JPH09117331A - 食器洗浄機組み込みキャビネット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、キャビネット組み込み型の食器洗
浄機の利点を損なうことなくより多くのキッチンに対応
できるように小型化され、さらに機械の設置時やメンテ
ナンス時の作業を容易に行うことのできる食器洗浄機組
み込みキャビネットを提供する。 【解決手段】 本発明の食器洗浄機組み込みキャビネッ
トでは、図３に示すように、食器洗浄機の洗浄槽１２内
に設けられた洗浄水を噴射する洗浄手段１３が洗浄槽１
２の奥行き方向に直交する幅方向ｗに延在しその一端を
軸受１４ａにより支持された断面円筒形状の長尺状ノズ
ル１５に複数の噴射口１６を設けてなる。また、食器洗
浄機組み込みキャビネットの側面部を取外し可能なグリ
ルカバーとし、奥行を縮小した食器洗浄機組み込みキャ
ビネットにおいても作業用の開口部の幅が狭められるこ
となく、効率よく作業を行えるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は流し台横に配置した
食器洗浄機・浄水機等の厨房用装置を収納する食器洗浄
機組み込みキャビネットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より食器洗浄機の設置場所としては
シンク付近の天板下部が一般的であったため、食器を洗
浄機にセットするためには腰をかがめるという無理な姿
勢で作業を行う必要があった。また、食器洗浄機に食器
をセットする前には食器を仮洗い流す作業が発生するた
め、従来のシンク付近の天板下部に設置された食器洗浄
機においては食器をセットする際に水滴が床面に落下す
るという問題もあった。

【０００３】上記の問題を解決するため、キッチンのシ
ンク側方に隣接して食器洗浄機を設置し、シンクに相対
する側に開口部を設けることでシンクから食器洗浄機へ
の食器の移動をスムーズに行えるように工夫されたキャ
ビネット組み込み型の食器洗浄機が特開昭６３−１８６
６０３に開示されている。この発明においてはシンク側
方のアイレベルの空間に食器洗浄機の開口部が設けられ
ているので食器を仮洗いしながら、そのままの姿勢で仮
洗いした食器を食器洗浄機内へ収納することができ、腰
をかがめるという無理な姿勢での作業は必要ではなくな
る。また、仮洗いした食器の食器洗浄機への収納作業は
天板の上で行うことができるため、食器からこぼれる水
を天板で受けることができ、床面に水滴を落とすことな
く作業を行うことができる。

【０００４】この、特開昭６３−１８６６０３に開示さ
れたキャビネット組み込み型の食器洗浄機によって従来
の食器洗浄機における作業性の悪さの問題は解決され
た。しかしながら、このキャビネット組み込み型の食器
洗浄機の持つ問題として、その構造上、設置できるキッ
チンが限定されるということ挙げられる。すなわち、特
開昭６３−１８６６０３の開示内容からも明らかである
ように、キャビネット組み込み型の食器洗浄機の利点を
活かすためには食器洗浄機組み込みキャビネットをシン
ク側方に設置することが不可欠である。そのため、キッ
チンのシンク側方において食器洗浄機組み込みキャビネ
ットが設置できるだけのスペースが必要となる。

【０００５】ところが、一般的に普及している規格サイ
ズのシステムキッチンをキッチンに設置した場合、わが
国の台所事情から、キッチンのシンクの側方に発生する
空きスペースは通常あまり大きなものではない。よっ
て、わが国のキッチンにおいてキャビネット組み込み型
の食器洗浄機を使用するためには、その狭いシンク側方
のスペースにも設置できるだけのコンパクトな食器洗浄
機組み込みキャビネットが不可欠である。

【０００６】一方、従来のキャビネット組み込み型の食
器洗浄機においては食器を洗浄する手段としてプロペラ
式に回転する洗浄ノズルが用いられている。こうした構
造をもつ食器洗浄機組み込みキャビネットにおいては、
洗浄ノズルが回転するのに十分な幅を前後左右にとる必
要があるため、その構造ゆえに食器洗浄機、ひいてはキ
ャビネット自体を小型化するには限界があった。したが
って、現状では、食器洗浄機組み込みキャビネットを設
置するにあたってシンク側方の、特にキャビネットの奥
行き方向にあたるスペースが十分にとれるキッチンが極
めて少なく、結果として食器洗浄機組み込みキャビネッ
トが設置できるキッチンがごく限定されている状況にあ
る。よって、食器洗浄機組み込みキャビネット、ひいて
は食器洗浄機それ自体が普及しにくくなっているという
問題がある。

【０００７】さらに、従来の食器洗浄機組み込みキャビ
ネットにおいては、その構造上、機械の設置時及びメン
テナンス時に発生する作業が煩雑になることが多かっ
た。すなわち、食器洗浄機をキャビネットに組み込む作
業やその際の配管作業、また食器洗浄機内部の点検作業
等を機械の背面から行うような構造であったために、作
業が非常に困難であり、場合によっては食器洗浄機やキ
ャビネット本体を移動させる必要も生じた。この、機械
の設置時及びメンテナンス時の作業性の悪さを解決する
ために、実公平５−２７０７５に、図２０に示すような
側面部に開口部を設けた厨房器具組み込みキャビネット
の厨房器具組み込み部前面開口部に着脱自在のフロント
パネルを設けた厨房装置が開示されている。この食器洗
浄機組み込みキャビネットにおいては、その側面部に食
器洗浄機の開口部３が設けられ、さらに前面部を着脱自
在なフロントパネル４３とすることで、機械の設置時や
メンテナンス時にはこのフロントパネル４３を取り外
し、作業を容易に行うことができる。

【０００８】しかしながら、上述したような、わが国の
キッチンの、狭いシンク側方のスペースにも設置できる
だけのコンパクトな食器洗浄機組み込みキャビネットに
実公平５−２７０７５に開示された厨房装置を適用しよ
うとした場合、以下のような問題が生ずる。すなわち、
実公平５−２７０７５に開示された厨房装置の構造で
は、フロントパネルの幅に当たる部分がキャビネット本
体の奥行き部分ｄに相当するため、狭いシンク側方のス
ペースに対応するようキャビネット本体の奥行きｄを縮
小しようとした場合、それにともない着脱自在のフロン
トパネルの幅、すなわち作業用の開口部の幅も非常に狭
められ、結果として着脱自在のフロントパネルによる作
業効率向上の効果が大幅に減少してしまう。

【発明が解決しようとする課題】

【０００９】本発明の課題は、上記の問題に鑑み、キャ
ビネット組み込み型の食器洗浄機の利点を損なうことな
くより多くのキッチンに対応できるように小型化され、
かつ可能な限りシンプルでありながらキッチンのスペー
スを有効に活用できる構造を持ち、さらに機械の設置時
やメンテナンス時の作業を容易に行うことのできる食器
洗浄機組み込みキャビネットを提供することである。

【課題を解決するための手段】

【００１０】本発明請求項１に記載の食器洗浄機組み込
みキャビネットは、キッチンのシンク側方にシンクと近
接してキャビネットを配し、前記キャビネットの中間部
分に食器洗浄機を組み込み、さらにキャビネットの少な
くともシンクと相対するアイレベルの側面部に食器洗浄
機の出入口を配してなる食器洗浄機組み込みキャビネッ
トにおいて、キャビネット内に組み込まれる食器洗浄機
が洗浄槽と、前記洗浄槽内に洗浄水を噴射する洗浄手段
を設けてなり、前記洗浄手段が洗浄槽の奥行き方向に直
交する幅方向に延在し少なくとも一端を支持された長尺
状ノズルに噴射口を設けてなり、さらにキャビネットの
開口部を含むキャビネット側面部が取り外し可能なグリ
ルカバーからなることを特徴とする。また、前記食器洗
浄機組み込みキャビネットは、取り外し可能なグリルカ
バーがキャビネット開口部に設けられたことを特徴とす
る。さらに、本発明の食器洗浄機組み込みキャビネット
は、取り外し可能なグリルカバーがキャビネット開口部
と反対側の側面に設けられたことを特徴とする。加え
て、本発明の食器洗浄機組み込みキャビネットは、取り
外し可能なグリルカバーの上部にエアー吹き出し口を設
けたことを特徴とする。また、本発明の食器洗浄機組み
込みキャビネットは、取り外し可能なグリルカバーが一
体成形であることを特徴とする。さらに、本発明の食器
洗浄機組み込みキャビネットは、取り外し可能なグリル
カバーが樹脂製であることを特徴とする。

【００１１】また、本発明請求項７に記載の食器洗浄機
組み込みキャビネットは、洗浄手段に長尺状ノズルを回
転可能に軸支する軸受を設けてなる。さらに、本発明の
食器洗浄機組み込みキャビネットは、洗浄水を噴出する
洗浄手段が、供給される加圧噴水の勢いによって回転す
ることを特徴とする。また、本発明の食器洗浄機組み込
みキャビネットは、洗浄水を噴射する長尺状ノズルに、
水を噴射するための複数個の穴を前記長尺状ノズルの回
転中心から偏位した位置に設けたことを特徴とする。ま
た、本発明請求項１０に記載の洗浄手段である長尺状ノ
ズルの基端を支持するノズル軸を備え、前記長尺状ノズ
ルとノズル軸の回転シール面を球面状に形成したことを
特徴とする。

【００１２】さらに、本発明請求項１１に記載の食器洗
浄機組み込みキャビネットは、食器洗浄機の出入口に少
なくとも２以上の扉を有し、さらに前記食器洗浄機の出
入口に設けられた少なくとも２以上の扉は上下または左
右に配置されることを特徴とする。食器洗浄機の出入口
に設けられた少なくとも２以上の扉は、上下にはね上
げ、またははね下げ、またはその双方によって開閉する
ことを特徴とする。また、食器洗浄機の出入口に設けら
れた扉は、扉を開けた状態でキャビネット内に向けて水
平にスライドさせることによって食器洗浄機組み込みキ
ャビネット内に収納することが可能な扉とすることもで
きる。さらに、食器洗浄機の出入口に設けられた扉はア
コーディオン状に開閉する折戸形式の扉とすることもで
きる。加えて、食器洗浄機の出入口に設けられた少なく
とも２以上の扉は上下の少なくとも一方向にスライドす
ることにより開閉するようにすることもできる。

【００１３】また、本発明請求項１７に記載の食器洗浄
機組み込みキャビネットは、食器洗浄機の給水管及び排
水管と食器洗浄機との接続部を、食器洗浄機戴置板より
も上方に配置し、食器洗浄機戴置板の下方に食器洗浄機
の給水管及び排水管が配管されないことを特徴とする。
給水管及び排水管と食器洗浄機との接続部は、食器洗浄
機の前面部とすることもでき、また食器洗浄機の側方と
することもできる。また、食器洗浄機の給水管及び排水
管と食器洗浄機との接続部は、食器洗浄機組み込みキャ
ビネットの食器洗浄機戴置板に設けることもできる。さ
らに、本発明の食器洗浄機組み込みキャビネットにおい
ては、食器洗浄機の食器洗浄機戴置板に食器洗浄機戴置
台を配置し、その食器洗浄機戴置台上に食器洗浄機を戴
置すると共に、食器洗浄機の給水管及び排水管と食器洗
浄機との接続部を前記食器洗浄機戴置台に設けることが
できる。また、本発明請求項２２に記載の食器洗浄機組
み込みキャビネットは、食器洗浄機戴置板の下方に収納
部を設けたことを特徴とする。

【発明の実施の形態】

【００１４】以下に本発明の実施の形態について図面を
参照して説明する。図１は本発明の一実施の形態の食器
洗浄機組み込みキャビネットを配置したキッチンの斜視
図である。図に示すように、流し台１には上部にシンク
２が載置定着され、シンク２と相対するアイレベル（床
上高さ：８００mm〜１４００mm）の側壁に開口部３が設
けられた食器洗浄機組み込みキャビネット４が配置さ
れ、前記開口部３は食器洗浄機５の扉６で開閉されるよ
うになっている。食器洗浄機５はシンク２方向に引き出
し自在なラック７を有する。扉６を開け、ラック７をシ
ンク２側に引き出した状態で仮洗いした食器８をラック
７にセットする際に、仮洗いした食器からこぼれ落ちる
水滴はシンク２で受けられ、床面に落ちることはない。
ラック７に食器をセットし終わると、食器洗浄機５の扉
６を閉め、操作部９を作動させることにより食器を洗浄
し、乾燥することができる。さらに、この実施の形態の
食器洗浄機組み込みキャビネット４においては、図２に
示すように食器洗浄機組み込みキャビネット４の側面が
取り外し可能なグリルカバー１０からなり、このグリル
カバー１０の上部にはエアー吹き出し口１１が設けられ
ている。

【００１５】この実施の形態の食器洗浄機組み込みキャ
ビネット４では図３及び図４に示されるように、キャビ
ネット内に組み込まれる食器洗浄機が洗浄槽１２と、前
記洗浄槽１２内に洗浄水を噴射する洗浄手段１３を設け
てなり、前記洗浄手段１３が洗浄槽１２の奥行き方向ｄ
に直交する幅方向ｗに延在しその一端を軸受１４ａによ
り支持された断面円筒形状の長尺状ノズル１５に複数の
噴射口１６を設けてなる。すなわち、本発明の食器洗浄
機組み込みキャビネットにおける食器洗浄機において
は、洗浄手段１３が従来のプロペラ式の回転ではなく、
長尺状ノズル１５それ自体が軸受け１４ａにより支持さ
れた状態で回転する構造となっている。このように洗浄
手段の回転方法を改善して洗浄手段の回転に必要なスペ
ースを縮小することで食器洗浄機組み込みキャビネット
全体の奥行きｄが縮小され、より狭い空間への設置も可
能となる。また、食器洗浄機の天井には蒸気を排出する
排気口４４が設けられており、ここから排出される蒸気
はグリルカバー１０のエアー吹き出し口１１を通じてキ
ャビネット外部に排出される。

【００１６】また、取り外し可能なグリルカバー１０の
設置場所を食器洗浄機組み込みキャビネット４の前面部
ではなく側面部とすることで、上記のように狭いスペー
スへの設置が可能となるように奥行きを縮小した本発明
の食器洗浄機組み込みキャビネットにおいても作業用の
開口部の幅ｗが狭められることなく、効率よく作業を行
うことが可能となる。さらに、エアー吹き出し口１１を
設ける場所が取り外し可能なグリルカバー１０の上部
（１７００mm〜１９００mm）に設けられているので、食
器の洗浄、乾燥によって発生する蒸気が手足や顔に当た
って火傷をすることもなく、作業上の安全面の向上を図
ることができる。取り外し可能なグリルカバーは一体成
形とすることで部品数を最小限に抑えて製造コストの低
減を図ることができ、さらに樹脂製とすることで一層の
コストの低減を図ると共に蒸気に対する耐久性を得るこ
とができる。

【００１７】また、本発明の食器洗浄機組み込みキャビ
ネット４においては、長尺状ノズル１５に設けられた洗
浄水を噴射する複数個の噴射口１６は、洗浄手段の回転
中心から偏位した位置に設けられている。図５は洗浄手
段である長尺状ノズルの断面図である。図５（ａ）に示
すように、噴射口１４はその延長線が長尺状ノズルの回
転中心１７を通らない向きに向けられているため、長尺
状ノズルへ送り込まれた洗浄水が噴射口より噴射される
と、食器が洗浄されると共に、噴射される洗浄水の勢い
により矢印ａ、ｂに示した方向へ反力が発生し、加圧噴
水それ自身の力で長尺状ノズルが回転する。これに対
し、噴射口の延長線が長尺状ノズルの回転中心を通るよ
うに設けられていると、図５（ｂ）に示すように噴射さ
れる洗浄水による反力は発生せず、長尺状ノズルは自転
しない。

【００１８】次に、本発明の他の実施の形態を図６、７
に示す。図６は本発明の一実施の形態のキャビネット内
に組み込まれる食器洗浄機の部分断面図、図７は同じ食
器洗浄機の洗浄手段の縦断面図である。図において１２
は食器洗浄機の洗浄槽、７は洗浄槽１２内に装備した食
器収納用のラック、８はラック７に収納された食器類を
示す。本実施の形態によれば、洗浄手段は洗浄槽１２の
内壁に設けたノズル軸１４ｂとラック７の下面側に位置
して設けた長尺状ノズル１５を有してなり、その基端が
ノズル軸１４ｂにより回転自在に支持されている。長尺
状ノズル１５には洗浄水を噴射する複数の噴射口１６が
設けられている。長尺状ノズル１５とノズル軸１４ｂと
の回転シール面１８は、球面状に形成されており、それ
によりノズル軸１４ｂと洗浄手段との調心が自動的に行
われ、滑らかに回転するように構成されている。

【００１９】また、本発明の食器洗浄機組み込みキャビ
ネットにおいては、さらに、狭いスペースへの設置を可
能とするために食器洗浄機の出入口に設けた扉の開閉に
必要なスペースを縮小する工夫がなされている。以下、
この点に関し、図８〜図１２を参照して説明する。図８
（ａ）〜（ｄ）は、それぞれ本発明の一実施の形態の食
器洗浄機組み込みキャビネットの部分省略斜視図であ
る。１９〜２６はいずれも食器洗浄機組み込みキャビネ
ットの食器洗浄機の出入口に設けた扉を示し、矢印は各
々の扉が開く方向を示している。図に示すとおり、いず
れの形態においても食器洗浄機の出入口に設けた扉が２
枚以上となっており、このように扉を複数枚にすること
により図９に示すような扉が一枚の従来の食器洗浄機組
み込みキャビネットに比べ、扉一枚あたりの高さｈまた
は幅ｗを小さくすることができ、それにより扉を開いた
ときに要するスペース奥行きｗ’を小さくすることが可
能である。従って扉の開閉に必要なスペースが縮小さ
れ、狭い空間においても不自由なく使用できる構造とな
っている。扉の配置は、（ａ）（ｂ）（ｃ）に示すよう
に上下または（ｄ）に示すように左右のいずれでもよ
い。図１０は本発明の別の一実施例の食器洗浄機組み込
みキャビネットの部分省略斜視図を示す。この実施例に
おいては、はね上げ、またははね下げにより開閉する食
器洗浄機組み込みキャビネットの扉２７、２８を、扉を
開けた状態でそれぞれ矢印ａ、ｂの方向にスライドさせ
ることによりキャビネット内に収納することができ、扉
を開けた状態において必要なスペースが縮小される。こ
のため、例えば食器洗浄機にセットする食器をシンクに
おいて仮洗いする際などに開いた扉によってシンクが手
狭になるなどの作業性の悪さが改善され、狭いキッチン
においても効率のよい作業を行うことが可能となる。図
１１は本発明の他の実施の形態を示す部分省略斜視図で
ある。この形態においては図に示すように、食器洗浄機
の出入口の扉２９、３０がアコーディオン式に開閉する
構造となっているため、扉の開閉に必要なスペースが扉
全体の幅ｗの半分またはそれ以下のｗ’に抑えられるた
めに狭い空間においての使用も可能となる。次に、本発
明の他の実施の形態を図１２に示す。３１〜３３はそれ
ぞれ食器洗浄機の出入口に設けられた扉を示す。この形
態では、ａ〜ｃに示す上下いずれか、ないしはその双方
に向けて扉をスライドさせることで開閉する。従って、
従来扉の開閉に伴い必要とされた扉の高さｈにあたるス
ペースｗ’が不要となり、より狭い空間においても不便
を感じることなく使用することが可能である。

【００２０】本発明の食器洗浄機組み込みキャビネット
においてはまた、食器洗浄機の給水管及び排水管と食器
洗浄機との接続部が食器洗浄機載置板よりも上方に配置
され、食器洗浄機載置板の下方に配置されない構造とな
っている。図１３及び図１４は本発明の食器洗浄機組み
込みキャビネットの一実施の形態を示す部分省略正面図
及び部分省略側面図である。図に示されるように、この
形態の食器洗浄機組み込みキャビネット４では給水管３
３及び排水管３４と食器洗浄機５との接続部３５が食器
洗浄機６の前面部３６に設定される。本発明においては
また、図１５に示すように給水管３３及び排水管３４と
食器洗浄機５との接続部３５を食器洗浄機の側方スペー
サ３７に設けることもできる。図１６及び図１７は本発
明の食器洗浄機組み込みキャビネットの他の実施の形態
を示す部分省略正面図及び部分省略側面図である。この
実施の形態の食器洗浄機組み込みキャビネット４におい
ては、給水管３３及び排水管３４と食器洗浄機５との接
続部３５が食器洗浄機組み込みキャビネットの食器洗浄
機載置板３８に設けられる。すなわち、図１７に示すよ
うに、食器洗浄機５の扉６の下方の食器洗浄機載置板３
８の端部が折曲された端面３９が形成され、その端面３
９に給水管３３及び排水管３４と食器洗浄機５との接続
部３５が設けられる。このように、給水管３３及び排水
管３４と食器洗浄機５との接続部３５が食器洗浄機載置
板３８よりも上方に配置され、下方に配置されないの
で、従来のように配管施工作業者が食器洗浄機組み込み
キャビネット４における食器洗浄機５の収納部分の下方
内側にて作業を行う必要がなく、配管工事を容易に行う
ことができる。従って、配管工事の際に作業者が作業が
行えるだけのスペースを食器洗浄機載置板の下部に設け
る必要がなくなり、キャビネット４自体を必要十分な程
度の幅狭なものとすることができ、より多くのキッチン
への設置が可能となる。また、図１８に示すとおり給水
管３３及び排水管３４と食器洗浄機５との接続部３５が
食器洗浄機組み込みキャビネット４の食器洗浄機載置板
３８より上方に配置され、食器洗浄機載置板３８より下
方に配置されないので、食器洗浄機５の収納部分の下方
に図に示されるように食器洗浄機専用の洗剤、その他キ
ッチン用品を収納する収納部、すなわち引き出し４０や
ごみ箱４１等として活用することができる。また、収納
部をワゴンとしたり、あるいはそこに生ゴミ処理機を収
めて活用することもできる。なお、収納部に食器洗浄機
のラックを収納可能とすれば、洗浄後の食器をラックご
とキャビネットの収納部に移動させて、汚れた食器を収
めた他のラックを用いてすぐに次の洗浄工程に移ること
ができるので、多人数分の食器を洗うときなどに短時間
で洗浄ができて便利である。その場合、収納部に水切り
機能や乾燥機能を設けておけば、食器洗浄機の乾燥工程
を省くことができるので、より一層短時間で食器の洗浄
ができる。

【００２１】図１９は本発明の他の実施の形態を示す部
分省略斜視図である。この実施の形態においては、排水
管３４が食器洗浄機組み込みキャビネット４の下部から
流し台１の下部キャビネット４２に連結して配管されて
いる。このように、排水管を食器洗浄機組み込みキャビ
ネット４の下部を通して配管することで、ホースが露出
せず、すっきりとしたキッチンの外観を保つことが可能
となる。

【発明の効果】

【００２２】本発明の食器洗浄機組み込みキャビネット
における食器洗浄機においては、食器を洗浄する洗浄手
段を、洗浄槽の幅方向に延在し少なくとも一端を支持さ
れた長尺状ノズルとすることにより従来のプロペラ式の
回転ではなく、長尺状ノズルが一端を支持された状態で
回転する構造とし、洗浄手段の回転に必要なスペースを
縮小している。従って食器洗浄機組み込みキャビネット
全体の奥行きを縮小され、より狭い空間への食器洗浄機
組み込みキャビネットの設置が可能となる。また、取り
外し可能なグリルカバーの設置場所を食器洗浄機組み込
みキャビネット４の前面部ではなく側面部とすること
で、狭いスペースへの設置が可能となるように奥行きを
縮小した本発明の食器洗浄機組み込みキャビネットにお
いても作業用の開口部の幅が狭められることなく、効率
よく作業を行うことが可能となる。また、洗浄手段の回
転方法の改善とともに、食器洗浄機の出入口に設けられ
た扉を複数枚、或いはキャビネット収納式、アコーディ
オン開閉式、上下スライド式とするなど扉の開閉に必要
なスペースを縮小する工夫をすることで狭い空間におい
て不便を感じることなく使用することができる。さら
に、洗浄手段である長尺状ノズルとノズル軸の回転シー
ル面を球状に形成することにより洗浄手段の滑らかな回
転を確保できる構造としている。加えて、食器洗浄機組
み込みキャビネットの食器洗浄機の給水管及び排水管と
食器洗浄機との接続部を食器洗浄機載置板より上方に設
置し、食器洗浄機載置板より下方に設置しない構造とす
ることで、配管施工作業者の配管作業が容易となり、食
器洗浄機載置板下部のスペースを必要最小限に抑えるこ
とができるため、食器洗浄機組み込みキャビネット自体
の大きさを縮小でき、さらには食器洗浄機収納部分の下
方スペースを有効活用することができる。また、洗浄手
段の回転中心から偏位した位置に設けられた噴射孔から
噴射される洗浄水によって発生する反力によって洗浄手
段が回転する構造であるため、洗浄手段を回転させるた
めのモーター或いは回転力発生用の噴射水が不要とな
り、構造がシンプルになると共に電力、水を節約するこ
とができ、使用する側にとっても経済的である。以上の
ように本発明の食器洗浄機組み込みキャビネットは、キ
ャビネット組み込み型の食器洗浄機の利点を十分に活か
しながら、従来の食器洗浄機組み込みキャビネットでは
設置が不可能であった、狭いキッチンのシンク側方のス
ペースへ設置することができる。また、機械の設置時及
びメンテナンス時の作業を容易に行うことができ、キッ
チンのスペースを有効に活用することが可な構造を持
ち、かつ低コストにての製造が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の食器洗浄機組み込みキャビネットを組
み込んだキッチンの斜視図である。

【図２】本発明の食器洗浄機組み込みキャビネットの部
分省略斜視図である。

【図３】本発明の食器洗浄機組み込みキャビネットに組
み込まれる食器洗浄機の部分断面正面図である。

【図４】図３に示した食器洗浄機の部分断面側面図であ
る。

【図５】本発明の食器洗浄機組み込みキャビネットにお
ける洗浄手段の長尺状ノズルの断面図である。分省略斜
視図である。

【図６】本発明の一実施の形態である食器洗浄機組み込
みキャビネットの食器洗浄機の部分断面図である。

【図７】図７に示す食器洗浄機の洗浄手段の縦断面図で
ある。

【図８】本発明の一実施の形態である食器洗浄機組み込
みキャビネットの部分省略斜視図である。

【図９】従来の食器食器洗浄機組み込みキャビネットの
部分省略斜視図である。

【図１０】本発明の一実施の形態である食器洗浄機組み
込みキャビネットの部分省略斜視図である。

【図１１】本発明の一実施の形態である食器洗浄機組み
込みキャビネットの部分省略斜視図である。

【図１２】本発明の一実施の形態である食器洗浄機組み
込みキャビネットの部分省略斜視図である。

【図１３】本発明の一実施の形態である食器洗浄機組み
込みキャビネットの部分省略正面図である。

【図１４】図１３に示す食器洗浄機組み込みキャビネッ
トの部分側面図である。

【図１５】本発明の一実施の形態である食器洗浄機組み
込みキャビネットの部分省略側面図である。

【図１６】本発明の一実施の形態である食器洗浄機組み
込みキャビネットの部分省略正面図である。

【図１７】図１６に示す食器洗浄機組み込みキャビネッ
トの部分省略側面図である。

【図１８】本発明の一実施の形態である食器洗浄機組み
込みキャビネットの部分省略正面図である。

【図１９】本発明の一実施の形態である食器洗浄機組み
込みキャビネット及び流し台の部分省略斜視図である。

【図２０】従来の食器洗浄機組み込みキャビネットを組
み込んだキッチンの斜視図である。

【符号の説明】

１……流し台 ２……シンク ３……キャビネット開口
部 ４……食器洗浄機組み込みキャビネット ５……食器洗
浄機 ６……扉 ７……ラック ８……食器類 ９……
操作部 １０……取り外し可能なグリルカバー １１……エアー吹き出し口 １２……洗浄槽 １３……
洗浄手段 １４ａ……軸受 １４ｂ……ノズル軸 １５……長尺状
ノズル １６……噴射口 １７……長尺状ノズルの回転中心 １８……回転シール
面 ３３……給水管 ３４……排水管 ３５……接続部 ３６……食器洗浄機
の前面部 ３７……食器洗浄機の側方スペーサ ３８…
…食器洗浄機載置板 ３９……食器洗浄機載置板端面
４０……引き出し ４１……ごみ箱 ４２……シンク下
部キャビネット ４３……着脱自在なフロントパネル ４４……排気口

Claims (22)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】キッチンのシンク側方にシンクと近接して
   キャビネットを配し、前記キャビネットの中間部分に食
   器洗浄機を組み込み、さらにキャビネットの少なくとも
   シンクと相対するアイレベルの側面部に食器洗浄機の出
   入口を配してなる食器洗浄機組み込みキャビネットにお
   いて、キャビネット内に組み込まれる食器洗浄機が洗浄
   槽と、前記洗浄槽内に洗浄水を噴射する洗浄手段を設け
   てなり、前記洗浄手段が洗浄槽の奥行き方向に直交する
   幅方向に延在し少なくとも一端を支持された長尺状ノズ
   ルに噴射口を設けてなり、さらにキャビネット側面部が
   取り外し可能なグリルカバーからなることを特徴とする
   食器洗浄機組み込みキャビネット。
2. 【請求項２】取り外し可能なグリルカバーがキャビネッ
   ト開口部側に設けられたことを特徴とする請求項１に記
   載の食器洗浄機組み込みキャビネット。
3. 【請求項３】取り外し可能なグリルカバーがキャビネッ
   ト開口部側と反対側のキャビネット側面に設けられたこ
   とを特徴とする請求項１に記載の食器洗浄機組み込みキ
   ャビネット。
4. 【請求項４】取り外し可能なグリルカバーの上部にエア
   ー吹き出し口を設けた請求項１乃至請求項３に記載の食
   器洗浄機組み込みキャビネット。
5. 【請求項５】取り外し可能なグリルカバーが一体成形で
   あることを特徴とする請求項１乃至請求項４に記載の食
   器洗浄機組み込みキャビネット。
6. 【請求項６】取り外し可能なグリルカバーが樹脂製であ
   ることを特徴とする請求項１乃至請求項５に記載の食器
   洗浄機組み込みキャビネット。
7. 【請求項７】洗浄手段に長尺状ノズルを回転可能に軸支
   する軸受を設けてなる請求項１乃至請求項６に記載の食
   器洗浄機組み込みキャビネット。
8. 【請求項８】洗浄水を噴出する洗浄手段が、供給される
   加圧噴水の勢いによって回転することを特徴とする請求
   項１乃至請求項７に記載の食器洗浄機組み込みキャビネ
   ット。
9. 【請求項９】洗浄水を噴射する長尺状ノズルに、水を噴
   射するための複数個の穴を前記長尺状ノズルの回転中心
   から偏位した位置に設けたことを特徴とする請求項１乃
   至請求項８に記載の食器洗浄機組み込みキャビネット。
10. 【請求項１０】洗浄手段である長尺状ノズルの基端を支
    持するノズル軸を備え、前記長尺状ノズルとノズル軸の
    回転シール面を球面状に形成したことを特徴とする請求
    項１乃至請求項９のいずれかに記載の食器洗浄機組み込
    みキャビネット。
11. 【請求項１１】食器洗浄機の出入口に少なくとも２以上
    の扉を有することを特徴とする請求項１乃至請求項１０
    に記載の食器洗浄機組み込みキャビネット。
12. 【請求項１２】食器洗浄機の出入口に設けられた少なく
    とも２以上の扉が上下または左右に配置されることを特
    徴とする請求項１乃至請求項１１に記載の食器洗浄機組
    み込みキャビネット。
13. 【請求項１３】食器洗浄機の出入口に設けられた少なく
    とも２以上の扉が、上下にはね上げ、またははね下げ、
    またはその双方によって開閉することを特徴とする請求
    項１乃至請求項１２に記載の食器洗浄機組み込みキャビ
    ネット。
14. 【請求項１４】食器洗浄機の出入口に設けられた扉が、
    扉を開けた状態でキャビネット内に向けて水平にスライ
    ドさせることによって食器洗浄機組み込みキャビネット
    内に収納することが可能な扉であることを特徴とする請
    求項１乃至請求項１０に記載の食器洗浄機組み込みキャ
    ビネット。
15. 【請求項１５】食器洗浄機の出入口に設けられた扉がア
    コーディオン状に開閉する折戸形式の扉であることを特
    徴とする請求項１乃至請求項１０に記載の食器洗浄機組
    み込みキャビネット。
16. 【請求項１６】食器洗浄機の出入口に設けられた少なく
    とも２以上の扉が上下の少なくとも一方向にスライドす
    ることにより開閉することを特徴とした請求項１乃至請
    求項１３に記載の食器洗浄機組み込みキャビネット。
17. 【請求項１７】食器洗浄機の給水管及び排水管と食器洗
    浄機との接続部を、食器洗浄機戴置板よりも上方に配置
    し、食器洗浄機戴置板の下方に食器洗浄機の給水管及び
    排水管が配管されないことを特徴とする請求項１乃至請
    求項１６に記載の食器洗浄機組み込みキャビネット。
18. 【請求項１８】給水管及び排水管と食器洗浄機との接続
    部を、食器洗浄機の前面部とした請求項１７に記載の食
    器洗浄機組み込みキャビネット。
19. 【請求項１９】給水管及び排水管と食器洗浄機との接続
    部を、食器洗浄機の側方とした請求項１７に記載の食器
    洗浄機組み込みキャビネット。
20. 【請求項２０】食器洗浄機組み込みキャビネットの食器
    洗浄機戴置板に、食器洗浄機の給水管及び排水管と食器
    洗浄機との接続部を設けた請求項１７に記載の食器洗浄
    機組み込みキャビネット。
21. 【請求項２１】食器洗浄機の食器洗浄機戴置板に食器洗
    浄機戴置台を配置し、その食器洗浄機戴置台上に食器洗
    浄機を戴置すると共に、食器洗浄機の給水管及び排水管
    と食器洗浄機との接続部を前記食器洗浄機戴置台に設け
    た請求項１７に記載の食器洗浄機組み込みキャビネッ
    ト。
22. 【請求項２２】食器洗浄機戴置板の下方に収納部を設け
    たことを特徴とする請求項１乃至請求項２１のいずれか
    一に記載の食器洗浄機組み込みキャビネット。