JPH09120530A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH09120530A
JPH09120530A JP7278005A JP27800595A JPH09120530A JP H09120530 A JPH09120530 A JP H09120530A JP 7278005 A JP7278005 A JP 7278005A JP 27800595 A JP27800595 A JP 27800595A JP H09120530 A JPH09120530 A JP H09120530A
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paint
filter
magnetic
coating material
flow rate
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JP7278005A
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Kenichi Kawai
健一 川井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ろ過工程において比較的孔径の小さいフィル
ターを用いた場合でも、ろ過流量を上げることができ、
またフィルターの目詰まりが抑えられる磁気記録媒体の
製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 フィルターが収容されたフィルターハウ
ジング8の塗料流入口10から、磁性粉末及び結合剤を
有機溶剤中に混合分散させて調製された磁性塗料を流入
させフィルター9でろ過するに際し、フィルターハウジ
ング8に塗料循環用流出口12を塗料流入口に対して9
0°〜270°の設置角度で設け、フィルターハウジン
グ8に流入した塗料の一部を、フィルター9を通過する
手前でこの塗料循環用流出口12から流出させ、再び塗
料流入口10から流入させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる塗布型の
磁気記録媒体の製造方法に関し、特に磁性塗料のろ過方
法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばフロッピーディスクやデータカー
トリッジ、オーディオテープ、ビデオテープとしては、
いわゆる塗布型の磁気記録媒体が主流を占めている。こ
の塗布型の磁気記録媒体は、磁性粉末、結合剤及び各種
添加剤を有機溶剤中に混合分散させて調製される磁性塗
料を、ベースフィルム上に塗布、乾燥させることで磁性
層が形成されるものである。
【0003】このような塗布型の磁気記録媒体では、近
年、磁性層の薄膜化、記録の短波長化が進行している。
このため、磁性層表面に存在する微小な欠陥が、ノイズ
やドロップアウトを増加させ、媒体の品質上、大きな問
題になることが多くなっている。
【0004】このような磁性層の表面欠陥は、主に磁性
塗料の段階で存在する未分散凝集物やゴミ等の異物に起
因するものであり、そのような表面欠陥の原因物を如何
に除去するかが重要な課題になる。
【0005】磁性塗料から表面欠陥の原因物を除去する
手法としては、分散性の向上もさることながら、磁性塗
料の送液系内の適所にろ過工程を設けることも非常に有
効である。
【0006】このろ過工程で用いられるろ過システムの
一例を図4に示す。
【0007】このろ過システムは、塗料を攪拌するため
の塗料攪拌装置21と、塗料の流量を制御する送液ポン
プ22、多孔質材料よりなる円環状のフィルター23が
フィルターハウジング24内に収容されてなるフィルタ
ー装置25が、この順に配されて構成されている。この
フィルター装置25において、フィルターハウジング2
4は、収容されるフィルター23よりも一回り大きめの
円筒状に成形され、その周面の上側に当該フィルターハ
ウジング内に塗料を流入するための塗料流入口26が設
けられている。また、フィルターハウジング24の底面
には、フィルター23の円環内の空間に対応して塗料流
出口27が設けられている。
【0008】このろ過システムでは、塗料攪拌装置21
で攪拌された塗料が、フィルター装置25の塗料流入口
26からフィルターハウジング24内に流入し、フィル
ター23を通過する。このフィルター23を通過する際
に塗料からは未分散凝集物やゴミ等の異物が除去され
る。そして、フィルター23を通過し、フィルター23
の円環内の空間に至った塗料は、塗料流出口27から外
部に流出し、さらにこの先の塗布工程に供されることに
なる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように表面欠陥
の原因物は、フィルターを用いるろ過工程で除去され
る。ここで、このろ過の精度はフィルターの平均孔径に
よって決まり、その平均孔径は磁気テープの用途に合わ
せて設定される。特に、短波長領域で用いられる磁気テ
ープの製造においては、平均孔径の小さいフィルターを
用い、このフィルターによって微小な異物に至るまで除
去することが必要になる。
【0010】しかしながら、フィルターによるろ過では
フィルタ−の平均孔径が小さくなると以下のような問題
が生じる。
【0011】すなわち、フィルターの平均孔径が小さく
なると、塗料の通過抵抗が増大し、圧力損失が大きくな
る。このため、フィルターの差圧限界値以内でろ過を行
おうとすると、ろ過流量が大幅に制限される。また、ハ
ウジング内で塗料が停留するようになり、この停留領域
がデッドスペースとなって、ろ過効率を著しく低下させ
る。さらに、停留領域が生じると、ここで再凝集した凝
集物がフィルターに捕捉されるようになることから、フ
ィルター交換を頻繁に行わなければならなくなる。
【0012】このため、平均孔径の小さいフィルターを
用いると、フィルター使用本数の増加、作業性の悪化、
塗料歩留まりの低下等の問題が生じてしまう。しかも、
このようなろ過工程が塗布工程直前である場合には、フ
ィルター交換の度に塗布装置を停止しなければならず、
塗布装置の稼働率をも低下させる。
【0013】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、磁性塗料のろ過工程にお
いて、比較的平均孔径の小さいフィルターを用いた場合
でも、フィルターの使用本数が少なく抑えられ、効率良
く塗料のろ過が行える磁気記録媒体の製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の磁気記録媒体の製造方法では、フィルタ
ーが収容されたフィルターハウジングの塗料流入口か
ら、磁性粉末及び結合剤を有機溶剤中に混合分散させて
調製された磁性塗料を流入させフィルターでろ過するに
際し、フィルターハウジングに、塗料流入口に対して9
0°〜270°の設置角度で塗料循環用流出口を設け、
フィルターハウジングに流入した塗料の一部を、フィル
ターを通過する手前でこの塗料循環用流出口から流出さ
せ、再び塗料流入口から流入させることを特徴とするも
のである。
【0015】このとき、塗料循環用流出口から流出させ
る磁性塗料の流量は、フィルターを通過する磁性塗料の
流量の2〜5倍とすることが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の具体的な実施の形態につ
いて図面を参照しながら説明する。
【0017】塗布型の磁気記録媒体において、磁性層
は、磁性粉末及び結合剤を有機溶剤中に混合分散させて
調製された磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布し、乾燥
することで形成される。
【0018】このようにして形成される磁性層では、磁
性塗料の段階で未分散凝集物やゴミ等の異物が存在して
いると、これら異物が表面欠陥の原因になり、ノイズや
ドロップアウトを増大させる。したがって、磁性塗料は
磁性層として形成される前に、予めフィルターを用いて
ろ過しておくことが必要である。
【0019】本発明では、このような磁性塗料のろ過工
程を、図1に示すようなろ過システムで行うこととす
る。
【0020】すなわち、このろ過システムは、塗料を攪
拌するための塗料攪拌装置1と、塗料攪拌装置1より供
給された塗料をろ過するためのフィルター装置2により
構成されている。
【0021】上記塗料攪拌装置1は、塗料タンク3と、
塗料タンク3内の塗料16を攪拌する攪拌棒4により構
成されている。この塗料攪拌装置1で攪拌された塗料1
6は、当該塗料タンク3の下方に設けられた塗料排出口
6より排出され、この塗料排出口6に接続されたパイプ
7に導かれてフィルター装置2に供給される。
【0022】上記フィルター装置2は、フィルターハウ
ジング8内に多孔質材料よりなる円環状のフィルター9
が収容されて構成されている。
【0023】上記フィルターハウジング8は、フィルタ
ー9よりも一回り大きめの大きさとなされた円筒状に成
形されており、収容されたフィルター9とフィルターハ
ウジング8の内壁との間に空間17が形成されるように
なっている。
【0024】このフィルターハウジング8には、その周
面の上側に当該フィルターハウジング内に塗料を流入す
るための塗料流入口10が設けられ、またその底面に、
フィルターの円環内の空間に対応して塗料流出口11が
設けられている。このうち塗料流入口10には、塗料攪
拌装置1の塗料排出口6に接続されたパイプ(以下、塗
料流入用パイプと称する)7の他の一端が接続されてい
る。
【0025】また、このフィルターハウジング8の周面
の下側には、塗料循環用流出口12が設けられている。
この塗料循環用流出口12は、図2の断面図に示すよう
に、塗料流入口10に対する設置角度θが90°〜27
0°となるように設けられている。なお、図2では、こ
の設置角度θは180°となされている。
【0026】この塗料循環用流出口12には、パイプ
(以下、塗料循環用パイプと称する)14が接続されて
おり、この塗料循環用パイプ14の他の一端は塗料流入
用パイプ7の中途部に接続されている。
【0027】なお、塗料流入用パイプ7の塗料循環用パ
イプ14との接続位置より手前の中途部と、塗料循環用
パイプ14の中途部には、送液用ポンプ13,15が設
けられている。この送液用ポンプ13,15によって塗
料流入口10より流入する塗料流量と、塗料循環用流出
口12から流出する塗料流量が制御できるようになって
いる。
【0028】このようなろ過システムによって磁性塗料
をろ過するには、攪拌装置1の塗料タンク3に磁性塗料
の組成物を投入し、攪拌させる。
【0029】磁性塗料16に用いる磁性粉末、結合剤と
しては、塗布型の磁気記録媒体において通常用いられて
いるものがいずれも使用可能である。
【0030】例えば、磁性粉末としては、γ−Fe
23、Fe34、Co変性酸化鉄、鉄を主成分とする合
成微粉末の他、変性バリウムフェライト、変性ストロン
チウムフェライト等が使用される。
【0031】また、結合剤としては、変性または非変性
の塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂あるいはポリエ
ステル樹脂を単独あるいは混合して使用することができ
る。さらに繊維素系樹脂、フェノキシ樹脂あるいは特定
の使用方法を有する熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応
型樹脂、電子線照射硬化型樹脂を併用しても良い。樹脂
の変性のために導入される基としては、磁性粉末の分散
性向上を目的として−SO3M、−OSO3M、−COO
M、−PO(OM´)2(但し、MはNa等のアルカリ
金属原子を示し、M´はNa等のアルカリ金属原子また
はアルキル基を示す)等が好ましい。
【0032】塗料化のための溶剤としては、エーテル
類、エステル類、ケトン類、芳香族炭化水素、脂肪族炭
化水素、塩素化炭化水素等から選ばれる有機溶剤であっ
て良い。
【0033】なお、磁性塗料には、さらに必要に応じて
レシチン等の分散剤、ステアリン酸等の潤滑剤、カーボ
ンブラック等の帯電防止剤、酸化クロム等の研磨剤、防
錆剤が加えられても良い。これらの分散剤、潤滑剤、帯
電防止剤、及び防錆剤としては、例示したもの以外に従
来公知の材料がいずれも使用可能である。
【0034】このような塗料の組成物は塗料タンク3内
に投入され、攪拌される。これにより調製された磁性塗
料16は、塗料排出口6から塗料流入用パイプ7に流出
され、このパイプ7に導かれてフィルターハウジング8
の塗料流入口10に達する。そして、この塗料流入口1
0からフィルターハウジング8内に供給される。フィル
ターハウジング8内に供給された磁性塗料は、まず、フ
ィルター9とフィルターハウジング8の内壁との間の円
環状の空間17に流入する。
【0035】ここで、このフィルター装置2では、フィ
ルターハウジング8に塗料循環用流出口12が設けられ
ているので、この円環状の空間17に流入した磁性塗料
の一部は、塗料循環用流出口12から塗料循環用パイプ
14に流出する。そして、この塗料循環用パイプ14に
導かれて、塗料流入用パイプ7との接続部に達し、塗料
攪拌装置1からの磁性塗料と合流して、再びフィルター
ハウジング8の塗料流入口10よりフィルターハウジン
グ8内に流入する。
【0036】一方、フィルター9とフィルターハウジン
グ8の内壁との間の円環状の空間17に流入した磁性塗
料のうち、塗料循環用流出口12から流出しなかった磁
性塗料は、フィルター9を通過する。このフィルター9
を通過する際に、塗料中の未分散凝集物やゴミ等の異物
が除去され、この異物が除去された塗料がフィルター9
の円環内の空間に至り、塗料流出口11から外部に流出
する。そして、さらにこの先の塗布工程に供されること
になる。
【0037】このようなろ過システムでは、上述の如
く、一旦、フィルターハウジング8内に流入した磁性塗
料の一部が、フィルター9を通過する手前で、塗料循環
用流出口12から流出し、再び塗料流入口10からフィ
ルターハウジング8内に流入される。つまり、フィルタ
ー9とフィルターハウジング8の内壁との間の円環状の
空間17には、塗料流入口10から塗料循環用流出口1
2に向かう塗料の流れが形成されている。特に、塗料循
環用流出口12は塗料流入口10に対して90°〜27
0°の設置角度で設けられていることから、この円環状
の空間17全体で常に流動性が保持される。
【0038】このため、フィルター9の手前で塗料が停
滞することがなく、塗料の停滞によるろ過効率の低下が
回避され、また再凝集物の生成、凝集塊によるフィルタ
ーの目詰まりが抑えられる。したがって、フィルター寿
命が長くなり、フィルターの交換頻度が減少するので、
作業性や装置の稼働効率が改善される。また、フィルタ
ー9として比較的平均孔径の小さいものを無理なく選択
することができるので、表面欠陥の微細な原因物を除去
することが可能になる。
【0039】なお、このような効果を十分に得るには、
塗料循環用流出口12から流出させる塗料の流量(循環
流量)を、フィルター9を通過する塗料の流量(ろ過流
量)以上とすることが望ましい。実用的には塗料循環用
流出口12から流出させる流量をろ過流量の2〜5倍、
望ましくは2〜3倍にするのが良い。
【0040】このようにしてろ過が行われた磁性塗料
は、次に塗布工程に導かれ、非磁性支持体上に塗布さ
れ、乾燥されることで磁性層として形成される。
【0041】この塗布工程で用いる塗布方法は、グラビ
アロール方式、リバースロール方式等のロールを用いる
塗布方式や、ダイヘッドを用いるエクストルージョン塗
布方式等、塗布型の磁気記録媒体で通常採用されている
塗布方法であって良い。
【0042】このようにして形成される磁性層は、先の
ろ過工程で磁性塗料から凝集物や異物等の表面欠陥の原
因物が除かれているので、良好な表面性を有し、ドロッ
プアウトやノイズが抑えられ、高いS/N比を得ること
ができる。
【0043】
【実施例】本発明の具体的な実施例について実験結果に
基づいて説明する。
【0044】フィルター装置での循環流量の検討 この実験において用いるろ過システムは、基本的には図
1に示すろ過システムである。但し、塗料循環用流出口
の塗料流入口に対する設置角度θは180°とした。ま
た、この実験では、フィルター装置の塗料流出口から攪
拌装置に向かう戻りラインを形成し、同じ塗料に対して
攪拌、ろ過が繰り返し行われるようにした。
【0045】まず、下記の組成に基づいて各種磁性塗料
の組成物を計り取り、これら塗料の組成物を、上記ろ過
システムの攪拌装置に投入した。
【0046】 磁性塗料の組成 磁性粉:Fe系メタル粉末(比表面積45m2/g) 100重量部 結合剤:塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10重量部 (UCC社製 商品名VAGH) ポリウレタン 10重量部 (日本ポリウレタン社製 商品名N−2304) 研磨剤:酸化クロム 2重量部 カーボン:バルカンXC−72(キャボット社製) 3重量部 溶剤:シクロヘキサノン 適量 メチルエチルケトン 適量 そして、塗料循環用流出口から流出させる塗料の流量
(循環流量)を表1に示すように設定するとともに塗料
流出口から流出させる塗料の流量(ろ過流量)を4リッ
トル/分に設定し、攪拌、ろ過を5時間続けて行った。
その間に要したフィルター本数を、ろ過条件と併せて表
1に示す。なお、フィルターの交換時点は、フィルター
装置の塗料流入口直前と塗料流出口直後での差圧が4k
g/cmに達した時点とした。
【0047】また、比較として、図4に示すろ過システ
ム、すなわちフィルター装置に塗料循環経路を有さない
ろ過システムに、戻りラインを形成し、同様にして塗料
の攪拌、ろ過を行った。この場合のフィルターの必要本
数も表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1に示すように、まず、フィルター装置
に循環経路を有するろ過システムの場合と、フィルター
装置に循環経路を有さないろ過システムの場合を比べる
と、フィルター装置に循環経路を有するろ過システムの
方がフィルターの使用本数が格段に少ない。このことか
ら、フィルター装置に循環経路を形成することは、フィ
ルターの交換頻度を低減させる上で有効であることがわ
かる。
【0050】しかし、循環経路を有する実験例1〜実験
例5を比べると、循環流量がろ過流量に対して2倍に満
たない実験例1では、フィルターの使用本数が7本に至
る。一方、循環流量がろ過流量に対して2〜5倍となっ
ている実験例2〜実験例5では、フィルターの使用本数
が5本以内と、実用レベルに抑えられている。但し、循
環流量をろ過流量の4倍にした実験例4と、循環流量を
ろ過流量の5倍にした実験例5では、同程度にフィルタ
ー交換が必要であり、循環流量をろ過流量の5倍を越え
て大きくしても、それ以上には効果は上がらないものと
推測される。
【0051】このことから、特に平均孔径が1μmと小
さいフィルターを用いるろ過システムでは、循環流量は
ろ過流量に対して2〜5倍とするのが良いことがわかっ
た。
【0052】フィルター装置での塗料循環用流出口の設
置位置の検討 図3に示すように、ろ過システムの塗料循環用流出口の
設置角度θを、0°、60°、90°180°に変え、
また循環流量を12リットル/分、ろ過流量を4リット
ル/分に設定したこと以外は上述と同様にして攪拌、ろ
過を行い、フィルターの必要本数を調べた。その結果
を、ろ過条件と併せて表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】表2に示すように、フィルターの使用本数
は、フィルター装置に設けた塗料循環用流出口の設置位
置によって大きく異なる。
【0055】すなわち、塗料循環用流出口を塗料流入口
に対して±90°〜180°、すなわち90°〜270
°の設置角度で設けた実験例8,実験例9では、フィル
ターの使用本数が5本以内と、実用レベルに抑えられて
いる。これに対して、塗料循環用流出口の塗料流入口に
対する設置角度を90°〜270°の範囲外とした実験
例6及び実験例7では、フィルター装置に循環経路を形
成していない場合に比べれば、フィルターの使用本数は
抑えられているものの、6本以上のフィルターが必要で
あり、生産効率上問題がある。
【0056】このことから、特に平均孔径が1μmと小
さいフィルターを用いるろ過システムでは、塗料循環用
流出口は塗料流入口に対して90°〜270°の設置角
度で設けるのが良いことがわかった。
【0057】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の磁気記録媒体の製造方法では、磁性塗料をろ過する
に当たり、フィルターハウジングに塗料循環用流出口を
塗料流入口に対して90°〜270°の設置角度で設
け、フィルターハウジングに流入した塗料の一部を、フ
ィルターを通過する手前でこの塗料循環用流出口から流
出させ、再び塗料流入口から流入させるので、ろ過工程
において比較的孔径の小さいフィルターを用いた場合で
も、ろ過流量を上げることができ、またフィルターの目
詰まりが抑えられる。したがって、磁性塗料のろ過精度
を無理なく向上させることができ、また作業性、装置の
稼働率が改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したろ過システムの1構成例を示
す模式図である。
【図2】上記ろ過システムでの塗料循環用流出口の設置
角度を説明するための模式図である。
【図3】設置角度が0°、60°、90°または180
°となされた塗料循環用流出口を示す模式図である。
【図4】従来のろ過システムを示す模式図である。
【符号の説明】
2 フィルター装置 8 フィルターハウジング 9 フィルター 10 塗料流入口 12 塗料循環用流出口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルターが収容されたフィルターハウ
    ジングの塗料流入口から、磁性粉末及び結合剤を有機溶
    剤中に混合分散させて調製された磁性塗料を流入させフ
    ィルターでろ過するに際し、 上記フィルターハウジングに、塗料流入口に対して90
    °〜270°の設置角度で塗料循環用流出口を設け、フ
    ィルターハウジングに流入した塗料の一部を、フィルタ
    ーを通過する手前でこの塗料循環用流出口から流出さ
    せ、再び塗料流入口から流入させることを特徴とする磁
    気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 塗料循環用流出口から流出させる磁性塗
    料の流量を、フィルターを通過する磁性塗料の流量の2
    〜5倍とすることを特徴とする請求項1記載の磁気記録
    媒体の製造方法。
JP7278005A 1995-10-25 1995-10-25 磁気記録媒体の製造方法 Withdrawn JPH09120530A (ja)

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