JPH09119167A - コンクリート躯体面補修方法とそれに用いるパネルおよび取付具 - Google Patents

コンクリート躯体面補修方法とそれに用いるパネルおよび取付具

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JPH09119167A
JPH09119167A JP6651596A JP6651596A JPH09119167A JP H09119167 A JPH09119167 A JP H09119167A JP 6651596 A JP6651596 A JP 6651596A JP 6651596 A JP6651596 A JP 6651596A JP H09119167 A JPH09119167 A JP H09119167A
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晋一 赤谷
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智長 岡村
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渡辺  弘
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防食性能の信頼性が高く、しかも簡易かつ安
全で、短工期で低コストのコンクリート躯体面補修方法
とそれに用いるパネルおよび取付具を提供すること。 【構成】 コンクリート躯体面4に、第1係止爪16を
有する取付具6を、所定間隔で取り付ける。第2係止爪
20が表面に形成された複数のパネル8を、第1係止爪
16に第2係止爪20が嵌合してコンクリート躯体面4
とパネル8との間に空間が生じるように、コンクリート
躯体面4に張り巡らせる。パネル8とコンクリート躯体
面4との間の空間に、補修用充填材を流し込み固化させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート躯体
面補修方法とそれに用いるパネルおよび取付具に関す
る。
【0002】
【従来の技術】コンクリートは、耐酸性および耐薬品性
に劣り、侵食され易い材料であるため、たとえば下水処
理槽や薬液貯留槽などをコンクリートで構築する場合に
は、その壁面などの躯体表面を防食塗装膜あるいはシー
トなどで被覆保護することが普通である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
たとえば下水処理施設では、処理工程の中で発生する硫
化水素から生成する硫酸によって、コンクリートの腐食
が著しく促進する事例が多く報告されている。また、従
来の防食方法では、防食性能が十分でなかったり、コン
クリート構造物として期待される長期使用という面か
ら、その防食および耐久性に対する信頼性が不十分であ
るなどの課題を有している。
【0004】具体的には、タールエポキシ樹脂などを用
いた塗布法によるコンクリート躯体面補修方法は、塗膜
が薄く脆弱であることが多く、傷による瑕疵部分ができ
易い、防食被覆層の摩耗が早く、耐久性に劣るなどの課
題を有する。また、重防食法として最も普及しているF
RP工法(ガラス繊維マットを用いるガラス繊維強化不
飽和ポリエステルまたはビニルエステル樹脂工法)は、
ガラス繊維マットのハンドリングがしにくい問題があ
り、また、いわゆるハンドレイアップ法により重ね塗り
を行う工法であるため、施工が困難で、技術的な熟練が
要求される。これらの方法は、スプレー塗布法や刷毛塗
り法またはロール塗り法などの方法を用いて塗布を行う
方法であり、密閉構築物内で有機溶媒を用いるため、作
業環境面からの改善も求められる。さらに、FRP工法
では、施工期間が長くなる。
【0005】また、これらのいわゆる(熱)硬化性樹脂
をコンクリート面に形成する方法は、防食被覆層とコン
クリート面との接着不良、浸透水による膨れの進行によ
る防食層の剥離の進行、ひび割れ、ピンホールの発生に
よる裏面コンクリート面の腐食の進行などの問題があ
り、その信頼性とメンテナンスに多大な問題を残す。
【0006】これらの欠点を改良する工法として、アン
カー付プラスチックを用いる方法(特開平4−2119
24号公報および特開平6−126837号公報)が提
案されている。これら公報に開示してある方法は、厚み
のある防食性シートを防食被覆層とすること、およびコ
ンクリートを打設する際にこの裏面のアンカーをコンク
リート中に埋設せしめてシートをコンクリート上にその
まま固定するものであり、防食効果の信頼性はきわめて
高い工法である。
【0007】これらの工法の概略を次に示す。 防食性シート自体は、コンクリート打設時の側圧強度
に耐えられないので、保持型枠を必要とし、保持型枠を
組み立てる作業が必要である。具体的には、シートを防
食必要側の型枠の内側に所定の寸法に内張りして内型枠
を作る。
【0008】この内型枠を、通常の方法で縦バタ、横
バタの桟木を組んで固定する。 新設の場合には、外型枠と内型枠との間隔を一定に保
つために、また補修の場合には、内型枠と表面調整済み
のコンクリート躯体表面との間隔を一定に保つために、
緊張材(セパレータなど)を装着する。
【0009】次に、外型枠と内型枠との間、または内
型枠とコンクリート躯体表面との間に、コンクリート
(モルタル、グラウト材である場合もある)を打設す
る。 コンクリートが硬化した後、型枠、緊張材の補助具
(フォームタイ、座金など)を取り外す。
【0010】最後に、緊張材を取り外した結果生じた
多数の穴をシール材で埋め込む補修作業を行う。 すなわち、従来の工法では、対象のコンクリート構造物
が新設であれ、またはコンクリート構造物の補修であ
れ、前記、、の工程は必須である。このため、内
型枠の作製、桟木の準備、型枠の組立、型枠の除去、型
枠および桟木の回収、穴部の埋め込み補修などの工程を
必要とし、工数、時間およびコストが多大な負担とな
る。また、自然保護の観点からも、木製の型枠材をでき
るだけ使用しないことが好ましく、改良が強く望まれて
いる。さらに、防食被覆層表面の多数の補修跡は、製品
仕上がりの外観を低下させることと欠陥の原因になり得
ることから、この点でも改良が望まれる。
【0011】このような点の改良として、特開平6−4
9971号公報に示すように、アンカー付プラスチック
シートとプレキャスト板とを組み合わせた方法が提案さ
れている。この方法では、表面に防食プラスチックシー
トが固着され、かつ裏面にアンカーが突設されたモルタ
ル製のアンカー付プレキャスト板を用い、壁面の防食を
行っている。この方法では、アンカー付プレキャスト板
が、コンクリート打設側圧に耐え得ることから、桟木を
必要とせず、上記の工程を省略することができる点で
改良されている。
【0012】しかしながら、この方法では、(1)モルタ
ルでプレキャスト板を別途作る工程を必要とする。ま
た、(2)重量の重いプレキャスト板の保管および運搬の
費用が多大になる。(3)重量の重いプレキャスト板を現
場にてクレーンなどを用いて立設して組み立てる熟練度
の高い作業が要求され、安全性の点でも問題がある。
(4)既設コンクリート槽の補修の場合には、一般に自由
空間が狭い限られた槽内での作業となるので、クレーン
などの吊り下げ機械が使えないことが多く、その組立作
業はきわめて困難である。(5)プレキャスト板の内型枠
と外型枠とを一定間隔に保持しなければならないなどの
煩雑な作業を必要とするなどの課題を有する。
【0013】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、防食性能の信頼性が高く、しかも簡易かつ安全で、
短工期で低コストのコンクリート躯体面補修方法とそれ
に用いるパネルおよび取付具を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るコンクリート躯体面補修方法は、コン
クリート躯体面の表面に、第1係止爪を有する取付具
を、所定間隔で取り付ける工程と、前記第1係止爪に嵌
合可能な第2係止爪が表面に形成された複数のパネル
を、前記第1係止爪に第2係止爪が嵌合して前記コンク
リート躯体面とパネルとの間に空間が生じるように、前
記コンクリート躯体面に張り巡らせる工程と、前記パネ
ルとコンクリート躯体面との間の空間に、補修用充填材
を流し込み、固化させる工程とを有する。
【0015】本発明において用いることができる補修用
充填材としては、特に限定されないが、セメントモルタ
ル、ポリマーセメントモルタル、ポリマーモルタル、グ
ラウト材(玉石が配合されないコンクリート材料)など
を用いることができる。なお、本発明において、コンク
リート躯体面とは、コンクリート壁、コンクリート床、
コンクリート天井などを含む全てのコンクリート躯体の
面を意味する。
【0016】パネル 本発明に係るコンクリート躯体面補修方法に用いるパネ
ルは、コンクリート躯体面の表面に取り付けられた取付
具の第1係止爪に嵌合可能な第2係止爪が形成してあ
り、パネルの両端部には、パネルの端部相互が突き合わ
されることにより、前記第2係止爪と同等な作用を成す
第2係止爪半部が形成してあり、該パネルは、曲げ弾性
率(JIS K 7203)が50000kg/cm2
以上の防食性プラスチックで構成してある。
【0017】曲げ弾性率が50000kg/cm2 以上
あるパネルの素材としては、塩化ビニル樹脂、ポリオレ
フィン樹脂、ポリアミド樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、およびこれらのガラス繊維強化樹
脂、またはノルボルネン系モノマーを用いた反応射出成
形樹脂、好ましくはガラス繊維強化塩化ビニル樹脂等の
防食性を有する樹脂を例示することができる。
【0018】曲げ弾性率が50000kg/cm2 以上
あるガラス繊維強化塩化ビニル樹脂は、好適には、特開
昭61−111351号公報に記載の以下の成分(a)
〜(d)で構成される。 (a)平均重合度が300〜2000、好ましくは40
0〜1000の塩化ビニル樹脂が50〜95重量%。
【0019】(b)好ましくは直径が5〜20μm の、
下記(c)及び(d)のサイズ剤が塗布されているガラ
ス繊維が10〜60重量%。 (c)前記樹脂との反応後に5.65ppmに陽子磁気
共鳴スペクトルのピークを有する化合物を生じる反応性
アミン基を有するアミノシランカップリング剤が好まし
くは0.2〜0.6重量%。
【0020】このアミノシランカップリング剤として
は、β−アミノメチルトリメトキシシラン、N−β−ア
ミノエチル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、その他が例示
される。これらのアミノシランカップリング剤は、ガラ
ス繊維のサイジング剤として用いられる。これらのカッ
プリング剤を含有させることで、塩化ビニル樹脂とガラ
ス繊維との界面接着性が向上する。
【0021】(d)酸化低級アルキレン反復単位を持つ
下記式で表わされる被膜形成剤が0.2〜0.6重量
%。
【0022】
【化1】
【0023】上記式中、Xはエピクロロヒドリン、酸化
スチレンの各エポキシ基開環体、テトラヒドロフラン、
β−プロピオラクトン、無水マレイン酸の各開環体、お
よび1〜約12個の炭素原子を有するアルキレングリコ
ールから誘導されるジオキシドより成る群より選ばれる
二価の基である。また、R1 は、2〜5個の炭素原子を
有するアルキレン基を表わし、R3 およびR4 は、独立
して水素原子および3〜30個の炭素原子を有する炭化
水素基から成る群より選ばれるものを表わし、nは0〜
100、mは5〜200,000、lは1〜5,000
であり、nはm以下の整数である。
【0024】(d)の好ましい被膜形成剤としては、ポ
リ酸化エチレン、ポリプロピレングリコール、ポリオキ
シエチレンモノオレイルエーテル、ポリオキシエチレン
ジステアリルエーテル等が挙げられる。これらの被膜形
成剤は、ガラス繊維のサイジング剤として用いられる。
これらの被膜形成剤を含有させることで、塩化ビニル樹
脂とガラス繊維との界面接着性が向上する。
【0025】上記(a)〜(d)から成るガラス繊維強
化塩化ビニル樹脂は、押出成形、射出成形、圧縮成形、
カレンダーシートの二次加工などの周知の成形法で製造
され、好ましくは押し出し成形により製造される。前記
パネルに形成される第2係止爪は、パネルに一体に形成
されることが好ましいが、パネルに溶接することにより
形成しても良い。後者の場合は第2係止爪の素材は必ず
しもパネルの素材と同一でなくてもよい。また、第2係
止爪は、パネルの中央部に上下方向に連続して形成する
ことが好ましいが、断続的に形成することもできる。ま
た、第2係止爪は、パネルの一面に複数個平行に形成す
ることもできる。第2係止爪が一体に形成されたパネル
を形成する場合には、押出成形法でパネルを製造するこ
とが好ましい。第2係止爪が上下方向に連続して形成し
てある場合には、第1係止爪に嵌合しない部分の第2係
止爪は、コンクリート躯体面とパネルとの間に充填され
る補修用充填材に対するアンカーとして作用する。
【0026】このようなパネルの厚さは、特に限定され
ないが、たとえば2.0〜5.0mm程度が好ましい。こ
の厚さが薄すぎると、本発明のパネルとして必要な剛性
がなくなり好ましくなく、厚すぎると、経済的でなくな
る。取付具 コンクリート躯体面補修方法に用いる取付具としては、
パネルに形成された第2係止爪が嵌合する第1係止爪
と、コンクリート躯体面の表面に取り付けられる基板と
を有し、前記第1係止爪が、前記基板から曲折されるこ
とにより一体に形成してある取付具が例示される。
【0027】コンクリート躯体面の表面に取り付けられ
る取付具の基板には、長孔状のボルト孔が形成してある
ことが好ましい。取付具の取付位置を微調整することが
できるようにするためである。取付具は、特に限定され
ないが、ステンレス、SK−5などのバネ鋼などの金属
で構成されることが好ましい。コンクリート躯体面に対
する取付具の取付位置は、特に限定されないが、補修用
充填材による充填荷重を、取付具とパネルとで受けるこ
とを考慮し、鉛直方向下方で密となるように配置するこ
とが好ましい。
【0028】また、本発明の別の観点では、コンクリー
ト躯体面補修方法に用いる取付具としては、パネルに形
成された第2係止爪が嵌合する第1係止爪と、前記第1
係止爪が表面に突出して装着され、前記コンクリート躯
体面の表面に取り付けられる主基板とを有する取付具が
例示される。
【0029】この別の観点に係る取付具では、前記第1
係止爪が、爪用基板に一体に形成してあり、この爪用基
板が、前記主基板の裏面に、前記第1爪部が主基板の表
面から突出するように取り付けてあることが好ましい。
なお、主基板の表面側に爪用基板を接合しても良いが、
係合する第2爪部と第1爪部との間に作用する引っ張り
力に対する耐力は、爪用基板を主基板の裏面に装着した
ものの方が優れている。
【0030】また、前記主基板は、長手方向に細長い幹
板部と、この幹板部から同一平面で横方向に突出する複
数の枝板部とを有し、幹板部を挟んで横方向に枝別れす
る少なくとも一対の枝板部の一方の端部が、他方の端部
に対して嵌合自在な形状に形成してあり、前記幹板部の
長手方向に沿って、複数の第1係止爪が装着してあるこ
とが好ましい。主基板を横方向に張り巡らせる際に、枝
板部の一方の端部が、他方の端部に対して嵌合自在な形
状であると、位置合わせの観点から都合が良い。
【0031】
【作用】本発明に係る方法では、まず、補修すべきコン
クリート躯体面の表面の検査を行い、補修のための予備
処理として欠陥部の処理を行う。欠陥部の処理として
は、ひび割れ部、極端な段差部などの欠陥部を、はつり
処理あるいは樹脂モルタルなどで埋め込むことなどを例
示することができる。
【0032】次に、コンクリート躯体面の表面に、第1
係止爪を有する取付具を所定間隔で取り付ける。取付具
の取付は、たとえばボルトなどを用いて行う。取付具の
取付間隔は、必ずしも一定でなくとも良く、コンクリー
ト壁に取り付ける場合には、その鉛直方向下方では、取
付具の取付間隔を密にすることが好ましい。後述する充
填材の充填圧力に耐え得るようにするためである。
【0033】次に、取付具に形成された第1係止爪に嵌
合可能な第2係止爪が表面に形成された複数のパネル
を、第1係止爪に第2係止爪が嵌合してコンクリート躯
体面とパネルとの間に空間が生じるように、コンクリー
ト躯体面に張り巡らせる。パネルの横方向端部に、パネ
ルの端部相互が突き合わされることにより、第2係止爪
と同等な作用を成す第2係止爪半部が形成してある場合
には、その突合せ端部が取付具の第1係止爪に嵌合す
る。
【0034】第2係止爪半部が形成されていないパネル
端部の突合せ接合部には、パネル連結部材を装着し、そ
の突合せ端部の隙間を埋めることが好ましい。また、コ
ンクリート躯体面の角部(出隅、入隅等)において、パ
ネル端部相互を突き合わせる場合には、角部用のパネル
連結部材を用いることが好ましい。突合せ端部の隙間を
塞ぐためと、コンクリート躯体の角部とパネル突合せ端
部との間の距離を一定に保つためである。
【0035】パネルの第2係止爪を取付具の第1係止爪
に嵌合させることにより、コンクリート躯体面から一定
の距離にパネルを張り巡らせた後、これらの隙間に、セ
メントモルタル、ポリマーセメントモルタル、ポリマー
モルタル、グラウト材などの充填材を充填する。その充
填材が固化することにより、コンクリート躯体面の補修
が完成する。
【0036】本発明では、パネルの曲げ弾性率(JIS
K 7203)が50000kg/cm2 以上である
ので、充填材の充填圧力によっても、パネルはほとんど
変形することはない。また、このパネルは、防食性に優
れているので、コンクリート躯体面を腐食から有効に防
止することができる。また、このパネルは、予め成形さ
れたものであるので、現場で、防食処理加工する必要は
なくなる。このため、ガラス繊維の飛散や有機溶剤の蒸
発などがなく、作業環境が良好になり、かつ施工期間の
短縮を図ることができる。
【0037】FRP工法では、作業者の熟練度が要求さ
れるが、本発明の方法では、作業者の熟練度によらず、
防食構造の補修作業を安定して行うことができる。この
ように本発明の工法は、全体としての製造コストを低減
することができる。また、特許出願公開公報などで最近
提案されている工法に比較して、次に示すような利点を
有する。
【0038】パネル自体の剛性が高いと共に、このパネ
ルがコンクリート躯体面にワンタッチ式で取り付けら
れ、かつ両者間の距離が一定に設定されるために、枠や
桟木が不要となり、さらに緊張材を特に必要とせず、施
工がきわめて容易である。また、枠や桟木を使用しない
ことから、自然保護の観点でも好ましい。さらに、パネ
ルは、プラスチック製であり、軽量であるので、狭い場
所でも容易に作業することができる。
【0039】また、パネルとコンクリート躯体面との間
に充填材を充填することにより補修と防食とが同時に完
了し、パネル面には、孔などを設ける必要がないため、
従来のように多数の穴の埋め込み補修作業が不要とな
る。このように本発明の工法は、全体としての製造コス
トを低減することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るコンクリート
躯体面補修方法とそれに用いるパネルおよび取付具を、
図面に示す実施形態に基づき、詳細に説明する。第1実施形態 図1は本発明の一実施形態に係るコンクリート躯体面補
修方法を示す要部概略斜視図、図2は図1に示すパネル
の要部斜視図、図3(A)は図1に示す取付具の正面
図、図3(B)は図1に示す取付具の平面図、図3
(C)は図1に示す取付具の側面図、図4はコンクリー
ト壁に対する取付具の取付位置の例を示す斜視図、図5
はパネルをコンクリート壁に取り付けた状態を上側から
見た要部断面図、図6(A)は第1係止爪と第2係止爪
との嵌合前の状態を示す要部断面図、図6(B)は第1
係止爪と第2係止爪との嵌合後の状態を示す要部断面
図、図7はパネル相互の横方向突合せ端部の要部断面
図、図8はパネル相互の上下方向突合せ端部の要部断面
図、図9はコンクリート壁角部(入隅部)でのパネル相
互の突合せ端部の要部断面図である。
【0041】図1に示すように、本実施形態に係るコン
クリート躯体面補修方法は、たとえば下水道施設に用い
られるコンクリート壁2の内壁面4を補修するための方
法であり、複数のパネル8と、複数の取付具6とを用い
る。図1,2に示すように、パネル8は、曲げ弾性率が
50000kg/cm2 以上である防食性プラスチック
で構成してあり、パネル本体22と、パネル本体22の
略中央部に、上下方向に連続して形成してある第2係止
爪20と、パネル本体22の両側端部に形成してある第
2係止爪半部24とを有する。このパネル22は、本実
施形態では、平均重合度が400〜1000の塩化ビニ
ル樹脂が50〜95重量%と、特定のアミノシランカッ
プリング剤が0.2〜0.6重量%塗布してある直径が
5〜20μm のガラス繊維が10〜60重量%と、酸化
低級アルキレン反復単位を持つ被膜形成剤が0.2〜
0.6重量%とから成る繊維補強プラスチックで構成し
てあり、押出成形により成形される。パネル本体22の
厚さは、約3mm程度である。
【0042】パネル8の略中央部に形成してある第2係
止爪20は、図6に示すように、取付具6の第1係止爪
16間に嵌合可能に構成してあり、第1係止爪16の対
の間に入り易くするためのガイド傾斜面25と、第1係
止爪16のフック部18に係止する抜け止め用ロック面
26とを有する。
【0043】取付具6は、図1,3に示すように、コン
クリート内壁面4に取り付けるための基板12を有す
る。基板12は、たとえば略十字形状を有し、その中央
部に、横方向に細長い長孔10が形成してある。長孔1
0には、ボルト14などの取付手段が装着され、このボ
ルト14を用いて、図1に示すコンクリート内壁面4に
取付具6を取り付ける。長孔10のため、取付具6の取
付位置は、多少左右方向に移動することができる。
【0044】取付具6には、長孔10を隔てて上方と下
方に各1対の第1係止爪がある。上下に各1対の係止爪
が離れて存在することにより、第2係止爪が嵌合する際
に受けるストレスを分散することができ、取付具が、グ
ラウト材が充填された時の圧力を受けても変形し難くな
る。
【0045】取付具6を垂直なコンクリート躯体壁に固
定するためのボルトは、その頭部の径は、上方の第1係
止爪対と下方の第1係止爪対との間隙以下の範囲で可能
な限り大きくすることにより、取付具が第2係止爪が嵌
合する際に受けるストレスで浮き上がらないよう広い面
積で押さえ込むことができる。
【0046】十字形状の基板12の上部及び下部12a
の両側にある第1係止爪16の対は先端がその内側に傾
斜して形成してある。各々の第1係止爪16の先端に
は、鈎状のフック18が形成してある。これら第1係止
爪16を有する基板12からなる取付具6は、一枚の金
属板から曲折加工することにより形成することができ
る。取付具6は、本実施形態では、JISのSK−5な
どのばね鋼で構成される。取付具6は、たとえば図1の
基板12とフック部18の先端との間隔が8〜15mm
で、フック部18の先端とその対の位置の18の先端と
の間隔が10〜20mmである場合は、取付具の厚みは
0.4〜2.0mmが好ましい。
【0047】図6(A)に示すように、第2係止爪の最
先端面の外径は第1係止爪のフックの対の間隔より幾分
小さく、例えば前記例示寸法の取付具の場合は約2mmの
遊びもつようにすることが好ましい。施行時に第1、2
係止爪の中心に若干のずれが生じても、この遊びと第1
係止爪対がフック部から元部にかけて広がりを持つ形状
であることでずれを吸収して、パネル全体への影響を防
ぐことができる。第2係止爪20が第1係止爪16間に
挿入される前には、フック部18がガイド傾斜面25に
当たり、パネル8をコンクリート2側にさらに押し込む
ことで、第1係止爪16が開き、第2係止爪20が第1
係止爪16間にワンタッチ式に入り込む。第2係止爪の
形状が長尺であるのに対し、第1係止爪の形状は図1及
び図3(A)に見られるように、コンクリート駆体面に
沿う方向に短くしてあることにより、パネル8を押し込
むだけで第1係止爪16が容易に開いて第2係止爪を嵌
合することができる。いったん第2係止爪20が第1係
止爪16間に入り込むと、図6(B)に示すように、一
旦押し拡げられた第1係止爪16はばね弾性により元の
開きに戻ってロック面26にフック部18が係止し、抜
け止めがなされる。もし工事のやり直し等の理由でパネ
ルを外したい場合は、第2係止爪の長さ方向(上下方
向)に沿ってパネルをスライドすればよい。
【0048】図2に示すように、パネル8のパネル本体
22の両側には、第2係止爪半部24が上下方向に連続
して形成してある。この第2係止爪半部24は、図7に
示すように、隣接するパネル8の第2係止爪半部24が
突き合わさることにより、図2,6に示す第2係止爪2
0と同等の作用を有し、図5に示すように、取付具6の
第1係止爪16間に嵌合するようになっている。すなわ
ち、各第2係止爪半部24には、ガイド傾斜面25とロ
ック面26とが形成してある。
【0049】図7に示すように、第2係止爪半部24相
互の突合せ端部では、その部分の液密性を保持するため
に、パッキン30とシーリング材32が埋め込んであ
る。パッキン30は、たとえばスチレン−ブタジエンゴ
ム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴ
ム(IR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロ
ロプレンゴム(CR)などのジエン系ゴム、ブチルゴム
(IIR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマ
ーゴム(EPDM)、アクリルゴム、クロロスルホン化
ポリエチレンゴム、フッ素ゴムなどのオレフィン系ゴ
ム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム、また
はこれらの発泡体、またはウレタンもしくはナイロンの
発泡体などで構成される。シーリング材32は、たとえ
ばシリコンシーラントで構成される。
【0050】図8に示すように、パネル8において第2
係止爪半部24が形成されていないパネルの上下端部の
突合せ接合部には、略T字状断面のパネル連結部材36
を装着し、その突合せ端部の隙間を埋める。同部材36
は、たとえば塩化ビニル樹脂で構成してあり、塩化ビニ
ル樹脂から成る溶接棒を用いた溶接部34によりパネル
8の端部に接合される。
【0051】また、図9に示すように、コンクリート壁
2の角部(入隅部)において、パネル8の端部相互を突
き合わせる場合には、角部用のパネル連結部材40を用
いる。この部材40は、その断面が鏃形状をしている。
この部材40を用いるのは、突合せ端部の隙間を塞ぐた
めと、コンクリート壁2の角部とパネル突合せ端部との
間の距離を一定に保つためとである。
【0052】次に、本発明に係るコンクリート壁の補修
方法を、工程順に説明する。本実施形態に係る方法で
は、まず、図4に示す補修すべきコンクリート壁2の内
壁面4の表面の検査を行い、補修のための予備処理とし
て欠陥部の処理を行う。欠陥部の処理としては、ひび割
れ部、腐食箇所、極端な段差部などの欠陥部を、はつり
処理あるいは樹脂モルタルなどで埋め込むことなどを例
示することができる。
【0053】次に、内壁面4に、取付具6を所定間隔で
取り付ける。取付具6の取付は、たとえば図1,3に示
すボルト14などを用いて行う。取付具6の取付間隔
は、図4に示すように、鉛直方向下方では、取付具6の
取付間隔を密にする。後述する充填材の充填圧力に耐え
得るようにするためである。たとえば、1000mmの高
さから充填材として比重2.1g/cm2 のグラウト材
を充填する場合には、底部側のパネルに加わる充填圧力
は約2000kg/cm2 以上と成る。そのような圧力
に耐えてパネルの面の膨らみを一定値(たとえば5mm)
以下に抑えるためには、鉛直方向下方では、取付具6の
取付間隔を密にすることが好ましい。
【0054】取付具の位置と数は、パネルの曲げ弾性率
などの特性、厚み及び充填材の充填高さに対応する充填
圧力と許容する膨みの条件から予めシミュレートして、
最適条件の設定に役立てることができる。次に、図5に
示すように、第2係止爪20と第2係止爪半部24とが
形成された複数のパネル8を、内壁面4に装着された取
付具6と第2係止爪20とが位置合わせされるようにす
ると共に、第2係止爪半部24の突合せ端部と取付具6
とが位置合わせされるように、内壁面4側に押し込む。
その結果、図5および図6(B)に示すように、第2係
止爪20が第1係止爪16間に嵌合すると共に、第2係
止爪半部24の突合せ端部が第1係止爪16間に嵌合
し、コンクリート内壁面4とパネル8との間に空間が生
じるように、パネル8を内壁面4に張り巡らせることが
できる。その際に、図7に示すように、第2係止爪半部
24相互の突合せ端部において、その部分の液密性を保
持するために、パッキン30とシーリング材32を埋め
込む。
【0055】また、第2係止爪半部が形成されていない
パネル端部の突合せ接合部には、図8に示すように、略
T字状断面のパネル連結部材36を装着し、その突合せ
端部の隙間を埋める。パネル連結部材36は、溶接部3
4でパネル8に接合する。また、図9に示すように、コ
ンクリート壁2の角部においては、パネル8の端部相互
に、角部用のパネル連結部材40を装着する。このパネ
ル連結部材36は、溶接部34でパネル8に接合され
る。
【0056】コンクリート内壁面4から一定の距離にパ
ネル8を張り巡らせた後、これらの隙間に、セメントモ
ルタル、ポリマーセメントモルタル、ポリマーモルタ
ル、グラウト材などの充填材を充填する。その充填材が
固化することにより、コンクリート内壁面4の補修が完
成する。
【0057】なお、本発明において、次の実験を行っ
た。図4において、取付具6の横方向間隔aを150mm
とし、上下方向間隔cを150mmとし、底面または上面
からの間隔bを50mmとし、内壁面4の上側でのみ取付
具6を千鳥状に配置した。また、図2に示すパネル8
(曲げ弾性率80000kgf/cm2 のガラス繊維強
化塩化ビニル樹脂製)として、横方向幅300mm、上下
方向高さ1000mmのパネルを用い、そのパネルを、図
4に示す取付位置の取付具6に取り付け、比重2.1g
/cm2 のグラウト材を充填した。底部側のパネルに加
わる充填圧力は約2000kg/cm2 以上となった
が、パネル面の膨らみは、1.8mm程度であった。
【0058】高さが1000mm以上の場合には、取付具
6の取付位置は、パネル面の膨らみの許容等によっては
下方向程さらに密になるが、高さ1000mm分でグラウ
ト材を充填固化し、その上に、さらに上記と同様にし
て、パネルを配置し、グラウト材を充填する場合には、
図4に示す取付具6の配置を、上下方向に繰り返せば良
い。
【0059】本実施形態では、パネル8の曲げ弾性率が
50000kg/cm2 以上であるので、グラウト材の
充填圧力によっても、パネル8はほとんど変形すること
はない。また、このパネル8は、耐腐食性に優れている
ので、コンクリート内壁面4の腐食を有効に防止するこ
とができる。また、このパネル8は、予め成形されたも
のであるので、現場にて、FRP処理を行い防食処理す
る必要はなくなる。このため、ガラス繊維の飛散や有機
溶剤の蒸発などがなくなり、作業環境が良好になる。ま
た、防食のための重ね塗りの必要がなくなり、施工期間
の短縮を図ることができる。
【0060】FRP工法では、施工程度が悪いと、短期
間で膨れなどの不具合が発生するが、本実施形態の方法
では、作業者の熟練度によらず、防食構造の補修作業を
安定して行うことができる。さらに、FRP工法に比較
して、全体としての製造コストを低減することができ
る。
【0061】また、特許出願公開公報などで最近提案さ
れている工法に比較して、次に示すような利点を有す
る。パネル8自体の曲げ弾性が高いと共に、このパネル
8がコンクリート内壁面4にワンタッチ式で取り付けら
れるために、枠や桟木が不要となり、施工がきわめて容
易である。また、枠や桟木を使用しないことから、自然
保護の観点でも好ましい。さらに、パネル8は、プラス
チック製であり、軽量であるので、狭い場所でも容易に
作業することができる。
【0062】また、パネル8とコンクリート内壁面4と
の間にグラウト材を充填することにより補修と防食とが
同時に完了し、パネル面には、孔などを設ける必要がな
いため、補修および防食の欠陥が生じ難い。第2実施形態 図10は本発明の他の実施形態に係るコンクリート躯体
面補修方法に用いる取付具の要部概略斜視図、図11は
図10に示す主基板の全体平面図、図12(A)は図1
0に示す第1係止爪が一体に形成してある爪用基板の正
面図、同図(B)はその平面図,(C)はその側面図、
図13は爪用基板の斜視図、図14は爪用基板の変形例
を示す斜視図、図15はパネル連結部材の変形例を示す
要部断面図、図16は主基板の変形例を示す平面図、図
17は取付具の変形例を示す要部斜視図、図18は取付
具のその他の変形例を示す斜視図である。
【0063】図10以降に示す実施形態は、取付具の形
態を、前記第1実施形態に示すものと異なる形態とした
以外は、前記第1実施形態に示すパネルと同様なパネル
を用いて、同様なコンクリート躯体面補修方法を行うこ
とができる。以下の説明では、前記第1実施形態にて説
明された部分と重複する部分の説明は一部省略し、相違
点を特に詳細に説明する。
【0064】図10に示す実施形態で用いる取付具6a
は、パネル8に形成された第2係止爪20が嵌合する第
1係止爪52が表面に装着された主基板54を有する。
主基板54の表面に第1係止爪52を装着するために、
本実施形態では、以下に示す構造を採用している。
【0065】主基板54は、前記第1実施形態の基板6
と同様な材質で構成され、図11に示すように、長手方
向に細長い幹板部56と、この幹板部56から同一平面
で横方向に突出する複数の枝板部58,59,60とを
有する。複数の枝板部のうち、幹板部56の両端の位置
で、それぞれ幹板部56を挟んで横方向に枝別れする一
対の枝板部58,59は、位置合わせ用枝板部であり、
その一方の端部58aが、凸型三角形状に形成してあ
り、他方の端部59aの凹型三角形状に対して嵌合自在
な形状に形成してある。したがって、複数の主基板54
を横方向に配置する際に、端部58a,59aが嵌合す
ることにより、それらの横方向配置間隔が制御されるこ
とになる。なお、各端部58a,59aにおいて、それ
らの形状の鋭角部分となる部分には、安全性を考慮して
丸みを持たせることが好ましい。
【0066】その他の枝板部60の端部形状は、矩形形
状にしてあり、その横方向幅は、位置合わせ用枝板部5
8,59の横方向幅よりも短く形成してある。本実施形
態では、幹板部56の長手方向に沿って、両端部を含め
て合計5箇所の位置で、枝板部58,59,60が横方
向に突出して形成してある。枝板部58,59,60の
長手方向配置間隔は、特に限定されないが、略等間隔で
あることが好ましい。
【0067】この主基板54の幹板部56には、枝板部
58,59,60の配置位置に対応して、長手方向に沿
って略平行な一対の長手状貫通孔62が形成してある。
また、各枝板部58,59,60には、躯体表面への固
定を行うための取付孔64が形成してある。これら取付
孔64には、図10,15に示すように、ボルト14が
貫通し、これらボルト14を躯体表面4に取り付けるこ
とで、取付具50が躯体表面2に取り付けられる。これ
ら取付孔64は、取付作業性を向上させるために、ボル
ト14のネジ部の外径よりも十分に大きくしておくこと
が好ましく、ボルト14の頭部はワッシャを介して主基
板54の表面に圧接する。
【0068】なお、主基板54の取付孔64は、図11
に示すように、主基板54の各枝板部58,59,60
毎に設けることが好ましいが、一つおきの枝板部にの
み、あるいは対向する一対の枝板部のうちの一方にの
み、あるいはその他の配列で設けても良い。長手状貫通
孔62は、それぞれ、図10,13に示す第1係止爪5
2を貫通させるための孔である。
【0069】図12,13に示すように、第1係止爪5
2は、爪用基板66から折曲げ成形することにより一体
に成形してある。この爪用基板66は、前記第1実施形
態で用いる図3に示す基板12に対応する部品であり、
この基板12と同様な材質で構成してある。また、この
爪用基板66に一体に形成してある第1係止爪52は、
図3に示す第1係止爪16と同じ構成を有し、先端部に
鈎状のフック68が形成してある。また、これらの第1
係止爪16は、図13において上下方向に、各1対の係
止爪52が離れて存在するようになっている。これによ
り、図10に示すパネル8の第2係止爪20が嵌合する
際に受けるストレスを分散することができる。またパネ
ル8を押し込むだけで容易に第2係止爪52が開いて第
1係止爪に嵌合することができる。
【0070】図12,13に示すように、本実施形態の
爪用基板66には、図13において上下方向に突出する
上下タブ72,72と、左右方向に突出する左右タブ7
0,70とが、各第1爪部52間に形成してある。これ
らタブ72,70は、後述するように、主基板54の裏
面に、爪用基板66を接合した後に、第1爪部52に作
用する上下方向および左右方向のモーメントを主基板5
4に伝達し、これら基板54,66の接合が外れないよ
うに作用する。
【0071】これら第1係止爪52が形成された爪用基
板66は、図10,13に示すように、主基板54の裏
面に、第1係止爪52が主基板54の長手状貫通孔62
から飛び出すように、スポット溶接などで接合される。
この爪用基板66は、図11に示す主基板56の裏面
に、一対の長手状貫通孔62毎に接合される。なお、本
発明では、これら爪用基板66は、主基板56の表面に
接合しても良い。ただし、図10に示すパネル8の第2
係止爪20が第1係止爪52に対して係止し、補修用充
填剤が充填される際には、これら爪の係止を外そうとす
る方向に引っ張り力が作用することから、爪用基板66
は、主基板54の裏側に装着した方が、充填時の引っ張
り力に対して強い構造となる。
【0072】次に、本実施形態に係るコンクリート壁の
補修方法を、工程順に説明する。本実施形態に係る方法
では、まず、図10に示す補修すべきコンクリート壁2
の内壁面4の表面の検査を行い、補修のための予備処理
として欠陥部の処理を行う。欠陥部の処理としては、ひ
び割れ部、腐食箇所、極端な段差部などの欠陥部を、は
つり処理あるいは樹脂モルタルなどで埋め込むことなど
を例示することができる。次に、内壁面4に、爪用基板
66と主基板54とから成る取付具50を所定間隔で取
り付ける。取付具50の取付は、たとえば図10,15
に示すボルト14などを用いて行う。一つの取付具50
を、図10に示す上下方向に沿って取付たら、次に、そ
の脇に、別の取付具50を内壁面4に取り付ける。その
際に、位置決め用枝板部58または59の端部58aま
たは59aに、隣に位置する取付具50の位置合わせ用
枝板部59または58の端部59aまたは58aを嵌合
させ、両取付具50,50の横方向間隔を一定に保つ。
【0073】次に、図2に示す第2係止爪20と第2係
止爪半部24とが形成された複数のパネル8を、図10
に示す内壁面4に装着された取付具50の第1係止爪5
2とパネル8の第2係止爪20とが位置合わせされるよ
うに、内壁面4側に押し込む。また、図2に示すパネル
8の第2係止爪半部24は、他のパネル8の第2係止爪
半部24と突合せられた状態で、取付具50の第1係止
爪52間に押し込む。その結果、前記第1実施形態と同
様にして、第2係止爪20が第1係止爪52間に嵌合す
ると共に、第2係止爪半部24の突合せ端部が第1係止
爪52間に嵌合し、コンクリート内壁面4とパネル8と
の間に空間が生じるように、パネル8を内壁面4に張り
巡らせることができる。その際に、図7に示すように、
第2係止爪半部24相互の突合せ端部において、その部
分の液密性を保持するために、パッキン30とシーリン
グ材32を埋め込む。
【0074】また、第2係止爪半部が形成されていない
パネル端部の突合せ接合部には、図8に示すように、略
T字状断面のパネル連結部材36を装着し、その突合せ
端部の隙間を埋める。パネル連結部材36は、溶接部3
4でパネル8に接合する。また、図9に示すように、コ
ンクリート壁2の角部においては、パネル8の端部相互
に、角部用のパネル連結部材40を装着する。このパネ
ル連結部材36は、溶接部34でパネル8に接合され
る。
【0075】コンクリート内壁面4から一定の距離にパ
ネル8を張り巡らせた後、これらの隙間に、セメントモ
ルタル、ポリマーセメントモルタル、ポリマーモルタ
ル、グラウト材などの充填材を充填する。その充填材が
固化することにより、コンクリート内壁面4の補修が完
成する。
【0076】なお、図9に示す連結部材40の変形例と
しては、図15に示す連結部材80を例示することがで
きる。この連結部材80は、断面が鏃形状をしている点
では、図9に示す部材40と同じであるが、部材80に
おいて、内壁面4に接する角部に丸みrを持たせている
点と、相互に直角方向に伸びる押え板部82,84の幅
を長くしている点で相違する。
【0077】角部に丸みを持たせることで、内壁面4の
角部4aの形状によらず、押え板部84を内壁面4に圧
接することができる。また、押え板部82,84の幅を
比較的長くすることで、連結部材80の仕切り板部86
で仕切られたパネル8と内壁面4との間の両空間に充填
剤を入れる際に、相互の空間での充填圧力が相互作用を
行い、連結部材80を壁面側に押し付け、連結部材80
が壁面4から持ち上げられることを有効に防止すること
ができる。
【0078】図10に示す本実施形態の取付具50とパ
ネル8とを用いて、次の実験を行った。図11に示す主
基板54の裏面に図12,13に示す爪用基板66をス
ポット溶接で接合し、取付具50を形成した。主基板5
4としては、その長手方向長さが1000mm、その他の
寸法は、図11に示す図の比例関係の寸法としたものを
用いた。また、爪用基板66としては、図12(A)に
示す上下方向幅Lが50mm、その他の寸法は、図12
(A)〜(C)に示す図の比例関係の寸法としたものを
用いた。また、図2に示すパネル8(曲げ弾性率800
00kgf/cm2のガラス繊維強化塩化ビニル樹脂
製)として、横方向幅300mm、上下方向高さ1000
mmのパネルを用い、そのパネルを、図10に示す取付具
50に取り付け、比重2.1g/cm2 のグラウト材を
充填した。底部側のパネルに加わる充填圧力は約200
0kg/cm2 以上となったが、パネル面の膨らみは、
1.8mm程度であった。
【0079】内壁面4の高さが1000mm以上の場合に
は、取付具50の上に、さらに取付具50を取り付けれ
ば良い。本実施形態では、パネル8の曲げ弾性率が50
000kg/cm2 以上であるので、グラウト材の充填
圧力によっても、パネル8はほとんど変形することはな
い。また、このパネル8は、耐腐食性に優れているの
で、コンクリート内壁面4の腐食を有効に防止すること
ができる。また、このパネル8は、予め成形されたもの
であるので、現場にて、FRP処理を行い防食処理する
必要はなくなる。このため、ガラス繊維の飛散や有機溶
剤の蒸発などがなくなり、作業環境が良好になる。ま
た、防食のための重ね塗りの必要がなくなり、施工期間
の短縮を図ることができる。
【0080】さらに本実施態様では、内壁面4に対する
取付具50の取付が正確に位置合わせして行うことがで
きるようになり、取付具50の取付性が向上する。ま
た、FRP工法では、施工程度が悪いと、短期間で膨れ
などの不具合が発生するが、本実施形態の方法では、作
業者の熟練度によらず、防食構造の補修作業を安定して
行うことができる。さらに、FRP工法に比較して、全
体としての製造コストを低減することができる。
【0081】また、特許出願公開公報などで最近提案さ
れている工法に比較して、次に示すような利点を有す
る。パネル8自体の曲げ弾性が高いと共に、このパネル
8がコンクリート内壁面4にワンタッチ式で取り付けら
れるために、枠や桟木が不要となり、施工がきわめて容
易である。また、枠や桟木を使用しないことから、自然
保護の観点でも好ましい。さらに、パネル8は、プラス
チック製であり、軽量であるので、狭い場所でも容易に
作業することができる。
【0082】また、パネル8とコンクリート内壁面4と
の間にグラウト材を充填することにより補修と防食とが
同時に完了し、パネル面には、孔などを設ける必要がな
いため、補修および防食の欠陥が生じ難い。第3実施形態 本実施形態は、第2実施形態の変形例であり、図10〜
図13に示す取付具50に用いる爪用基板66の代わり
に、図14に示す爪用基板66aを用いる。この爪用基
板66aでは、1対の第1係止爪52aのみが形成して
あり、図13に示す上下の第1係止爪52を連続的に形
成したような形状となっている。第1実施形態等の他の
形態に比して、コンクリート駆体面に沿う方向の第1係
止爪の長さは長くなるけれども、パネルを押し込むだけ
で容易に52aが開いて第2係止爪を嵌合することはま
だ可能である。
【0083】この実施形態のその他の構成は、第2実施
形態と同一であり、第2実施形態と同様な作用効果を奏
する。第4実施形態 本実施形態は、第2実施形態の変形例であり、図10〜
図13に示す取付具50に用いる主基板54の代わり
に、図16に示す主基板54aを用いる。この主基板5
4aは、図11に示す主基板54に類似しているが、幹
板部56の長手方向中央位置にも、位置合わせ用枝板部
59,60が形成してある点のみが、図11に示すもの
と相違する。
【0084】この実施形態のその他の構成は、第2実施
形態と同一であり、第2実施形態と同様な作用効果を奏
するが、さらに本実施形態では、主基板54aの長手方
向中央位置で、取付具を切断して用いることができる。
たとえばコンクリート駆体面の高さに照して図16に示
す主基板54aの長さでは長すぎる場合に、現場におい
て、主基板54aを有する取付具を略中央部で切断して
用い、その場合でも、長手方向両端に、位置合わせ用枝
板部58,59を有する取付具を得ることができる。
【0085】第5実施形態 本実施形態は、第2実施形態の変形例であり、図10〜
図13に示す取付具50の代わりに、図17に示す取付
具50bを用いる。この取付具50bでは、主基板54
bに形成する位置合わせ用枝板部58,59の端部58
b,59bの形状を波型形状にして、他の取付具50b
の端部59b,58bに対して嵌合自在としている。
【0086】この実施形態のその他の構成は、第2実施
形態と同一であり、第2実施形態と同様な作用効果を奏
する。第6実施形態 本実施形態は、第2実施形態の変形例であり、図10〜
図13に示す取付具50と共に、図18に示す取付具5
0cを用いる。この取付具50cは、主基板54cが、
図11に示す一対の位置合わせ用枝板部58,59のみ
を有する形状となっている。この主基板54cの裏面に
は、図2に示す実施形態と同様な第1係止爪52を有す
る爪用基板が前記と同様にして接合してある。
【0087】この取付具54cは、たとえば図10に示
す取付具50単独では、コンクリート躯体の内壁面の高
さに足りない場合に、取付具50の上に組み合わせて用
いることで、種々の高さの内壁面の補修に対応すること
ができる。もちろん、この取付具54cのみを複数用い
て、前記第1実施形態と同様にして、内壁面に取り付け
ても良い。
【0088】この実施形態のその他の構成および作用効
果は、第2実施形態と同一である。その他の実施形態 なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるもので
はなく、本発明の範囲内で種々に改変することができ
る。
【0089】たとえば、第1係止爪16,52と第2係
止爪20との構造は、図示する実施形態に限定されず、
係止爪相互がワンタッチ式に係合可能な形状であれば、
どのような形状でも採用することができる。また、上記
実施形態では、コンクリート壁の補修方法について例示
したが、コンクリート床またはコンクリート天井でも同
様にして、補修を行うことができる。
【0090】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、従来のFRP工法に比較して、次の点が優れてい
る。本発明によれば、現場にて、FRP処理を行い防食
処理する必要はなくなる。このため、ガラス繊維の飛散
や有機溶剤の蒸発などがなくなり、作業環境が良好にな
る。また、防食のための重ね塗りの必要がなくなり、施
工期間の短縮を図ることができる。
【0091】FRP処理では、施工程度が悪いと、短期
間で膨れなどの不具合が発生するが、本発明の方法で
は、作業者の熟練度によらず、防食構造の補修作業を安
定して行うことができる。さらに、FRP処理に比較し
て、全体としての製造コストを低減することができる。
【0092】また、特許出願公開公報などで最近提案さ
れている工法に比較して、次に示すような利点を有す
る。パネル自体の剛性が高いと共に、このパネルがコン
クリート躯体面にワンタッチ押し込み式で取り付けられ
るために、枠や桟木が不要となり、施工がきわめて容易
である。また、枠や桟木を使用しないことから、自然保
護の観点でも好ましい。さらに、パネルは、プラスチッ
ク製であり、軽量であるので、狭い場所でも容易に作業
することができる。
【0093】また、パネルとコンクリート躯体面との間
に充填材を充填することにより補修と防食とが同時に完
了し、パネル面には、孔などを設ける必要がないため、
補修および防食の欠陥が生じ難い。さらに、取付具を主
基板と爪用基板との組立体で構成し、主基板に位置合わ
せ用枝板部を形成した本発明では、壁面に対する取付具
の取付作業性が格別に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係るコンクリート
躯体面補修方法を示す要部概略斜視図である。
【図2】図2は図1に示すパネルの要部斜視図である。
【図3】図3(A)は図1に示す取付具の正面図、図3
(B)は図1に示す取付具の平面図、図3(C)は図1
に示す取付具の側面図である。
【図4】図4はコンクリート壁に対する取付具の取付位
置の例を示す斜視図である。
【図5】図5はパネルをコンクリート壁に取り付けた状
態を上側から見た要部断面図である。
【図6】図6(A)は第1係止爪と第2係止爪との嵌合
後の状態を示す要部断面図、図6(B)は第1係止爪と
第2係止爪との嵌合後の状態を示す要部断面図である。
【図7】図7はパネル相互の横方向突合せ端部の要部断
面図である。
【図8】図8はパネル相互の上下方向突合せ端部の要部
断面図である。
【図9】図9はコンクリート壁角部でのパネル相互の突
合せ端部の要部断面図である。
【図10】図10は本発明の他の実施形態に係るコンク
リート躯体面補修方法に用いる取付具の要部概略斜視図
である。
【図11】図11は図10に示す主基板の全体平面図で
ある。
【図12】図12(A)は図10に示す第1係止爪が一
体に形成してある爪用基板の平面図、同図(B),
(C)はその側面図である。
【図13】図13は爪用基板の斜視図である。
【図14】図14は爪用基板の変形例を示す斜視図であ
る。
【図15】図15はパネル連結部材の変形例を示す要部
断面図である。
【図16】図16は主基板の変形例を示す平面図であ
る。
【図17】図17は取付具の変形例を示す要部斜視図で
ある。
【図18】図18は取付具のその他の変形例を示す斜視
図である。
【符号の説明】
2… コンクリート壁 4… 内壁面 6,50,50b,50c… 取付具 8… パネル 14… ボルト 16,52,52a… 第1係止爪 18… フック部 20… 第2係止爪 24… 第2係止爪半部 54… 主基板 66,66a… 爪用基板 56… 幹板部 58,59… 位置合わせ用枝板部 60… 枝板部
フロントページの続き (72)発明者 安田 光男 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社川崎研究所内 (72)発明者 岡村 智長 大阪府茨木市大同町2−7 (72)発明者 渡辺 弘 千葉県船橋市印内町660クレール西船202号 (72)発明者 宇野 祐一 神奈川県平塚市八千代町15−20アルス平塚 303号

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート躯体面の表面に、第1係止
    爪を有する取付具を、所定間隔で取り付ける工程と、 前記第1係止爪に嵌合可能な第2係止爪が表面に形成さ
    れた複数のパネルを、前記第1係止爪に第2係止爪が嵌
    合して前記コンクリート躯体面とパネルとの間に空間が
    生じるように、前記コンクリート躯体面に張り巡らせる
    工程と、 前記パネルとコンクリート躯体面との間の空間に、補修
    用充填材を流し込み、固化させる工程とを有するコンク
    リート躯体面補修方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のコンクリート躯体面補
    修方法に用いるパネルであって、 コンクリート躯体面の表面に取り付けられた取付具の第
    1係止爪に嵌合可能な第2係止爪が形成してあり、パネ
    ルの両端部には、パネルの端部相互が突き合わされるこ
    とにより、前記第2係止爪と同等な作用を成す第2係止
    爪半部が形成してあり、該パネルは、曲げ弾性率(JI
    S K 7203)が50000kg/cm2 以上であ
    る耐腐食性プラスチックで構成してあるコンクリート躯
    体面補修方法に用いるパネル。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のコンクリート躯体面補
    修方法に用いる取付具であって、 パネルに形成された第2係止爪が嵌合する第1係止爪
    と、 コンクリート躯体面の表面に取り付けられる基板とを有
    し、 前記第1係止爪が、前記基板から曲折されることにより
    一体に形成してあるコンクリート躯体面補修方法に用い
    る取付具。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のコンクリート躯体面補
    修方法に用いる取付具であって、 パネルに形成された第2係止爪が嵌合する第1係止爪
    と、 前記第1係止爪が表面に突出して装着され、前記コンク
    リート躯体面の表面に取り付けられる主基板とを有する
    コンクリート躯体面補修方法に用いる取付具。
  5. 【請求項5】 前記第1係止爪が、爪用基板に一体に形
    成してあり、この爪用基板が、前記主基板の裏面に、前
    記第1爪部が主基板の表面から突出するように取り付け
    てある請求項4に記載の取付具。
  6. 【請求項6】 前記主基板は、長手方向に細長い幹板部
    と、この幹板部から同一平面で横方向に突出する複数の
    枝板部とを有し、幹板部を挟んで横方向に枝別れする少
    なくとも一対の枝板部の一方の端部が、他方の端部に対
    して嵌合自在な形状に形成してあり、前記幹板部の長手
    方向に沿って、複数の第1係止爪が装着してある請求項
    4または5に記載の取付具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006316539A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Takiron Co Ltd 既設管の補修構造
JP2014045407A (ja) * 2012-08-28 2014-03-13 Hitachi Kokusai Yagi Solutions Inc アンテナの取付構造
KR101694790B1 (ko) * 2016-05-17 2017-01-11 이신원 탄소섬유보강판을 이용한 콘크리트 구조물 보강장치

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