JPH09121859A - ヒト抗体遺伝子を含む新規プラスミド - Google Patents
ヒト抗体遺伝子を含む新規プラスミドInfo
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- JPH09121859A JPH09121859A JP7306424A JP30642495A JPH09121859A JP H09121859 A JPH09121859 A JP H09121859A JP 7306424 A JP7306424 A JP 7306424A JP 30642495 A JP30642495 A JP 30642495A JP H09121859 A JPH09121859 A JP H09121859A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 動物宿主細胞中でヒトモノクローナル抗体を
発現しうるプラスミドを提供すること。 【解決手段】 SV40初期プロモーターと、その下流
側に位置するヒトモノクローナル抗体の重鎖又は軽鎖部
分もしくはその一部分のアミノ酸配列をコードする構造
遺伝子と、該構造遺伝子の下流側に位置するSV−40
初期スプライシング ポリA付加部位とを含有すること
を特徴とする、哺乳動物宿主細胞中でモノクローナル抗
体の重鎖又は軽鎖部分もしくはその一部分のアミノ酸配
列を発現しうるプラスミド。
発現しうるプラスミドを提供すること。 【解決手段】 SV40初期プロモーターと、その下流
側に位置するヒトモノクローナル抗体の重鎖又は軽鎖部
分もしくはその一部分のアミノ酸配列をコードする構造
遺伝子と、該構造遺伝子の下流側に位置するSV−40
初期スプライシング ポリA付加部位とを含有すること
を特徴とする、哺乳動物宿主細胞中でモノクローナル抗
体の重鎖又は軽鎖部分もしくはその一部分のアミノ酸配
列を発現しうるプラスミド。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、ヒトの
疾患の予防、治療、診断などの医学及び薬学分野や、生
化学試薬、生体高分子の精製試薬などの薬理学、生化学
分野などの広い分野において有用な抗原特異的ヒト免疫
グロブリンの遺伝子を含むプラスミドに関する。更に詳
しくは、本発明は、ヒト子宮癌患者のB細胞とヒトリン
パ芽球細胞株とのヒト/ヒト融合細胞株CLN/SUZ
H11が産生する癌細胞抗原特異的ヒト免疫グロブリ
ンの重鎖及び軽鎖の遺伝子を含むプラスミドに関する。
疾患の予防、治療、診断などの医学及び薬学分野や、生
化学試薬、生体高分子の精製試薬などの薬理学、生化学
分野などの広い分野において有用な抗原特異的ヒト免疫
グロブリンの遺伝子を含むプラスミドに関する。更に詳
しくは、本発明は、ヒト子宮癌患者のB細胞とヒトリン
パ芽球細胞株とのヒト/ヒト融合細胞株CLN/SUZ
H11が産生する癌細胞抗原特異的ヒト免疫グロブリ
ンの重鎖及び軽鎖の遺伝子を含むプラスミドに関する。
【0002】
【従来の技術】細胞融合あるいは細胞の不死化によるモ
ノクローナル抗体作製の技術の開発以来、多くの有用な
抗体が主にマウスなどを使って得られてきた。そのなか
でも悪性腫瘍細胞に対するモノクローナル抗体は、腫瘍
抗原の解析などの基礎研究への利用のほかに、血清診
断、標識化抗体による腫瘍の画像診断等に利用されはじ
め、その利用価値はきわめて高い。しかし、マウス等の
異種抗体はヒトにとって異物であり、ヒトに頻回投与す
ることは投与抗体にたいする免疫反応を惹起し、その結
果、副作用並びに抗体の治療または予防効果の低下を引
き起こす。以上の点から、ヒトの癌の予防、治療、体内
診断など、実際に抗体をヒトに投与する臨床分野を考え
ると、ヒト型の抗体を用いることが望ましい。しかし、
ヒト型のモノクローナル抗体は、その作製が困難である
ことから、現在のところほとんど実用化されるに至って
いない。
ノクローナル抗体作製の技術の開発以来、多くの有用な
抗体が主にマウスなどを使って得られてきた。そのなか
でも悪性腫瘍細胞に対するモノクローナル抗体は、腫瘍
抗原の解析などの基礎研究への利用のほかに、血清診
断、標識化抗体による腫瘍の画像診断等に利用されはじ
め、その利用価値はきわめて高い。しかし、マウス等の
異種抗体はヒトにとって異物であり、ヒトに頻回投与す
ることは投与抗体にたいする免疫反応を惹起し、その結
果、副作用並びに抗体の治療または予防効果の低下を引
き起こす。以上の点から、ヒトの癌の予防、治療、体内
診断など、実際に抗体をヒトに投与する臨床分野を考え
ると、ヒト型の抗体を用いることが望ましい。しかし、
ヒト型のモノクローナル抗体は、その作製が困難である
ことから、現在のところほとんど実用化されるに至って
いない。
【0003】このような状況の中で本発明者の一人は、
特開昭58−201994公報(特公平01−5987
8号公報)、特開昭59−135898号公報および特
開昭59−137497号公報に詳しく開示されている
ごとく、ヒト癌細胞に高い反応性を有するヒトモノクロ
ーナル抗体を産生する細胞株CLN/SUZ H11
(ATCC No.HB8307)を樹立した。この細
胞株が産生する抗体(CLN−IgGと命名)は、抗体
クラスがIgG、アイソタイプがγ1型およびκ型であ
り、免疫組織学的に癌細胞の表面に存在する癌抗原に結
合し、なおかつ癌細胞の増殖を抑制する効果を持つとい
う興味ある知見が得られている。現在、該モノクローナ
ル抗体の全アミノ酸配列およびDNA塩基配列が明らか
になっている。
特開昭58−201994公報(特公平01−5987
8号公報)、特開昭59−135898号公報および特
開昭59−137497号公報に詳しく開示されている
ごとく、ヒト癌細胞に高い反応性を有するヒトモノクロ
ーナル抗体を産生する細胞株CLN/SUZ H11
(ATCC No.HB8307)を樹立した。この細
胞株が産生する抗体(CLN−IgGと命名)は、抗体
クラスがIgG、アイソタイプがγ1型およびκ型であ
り、免疫組織学的に癌細胞の表面に存在する癌抗原に結
合し、なおかつ癌細胞の増殖を抑制する効果を持つとい
う興味ある知見が得られている。現在、該モノクローナ
ル抗体の全アミノ酸配列およびDNA塩基配列が明らか
になっている。
【0004】
【発明が解決使用とする課題】このような技術背景の中
で、以下に述べる如き解決すべき課題がある。
で、以下に述べる如き解決すべき課題がある。
【0005】1) モノクローナル抗体産生細胞株は、
一般に継代と共にその抗体産性能の低下することが知ら
れている。また一般的に言って、ヒトハイブリドーマは
マウスのそれに比較して抗体の産生量が低い。ヒトモノ
クローナル抗体を癌治療や診断に用いる場合、大量の抗
体が必要であり、この問題の解決は必須である。
一般に継代と共にその抗体産性能の低下することが知ら
れている。また一般的に言って、ヒトハイブリドーマは
マウスのそれに比較して抗体の産生量が低い。ヒトモノ
クローナル抗体を癌治療や診断に用いる場合、大量の抗
体が必要であり、この問題の解決は必須である。
【0006】2) 現在の免疫学の知見によれば、モノ
クローナル抗体がヒト癌細胞に結合し、抗体それ自体の
作用で癌細胞の増殖を抑制し、あるいは癌細胞を死滅さ
せる機構が知られている。更にまた、補体あるいはK−
細胞やマクロファージ等の助けをかりて癌細胞の増殖を
抑制し、癌細胞の死滅を引き起こすことが知られてい
る。しかし、これらの効果は実際のところ期待されるほ
ど強力でなく、それゆえ更に抗体の抗癌活性を上昇させ
る試みが必要である。
クローナル抗体がヒト癌細胞に結合し、抗体それ自体の
作用で癌細胞の増殖を抑制し、あるいは癌細胞を死滅さ
せる機構が知られている。更にまた、補体あるいはK−
細胞やマクロファージ等の助けをかりて癌細胞の増殖を
抑制し、癌細胞の死滅を引き起こすことが知られてい
る。しかし、これらの効果は実際のところ期待されるほ
ど強力でなく、それゆえ更に抗体の抗癌活性を上昇させ
る試みが必要である。
【0007】以上のような課題の解決手段、すなわち抗
体産生量の改善と抗体の抗癌活性の上昇を具体化する一
つの手段として遺伝子操作による方法がある。例えば、
1)の問題の場合、抗体遺伝子をクローニングした後、
動物細胞や大腸菌などの宿主細胞に遺伝子を導入し、抗
体遺伝子を発現させ、抗体を多量に得る方法によって解
決することが考えられ、また、2)の問題の場合、抗体
遺伝子を人為的に換えることによって、抗体の種々の機
能、たとえば細胞毒性、酵素活性、免疫誘導活性などを
抗体分子もしくはその断片に付加することによってより
抗癌活性の高い分子をデザインすることが考えられる。
体産生量の改善と抗体の抗癌活性の上昇を具体化する一
つの手段として遺伝子操作による方法がある。例えば、
1)の問題の場合、抗体遺伝子をクローニングした後、
動物細胞や大腸菌などの宿主細胞に遺伝子を導入し、抗
体遺伝子を発現させ、抗体を多量に得る方法によって解
決することが考えられ、また、2)の問題の場合、抗体
遺伝子を人為的に換えることによって、抗体の種々の機
能、たとえば細胞毒性、酵素活性、免疫誘導活性などを
抗体分子もしくはその断片に付加することによってより
抗癌活性の高い分子をデザインすることが考えられる。
【0008】これらの目的を達成するためには、抗体遺
伝子を組み込んだプラスミドを作製し、さらにこのプラ
スミドを動物細胞などに導入して、抗体を発現させるこ
とが重要である。
伝子を組み込んだプラスミドを作製し、さらにこのプラ
スミドを動物細胞などに導入して、抗体を発現させるこ
とが重要である。
【0009】本発明の主たる目的は、ヒトモノクローナ
ル抗体の軽鎖または重鎖の遺伝子を組み込んだプラスミ
ドを作製し、これらのプラスミドを動物細胞に導入する
ことによって該抗体を発現することにある。
ル抗体の軽鎖または重鎖の遺伝子を組み込んだプラスミ
ドを作製し、これらのプラスミドを動物細胞に導入する
ことによって該抗体を発現することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、SV4
0初期プロモーターと、その下流側に位置するヒトモノ
クローナル抗体の重鎖又は軽鎖部分もしくはその一部分
のアミノ酸配列をコードする構造遺伝子(以下、抗体遺
伝子という)と、該構造遺伝子(抗体遺伝子)の下流側
に位置するSV−40初期スプライシング ポリA付加
部位とを含有することを特徴とする、哺乳動物宿主細胞
中でモノクローナル抗体の重鎖又は軽鎖部分もしくはそ
の一部分のアミノ酸配列を発現しうるプラスミドが提供
される。以下、本発明のプラスミドの作製及びその動物
細胞内での発現についてさらに詳細に説明する。
0初期プロモーターと、その下流側に位置するヒトモノ
クローナル抗体の重鎖又は軽鎖部分もしくはその一部分
のアミノ酸配列をコードする構造遺伝子(以下、抗体遺
伝子という)と、該構造遺伝子(抗体遺伝子)の下流側
に位置するSV−40初期スプライシング ポリA付加
部位とを含有することを特徴とする、哺乳動物宿主細胞
中でモノクローナル抗体の重鎖又は軽鎖部分もしくはそ
の一部分のアミノ酸配列を発現しうるプラスミドが提供
される。以下、本発明のプラスミドの作製及びその動物
細胞内での発現についてさらに詳細に説明する。
【0011】本発明のプラスミドは、例えば、SV40
のプロモーターとターミネーターを含む発現プラスミド
の該プロモーターとターミネーターの間に抗体遺伝子を
挿入することにより作製することができる。
のプロモーターとターミネーターを含む発現プラスミド
の該プロモーターとターミネーターの間に抗体遺伝子を
挿入することにより作製することができる。
【0012】本発明のプラスミドを構築するのに必要な
「SV40初期プロモーター」及び「SV−40初期ス
プライシング ポリA付加部位」は例えば次のようにし
て取得することができる。
「SV40初期プロモーター」及び「SV−40初期ス
プライシング ポリA付加部位」は例えば次のようにし
て取得することができる。
【0013】すなわち、SV40初期プロモーター及び
/又はSV−40初期スプライシング ポリA付加部位
を含むプラスミド等、例えば、pSV2bsr、pSV
2neo、pMSGなどを制限酵素等により断片化し電
気泳動などによりそれらの断片を分離した後、目的の断
片を含むゲルを切り出し、例えば電気溶出法によりゲル
片から断片を回収する。回収した断片を、例えば、フェ
ノール処理、エタノール沈澱等により精製する。このよ
うにして得られる精製プロモーター及び/又はターミネ
ーター断片を、ベクター例えばプラスミドベクターに標
準的な手法を用いてプロモーターの下流にターミネータ
ーが位置するようにクローニングすることによって、S
V40のプロモーターとターミネーターを含む発現プラ
スミドを作製することができる。
/又はSV−40初期スプライシング ポリA付加部位
を含むプラスミド等、例えば、pSV2bsr、pSV
2neo、pMSGなどを制限酵素等により断片化し電
気泳動などによりそれらの断片を分離した後、目的の断
片を含むゲルを切り出し、例えば電気溶出法によりゲル
片から断片を回収する。回収した断片を、例えば、フェ
ノール処理、エタノール沈澱等により精製する。このよ
うにして得られる精製プロモーター及び/又はターミネ
ーター断片を、ベクター例えばプラスミドベクターに標
準的な手法を用いてプロモーターの下流にターミネータ
ーが位置するようにクローニングすることによって、S
V40のプロモーターとターミネーターを含む発現プラ
スミドを作製することができる。
【0014】また、必要に応じて、この発現プラスミド
に、標準的な手法を用いて、SV40初期プロモーター
をもう一つその下流にSV40初期スプライシングポリ
A付加部位が位置するようにクローニングすることによ
って、同時に2種類の遺伝子を発現するプラスミドを作
製することができる。
に、標準的な手法を用いて、SV40初期プロモーター
をもう一つその下流にSV40初期スプライシングポリ
A付加部位が位置するようにクローニングすることによ
って、同時に2種類の遺伝子を発現するプラスミドを作
製することができる。
【0015】一方、上記発現プラスミドに挿入して発現
させうる抗体遺伝子としては、特に制限はなく、任意の
ヒトモノクローナル抗体の重鎖又は軽鎖部分もしくはそ
の一部分(例えば超可変領域CDR1、CDR2、CD
R3など)のアミノ酸配列をコードする構造遺伝子を用
いることができる。また、抗体遺伝子はcDNA、RN
A、合成DNAであることができるが、一般にcDNA
が好適である。かかる抗体遺伝子の具体例としては、例
えば、CLN−IgGモノクローナル抗体の重鎖又は軽
鎖をコードするcDNA、RNA又は合成DNA等が挙
げられる。これらの抗体遺伝子はそれを含むプラスミド
等から標準的方法により分離することができる。
させうる抗体遺伝子としては、特に制限はなく、任意の
ヒトモノクローナル抗体の重鎖又は軽鎖部分もしくはそ
の一部分(例えば超可変領域CDR1、CDR2、CD
R3など)のアミノ酸配列をコードする構造遺伝子を用
いることができる。また、抗体遺伝子はcDNA、RN
A、合成DNAであることができるが、一般にcDNA
が好適である。かかる抗体遺伝子の具体例としては、例
えば、CLN−IgGモノクローナル抗体の重鎖又は軽
鎖をコードするcDNA、RNA又は合成DNA等が挙
げられる。これらの抗体遺伝子はそれを含むプラスミド
等から標準的方法により分離することができる。
【0016】このようにして得られる抗体遺伝子は、標
準的な手法を用いて前述の発現プラスミドのSV40初
期プロモーターとSV40初期スプライシング ポリA
付加部位との間に挿入しサブクローニングすることによ
り、本発明のプラスミドを作製することができる。
準的な手法を用いて前述の発現プラスミドのSV40初
期プロモーターとSV40初期スプライシング ポリA
付加部位との間に挿入しサブクローニングすることによ
り、本発明のプラスミドを作製することができる。
【0017】また、前述のSV40初期プロモーターと
SV40初期スプライシングポリA付加部位を2つづつ
もつプラスミドの一方のプロモーターとターミネーター
の間に重鎖部位を、そしてもう一方の間に軽鎖部分を挿
入しサブクローニングすることにより、重鎖と軽鎖を同
時に発現するプラスミドを作製することができる。
SV40初期スプライシングポリA付加部位を2つづつ
もつプラスミドの一方のプロモーターとターミネーター
の間に重鎖部位を、そしてもう一方の間に軽鎖部分を挿
入しサブクローニングすることにより、重鎖と軽鎖を同
時に発現するプラスミドを作製することができる。
【0018】本発明のプラスミドは、前述したSV40
初期プロモーター、抗体遺伝子及びSV40初期スプラ
イシングポリA付加部位のみから実質的に構成されてい
てもよいが、必要によりさらに、抗体の発現を上昇させ
る目的でエンハンサーや遺伝子増幅配列、例えばDHF
R遺伝子等を導入してもよい。
初期プロモーター、抗体遺伝子及びSV40初期スプラ
イシングポリA付加部位のみから実質的に構成されてい
てもよいが、必要によりさらに、抗体の発現を上昇させ
る目的でエンハンサーや遺伝子増幅配列、例えばDHF
R遺伝子等を導入してもよい。
【0019】以上の如くして作製される本発明のプラス
ミドは、哺乳動物宿主細胞、例えば、CHO細胞、CO
S細胞、M12細胞、L細胞、WIL2細胞等を形質転
換することにより、抗体遺伝子がコードするヒトモノク
ローナル抗体の重鎖又は軽鎖部又もしくはその一部分の
アミノ酸配列(以下、便宜上これを抗体という)を発現
させることができる。
ミドは、哺乳動物宿主細胞、例えば、CHO細胞、CO
S細胞、M12細胞、L細胞、WIL2細胞等を形質転
換することにより、抗体遺伝子がコードするヒトモノク
ローナル抗体の重鎖又は軽鎖部又もしくはその一部分の
アミノ酸配列(以下、便宜上これを抗体という)を発現
させることができる。
【0020】本発明のプラスミドによる動物宿主細胞の
形質転換は、それ自体既知の任意の形質転換方法によっ
て行なうことができる。例えば、エレクトロポレーショ
ン、リン酸カルシウム沈澱法、リポフェクションによ
り、活性を持った抗体の発現を可能にする適当な宿主細
胞系にトランスフェクションし、トランスフェクション
後、細胞は選択培地中でトランスフェクトされたプラス
ミドを獲得した細胞のみを増殖させる。トランスフェク
ション時に、薬剤耐性遺伝子を含むプラスミドを抗体遺
伝子を含むものの半分程度にしておけば、薬剤耐性細胞
が抗体遺伝子を含む確率を上昇させることができる。抗
体を発現または分泌するクローンは、例えば、培養上清
中の抗体の存在について、普通のアッセイ技術、例えば
酵素結合免疫吸着法によって同定することができる。形
質転換細胞により分泌される抗体は、普通の技術、例え
ば、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーま
たは標準の生化学的手法により精製することができる。
形質転換は、それ自体既知の任意の形質転換方法によっ
て行なうことができる。例えば、エレクトロポレーショ
ン、リン酸カルシウム沈澱法、リポフェクションによ
り、活性を持った抗体の発現を可能にする適当な宿主細
胞系にトランスフェクションし、トランスフェクション
後、細胞は選択培地中でトランスフェクトされたプラス
ミドを獲得した細胞のみを増殖させる。トランスフェク
ション時に、薬剤耐性遺伝子を含むプラスミドを抗体遺
伝子を含むものの半分程度にしておけば、薬剤耐性細胞
が抗体遺伝子を含む確率を上昇させることができる。抗
体を発現または分泌するクローンは、例えば、培養上清
中の抗体の存在について、普通のアッセイ技術、例えば
酵素結合免疫吸着法によって同定することができる。形
質転換細胞により分泌される抗体は、普通の技術、例え
ば、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーま
たは標準の生化学的手法により精製することができる。
【0021】また、ヒトモノクローナル抗体の重鎖部分
あるいは軽鎖部分をもつプラスミドで同時に同じ細胞を
形質転換(co-transfection)することにより、もとの
ヒトモノクローナル抗体がもっていた結合活性をもつ抗
体を発現させることができる。
あるいは軽鎖部分をもつプラスミドで同時に同じ細胞を
形質転換(co-transfection)することにより、もとの
ヒトモノクローナル抗体がもっていた結合活性をもつ抗
体を発現させることができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの具体例に限定されないこ
とはいうまでない。
説明するが、本発明はこれらの具体例に限定されないこ
とはいうまでない。
【0023】実施例1(ベクターの造成) (1) プラスミドpBSPの作製 A) Bluescript II SK+のHincII、HindIII
消化、アルカリフォスファターゼ処理 Bluescript II SK+(Stratagene社)DNA溶液20
μl(10μg)に10×M buffer(100mM Tris
-HCl(pH7.5)、100mM MgCl2、10m
M DTT、500mM NaCl)20μl、Hind
III(宝酒造(株))5μl(80units)及び滅菌水1
55μlを加え、37℃で2時間インキュベートした。
反応後、この溶液に10×L buffer(100mM Tris
-HCl(pH7.5)、100mM MgCl2、10m
M DTT、500mM NaCl)20μl、5M N
aCl0.6μl、HincII(宝酒造(株))5μl
(80units)及び滅菌水175μlを加え、さらに3
7℃で2時間インキュベートした。
消化、アルカリフォスファターゼ処理 Bluescript II SK+(Stratagene社)DNA溶液20
μl(10μg)に10×M buffer(100mM Tris
-HCl(pH7.5)、100mM MgCl2、10m
M DTT、500mM NaCl)20μl、Hind
III(宝酒造(株))5μl(80units)及び滅菌水1
55μlを加え、37℃で2時間インキュベートした。
反応後、この溶液に10×L buffer(100mM Tris
-HCl(pH7.5)、100mM MgCl2、10m
M DTT、500mM NaCl)20μl、5M N
aCl0.6μl、HincII(宝酒造(株))5μl
(80units)及び滅菌水175μlを加え、さらに3
7℃で2時間インキュベートした。
【0024】反応後、フェノール−クロロホルム処理、
エタノール沈澱することによりDNAを精製、回収し
た。0.9%アガロース電気泳動により、切断されたプ
ラスミドを分離し、その切断されたプラスミドをゲルか
ら電気的に溶出した後、フェノール−クロロホルム処
理、エタノール沈澱することによりDNAを精製、回収
した。この沈澱を100μlの0.1M Tris-HCl
(pH8.0)に溶解し、10μlのアルカリフォスフ
ァターゼ(宝酒造(株))溶液を加え、65℃、2時間
インキュベートした。反応後、フェノール−クロロホル
ム処理、エタノール沈澱することによりDNAを精製、
回収した。
エタノール沈澱することによりDNAを精製、回収し
た。0.9%アガロース電気泳動により、切断されたプ
ラスミドを分離し、その切断されたプラスミドをゲルか
ら電気的に溶出した後、フェノール−クロロホルム処
理、エタノール沈澱することによりDNAを精製、回収
した。この沈澱を100μlの0.1M Tris-HCl
(pH8.0)に溶解し、10μlのアルカリフォスフ
ァターゼ(宝酒造(株))溶液を加え、65℃、2時間
インキュベートした。反応後、フェノール−クロロホル
ム処理、エタノール沈澱することによりDNAを精製、
回収した。
【0025】B) pSV2bsrからのプロモーター
部分の単離 pSV2bsrDNA(科研製薬(株))溶液20μg
(10μg)に10×M buffer 20μl、PvuII
(宝酒造(株))5μl(40units)、HindIII5
μl(40units)及び滅菌水150μlを加え、37
℃で2時間インキュベートした、反応後、この溶液をフ
ェノール−クロロホルム処理、エタノール沈澱すること
により精製、回収した。2.0%アガロースゲル電気泳
動によりSV40 early promoter を含む342bpの
断片を分離し、このDNA断片をゲルから電気的に溶出
した後、フェノール−クロロホルム処理、エタノール沈
澱することにより精製、回収した。
部分の単離 pSV2bsrDNA(科研製薬(株))溶液20μg
(10μg)に10×M buffer 20μl、PvuII
(宝酒造(株))5μl(40units)、HindIII5
μl(40units)及び滅菌水150μlを加え、37
℃で2時間インキュベートした、反応後、この溶液をフ
ェノール−クロロホルム処理、エタノール沈澱すること
により精製、回収した。2.0%アガロースゲル電気泳
動によりSV40 early promoter を含む342bpの
断片を分離し、このDNA断片をゲルから電気的に溶出
した後、フェノール−クロロホルム処理、エタノール沈
澱することにより精製、回収した。
【0026】C) Bluescript II SK+(HincII
−HindIII消化)とプロモーター部分の連結 Bluesc
ript II SK+(HincII−HindIII)DNA溶液
1μl(0.2μg)、SV40 early promoter 部位
DNA断片溶液1μl(0.2μg)、10×ligation
buffer(660mM Tris-HCl(pH7.5)、66
mM MgCl2、100mM DTT)1μl、10m
M ATP 1μl、ligase(宝酒造(株))1μl及び
滅菌水5μlを加え、16℃、15時間インキュベート
した。
−HindIII消化)とプロモーター部分の連結 Bluesc
ript II SK+(HincII−HindIII)DNA溶液
1μl(0.2μg)、SV40 early promoter 部位
DNA断片溶液1μl(0.2μg)、10×ligation
buffer(660mM Tris-HCl(pH7.5)、66
mM MgCl2、100mM DTT)1μl、10m
M ATP 1μl、ligase(宝酒造(株))1μl及び
滅菌水5μlを加え、16℃、15時間インキュベート
した。
【0027】D) プラスミドpBSPのクローニング 上記 ligation 溶液1μlを50mM CaCl2処理し
た E. coli JM109の細胞懸濁液200μlに加
え、穏やかに混合した。この混合液を氷水中で30分間
インキュベートした後さらに42℃で2分間インキュベ
ートしてDNAを細胞中に取り込ませた。この懸濁液に
1.8mlの2×YT(トリプトン 16g/l、NaC
l 5g/l、酵母抽出エキス 10g/l)液体培地を
加え、37℃で1時間の振とう培養後、LB(トリプト
ン 10g/l、NaCl 10g/l、酵母抽出エキス
5g/l)寒天培地(アンピシリン 50μg/mlを
含む)にプレートした。得られたいくつかのコロニーか
らプラスミドを調製し、制限酵素地図の解析から目的の
プラスミド、pBSPを保持しているコロニーを選択し
た(図1)。このpBSPを保持している E. coli を
100mlの2×YT液体培地で培養し、プラスミドD
NAをSDS−アルカリ法により大量に調製した。
た E. coli JM109の細胞懸濁液200μlに加
え、穏やかに混合した。この混合液を氷水中で30分間
インキュベートした後さらに42℃で2分間インキュベ
ートしてDNAを細胞中に取り込ませた。この懸濁液に
1.8mlの2×YT(トリプトン 16g/l、NaC
l 5g/l、酵母抽出エキス 10g/l)液体培地を
加え、37℃で1時間の振とう培養後、LB(トリプト
ン 10g/l、NaCl 10g/l、酵母抽出エキス
5g/l)寒天培地(アンピシリン 50μg/mlを
含む)にプレートした。得られたいくつかのコロニーか
らプラスミドを調製し、制限酵素地図の解析から目的の
プラスミド、pBSPを保持しているコロニーを選択し
た(図1)。このpBSPを保持している E. coli を
100mlの2×YT液体培地で培養し、プラスミドD
NAをSDS−アルカリ法により大量に調製した。
【0028】(2) プラスミドpBSPTの作製 A) pBSPのPstI−BamHI消化、アルカリフ
ォスファターゼ処理 pBSTDNA溶液20μl(10μg)に10×Ba
mHI buffer(200mM Tris-HCl(pH8.
5)、100mM MgCl2、10mM DTT、1M
KCl)20μl、BamHI(宝酒造(株))10μ
l(80units)及び滅菌水150μlを加え、37℃
で2時間インキュベートした。反応後、この溶液をフェ
ノール−クロロホルム処理し、エタノール沈澱すること
によりDNAを精製、回収した。0.9%アガロース電
気泳動により切断されたプラスミドを分離し、その切断
されたプラスミドをゲルから電気的に溶出した後、フェ
ノール−クロロホルム処理、エタノール沈澱することに
より精製した。
ォスファターゼ処理 pBSTDNA溶液20μl(10μg)に10×Ba
mHI buffer(200mM Tris-HCl(pH8.
5)、100mM MgCl2、10mM DTT、1M
KCl)20μl、BamHI(宝酒造(株))10μ
l(80units)及び滅菌水150μlを加え、37℃
で2時間インキュベートした。反応後、この溶液をフェ
ノール−クロロホルム処理し、エタノール沈澱すること
によりDNAを精製、回収した。0.9%アガロース電
気泳動により切断されたプラスミドを分離し、その切断
されたプラスミドをゲルから電気的に溶出した後、フェ
ノール−クロロホルム処理、エタノール沈澱することに
より精製した。
【0029】このようにして精製した切断されたpBS
PDNA溶液10μl(5μg)に10×H buffer
(500mM Tris-HCl(pH7.5)、100mM
MgCl2、10mM DTT、1000mM NaC
l)10μl、Pst 15μl(40units)及び滅菌
水75μlを加え、37℃、2時間インキュベートし
た。反応後、フェノール−クロロホルム処理し、エタノ
ール沈澱することによりDNAを精製、回収した。0.
9%アガロース電気泳動により切断されたプラスミドを
分離し、その切断されたプラスミドをゲルから電気的に
溶出した後、フェノール−クロロホルム処理、エタノー
ル沈澱することによりDNAを精製、回収した。この沈
澱を100μlの0.1M Tris-HCl(pH8.0)に
溶解し、10μlのアルカリフォスファターゼ溶液を加
え、65℃、2時間インキュベートした。反応後、フェ
ノール−クロロホルム処理し、エタノール沈澱すること
によりDNAを回収した。
PDNA溶液10μl(5μg)に10×H buffer
(500mM Tris-HCl(pH7.5)、100mM
MgCl2、10mM DTT、1000mM NaC
l)10μl、Pst 15μl(40units)及び滅菌
水75μlを加え、37℃、2時間インキュベートし
た。反応後、フェノール−クロロホルム処理し、エタノ
ール沈澱することによりDNAを精製、回収した。0.
9%アガロース電気泳動により切断されたプラスミドを
分離し、その切断されたプラスミドをゲルから電気的に
溶出した後、フェノール−クロロホルム処理、エタノー
ル沈澱することによりDNAを精製、回収した。この沈
澱を100μlの0.1M Tris-HCl(pH8.0)に
溶解し、10μlのアルカリフォスファターゼ溶液を加
え、65℃、2時間インキュベートした。反応後、フェ
ノール−クロロホルム処理し、エタノール沈澱すること
によりDNAを回収した。
【0030】B) pMAMneoからSV40 early
splicing region と polyA signal部分の単離 pMAMneo(Clontech社)DNA溶液20μl(1
0μg)に10×BamHI buffer 20μl、Bam
HI10μl(80units)及び滅菌水150μlを加
え、37℃で2時間インキュベートした。反応後、フェ
ノール−クロロホルム処理、エタノール沈澱することに
よりDNAを精製、回収した。このようにして得られた
切断されたpMAMneoDNA溶液10μl(5μ
g)に10×H buffer 10μl、PstI 5μl
(40units)及び滅菌水75μlを加え、37℃、2
時間インキュベートした。反応後、フェノール−クロロ
ホルム処理、エタノール沈澱することによりDNAを精
製、回収した。1.5%アガロース電気泳動を行い目的
のDNA断片(886bp)を分離し、このDNA断片
をゲルから電気的に溶出した後、フェノール−クロロホ
ルム処理、エタノール沈澱して精製、回収した。
splicing region と polyA signal部分の単離 pMAMneo(Clontech社)DNA溶液20μl(1
0μg)に10×BamHI buffer 20μl、Bam
HI10μl(80units)及び滅菌水150μlを加
え、37℃で2時間インキュベートした。反応後、フェ
ノール−クロロホルム処理、エタノール沈澱することに
よりDNAを精製、回収した。このようにして得られた
切断されたpMAMneoDNA溶液10μl(5μ
g)に10×H buffer 10μl、PstI 5μl
(40units)及び滅菌水75μlを加え、37℃、2
時間インキュベートした。反応後、フェノール−クロロ
ホルム処理、エタノール沈澱することによりDNAを精
製、回収した。1.5%アガロース電気泳動を行い目的
のDNA断片(886bp)を分離し、このDNA断片
をゲルから電気的に溶出した後、フェノール−クロロホ
ルム処理、エタノール沈澱して精製、回収した。
【0031】C) pBSP(PstI−BamHI消
化)とSV40 early splicing region+polyA signa
l 部分の連結 pBSP(PstI−BamHI消化)DNA溶液1μl
(0.2μg)、SV40 early splicing region+pol
yA signal 部分DNA断片溶液1μl(0.2μg)、
10×ligation buffer 1μl、10mM ATP 1μ
l、ligase(宝酒造(株))1μl及び滅菌水5μlを
加え、16℃、15時間インキュベートした。
化)とSV40 early splicing region+polyA signa
l 部分の連結 pBSP(PstI−BamHI消化)DNA溶液1μl
(0.2μg)、SV40 early splicing region+pol
yA signal 部分DNA断片溶液1μl(0.2μg)、
10×ligation buffer 1μl、10mM ATP 1μ
l、ligase(宝酒造(株))1μl及び滅菌水5μlを
加え、16℃、15時間インキュベートした。
【0032】D) プラスミドpBSPTのクローニン
グ 上記 ligation 溶液1μlを50mMCaCl2処理し
た E. coli JM109の細胞懸濁液200μlに加
え、穏やかに混合した。この混合液を氷水中で30分間
インキュベートした後さらに42℃で2分間インキュベ
ートしてDNAを細胞中に取り込ませた。この懸濁液に
1.8mlの2×YT液体培地を加え、37℃で1時間
の振とう培養液、LB寒天培地(50μg/mlアンピ
シリンを含む)にプレートした。得られたいくつかのコ
ロニーからプラスミドを調製し、制限酵素地図の解析か
ら目的のプラスミド、pBSPTを保持しているコロニ
ーを選択した(図2)。このpBSPTを保持いている
E. coli を100mlの2×YT液体培地で培養し、
プラスミドDNAをSDS−アルカリ法により大量に調
製した。
グ 上記 ligation 溶液1μlを50mMCaCl2処理し
た E. coli JM109の細胞懸濁液200μlに加
え、穏やかに混合した。この混合液を氷水中で30分間
インキュベートした後さらに42℃で2分間インキュベ
ートしてDNAを細胞中に取り込ませた。この懸濁液に
1.8mlの2×YT液体培地を加え、37℃で1時間
の振とう培養液、LB寒天培地(50μg/mlアンピ
シリンを含む)にプレートした。得られたいくつかのコ
ロニーからプラスミドを調製し、制限酵素地図の解析か
ら目的のプラスミド、pBSPTを保持しているコロニ
ーを選択した(図2)。このpBSPTを保持いている
E. coli を100mlの2×YT液体培地で培養し、
プラスミドDNAをSDS−アルカリ法により大量に調
製した。
【0033】(3) プラスミドpBSPTbsrの作
製 A) pBSPTのHindIII消化、アルカリフォス
ファターゼ処理 pBSPTDNA溶液20μl(10μg)に10×M
buffer 20μl、HindIII 10μl(80unit
s)及び滅菌水150μlを加え、37℃、2時間イン
キュベートした。反応後、フェノール−クロロホルム処
理、エタノール沈澱することによりDNAを精製、回収
した。この沈澱を100μlの0.1M Tris-HCl
(pH8.0)に溶解し、10μlのアルカリフォスフ
ァターゼを加え、65℃、1時間インキュベートした。
反応後、フェノール−クロロホルム処理、エタノール沈
澱することによってDNAを精製、回収した。
製 A) pBSPTのHindIII消化、アルカリフォス
ファターゼ処理 pBSPTDNA溶液20μl(10μg)に10×M
buffer 20μl、HindIII 10μl(80unit
s)及び滅菌水150μlを加え、37℃、2時間イン
キュベートした。反応後、フェノール−クロロホルム処
理、エタノール沈澱することによりDNAを精製、回収
した。この沈澱を100μlの0.1M Tris-HCl
(pH8.0)に溶解し、10μlのアルカリフォスフ
ァターゼを加え、65℃、1時間インキュベートした。
反応後、フェノール−クロロホルム処理、エタノール沈
澱することによってDNAを精製、回収した。
【0034】B) pSV2bsrからのプラストサイ
ジンS耐性遺伝子の単離 pSV2bsrDNA溶液20μl(10μg)に10
×M buffer 20μl、HindIII 10μl(80un
its)及び滅菌水150μlを加え、37℃、2時間イ
ンキュベートした。反応後、この溶液をフェノール−ク
ロロホルム処理、エタノール沈澱することによりDNA
を精製、回収した。2.0%アガロースゲル電気泳動に
よりプラストサイジンS耐性遺伝子(bsr)を含み4
81bpの断片を分離し、このDNA断片をゲルから電
気的に溶出した後、フェノール−クロロホルム処理、エ
タノール沈澱することによって精製、回収した。
ジンS耐性遺伝子の単離 pSV2bsrDNA溶液20μl(10μg)に10
×M buffer 20μl、HindIII 10μl(80un
its)及び滅菌水150μlを加え、37℃、2時間イ
ンキュベートした。反応後、この溶液をフェノール−ク
ロロホルム処理、エタノール沈澱することによりDNA
を精製、回収した。2.0%アガロースゲル電気泳動に
よりプラストサイジンS耐性遺伝子(bsr)を含み4
81bpの断片を分離し、このDNA断片をゲルから電
気的に溶出した後、フェノール−クロロホルム処理、エ
タノール沈澱することによって精製、回収した。
【0035】C) pBSPT(HindIII消化)と
bsr断片の連結 pBSPT(HindIII)DNA溶液1μl(0.2μ
g)、bsr部分DNA断片溶液1μl(0.2μ
g)、10×ligation buffer 1μl、10mM AT
P1μl、ligase 1μl及び滅菌水5μlを加え、1
6℃、15時間インキュベートした。
bsr断片の連結 pBSPT(HindIII)DNA溶液1μl(0.2μ
g)、bsr部分DNA断片溶液1μl(0.2μ
g)、10×ligation buffer 1μl、10mM AT
P1μl、ligase 1μl及び滅菌水5μlを加え、1
6℃、15時間インキュベートした。
【0036】D) プラスミドpBSPTbsrのクロ
ーニング 上記 ligation 溶液1μlを50mMCaCl2処理し
た E. coli JM109の細胞懸濁液200μlに加
え、穏やかに混合した。この混合液を氷水中で30分間
インキュベートした後さらに42℃で2分間インキュベ
ートしてDNAを細胞中に取り込ませた。この懸濁液に
1.8mlの2×YT液体培地を加え、37℃で1時間
の振とう培養後、LB寒天培地(50μg/mlアンピ
シリンを含む)にプレートした。得られたいくつかのコ
ロニーからプラスミドを調製し、制限酵素地図の解析か
らクローニングされた断片の方向を確認し、目的のプラ
スミド、pBSPTbsrを保持しているコロニーを選
択した(図3)。このpBSPTbsrを保持している
E. coli を100mlの2×YT液体培地で培養し、
プラスミドDNAをSDS−アルカリ法により大量に調
製した。
ーニング 上記 ligation 溶液1μlを50mMCaCl2処理し
た E. coli JM109の細胞懸濁液200μlに加
え、穏やかに混合した。この混合液を氷水中で30分間
インキュベートした後さらに42℃で2分間インキュベ
ートしてDNAを細胞中に取り込ませた。この懸濁液に
1.8mlの2×YT液体培地を加え、37℃で1時間
の振とう培養後、LB寒天培地(50μg/mlアンピ
シリンを含む)にプレートした。得られたいくつかのコ
ロニーからプラスミドを調製し、制限酵素地図の解析か
らクローニングされた断片の方向を確認し、目的のプラ
スミド、pBSPTbsrを保持しているコロニーを選
択した(図3)。このpBSPTbsrを保持している
E. coli を100mlの2×YT液体培地で培養し、
プラスミドDNAをSDS−アルカリ法により大量に調
製した。
【0037】(4) プラスミドpBSPTG、pBS
PTKの作製 A) pBSPTのEcoRI消化、アルカリフォスフ
ァターゼ処理 pBSPTDNA溶液20μl(10μg)に10×H
buffer 20μl、EcoRI 10μl(80units)
及び滅菌水150μlを加え、37℃、2時間インキュ
ベートした。反応後、フェノール−クロロホルム処理、
エタノール沈澱することによりDNAを精製、回収し
た。この沈澱を100μlの0.1M Tris-HCl(p
H8.0)に溶解し、10μlのアルカリフォスファタ
ーゼを加え、65℃、2時間インキュベートした。反応
後、フェノール−クロロホルム処理、エタノール沈澱す
ることによってDNAを精製、回収した。
PTKの作製 A) pBSPTのEcoRI消化、アルカリフォスフ
ァターゼ処理 pBSPTDNA溶液20μl(10μg)に10×H
buffer 20μl、EcoRI 10μl(80units)
及び滅菌水150μlを加え、37℃、2時間インキュ
ベートした。反応後、フェノール−クロロホルム処理、
エタノール沈澱することによりDNAを精製、回収し
た。この沈澱を100μlの0.1M Tris-HCl(p
H8.0)に溶解し、10μlのアルカリフォスファタ
ーゼを加え、65℃、2時間インキュベートした。反応
後、フェノール−クロロホルム処理、エタノール沈澱す
ることによってDNAを精製、回収した。
【0038】B) pG611、pK413からのγ
鎖、κ鎖cDNA断片の単離 pG611DNA溶液あるいはpK413DNA溶液2
0μl(10μg)に10×H buffer 20μl、Ec
oRI 10μl(80units)及び滅菌水150μlを
加え、37℃、2時間インキュベートした。反応後、フ
ェノール−クロロホルム処理、エタノール沈澱すること
により、DNAを回収した。1.2%アガロース電気泳
動を行い、目的のDNA断片(γ鎖は1624bp、κ
鎖は947bp)を分離し、このDNA断片をゲルか
ら、電気的に溶出し、フェノール−クロロホルム処理、
エタノール沈澱することにより精製、回収した。
鎖、κ鎖cDNA断片の単離 pG611DNA溶液あるいはpK413DNA溶液2
0μl(10μg)に10×H buffer 20μl、Ec
oRI 10μl(80units)及び滅菌水150μlを
加え、37℃、2時間インキュベートした。反応後、フ
ェノール−クロロホルム処理、エタノール沈澱すること
により、DNAを回収した。1.2%アガロース電気泳
動を行い、目的のDNA断片(γ鎖は1624bp、κ
鎖は947bp)を分離し、このDNA断片をゲルか
ら、電気的に溶出し、フェノール−クロロホルム処理、
エタノール沈澱することにより精製、回収した。
【0039】C) pBSPT(EcoRI消化)とC
LNH11γ鎖あるいはκ鎖cDNA断片との連結 pBSPT(EcoRI)DNA溶液1μl(0.2μ
g)、γ鎖cDNA断片溶液あるいはκ鎖cDNA断片
1μl(0.2μg)、10×ligation buffer1μl、
10mM ATP 1μl、ligase 1μl及び滅菌水5
μlを加え、16℃、15時間インキュベートした。
LNH11γ鎖あるいはκ鎖cDNA断片との連結 pBSPT(EcoRI)DNA溶液1μl(0.2μ
g)、γ鎖cDNA断片溶液あるいはκ鎖cDNA断片
1μl(0.2μg)、10×ligation buffer1μl、
10mM ATP 1μl、ligase 1μl及び滅菌水5
μlを加え、16℃、15時間インキュベートした。
【0040】D) プラスミドpBSPTG、pBSP
TKのクローニング ligation溶液1μlを50mMCaCl2処理した E. c
oli JM109の細胞懸濁液200μlに加え、穏やか
に混合した。この混合液を氷水中で30分間インキュベ
ートした後さらに42℃で2分間インキュベートしてD
NAを細胞中に取り込ませた。この懸濁液に1.8ml
の2×YT液体培地を加え、37℃で1時間の振とう培
養後、LB寒天培地(50μg/mlアンピシリンを含
む)にプレートした。それぞれの ligation 溶液で形質
転換して得られたいくつかのコロニーからプラスミドを
調製し、制限酵素地図の解析からクローニングされた断
片の方向を確認し、目的のプラスミド、pBSPTGあ
るいはpBSPTKを保持しているコロニーを選択した
(図4、図5)。このpBSPTGあるいはpBSPT
Kを保持している E. coli を100mlの2×YT液
体培地で培養し、プラスミドDNAをSDS−アルカリ
法により大量に調製した。
TKのクローニング ligation溶液1μlを50mMCaCl2処理した E. c
oli JM109の細胞懸濁液200μlに加え、穏やか
に混合した。この混合液を氷水中で30分間インキュベ
ートした後さらに42℃で2分間インキュベートしてD
NAを細胞中に取り込ませた。この懸濁液に1.8ml
の2×YT液体培地を加え、37℃で1時間の振とう培
養後、LB寒天培地(50μg/mlアンピシリンを含
む)にプレートした。それぞれの ligation 溶液で形質
転換して得られたいくつかのコロニーからプラスミドを
調製し、制限酵素地図の解析からクローニングされた断
片の方向を確認し、目的のプラスミド、pBSPTGあ
るいはpBSPTKを保持しているコロニーを選択した
(図4、図5)。このpBSPTGあるいはpBSPT
Kを保持している E. coli を100mlの2×YT液
体培地で培養し、プラスミドDNAをSDS−アルカリ
法により大量に調製した。
【0041】実施例2(重鎖あるいは軽鎖抗体遺伝子発
現組換え体の取得) (1) プラスミドpBSPTK及びpBSPTbsr
あるいはpBSPTG及びpBSPTbsrによるCH
O細胞の形質転換) 前項で得られたプラスミドpBSPTK及びpBSPT
bsrあるいはpBSPTG及びpBSPTbsrをリ
ポフェクションによってCHO細胞に導入した。すなわ
ち、CHO細胞4×104を5mlのDF(DMEM
6.72g/l、HamF12 5.32g/l、NaH
CO3 2.22g/l)+10%FBSを含む60mm
のプレートに培養し、3日後3mlのDF培地で細胞を
洗い、FBSを除去した。次に、pBSPTK5μg及
びpBSPTbsr2.5μgあるいはpBSPTG5
μgおよびpBSPTbsr2.5μgを15μlの滅
菌水に懸濁したDNA溶液とリポフェクチン(ベセスダ
リサーチ社)15μlを混合してDNA/リポフェクチ
ン複合体を作った。上記の細胞にDNA/リポフェクチ
ン複合体を滴下し、37℃、5%CO2の条件で細胞を
培養し、24時間後に培地を5mlの10μg/mlの
ブラストサイジンS(BS)を含むDF+10%FBS
と交換し、さらに24時間後に細胞を回収し、DF+1
0%FBS+BS10μg/mlに細胞を懸濁し、クロ
ーニングプレート(グライナー社)で培養した。3日毎
に培養液の交換を行い形質転換細胞を選択的に増殖さ
せ、約1×10-4の割合で形質転換細胞を得た。
現組換え体の取得) (1) プラスミドpBSPTK及びpBSPTbsr
あるいはpBSPTG及びpBSPTbsrによるCH
O細胞の形質転換) 前項で得られたプラスミドpBSPTK及びpBSPT
bsrあるいはpBSPTG及びpBSPTbsrをリ
ポフェクションによってCHO細胞に導入した。すなわ
ち、CHO細胞4×104を5mlのDF(DMEM
6.72g/l、HamF12 5.32g/l、NaH
CO3 2.22g/l)+10%FBSを含む60mm
のプレートに培養し、3日後3mlのDF培地で細胞を
洗い、FBSを除去した。次に、pBSPTK5μg及
びpBSPTbsr2.5μgあるいはpBSPTG5
μgおよびpBSPTbsr2.5μgを15μlの滅
菌水に懸濁したDNA溶液とリポフェクチン(ベセスダ
リサーチ社)15μlを混合してDNA/リポフェクチ
ン複合体を作った。上記の細胞にDNA/リポフェクチ
ン複合体を滴下し、37℃、5%CO2の条件で細胞を
培養し、24時間後に培地を5mlの10μg/mlの
ブラストサイジンS(BS)を含むDF+10%FBS
と交換し、さらに24時間後に細胞を回収し、DF+1
0%FBS+BS10μg/mlに細胞を懸濁し、クロ
ーニングプレート(グライナー社)で培養した。3日毎
に培養液の交換を行い形質転換細胞を選択的に増殖さ
せ、約1×10-4の割合で形質転換細胞を得た。
【0042】(2) 形質転換細胞培養上清の重鎖ある
いは軽鎖量の測定 ヤギ抗ヒトγ鎖抗体(Antibodies Incorporated)溶液
あるいはヤギ抗ヒトκ鎖抗血清(Kent Laboratories)
をPBS(Na2HPO4 1.15g/l KH2PO4
0.2g/l NaCl 8.0g/l KCl 0.2g/
l)により適当な濃度に希釈した溶液をマイクロプレー
トに1ウェルあたり50μl加え、37℃、30分イン
キュベートすることによって抗体を固相に吸着させた。
マイクロプレートから抗体溶液を除去した後、ゼラチン
バッファー(10mM PBS、0.3%ゼラチン)で3
回洗浄し、マイクロプレートの未吸着部分をブロッキン
グするために、1%BSA含有PBS溶液を1ウェルあ
たり200μl加えた。次に、各培養上清をPBSで希
釈したものを1ウェルあたり50μl加え、37℃、1
時間インキュベートした後、試料を除去し、ゼラチンバ
ッファーで3回洗浄し、ヤギPA標識抗ヒトIgG抗体
(CAPPEL社)をPBSにより適当な濃度に希釈し
た溶液を1ウェルあたり50μl加え、37℃、30分
インキュベートした。ゼラチンバッファーで3回洗浄し
た後、1ウェルあたり50μlのOPDA溶液(クエン
酸バッファー1mlあたりOPDAを0.6mg含み使
用直前にH2O2を0.2μl/mlの割合で加えたも
の)を加えて、37℃、10〜20分インキュベート
し、5NH2SO4を50μl加え、反応を停止させ、O
D492をマイクロプレートリーダー(コロナ社)を用い
て測定した。
いは軽鎖量の測定 ヤギ抗ヒトγ鎖抗体(Antibodies Incorporated)溶液
あるいはヤギ抗ヒトκ鎖抗血清(Kent Laboratories)
をPBS(Na2HPO4 1.15g/l KH2PO4
0.2g/l NaCl 8.0g/l KCl 0.2g/
l)により適当な濃度に希釈した溶液をマイクロプレー
トに1ウェルあたり50μl加え、37℃、30分イン
キュベートすることによって抗体を固相に吸着させた。
マイクロプレートから抗体溶液を除去した後、ゼラチン
バッファー(10mM PBS、0.3%ゼラチン)で3
回洗浄し、マイクロプレートの未吸着部分をブロッキン
グするために、1%BSA含有PBS溶液を1ウェルあ
たり200μl加えた。次に、各培養上清をPBSで希
釈したものを1ウェルあたり50μl加え、37℃、1
時間インキュベートした後、試料を除去し、ゼラチンバ
ッファーで3回洗浄し、ヤギPA標識抗ヒトIgG抗体
(CAPPEL社)をPBSにより適当な濃度に希釈し
た溶液を1ウェルあたり50μl加え、37℃、30分
インキュベートした。ゼラチンバッファーで3回洗浄し
た後、1ウェルあたり50μlのOPDA溶液(クエン
酸バッファー1mlあたりOPDAを0.6mg含み使
用直前にH2O2を0.2μl/mlの割合で加えたも
の)を加えて、37℃、10〜20分インキュベート
し、5NH2SO4を50μl加え、反応を停止させ、O
D492をマイクロプレートリーダー(コロナ社)を用い
て測定した。
【0043】ELISAの結果を図6および図7に示
す。
す。
【0044】実施例3(抗体遺伝子発現組換え体の取
得) (1) プラスミドpBSPTK、pBSPTG及びp
BSPTbsrによるCHO細胞の形質転換) 前項で得られたプラスミドpBSPTK、pBSPTG
及びpBSPTbsrをリポフェクションによってCH
O細胞に導入した。すなわち、CHO細胞4×104を
5mlのDF(DMEM 6.72g/l、HamF12
5.32g/l、NaHCO3 2.22g/l)+10
%FBSを含む60mmのプレートに培養し、3日後3
mlのDF培地で細胞を洗い、FBSを除去した。次
に、pBSPTK5μg、pBSPTG5μg、pBS
PTbsr2.5μgを15μlの滅菌水に懸濁したD
NA溶液とリポフェクチン(ベセスダリサーチ社)15
μlを混合してDNA/リポフェクチン複合体を作っ
た。上記の細胞にDNA/リポフェクチン複合体を滴下
し、37℃、5%CO2の条件で細胞を培養し、24時
間後に培地を5mlの10μg/mlのブラストサイジ
ンS(BS)を含むDF+10%FBSと交換し、さら
に24時間後に細胞を回収し、DF+10%FBS+B
S10μg/mlに細胞を懸濁し、クローニングプレー
ト(グライナー社)で培養した。3日毎に培養液の交換
を行い形質転換細胞を選択的に増殖させ、約1×10-4
の割合で形質転換細胞を得た。
得) (1) プラスミドpBSPTK、pBSPTG及びp
BSPTbsrによるCHO細胞の形質転換) 前項で得られたプラスミドpBSPTK、pBSPTG
及びpBSPTbsrをリポフェクションによってCH
O細胞に導入した。すなわち、CHO細胞4×104を
5mlのDF(DMEM 6.72g/l、HamF12
5.32g/l、NaHCO3 2.22g/l)+10
%FBSを含む60mmのプレートに培養し、3日後3
mlのDF培地で細胞を洗い、FBSを除去した。次
に、pBSPTK5μg、pBSPTG5μg、pBS
PTbsr2.5μgを15μlの滅菌水に懸濁したD
NA溶液とリポフェクチン(ベセスダリサーチ社)15
μlを混合してDNA/リポフェクチン複合体を作っ
た。上記の細胞にDNA/リポフェクチン複合体を滴下
し、37℃、5%CO2の条件で細胞を培養し、24時
間後に培地を5mlの10μg/mlのブラストサイジ
ンS(BS)を含むDF+10%FBSと交換し、さら
に24時間後に細胞を回収し、DF+10%FBS+B
S10μg/mlに細胞を懸濁し、クローニングプレー
ト(グライナー社)で培養した。3日毎に培養液の交換
を行い形質転換細胞を選択的に増殖させ、約1×10-4
の割合で形質転換細胞を得た。
【0045】(2) 形質転換細胞培養上清の抗体量の
測定 ヤギ抗ヒトIgG抗体(CAPPEL社)溶液あるいは
CLNIgGの抗インディオタイプ抗体を含むマウスの
腹水をPBS(Na2HPO4 1.15g/lKH2PO4
0.2g/l NaCl 8.0g/l KCl 0.2g/
l)により適当な濃度に希釈した溶液をマイクロプレー
トに1ウェルあたり50μl加え、37℃、30分イン
キュベートすることによって抗体を固相に吸着させた。
マイクロプレートから抗体溶液を除去した後、ゼラチン
バッファー(10mM PBS、0.3%ゼラチン)で3
回洗浄し、マイクロプレートの未吸着部分をブロッキン
グするために、1%BSA含有PBS溶液を1ウェルあ
たり200μl加えた。次に、各培養上清をPBSで希
釈したものを1ウェルあたり50μl加え、37℃、1
時間インキュベートした後、試料を除去し、ゼラチンバ
ッファーで3回洗浄し、ヤギPA標識抗ヒトIgG抗体
(CAPPEL社)をPBSにより適当な濃度に希釈し
た溶液を1ウェルあたり50μl加え、37℃、30分
インキュベートした。ゼラチンバッファーで3回洗浄し
た後、1ウェルあたり50μlのOPDA溶液(クエン
酸バッファー1mlあたりOPDAを0.6mg含み使
用直前にH2O2を0.2μl/mlの割合で加えたも
の)を加えて、37℃、10〜20分インキュベート
し、5NH2SO4を50μl加え、反応を停止させ、O
D492をマイクロプレートリーダー(コロナ社)を用い
て測定した。
測定 ヤギ抗ヒトIgG抗体(CAPPEL社)溶液あるいは
CLNIgGの抗インディオタイプ抗体を含むマウスの
腹水をPBS(Na2HPO4 1.15g/lKH2PO4
0.2g/l NaCl 8.0g/l KCl 0.2g/
l)により適当な濃度に希釈した溶液をマイクロプレー
トに1ウェルあたり50μl加え、37℃、30分イン
キュベートすることによって抗体を固相に吸着させた。
マイクロプレートから抗体溶液を除去した後、ゼラチン
バッファー(10mM PBS、0.3%ゼラチン)で3
回洗浄し、マイクロプレートの未吸着部分をブロッキン
グするために、1%BSA含有PBS溶液を1ウェルあ
たり200μl加えた。次に、各培養上清をPBSで希
釈したものを1ウェルあたり50μl加え、37℃、1
時間インキュベートした後、試料を除去し、ゼラチンバ
ッファーで3回洗浄し、ヤギPA標識抗ヒトIgG抗体
(CAPPEL社)をPBSにより適当な濃度に希釈し
た溶液を1ウェルあたり50μl加え、37℃、30分
インキュベートした。ゼラチンバッファーで3回洗浄し
た後、1ウェルあたり50μlのOPDA溶液(クエン
酸バッファー1mlあたりOPDAを0.6mg含み使
用直前にH2O2を0.2μl/mlの割合で加えたも
の)を加えて、37℃、10〜20分インキュベート
し、5NH2SO4を50μl加え、反応を停止させ、O
D492をマイクロプレートリーダー(コロナ社)を用い
て測定した。
【0046】濃度既知のCLNIgGを標準にして抗体
産生量を算出したELISAの結果の一部を以下に示
す。
産生量を算出したELISAの結果の一部を以下に示
す。
【0047】
【表1】
【0048】(3) 培養上清中の抗体の電気泳動によ
る確認 形質転換細胞培養上清中に含まれるヒト抗体の特異的濃
縮を目的として、DYNABEADS(DYNAL社)
を利用した。すなわち、ヤギ抗ヒトIgG抗体とビーズ
を0.05M H3BO3(pH9.5)溶液中で、20μ
g抗体/mgビーズの割合で混合し、室温で振とうしな
がら24時間インキュベートすることによってビーズの
表面に抗体を結合させた。次に、ビーズをPBS+0.
1%BSA溶液中で4℃で振とうしながら24時間イン
キュベートした。このようにして得られた抗体結合ビー
ズ5μlと培養上清100μlを混合して培養上清中の
抗体をビーズに結合させ、ビーズを磁石により回収する
ことによってヒト抗体を特異的に濃縮した。回収したビ
ーズを5μlの5×電気泳動サンプルバッファー(25
0mM Tris-HCl(pH6.8)、0.5% BPB、
50% glycerol)に懸濁し、100℃、3分処理した
後、この内の3μlをSDS電気泳動した(図8)。
る確認 形質転換細胞培養上清中に含まれるヒト抗体の特異的濃
縮を目的として、DYNABEADS(DYNAL社)
を利用した。すなわち、ヤギ抗ヒトIgG抗体とビーズ
を0.05M H3BO3(pH9.5)溶液中で、20μ
g抗体/mgビーズの割合で混合し、室温で振とうしな
がら24時間インキュベートすることによってビーズの
表面に抗体を結合させた。次に、ビーズをPBS+0.
1%BSA溶液中で4℃で振とうしながら24時間イン
キュベートした。このようにして得られた抗体結合ビー
ズ5μlと培養上清100μlを混合して培養上清中の
抗体をビーズに結合させ、ビーズを磁石により回収する
ことによってヒト抗体を特異的に濃縮した。回収したビ
ーズを5μlの5×電気泳動サンプルバッファー(25
0mM Tris-HCl(pH6.8)、0.5% BPB、
50% glycerol)に懸濁し、100℃、3分処理した
後、この内の3μlをSDS電気泳動した(図8)。
【0049】実施例4(抗体産生細胞株の大量培養と抗
体の精製) ローラーボトルにCHObsrクローンと600mlの
DF+1%FBS+1μg/mlBSを加えて培養し、
抗体量を測定しながら適当な時期に培養上清を回収し、
上清600mlに対して硫安を283.2g(70%飽
和)を加えた後、遠心によって沈澱物を集めた。この沈
澱をPBSに溶解した後、リン酸バッファー(KH2P
O4 2.57g/l、Na2HPO4 1.47g/l)に
対して透析を行った。透析後のサンプルを遠心して不溶
物を取り除き、上清からMab TrapII(ファルマ
シア社)を使い、抗体を精製した。カラムの溶出画分の
抗体の精製度をSDS電気泳動によって確認した(図
9)。
体の精製) ローラーボトルにCHObsrクローンと600mlの
DF+1%FBS+1μg/mlBSを加えて培養し、
抗体量を測定しながら適当な時期に培養上清を回収し、
上清600mlに対して硫安を283.2g(70%飽
和)を加えた後、遠心によって沈澱物を集めた。この沈
澱をPBSに溶解した後、リン酸バッファー(KH2P
O4 2.57g/l、Na2HPO4 1.47g/l)に
対して透析を行った。透析後のサンプルを遠心して不溶
物を取り除き、上清からMab TrapII(ファルマ
シア社)を使い、抗体を精製した。カラムの溶出画分の
抗体の精製度をSDS電気泳動によって確認した(図
9)。
【0050】実施例5(精製抗体のウェスタンブロッテ
ィング) 前記で得られた抗体を還元条件下でSDSポリアクリル
アミド電気泳動し、イモビロン(ミリポア社)にセミド
ライブロッター(イワキ社)を使いタンパク質をブロッ
ティング後、フィルターを5%スキムミルクを含むPB
S−0.1%Tween20(PBS−T)溶液に入
れ、室温で振とうしながら1時間インキュベートした。
この後、フィルターをPBS−T溶液を交換して軽く2
回、振とうしながら15分1回、5分2回洗浄した。次
に、フィルターをヤギ抗ヒトγ鎖抗体(Antibodies Inc
orporated)あるいはヤギ抗ヒトκ鎖抗血清(Kent Labo
ratories)をPBS−T溶液で適当な濃度に希釈した溶
液に入れ室温で1時間反応させ、前記と同様に洗った
後、ウサギPA標識抗ヤギIgG抗体(Kent Laborator
ies)をPBS−T溶液で適当な濃度に希釈した溶液に
入れ、室温で振とうしながら1時間インキュベートし
た。前記と同様に洗った後、ECL検出システム(アマ
シャム社)でγ鎖あるいはκ鎖を検出した(図10
(A)、(B))。
ィング) 前記で得られた抗体を還元条件下でSDSポリアクリル
アミド電気泳動し、イモビロン(ミリポア社)にセミド
ライブロッター(イワキ社)を使いタンパク質をブロッ
ティング後、フィルターを5%スキムミルクを含むPB
S−0.1%Tween20(PBS−T)溶液に入
れ、室温で振とうしながら1時間インキュベートした。
この後、フィルターをPBS−T溶液を交換して軽く2
回、振とうしながら15分1回、5分2回洗浄した。次
に、フィルターをヤギ抗ヒトγ鎖抗体(Antibodies Inc
orporated)あるいはヤギ抗ヒトκ鎖抗血清(Kent Labo
ratories)をPBS−T溶液で適当な濃度に希釈した溶
液に入れ室温で1時間反応させ、前記と同様に洗った
後、ウサギPA標識抗ヤギIgG抗体(Kent Laborator
ies)をPBS−T溶液で適当な濃度に希釈した溶液に
入れ、室温で振とうしながら1時間インキュベートし
た。前記と同様に洗った後、ECL検出システム(アマ
シャム社)でγ鎖あるいはκ鎖を検出した(図10
(A)、(B))。
【図1】プラスミドpBSPの構築を表す。
【図2】プラスミドpBSPTの構築を表す。
【図3】プラスミドpBSPTbsrの構築を表す。
【図4】プラスミドpBSPTGの構築を表す。
【図5】プラスミドpBSPTKの構築を表す。
【図6】pBSPTK及びpBSPTbsrによる形質
転換細胞培養上清のELISAの結果。
転換細胞培養上清のELISAの結果。
【図7】pBSPTG及びpBSPTbsrによる形質
転換細胞培養上清のELISAの結果。
転換細胞培養上清のELISAの結果。
【図8】形質転換細胞培養上清中のビーズに結合した蛋
白のSDS電気泳動による解析を表す。上の数字はレー
ン数を表す。レーン1は、CLNIgG抗体(無処理)
を、レーン2は、ビーズのみを、レーン3は、CLNI
gG抗体を、レーン4は培地のみを、レーン5は培地+
CLNIgGを、レーン6は、CHO細胞の培養上清
を、レーン7は、クローンNo.2の培養上清を、レー
ン8はクローンNo.4の培養上清を、レーン9はクロ
ーンNo.15の培養上清を表す。
白のSDS電気泳動による解析を表す。上の数字はレー
ン数を表す。レーン1は、CLNIgG抗体(無処理)
を、レーン2は、ビーズのみを、レーン3は、CLNI
gG抗体を、レーン4は培地のみを、レーン5は培地+
CLNIgGを、レーン6は、CHO細胞の培養上清
を、レーン7は、クローンNo.2の培養上清を、レー
ン8はクローンNo.4の培養上清を、レーン9はクロ
ーンNo.15の培養上清を表す。
【図9】カラムにより精製された抗体のSDS電気泳動
による解析を表す。上の数字は、レーン数を表す。レー
ン1は、マーカーを、レーン2は、CLNIgGを、レ
ーン3は、クローンNo.2を、レーン4は、クローン
No.4を、レーン5は、クローンNo.15を表す。
による解析を表す。上の数字は、レーン数を表す。レー
ン1は、マーカーを、レーン2は、CLNIgGを、レ
ーン3は、クローンNo.2を、レーン4は、クローン
No.4を、レーン5は、クローンNo.15を表す。
【図10】組み替え抗体のウェスタンブロッティングに
よる解析を表す。上の数字はレーン数を表す。レーン1
は、CLNIgGを、レーン2は、クローンNo.2
を、レーン3は、クローンNo.4を、レーン4は、ク
ローンNo.15を表す。(A)は、抗ヒトγ鎖抗体、
(B)は、抗ヒトκ鎖抗血清を表す。
よる解析を表す。上の数字はレーン数を表す。レーン1
は、CLNIgGを、レーン2は、クローンNo.2
を、レーン3は、クローンNo.4を、レーン4は、ク
ローンNo.15を表す。(A)は、抗ヒトγ鎖抗体、
(B)は、抗ヒトκ鎖抗血清を表す。
Claims (4)
- 【請求項1】 SV40初期プロモーターと、その下流
側に位置するヒトモノクローナル抗体の重鎖又は軽鎖部
分もしくはその一部分のアミノ酸配列をコードする構造
遺伝子と、該構造遺伝子の下流側に位置するSV−40
初期スプライシング ポリA付加部位とを含有すること
を特徴とする、哺乳動物宿主細胞中でモノクローナル抗
体の重鎖又は軽鎖部分もしくはその一部分のアミノ酸配
列を発現しうるプラスミド。 - 【請求項2】 該構造遺伝子がcDNAである請求項1
のプラスミド。 - 【請求項3】 プラスミドpBSPTK。
- 【請求項4】 プラスミドpBSPTG。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7306424A JPH09121859A (ja) | 1995-11-01 | 1995-11-01 | ヒト抗体遺伝子を含む新規プラスミド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7306424A JPH09121859A (ja) | 1995-11-01 | 1995-11-01 | ヒト抗体遺伝子を含む新規プラスミド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09121859A true JPH09121859A (ja) | 1997-05-13 |
Family
ID=17956859
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7306424A Pending JPH09121859A (ja) | 1995-11-01 | 1995-11-01 | ヒト抗体遺伝子を含む新規プラスミド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09121859A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7993643B2 (en) | 2000-03-02 | 2011-08-09 | Amgen Fremont, Inc. | Uses of human monoclonal antibodies against oxidized LDL receptor |
-
1995
- 1995-11-01 JP JP7306424A patent/JPH09121859A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7993643B2 (en) | 2000-03-02 | 2011-08-09 | Amgen Fremont, Inc. | Uses of human monoclonal antibodies against oxidized LDL receptor |
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