内での水
蒸気発生に基づく冷却効率の低下を防止する。
【0030】すなわち、第1〜第3冷却水路17〜19
内で冷却水が気化して水蒸気が発生すると、水蒸気によ
り冷却水の流通抵抗が増大して金型入口側の水圧が上昇
する。したがって、本実施形態では、第1〜第3冷却水
路17〜19に上記所定流量W0 で冷却水を供給する場
合において、各第1〜第3冷却水路17〜19を流通す
る冷却水の金型入口側での水圧変化をそれぞれ調べるこ
とにより、図8に示すように各第1〜第3冷却水路17
〜19内で水蒸気が発生したと判断される時の水圧(水
蒸気発生水圧)を予め求めておき、この水蒸気発生水圧
に応じて設定水圧:Pを決定し、これをパソコン8にセ
ットしておく。また、各第1〜第3冷却水路17〜19
に大流量の冷却水を供給することにより第1、第2鋳抜
きピン14、15及び突起部16が過冷却されることを
防止する観点から設定水温:Tをそれぞれ決定し、これ
をパソコン8にセットしておく。なお、上記設定水圧:
P及び設定水温:Tの決定については、特に限定される
ものではないが、設定水圧:Pは水蒸気の非発生時の上
記所定流量W0 や後述する小流量W2 の流通で生ずる圧
力より高く、かつ、水蒸気発生水圧より低い圧力とする
ことができ、設定水温:Tは上記実施形態1と同様な温
度とすることができる。
【0031】そして、第1〜第3冷却水路17〜19内
を流通する冷却水は金型からの受熱により加熱されて冷
却水の金型出口側の水温は徐々に上昇し、第1〜第3冷
却水路17〜19内で水蒸気が発生し始めると、水蒸気
により冷却水の流通抵抗が増大して金型入口側の水圧が
上昇するが、この水圧上昇はそれぞれ第1〜第3圧力セ
ンサ17a〜19aで検知される。パソコン8では、こ
の検知水圧と上記設定水圧:Pとが比較され、検知水圧
が設定水温:P以上になったときに、所定の計算式に基
づいて大流量W1 が決定され、この大流量W1 に応じた
出力信号がパソコン8から第1〜第3流量制御弁4a〜
6aに出力されて第1〜第3冷却水路17〜19内を流
通する冷却水の流量が増大される。これにより、図9に
示すように、第1〜第3冷却水路17〜19内での冷却
水の水温を低下させてさらなる水蒸気発生を防止した
り、第1〜第3冷却水路17〜19内で発生した水蒸気
を金型外に素早く排出したりすることができる。したが
って、第1〜第3冷却水路17〜19内での水蒸気の発
生により冷却効率が低下することを確実に防止すること
が可能となる。
【0032】このように大流量W1 で冷却水が供給され
ることにより、第1〜第3冷却水路17〜19内を流通
する冷却水の金型出口側での水温は、図9に示すように
徐々に下降するが、上記出口水温は第1〜第3温度セン
サ17b〜19bで検知される。したがって、パソコン
8では、この検知水温と上記設定水温:Tとが比較さ
れ、検知水温が設定水温:T以下になったときに、所定
の計算式に基づいて小流量W2 が決定され、この小流量
2 に応じた出力信号がパソコン8から第1〜第3流量
制御弁4a〜6aに出力されて第1〜第3冷却水路17
〜19内を流通する冷却水の流量が減少される。これに
より、図9に示すように、第1〜第3冷却水路17〜1
9内を流通する冷却水の金型出口側での水温は徐々に上
昇し、第1、第2鋳抜きピン14、15及び突起部16
が過冷却されることを確実に防止するができる。
【0033】なお、本実施形態においても、第1〜第3
流量制御弁4a〜6a及び第1〜第3流量計4b〜6b
により第1〜第3冷却水路17〜19内を流通する冷却
水の流量を確実に制御できること、及び第4温度センサ
19cで冷却水の金型入口側での水温を検知することに
より供給冷却水の温度変化にかかわらず一様に冷却でき
ることは、上記実施形態1と同様である。
【0034】また本実施形態においても、検知水圧が設
定水圧:P以上になったときの大流量演算、及び検知水
温が設定水温:T以下になったときの小流量演算につい
ては、特に限定されるものではなく、上記実施形態1と
同様に行うことができる。さらに上記実施形態1及び2
において、金型の冷却水路に冷却水を供給する給水管に
流量制御弁を設け、該流量制御弁により冷却水の流量を
制御する例について説明したが、金型の冷却水路から冷
却水が排出される排水管路にポンプ等を設け、該ポンプ
等で金型の冷却水路に負圧をかけることにより、冷却水
の流量を制御することもできる。
【0035】(実施形態3)図10〜図12に示す本実
施形態は、基本的には上記実施形態2と同様に、ダイカ
スト鋳造用金型30の局所30aを冷却するための冷却
水路31内を流通する冷却水の金型入口側での水圧を検
知し、この検知水圧に応じて上記冷却水路31内を流通
する冷却水の流量を制御することにより、上記冷却水路
31内での水蒸気発生に基づく冷却効率の低下を防止す
るものである。
【0036】すなわち、本実施形態に係る金型の冷却制
御装置は、図10に示すように、金型30の局所30a
を冷却するための冷却水路31と、冷却水路31の金型
入口側に接続され冷却水路31に冷却水を供給するため
の給水管32と、給水管32に設けられ冷却水の金型入
口側での水圧を検知する圧力センサ33と、圧力センサ
33の検知信号を処理する制御機器としてのPC(プロ
グラマブルコントローラ)34と、PC34からの出力
信号により冷却水路31内を流通する冷却水の流量を制
御する電磁操作式流量制御弁35とを備えている。な
お、上記給水管32は図示しないポンプに接続され、ま
た冷却水路31の金型出口側は排水管36に接続されて
いる。
【0037】上記電磁式流量制御弁35は、図11に示
すように、絞り弁37、圧力補償弁38、ソレノイド3
9、及びソレノイド39への通電を制御するアンプ40
とを一体的に備えている。そして、絞り弁37と圧力補
償弁38には、一連の入口通路41及び出口通路42が
設けてある。なお、この入口通路41及び出口通路42
は、それぞれ上記給水管32に接続されている。
【0038】絞り弁37にはスプール状の弁体43が軸
方向に変位可能に配設されている。そして、弁体43の
先端に設けられたランド状の切欠き溝44により、弁体
43の軸方向の変位に応じた流通面積の絞りAが入口通
路41及び出口通路42間に形成されるようになってい
る。ソレノイド39は、コイル45への通電時に固定鉄
芯46により可動鉄芯47に生じる吸引力がその電流に
ほぼ比例して変化する、いわゆる比例ソレノイドであ
る。上記ソレノイド39による吸引力は、可動鉄芯47
に連結された押し棒48を介して弁体43に付与され、
上記絞りAの流通面積増加方向に弁体43を変位させ
る。
【0039】また、絞り弁37には、上記ソレノイド3
9による吸引力と対抗するように、上記絞りAの流通面
積減少方向に弁体43を付勢するばね49が配設されて
いる。このため、上記弁体43は、ばね49のばね力と
上記ソレノイド39による吸引力との平衡位置へと変位
し、これによりソレノイド39(コイル45)への通電
電流に応じた流通面積の絞りAが入口通路41及び出口
通路42間に形成されるようになっている。なお、ばね
49のばね力はばね受け50を介して弁体43に付与さ
れる。
【0040】圧力補償弁38には圧力補償用弁体51が
軸方向に変位可能に配設されている。この弁体51の一
端側(図11の右端側)には、前記絞り弁37の絞りA
における絞り後の圧力がパイロット通路52を介して出
口通路42から導かれるとともに、弁体51を他端側に
付勢するばね53のばね力が付与されている。一方、弁
体52の他端側(図11の左端側)には、前記絞り弁3
7の絞りAにおける絞り前の圧力がパイロット通路54
を介して入口通路41から導かれている。このため、弁
体51は、前記絞り弁37の絞りAにおける絞り後の圧
力とばね53のばね力とにより、入口通路41に設けら
れる絞りBの開度を大きくする方向に押圧される一方、
前記絞り弁37の絞りAにおける絞り前の圧力により上
記絞りBの開度を小さくする方向に押圧されて、これら
両方向の押圧力が平衡する位置へ変位するようになされ
ている。これにより、弁体51は、ばね53のばね力に
応じた略一定の差圧が前記絞り弁37の絞りAにおける
絞り前後の圧力に生じるように、入口通路41で絞り作
用する。このように、絞り弁37の絞りAにおける絞り
前後の差圧が略一定に保たれるので、入口通路41及び
出口通路42間では、出口通路42側の圧力変化にかか
わらず、絞り弁37の絞りAにおける流通面積により定
まった流量を得ることができる。
【0041】アンプ40は、外部からの信号入力に応じ
てソレノイド39への通電電流を複数段に切り換えて調
整できるもので、さらにこの切り換えの過渡期では、ラ
ンプ状に電流が変化するように電気回路が組まれてい
る。このアンプ40は制御機器としてのPC34からの
出力信号により制御される。また、圧力センサ33から
の検知信号が入力される制御機器としてのPC34で
は、予め設定された設定水圧:Pと圧力センサ33の検
知水圧とが比較される。そして、圧力センサ33の検知
水圧が設定水圧:P以上になった時に、ソレノイド39
への供給電流を増大させる信号がPC34からアンプ4
0に出力される。また、PC34はタイマー機構を備え
ており、このタイマー機構により、圧力センサ33の検
知水圧が設定水圧:P以上になった時から所定時間経過
後に、ソレノイド39への供給電流を低下させる信号が
PC34からアンプ4に信号が出力される。
【0042】なお、設定水圧:Pの決定は、上記実施形
態2と同様に行うことができる。すなわち、冷却水路3
1に所定流量W0 で冷却水を供給する場合において、冷
却水路31を流通する冷却水の金型入口側での水圧変化
を調べることにより、冷却水路31内で水蒸気が発生し
たと判断される時の水圧(水蒸気発生水圧)を予め求め
ておき、この水蒸気発生水圧に応じて設定水圧:Pを決
定し、これを制御機器としてのPC34にセットしてお
く。また、冷却水路31に大流量の冷却水を供給するこ
とにより局所30aが過冷却されることを防止する観点
から上記タイマー設定時間を決定し、これをPC34に
セットしておく。
【0043】以下、本実施形態に係る金型の冷却制御方
法について説明する。金型30の局所30aを冷却する
際には、図示しないポンプの作動により給水管32に冷
却水が供給される。このとき、流量制御弁35では、給
水管32から冷却水路31に供給される冷却水の流量が
所定流量W0 となるように、アンプ40からソレノイド
39に第1の電流が通電される。このようにして、アン
プ40からソレノイド39に通電される第1の電流に応
じた所定流量W0 の冷却水が給水管32から金型30の
冷却水路31に供給される。
【0044】金型30の局所30aを冷却する冷却水路
31内の冷却水は、他の金型部分より高温となった局所
30aからの受熱により徐々に高温となり気化すること
がある。このように冷却水路31内で水蒸気が発生する
と、水蒸気により冷却水の流通抵抗が増大して金型入口
側の水圧が上昇する。本実施形態では、上記冷却水の金
型入口側での水圧上昇は給水管32に設けられた圧力セ
ンサ33で検知され、検知信号がPC34に入力され
る。PC34では、検知水圧と予め設定された上記設定
水圧:Pとが比較され、検知水圧が設定水圧:P以上に
なった時に、ソレノイド39への供給電流を上記第1の
電流より大きい第2の電流に増加させる信号がアンプ4
0に出力され、給水管32から冷却水路31への冷却水
の供給流量は第2の電流に応じた大流量W1 となる。な
お、この初期の流量W0 から大流量W1 に達するまでの
間は、ランプ40からソレノイド39への電流の増加が
ランプ状に行われるので、流量増加もランプ状に行われ
る。このように冷却水路31内を流通する冷却水の流量
が増大することにより、冷却水路31内を流通する冷却
水の水温が下降するので、冷却水路31内でのさらなる
水蒸気発生を防止したり、冷却水路31内で発生した水
蒸気を金型外に素早く排出したりすることができる。し
たがって、冷却水路31内での水蒸気の発生により冷却
効率が低下することを確実に防止することが可能とな
る。
【0045】また、大流量W1 で冷却水が供給されるこ
とにより、冷却水路31内を流通する冷却水の水温は徐
々に下降するが、PC34に設けられたタイマー機構に
より、上記検知水圧が設定水圧:P以上になった時から
所定時間経過後に、ソレノイド39への供給電流を上記
第2の電流から初期の第1の電流に低下させる信号がア
ンプ40に出力され、給水管32から冷却水路31への
冷却水の供給流量は第1の電流に応じた初期の流量W0
となる。なお、この大流量W1 から初期の流量W0 に達
するまでの間も、ランプ40からソレノイド39への電
流の減少がランプ状に行われるので、流量減少もランプ
状に行われる。これにより、冷却水路31内を流通する
冷却水の水温は徐々に上昇し、金型30の局所30aが
過冷却されることを確実に防止することができる。
【0046】なお、冷却水の金型入口側での水圧上昇に
伴う供給流量の増大量(初期の流量W0 から大流量W1
への増大量)、すなわちランプ40からソレノイド39
への供給電流の増大量や、大流量W1 を供給する時間、
すなわち上記タイマー機構の設定時間は、試行ともとに
適宜設定すればよい。 (実施形態4)図13〜図15に示す本実施形態は、基
本的には上記実施形態3と同様に、ダイカスト鋳造用金
型30の局所30aを冷却するための冷却水路31内を
流通する冷却水の金型入口側での水圧を検知し、この検
知水圧に応じて上記冷却水路31内を流通する冷却水の
流量を制御することにより、上記冷却水路31内での水
蒸気発生に基づく冷却効率の低下を防止するものであ
る。
【0047】すなわち、本実施形態に係る金型の冷却制
御装置は、図13に示すように、金型30の局所30a
を冷却するための冷却水路31と、冷却水路31の金型
入口側に接続され冷却水路31に冷却水を供給するため
の給水管32と、給水管32に設けられ金型入口側の水
圧をパイロット圧として作動する自動可変絞り弁(流量
制御弁)51とを備えている。なお、上記給水管32は
図示しないポンプに接続され、また冷却水路31の金型
出口側は排水管36に接続されている。
【0048】上記流量制御弁としての自動可変絞り弁5
1には、図14に示すように、入口通路52及び出口通
路53が設けられるとともに、軸方向に変位可能にスプ
ール状の弁体54が配設されている。弁体54のランド
には切欠溝55が設けられ、弁体54の軸方向変位に応
じた流通面積の絞りCが入口通路52及び出口通路53
間に形成されるようになっている。
【0049】上記弁体54の一端側(図14の右端側)
には弁体54を他端側に付勢するばね56のばね力が付
与されている。そして、金型30を冷却する際、初期の
通常状態においては、ばね56のばね力により上記絞り
Cの開度が最小となるノーマル位置に弁体54が保持さ
れている(図14の状態)。なお、弁体54がノーマル
位置にある初期の通常状態では、所定流量W0 の冷却水
が給水管32から冷却水路31へ供給されるように、上
記絞りCの開度が設定される。一方、弁体54の他端側
(図14の左端側)には圧力室58が設けられており、
この圧力室58にはパイロット通路59を介して出口通
路53の圧力、すなわち冷却水路31を流通する冷却水
の金型入口側での水圧が導かれるようになっている。
【0050】そして、上記ばね56のばね力は調整ねじ
57の進退により調整可能とされている。このばね力
は、所定流量W0 の冷却水が給水管32から冷却水路3
1へ供給される初期の通常状態では、弁体54が上記絞
りCの開度が最小となるノーマル位置に保持されるとと
もに、冷却水路31内での水蒸気発生による金型入口側
での水圧上昇に伴って弁体54が上記絞りCの開度が増
大する方向に変位しうるように設定されている。
【0051】したがって、本実施形態では、金型30の
局所30aを冷却する際、図示しないポンプから給水管
32に供給された冷却水は、自動可変絞り弁51を経て
所定流量W0 の流量で冷却水路31内に供給される。こ
のとき、自動可変絞り弁51の弁体54はばね56のば
ね力によりノーマル位置を保ち、上記絞りCにおける流
通面積は最小状態にある。
【0052】そして、冷却の進行中に、冷却水路31内
で水蒸気が発生して金型入口側での水圧が上昇すると、
この上昇した水圧が給水管32、自動可変絞り弁51の
出口通路53及びパイロッ通路59を経て圧力室58に
作用し、これによって弁体54はばね56のばね力に抗
して上記絞りCの開度を増大する方向に移動する。この
ため、上記絞りCの開度増大に応じた大流量の冷却水が
自動可変絞り弁51を経て給水管32から冷却水路31
へ供給される。このように冷却水路31内を流通する冷
却水の流量が増大することにより、冷却水路31内を流
通する冷却水の水温が下降するので、冷却水路31内で
のさらなる水蒸気発生を防止したり、冷却水路31内で
発生した水蒸気を金型外に素早く排出したりすることが
できる。したがって、冷却水路31内での水蒸気の発生
により冷却効率が低下することを確実に防止することが
可能となる。
【0053】また、冷却水路31内の水蒸気が金型外へ
排出されれば、冷却水路31内における流通抵抗が小さ
くさり、冷却水の金型入口側での水圧が低下する。この
ため、自動可変絞り弁51の弁体54はばね56のばね
力によりノーマル位置を戻り、上記絞りCにおける流通
面積は最小状態となって給水管32から冷却水路31へ
の冷却水の供給流量は初期の流量WO に戻る。これによ
り、冷却水路31内を大流量W1 の冷却水が過剰に流通
することにより局所30aが過冷却されることを防止す
ることができる。
【0054】さらに、本実施形態では、金型入口側の水
圧をパイロット圧として作動する自動可変絞り弁により
冷却水路31への冷却水の流量を制御しているので、流
量制御弁の作動に電気的なアクチュエータが必要なく、
構成が極めて簡単になる。なお、上述した実施形態1〜
4は、ダイカスト鋳造用金型を冷却する際に本発明方法
を適用する例について説明したが、本発明はその他の金
属鋳造用金型や樹脂の射出成形用金型等にも適用でき
る。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の金型の冷
却制御方法によれば、金型の冷却水路内で水蒸気が発生
することにより冷却効率が低下することを確実に防止す
ることができる。したがって、本発明をダイカスト鋳
造、金型鋳造や低圧鋳造、あるいは樹脂射出成形等に利
用すれば、極めて品質が高く、かつバラつきの少ない成
形品を製造することが可能となり、品質及び生産性を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態1に係る金型の冷却制御装置を模式
的に示す部分断面図である。
【図2】本実施形態1に係る金型の冷却制御方法を説明
するブロック図である。
【図3】本実施形態1に係る金型の冷却制御方法を説明
するフローチャートである。
【図4】冷却水の金型出口側での水温上昇を示す線図で
ある。
【図5】本実施形態1に係る金型の冷却制御方法におい
て、冷却水の金型出口側での水温と冷却水路への冷却水
の供給流量との関係を示す線図である。
【図6】本実施形態2に係る金型の冷却制御方法を説明
するブロック図である。
【図7】本実施形態2に係る金型の冷却制御方法を説明
するフローチャートである。
【図8】冷却水の金型入口側での水圧上昇を示す線図で
ある。
【図9】本実施形態2に係る金型の冷却制御方法におい
て、冷却水の金型入口側での水圧、金型出口側での水温
及び冷却水路への冷却水の供給流量の関係を示す線図で
ある。
【図10】本実施形態3に係る金型の冷却制御装置を模
式的に示すブロック図である。
【図11】本実施形態3に係る流量制御弁の断面図であ
る。
【図12】本実施形態3に係る金型の冷却制御方法にお
いて、流量制御弁による制御流量を示す線図である。
【図13】本実施形態4に係る金型の冷却制御装置を模
式的に示すブロック図である。
【図14】本実施形態4に係る自動可変絞り弁(流量制
御弁)の断面図である。
【図15】本実施形態4に係る金型の冷却制御方法にお
いて、自動可変絞り弁(流量制御弁)による制御流量を
示す線図である。
【符号の説明】
図中、4a〜6aは流量制御弁、17〜19は冷却水
路、17a〜19aは圧力センサ、17b〜19bは温
度センサである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 壽一 愛知県岡崎市鉢地町字開山45番地 豊興工 業株式会社内 (72)発明者 戸谷 勝博 愛知県岡崎市鉢地町字開山45番地 豊興工 業株式会社内 (72)発明者 原田 和幸 愛知県岡崎市鉢地町字開山45番地 豊興工 業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金型内に設けられた冷却水路に冷却水を流
    通させて該金型を冷却する金型の冷却制御方法におい
    て、 上記冷却水の金型出口側の水温に応じて、上記冷却水路
    を流通する冷却水の流量を制御することを特徴とする金
    型の冷却制御方法。
  2. 【請求項2】前記冷却水の金型出口側の水温を検知し、
    該検知水温が、前記水路内に水蒸気が発生する時の水蒸
    気発生水温に応じて予め設定された設定水温以上になっ
    たときに、前記冷却水路を流通する冷却水の流量を増大
    させることを特徴とする請求項1記載の金型の冷却制御
    方法。
  3. 【請求項3】金型内に設けられた冷却水路に冷却水を流
    通させて該金型を冷却する金型の冷却制御方法におい
    て、 上記冷却水の金型入口側の水圧に応じて、上記冷却水路
    を流通する冷却水の流量を制御することを特徴とする金
    型の冷却制御方法。
  4. 【請求項4】前記冷却水の金型入口側の水圧を検知し、
    該検知水圧が、前記水路内に水蒸気が発生する時の水蒸
    気発生水圧に応じて予め設定された設定水圧以上になっ
    たときに、前記冷却水路を流通する冷却水の流量を増大
    させることを特徴とする請求項3記載の金型の冷却制御
    方法。
  5. 【請求項5】前記金型入口側の水圧をパイロット圧とし
    て作動する流量制御弁により、冷却水の流量を制御する
    ことを特徴とする請求項3記載の金型の冷却制御方法。
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