JPH09117011A - ハイブリッド型車両 - Google Patents

ハイブリッド型車両

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JPH09117011A
JPH09117011A JP29496795A JP29496795A JPH09117011A JP H09117011 A JPH09117011 A JP H09117011A JP 29496795 A JP29496795 A JP 29496795A JP 29496795 A JP29496795 A JP 29496795A JP H09117011 A JPH09117011 A JP H09117011A
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generator
vehicle
electric motor
torque
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幸蔵 山口
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秀樹 久田
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン停止時の、燃料や電力の供給停止か
ら回転停止までの時間を短くする。走行中のエンジン停
止の際の慣性エネルギーの有効利用を図る。 【解決手段】 車両制御装置には、アクセルセンサ、車
速センサおよびブレーキセンサから、各情報信号が入力
される。エンジン制御装置は、車両制御装置からの信号
に基づいてエンジンを制御するともに、回転数の信号を
フィードバックする。発電機制御装置は、車両制御装置
からの信号に基づいて発電機用モータの回転数を制御す
るとともに、回転数とトルクの各信号をフィードバック
する。駆動モータ制御装置は、車両制御装置からの信号
に基づいて駆動用モータの動作を制御するとともに、回
転数とトルクの各信号をフィードバックする。バッテリ
は、発電機用モータおよび駆動用モータと電気的に接続
されており、バッテリ状態の信号を車両制御装置に出力
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも電気モ
ータを車両駆動源としてエンジンをも備えたハイブリッ
ド型車両に関するものであり、特に、エンジンの動力と
電気モータの動力を車両の駆動軸に並列的に伝達する、
いわゆるパラレル型のハイブリッド型車両に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から、電気モータを駆動源とする
が、これとは別にエンジンをも備えたハイブリッド型の
車両が種々提案されている。ハイブリッド型車両には、
車両駆動源としての電気モータの動力のみを車両の駆動
軸に伝達し、電気モータの駆動用バッテリへの充電のた
めに別に発電機を駆動するためのエンジンを有するシリ
ーズ式のハイブリッド型車両(図4(A)参照)や、電
気モータの動力とエンジンの動力とが車両の駆動軸に伝
達される構造であって、必要に応じて2つの動力を使い
分けるとともに、エンジンの動力を利用して電気モータ
を発電機としても用いるパラレル式のハイブリッド型車
両(図4(B)参照)がある。
【0003】また、パラレル式のハイブリッド型車両の
変形として、図4(C)に示すように、エンジンの動力
と電気モータの動力とを車両の駆動軸に並列的に出力す
るハイブリッド型車両も提案されている。
【0004】このようなハイブリッド型車両は、少なく
とも駆動源としての電気モータを備えているので、車両
の走行中においても電気モータのみで駆動力を得て、エ
ンジン動力を必要としない場合がある。
【0005】例えば、低速走行時にはエンジンの回転数
が上がらないのでエンジンの燃料効率が悪く、したがっ
て、電気モータで駆動した方が車両全体ではエネルギー
効率が良い。また、例えば減速時には車両の走行のため
の動力は必要がないので、電気モータを利用して回生制
動によりエネルギーの回収を行うことがある。この場合
にもエンジンの動力は必要とされず、却ってエンジンの
回転により回収エネルギーが消費される場合があるの
で、クラッチ等でエンジンとの伝達を切ってエンジンの
回転を停止させることがある。
【0006】これらのエンジンの動力を必要としない場
合であっても、エンジンには最低限の回転として、いわ
ゆるアイドリング状態の回転を維持するための燃料供給
や点火動作が行われる。このため、この間の燃料や電力
が無駄に消費されることから、エンジンの作動を必要と
しない時にハイブリッド型車両のエンジンの作動を停止
させることが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】エネルギーの無駄な消
費の防止のためにエンジンの作動を停止させるには、エ
ンジンへの燃料供給もしくは点火動作の少なくとも一方
か双方を停止し、また、発電機が連結されている場合に
は、その発電量を零に(界磁電流を遮断)して空転させ
ることになるが、これらを停止してもエンジンは慣性に
よりしばらく回転する。更に、エンジンの出力軸に発電
機が連結されている場合には、空転中の発電機の回転慣
性力も付加され、このため、エンジンの回転停止までの
時間が長くなってしまう。
【0008】このような状態におけるエンジンの慣性回
転中には、不快音や振動が発生するが、エンジンの慣性
回転時間が長くなれば、その分だけこれらの影響が大き
くなる。すなわち、車両の走行中にこれらの不快音や振
動が長く続けば、車両の快適性や走行フィーリングに悪
影響を及ぼす。
【0009】また、このようなエンジンの慣性回転の停
止は、ポンピングロスやフリクションのみによって行わ
れるため、慣性エネルギーは、すべて熱となって無駄に
消費されることとなる。このような無駄なエネルギーの
消費は、エネルギーの有効利用の促進を設計思想とする
ハイブリッド型車両にとって、考慮すべき課題である。
【0010】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、エンジンを停止する際に燃料や
電力の供給が停止されてから回転が停止するまでの時間
を短くすることのできるハイブリッド型車両を提供する
ことを目的とする。
【0011】本発明は、また、走行中にエンジンを停止
した際の慣性エネルギーの有効利用を図ることが可能な
ハイブリッド型車両を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願請求項1に記載した発明では、少なくとも電気
モータを駆動源とし、エンジンと、このエンジンに連結
される発電機とを有するハイブリッド型車両において、
燃料供給と点火動作の少なくとも一方を停止することに
より前記エンジンの作動を停止させるエンジン作動停止
手段と、前記エンジン作動停止手段の動作に伴うエンジ
ンの慣性による回転を停止させるように前記発電機を電
動機として作動させる発電機制御手段とを備えたことを
特徴とするハイブリッド型車両を提供する。
【0013】本発明では、発電機制御手段により、エン
ジンに連結されている発電機を電動機として作動(以
下、発電機モータという。)させることで、エンジンの
慣性による回転を強制的に停止させる。これにより、エ
ンジンの慣性回転時間が大幅に短縮されるので、慣性回
転に伴う不快音や振動の発生する時間が短縮され、車両
の快適性や走行フィーリングを向上させることができ
る。
【0014】更に、エンジンの慣性回転中にポンピング
ロスやフリクションにより熱として排出されていた慣性
エネルギーの無駄な消費を抑えることができるので、エ
ネルギーロス(無駄)を減少させる。なお、発電機モー
タの作動によってこの慣性エネルギーを回生電力として
回収し、例えばバッテリに蓄えることによりエネルギー
の有効利用が図れるので、ハイブリッド型車両のエネル
ギー効率を高めることもできる。
【0015】本発明は、車両駆動源として少なくとも電
気モータを備え、この電気モータの駆動電力源として、
発電機とその発電機の駆動のためのエンジンを備えてい
る一般のハイブリッド型車両に広く応用できる。すなわ
ち、エンジンを停止させても電気モータの動力により車
両の駆動が可能であり、エンジンに連結された発電機
を、エンジンの停止中に発電機モータとして作動させる
ことで、本発明が実施できる。
【0016】発電機を電動機として作動させることは一
般に周知であり、本発明の発電機は発電機モータとして
動作した際に、少なくともエンジンの慣性回転を停止さ
せるに十分なトルクを生じるものであれば良い。
【0017】発電機とエンジンとの連結は、エンジンの
出力軸に発電機の回転軸を直接連結したものでも、ギア
装置などを介して連結したものでも、クラッチ等を介し
て必要な時に選択的に連結できるようにしたものでも、
いずれでも良い。少なくとも、発電機がエンジンの動力
で駆動されるものであれば、相互に動力の伝達が可能で
あるので、発電機モータを作動させればその動力はエン
ジンの出力軸に伝達されるからである。
【0018】エンジン作動停止手段は、低速走行時や減
速時など、主にエンジンでの無駄なエネルギー消費を防
止するためにエンジンの作動を停止させるためのもので
あり、燃料供給と点火動作の少なくとも一方を停止する
ものであれば良いが、双方とも停止させた方がエネルギ
ー効率の観点からは望ましい。
【0019】発電機制御手段は、エンジン作動停止手段
の動作を受け、発電機を電動機として(発電機モータと
して)作動させる。この発電機モータは、エンジンの慣
性回転を停止させる方向のトルクを生じるように制御さ
れる。
【0020】次に、請求項2に記載した発明では、車両
の駆動軸にエンジンと電気モータから動力が伝達される
ハイブリッド型車両において、発電機に連結される第一
の歯車要素と、前記エンジンに連結される第二の歯車要
素と、前記駆動軸に連結される第三の歯車要素とからな
る差動歯車装置と、燃料供給と点火動作の少なくとも一
方を停止することにより前記エンジンの作動を停止させ
るエンジン作動停止手段と、前記エンジン作動停止手段
の動作に伴うエンジンの慣性による回転を停止させるよ
うに前記発電機を電動機として作動させる発電機制御手
段とを備えたことを特徴とするハイブリッド型車両を提
供する。
【0021】本発明では、請求項1に記載した発明と同
様に、発電機制御手段により、エンジンに連結されてい
る発電機を電動機として作動させることで、慣性で回転
しているエンジンを強制的に停止させる。これにより、
エンジンの慣性回転時間が大幅に短縮されるので、慣性
回転に伴う不快音や振動の発生する時間が短縮され、車
両の快適性や走行フィーリングを向上させることができ
る。
【0022】更に、エンジンの慣性回転中にポンピング
ロスやフリクションによって熱として排出されていた慣
性エネルギーの無駄な消費を抑えることができ、エネル
ギーロス(無駄)を減少させる。
【0023】さらに、本発明では、エンジンの慣性回転
トルクと、発電機モータの回転トルクを利用することに
よりエネルギーの有効利用が図れるので、ハイブリッド
型車両のエネルギー効率を高めることができる。
【0024】すなわち、本発明は、車両の駆動軸にエン
ジンと電気モータとから動力が伝達されるハイブリッド
型車両を対象にしており、エンジンと発電機とが差動歯
車装置を介して連結されており、更に、エンジンと車両
の駆動軸もこの差動歯車装置を介して連結されている。
【0025】差動歯車装置を介して車両の駆動軸に伝達
されるトルクをエンジン側出力とすれば、エンジン動作
停止時の発電機モータの出力トルクも、車両の駆動軸に
伝達される。このため、エンジン動作停止時におけるエ
ンジンおよび発電機モータからのエネルギーを駆動軸側
に取り出すことができるので、エネルギーの有効利用を
図ることができる。
【0026】本発明において、差動歯車装置は、発電機
に連結される第一の歯車要素と、前記エンジンに連結さ
れる第二の歯車要素と、前記出力軸に連結される第三の
歯車要素とからなるが、その構成や組み合わせは特に限
定されるものではなく、遊星歯車装置を差動歯車として
作用させても良い。
【0027】遊星歯車装置においては、各歯車の自転や
公転の動作を制御することで、エンジンの動力を車両駆
動軸側に出力するか、発電機側に出力するか、あるいは
双方に出力させるかが定まる。また、車両の駆動軸に連
結される第三の歯車要素を空転させれば、電気モータの
動力のみが車両の駆動軸に伝達され、電気モータのみの
動力による車両の駆動が可能となる。このように、車両
の走行状況等に応じて適宜個々の歯車の回転状態を制御
すれば良い。
【0028】なお、遊星歯車装置を利用すれば、クラッ
チ等を使用せずに、エンジンと電気モータとの併用駆動
や単独駆動、並びにそれらの切替等を行うことができ
る。
【0029】差動歯車装置にはエンジンと発電機とが連
結されているので、発電機モータを作動させれば、その
発生動力はエンジンの回転を停止させる方向に作用する
と共に、差動歯車装置を介してエンジン側出力として車
両駆動軸にも伝達される。
【0030】ここで、エンジン作動停止手段の構成並び
に作用は、請求項1記載の発明と同様であるが、燃料供
給と点火動作の少なくとも一方を停止することにより前
記エンジンの作動を停止させる場合は、少なくとも電気
モータが駆動軸にトルクを与える状態である。
【0031】ハイブリッド型車両において電気モータが
トルクを生じる場合として、電気モータから動力を駆動
軸に伝達して走行する場合と、電気モータから回生制動
力を駆動軸に伝達して回生エネルギーの回収を行う場合
とがある。
【0032】前者の場合には、電気モータの出力にエン
ジン側出力が付加されることとなり、エンジン側の出力
分だけ電気モータの出力を抑えることができるので、電
気モータの負荷を軽減することができる。
【0033】また、後者の場合には、差動歯車装置を介
して駆動軸に伝達されるエンジン側出力が逆トルクとし
て回生制動力を増加させることとなるので、駆動軸に対
する回生制動量が増加することとなる。
【0034】発電機制御手段は、エンジン作動停止手段
の動作を受け、エンジンの慣性回転を強制的に減速する
に必要なトルクを少なくとも発生するように、発電機を
電動機として作動させるものである。
【0035】差動歯車装置には、エンジンの慣性回転を
停止させる際に、発電機モータの駆動トルクが作用する
ので、エンジンの慣性回転力の残余分は、エンジン側出
力(制動トルク)として車両の駆動軸に取り出される。
【0036】したがって、本発明では、エンジンの慣性
回転を停止させる際に、発電機モータの駆動力によって
差動歯車装置を介してエンジンの慣性エネルギーをエン
ジン側出力として駆動軸に伝達することで、ハイブリッ
ド型車両におけるエネルギーの有効利用をし、このエン
ジン側出力を利用して、電気モータの負荷の軽減や、回
生制動量の向上を果たしている。
【0037】次に、本願請求項3に記載した発明は、請
求項2に記載のハイブリッド型車両であって、前記発電
機制御手段の作動時に前記差動歯車装置を介して前記出
力軸に伝達されるトルク値に基づいて、前記電気モータ
の出力トルクを補正する電気モータ制御手段を更に備え
ていることを特徴とするものである。
【0038】本発明では、電気モータ制御手段により電
気モータの出力トルクを補正することで、エンジン停止
時に車両の駆動力の急激な変化を防止する。前述したよ
うに、発電機制御手段により発電機モータとして作動さ
せた場合には、エンジン側出力が車両の駆動軸に伝達さ
れるので、その分だけ車両の駆動力が変化する。
【0039】例えば、ハイブリッド型車両の走行中にエ
ンジンを停止させる場合には、車両の駆動力がエンジン
の停止動作と共に変化することとなるので、車両の安定
走行が害されるおそれがあり、車両の快適性や走行フィ
ーリングを低下させる要因となり得る。
【0040】本発明では、エンジン停止動作時に車両の
駆動軸に伝達されるエンジン側出力に基づいて、電気モ
ータ制御手段により電気モータの出力トルクを補正し
て、駆動力の変化を抑え、安定した車両駆動力を維持す
るものとしている。
【0041】本発明の電気モータ制御手段は、安定した
車両駆動力の供給のために、前記発電機制御手段の作動
前後で前記駆動軸に伝達されるトルクが変化しないよう
に、電気モータの出力トルクを補正するものであること
が好ましい。また、出力トルクが変化(加速又は減速
時)している場合には、安定した加速又は減速が維持さ
れるように、経時的に滑らかなトルク変化が維持される
ように補正することが好ましい。
【0042】ところで、本発明の発電機制御手段は、エ
ンジンの慣性回転を停止させるために、差動歯車装置に
おけるエンジン回転停止時の発電機モータの回転数を予
め算出する発電機モータ回転制御手段を含むことが好ま
しい。エンジンの回転停止時であっても、車両の駆動軸
の回転が停止しなければ、差動歯車の第三の歯車要素は
回転しているが、その状態で発電機に連結される第三の
歯車要素の回転数は、差動歯車要素の各々の歯数等から
算出できる。
【0043】車両駆動軸の回転数は、車速と駆動軸に連
結されたギア比等から知ることができるので、発電機モ
ータ回転制御手段は、エンジン動作停止時における車両
の駆動軸の回転情報(又は、車速情報)に基づいて、発
電機モータの目標回転数を設定する。
【0044】さらに、発電機モータの作動時にその回転
数やトルクを検出する発電機モータ検出手段を備えるこ
とが好ましい。これにより、エンジンの慣性回転の開始
から停止までの回転数変化や、エンジン側出力として差
動歯車手段から車両の駆動軸に取り出される伝達トルク
も求められるからである。これらは、エンジンの慣性エ
ネルギー(車軸やフライホイール等による回転モーメン
ト等)や、差動歯車の個々の歯車の回転数や駆動軸の回
転数又は車速、ギア比とエンジン出力軸の回転数等から
演算が可能である。
【0045】そして、エンジン停止時にエンジン側出力
として差動歯車から車両駆動軸に伝達されるトルク値に
基づいて、車両の運行状態(例えば低速走行状態か、加
速又は減速状態か等)を加味して、電気モータに要求さ
れる出力トルクが演算できる。
【0046】電気モータ制御手段では、これらに基づい
て電気モータの出力トルクを補正して電気モータを作動
させれば良い。これにより、車両駆動軸に安定したトル
クを供給することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明する。まず、本発明が応用できるハイブリッド型
車両の概略構成を図4に示す。図4(A)は、いわゆる
シリーズタイプのハイブリッド型車両の概略構成を示す
ものであり、デフ401を介して駆動輪と連結された車
両駆動源としての電気モータ403にバッテリ409か
ら駆動用の電力が供給される。更に、エンジン407で
駆動される発電機405が設けられ、バッテリ409に
電力が供給されるものとなっており、車両駆動用として
のエンジンは備えていない。
【0048】この発電機405は、エンジンの出力軸に
連結されているので、発電機制御手段によりバッテリ4
09から電力を供給し、エンジンの慣性による回転を停
止させるように電動機(モータ)として動作させること
が可能である。このため、エンジン作動停止手段により
エンジンへの燃料供給並びに点火動作が停止された後、
発電機制御手段を作動させることで、エンジンの慣性回
転時間が短縮される。
【0049】図4(B)は、エンジンと電気モータとを
車両駆動源として併用するパラレル型のハイブリッド型
車両の一例を示すものであり、エンジン417の出力軸
と電気モータ416の出力軸とが車両駆動軸に直列に配
置されている。バッテリ419で駆動される電気モータ
416の出力軸は、デフ411を介して駆動軸に連結さ
れている。さらに、クラッチ418を介してエンジン4
17も車両駆動軸に連結されている。また、電気モータ
416は発電機も兼用しており、エンジンの単独駆動時
並びに回生制動時等には、回生電力をバッテリ419に
供給する。
【0050】このタイプでは、エンジン417による車
両駆動力が必要な場合にクラッチ418を係合させ、電
気モータ416と共に、あるいはエンジン417単独で
車両駆動源となる。また、エンジンの駆動により作動す
る発電機を別に設けることがあり、この発電機も電動機
として動作させることが可能である。
【0051】そして、発電機制御手段により、これらの
発電機を電動機として使用して、エンジン停止時のエン
ジンの慣性による回転を停止させるように作動させるこ
とで、エンジンの慣性回転時間が短縮される。
【0052】図4(C)は、パラレル型の変形タイプで
あり、車両駆動系に対して、エンジン437からの出力
軸とモータ433の出力軸とが並列的に連結されて、各
々が単独で、あるいは併用して車両駆動力を伝達する。
【0053】駆動輪に連結されたデフ431には、駆動
軸ギア441が連結され、電気モータ出力ギア443と
エンジン出力ギア447とが接続されている。エンジン
出力ギア447は、エンジン437の出力軸に連結され
た遊星ギア448と発電機435の駆動軸に連結された
太陽ギア445と合わせて遊星歯車手段を構成してい
る。
【0054】なお、各々のギアの歯数は、デフギアの歯
数をZ1 、駆動軸ギアの出力側歯数をZ2 、入力側歯数
をZ3 、電気モータの出力ギアの歯数をZ4 、エンジン
出力ギアの出力側歯数をZ5 、入力側歯数をZ6 (内歯
ギア)、エンジンの出力軸に連結された遊星ギアの歯数
をZ7 、発電機の軸に連結された太陽ギアの歯数をZ8
とする。
【0055】この遊星歯車手段を設けたことで、クラッ
チを用いることなくエンジンと電気モータとの切り替え
や併用の動作が行えるものとなっている。なお、遊星歯
車の動作のために発電機435の駆動軸を固定する発電
機ブレーキ451を備えていることが好ましい。エンジ
ン出力を遊星歯車を介して無駄なく車両駆動系に伝達す
るためである。
【0056】発電機435は、遊星歯車手段を介して主
にエンジン437の駆動力により作動し、電気モータ駆
動用のバッテリ439に電力を供給する。逆に、バッテ
リ439からの電力の供給により、電動機として作動さ
せることができる。
【0057】ところで、パラレル型のハイブリッド型車
両では、回生制動時には、エンジン回転を停止(あるい
はエンジンの出力軸をクラッチ等で切り離して固定させ
て回転を停止)させることにより、回生制動力は発電機
にも供給されるので、ここでのエネルギー回収も可能で
ある。この場合、エンジンに対する燃料供給と点火動作
を停止した時点からエンジンの回転が完全に停止するま
でのエンジンの慣性回転のエネルギーも有効利用した方
が、ハイブリッド型車両のエネルギー効率が高くなる。
【0058】いずれの場合でも、特に回生制動時にはエ
ンジンの駆動力は必要とされないので、その間の無駄な
燃料消費を抑えるためにエンジンを停止(少なくとも燃
料供給の停止)させることが好ましい。
【0059】また、いずれの形式のハイブリッド型車両
であっても、電気モータが車両駆動系に接続されている
ので、所要の使用(運行)中にエンジンを停止すること
は可能である。エンジン停止中の駆動力は電気モータか
ら供給されるからである。
【0060】ハイブリッド型車両では、上述のように車
両の走行中にエンジンを停止させることがあるが、エン
ジンを停止させるためには燃料の供給及び点火動作の停
止を行うことが一般的であり、そのままではエンジン
は、連結されている発電機と共に慣性力により回転す
る。
【0061】本発明では、エンジンの停止時に発電機を
電動機として使用(以下、発電機モータという。)する
ことで、慣性回転時間の短縮を図り、エンジンの回転停
止前の慣性回転に伴う問題の発生を抑えている。
【0062】更に、上述した遊星歯車手段を用いるハイ
ブリッド型車両では、エンジン停止動作時の慣性回転エ
ネルギーを駆動軸側に取り出すことで、電気モータの負
担を軽減することができる。また、回生制動時であれ
ば、電気モータでの回生制動量に加えてエンジンの慣性
回転エネルギーによる制動量を得ることができる。
【0063】このため、以下の説明では、図4(C)に
示すいわゆるスプリットタイプのパラレル型のハイブリ
ッド型車両に本発明を応用した例を用いるが、他のタイ
プのハイブリッド型車両への応用も可能である。
【0064】図1は、本発明の第一の実施形態における
ハイブリッド型車両の制御系に関する概略構成を示すブ
ロック図である。車両制御手段101は、本発明に係る
ハイブリッド型車両の総合制御系を構成するものであ
り、本発明における各々の制御手段の一部又は全部を含
むものである。
【0065】車両制御装置101には、以下の情報信号
が入力され、各々の情報信号に基づいてエンジンや電気
モータ並びに発電機の動作を制御する。
【0066】まず、アクセルペダルの踏み込み状態を検
知するアクセル検知手段としてのアクセルセンサ102
から、アクセル(ペダル)の踏み込み量に基づくアクセ
ルの開度αの情報信号が入力される。さらに、ハイブリ
ッド型車両の速度を検出する速度検出手段としての車速
センサ103から、車速Vの情報信号が入力される。ま
た、ブレーキペダルの踏み込み状態を検知するブレーキ
検知手段としてのブレーキセンサ104から、ブレーキ
踏み量βの情報信号が入力される。
【0067】そして、例えば、車速Vが速度基準値以下
の場合には、電気モータのみの単独駆動に切り替えるた
めにエンジンを停止させたり、あるいは、ブレーキが踏
み込まれた場合には、回生制動のためにエンジンを停止
させたりする制御信号を各々の制御装置に出力する。
【0068】エンジン制御装置105は、エンジン10
6への燃料供給状態や点火動作等を制御する。ここで
は、車両制御手段101からのON/OFF情報を含め
たスロットル信号に基づいて、スロットル開度θをエン
ジン(のスロットルアクチュエータ、図示せず)に出力
して、エンジンへの燃料供給を調整する。さらに、エン
ジン106から実際のエンジン回転数Neの情報信号が
車両制御装置101にフィードバックされる。
【0069】このため、エンジン制御装置105は、車
両制御手段101と共に、本発明のエンジン停止制御手
段を構成する。すなわち、車両制御手段101がエンジ
ンを停止すべきと判断した場合には、エンジン制御装置
105にスロットルOFF信号が入力され、これに基づ
いて燃料の供給を停止すべくスロットル開度θを零とす
る制御信号を出力すると共にエンジンの点火動作を停止
させる。
【0070】発電機制御装置107は、車両制御装置1
01からの制御信号に基づいて、本発明の発電機を構成
する発電機用モータ108に駆動用の電流を供給し、発
電機を電動機(発電機モータ)として駆動させる。車両
制御装置101は、発電機モータの回転数である目標回
転数Ng*に基づく制御信号を出力するが、エンジンの
慣性回転を停止させるのための目標回転数Ng*は以下
のように算出される。
【0071】まず、車速情報から車両の出力軸(ギア4
41)の回転数が算出される。これに基づいて遊星歯車
手段の第三の歯車要素としてのギア447の回転数を算
出(歯数Z3 とZ5 の比から算出)する。さらに、第一
の歯車要素としてのギア445、第二の歯車要素として
のギア448、並びにこれらの歯数(Z6 、Z7 、並び
にZ8 )と相対配置関係から、エンジンの回転が停止し
た場合(ギア448の腕の回転が停止した場合)のギア
445の回転数が目標回転数Ng*として算出される。
【0072】発電機制御装置107では、目標回転数N
g*の制御信号の入力に基づいて、発電機モータに駆動
電流を供給し、回転数制御して駆動させる。同時に、発
電機モータの車両制御装置101に、発電機(モータ)
の実際の回転数NgおよびトルクTgの各信号をフィー
ドバックする。このため、発電機制御装置107は車両
制御装置101と共に本発明の発電機制御手段を構成す
る。
【0073】駆動モータ制御装置109は、車両制御装
置101から駆動トルクTm*の制御信号に基づいて、
電気モータとしての駆動用モータ110に駆動電流(ト
ルク)の信号を出力し、駆動用モータ110の動作を制
御する。さらに、駆動モータの回転数Nmおよび出力ト
ルクTmの各信号をフィードバックする。
【0074】車両制御装置101は、アクセル開度α、
車速V、並びにブレーキ踏み量β等の情報に基づいて、
駆動用モータの出力トルクを算出し、駆動トルクTm*
の制御信号を出力する。
【0075】車両制御装置101がエンジンを停止すべ
きと判断したときには、発電機制御装置107からのフ
ィードバック信号(エンジン停止動作時の発電機モータ
の回転数及びトルク値)や車速信号に基づいて、車両の
駆動軸に供給されるエンジン側トルクを算出する。そし
て、これに基づいて駆動トルクTm*を補正して出力す
る。このため、駆動モータ制御装置109と車両制御装
置101は、本発明の電気モータ制御手段を構成してい
る。
【0076】なお、発電機用モータ108と駆動用モー
タ110は、いずれもバッテリ111と電気的に接続さ
れており、充電や放電が行われるようになっている。ま
た、バッテリ111からはバッテリ状態(残電力量)の
信号が車両制御装置101に出力される。そして、バッ
テリの残電力情報に基づいて、エンジンを停止すべきか
否かを車両制御装置101が判断する。例えば、バッテ
リの残電力量が少ない場合には、電気モータの単独駆動
に不安が残るのでエンジンを停止させないが、残電力量
が多い場合には、ある程度速度が速い状態でも早めにエ
ンジンを停止させて燃料の消費を抑える。
【0077】次に、図2に示すフローチャートを用いて
本発明の一実施形態における制御動作を経時的に説明す
る。ここでは、ブレーキの踏み込み量の条件に基づいて
エンジンを停止させる場合を例にとって説明する。
【0078】まず、ブレーキ(ペダル)が踏み込まれた
場合には、その踏み込み量に基づく検知信号として、ブ
レーキ踏み込み量βが入力される(ステップ201)。
この踏み込み量は踏み込み角度や踏み込み時間等である
が、適宜定めれば良い。
【0079】同時にその時の電気モータの回転数に基づ
く検知信号として、モータ回転数Nmが入力され(ステ
ップ202)、さらに、エンジンの回転数に基づく検知
信号として、エンジン回転数Neが入力される(ステッ
プ203)。
【0080】ステップ204では、ブレーキ踏み込み量
βが、エンジンを停止すべきか否かの判断のためのブレ
ーキ踏み込み量の閾値βeoffと比較判断され、βが
βeoffよりも小さいときはエンジンを停止すべきで
ないと判断してエンジン停止制御を行わずに終了する
が、大きいときはステップ205に進む。
【0081】ステップ205では、エンジン回転数Ne
が0(零)かどうか、すなわちエンジンが回転している
か否かを判定する。Ne=0のときは、エンジンが停止
していると判断して新たな停止制御を行わずに終了する
が、Neが0でないときはステップ206に進む。
【0082】ステップ206では、エンジンECU(電
子制御装置)が作動しているかどうか(ONか否か)を
判定し、作動していないときはエンジンが作動していな
い状態である(自立作動ではなく、単に慣性回転してい
るだけ)と判断して、新たな停止制御を行わずに終了す
る。
【0083】エンジンECUが作動しているときは、エ
ンジンが作動している状態であるので、ステップ207
に進み、エンジン制御手段にOFF信号が出力され、エ
ンジンECUの作動を停止してエンジンの点火動作を中
止すると共に、スロットルが閉じられて燃料の供給が停
止される。
【0084】これと同時に、ステップ208に進み、エ
ンジン回転数Neが0(零、回転停止)となるような発
電機回転数指令値Ngsを演算する。具体的には、以下
の計算式に基づいて計算される。なお、Nrは遊星歯車
装置における第三の歯車要素を構成するエンジン側の出
力ギア447の回転数である。 Nr = Nm・Z4 /Z5 …(1) 式 Ngs = Nr・Z6 /Z8 …(2) 式
【0085】そして、ここで求めたエンジン慣性回転停
止のための回転数指令値Ngsに基づく制御信号が発電
機制御手段107に出力され(ステップ209)、発電
機制御手段は発電機モータの回転数がNgsとなるよう
に、発電機を電動機として制御する。
【0086】この時、発電機(モータ)の実回転数Ng
(ステップ210)と、出力トルクTg(ステップ21
1)が車両制御手段に入力され、これらに基づいて電気
モータトルク補正値Tmaが演算される。具体的には、
以下の計算式に基づいて計算される。 Tma = Tg・(Z6 ・Z4 )/(Z5 ・Z8 ) …(3) 式
【0087】ここで求められた電気モータトルク補正値
Tmaに基づく制御信号が駆動モータ制御手段に出力さ
れ(ステップ212)、この信号に基づいて補正された
電気モータトルクで駆動用モータが作動するように制御
される。このように、電気モータのトルクを補正するこ
とによって、電気モータの負担を減らすとともに、車両
の出力トルク変動のない円滑な走行が確保される。
【0088】そして、ステップ213では、エンジン回
転数Neが50rpm未満かどうかを判定し、50以上
のときは、停止動作が継続中と判断してステップ208
に戻り、再度発電機モータによるエンジン慣性回転の停
止処理を行う。
【0089】一方、エンジン回転数Neが50未満まで
下がったときは、エンジンが停止しているとみなして、
ステップ214に進む。すなわち、本発明ではエンジン
の慣性回転が完全に停止した状態まで処理を行うのでは
なく、ほぼ停止状態と同等に考慮できる回転数まで慣性
回転の回転数を下げている。ここで、慣性回転停止処理
における閾値として50rpmを採用しているが、エン
ジン特性、その他の条件から他の値を採用しても良い。
【0090】最後に、エンジンの慣性回転が停止状態
(50rpm未満)となった後、発電機に空転指令を出
力して発電機モータ(電動機)としての動作を終了させ
(ステップ214)、エンジンの停止に伴う制御動作を
終了する。
【0091】次に、本発明の一実施形態における制御動
作時の状態を、図3に示すタイムチャートを用いて説明
する。この実施形態では、エンジンと電気モータとを駆
動源として車両の移動慣性力により惰行状態で走行して
いる場合に、ブレーキを踏んで減速し、更に惰行状態で
走行を継続する場合を例にとって説明している。
【0092】なお、車両の惰行状態で走行している場合
には、電気モータでは回生制動によるエネルギーの回収
が行われている状態であるので、モータトルク並びに車
両の出力トルクは負で表現されており、車両の出力トル
クはモータトルクとエンジン側出力トルクとの合成とし
て表現されている。また、惰行状態では、発電機の回転
が固定されてエンジンの出力トルクがすべて車両の出力
軸に伝達される状態としている。
【0093】まず、アクセルが踏み込まれずに車両が空
走している状態(惰行状態)では、エンジン回転数は定
走負荷によって決定され、その回転数に基づく出力トル
クが発生している。この時、電気モータでは、回生制動
による負のトルクが発生しており、これに基づいて電気
モータが発電機として駆動され、回生制動量もこのトル
クにより発生する(T301 )。
【0094】この状態で、ブレーキが踏み込まれ(T
302 )、ブレーキの踏み込み量(積算時間)が閾値βe
offを超えた時点(T303 )で、エンジン作動停止制
御手段が作動する。この間では、エンジンの出力トルク
は一定である反面、ブレーキの抵抗による車速の減少分
に応じて電気モータの出力トルクは低下(回生制動量の
増加)し、車両の出力トルクは電気モータのトルク減少
分だけ下がっていく。なお、これ以降の車速の減少分に
応じて車両の出力トルクは減少を続ける。
【0095】エンジン作動停止制御手段が作動する(T
303 )と、エンジンECUが停止され、燃料供給(フェ
ーエルインジェクション)と点火動作(イグナイタ)が
停止される。しかし、エンジン(の出力軸)自体は、慣
性回転状態となっているので、エンジン(の出力軸)の
回転は、慣性力のために直ちに停止せずに、この後(T
303 の後)時間をかけて下がっていく。
【0096】また、この時点T303 で、遊星歯車手段の
動作のために、発電機制御手段を作動させない場合(図
中点線で表示)には、発電機は空転状態とされ、エンジ
ンの回転数の減少に伴って発電機の回転数も減少(逆回
転の増加)する。
【0097】ここで、発電機制御手段を作動させなけれ
ば(図中点線で示した状態)、エンジンの慣性力による
回転は、ピストンのポンピングロスやフリクションの抵
抗力等で徐々に回転数が減少する。ここで、一般的なエ
ンジンでは、エンジンECUの停止後約3秒程度経過し
た後にようやく回転を停止し(T306 )、この間のエン
ジンの慣性エネルギーは、主にポンピングロスやフリク
ションなど、熱として消費されている。
【0098】本発明では、発電機制御手段が設けられて
いるので、この実施形態ではエンジン作動停止制御手段
の作動と同時(T303 )に、車両制御手段から発電機制
御手段に発電機回転数指令値が出力され、この後、発電
機の回転数が空転状態より大幅に減少(逆回転の回転数
が増加)していく。
【0099】すなわち、発電機は電動機(発電機モー
タ)として駆動され、エンジンの慣性回転を止める方向
に作動することで、エンジンの慣性回転による回転数を
強制的に減少させ、停止状態(T305 )までの時間を大
幅に短縮している。すなわち、発電機モータの駆動によ
ってエンジンの慣性回転を停止させると、エンジンEC
Uの停止から慣性回転の停止まで約1秒程度であり、発
電機を空転させてエンジンの慣性回転をフリクション等
で停止させる場合よりも大幅に時間短縮している。
【0100】次に、エンジンECUをオフした後も車両
の走行を滑らかに継続させるには、エンジンは慣性回転
してエンジンの出力トルクは直ちに零になるので、発電
機を空転させた場合には、電気モータの出力トルクはそ
の分だけ増加させなければならない。これは、図3に破
線で示すように、モータトルクの急激な増加、すなわち
回生制動量の減少が不可避であることを意味する。
【0101】その後、車両の減速に応じて車両の出力ト
ルク(エンジン停止状態では電気モータの出力トルク)
は徐々に減少(回生制動力は増加)し、ブレーキが解放
された時点T304 の後、定常状態となる(モータトルク
図の点線で示した状態)。
【0102】しかし、発電機制御手段により、発電機が
モータとして駆動され、エンジンの慣性回転数を減少さ
せた場合には、エンジンの回転が停止するT305まで、
エンジン回転数を減少させるための一定の反力が生じ
る。すなわち、エンジンの慣性回転停止中に発電機モー
タを作動させることにより、その作動時間中は車両の出
力軸にエンジン側出力トルクが現れている(エンジン側
出力トルクの実線で示した部分)。
【0103】このエンジン側出力トルクの反力による増
加分は、発電機モータの出力トルク及びエンジンの慣性
力が、出力トルクとして現れたものである。
【0104】本発明では、エンジン停止による車両出力
トルクの減少分を電気モータのトルクの増加分で補う際
に、エンジンの慣性回転停止のための反力でエンジン側
出力トルクを一部負担し、電気モータの出力トルクの増
加分を減少させている。
【0105】これは、電気モータ制御手段による電気モ
ータトルクの補正により行われるが、この図に示す実施
形態では、回生制動力としてのモータトルクの増加分
(モータトルクの負の減少分)として利用している。
【0106】具体的には、モータの負のトルクが増加し
て(モータトルク図の点線部分に対する実線部分)、回
生制動量も増加(モータトルク図の点線部分に対する実
線部分)することとなる。
【0107】一方、エンジンの反力が生じている状態
(発電機モータが作動している状態)であって、運転者
がブレーキの踏み込みを止めた時点(T304 )から慣性
回転が停止状態となる時点(T305 )の間では、車両は
惰行で走行しており、車速の急変は避けるべきであるか
ら、電気モータの逆トルクはほぼ一定になるように制御
される。
【0108】更に、エンジンの慣性回転が停止状態とな
ったT305 以降は、エンジンの反力が生じていない(空
転状態、又は停止状態)ので、エンジントルクは0
(零)となり、このときのモータトルクはT301 と同じ
になる。
【0109】このように、この実施形態によれば、発電
機モータの駆動により、電気モータの逆トルクを増大さ
せてエンジン側出力を吸収し、電気モータの回生制動量
を増加させている。そして、電気モータで発生した回生
制動量に応じた電力がバッテリに戻されて蓄積されるの
で、エンジンの慣性回転停止動作におけるエネルギーの
有効利用に寄与するものとなっている。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように、エンジン停止動作
においてエンジンの慣性による回転を強制的に停止させ
るので、エンジンの慣性回転時間が大幅に短縮され、慣
性回転に伴う不快音や振動の発生時間が短縮され、車両
の快適性や走行フィーリングを向上させる。
【0111】更に、エンジンの慣性回転時間中にポンピ
ングロスやフリクションにより熱として排出されていた
慣性エネルギーの無駄な消費を抑えることができるの
で、エネルギーロス(無駄)を減少させる。
【0112】また、この慣性エネルギーと発電機モータ
の出力トルクを利用することで、電気モータの負担を低
減させることができる。さらに、回生制動力に利用する
ことができるため、エネルギーの有効利用が図れるの
で、ハイブリッド車両のエネルギー効率を高めることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるハイブリッド車両
の制御手段の概略構成を示す概念図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるハイブリッド車両
の制御手段の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態におけるハイブリッド車両
の制御手段の動作状態を示すタイムチャートである。
【図4】本発明の一実施形態におけるハイブリッド型車
両の概略構成を示す概念図であり、(A)はいわゆるシ
リーズ型、(B)はいわゆるパラレル型、(C)はパラ
レル型の変形例を各々示している。
【符号の説明】
101・・・・・・車両制御装置 102・・・・・・アクセルセンサ 103・・・・・・車速センサ 104・・・・・・ブレーキセンサ 105・・・・・・エンジン制御装置 106・・・・・・エンジン 107・・・・・・発電機制御装置 108・・・・・・発電機用モータ 109・・・・・・駆動モータ制御装置 110・・・・・・駆動用モータ 111・・・・・・バッテリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02J 15/00 H02J 15/00 D

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも電気モータを駆動源とし、エ
    ンジンと、このエンジンに連結される発電機とを有する
    ハイブリッド型車両において、 燃料供給と点火動作の少なくとも一方を停止することに
    より前記エンジンの作動を停止させるエンジン作動停止
    手段と、 前記エンジン作動停止手段の動作に伴うエンジンの慣性
    による回転を停止させるように前記発電機を電動機とし
    て作動させる発電機制御手段と、を備えたことを特徴と
    するハイブリッド型車両。
  2. 【請求項2】 車両の駆動軸にエンジンと電気モータか
    ら動力が伝達されるハイブリッド型車両において、 発電機に連結される第一の歯車要素と、前記エンジンに
    連結される第二の歯車要素と、前記駆動軸に連結される
    第三の歯車要素とからなる差動歯車装置と、 燃料供給と点火動作の少なくとも一方を停止することに
    より前記エンジンの作動を停止させるエンジン作動停止
    手段と、 前記エンジン作動停止手段の動作に伴うエンジンの慣性
    による回転を停止させるように前記発電機を電動機とし
    て作動させる発電機制御手段と、を備えたことを特徴と
    するハイブリッド型車両。
  3. 【請求項3】 前記発電機制御手段の作動時に前記差動
    歯車装置を介して前記駆動軸に伝達されるエンジンの慣
    性トルクの値に基づいて、前記電気モータの出力トルク
    を補正する電気モータ制御手段を更に備えていることを
    特徴とする請求項2に記載のハイブリッド型車両。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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