JPH09118590A - 分子線エピタキシャル成長方法及びその装置 - Google Patents

分子線エピタキシャル成長方法及びその装置

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JPH09118590A
JPH09118590A JP27777195A JP27777195A JPH09118590A JP H09118590 A JPH09118590 A JP H09118590A JP 27777195 A JP27777195 A JP 27777195A JP 27777195 A JP27777195 A JP 27777195A JP H09118590 A JPH09118590 A JP H09118590A
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molecular beam
shutter
opening
doors
substrate
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JP27777195A
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Mineo Wajima
峰生 和島
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分子線源の温度を変えずに、分子線強度を迅速
に変化させることで、成長を中断することなく、組成の
異なるエピタキシャル成長層を連続形成する。 【解決手段】分子線シャッタ16を上下方向に回動する
少なくとも2枚の扉17で構成し、扉17を分子線照射
方向24に開いていくことでシャッタ開度を変え、これ
により分子線強度が変えられるようにする。基板上のA
lGaAsのエピタキシャル層組成を制御する場合、こ
の上下回動タイプの分子線シャッタ16をGa分子線源
5の分子線シャッタに使用する。分子線シャッタ16の
開度を制御してGa分子線源5の開口部21の面積を1
/3にしてGa分子線の強度を弱め、Al0.65Ga0.35
Asを成長する。続けて分子線シャッタ16の開度を瞬
時に全開してGa分子線の強度を強め、組成比の異なる
Al0.38Ga0.62As層を連続して成長する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は分子線エピタキシャ
ル成長方法及びその装置に係り、特に分子線の強度を変
化させる分子線シャッタ技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】III −V族化合物半導体のエピタキシャ
ル成長法の一つである分子線エピタキシャル(MBE)
法は、III 族元素分子線源、V族元素分子線源、及び基
板の温度を個々に制御して結晶成長を行うため、三温度
法とも呼ばれる。この成長法では、基板表面に付着した
V族元素の上に更にV族元素が付着することはなく、基
板表面にIII 族元素が存在していることがV族元素付着
の条件となる。そこで、III 族元素分子線及びV族元素
分子線を照射するときに、基板温度をIII 族元素の蒸気
圧が十分に低くなる温度に設定して基板表面をIII 族元
素が付着しやすい状態にしておくことにより、III 族元
素の付着とV族元素の付着が交互に繰り返されて結晶成
長が進行する。このときの結晶成長速度は、III 族元素
の分子線源の温度により決定され、分子線源の前方に設
けられた分子線シャッタを開閉することにより、エピタ
キシャル成長層の膜厚がコントロールされる。
【0003】MBE装置の具体的構成を図4に示す。成
長室2にイオンポンプ1が接続され、イオンポンプ1を
主排気に用いて成長室2を超高真空に排気する。成長室
2内は液体窒素シュラウド3、4で内面全体がおおわ
れ、成長室2内の圧力上昇が抑制されるとともに壁面が
冷却される。成長室2の中に基板7と基板加熱ヒータ8
とが配置される。この基板7表面の向かい側に分子線シ
ャッタ6、分子線源5が複数個配置される。成長室2に
は、表面状態のモニタ用にRHEED用電子銃9とRH
EEDスクリーン10とが装備される。さらに図示され
ていないが、基板7を大気側より導入するためのロード
ロック機構による搬入室が設けられる。
【0004】図5は分子線源5と基板7との位置関係を
示す拡大図である。分子線源5は、固体元素例えば固体
Ga14を収納するクヌードセンセル13、セル13内
の固体Ga14を加熱・融解して所定圧に高めるセルヒ
ータ12より構成される。分子線源5からのGa分子線
は、分子線源5の前方に設けられた1枚の扉61から構
成された分子線シャッタ6の水平方向の開閉によりオン
/オフ制御され、オン時に基板ホルダ15に保持された
基板7表面に照射される。
【0005】ところで、このMBE装置は、エピタキシ
ャル成長層の形成ばかりでなく、基板の清浄化、すなわ
ち基板表面に形成された酸化膜の除去にも使われる。通
常、酸化膜を除去することをサーマルクリーニングと称
している。サーマルクリーニングではV族元素の脱離を
防ぐため、Pの分子線、またはAsの分子線を用いる。
特に基板がInPで、その上にGaInAs、AlIn
AsなどAsのみを含む半導体を成長する場合には、P
の分子線源を用いなくてもよいため、もっぱらAs分子
線が用いられる。この場合、Asの過剰圧中で基板温度
を500℃前後に保つことにより、Pの脱離を防ぎなが
ら基板表面の酸化膜を除去することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のMBE装置で
は、3元素以上のエピタキシャル層組成を制御しようと
するとき、蒸気圧の低いIII 族元素の分子線の強度を制
御する必要がある。分子線強度は、後述する式(1) に示
すように分子線源の開口部の面積と分子線源の温度によ
って決まる。分子線源の前方に設けられた分子線シャッ
タは、その開閉により分子線源の開口部を開閉して分子
線をオン/オフさせるだけなので、通常、分子線源の温
度を変えることによって分子線強度を制御する。従っ
て、エピタキシャル層の組成比を変えるためには、一旦
成長を中断し、抵抗ヒータの加熱温度を変えるという面
倒な操作により所望の分子線強度が得られる分子線源の
温度に変更し、温度が安定してから再び成長をするとい
う方法が採られる。そのため、連続してエピタキシャル
成長ができず、純度の低下や成長時間が増加するという
問題がある。
【0007】一方、Pの代りにAsを使用する上述した
InP基板のサーマルクリーニングでは、III 族安定面
が現れるまで加熱しないと清浄な表面が得られない。こ
のため清浄化後、表面に現れたInがAsと反応してI
nAs層(中間層)が形成される。InAs層は基板の
InPと格子定数が異なるため、臨界膜厚を超えると結
晶欠陥が発生し、その上の成長層の品質を大きく劣化さ
せる。臨界膜厚を越えない場合でも、デバイスの電気特
性に大きな悪影響を与える。従ってInAs層の形成量
をできるだけ少なくする必要がある。
【0008】InAs層を少なくするには、サーマルク
リーニング時に、エピタキシャル成長時よりも小さいA
s分子線強度に設定するとよいことがわかっている。し
かし、As分子線強度を小さくしてサーマルクリーニン
グを行なった後、続けてエピタキシャル層を形成しよう
とするとき、所望のAs分子線強度に高めるためにAs
分子線源の温度を変更し、温度の安定を待つ必要があ
る。このため従来は、エピタキシャル成長時のAs分子
線強度でサーマルクリーニングを行なっていた。なお、
GaAs基板のサーマルクリーニング時にもAs分子線
を使用するが、AsをAsで補償するため、InP基板
のときのような問題は生じない。
【0009】本発明の目的は、上述した従来技術の問題
点を解消して、分子線強度を瞬時に変化させることがで
きる分子線エピタキシャル成長方法及び分子線エピタキ
シャル成長装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の分子線エピタキ
シャル成長方法は、分子線源から基板上に分子線を照射
する分子線エピタキシャル成長方法において、分子線源
の開口部の基板に対する投影面積を変えて、分子線の強
度を変えるようにしたものである。
【0011】本発明の分子線エピタキシャル成長装置
は、分子線源の開口部の前方に開閉自在に分子線シャッ
タを設け、該分子線シャッタを開閉して基板上に照射す
る分子線をオン/オフする分子線エピタキシャル成長装
置において、前記分子線シャッタが、分子線源の開口部
を遮蔽する少なくとも2枚の扉を備え、該扉の開度を制
御することにより、分子線源の開口部の基板に対する投
影面積を調整できるように構成されているものである。
【0012】このような本発明の分子線エピタキシャル
成長装置において、扉が分子線照射方向に対して同方向
に開き、分子線源の開口部の中央から扉間の隙間が広が
るように構成したり、または、扉が分子線照射方向に対
して垂直方向に開き、分子線源の開口部の中央から扉間
の隙間が広がるように構成したりすることができる。こ
こで、扉が分子線照射方向に対して同方向に開くタイプ
の発明は、より具体的には、分子線シャッタを、分子線
照射方向に対して同方向に開く左右二枚の扉で構成し、
左右二枚の扉を閉じた時に中央で重ね合わされる扉の各
重合辺に、重合辺の両側から中央に向かう凹みを設け、
左右二枚の扉を開いていくとき、凹み同士で形成される
扉間の隙間の広がりにより扉に塞がれた分子線源の開口
部が中央から開いていくように構成したものである。
【0013】また、扉が分子線照射方向に対して垂直方
向に開くタイプの発明は、より具体的には、分子線シャ
ッタを、分子線照射方向に対して垂直方向に開く左右二
枚の扉で構成し、左右二枚の扉を閉じた時に中央で重ね
合わされる扉の各重合辺に、重合辺の中央から偏椅した
位置に凹みを設け、左右二枚の扉を逆方向に開いていく
とき、一時的に凹み同士が重なって扉に塞がれた分子線
の開口部が中央で開くように構成したものである。
【0014】さて、MBE装置における分子線源からの
分子線強度は次式で与えられる。
【0015】 F={pAN/(2πMRT) -1/2}(cos θ/ πl2 ) (1) ここで、pは分子線源内の蒸気圧、Tは分子線源の温
度、Aは分子線源の開口部の面積、Nはアボガドロ数、
Mは分子量、Rは気体定数、lは分子線源からの距離、
θは分子線源とのなす角である。これより分子線強度は
分子線源の開口部面積Aに比例し、温度Tの平方根に逆
比例することが分かる。
【0016】したがって、本発明方法のように、分子線
源の開口部の基板に対する投影面積を変えて、分子線の
強度を変えるようにすると、分子線源の温度を変える場
合に比して、分子線強度を瞬時に変化させることができ
る。その結果、成長を中断することなく、基板上に形成
されるエピタキシャル層の組成比を変えることができ
る。また、中間層の形成量を低く抑えたサーマルクリー
ニング行なった後に、連続してエピタキシャル成長層を
形成することができる。
【0017】また、本発明装置のように、分子線シャッ
タを少なくとも2枚の扉から構成し、扉の開度を制御す
ることにより分子線源の開口部の基板に対する投影面積
を調整できるように構成すると、1枚の扉で調整する場
合に比して、円滑に分子線強度を変化させることができ
る。
【0018】また、扉が分子線照射方向に対して同方向
に開き、分子線源の開口部の中央から扉間の隙間が広が
るようにされていたり、扉が分子線照射方向に対して垂
直方向に開き、分子線源の開口部の中央から扉間の隙間
が広がるように構成されていることが、シャッタ開度を
変えても、基板に対する指向性を損なうことなく、常に
安定な照射を行なうことができる。
【0019】
【本発明の実施の形態】第1の実施の形態 本発明の第1の実施の形態を図面を用いて説明する。図
1は上下方向に回動するタイプの分子線シャッタの開度
変化を示す説明図であって、左側に斜視図、右側に平面
図を示す。図2は上下回動タイプの分子線シャッタ有す
る分子線源と基板の位置関係を示す断面図である。
【0020】本実施の形態のMBE装置の主な構成は図
4及び図5に示す装置とほとんど変わらない。異なる点
は、図2に示すように、クヌードセンセルから構成され
る複数の分子線源のうち、1つの分子線源5の前方に設
けられた分子線シャッタ16を二枚の扉17から構成
し、両扉17の開度を制御することにより、分子線源5
の開口部21の基板7に対する投影面積を調整できるよ
うにした点である。
【0021】具体的には、図1にも示すように、分子線
シャッタ16を、分子線源5の開口部21を覆う略半円
形の左右二枚の扉17で構成する。左右二枚の扉17
は、中央で重ね合わせて閉じ、分子線照射方向24に対
して同方向に開くようになっている。左右二枚の扉17
を分子線照射方向24に開くようにするために、分子線
源5を囲む枠体23を設け、その枠体23の左右の上部
に取付部26を設ける。この取付部26にT字部材18
の脚部を枢着し、T字部材18の水平部を上下に揺動自
在とする。このT字部材18の水平部の一端に扉17を
取り付け、他端に操作棒20を枢着して、操作棒20を
上下動することにより、扉17を上下に開閉できるよう
にする。
【0022】左右二枚の扉17を閉じた時に中央で重ね
合わされる扉17の各重合辺に、重合辺の両側から中央
に向かう凹み22を設ける。図示例の凹み22は、直線
状に入れたが、弧状に入れてもよい。扉17を分子線照
射方向24と同方向に開いていくとき、凹み22同士で
形成される扉17間の隙間25の広がりにより扉17に
塞がれた開口部21が中央から開いていくように構成す
る。このように扉17の開度を変化させても、開口部2
1が中央から開いていくので、開口部21の基板7に対
する投影面積の中心がずれず、常に均一な膜厚のエピタ
キシャル層を基板7上に成長できる。
【0023】次に上述したような上下回動タイプの分子
線シャッタをIII 族元素の分子線シャッタに適用してG
aAs/GaAlAs系レーザダイオード用エピタキシ
ャルウエハを製造する場合を説明する。
【0024】このGaAs/GaAlAs系レーザダイ
オード用エピタキシャルウエハを製造するための分子線
源5は、図4に示すように、As分子線源5b、Al分
子線源5c、Ga分子線源5d、n型ドーパント用Si
分子線源5e、p型ドーパント用Be分子線源5fの計
5種類用意してある。各分子線源5の前方に設けられる
分子線シャッタ6のうち、Ga分子線シャッタd以外
(6b、6c、6e、6f)は、図5に示す従来と同じ
オン/オフ形シャッタで構成し、Ga分子線シャッタ6
dには図1及び図2に示す開度制御形シャッタで構成し
た。
【0025】さて、図4において、大気側から順次排気
されて搬送されてきたn型GaAs基板7に、As分子
線シャッタ6bを全開にしてAs分子線源5bよりAs
4 分子線を照射し、基板加熱ヒータ8に通電加熱して、
GaAs基板7を20℃/min の割合で加熱していっ
た。このとき基板の〔110〕方向から30KeVに加
速した電子線をRHEED用電子銃9より入射し、RH
EEDスクリーン10上に映った基板表面のRHEED
像を観察して2倍の周期構造が現れるまで加熱し、表面
酸化層を熱分解して蒸発させた。
【0026】分子線源5の温度はAl分子線源5cが
0.61μm/hr、Ga分子線源5dが1.0μm/hr
の成長速度が得られる温度に設定した。2倍の周期構造
が現れた温度から基板温度を40℃下げ、SiドープG
aAs層を500nm成長するためGa分子線シャッタ6
dを、図1(c)に示すように全開の状態で30分間開
いた。同時にSi分子線シャッタ6eも全開した。次に
図1(b)に示すように、Ga分子線シャッタ6dを開
口部21に対して約10度開いた状態まで閉じることに
より、開口部21の面積は約1/3にした。同時にAl
分子線シャッタ6cを開き、n型Al0.65Ga0.35As
層を128分間成長し、2.0μm形成した。
【0027】次にGa分子線シャッタ6dを再び全開
(図1(c))にすると同時に、Si分子線シャッタ6
eを閉じ、アンドープAl0.38Ga0.62As層を3分4
5秒間成長し、0.1μm形成した。その後、再び、G
a分子線シャッタ6dを開口部21に対して約10度開
いた状態まで閉じることにより、開口部21の面積は約
1/3にして、Be分子線シャッタ6fを開くことでp
型Al0.65Ga0.35As層を128分間成長し、2.0
μm形成した。最後にGa分子線シャッタ6dを全開に
し、Al分子線シャッタ6cを閉じて、p型GaAs層
を3分間成長し、0.05μm形成した。これらをまと
めたのが表1である。
【0028】
【表1】
【0029】上記実施の形態で製造したレーザダイオー
ド用エピタキシャルウエハでは、成長中断を繰り返して
成長層の組成を変えて製造した従来のものに比べて、発
光効率が約30%向上した。特に信頼性試験の結果、成
長中断を行ったものに比べて劣化がほとんど観察されな
かった。
【0030】第2の実施の形態 第1の実施の形態では、上下回動するタイプの分子線シ
ャッタについて説明したが、ここでは、図3に示すよう
に、水平方向に回動するタイプの分子線シャッタについ
て説明する。
【0031】分子線シャッタ31は、分子線源の開口部
21を覆う略半円形の左右二枚の扉32で構成される。
左右二枚の扉32は、中央で重ね合わせて閉じ、分子線
照射方向に対して直角方向に開くようになっている。左
右二枚の扉32を分子線照射方向に対して直角方向に開
くようにするためには、図5における分子線シャッタ6
と同じ構造を採用すればよく、軸回転する操作棒62に
扉61を水平に取り付けたシャッタ6を、左右両側に設
けるようにすればよい。
【0032】左右二枚の扉17を閉じた時に中央で重ね
合わされる扉32の各重合辺には、重合辺の中央から互
いに逆方向に偏椅した位置に半円状の凹み33が設けら
れる。左右二枚の扉32を互いに逆方向に開いていく途
中で、一時的に凹み33同士が重なって隙間34を形成
し、扉32に塞がれた分子線源の開口部21が中央部で
開くように構成される。この構成では一時的に中央部が
開いた後(図3(b))、二枚の扉32が重なってまた
閉じるが、その後二枚の扉32は徐々にずれていき全開
する(図3(c))。
【0033】次に、上述したような水平に回動する分子
線シャッタを、V族元素の分子線シャッタに適用してI
nP/InAlAs系HEMT用エピタキシャルウェハ
を製造する場合を、図3を用いて説明する。なお、第1
の実施の形態では、サーマルクリーニング用V族元素分
子線源と、エピタキシャル用V族元素分子線源とを別個
に用意したが、第2の実施の形態ではV族元素分子線源
が共用できるためV族元素分子線源は1個のみ用意する
だけでよい。
【0034】さて、大気側から順次排気されて搬送され
てきたInP基板に、図3(b)に示すように、As分
子線源のAs分子線シャッタ31の開口面積を10%と
して、As4 分子線を1×10-6torr照射し、基板加熱
ヒータに通電加熱して、InP基板を20℃/min の割
合で加熱していった。このとき基板の〔110〕方向か
ら30keVに加速したRHEED用電子銃より入射
し、基板表面のRHEED像をRHEEDスクリーンに
映して観察し、4倍の周期構造(In面)が現れるまで
加熱した。
【0035】4倍の周期構造が現れたのち、480℃ま
で基板温度を下げ、図3(c)に示すようにAs分子線
シャッタ31を100%開くことでAs4 分子線強度を
8×10-6torrとしてアンドープInAlAs層を50
0nm、Al分子線シャッタを閉じ、Ga分子線シャッタ
を開いてアンドープInGaAs層を200nm、Al分
子線シャッタを開き、Ga分子線シャッタを閉じてアン
ドープInAlAs層を8nm、Si分子線シャッタを開
いてSiドープのn型InAlAs層(n=5×1018
cm-3)を30nm成長して、HEMT構造を形成した。こ
れらをまとめたのが表2である。
【0036】
【表2】
【0037】その結果、ホール電子移動度は室温で1
1,500cm2 /vs、77Kで35,000cm2 /vsが
得られ、従来、サーマルクリーニング時とエピタキシャ
ル成長時のAs圧をともに8×10-6torrで固定したと
きのそれぞれの値9,500cm2 /vs、28,000cm
2 /vsに比して約25%特性が向上した。
【0038】As分子線を照射しつつ行うサーマルクリ
ーニング時に、InP基板上に形成されるInAs層の
形成量を低減するために、分子線源温度を別々に設定し
て分子線強度を異ならせたサーマルクリーニング用As
分子線源とエピタキシャル用As分子線源とを別個に設
けることも可能であるが、第2の実施の形態によれば、
水平回動タイプの分子線シャッタ31を、As分子線源
の分子線シャッタに適用したので、サーマルクリーニン
グ用分子線源と、エピタキシャル成長用分子線源とを1
個のAs分子線源で共用することができる。また、As
分子線シャッタ31の開度を変えるだけで、As分子線
強度を変更できるので、瞬時にサーマルクリーニングか
らエピタキシャル成長に切替えることができる。
【0039】他の実施の形態 なお上記実施の形態では、III 族元素分子線源について
は分子線シャッタが上下回動して分子線源の開口部を調
整できるタイプを、V族元素分子線源については分子線
シャッタが水平に回動して分子線源の開口部面積を調整
できるタイプを用いたが、逆のタイプの分子線シャッタ
を用いても、分子線強度の制御はできる。
【0040】ただし、III 族に水平回動タイプの分子線
シャッタを用いた場合には、前述したようにIII 族元素
の付着確率が1の基板温度領域で行うため、シャッタに
もIII 族元素が付着しやすく、シャッタに付着したIII
族元素によってシャッタ同士がくっ付いてしまうおそれ
がある。また、V族に上下回動タイプのシャッタを用い
た場合には、横方向から放出されたV族元素分子の回り
込みなどにより、制御性が低下するおそれがある。この
ため、上記実施の形態のように元素に適合するタイプの
分子線シャッタを用いることが好ましい。
【0041】また、分子線シャッタを構成する扉は2枚
に限定されず、3枚以上とすることができる。また、同
時に2個以上の分子線シャッタを本発明の開度制御タイ
プのシャッタで構成するようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】本発明方法によれば、分子線源の開口部
の基板に対する投影面積を変えて分子線の強度を変える
ようにしたので、温度を変える場合に比して、分子線の
強度を瞬時に変化させることができる。また成長を中断
することなく連続成長が可能となるので、結晶純度や清
浄度を高く維持できる。さらに温度の安定を待つ必要が
ないので、組成の異なるエピタキシャル成長への切替え
や、サーマルクリーニングからエピタキシャル成長への
切替えを瞬時に行うことができる。
【0043】また、本発明装置によれば、分子線シャッ
タを少なくとも2枚の扉で構成するだけの簡単な構造
で、分子線源の開口部の基板に対する投影面積を調整で
きるので、分子線の強度を瞬時に変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明するための上
下回動タイプの分子線シャッタの動きを示す説明図であ
って、(a)は全閉した状態図、(b)は1/3開いた
状態図、(c)は全開した状態図である。
【図2】第1の実施の形態の分子線シャッタの構造と、
分子線シャッタと基板との位置関係を説明する断面図で
ある。
【図3】第2の実施の形態を説明するための水平回動タ
イプの分子線シャッタの動きを示す平面図であって、
(a)は全閉した状態図、(b)は10%開いた状態
図、(c)は100%開いた状態図である。
【図4】本発明の実施の形態と従来例とに共通した分子
線エピタキシャル成長装置の断面図である。
【図5】従来例の分子線シャッタを有する分子線源と基
板との位置関係を示す説明図である。
【符号の説明】
5 分子線源 16 分子線シャッタ 17 扉 21 開口部 22 凹み 24 分子線照射方向 25 隙間

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子線源から基板上に分子線を照射する分
    子線エピタキシャル成長方法において、分子線源の開口
    部の基板に対する投影面積を変えて、分子線の強度を変
    えるようにした分子線エピタキシャル成長方法。
  2. 【請求項2】分子線源の開口部の前方に開閉自在に分子
    線シャッタを設け、該分子線シャッタを開閉して基板上
    に照射する分子線をオン/オフする分子線エピタキシャ
    ル成長装置において、前記分子線シャッタが、分子線源
    の開口部を遮蔽する少なくとも2枚の扉を備え、該扉の
    開度を制御することにより、分子線源の開口部の基板に
    対する投影面積を調整できるように構成されていること
    を特徴とする分子線エピタキシャル成長装置。
  3. 【請求項3】上記扉が分子線照射方向に対して同方向に
    開き、分子線源の開口部の中央から扉間の隙間が広がる
    請求項2に記載の分子線エピタキシャル成長装置。
  4. 【請求項4】上記扉が分子線照射方向に対して垂直方向
    に開き、分子線源の開口部の中央から扉間の隙間が広が
    る請求項2に記載の分子線エピタキシャル成長装置。
  5. 【請求項5】分子線源の開口部の前方に開閉自在に分子
    線シャッタを設け、該分子線シャッタを開閉して基板上
    に照射する分子線をオン/オフする分子線エピタキシャ
    ル成長装置において、分子線シャッタを、分子線照射方
    向に対して同方向に開く左右二枚の扉で構成し、左右二
    枚の扉を閉じた時に中央で重ね合わされる扉の各重合辺
    に、重合辺の両側から中央に向かう凹みを設け、左右二
    枚の扉を開いていくとき、凹み同士で形成される扉間の
    隙間の広がりにより扉に塞がれた分子線源の開口部が中
    央から開いていくように構成したこと特徴とする分子線
    エピタキシャル成長装置。
  6. 【請求項6】分子線源の開口部の前方に開閉自在に分子
    線シャッタを設け、該分子線シャッタを開閉して基板上
    に照射する分子線をオン/オフする分子線エピタキシャ
    ル成長装置において、分子線シャッタを、分子線照射方
    向に対して垂直方向に開く左右二枚の扉で構成し、左右
    二枚の扉を閉じた時に中央で重ね合わされる扉の各重合
    辺に、重合辺の中央から偏椅した位置に凹みを設け、左
    右二枚の扉を逆方向に開いていくとき、一時的に凹み同
    士が重なって扉に塞がれた分子線の開口部が中央で開く
    ように構成したこと特徴とする分子線エピタキシャル成
    長装置。
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