JPH09118687A - 17α−ヒドロキシ−20−オキソプレグナン誘導体の製造方法、およびその製造中間体 - Google Patents

17α−ヒドロキシ−20−オキソプレグナン誘導体の製造方法、およびその製造中間体

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JPH09118687A
JPH09118687A JP17344491A JP17344491A JPH09118687A JP H09118687 A JPH09118687 A JP H09118687A JP 17344491 A JP17344491 A JP 17344491A JP 17344491 A JP17344491 A JP 17344491A JP H09118687 A JPH09118687 A JP H09118687A
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Toroo Andras
トロー アンドラーシュ
Gabor Ambrus
アムブルシュ ガーボル
Pallagi Istvan
パルラギ イシュトゥヴァーン
Makku Naandor
マック ナーンドル
Gyula Horvath
ホルヴァート ヂュラ
Ferenc Sederkeenyui
セデルケーニュイ フェレンツ
Irukoeei Eva
イルコェーイ エーヴァ
Jaeckel Nee Bokaanyu Antoonia
イェッケル ネー ボカーニュ アントーニア
Imre Moravcsik
モラヴチュイク イムレ
Koenczoel Kalman
コェンツェル カールマーン
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Richter Gedeon Nyrt
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 17(20)−位に二重結合を有する23,
24−ジノルコラン−22−酸構造のステロイド誘導体
を17α,20−エポキシ−23,24−ジノルコラン
酸に転換させ、これを含塩アジ化物イオンを用いて活性
誘導体に転化させてから、得られた一般式(II) [Rはヒドロキシルまたはオキソ基、Rは−NCO
または−CONで示される基]で示される17α,2
0−エポキシ−23,24−ジノルコラン酸のアシルア
ジドを、有機溶媒含有の水中で40℃を超える温度にて
無機または有機の酸と反応させることによって、17α
−ヒドロキシ−20−オキソプレグナン誘導体を得る。 【効果】 一般式(II)で示される新規製造中間体を
用いる方法によって、製薬上有用なステロイドを経済的
かつ容易に得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、23,24-ジノル-17(20)-
デヒドロコラン-22-酸構造を有するステロイドから一般
式(I)
【化5】 [式中、R1はヒドロキシル基またはオキソ基を表し、点
線は、1ないしそれ以上の追加的価数の結合を選択的に
意味する]で示される17α-ヒドロキシ-20-オキソプレグ
ナン誘導体を製造する方法に関する。本発明は、上記一
般式(I)の化合物の合成に用いられる新規中間体にも関
する。
【0002】
【従来の技術】ステロイド化合物に関わる業界において
は、ゲスターゲン作用を有する17α-ヒドロキシプロゲ
ステロン-17-エステル誘導体(17α-ヒドロキシプロゲス
テロン=ヘキサノアート、クロルマジノンアセテート、
その他)や、抗アンドロゲン作用薬であるシプロテロン
アセテートはもとより、グルココルチコイドホルモンの
一種であるヒドロコルチゾン(コルチゾール)、および、
それらから開発された抗炎症性コルチコステロイド系薬
剤(プレドニソロン、トリアムシノロン、デキサメタゾ
ン、ベタメタゾン、その他)の合成の際の中間体とし
て、17α-ヒドロキシ-20-オキソプレグナン誘導体が用
いられている。
【0003】製薬業界で中間体に用いられる17α-ヒド
ロキシ-20-オキソプレグナン誘導体は、一方では、ジオ
スゲニン、あるいはその構造的に関連するステロイドア
ルカロイドであるソラソジンの化学的分解から得られる
3β-アセトキシ-5,16-プレグナジエン-20-オンの転換に
より[アップルツワイグ(N. Applezweig):ステロイド薬
(Steroid Drugs)、第1巻、56ページ、米国ニューヨー
ク所在、マグロウヒル・コーポレーション(McGraw Hill
Corp.)1962年発行]、他方では、アンドロスタン骨格を
有する17-オキソステロイドからの、プレグナン側鎖の
合成による形成によって[フリード(J. Fried)およびエ
ドワーズ(J.A. Edwards):ステロイド化学における有機
化学反応(Organic Reactions in Steroid Chemistry)、
第2巻、127ページ、米国ニューヨーク所在、バン・ノ
ストランド・ラインホールド・カンパニー)社1972年発
行]、製造される。
【0004】微生物を用いた天然ステロールの側鎖の部
分的分解によって、17(20)-デヒドロ-23,24-ジノルコラ
ン酸[米国特許第4,132,408号明細書]を、9α-ヒドロキ
シ-3-オキソ-23,24-ジノル-4,17(20)-コラジエン-22-酸
[ウォブチャ(M.G. Wovcha)ら:ビオヒミカ・ビオフィジ
カ・アクタ(Biochim. Biophys. Acta)、第531巻(1978
年)308ページ;ヨーロッパ特許公開公報第0,011,235号
明細書;ジェッケル(A. Jekkel)ら:ジャーナル・オブ
・ジェネラル・マイクロバイオロジー(J. Gen. Microbi
ol.)、第135巻(1989年)1,727ページ]を、あるいは3β-
ヒドロキシ-23,24-ジノル-5,17(20)-コラジエン-22-酸
[ハンガリー国特許第190,665号明細書(1980年)]を製造
できることが公知である。
【0005】天然ステロール、なかんづく植物由来のそ
れは、例えばβ-シトステロールとカンペステリンとの
混合物は大豆から、ステロール混合物は木材加工の副産
物として、それぞれ大量に得られる。したがって、上記
ステロール混合物の微生物学的分解によって経済的に得
られる17(20)-デヒドロ-23,24-ジノルコラン酸誘導体を
用いて、薬剤の合成に有用なプレグナン骨格を含有する
中間体を得ようとの試みがなされている。
【0006】9α-ヒドロキシ-3-オキソ-23,24-ジノル-
4,17(20)-コラジエン-22-酸は、クロロ硫酸を用いたそ
の9α-ヒドロキシル基の開裂によって、3-オキソ-23,24
-ジノル-4,9(11),17(20)-コラトリエン-22-酸へと転換
できることから[英国特許第2,199,325号明細書]、特に
ヒドロコルチゾンや抗炎症性コルチコステロイド系薬剤
の合成の際の開始物質として有用である。その上、3-オ
キソ-23,24-ジノル-4,9(11),17(20)-コラトリエン-22-
酸なる誘導体の9(11)-位に二重結合が存在することか
ら、コルチコステロイドに特徴的な11β-ヒドロキシル
基を好都合に構成するとともに、ステラン骨格の9α-位
にフッ素または塩素を置換基として導入して、抗炎症性
薬効を高めることが可能となる[バンレーネン(V. vanRh
eenen)およびシェパード(K.P. Shephard):ジャーナル
・オブ・オーガニック・ケミストリー(J. Org. Che
m.)、第44巻(1979年)1,582ページ;アレン(G.R. Allen)
およびワイス(M.J. Weiss):ジャーナル・オブ・ザ・ア
メリカン・ケミカル・ソサエティー(J. Am. Chem. So
c.)、第81巻(1959年)4,968ページ]。
【0007】抗炎症性コルチコステロイドおよびゲスタ
ーゲン作用薬の両者に存在する1,2-位の二重結合も、こ
れを17(20)-デヒドロ-23,24-ジノルコラン酸に導入する
ことが可能であって、例えば、アルスロバクター・シン
プレックス(Arthrobacter simplex)を用いることによっ
て、3-オキソ-23,24-ジノル-4,9(11),17(20)-コラトリ
エン-22-酸を微生物学的方法で脱水素して、3-オキソ-2
3,24-ジノル-1,4,9(11),17(20)-コラテトラエン-22-酸
を形成することができる。
【0008】ところが驚くべきことに、遷移金属のオキ
ソ酸塩、例えばパラモリブデン酸アンモニウム、あるい
はタングステン酸ナトリウムの存在下で、17(20)-デヒ
ドロ-23,24-ジノルコラン酸をピリジンを媒体として過
酸化水素と反応させたところ、文献中にも未知の17α,2
0-エポキシ誘導体が選択的に形成されることが、本発明
者らの研究で判明した。更に、上記で得られた新規17
α,20-エポキシ-23,24-ジノルコラン酸から調製したア
シルアジドが、熱の影響下で転位して、水に溶けた酸の
作用によって17α-ヒドロキシ-20-オキソプレグナン誘
導体へと分解されるのが認められたのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記から、本発明の目
的は、17α-ヒドロキシ-20-オキソプレグナンを製造す
るための新規な製造方法を提供することにある。前記製
造方法に用いられる新規中間体の提供も本発明の目的に
含まれる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(a)
一般式(II)
【化6】 [式中、R1はヒドロキシル基またはオキソ基を、R2は-
NCOで示される基をそれぞれ表し、点線は、1ないしそ
れ以上の追加的価数の結合を選択的に意味する]で示さ
れる17α,20-エポキシプレグナニル-20-イソシアナート
を調製し、これを単離することなく有機溶媒含有の水中
で、無機または有機の酸と反応させる段階、あるいは、
(b) 一般式(II)においてR1および点線は上記と同じ
でR2が-CON3を意味する場合の、17α,20-エポキシ-23,
24-ジノルコラノイルアジドを、有機溶媒含有の水中で4
0℃を超える温度にて、無機または有機の酸と反応させ
る段階、あるいは、(c) 一般式(II)においてR1およ
び点線は上記と同じでR2がカルボキシル基を意味する
場合の、17α,20-エポキシ-23,24-ジノルコラン酸を活
性誘導体に転換させる段階と、含塩アジ化物イオンを用
いて、前記活性誘導体を、一般式(II)においてR1およ
び点線は上記と同じでR2が-CON3を意味する場合の、17
α,20-エポキシ-23,24-ジノルコラノイルアジドに転化
する段階と、得られた生成物を、有機溶媒含有の水中で
40℃を超える温度にて、無機または有機の酸と反応させ
る段階と、あるいは、(d) 一般式(III)
【化7】 [式中、R1および点線は上記と同じとする]で示され
る、23,24-ジノル-17(20)-デヒドロコラン酸構造を有す
る公知のステロイドを、触媒としての、遷移金属のオキ
ソ酸塩またはその過酸化物誘導体、あるいは、三級アミ
ンまたはアシルアミドとの前記過酸化物の錯体の存在下
で、有機溶媒含有の水中で過酸化水素と反応させる段階
と、次いで、上記で得られた、R1および点線は上記と
同じでR2がカルボキシル基を意味する場合の、17α,20
-エポキシ-23,24-ジノルコラン酸を活性誘導体に転換さ
せる段階と、含塩アジ化物イオンを用いて、前記活性誘
導体を、一般式(II)においてR1および点線は上記と同
じでR2が-CON3を意味する場合の、17α,20-エポキシ-2
3,24-ジノルコラノイルアジドに転化する段階と、得ら
れた生成物を、有機溶媒含有の水中で40℃を超える温度
にて無機または有機の酸と反応させる段階とからなる17
α-ヒドロキシ-20-オキソプレグナンの側鎖を有するス
テロイドの製造方法が提供される。
【0011】本発明の方法の好適実施例によれば、合成
の開始物質に用いられる17(20)-デヒドロ-23,24-ジノル
コラン酸のカルボキシル基と共役な、17(20)-位の二重
結合は、触媒としての、遷移金属のオキソ酸塩またはそ
の過酸化物誘導体の存在下で、20〜100℃の温度で、好
ましくは過酸化水素の30%水溶液を用いることによっ
て、α-エポキシドに転換される。例えばタングステン
酸ナトリウム、あるいはパラモリブデン酸アンモニウム
が好適な触媒である。窒素含有の有機溶媒、好ましくは
ピリジン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルア
セトアミド、あるいはヘキサメチルリン酸トリアミド中
でこの転換を実行するのが好適である。ピリジンを媒体
として、タングステン酸ナトリウムを触媒に用いる場合
は40〜80℃の温度で、あるいは、パラモリブデン酸アン
モニウムを触媒とする場合は20〜50℃の温度で、このエ
ポキシドを形成するのが好都合である。
【0012】反応に用いる遷移金属オキソ酸塩の過酸化
物誘導体、例えば過タングステン酸アニオンまたは過モ
リブデン酸アニオン含有の塩は、反応の実行前でも、あ
るいは反応混液そのものの中でもこれを調製することが
できる。過タングステン酸ナトリウムの調製には、例え
ばルネノーク-ブルマキーナ(V.A. Lunenok-Burmakina)
らの方法[ジュルナル・オ・フィジチェスコイ・ヒミイ
(Zh. Fiz. Khim.)、第43巻(1969年)2,723ページ]を用い
ることができる。各種の窒素含有化合物、例えば8-ヒド
ロキシキノリン、α,α'-ビピリジル、またはヘキサメ
チルリン酸トリアミドとの過タングステン酸塩または過
モリブデン酸塩の錯体も、エポキシド形成の活性作用剤
として用いることができる。この種の錯体としては、例
えばH2MoO6・OP(NMe2)3[ドイツ国特許公開公報第1,815,9
98号明細書]、およびH2WO6xα,α'-ビピリジル[バイレ
ス(R.G. Beiles)およびバイレス(E.M. Beiles):ジュル
ナル・オ・ニェオルガニチェスコイ・ヒミイ(Zh. Neor
g. Khim.)、第12巻(1967年)1,399ページ]がある。この場
合は、水と混和可能な有機溶媒、例えばt-ブタノールを
混和させた水中でエポキシド形成反応を行わせる。
【0013】この反応で生成される17α,20-エポキシ-2
3,24-ジノルコラン酸誘導体を反応混液から分離するに
は、それ自体公知の方法を用いることが可能である。
【0014】本発明の方法の中間体として得られる新規
17α,20-エポキシ-23,24-ジノルコラン酸を、反応性に
富む酸の誘導体、好ましくは無水物の混合物へと転換す
るにも、公知の方法を用いることができる。すなわち、
-20〜+20℃の温度で、三級アミン塩基、好ましくはトリ
エチルアミンの存在下で、17α,20-エポキシ-23,24-ジ
ノルコラン酸を例えばクロロギ酸メチル、クロロギ酸エ
チル、またはクロロギ酸イソブチルと反応させて、酸無
水物の混合物を得ることができる。
【0015】本発明の方法においては、中間体である酸
無水物混合物を、45℃に達しない温度で、アジ化物アニ
オン含有の塩、好ましくはアルカリ金属アジ化物、適切
にはアジ化ナトリウムを用いることによって、単離する
ことなく、対応するアシルアジド誘導体へと直接転換す
ることができる。
【0016】本発明の方法によれば、中間体であるアシ
ルアジドを、17α,20-エポキシ-23,24-ジノルコラン酸
のアシルヒドラジド誘導体のニトロソ化によって、ある
いは17α,20-エポキシ-23,24-ジノルコラン酸塩化物を
アジ化ナトリウムと反応させることによって調製するこ
ともできる。
【0017】所望の場合、本発明の方法において中間体
として生成されるアシルアジドを反応混液から分離する
こともできるが、上記化合物を単離することなく反応さ
せる方が適切である。
【0018】熱の作用下では、すなわち40℃を超える温
度に加熱することによって、上記のアシルアジド中間体
を対応するイソシアナートへと転位させ、次いでこれ
を、有機または無機の酸、あるいはそれらの酸の働きを
する作用剤の作用により、好ましくは酢酸水溶液で処理
することによって、炭素原子数1〜5の脂肪族アルコー
ルまたはジメチルホルムアミド中で、17α-ヒドロキシ-
20-オキソプレグナンの側鎖を有するステロイド誘導体
へと分解するのである。
【0019】上記の転換の途上において、分光学的手段
を用いれば、中間体であるイソシアナートを反応混液中
に検出できるが、これを単離することは不可能である。
【0020】17α-ヒドロキシ-20-オキソプレグナンの
側鎖を有する合成生成物の構造、および単離された中間
体の構造の検証には、質量分光分析法はもとより、紫外
線または赤外線による分光分析法、1H-NMR、および13C-
NMRも用いられる。
【0021】
【実施例】以下、実施例を示して、本発明の方法を詳細
に説明するが、これによって本発明が限定されることは
ないものとする。
【0022】実施例1 3-オキソ-23,24-ジノル-4,17(20)-コラジエン-22-酸か
ら17α-ヒドロキシ-4-プレグネン-3,20-ジオンを調製す
る。 (a) 3-オキソ-17α,20-エポキシ-23,24-ジノル-4-コ
レン-22-酸 5mlのピリジンと0.4mlの0.5モルNa2WO4溶液とを含有す
る混合液に、60℃にて343mg(1ミリモル)の3-オキソ-2
3,24-ジノル-4,17(20)-コラジエン-22-酸を溶かし、こ
れに0.4mlの30%H2O2を加える。反応は約15分後に完了
する。冷却した反応混液を200mlの0.25%冷亜硫酸ナト
リウム溶液に注ぎ、次いで、6モルのHCl溶液を用いてp
Hを3に調整する。形成される沈澱を濾取し、水洗し、P
2O5にかざして乾燥させると、標記の化合物340mgが得ら
れる。(アセトンから再結晶させた後の)融点は190〜195
℃である 計算値:C22H30 0O4(分子量=358.48)として、C:73.7
1%、H:8.44% 実測値:C:73.50%、H:8.51% UV:λmax(エタノール)=241nm IR(KBr、cm-1):νoH 3,200(br)、νC=o 1,725、1,64
5、νC=C 1,6151 H-NMR(DMSO-d6、δ):5.65(d、J=1.7Hz、1 H-4)、
1.51(s、3 H-21)、1.15(s、3 H-19)、0.90(s、3 H-1
8)
【0023】(b) 3-オキソ-17α,20-エポキシ-23,24-
ジノル-4-コレン-22-オイルアジド 5mlのジクロロメタンと85μlのトリエチルアミンとの
混合液に、−20℃にて195mg(0.54ミリモル)の3-オキソ-
17α,20-エポキシ-23,24-ジノル-4-コレン-22-酸を溶か
し、これに77μl(0.6ミリモル)のクロロギ酸ブチルを加
える。この溶液を1時間攪拌し、この間に15℃まで徐々
に加温する。次いで、60mgのアジ化ナトリウムと5mgの
臭化テトラブチルアンモニウムとを1mlの水に溶かした
溶液を加える。20℃にて更に30分経過後、ジクロロメタ
ンおよび水を用いて反応混液を希釈する。有機相を水、
希酢酸、および再度水で洗浄し、次いで、無水硫酸ナト
リウムにかざして乾燥させ、真空中で濃縮する。溶媒を
メタノールに変えると、標記化合物が結晶する。融点は
68〜70℃である。 計算値:C22H29N3O3(分子量=383.50)として、C:68.9
0%、H:7.62%、N:10.96% 実測値:C:68.32%、H:7.62%、N:10.38% UV:λmax(エタノール)=239nm IR(KBr、cm-1):νアジド 2,150、νC=o 1,715、1,67
0、νC=C 1,6101 H-NMR(CDCl3、δ):5.73(d、J=1.7Hz、1 H-4)、1.6
3(s、3 H-21)、1.18(s、3 H-19)、0.96(s、3 H-18)
【0024】(c) 17α-ヒドロキシ-4-プレグネン-3,2
0-ジオン 200μlのクロロホルムに153mg(0.4ミリモル)の3-オキソ
-17α,20-エポキシ-23,24-ジノル-4-コレン-22-オイル
アジドを溶かし、これに3mlのジメチルホルムアミドと
3mlの20%酢酸との沸騰混合液を加える。反応混液を3
時間還流し、真空中で濃縮する。得られた粗製生成物を
シリカゲルのカラムクロマトグラフィーを用いて精製す
る。トルエン-アセトン(92:8)を用いて溶出させると、
標記化合物が得られる。融点は218〜221℃である[リン
ゴールド(H.J. Ringold)ら:ジャーナル・オブ・ザ・ア
メリカン・ケミカル・ソサエティー、第78巻(1956年)81
6ページによれば220〜221℃]。 計算値:C21H30O3(分子量=330.47)として、C:76.32
%、H:9.15% 実測値:C:76.18%、H:9.28% [α]D:+94°(c=1、クロロホルム)[上記引用文献に
よれば+95°] UV:λmax(エタノール)=240nm IR(KBr、cm-1):νoH 3,310 (br)、νC=o 1,705、1,66
0、νC=C 1,6101 H-NMR(CDCl3、δ):5.74(d、J=1.7Hz、1 H-4)、2.2
8(s、3 H-21)、1.19(s、3 H-19)、0.76(s、3 H-18)
【0025】実施例2 3-オキソ-23,24-ジノル-4,9(11),17(20)-コラトリエン-
22-酸から17α-ヒドロキシ-4,9(11)-プレグナジエン-3,
20-ジオンを調製する。 (a) 3-オキソ-17α,20-エポキシ-23,24-ジノル-4,9(1
1)-コラジエン-22-酸 150mlのピリジンと10mlの0.5モルNa2WO4溶液との混合液
に、60℃にて10.22g(30ミリモル)の3-オキソ-23,24-ジ
ノル-4,9(11),17(20)-コラトリエン-22-酸を溶かし、こ
れに10mlの30%H2O2を加える。反応は約15分後に完了す
る。冷却した反応混液を2lの0.25%冷亜硫酸ナトリウ
ム溶液に注ぎ、次いで、6モルのHCl溶液を用いてpHを
3に調整する。2時間静置後、形成された沈澱を濾取
し、水洗し、P2O5にかざして乾燥させると、標記化合物
10.39gが得られる。(アセトンから再結晶させた後の)
融点は202〜205℃である 計算値:C22H28O4(分子量=356.47)として、C:74.13
%、H:7.92% 実測値:C:74.17%、H:7.98% UV:λmax(エタノール)=240nm IR(KBr、cm-1):νoH 3,320(br)、νC=o 1,750、1,66
5、νC=C 1,6151 H-NMR(DMSO-d6、δ):5.68(d、J=1.7Hz、1 H-4)、
5.46(dd、J=5.8および1.8Hz、1 H-11)、1.51(s、3 H
-21)、1.32(s、3 H-19)、0.85(s、3 H-18)
【0026】(b) 3-オキソ-17α,20-エポキシ-23,24-
ジノル-4,9(11)-コラジエン-22-オイルアジド 100mlのジクロロメタンと2.1mlのトリエチルアミンとの
混合液に、−20℃にて5.35g(15ミリモル)の3-オキソ-1
7α,20-エポキシ-23,24-ジノル-4,9(11)-コラジエン-22
-酸を溶かし、これに1.55ml(16ミリモル)のクロロギ酸
エチルを加える。この溶液を1時間攪拌し、この間に15
℃まで徐々に加温する。次いで、1.46g(22.5ミリモル)
のアジ化ナトリウムと50mgの臭化テトラブチルアンモニ
ウムとを15mlの水に溶かした溶液を加える。20℃にて更
に30分経過後、水およびジクロロメタンを用いて反応混
液を希釈する。有機相を水、5%炭酸水素ナトリウム溶
液、および水で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムに
かざして乾燥させ、真空中で注意深く濃縮する。溶媒を
アセトンに変えると、標記化合物が4.70g(82%)の収率
で結晶として得られる。この結晶は68〜69℃で窒素を放
出し、次いで、165〜170℃で融解する。 計算値:C22H27N3O3(分子量=381.48)として、C:69.2
7%、H:7.13%、N:11.02% 実測値:C:69.52%、H:7.41%、N:10.90% UV:λmax(エタノール)=238nm IR(KBr、cm-1):νアジド 2,140、νC=o 1,705、1,67
0、νC=C 1,6151 H-NMR(CDCl3、δ):5.76(d、J=1.7Hz、1 H-4)、5.4
9(dd、J=5.8および1.8Hz、1 H-11)、1.63(s、3 H-2
1)、1.35(s、3 H-19)、0.93(s、3 H-18)
【0027】(c) 17α-ヒドロキシ-4,9(11)-プレグナ
ジエン-3,20-ジオン 0.5mlのクロロホルムに572mg(1.5ミリモル)の3-オキソ-
17α,20-エポキシ-23,24-ジノル-4,9(11)-コラジエン-2
2-オイルアジドを溶かし、これに30mlの水、6mlの酢
酸、15mlの2-メチル-2-ブタノール、および10mlのt-ブ
チルアルコールの沸騰混合液を加える。反応混液を4時
間還流し、真空中で濃縮すると、粗製の標記化合物444m
gが得られる。得られた粗製生成物をシリカゲルのカラ
ムクロマトグラフィーを用いて精製する。トルエン-ア
セトン(92:8)を用いて溶出させると、精製された標記
化合物が得られる。融点は211〜215℃である[ライマン
(H.Reimann)ら:ジャーナル・オブ・オーガニック・ケ
ミストリー(J. Org. Chem.)、第26巻(1961年)866ページ
によれば212〜217℃]。 計算値:C21H28O3(分子量=328.45)として、C:76.79
%、H:8.59% 実測値:C:76.79%、H:8.80% [α]D:+69.6°(c=0.8、クロロホルム)[上記引用文
献によれば+69°] UV:λmax(エタノール)=240nm IR(KBr、cm-1):νoH 3,355(br)、νC=o 1,705、1,66
0、νC=C 1,6101 H-NMR(CDCl3、δ):5.77(d、J=1.7Hz、1 H-4)、5.5
6(dd、J=5.8および1.8Hz、1 H-11)、2.30(s、3 H-2
1)、1.34(s、3 H-19)、0.72(s、3 H-18)
【0028】実施例3 3-オキソ-23,24-ジノル-4,9(11),17(20)-コラトリエン-
22-酸から17α-ヒドロキシ-4,9(11)-プレグナジエン-3,
20-ジオンを調製する。 (a) 3-オキソ-17α,20-エポキシ-23,24-ジノル-4,9(1
1)-コラジエン-22-酸 5mlのピリジンと17.3mgの(NH4)6Mo7O24・4H2Oの0.5ml水
溶液との混合液に、30℃にて341mg(1ミリモル)の3-オ
キソ-23,24-ジノル-4,9(11),17(20)-コラトリエン-22-
酸を溶解させ、0.5mlの30%H2O2を加える。反応混液を3
0分間攪拌し、次いで、これを100mlの2%HCl溶液に注
ぐ。固形物を濾取し、希塩酸および水で洗浄し、次いで
P2O5にかざして乾燥させると、標記の化合物340mgが得
られる。分光分析およびクロマトグラフィーによれば、
この生成物は実施例2の(a)の生成物と同一である。
【0029】(b) 3-オキソ-17α,20-エポキシ-23,24-
ジノル-4,9(11)-コラジエン-22-酸 50mlのt-ブチルアルコールに、30℃にて1,022mg(3ミリ
モル)の3-オキソ-23,24-ジノル-4,9,(11),17(20)-コラ
トリエン-22-酸を溶かし、これにドイツ国特許公開公報
第1,815,998号明細書に記載の方法を用いて調製した1,8
66mg(5ミリモル)のH2MoO6・OP(NMe2)3を少量ずつ加え
る。反応混液を45分間攪拌し、次いで500mlの冷水に注
ぐ。このスラリー状のもののpHを3に調整。固形物を濾
取し、水洗し、次いでP2O5にかざして乾燥させると、標
記の化合物985mgが得られる(収率92%)。分光分析およ
びクロマトグラフィーによれば、この生成物は実施例2
の(a)の生成物と同一である。
【0030】(c) 17α-ヒドロキシ-4,9(11)-プレグナ
ジエン-3,20-ジオン 70mlのジクロロメタンと1.4mlのトリエチルアミンとの
混合液に、−30℃にて3.57g(10ミリモル)の3-オキソ-1
7α,20-エポキシ-23,24-ジノル-4,9(11)-コラジエン-22
-酸を溶かし、これに1.3mlのクロロギ酸イソブチルを加
える。この溶液を30分間攪拌し、この間に5℃まで徐々
に加温する。1.0g(15.4ミリモル)のアジ化ナトリウム
と30mgの臭化テトラブチルアンモニウムとを10mlの水に
溶かした溶液を加える。20℃にて更に30分経過後、ジク
ロロメタンおよび水を用いて反応混液を希釈する。有機
相を水および希酢酸で洗浄し、次いで、アジ化物が析出
を開始するまで、真空中で注意深く濃縮する。この溶液
に100mlのエタノール、50mlのメタノール、および100ml
の10%酢酸の沸騰混合液を加える。得られた反応混液を
3時間還流し、次いで真空中で濃縮する。このスラリー
状のものをジクロロメタンで希釈し、水洗。硫酸ナトリ
ウムにかざして乾燥・脱水すると、3.1gの標記化合物
が得られるが、これは、分光分析およびクロマトグラフ
ィーによれば実施例2の(c)の生成物と同一である。
【0031】実施例4 イソブチロキシカルボニル=3-オキソ-17α,20-エポキシ
-23,24-ジノル-4,9(11)-コラジエン-22-オアートを調製
する。10mlのジクロロメタンと150μlのトリエチルアミ
ンとの混合液に、−20℃にて357mg(1ミリモル)の3-オ
キソ-17α,20-エポキシ-23,24-ジノル-4,9(11)-コラジ
エン-22-酸を溶かし、これに138μlのクロロギ酸イソブ
チルを加える。この溶液を1時間攪拌し、この間に20℃
まで徐々に加温する。ジクロロメタンおよび水を用いて
反応混液を希釈する。冷却した有機相を水、希炭酸水素
ナトリウム、および酢酸溶液、次いで再度水で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムにかざして乾燥させ、真空中で注意
深く脱水すると、標記の化合物421mgが無色油状の生成
物として得られる。 IR(KBr用いず、cm-1):νC=o 1,805、1,765、1,675、ν
C=C 1,6101 H-NMR(CDCl3、δ):5.75(d、J=1.7Hz、1 H-4)、5.4
8(dd、J=5.8および1.8Hz、1 H-11)、4.07(d、2 H,OC
H2)、1.71(s、3 H-21)、1.37(s、3 H-19)、1.00(d、
6 H,イソプロピル)、0.69(s、3 H-18)13 C-NMR:198.8(C-3)、123.7(C-4)、169.5(C-5)、36.5
(C-8)、144.1(C-9)、40.6(C-10)、117.7(C-11)、41.1(C
-13)、49.8(C-14)、24.2(C-15)、76.6(C-17)、13.8(C-1
8)、25.8(C-19)、61.8(C-20)、15.3(C-21)、166.0(C-2
2)、および6、更にCH2:34.9、33.9、33.4、32.4、31.
5、28.8、およびイソブチロキシカルボニル:148.6、7
5.6、27.3、18.4
【0032】実施例5 (a) 3-オキソ-17α,20-エポキシ-4,9(11)-プレグナジ
エニル-20-イソシアナート 76mg(0.2ミリモル)の3-オキソ-17α,20-エポキシ-23,24
-ジノル-4,9(11)-コラジエン-22-オイルアジドを500μl
のジジュウテリオテトラクロロエタンに溶かして100℃
に3分間加温し、次いで10℃に冷却する。この溶液の分
光分析データは下記のとおりである。 IR(KBr用いず、cm-1):νNCo 2,260、νC=o 1,665、ν
C=C 1,6101 H-NMR(δ):5.64(d、J=1.7Hz、1 H-4)、5.37(dd、
J=5.8および1.8Hz、1 H-11)、1.61(s、3 H-21)、1.2
5(s、3 H-19)、0.78(s、3 H-18)13 C-NMR:198.8(C-3)、123.7(C-4)、169.5(C-5)、36.6
(C-8)、144.2(C-9)、40.7(C-10)、117.7(C-11)、39.9(C
-13)、50.4(C-14)、23.9(C-15)、78.6(C-17)、14.4(C-1
8)、25.9(C-19)、70.8(C-20)、21.7(C-21)、124.2(イソ
シアナート)、および6、更にCH2:34.3、34.0、33.4、
32.5、31.6、30.4
【0033】(b) 17α-ヒドロキシ-4,9(11)-プレグナ
ジエン-3,20-ジオン 実施例5の(a)で調製した3-オキソ-17α,20-エポキシ-
4,9(11)-プレグナジエニル-20-イソシアナートの溶液
に、10mlの2-プロパノールと10mlの50%酢酸との沸騰混
合液を加える。この反応混液を3時間還流し、次いで真
空中で濃縮。更に実施例2の(c)に記載の方法を用いて
精製すると標記化合物が得られるが、これは、分光分析
およびクロマトグラフィーによれば実施例2の(c)の生
成物と同一である。
【0034】実施例6 3-オキソ-23,24-ジノル-1,4,9(11),17(20)-コラテトラ
エン-22-酸から17α-ヒドロキシ-1,4,9(11)-プレグナト
リエン-3,20-ジオンを調製する。 (a) 3-オキソ-17α,20-エポキシ-23,24-ジノル-1,4,9
(11)-コラトリエン-22-酸 50mlのピリジンと3mlの0.5
モルNa2WO4溶液との混合液に、60℃にて2.705g(8ミリ
モル)の3-オキソ-23,24-ジノル-1,4,9(11),17(20)-コラ
テトラエン-22-酸を溶かし、これに3mlの30%H2O2を加
える。反応は約15分後に完了する。冷却した反応混液を
500mlの0.25%冷亜硫酸ナトリウム溶液に注ぎ、次い
で、6モルのHCl溶液を用いてpHを3に調整する。形成
された沈澱を濾取し、水洗し、P2O5にかざして乾燥させ
ると、標記の化合物2.70gが得られる。(アセトンから
再結晶させた後の)融点は193〜195℃である 計算値:C22H26O4(分子量=354.45)として、C:74.55
%、H:7.39% 実測値:C:74.59%、H:7.38% UV:λmax(エタノール)=240nm IR(KBr、cm-1):νoH 3,325(br)、νC=o 1,750、1,66
5、νC=C 1,6201 H-NMR(DMSO-d6、δ):7.35(1 H-1)、6.05(1 H-2)、5.9
7(1 H-4)、(AMXm、J1,2=10、J2,4=2、J1,4≒0Hz)、
5.47(dd、J=5.8および1.8Hz、1 H-11)、1.49(s、3 H
-21)、1.34(s、3 H-19)、0.85(s、3 H-18)
【0035】(b) 3-オキソ-17α,20-エポキシ-23,24-
ジノル-1,4,9(11)-コラトリエン-22-オイルアジド 10mlのジクロロメタンと150μlのトリエチルアミンとの
混合液に、−20℃にて355mg(1ミリモル)の3-オキソ-17
α,20-エポキシ-23,24-ジノル-1,4,9(11)-コラトリエン
-22-酸を溶かし、これに145μl(1.1ミリモル)のクロロ
ギ酸イソブチルを加える。この溶液を1時間攪拌し、こ
の間に15℃まで徐々に加温する。次いで、250mgのアジ
化ナトリウムと15mgの臭化テトラブチルアンモニウムと
を1.5mlの水に溶かした溶液をこれに加える。20℃にて
更に30分経過後、ジクロロメタンおよび水を用いて反応
混液を希釈する。有機相を水、希酢酸、および水で洗浄
し、次いで、無水硫酸ナトリウムにかざして乾燥させ、
真空中で注意深く濃縮する。溶媒をアセトンに変える
と、標記化合物が281mg(74%)の収率で結晶として得ら
れる。この結晶は62〜65℃で窒素を放出し、次いで、15
4〜158℃で融解する。 計算値:C22H25N3O3(分子量=379.46)として、C:69.6
4%、H:6.64%、N:11.07% 実測値:C:69.84%、H:6.76%、N:11.09% UV:λmax(エタノール)=238nm IR(KBr、cm-1):νアジド 2,155、νC=o 1,715、1,66
0、νC=C 1,620、1,6051 H-NMR(CDCl3、δ):7.17(1 H-1)、6.28(1 H-2)、6.07
(1 H-4)、(AMXm、J1,2=10、J2,4=1.7、J1,4≒0Hz)、
5.49(dd、J=5.8および1.8Hz、1 H-11)、1.61(s、3 H
-21)、1.42(s、3 H-19)、0.93(s、3 H-18)
【0036】(c) 17α-ヒドロキシ-1,4,9(11)-プレグ
ナトリエン-3,20-ジオン 15mlのジクロロメタンと140μlのトリエチルアミンとの
混合液に、−15℃にて355mg(1ミリモル)の3-オキソ-17
α,20-エポキシ-23,24-ジノル-1,4,9(11)-コラトリエン
-22-酸を溶かし、これに145μl(1.1ミリモル)のクロロ
ギ酸イソブチルを加える。この溶液を1時間攪拌し、こ
の間に15℃まで徐々に加温する。次いで、150mgのアジ
化ナトリウムと15mgの臭化テトラブチルアンモニウムと
を1.5mlの水に溶かした溶液をこれに加える。20℃にて
更に30分経過後、ジクロロメタンおよび水を用いて反応
混液を希釈する。有機相を水、および希酢酸で洗浄し、
次いで、アジ化物が析出を開始するまで、これを乾燥さ
せることなく真空中で注意深く濃縮する。この溶液に10
mlのエタノール、5mlのメタノール、および10mlの50%
酢酸の沸騰混合液を加える。得られた反応混液を3時間
還流し、冷却。100mlのジクロロメタンを用いて希釈す
る。有機相を水洗し、無水硫酸ナトリウムにかざして乾
燥・脱水すると、323mgの粗製の標記化合物が得られる
ので、これをシリカゲルのカラムクロマトグラフィーを
用いて精製する。トルエン-アセトン(92:8)を用いて溶
出させると、標記化合物が得られる。融点は228〜231℃
である[前出ライマンら:ジャーナル・オブ・オーガニ
ック・ケミストリー、第26巻(1961年)866ページによれ
ば226〜230℃]。 計算値:C21H26O3(分子量=326.43)として、C:77.27
%、H:8.03% 実測値:C:77.46%、H:8.24% [α]D:−21°(c=1、クロロホルム) UV:λmax(エタノール)=240nm IR(KBr、cm-1):νoH 3,350(br)、νC=o 1,705、1,66
5、νC=C 1,6151 H-NMR(CDCl3、δ):7.18(1 H-1)、6.29(1 H-2)、6.09
(1 H-4)、(AMXm、J1,2=10、J2,4=1.8、J1,4≒0Hz)、
5.56(dd、J=5.8および1.8Hz、1 H-11)、2.30(s、3 H
-21)、1.42(s、3 H-19)、0.74(s、3 H-18)
【0037】実施例7 3β-ヒドロキシ-23,24-ジノル-5,17(20)-コラジエン-22
-酸から3β,17α-ジヒドロキシ-5-プレグネン-20-オン
を調製する。 (a) 3β-ヒドロキシ-17α,20-エポキシ-23,24-ジノル
-5-コレン-22-酸 7mlのピリジンと0.4mlの0.5モルNa2WO4溶液とを含有す
る混合液に、60℃にて518mg(1.5ミリモル)の3β-ヒドロ
キシ-23,24-ジノル-5,17(20)-コラジエン-22-酸を溶か
し、これに0.8mlの30%H2O2を加える。反応は約15分後
に完了する。冷却した反応混液を100mlの2%冷HCl溶液
に注ぐ。形成される沈澱を濾取し、水洗し、P2O5にかざ
して乾燥させると、標記化合物が得られる。(メタノー
ルから再結晶させた後の)融点は173〜175℃である 計算値:C22H32O4(分子量=360.50)として、C:73.30
%、H:8.95% 実測値:C:73.18%、H:9.01% IR(KBr、cm-1):νoH 3,440、2,620(br)、νC=o 1,7251 H-NMR(DMSO-d6、δ):5.26(d、J6,7=4.6Hz、1 H-
6)、3.38(m、1 H-3)、1.52(s、3 H-21)、0.94(s、3 H
-19)、0.88(s、3 H-18)
【0038】(b) 3β-ヒドロキシ-17α,20-エポキシ-
23,24-ジノル-5-コレン-22-オイルアジド 10mlのジクロロメタンと140μlのトリエチルアミンとの
混合液に、−20℃にて361mg(1ミリモル)の3β-ヒドロ
キシ-17α,20-エポキシ-23,24-ジノル-5-コレン-22-酸
を溶かし、これに135μl(1.4ミリモル)のクロロギ酸エ
チルを加える。この溶液を1時間攪拌し、この間に15℃
まで徐々に加温する。次いで、200mgのアジ化ナトリウ
ムと15mgの臭化テトラブチルアンモニウムとを1.5mlの
水に溶かした溶液を加える。20℃にて更に30分経過後、
ジクロロメタンおよび水を用いて反応混液を希釈する。
有機相を水、希酢酸、および再度水で洗浄し、次いで、
無水硫酸ナトリウムにかざして乾燥させ、真空中で濃縮
する。溶媒をメタノールに変えると、標記化合物が結晶
する。融点は87〜88℃である。 計算値:C22H31N3O3(分子量=385.51)として、C:68.5
4%、H:8.11%、N:10.90% 実測値:C:68.24%、H:8.16%、N:10.66% IR(KBr、cm-1):νoH 3,360(br)、νアジド 2,140、ν
C=o 1,7051 H-NMR(CDCl3、δ):5.32(d、J6,7=4.6Hz、1 H-6)、
3.51(m、1 H-3)、1.62(s、3 H-21)、0.99(s、3 H-1
9)、0.91(s、3 H-18)
【0039】(c) 3β,17α-ジヒドロキシ-5-プレグネ
ン-20-オン 200μlのクロロホルムに、77mg(0.2ミリモル)の3β-ヒ
ドロキシ-17α,20-エポキシ-23,24-ジノル-5-コレン-22
-オイルアジドを溶かし、これに3mlの2-プロパノール
と3mlの25%酢酸との沸騰混合液を加える。反応混液を
7時間還流し、真空中で濃縮する。得られた粗製生成物
をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーを用いて精製
する。トルエン-アセトン(9:1)を用いて溶出させる
と、標記化合物が得られる。融点は267〜271℃である
[ヘグナー(P. Hegner)ら:ヘルベティカ・キミカ・アク
タ(Helv. Chim. Acta)、第24巻(1941年)828ページによ
れば271〜273℃]。 計算値:C21H32 O3(分子量=332.48)として、C:75.86%、H:9.70% 実測値:C:75.78%、H:9.75% IR(KBr、cm-1):νoH 3,340(br)、νC=o 1,7101 H-NMR(DMSO-d6、δ):5.27(d、J6,7=4.6Hz、1 H-
6)、3.27(m、1 H-3)、2.09(s、3 H-21)、0.94(s、3 H
-19)、0.50(s、3 H-18)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年7月25日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】 反応に用いる遷移金属オキソ酸塩の過酸
化物誘導体、例えば過タングステン酸アニオンまたは過
モリブデン酸アニオン含有の塩は、反応の実行前でも、
あるいは反応混液そのものの中でもこれを調製すること
ができる。過タングステン酸ナトリウムの調製には、例
えばルネノーク−ブルマキーナ(V.A.Luneno
k−Burmakina)らの方法[ジュルナル・オ・
フィジチェスコイ・ヒミイ(Zh.Fiz.Khi
m.)、第43巻(1969年)2,723ページ]を
用いることができる。各種の窒素含有化合物、例えば8
−ヒドロキシキノリン、α,α’−ビピリジル、または
ヘキサメチルリン酸トリアミドとの過タングステン酸塩
または過モリブデン酸塩の錯体も、エポキシド形成の活
性作用剤として用いることができる。この種の錯体とし
ては、例えばMoO・OP(NMe [ドイ
ツ国特許公開公報第1,815,998号明細書]、お
よびHWOxα,α’−ビピリジル[バイレス
(R.G.Beiles)およびバイレス(E.M.B
eiles):ジュルナル・オ・ニェオルガニチェスコ
イ・ヒミイ(Zh.Neorg.Khim.)、第12
巻(1967年)1,399ページ]がある。この場合
は、水と混和可能な有機溶媒、例えばt−ブタノールを
混和させた水中でエポキシド形成反応を行わせる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ガーボル アムブルシュ ハンガリー国 1025 ブダペスト チャラ ーン ウッツァ 45/ベー (72)発明者 イシュトゥヴァーン パルラギ ハンガリー国 1157 ブダペスト ヘヴェ シィ ヂィ ウッツァ 59 (72)発明者 ナーンドル マック ハンガリー国 2623 キシュマロシュ ヘ ヂャルヤ ウッツァ 1/2 (72)発明者 ヂュラ ホルヴァート ハンガリー国 1052 ブダペスト キヂョ ー ウッツァ 4−6 (72)発明者 フェレンツ セデルケーニュイ ハンガリー国 1133 ブダペスト ヴェー ショェー ウッツァ 4/ベー (72)発明者 エーヴァ イルコェーイ ハンガリー国 1045 ブダペスト ムンカ ーチュイ エム ウッツァ 37 (72)発明者 アントーニア イェッケル ネー ボカー ニュ ハンガリー国 1071 ブダペスト ダムイ ャニッヒ ウッツァ 38 (72)発明者 イムレ モラヴチュイク ハンガリー国 1095 ブダペスト メシュ テル ウッツァ 38 (72)発明者 カールマーン コェンツェル ハンガリー国 1184 ブダペスト ドゥニ ョブ イ ウッツァ 16

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 (a) 一般式(II) 【化1】 [式中、R1はヒドロキシル基またはオキソ基を、R2は-
    NCOで示される基をそれぞれ表し、点線は、1ないしそ
    れ以上の追加的価数の結合を選択的に意味する]で示さ
    れる17α,20-エポキシプレグナニル-20-イソシアナート
    を調製し、これを単離することなく有機溶媒含有の水中
    で、無機または有機の酸と反応させる段階、あるいは、
    (b) 一般式(II)においてR1および点線は上記と同じ
    でR2が-CON3を意味する場合の、17α,20-エポキシ-23,
    24-ジノルコラノイルアジドを、有機溶媒含有の水中で4
    0℃を超える温度にて、無機または有機の酸と反応させ
    る段階、あるいは、(c) 一般式(II)においてR1およ
    び点線は上記と同じでR2がカルボキシル基を意味する
    場合の、17α,20-エポキシ-23,24-ジノルコラン酸を活
    性誘導体に転換させる段階と、含塩アジ化物イオンを用
    いて、前記活性誘導体を、一般式(II)においてR1およ
    び点線は上記と同じでR2が-CON3を意味する場合の、17
    α,20-エポキシ-23,24-ジノルコラノイルアジドに転化
    する段階と、得られた生成物を、有機溶媒含有の水中で
    40℃を超える温度にて、無機または有機の酸と反応させ
    る段階と、あるいは、(d) 一般式(III) 【化2】 [式中、R1および点線は上記と同じとする]で示され
    る、23,24-ジノル-17(20)-デヒドロコラン酸構造を有す
    る公知のステロイドを、触媒としての、遷移金属のオキ
    ソ酸塩またはその過酸化物誘導体、あるいは、三級アミ
    ンまたはアシルアミドとの前記過酸化物の錯体の存在下
    で、有機溶媒含有の水中で過酸化水素と反応させる段階
    と、次いで、上記で得られた、R1および点線は上記と
    同じでR2がカルボキシル基を意味する場合の、17α,20
    -エポキシ-23,24-ジノルコラン酸を活性誘導体に転換さ
    せる段階と、含塩アジ化物イオンを用いて、前記活性誘
    導体を、一般式(II)においてR1および点線は上記と同
    じでR2が-CON3を意味する場合の、17α,20-エポキシ-2
    3,24-ジノルコラノイルアジドに転化する段階と、得ら
    れた生成物を、有機溶媒含有の水中で40℃を超える温度
    にて無機または有機の酸と反応させる段階とからなるこ
    とを特徴とする一般式(I) 【化3】 [式中、R1および点線は上記と同じとする]で示される1
    7α-ヒドロキシ-20-オキソプレグナンの製造方法。 【請求項2】 17α,20-エポキシプレグナニル-20-イソ
    シアナート誘導体を反応させる段階が、炭素原子数1〜
    5の脂肪族アルコールまたはジメチルホルムアミド中で
    酢酸水溶液を用いて実行される請求項1の(a)記載の17
    α-ヒドロキシ-20-オキソプレグナンの製造方法。 【請求項3】 17α,20-エポキシ-23,24-ジノルコラン
    酸のアシルアジドを反応させる段階が、炭素原子数1〜
    5の脂肪族アルコールまたはジメチルホルムアミド中で
    酢酸水溶液を用いて、40℃ないし用いた溶媒混液の沸点
    の温度で実行される請求項1の(b)記載の17α-ヒドロ
    キシ-20-オキソプレグナンの製造方法。 【請求項4】 一般式(II)においてR1、R2、および点
    線が請求項1の(c)におけると同じ場合の、17α,20-エ
    ポキシ-23,24-ジノルコラン酸を無水物の混合物に転換
    させる段階と、次いで、選択的には単離することなく、
    アルカリ金属アジ化物を用いて前記無水物の混合物と反
    応させる段階と、得られた一般式(II)の17α,20-エポキ
    シ-23,24-ジノルコラン酸のアシルアジドを、対応する
    一般式(I)の化合物に転換させる段階とからなる請求項
    1の(c)記載の17α-ヒドロキシ-20-オキソプレグナン
    の製造方法。 【請求項5】 無水物混合物の形成に際して、炭素原子
    数1〜4のクロロギ酸アルキルが反応剤として用いられ
    る請求項4記載の17α-ヒドロキシ-20-オキソプレグナ
    ンの製造方法。 【請求項6】 17α,20-エポキシ-23,24-ジノルコラン
    酸構造を有する製造中間体を製造する際に、窒素含有の
    有機溶媒、好ましくはピリジン、ジメチルホルムアミ
    ド、あるいはヘキサメチルリン酸トリアミドを用い、か
    つ温度を0〜100℃として反応を行わせる請求項1の
    (d)記載の17α-ヒドロキシ-20-オキソプレグナンの製
    造方法。 【請求項7】 MoO4 2-イオンまたはWO4 2-イオン、ある
    いは、過酸化水素を用いて酸化されたその誘導体を含有
    する塩、好ましくはパラモリブデン酸アンモニウムまた
    はタングステン酸ナトリウムを触媒として用いる請求項
    1の(d)または6記載の17α-ヒドロキシ-20-オキソプ
    レグナンの製造方法。 【請求項8】 一般式(II) 【化4】 [式中、R1はヒドロキシル基またはオキソ基を、R2は-
    COOH、COOCOO(炭素原子数1〜4のアルキル)-、-CON3
    あるいは-NCOで示される基をそれぞれ表し、点線は、1
    ないしそれ以上の追加的価数の結合を選択的に意味す
    る]で示される17α-ヒドロキシ-20-オキソプレグナンの
    製造中間体。 【請求項9】 3-オキソ-17α,20-エポキシ-23,24-ジノ
    ル-4-コレン-22-酸 【請求項10】 3-オキソ-17α,20-エポキシ-23,24-ジノ
    ル-4,9(11)-コラジエン-22-酸 【請求項11】 3-オキソ-17α,20-エポキシ-23,24-ジノ
    ル-1,4,9(11)-コラトリエン-22-酸 【請求項12】 3β-ヒドロキシ-17α,20-エポキシ-23,2
    4-ジノル-5-コレン-22-酸 【請求項13】 3-オキソ-17α,20-エポキシ-23,24-ジノ
    ル-4-コレン-22-オイルアジド 【請求項14】 3-オキソ-17α,20-エポキシ-23,24-ジノ
    ル-4,9(11)-コラジエン-22-オイルアジド 【請求15項】 3-オキソ-17α,20-エポキシ-23,24-ジノ
    ル-1,4,9(11)-コラトリエン-22-オイルアジド 【請求項16】 3β-ヒドロキシ-17α,20-エポキシ-23,2
    4-ジノル-5-コレン-22-オイルアジド
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8017793B2 (en) 2004-05-14 2011-09-13 Shionogi & Co., Ltd. Oxidation of alcohol with use of hydrogen peroxide and tungsten catalyst

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