JP2004106247A - 温調機 - Google Patents
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Abstract
【課題】被温調体の温度安定性と高速冷却を両立し得る温調機を提供する。
【解決手段】加熱手段を有するタンク8内の温調水をポンプ6によって被温調体2に供給する供給路3と、被温調体2からの戻り温調水をタンク8内に導く戻り路4とで形成される循環路と、供給路3の中の温調水の温度を検出する温度センサ5と、水圧源からの冷却水をタンク内に供給する冷却路14と、循環路の温調水の一部を排出するための複数系統の排水路16,17と、各々の排水路に介装された電磁弁と、温度センサ5からの温度検出信号が入力され、該信号に基づいて前記電磁弁を開閉して冷却水のタンク内への供給量を制御するコントローラとを具備することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】加熱手段を有するタンク8内の温調水をポンプ6によって被温調体2に供給する供給路3と、被温調体2からの戻り温調水をタンク8内に導く戻り路4とで形成される循環路と、供給路3の中の温調水の温度を検出する温度センサ5と、水圧源からの冷却水をタンク内に供給する冷却路14と、循環路の温調水の一部を排出するための複数系統の排水路16,17と、各々の排水路に介装された電磁弁と、温度センサ5からの温度検出信号が入力され、該信号に基づいて前記電磁弁を開閉して冷却水のタンク内への供給量を制御するコントローラとを具備することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被温調体の温調制御を行う温調機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般に被温調体、例えば温調プレートあるいは金型の循環路内に温調水を循環させて温調プレート等の温度調整を行う温調機は、タンク内に設けられたヒータ等で温調水を加熱し循環させるものであるが、その冷却方法には大別して二つの方法がある。1つは冷却水をタンク内へ混入させるとともに供給された冷却水の量と同量の温調水を排水する直接冷却方法であり(例えば、特許文献1参照。)、もう1つはタンク内に設けられた熱交換器内に冷却水を通して間接的に冷却する間接冷却方法である(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特公平3−35091号公報
【特許文献2】
実公平1−39538号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記直接冷却方法による温調機では、タンク内に直接冷却水を混入するため、所定温度まで速やかに冷却され、応答性も良い。しかし、冷却能力が大きいため、所定温度でのバラツキが大きく制御精度が悪い。
【0005】
また、間接冷却方法による温調機では、冷却速度が遅く応答性が鈍いので、直接冷却方法よりも制御精度は良いが、例えば熱負荷が変動した際に被温調体の温度制御が不能になる場合がある。また、構造が複雑で、装置全体が大きく高価になる欠点がある。
【0006】
本発明は、温調プレート等の被温調体の温度安定性(制御精度)と冷却速度とを両立させ、且つ小型化と操作性の簡易化が可能な温調機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、加熱手段による加熱と冷却水の混合による冷却とにより任意の設定温度に温調される温調水を被温調体の通路内に循環させて、被温調体の温度制御を行う温調機において、
加熱手段を有するタンク内の温調水をポンプによって被温調体に供給する供給路と、被温調体からの戻り温調水をタンク内に導く戻り路とで形成される循環路と、前記供給路の中の温調水の温度を検出する温度センサと、水圧源からの冷却水をタンク内に供給する冷却路と、前記循環路の温調水の一部を排出するための複数系統の排水路と、各々の排水路に介装された電磁弁と、前記温度センサからの温度検出信号が入力され、該信号に基づいて前記電磁弁を開閉して冷却水のタンク内への供給量を制御するコントローラとを具備することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る温調機においては、前記複数系統の排水路は、設定流量がそれぞれ異なることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を説明するが、本発明はこれらの形態例に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される範囲内での各要素の置換や設計変更がなされたものをも包含する。
【0010】
図1は本発明に係る温調機の一実施形態を示す模式図であり、この温調機1は被温調体である温調プレート2に接続されている。
【0011】
温調プレート2内には水管15が設けられ、この水管15の入り口には温調水をポンプ6によって供給する供給路3の一端が接続され、供給路3の他端は加熱手段としてのヒータ7を有するタンク8に接続されている。一方、温調プレート2の水管15の出口には戻り路4の一端が接続され、戻り路4の他端はタンク8に接続されている。そして、供給路3と戻り路4により温調プレート2へ温調水を供給する循環路を構成している。なお、ヒータ7はコントローラ(不図示)に接続されている。
【0012】
また、ポンプ6の先には供給路3を流れる温調水の温度を検出する温度センサ5が設けられ、コントローラに接続されている。
【0013】
また、タンク8には冷却水を供給する冷却路14が接続され、この冷却路には一定圧で冷却水が加圧供給される。
【0014】
また、タンク8の温調水を排水口から排出する排出路13が設けられ、第一排出路16と第二排出路17に分岐されている。第一排出路16と第二排出路17にはそれぞれ電磁弁9,11と流量調整バルブ10,12が設けられており、電磁弁9,11がそれぞれ開状態の時に流れる流量が互いに異なるように、流量調節バルブ10,12の調節がなされている。本例では、第一排出路16は流量が少なく、第二排出路17は流量が多く設定されている。
【0015】
電磁弁9,11はコントローラ(不図示)に接続され、該コントローラからの信号により排出路16,17の開閉を行う。また、前記コントローラは、温度設定器(不図示)に接続されているとともに、温度センサ5、ポンプ6、ヒータ7、および電磁弁9、11を制御する。
【0016】
次に上記構成の温調機の動作を説明する。
【0017】
温度設定器(不図示)により温度設定を行う。すると、ヒータ7へ通電されタンク8内の水温を上昇するとともに、ポンプ6が作動する。初期には電磁弁9、11は閉鎖位置に設定されており、循環路内が満水状態にあれば冷却水は循環路内に流入せず、供給路3、温調プレート2および戻り路4を温調水が循環する。
【0018】
そして、ヒータ7によって加熱された温調水が循環するのに伴って温調プレート2が昇温し、温調水が設定温度に達するまでは温調プレート2が温調水の温度を奪って昇温する。そして、温度センサ5により温調水の温度が設定温度に達したのが検出されると、コントローラから信号が発せられてヒータ7への通電が遮断される。
【0019】
そして、温調水の温度が設定温度を超えると、コントローラからの信号により第一排水路16に設けられた電磁弁9が開く。すると、流量調節バルブ10によって予め設定された流量で排水路13から温調水が排出される。この温調水の排出に伴って循環路内の圧力が低下するため、一定圧で供給されている冷却水の圧力が勝り、排出された量と同量の冷却水が冷却路14よりタンク8内に供給されてタンク内で混合され、温調水の水温が降下する。
【0020】
そして、温度センサ5で検出する温調水の水温が設定温度と一致すると、コントローラからの信号により電磁弁9が閉鎖される。以下、同様にしてコントローラにより電磁弁9の開閉制御が行われ、温調水の温度が設定温度に保たれ、温調プレート2の温度が一定温度に保たれる。
【0021】
次に、例えば温調プレート上に載置した物体(不図示)が発熱した際、この物体の表面を一定の温度に保つために急速な冷却を行う場合には、設定温度を低く設定しなおす。これにより、コントローラからの信号により第二排水路17に設けられた電磁弁11が開き、大流量の温調水が排水路13から排出され、同量の冷却水が冷却路14よりタンク8内に供給されてタンク8内で混合され、温調水の水温が急速に降下する。
【0022】
そして、温度センサ5で検出する温調水の水温が設定温度と一致すると、コントローラからの信号により電磁弁11が閉鎖される。以下、先と同様にコントローラにより電磁弁9の開閉制御が行われ、温調水の温度が設定温度に保たれ、温調プレート2上の物体の表面温度が一定温度に保たれる。
【0023】
このように、被温調体(温調プレート2)の温度を一定温度に保つ際には、流量を少なく設定した排水路の電磁弁(本例では第一排水路16に介装されている電磁弁9)を開閉するようにコントロールする。また、被温調体(温調プレート2)の温度を急激に下げる際には、流量を多く設定した排水路の電磁弁(本例では第二排水路17に介装されている電磁弁11)を開閉するようにコントロールする。これにより、温度安定性と高速冷却を両立させ、高精度な温度制御が可能となる。また、装置は比較的単純な構成であるため、小型化もでき、廉価な温調機を提供できる。
【0024】
本実施形態にように設定流量の異なる2系統の排水路を設け、いずれか一方の系統から排水を行って温度制御する場合には、一方の設定流量は他方の設定流量の2倍以上にするのが好ましく、また、流量を多く設定した排水路の設定流量は循環路に流れる温調水の流量の1/10以上1/2以下が好ましい。このような流量に設定することにより、幅広い温度条件下で本発明が目的とする温度安定性と高速冷却の両立が可能である。
【0025】
以上、設定流量の異なる2系統の排水路を設けた例を説明したが、設定流量の異なる3系統以上の排水路を設けたり、各系統の流量を等しく設定しても構わない。尚、2系統の流量を等しく設定した場合、温調プレート2の温度を一定温度に保つ際には、一方の排水路の電磁弁のみを開閉するようにコントロールし、温調プレート2の温度を急激に下げる際には、双方の排水路の電磁弁を同時に開閉するようにコントロールすればよい。
【0026】
【実施例】
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。
【0027】
[実施例1]
本実施例は、図1に示したような温調機を用いて温調プレート上に載置されたガラス基板の温度を制御した例である。尚、このガラス基板上には配線が形成されており、通電処理をされることにより急激に熱を発する。
【0028】
本実施例では、循環路を流れる温調水の流量は50L/minとし、第一排水路16に設けられた流量調節バルブ10は3L/minに調節し、第二排水路17に設けられた流量調節バルブ12は10L/minに調節している。
【0029】
また、コントローラ(不図示)には設定温度からの差が2℃以内の場合には電磁弁9を開閉させ、2℃以上の場合には電磁弁11を開閉させるように設定している。
【0030】
次に本実施例の温調機の動作を説明する。
【0031】
最初に温度設定器(不図示)に80℃を設定した。すると、ヒータ7へ通電され、ポンプ6が作動する。尚、電磁弁9、11は閉鎖位置に設定されている。
【0032】
そして、ヒータ7によって加熱された温調水の循環に伴なって温調プレート2が昇温する。そして、温度センサ5により温調水の温度が80℃に達したのが検出されると、コントローラから信号が発せられてヒータ7への通電が遮断される。
【0033】
また、温調水の温度が80℃を超えると、コントローラからの信号により第一排水路16に設けられた電磁弁9が開く。すると、排水路13から温調水が3L/min排出され、同量の冷却水が冷却路14よりタンク8に供給されて温調水の水温が降下する。
【0034】
そして、温度センサ5で検出する温調水の水温が80℃になると、コントローラからの信号により電磁弁9が閉鎖される。以下、コントローラにより電磁弁9の開閉制御が行われ、温調水の温度が80℃に保たれ、温調プレート2上のガラス基板(不図示)の温度が一定に保たれる。
【0035】
温調プレート2上のガラス基板に通電処理を行うと、急激に熱を発し、基板温度が急上昇するため、ガラス基板の表面を一定の温度に保つために、急速な冷却が必要となる。
【0036】
本実施例では、ガラス基板への通電処理を始めると同時に設定温度を50℃に設定した。これにより、コントローラからの信号により第二排水路17に設けられた電磁弁11が開き、排水路13から温調水が10L/min排出され、同量の冷却水が冷却路14よりタンク8内に供給されて、温調水の水温が急速に降下した。
【0037】
そして、温度センサ5で検出する温調水の水温が50℃になると、コントローラからの信号により電磁弁11が閉鎖される。以下、先と同様にコントローラにより電磁弁9の開閉制御が行われ、温調水の温度が50℃に保たれ、温調プレート2上のガラス基板の温度が一定に保たれる。
【0038】
本実施例では、温調プレート2の温度を制御性良く安定させることができ、且つ、温調プレート2の温度を大幅に下げる際においても高速冷却・安定制御が可能であった。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、温度安定性(制御精度)と高速冷却を両立させ、且つ小型で廉価な温調機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る温調機の模式図である。
【符号の説明】
1 温調機
2 温調プレート(被温調体)
3 供給路
4 戻り路
5 温度センサ
6 ポンプ
7 ヒータ
8 タンク
9、11 電磁弁
10、12 流量調節バルブ
13 排水路
14 冷却路
15 水管
16 第一排水路
17 第二排水路
【発明の属する技術分野】
本発明は、被温調体の温調制御を行う温調機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般に被温調体、例えば温調プレートあるいは金型の循環路内に温調水を循環させて温調プレート等の温度調整を行う温調機は、タンク内に設けられたヒータ等で温調水を加熱し循環させるものであるが、その冷却方法には大別して二つの方法がある。1つは冷却水をタンク内へ混入させるとともに供給された冷却水の量と同量の温調水を排水する直接冷却方法であり(例えば、特許文献1参照。)、もう1つはタンク内に設けられた熱交換器内に冷却水を通して間接的に冷却する間接冷却方法である(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特公平3−35091号公報
【特許文献2】
実公平1−39538号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記直接冷却方法による温調機では、タンク内に直接冷却水を混入するため、所定温度まで速やかに冷却され、応答性も良い。しかし、冷却能力が大きいため、所定温度でのバラツキが大きく制御精度が悪い。
【0005】
また、間接冷却方法による温調機では、冷却速度が遅く応答性が鈍いので、直接冷却方法よりも制御精度は良いが、例えば熱負荷が変動した際に被温調体の温度制御が不能になる場合がある。また、構造が複雑で、装置全体が大きく高価になる欠点がある。
【0006】
本発明は、温調プレート等の被温調体の温度安定性(制御精度)と冷却速度とを両立させ、且つ小型化と操作性の簡易化が可能な温調機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、加熱手段による加熱と冷却水の混合による冷却とにより任意の設定温度に温調される温調水を被温調体の通路内に循環させて、被温調体の温度制御を行う温調機において、
加熱手段を有するタンク内の温調水をポンプによって被温調体に供給する供給路と、被温調体からの戻り温調水をタンク内に導く戻り路とで形成される循環路と、前記供給路の中の温調水の温度を検出する温度センサと、水圧源からの冷却水をタンク内に供給する冷却路と、前記循環路の温調水の一部を排出するための複数系統の排水路と、各々の排水路に介装された電磁弁と、前記温度センサからの温度検出信号が入力され、該信号に基づいて前記電磁弁を開閉して冷却水のタンク内への供給量を制御するコントローラとを具備することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る温調機においては、前記複数系統の排水路は、設定流量がそれぞれ異なることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を説明するが、本発明はこれらの形態例に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される範囲内での各要素の置換や設計変更がなされたものをも包含する。
【0010】
図1は本発明に係る温調機の一実施形態を示す模式図であり、この温調機1は被温調体である温調プレート2に接続されている。
【0011】
温調プレート2内には水管15が設けられ、この水管15の入り口には温調水をポンプ6によって供給する供給路3の一端が接続され、供給路3の他端は加熱手段としてのヒータ7を有するタンク8に接続されている。一方、温調プレート2の水管15の出口には戻り路4の一端が接続され、戻り路4の他端はタンク8に接続されている。そして、供給路3と戻り路4により温調プレート2へ温調水を供給する循環路を構成している。なお、ヒータ7はコントローラ(不図示)に接続されている。
【0012】
また、ポンプ6の先には供給路3を流れる温調水の温度を検出する温度センサ5が設けられ、コントローラに接続されている。
【0013】
また、タンク8には冷却水を供給する冷却路14が接続され、この冷却路には一定圧で冷却水が加圧供給される。
【0014】
また、タンク8の温調水を排水口から排出する排出路13が設けられ、第一排出路16と第二排出路17に分岐されている。第一排出路16と第二排出路17にはそれぞれ電磁弁9,11と流量調整バルブ10,12が設けられており、電磁弁9,11がそれぞれ開状態の時に流れる流量が互いに異なるように、流量調節バルブ10,12の調節がなされている。本例では、第一排出路16は流量が少なく、第二排出路17は流量が多く設定されている。
【0015】
電磁弁9,11はコントローラ(不図示)に接続され、該コントローラからの信号により排出路16,17の開閉を行う。また、前記コントローラは、温度設定器(不図示)に接続されているとともに、温度センサ5、ポンプ6、ヒータ7、および電磁弁9、11を制御する。
【0016】
次に上記構成の温調機の動作を説明する。
【0017】
温度設定器(不図示)により温度設定を行う。すると、ヒータ7へ通電されタンク8内の水温を上昇するとともに、ポンプ6が作動する。初期には電磁弁9、11は閉鎖位置に設定されており、循環路内が満水状態にあれば冷却水は循環路内に流入せず、供給路3、温調プレート2および戻り路4を温調水が循環する。
【0018】
そして、ヒータ7によって加熱された温調水が循環するのに伴って温調プレート2が昇温し、温調水が設定温度に達するまでは温調プレート2が温調水の温度を奪って昇温する。そして、温度センサ5により温調水の温度が設定温度に達したのが検出されると、コントローラから信号が発せられてヒータ7への通電が遮断される。
【0019】
そして、温調水の温度が設定温度を超えると、コントローラからの信号により第一排水路16に設けられた電磁弁9が開く。すると、流量調節バルブ10によって予め設定された流量で排水路13から温調水が排出される。この温調水の排出に伴って循環路内の圧力が低下するため、一定圧で供給されている冷却水の圧力が勝り、排出された量と同量の冷却水が冷却路14よりタンク8内に供給されてタンク内で混合され、温調水の水温が降下する。
【0020】
そして、温度センサ5で検出する温調水の水温が設定温度と一致すると、コントローラからの信号により電磁弁9が閉鎖される。以下、同様にしてコントローラにより電磁弁9の開閉制御が行われ、温調水の温度が設定温度に保たれ、温調プレート2の温度が一定温度に保たれる。
【0021】
次に、例えば温調プレート上に載置した物体(不図示)が発熱した際、この物体の表面を一定の温度に保つために急速な冷却を行う場合には、設定温度を低く設定しなおす。これにより、コントローラからの信号により第二排水路17に設けられた電磁弁11が開き、大流量の温調水が排水路13から排出され、同量の冷却水が冷却路14よりタンク8内に供給されてタンク8内で混合され、温調水の水温が急速に降下する。
【0022】
そして、温度センサ5で検出する温調水の水温が設定温度と一致すると、コントローラからの信号により電磁弁11が閉鎖される。以下、先と同様にコントローラにより電磁弁9の開閉制御が行われ、温調水の温度が設定温度に保たれ、温調プレート2上の物体の表面温度が一定温度に保たれる。
【0023】
このように、被温調体(温調プレート2)の温度を一定温度に保つ際には、流量を少なく設定した排水路の電磁弁(本例では第一排水路16に介装されている電磁弁9)を開閉するようにコントロールする。また、被温調体(温調プレート2)の温度を急激に下げる際には、流量を多く設定した排水路の電磁弁(本例では第二排水路17に介装されている電磁弁11)を開閉するようにコントロールする。これにより、温度安定性と高速冷却を両立させ、高精度な温度制御が可能となる。また、装置は比較的単純な構成であるため、小型化もでき、廉価な温調機を提供できる。
【0024】
本実施形態にように設定流量の異なる2系統の排水路を設け、いずれか一方の系統から排水を行って温度制御する場合には、一方の設定流量は他方の設定流量の2倍以上にするのが好ましく、また、流量を多く設定した排水路の設定流量は循環路に流れる温調水の流量の1/10以上1/2以下が好ましい。このような流量に設定することにより、幅広い温度条件下で本発明が目的とする温度安定性と高速冷却の両立が可能である。
【0025】
以上、設定流量の異なる2系統の排水路を設けた例を説明したが、設定流量の異なる3系統以上の排水路を設けたり、各系統の流量を等しく設定しても構わない。尚、2系統の流量を等しく設定した場合、温調プレート2の温度を一定温度に保つ際には、一方の排水路の電磁弁のみを開閉するようにコントロールし、温調プレート2の温度を急激に下げる際には、双方の排水路の電磁弁を同時に開閉するようにコントロールすればよい。
【0026】
【実施例】
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。
【0027】
[実施例1]
本実施例は、図1に示したような温調機を用いて温調プレート上に載置されたガラス基板の温度を制御した例である。尚、このガラス基板上には配線が形成されており、通電処理をされることにより急激に熱を発する。
【0028】
本実施例では、循環路を流れる温調水の流量は50L/minとし、第一排水路16に設けられた流量調節バルブ10は3L/minに調節し、第二排水路17に設けられた流量調節バルブ12は10L/minに調節している。
【0029】
また、コントローラ(不図示)には設定温度からの差が2℃以内の場合には電磁弁9を開閉させ、2℃以上の場合には電磁弁11を開閉させるように設定している。
【0030】
次に本実施例の温調機の動作を説明する。
【0031】
最初に温度設定器(不図示)に80℃を設定した。すると、ヒータ7へ通電され、ポンプ6が作動する。尚、電磁弁9、11は閉鎖位置に設定されている。
【0032】
そして、ヒータ7によって加熱された温調水の循環に伴なって温調プレート2が昇温する。そして、温度センサ5により温調水の温度が80℃に達したのが検出されると、コントローラから信号が発せられてヒータ7への通電が遮断される。
【0033】
また、温調水の温度が80℃を超えると、コントローラからの信号により第一排水路16に設けられた電磁弁9が開く。すると、排水路13から温調水が3L/min排出され、同量の冷却水が冷却路14よりタンク8に供給されて温調水の水温が降下する。
【0034】
そして、温度センサ5で検出する温調水の水温が80℃になると、コントローラからの信号により電磁弁9が閉鎖される。以下、コントローラにより電磁弁9の開閉制御が行われ、温調水の温度が80℃に保たれ、温調プレート2上のガラス基板(不図示)の温度が一定に保たれる。
【0035】
温調プレート2上のガラス基板に通電処理を行うと、急激に熱を発し、基板温度が急上昇するため、ガラス基板の表面を一定の温度に保つために、急速な冷却が必要となる。
【0036】
本実施例では、ガラス基板への通電処理を始めると同時に設定温度を50℃に設定した。これにより、コントローラからの信号により第二排水路17に設けられた電磁弁11が開き、排水路13から温調水が10L/min排出され、同量の冷却水が冷却路14よりタンク8内に供給されて、温調水の水温が急速に降下した。
【0037】
そして、温度センサ5で検出する温調水の水温が50℃になると、コントローラからの信号により電磁弁11が閉鎖される。以下、先と同様にコントローラにより電磁弁9の開閉制御が行われ、温調水の温度が50℃に保たれ、温調プレート2上のガラス基板の温度が一定に保たれる。
【0038】
本実施例では、温調プレート2の温度を制御性良く安定させることができ、且つ、温調プレート2の温度を大幅に下げる際においても高速冷却・安定制御が可能であった。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、温度安定性(制御精度)と高速冷却を両立させ、且つ小型で廉価な温調機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る温調機の模式図である。
【符号の説明】
1 温調機
2 温調プレート(被温調体)
3 供給路
4 戻り路
5 温度センサ
6 ポンプ
7 ヒータ
8 タンク
9、11 電磁弁
10、12 流量調節バルブ
13 排水路
14 冷却路
15 水管
16 第一排水路
17 第二排水路
Claims (2)
- 加熱手段による加熱と冷却水の混合による冷却とにより任意の設定温度に温調される温調水を被温調体の通路内に循環させて、被温調体の温度制御を行う温調機において、
加熱手段を有するタンク内の温調水をポンプによって被温調体に供給する供給路と、被温調体からの戻り温調水をタンク内に導く戻り路とで形成される循環路と、前記供給路の中の温調水の温度を検出する温度センサと、水圧源からの冷却水をタンク内に供給する冷却路と、前記循環路の温調水の一部を排出するための複数系統の排水路と、各々の排水路に介装された電磁弁と、前記温度センサからの温度検出信号が入力され、該信号に基づいて前記電磁弁を開閉して冷却水のタンク内への供給量を制御するコントローラとを具備することを特徴とする温調機。 - 前記複数系統の排水路は、設定流量がそれぞれ異なることを特徴とする請求項1に記載の温調機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002269337A JP2004106247A (ja) | 2002-09-17 | 2002-09-17 | 温調機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002269337A JP2004106247A (ja) | 2002-09-17 | 2002-09-17 | 温調機 |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=32267287
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004106247A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106768978A (zh) * | 2017-01-18 | 2017-05-31 | 辽宁工程技术大学 | 一种航空发动机叶片水流量检测装置及方法 |
CN114791197A (zh) * | 2021-01-23 | 2022-07-26 | 柴宁 | 一种包装印刷用冷却水供水装置 |
-
2002
- 2002-09-17 JP JP2002269337A patent/JP2004106247A/ja not_active Withdrawn
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CN106768978A (zh) * | 2017-01-18 | 2017-05-31 | 辽宁工程技术大学 | 一种航空发动机叶片水流量检测装置及方法 |
CN114791197A (zh) * | 2021-01-23 | 2022-07-26 | 柴宁 | 一种包装印刷用冷却水供水装置 |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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