JPH0912075A - Ｃｄ等のディスク類用包装体の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空間部を形成した中間紙材、覗き孔を形成し
た表面紙材及び空間部を閉鎖する裏面紙材からなるＣＤ
等のディスク類用包装体の製造工程における不良品の発
生率を減少させて歩留りを良好にする。 【構成】 空間部８が形成される、表面に接着材を全面
塗布した中間紙材と、覗き孔が形成される、裏面におけ
る上記空間部に相当する部位全面に糊不着性材料を塗布
した表面紙材を、ラミネーターにより合紙した後、第１
の筒状カッターによる表面紙材側からの打抜きにより表
面紙材に覗き孔を形成すると共に、第２の筒状カッター
による中間紙材側からの、表面紙材を残す様にした打抜
きにより、表面紙材に対し非接着状態である中間紙材に
おける空間部８の形成部位は切離除去されて、中間紙材
に空間部８を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、主に音楽雑誌、パソコ
ン雑誌、ゲーム雑誌等の付録として、ＣＤ、ＣＤーＲＯ
Ｍ、ＭＤ等のディスク類を収納する綴込みとして使用す
るＣＤ等のディスク類用包装体の製造方法に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】最近、音楽雑誌、パソコン雑誌、ゲーム
雑誌等には、ＣＤ、ＣＤーＲＯＭ、ＭＤ等（以下、ＣＤ
等と称する）のディスク類を付録としたものが見受けら
れ、それらの殆どはＣＤ等を綴込みに封入する様にして
おり、該綴込みは中央にディスク類より大きい空間部を
形成した紙材の表裏面に同形同大の紙材を接着すると共
に、表面側の紙材中央部には覗き孔を形成し、かかる３
層状の綴込み中央部に、空間部及び表裏側の紙材により
収納部を形成してディスク類を収納する様にしている。

【０００３】しかし、上記綴込みの製造方法にあって
は、合紙前に表面側及び中間部の紙材に空間部及び覗き
孔を形成しているために、かかる形成後の両方の紙材は
強度が低く変形し易いため、両紙材を合紙するラミネー
ターまでの給紙過程において、又はラミネーターによる
合紙過程において両紙材のどちらか一方に皺が寄った
り、張力が作用して破断する等の不具合が発生し易く、
かかる状態のままラミネーターにより合紙してしまうた
めに不良品の発生率が高く、歩留りが悪い欠点を有して
いた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、空間部及び
覗き孔を合紙作業後に形成して、歩留りを良好にしたＣ
Ｄ等のディスク類用包装体の製造方法を提供せんとする
ものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
に基づく、２枚の紙材に空間部及び覗き孔を形成した後
に合紙作業を行うと不良品が発生し易く歩留りが悪い課
題に鑑み、空間部が形成される、表面に接着材を全面塗
布した中間紙材と、覗き孔が形成される、裏面における
上記空間部に相当する部位全面にＯＰニス等の糊不着性
材料をオフセット印刷により塗布した表面紙材を、ラミ
ネーターにより合紙した後、下述する方法により覗き孔
及び空間部を形成することによって、給紙及び打抜き時
において中間紙材及び表面紙材に皺寄り等の変形が起こ
らず、ディスク類用包装体を正確且つ美麗に仕上げ可能
にし、且つ第１の筒状カッターによる表面紙材側からの
打抜きにより表面紙材に覗き孔を形成すると共に、第２
の筒状カッターによる中間紙材側からの、表面紙材を残
す様にした打抜きにより、表面紙材に対し非接着状態で
ある中間紙材における空間部の形成部位は切離除去され
て、中間紙材に空間部を形成することによって、中間紙
材及び表面紙材を合紙後に覗き孔及び空間部を形成可能
にして、上記課題を解消せんとしたものである。

【０００６】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明
すると、１はＣＤ、ＣＤーＲＯＭ、ＭＤ等のディスク類
Ｗを収容した薄型のディスク類用包装体であり、該ディ
スク類用包装体１は主に本（図示せず）の綴込みとして
使用し、かかるディスク類用包装体１は矩形状の中間紙
材３、該中間紙材３における表面側に接着した、中間紙
材３と同形同大の表面紙材５、及び中間紙材３における
裏面側に接着した、中間紙材３と同形同大の裏面紙材７
により構成している。

【０００７】又、図面中、中間紙材３は片段ボール3a
で、表面側を波形板状の中芯４、裏面側を平板状のライ
ナー６としているが、ディスク類Ｗを収容可能な程度の
厚さを有した厚紙でも良い。

【０００８】又、中間紙材３の中央部には１辺がディス
ク類Ｗの直径より若干大きい方形状の空間部８を形成
し、該空間部８及び表裏面紙材５、７によりディスク収
容部９を形成している。

【０００９】又、表面紙材５は表面に模様、文字等を印
刷したコートボールの様な美粧紙とし、中央部、即ち中
間紙材３の空間部８の中央部に相当する位置にはディス
ク類Ｗより直径が小さい円形状の覗き孔10を形成してい
る。

【００１０】尚、ディスク類用包装体１に対するディス
ク収容部９の個数は１個に限定せず、例えば図２に示す
様に、ディスク類用包装体１の上下位置に２個のディス
ク収容部９を形成しても良く、又裏面紙材７は中間紙材
３と同形同大でなくても良く、要するに中間紙材３の空
間部８を完全に閉鎖する大きさであれば良い。

【００１１】11はディスク類用包装体１の基端側の上下
方向に切込形成した折曲部である。

【００１２】次に、本発明に係るＣＤ等のディスク類用
包装体の製造方法について説明すると、先ず、中間紙材
３の接着面である表面側、即ち片ダンボール3aの中芯４
表面側に接着材を全面塗布すると共に、表面紙材５の接
着面である裏面における中間紙材３に形成される空間部
８に相当する部位（１箇所又は複数箇所）全面に糊不着
性材料、例えばＯＰニスをオフセット印刷により塗布し
た後、中間紙材３と表面紙材５を相互の接着面を合わせ
て、ラミネーター（図示せず）により合紙する。

【００１３】次に、中間紙材３及び表面紙材５からなる
複合材の中央部を表面紙材５側から円筒状の第１の筒状
カッターＣにより、少なくとも表面紙材５に切れ目12を
入れると、表面紙材５における覗き孔10の形成部位は中
間紙材３に対し不着状態であるために複合材から切離さ
れて、表面紙材５中央に円形状の覗き孔10が形成され
る。

【００１４】上記の表面紙材５に対する切れ目12の成形
加工においては、切れ目12を表面紙材５に対して設ける
と共に、中間紙材３にも同時に、即ち複合材に対して貫
通状態と成しても良く、或いは中間紙材３に対して半切
り状と成したり、中間紙材３が片ダンボール3aの時に
は、片ダンボール3aのライナー６を残す様に表面紙材５
及び中芯４だけに切れ目12を入れる様にして片ダンボー
ル3aを半切り加工しても良い。

【００１５】次に、上記複合材の中央部を中間紙材３の
裏面側から角筒状の第２のカッターCaにより、表面紙材
５だけを残す様に切れ目13を入れると、中間紙材３にお
ける空間部８の形成部位は表面紙材５に対し不着状態で
あるために複合材から切離されて、中間紙材３中央に空
間部８が形成される。

【００１６】上記の中間紙材３に対する切れ目12の成形
加工においては、切れ目13を中間紙材３のみ貫通状態と
なる様に設ける、即ち複合材を半切り加工し、中間紙材
３が片ダンボール3aの時には、表面紙材５及び中芯４に
切れ目13を入れる様にしている。

【００１７】最後に、空間部８内にディスク類Ｗを収容
した後、中間紙材３の裏面側、即ち片段ボール3aのライ
ナー６側に空間部８を閉鎖する様に裏面紙材７を接着し
て、ディスク類用包装体１と成している。

【００１８】かかるディスク類用包装体１を本の綴込み
として使用する場合は、ディスク類用包装体１の綴込み
側に折曲部11を形成して捲り易くする。

【００１９】

【発明の効果】要するに本発明は、矩形状の中間紙材３
にディスク類Ｗの直径より若干大きい空間部８を形成す
ると共に、かかる中間紙材３の表面側に接着した表面紙
材５における空間部８との対応位置に覗き孔10を形成
し、且つ中間紙材３の裏面側に裏面紙材７を接着して、
空間部８及び表裏面紙材５、７により形成したディスク
収容部９にディスク類Ｗを収容する様にしたことによっ
て、例えばディスク類用包装体１を本に綴じ込める程度
に薄型化することが出来る。

【００２０】又、中間紙材３表面に接着材を全面塗布す
ると共に、表面紙材５裏面における中間紙材３に形成さ
れる空間部８に相当する部位全面に糊不着性材料を塗布
し、中間紙材３と表面紙材５相互の接着面を合わせて接
着一体化したので、合紙状態の中間紙材３及び表面紙材
５は相互に位置決めが成され、相互の形状を維持してお
り、中間紙材３及び表面紙材５が給紙時、後述する打抜
き加工時に変形しないため、空間部８及び覗き孔10を簡
単且つ正確に形成することが出来、よって製造されたデ
ィスク類用包装体１の歩留りを良好にすることが出来
る。

【００２１】又、上記複合材を表面紙材５側から第１の
筒状カッターＣにより、少なくとも表面紙材５に切れ目
12を入れて覗き孔10を形成した後、複合材を中間紙材３
側から第２の筒状カッターCaにより、表面紙材５を残す
様に切れ目13を入れて、中間紙材３に空間部８を形成し
たので、中間紙材３における空間部８の形成部位は、表
面紙材５に対し接着せず、第２の筒状カッターCaによる
表面紙材５を残す様に行う打抜きによって、表面紙材５
を残したまま切離することが出来るため、中間紙材３及
び表面紙材５を合紙した後に空間部８を形成することが
出来、よって合紙後であっても空間部８を確実に形成す
ることが出来る。

【００２２】而も、２種類の筒状カッターＣ、Caにより
表裏面側より中間紙材３及び表面紙材５からなる複合材
に切れ目12、13を入れることによって、中間紙材３及び
表面紙材５の夫々に異形状の空間部８及び覗き孔10を形
成することが出来、よってディスク類Ｗを収容するため
の該ディスク類Ｗより大きい空間部８を中間紙材３に、
中身を確認するためのディスク類Ｗより小さい覗き孔10
を表面紙材５に夫々形成することが出来る。

【００２３】又、空間部８内にディスク類Ｗを収容した
後、中間紙材３の裏面側に裏面紙材７を接着する様にし
たので、空間部８及び表裏面紙材５、７により閉空間で
あるディスク収容部９を形成することが出来る。

【００２４】又、第１の筒状カッターＣにより上記複合
材を完全に打ち抜いてしまっても、第２の筒状カッター
Caにより表面紙材５を残す様に切れ目13を入れるため、
空間部８及び覗き孔10を形成することが出来るが、中間
紙材３における空間部８の形成部位には覗き孔10と同形
の孔が形成されていることによって、第２の筒状カッタ
ーCaによる打抜き時当初に、上記残余部分が切れ目13側
に引っ張られて切断面に乱れが生じ易くなるが、第１の
筒状カッターＣによる切れ目12を中間紙材３裏側まで貫
通させない様にしたので、第２の筒状カッターＣによる
打抜き当初に中間紙材３が切れ目13側へ引っ張られず、
切断面を綺麗に仕上げることが出来る。

【００２５】又、中間紙材３を片段ボール3aとし、表面
側を波形板状の中芯４、裏面側を平板状のライナー６と
したので、上記複合材は両面ダンボールとなり、該両面
ダンボールを表裏側から半切り加工することによって、
空間部８及び覗き孔10を形成することが出来、而も上記
複合材は略中空状であるため、筒状カッターＣ、Caによ
る打抜き工程を容易化出来、而も完成したディスク類用
包装体１におけるディスク収容部９を十分に確保するこ
とが出来、且つ軽量化を図ることが出来る等その実用的
効果甚だ大なるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】ディスク類用包装体の正面図である。

【図２】ディスク類用包装体の他の実施例の正面図であ
る。

【図３】図１のＡーＡ拡大断面図である。

【図４】ディスク類用包装体の分解斜視図である。

【図５】ディスク類用包装体の製造工程を示す断面図で
ある。

【図６】折曲部を形成したディスク類用包装体の正面図
である。

【符号の説明】

３ 中間紙材 3a 片段ボール ４ 中芯 ５ 表面紙材 ６ ライナー ７ 裏面紙材 ８ 空間部 ９ ディスク収納部 10 覗き孔 12 切れ目 13 切れ目 Ｃ 第１の筒状カッター Ca 第２の筒状カッター Ｗ ディスク類

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 矩形状の中間紙材にディスク類の直径よ
   り若干大きい空間部を形成すると共に、かかる中間紙材
   の表面側に接着した表面紙材における空間部との対応位
   置に覗き孔を形成し、且つ中間紙材の裏面側に裏面紙材
   を接着して、空間部及び表裏面紙材により形成したディ
   スク収容部にディスク類を収容する様にしたディスク類
   用包装体の製造方法であって、中間紙材表面に接着材を
   全面塗布すると共に、表面紙材裏面における中間紙材に
   形成される空間部に相当する部位全面に糊不着性材料を
   塗布し、中間紙材と表面紙材相互の接着面を合わせて接
   着一体化し、かかる複合材を表面紙材側から第１の筒状
   カッターにより、少なくとも表面紙材に切れ目を入れて
   覗き孔を形成した後、複合材を中間紙材側から第２の筒
   状カッターにより、表面紙材を残す様に切れ目を入れ
   て、中間紙材に空間部を形成し、該空間部内にディスク
   類を収容した後、中間紙材の裏面側に裏面紙材を接着す
   る様にしたことを特徴とするＣＤ等のディスク類用包装
   体の製造方法。
2. 【請求項２】 第１の筒状カッターによる切れ目を中間
   紙材の裏面側まで貫通させない様にしたことを特徴とす
   る請求項１のＣＤ等のディスク類用包装体の製造方法。
3. 【請求項３】 中間紙材を片段ボールとし、表面側を波
   形板状の中芯、裏面側を平板状のライナーとしたことを
   特徴とする請求項１又は２のＣＤ等のディスク類用包装
   体の製造方法。