JP3722193B2 - ハイブリッド型車両 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、いわゆる内燃エンジンを使用する車両に関するものであり、特にエンジンと電動モータとを駆動源として利用するハイブリッド型車両に適したエンジン始動手段を備えた車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃エンジンを使用する車両における一般的なエンジン始動方法は、スタータモータにより停止状態のエンジンを強制的に回転させ、同時に燃料を供給し、点火(電力を供給)して行う。この強制的な回転は低回転であり、通常50〜300rpmである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような低回転状態で内燃エンジンが作動すると、少なくともアイドリング状態まで一気に回転数が上がり、連結される駆動系等に振動や急激なトルク変動などが生じる。そのため、車両の振動による不快感や部材の疲労による劣化が進みやすい。
【0004】
また、車両には、エンジン自体の振動を緩衝するダンパが設けられている場合が多いが、通常時はともかく、エンジンの低回転時にはガタツキ音が生じる場合があり、これが車両の騒音となり、乗員にとっては不快感がある。
【0005】
ここで、特に、エンジンと電動モータとを備えたハイブリッド型車両では、車両の使用中に、燃料の無駄な消費等を防ぐためにエンジンを積極的に停止させ、状況に応じてエンジンを始動させる方式が考えられる。
【0006】
エンジンを停止させる場合としては、例えば、停止中、減速中、発進時の当初等であり、これらの場合は、車両自体が停止しているために駆動力が必要ないか、バッテリにより電動モータの駆動力のみで十分か、あるいはエンジンの燃焼効率の悪い回転数や速度域と判断されるか、もしくは電動モータにおける回生制動量を増加させる場合等である。
【0007】
一方、エンジンの駆動力が必要になった場合には、停止中のエンジンを再始動させる必要があるが、走行中を含めた車両の使用中にもエンジンの停止と始動が繰り返されることとなり、一般車両よりもエンジンの始動が頻繁に行われる。
【0008】
したがって、エンジン始動時の振動や騒音等の問題は、車両の使用中にも始動動作が行われるハイブリッド型車両の方が、車両の使用開始時のみにエンジンを始動させる一般車両よりも影響が大きい。
【0009】
また、ハイブリッド型車両では、一般車両よりも始動動作を多く行う必要があるので、エンジンのスタータにかかる負担が大きくなり、スタータの耐久性の向上の必要性やスタータの大型化、更にはコストアップ等の問題として現れる。
【0010】
更に、ハイブリッド型車両では、車両の(駆動輪に連結される)駆動軸に対して、エンジン及び電動モータの双方が連結される場合があり、振動や急激なトルク変化が電動モータ自体やそれらの出力系に影響を及ぼす場合がある。
【0011】
このようなトルク変動等の他の部材への悪影響は、クラッチ等で連結を解除することでも回避できるが、クラッチを設けることによって、スペースの確保や大型化、更にはコストアップ、クラッチの制御手段や作動の時間ロス、その他の問題が生じる。
【0012】
次に、いわゆる内燃エンジンの燃料消費効率を考えると、一般に2000rpm以上であれば燃焼効率が良く、また、完全燃焼により排出されるガスに有害成分が少ない。しかし、低回転であればあるほど燃焼効率が悪くなるので無駄に燃料を消費し、加えて、排出されるガスに未燃焼燃料等の有害成分が多くなる。
【0013】
一般車両では、エンジンの始動動作は使用開始時のみであるからこれらは大きな問題とならないが、ハイブリッド型車両では、始動回数が増えるので、燃料消費や排ガスへの悪影響を考慮すべきである。このため、従来のハイブリッド型車両では、始動時の燃費効率の悪さなどを考慮して、車両の使用中にエンジンを完全停止させず、エンジンが不要な場合でもアイドリング状態まで回転数を落として作動させていたのが一般的であった。
【0014】
本発明は、上述の問題点を解決するエンジンの始動手段を備えた車両を提供することを目的とするものである。すなわち、本発明の主目的は、エンジン始動時にガタツキ音や振動の発生が少ないエンジンの始動手段を有する車両を提供することにある。本発明の別の目的は、エンジン始動時の燃料消費効率が優れたエンジンの始動手段を備えた車両を提供することにある。本発明の更に別の目的は、エンジンの始動時における自立運転の判断が容易なエンジン始動手段を備えた車両を提供することにある。また、本発明の別の目的は、いわゆるハイブリッド型車両におけるエンジンの不要時にエンジンを停止させて不要な燃料の消費を抑えることができると共に、再始動時の燃料消費効率を向上させて、無駄な燃料消費や排ガスの有害成分を抑えたハイブリッド型車両を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願請求項1記載の発明では、走行駆動源としての電気モータ及びエンジンを備えるとともに、前記エンジンに連結される発電機とを有するハイブリッド型車両において、
前記発電機を電動機として動作させ、前記エンジンを回転させる電動機制御手段と、
前記発電機の電動機動作により前記エンジンの回転が前記エンジンに固有の予め定められたアイドリング回転数にほぼ等しい回転数に達した後に前記エンジンに燃料供給並びに点火動作を開始してエンジンを始動させるエンジン始動制御手段と、を備え、
前記エンジンと前記発電機とは、前記発電機に連結された第一の歯車要素と、前記エンジンに連結された第二の歯車要素と、車両の駆動軸に連結された第三の歯車要素とからなる差動歯車手段により連結され、
前記駆動軸には、前記電気モータの出力ギアが連結されるとともに、
前記エンジンのアイドリング回転数にほぼ等しい回転数に対応する前記発電機の回転数は、車速に基づいて算出することを特徴とするハイブリッド型車両を提供する。
【0017】
この発明は、一般的なハイブリッド型車両に備えられた発電機を電動機として動作させることで、いわゆるスタータモータの機能を発電機に持たせている。
【0018】
ここで、いわゆるハイブリッド型車両には、図7に示すように、大きく3種類のタイプが知られている。図7(A)は、いわゆるシリーズタイプのハイブリッド型車両の概略構成を示すものであり、デフ701を介して駆動輪と連結された車両駆動源としての電気モータ(M)703にバッテリ(B)709から駆動用の電力が供給される。更に、エンジン(E/G)707で駆動される発電機(G)705が設けられ、バッテリ709に電力が供給されるものとなっており、車両駆動用としてのエンジンは備えていない。
【0019】
図7(B)は、エンジンと電気モータを車両駆動源として併用するパラレル型のハイブリッド型車両の一例を示すものであり、エンジン(E/G)717と電気モータ(M)716とが車両駆動系に直列に配置されている。バッテリ(B)719で駆動される電気モータ(M/G)716の出力軸は、デフ711を介して駆動輪に連結されている。さらに、クラッチ718を介してエンジン717も車両駆動系に連結されている。また、電気モータ(M/G)716は、発電機も兼用しており、エンジンの単独駆動時並びに回生制動時等には、回生電力をバッテリ(B)719に供給する。
【0020】
このタイプでは、エンジン717による車両駆動力が必要な場合にクラッチ718を係合させ、電気モータ716と共にあるいはエンジン717の単独で車両駆動源となる。
【0021】
図7(C)は、パラレル型の変形タイプであり、車両駆動軸に対して、エンジン(E/G)737からの出力軸とモータ(M)733の出力軸とが並列的に連結されて、各々が単独であるいは併用して車両駆動力を伝達する。
【0022】
駆動輪に連結されたデフ731には、駆動軸ギア741が連結され、電気モータ出力ギア743とエンジン出力ギア747とが接続されている。エンジン出力ギア747は、エンジン737の出力軸に連結された遊星ギア748及び腕(キャリア)749、並びに発電機735の駆動軸に連結された太陽ギア745と合わせて遊星歯車手段を構成しており、これを差動歯車手段として用いている。
【0023】
この遊星歯車手段を設けたことで、クラッチを用いることなくエンジンと電気モータとの切り替えや併用の動作が行えるものとなっている。なお、遊星歯車の動作のために発電機735の駆動軸を固定する発電機ブレーキ(Br)751を備えていることが好ましい。エンジンによる車両駆動の際に、エンジン出力を遊星歯車手段を介して無駄なく車両駆動系に伝達するためである。
【0024】
そして、発電機735は遊星歯車手段を介して主にエンジン737の駆動力によって作動し、電気モータ駆動用のバッテリ(B)739に電力を供給する。
【0025】
このように、ハイブリッド型車両では、いずれの場合でも駆動源として電気モータを備えているのでエンジンの駆動力を必要としない場合があり、その場合にはエンジンを積極的に停止することが好ましく、停止したエンジンは状況に応じて始動させてエンジンの駆動力を利用すれば良い。
【0026】
ここで、ハイブリッド型車両では、電気モータを駆動するためのバッテリを備えているが、車両の連続的な駆動のためにはバッテリに蓄積された電力だけでは不十分であるので、エンジンの駆動力を利用する発電機が設けられている。バッテリの残電力が少ない場合や、電気モータに大きな電力が必要な場合に、発電機はエンジンと連結されてその駆動力により発電する。
【0027】
本発明では、発電機が、そのまま電動機として使用することが可能であることに着目し、これをエンジン始動に利用するものである。この発電機は、一般車両のスタータモータよりも駆動力が大きいので、これをエンジン始動に利用するものである。発電機は、エンジンの出力軸に連結される構成であれば良く、これにより電動機として作動させエンジンと連結すれば、エンジンは強制的に回転させられる。
【0028】
電動機制御手段は、電動機により停止状態のエンジンをこのエンジンに固有の予め定められたアイドリング回転数にほぼ等しい回転数まで回転させるものである。したがって、電動機自体は通常のスタータモータでも良いが、回転数制御が可能なものであり、少なくともアイドリング回転数までエンジンを回転させ、一定時間保持できるものであれば、その種類は問わない。
【0029】
アイドリング回転数は、いわゆる内燃エンジンの自立運転が安定して維持できる回転数をいい、使用するエンジンに固有のものであり、エンジンにより異なるものである。また、低温時の安定動作のため等の理由によって、同じエンジン自体でもアイドリング回転数を適宜調整する場合がある。
【0030】
通常のエンジンでは、始動動作後にエンジンが自立運転すると、アイドリング回転数程度まで一気に回転数が上がり、その後アイドリング回転数で維持されるが、この発明では、アイドリング状態とほぼ等しい回転に達した後に、燃料供給と点火動作が行われる。
【0031】
エンジンの起動時(もしくは自立運転の開始時)に、アイドリング状態とほぼ等しく回転していれば、供給される燃料に容易に点火されて自立運転に移行し易くなり、さらに、エンジンが自立運転を開始しても回転数の急激な変動がないので、始動時の振動や急激なトルク変動などが生じない。
【0032】
上述したように、この発明では、低回転時に燃料供給が行われず、燃料の消費効率が比較的優れた状態から燃焼が開始するので、無駄な燃料の消費や不完全燃焼による有害成分の排出が抑えられる。
【0033】
ここで、電動機により回転させるエンジンの回転数(目標回転数)は、アイドリング回転数にほぼ等しい回転数であるが、電動機により回転させるエンジンの回転数は、自立運転によるアイドリング回転数との差が、自立運転開始時急激に変動しても、振動などが発生しないか、あるいは発生しても微細な程度であれば、アイドリング回転数と異なっていてもよい。
【0034】
アイドリング回転数との差が少ない場合は、電動機の負担が軽減され、振動が生じない。その一方、回転数の差が多い場合は、自立運転への移行が確実かつスムーズに行われるように、電動機の回転トルクを緩やかに減少させれば、回転数は電動機の作動中維持される。
【0035】
尚、その後、発電機の電動機としての動作を中止させることもでき、この場合には、エンジンの自立運動が継続され、始動動作が終了する。
【0036】
発電機の電動機動作を中止させる場合は、発電機を空転させる場合と、そのまま発電機動作に切り替える場合とが考えられる。前者は始動開始直後のエンジンに負担をかけない利点があり、後者は直ちに電力が発生する利点がある。
【0037】
本願の別の発明は、請求項1に記載のハイブリッド型車両において、前記エンジン始動制御手段は、前記発電機の電動機動作により前記エンジン回転数が前記アイドリング回転数にほぼ達した後に、予め設定された時限をおいて、前記発電機の電動機としての動作を解除するものであり、前記電動機の動作を解除した後に、予め設定された時限をおいて計測したエンジン回転数が、予め設定された基準回転数に達しているときには前記始動動作を終了し、前記基準回転数に達していないときに、再度前記発電機を電動機として作動させて始動動作を再開する始動確認制御手段を含むことを特徴とするものである。
【0038】
前述のように、エンジンは、電動機として作動している発電機(以下、発電機モータという。)によってアイドリング回転数付近まで回転が上げられた後、燃料供給と点火動作が開始される。そして、エンジン内での燃料の燃焼が正規に行われ、外部負荷よりも大きな動力を出力するようになれば、エンジンの自立運転が開始する。このエンジンの自立運転が確認できれば、電動機モータの作動は不要となる。
【0039】
エンジンが自立運転しているか否かの確認手段として、いったん発電機モータとしての動作を解除し、エンジンの駆動力により回転している状態で、エンジンの回転数を検知する方法がある。具体的には、エンジン始動時の自立運転の開始直後は、エンジンのみの駆動力であれば、予め定められているエンジン固有のアイドリング回転数となる。このため、このアイドリング回転数より低い回転数を基準回転数として予め設定すれば、エンジンが起動していれば基準回転数より高くなるので、エンジンが起動しているか否か、又は自立運転が正常に行われているか否かが判断できる。
【0040】
なお、電動機モータの動作の解除直後は、直前までの電動機モータの駆動力による慣性力による回転が考慮されるので、解除後にエンジンの自立運転による回転数に戻るまでの時間的な猶予が必要である。このため、電動機モータの解除後に予め定められた時限をおいて、エンジンの回転数を検知する。エンジン回転数が自立運転と判断される基準回転数以上であれば、始動動作は終了する。
【0041】
一方、エンジンの回転数が基準回転数に達していない場合には、自立運転が開始していないので、再度始動動作を再開する必要がある。この場合には、再度発電機モータを動作させ、前記同様に予め定めたアイドリング回転数にほぼ等しい回転数(設定回転数)になった後に再度燃料供給などを行えば良い。
【0042】
この場合には、予めある程度の回転数でエンジンは回転しているので、上記設定回転数までには直ちに復帰し、微小な時間内で再始動動作が行われ、上記の制動検知を繰り返す。
【0043】
このように本発明では、始動の検知が自動的に行わて始動動作を終了するため、従来のように運転者の判断により始動動作を停止していたのに比べて、運転者の負担を軽減させる。特に、ハイブリッド型車両においては、走行中に始動動作を行う必要があるが、運転者になんらの手数を要求することなくエンジン始動が行われる。
【0044】
エンジン回転数の検知手段としては、エンジン自体の回転数を計測したり、駆動軸の回転数を計測したりして判断すれば良く、また、発電機を作動させてその回転数を計測したり、発電された電力に基づいて判断しても良い。
【0045】
そして、エンジンが自立運転を開始したと判断されれば、始動制御動作を終了する。すなわち、発電機制御手段は、発電機の電動機動作を停止させるが、電力供給を停止して空転させるか、あるいは、発電機としての動作に切り替えて作動させることもできる。なお、クラッチ等の切り離し手段を設けておき、自立運転の開始後にこの切り離し手段を用いて発電機の駆動力を切断しても良い。
【0046】
本願の別の発明は、請求項1に記載の車両であって、前記エンジン始動制御手段が、前記エンジンへの燃料供給並びに点火動作を開始した後に予め定めた時限をおいて計測した前記エンジンの出力トルクが予め定めた閾値以上に上昇したときに、前記発電機の電動機動作を解除する始動検知制御手段を含むことを特徴とするものである。
【0047】
本発明では、エンジンが自立運転を開始すれば駆動力が発生し、エンジンの出力軸へのトルクが発生する。したがって、このエンジンの出力トルクを検知すれば、エンジンの自立運転が判断できることを利用する。
【0048】
エンジントルクの検出手段は、エンジンのトルクが検知できるものであればその構成は限定されず、例えばエンジンのトルクのみを検知するものや、出力軸のトルクを検知するもの、その他に、発電機モータとの合成トルクからエンジントルクを判断するもの等が考えられる。
【0049】
本願の別の発明では、エンジントルクの検出手段として、発電機モータ自体を利用している。すなわち、請求項3に記載の車両において、前記始動検知制御手段が、前記電動機制御手段から得られる電気的情報に基づいて、前記エンジンの出力トルクを検出するものであることを特徴とする。
【0050】
電動機は、発電機モータとして利用する場合を含め、電動機(発電機)制御手段により回転数制御されて動作している。エンジンが自立運転を開始するまでは、電動機(発電機モータ)は回転数制御されて、エンジンを強制的にアイドリング回転数付近まで回転させるだけの駆動トルクが電動機に要求される。
【0051】
ここで、エンジンに燃料供給などが開始された後に、エンジンの自立運転が開始すれば、エンジン出力トルクにより、同じ回転数でも電動機に要求される駆動トルクは減少する。したがって、電動機の制御状態(作動状態)を監視して、駆動トルクがエンジントルクにより減少した段階が、エンジンの自立運転の開始時点であると判断できる。
【0052】
電動機(発電機モータ)の出力トルクは、その作動電力から判断できるので、燃料供給などが開始した後に、電動機制御手段から得られる電気的情報に基づいて、前記エンジンの出力トルクを検出してエンジンの運転の状態を判断し、自立運転が開始されたことを確認した後、始動検知制御手段により発電機の電動機動作を解除すれば良い。そして、発電機モータの解除後は、空転させても、発電機に切り替えて使用してもよいことは前述の通りである。
【0053】
本発明の最適な構成は、本願請求項2に記載した発明のように、請求項1に記載のハイブリッド型車両において、第2の歯車要素の動作のために発電機の駆動軸を固定する発電機ブレーキを更に備えていることを特徴とするものである。
【0054】
また、本発明の別の最適な構成としては、走行駆動源としてエンジンと電気モータとを備え、前記エンジンの出力軸に連結される発電機を有するハイブリッド型車両であって、前記エンジンと前記発電機とは、前記発電機に連結された第一の歯車要素と、前記エンジンに連結された第二の歯車要素と、車両の駆動軸に連結された第三の歯車要素とからなる差動歯車装置により連結され、前記発電機を回転数制御された電動機として作動させ、停止状態のエンジンを該エンジン固有の予め定めたアイドリング回転数とほぼ等しい回転数まで回転させる電動機制御手段と、前記発電機を電動機として作動させている状態での出力トルクに基づいて前記エンジンの出力トルクを検出する前記エンジントルク検知手段と、この発電機の電動機動作により前記エンジンの回転が前記アイドリング回転数にほぼ達した後に前記エンジンに燃料供給並びに点火動作を開始し、その後、予め定めた時限をおいて前記エンジントルク検知手段により計測した前記エンジンの出力トルクが予め定めた閾値以上に上昇したときに、前記発電機を空転させて電動機動作を解除するエンジン始動制御手段とを備えたことを特徴とするハイブリッド型車両である。
【0055】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の実施形態におけるハイブリッド型車両の制御系に関する概略構成について、図1に表したブロック図を用いて説明する。ここでは、図7(C)に示すタイプのハイブリッド型車両に本発明を応用した場合を例にとって説明するが、他のタイプのハイブリッド型車両や一般の内燃エンジンを用いた車両にも応用できるものである。
【0056】
図1において、車両制御装置101は、本発明に係るハイブリッド型車両の総合制御系を構成するものであり、本発明における各々の制御手段の一部又は全部を含むものである。車両制御装置101には、以下の情報信号が入力され、各々の情報信号に基づいてエンジンや電気モータ並びに発電機の動作を制御する。
【0057】
まず、アクセルペダルの踏み込み状態を検知するアクセル検知手段としてのアクセルセンサ102から、アクセル(ペダル)の踏み込み量に基づくアクセルの開度αの情報信号が入力される。さらに、ハイブリッド型車両の速度を検出する速度検出手段としての車速センサ103から、車速Vの情報信号が入力される。また、ブレーキペダルの踏み込み状態を検知するブレーキ検知手段としてのブレーキセンサ104から、ブレーキ踏み量βの情報信号が入力される。
【0058】
そして、車両制御装置101は、例えば車速Vが速度基準値以下の場合には、電気モータのみの単独駆動に切り替えるためにエンジンを停止させたり、あるいは、ブレーキが踏み込まれた場合には、回生制動のためにエンジンを停止させたりする制御信号を各々の制御装置に出力する。
【0059】
エンジン制御装置(ECU)105は、エンジン106への燃料供給状態や点火動作等のタイミングを制御する。ここでは、車両制御装置101からのON/OFF情報を含めたスロットル信号に基づいて、スロットル開度θをエンジン(のスロットルアクチュエータ、図示せず)に出力して、エンジンへの燃料供給を調整する。さらに、エンジン106から実際のエンジン回転数Neの情報信号が車両制御装置101にフィードバックされる。
【0060】
このため、エンジン制御装置105は、車両制御装置101と共に、本発明のエンジン始動制御手段を構成する。すなわち、車両制御装置101がエンジンを始動すべきと判断した場合には、発電機の電動機動作によりエンジンの回転がアイドリング回転数にほぼ達した後に、車両制御装置101からのON情報に基づいて燃料供給並びに点火動作を開始する。
【0061】
なお、本発明におけるエンジンの停止状態とは、燃料供給と点火動作とが停止されている状態であり、エンジンが空転しているか否かは問わない。また、作動状態とは、エンジンに少なくともアイドリング状態を維持するだけの燃料供給と点火動作がなされており、エンジンが起動して自立作動している状態をいう。
【0062】
発電機制御装置107は、車両制御装置101からの制御信号に基づいて、本発明の発電機を構成する発電機用モータ108に駆動用の電流を供給し、発電機を電動機(発電機モータ)として駆動させる。車両制御装置101は、発電機モータの回転数である目標回転数Ng*に基づく制御信号を出力するが、エンジンを始動させるのための目標回転数Ng*は以下のように算出される。
【0063】
まず、車速情報から車両の駆動軸(ギア741)の回転数が算出される。これに基づいて遊星歯車手段の第三の歯車要素としてのギア747の回転数を算出(歯数Z3 とZ5 の比から算出)する。さらに、第一の歯車要素としてのギア745、第二の歯車要素としてのギア748及びキャリア(腕)749、並びにこれらの歯数(Z6 、Z7 、並びにZ8 )と相対配置関係から、ギア748の腕が回転した場合(エンジンが所定の回転数で回転した場合)のギア745の回転数(発電機モータの目標回転数Ng*)が算出される。
【0064】
ここで、エンジンの始動動作時の目標回転数は、エンジンが始動した場合のアイドリング状態とほぼ等しい回転数であるが、この実施形態では、アイドリング回転数(900rpm)よりやや多い回転数(1000rpm)を目標回転数として設定してる。これは、エンジンの回転数を短時間でアイドリング回転数にするためであり、これによりエンジンの始動を迅速にすると共に、始動動作の開始後にエンジンの起動を容易にするためである。
【0065】
発電機制御装置107では、目標回転数Ng*の制御信号の入力に基づいて、発電機モータに駆動電流を供給し、発電機を回転数制御して電動機として駆動させる。同時に、発電機モータの車両制御装置101に、発電機(モータ)の実際の回転数NgおよびトルクTg(又は、発電機モータの駆動電圧と電流)の各信号をフィードバックする。このため、発電機制御装置107は車両制御装置101と共に本発明の発電機制御手段を構成する。
【0066】
駆動モータ制御装置109は、車両制御装置101から駆動トルクTm*の制御信号に基づいて、本発明の電気モータとしての駆動用モータ110に駆動電流(トルク)の信号を出力し、駆動用モータ110の動作を制御する。さらに、駆動モータの回転数Nmおよび出力トルクTmの各信号(又は、駆動用モータの駆動電圧と電流)をフィードバックする。
【0067】
車両制御装置101は、アクセル開度α、車速V、並びにブレーキ踏み量β等の情報に基づいて、駆動用モータの出力トルクを算出し、駆動トルクTm*の制御信号を出力する。なお、この駆動用モータ110の回転数Nmと、ギア743及びギア747との歯数比から、ギア747(差動歯車の内歯ギア)の回転数を求めることもできる。
【0068】
本発明では、車両制御装置101がエンジンを停止(もしくは始動)すべきと判断したときには、発電機制御装置107からのフィードバック信号(エンジン停止動作時の発電機モータの回転数及びトルク値)や車速信号、並びにエンジンの運転状態の変化に基づいて、車両の駆動軸に供給されるエンジン側トルクの変化量を算出する。そして、この変化に基づいて駆動トルクTm*を補正して出力し、エンジンの始動並びに停止時に駆動トルクに急激な変動が生じないようにしている。このため、駆動モータ制御装置109と車両制御装置101は、本発明の電気モータ制御手段を構成している。
【0069】
なお、発電機用モータ108と駆動用モータ110は、いずれもバッテリ111と電気的に接続されており、充電や放電が行われるようになっている。また、バッテリ111には、バッテリ状態(残電力量)検出手段(図示せず)が設けられており、バッテリの残電力量に基づく検出信号が車両制御装置101に出力される。
【0070】
次に、図2に示すフローチャートを用いて、本発明の第一の実施形態における制御動作を経時的に説明する。ここでは、図7(C)に示すハイブリッド型車両の場合を例にとって説明する。
【0071】
アクセル(ペダル)が踏み込まれた場合には、その踏み込み量に基づく検知信号として、アクセルの開度αが入力される(ステップ201)。この開度αは、後述するステップ203で閾値を定めているので、わずかでもアクセルが踏み込まれた場合でも、アクセル開度αを入力しても良い。
【0072】
同時に、エンジンが停止しているか否かを判定し(ステップ202)、エンジンが停止しておらず、作動しているときには、エンジンの始動は必要がないので制御は終了する(End)。また、エンジンが停止しているときには、ステップ203に進み、入力されたアクセル開度αが、アクセル開度の閾値θeonと比較判断し、アクセル開度αが閾値θeonよりも小さいときにはエンジンを停止すべきではないと判断して、エンジンを作動させずに始動制御を終了する(End)。
【0073】
一方、アクセル開度の閾値θeonを超えたときには、運転者が大きな駆動力を要求しているとみなして、ステップ204に進み、エンジン始動制御手段によってエンジンの始動制御が開始される。なお、このフローチャートでは、アクセル開度αのみでエンジンを始動すべきかを判断しているが、アクセルの踏み込み時間をも判断基準としても良い。この場合には、不要なエンジンの始動が更に抑制されることになる。
【0074】
ステップ204では、車速Vが入力される。発電機とエンジンとが遊星歯車装置を介して連結されているハイブリッド型車両では、車速Vいかんで、エンジン回転数が例えば1000rpmとなるような発電機の回転数は異なってくるからであり、駆動力伝達に遊星歯車装置を用いないハイブリッド型車両では、この制御は省略することができる場合がある。
【0075】
なお、この実施形態で使用したエンジンのアイドリング回転数は900rpmに設定されており、始動時の目標回転数(発電機モータが目標回転数Ng*になった時のエンジン回転数)は1000rpmになるように設定されている。アイドリング回転数は、使用するエンジンにより異なるものであり、それに応じて目標回転数も設定される。ここでは、始動動作の(特に、アイドリング回転数に達するまでの)時間短縮などを考慮して、目標回転数をアイドリング回転数よりやや高めに設定しているが、これに限定されるものではない、例えば、エンジンの空転状態等の場合には、アイドリング回転数にほぼ等しい目標回転数としても良い。
【0076】
ステップ205では、ステップ204で入力された車速Vに基づいて、エンジンの回転数が目標回転数の1000rpmとなる場合の発電機(モータ)の回転数Ng1000を演算する。そして、演算して求めたNg1000を発電機制御手段に出力(ステップ206)して発電機を電動機として作動させる。
【0077】
さらに、実際のエンジン回転数Neを入力し(ステップ207)、回転数Neが900rpmを超えたかどうかを判断する(ステップ208)。なお、電動機制御手段によって、エンジンの回転数が1000rpmになるように発電機を制御しているにもかからわず、エンジン回転数の閾値を900rpmとしているのは、エンジンが起動するまでの時間を短くするためである。
【0078】
回転数Neが閾値を超えていないときには、ステップ207に戻り、エンジン回転数Neを再度入力し、超えるまでエンジン回転数Neを入力し続ける。なお、一定時間経過しても、閾値を超えないときには、車速Vが変化していることも考えられることから、ステップ204に戻る制御をしても良い。
【0079】
エンジン回転数Neが閾値を超えたときには、エンジンECUの電源がオンされる(ステップ209)。この状態では、エンジンは発電機で回転させられているとともに、燃料と電力が供給されるので、エンジンは作動し始める。
【0080】
タイマカウンター(図示省略)をリセットしてから(ステップ210)、タイマカウンターを作動させて0.5秒経過後に(ステップ211)、発電機に空転指令を出す(ステップ212)。ここで、タイマカウンターの閾値として0.5秒を採用しているのは、本発明で使用したエンジンが、燃料供給等の開始から起動して自立運転に移行するまでの基準的な時間だからであり、外気温やエンジン特性などの条件によって他の値を採用しても良い。
【0081】
発電機に空転指令が出されると、発電機モータの動作は解除され、エンジンは発電機モータによる強制的な回転がなくなり、この状態では、エンジンが起動しているかどうかはともかく、エンジンは自らで回転している。そして、エンジンが起動して自立運転が可能な状態になっていれば、エンジンの回転数はアイドリング回転数付近で維持される。逆にエンジンが起動しておらず自立運転していなければ、その後エンジンの回転数は急激に減少する。
【0082】
したがって、発電機モータの動作の停止後のエンジンの回転数の変化状態からエンジンの運転状態が判断できることとなる。この判断を行うために、タイマカウンターをリセットしてから(ステップ213)、タイマカウンターを作動させて0.3秒経過後に(ステップ214)、エンジン回転数Neを入力する(ステップ215)。ここで、タイマカウンターの閾値として0.3秒を採用しているのは、発電機による強制的回転の慣性力を考慮したものであり、エンジン特性などの条件によって他の値を採用しても良い。
【0083】
ステップ216では、エンジン回転数Neが基準回転数である500rpmを超えているか否かを判断する。ここで、この実施形態ではエンジンの起動判断のための閾値として基準回転数を500rpmとしているが、判断時期やエンジン特性等の条件によって、エンジンが起動しているか否かが判断できる値であれば、判断時期や基準回転数として他の値を採用しても良い。
【0084】
なお、この実施形態で使用したエンジンでは、目標回転数1000rpmの状態で発電機モータを空転させた後に約0.3秒経過した時点では、エンジンが起動して自立運転している場合にはほぼアイドリング回転数900rpmとなり、逆にエンジンが起動していない場合には回転数が500rpm以下に下がっていたため、基準回転数を上記のように定めている。
【0085】
即ち、エンジンが自立運転していれば、エンジン回転数は少なくとも基準回転数より高いアイドリング回転数付近で維持されており、誤差などを考慮しても、エンジン回転数Neが500rpmを超えていたら、エンジンは起動して自立運転しているとみなして始動制御を終了する。逆に、基準回転数を超えていなかったら、エンジンECUの電源をオフ(燃料供給と点火動作を一旦停止)した後(ステップ217)、ステップ204に戻り、エンジンの始動動作をやり直す。
【0086】
次に、上述した本発明の第一の実施形態におけるエンジン始動時の制御動作の状態を、図3に示すタイムチャートを用いて説明する。まず、アクセルの踏み込みを開始した時点(T301 )から、アクセル開度αの(アクセル踏み込み積算時間)が閾値θeonを超える(T302 )と、発電機制御装置が作動する。
【0087】
発電機制御手段は、エンジンが1000rpmで回転するように、発電機の回転数を制御する。なお、制御される発電機の回転数は、差動歯車手段の構成やギア比と車速によって変わるものであり、車両制御手段により演算される。
【0088】
時点T302 の後、発電機はエンジンに対して電動機(発電機モータ)として作動することになり、停止しているエンジンを回転させ、エンジンの回転数は、基準回転数である1000rpm(アイドリング回転数にほぼ等しい回転数)まで上がっていくが(T304 )、それよりも前の時点(T303 )で、アイドリング回転数として設定した900rpmに達する。
【0089】
この時点(T303 )で、エンジン始動制御手段としてのエンジンECUが作動し、エンジンに燃料の供給や点火を開始する。すなわち、エンジンECUはエンジンの強制的な回転と同時に作動させるのではなく、アイドリング回転数付近になってから作動させる。なお、エンジンの基準回転数に達した時点(T304 )ではなく、アイドリング回転数に達した時点(T303 )でエンジンECUを作動させるのは、エンジンを起動させるまでの時間を短縮させるためである。
【0090】
なお、エンジンの回転数が基準回転数となったときに、発電機制御装置によって、発電機の回転数も一定に保たれるとともに、エンジンの回転数も基準回転数一定に保たれる(T304 以降)。
【0091】
エンジンECUが作動した後、約0.5秒経過したら、エンジンECUはそのまま作動させながら、発電機制御装置は発電機モータに対して駆動制御電力の供給を停止(空転指令)し、その後空転状態となって電動機動作は終了する(T305 )。
【0092】
この状態で、エンジンが自立運転していれば、エンジン回転数は基準回転数からアイドリング回転数に下がって維持される(T306 )が、自立運転していなければ、回転数は急激に下がってしまう。なお、発電機も空転状態となってエンジンの回転に従って空転しているので、同様に回転数が変化する。
【0093】
このために、発電機制御装置の制御終了から、約0.3秒経過した時点(T307 )で、エンジンの回転数を計測し、基準回転数より多ければ、エンジンは自立運転をしていると判断し、すべての始動制御動作は終了する。
【0094】
一方、計測したエンジンの回転数が基準回転数に達していないときには、エンジンは自立運転をしていないと判断し、再度始動制御を行う。その場合のタイムチャートを図4に示す。
【0095】
即ち、発電機モータの動作が停止した時点から0.3秒経過した時点(T307 又は図4のT401 )で、エンジン回転数が基準回転数より低い場合には、エンジンECUの作動を停止させ、同時に発電機制御装置が作動し、エンジンが目標回転数1000rpmで回転するように発電機モータを駆動させる。なお、この時点(T401 )では、少なくともエンジンの回転は停止していない(例えば、慣性で回転している)ので、エンジンの回転数を再び目標回転数まで上げるための時間が短縮され得る。
【0096】
そして、これ以降は、図3の時点T303 以降と同様の制御を再度行い、エンジンを始動させると共に、エンジンが起動して自立運転が確認された場合には、始動制御動作が終了する。
【0097】
なお、時点(T307 又はT401 )でエンジンの回転数が基準回転数以下である場合には、再度同じ始動動作を行わなくても良く、例えば、一旦始動動作を終了してエラーメッセージを出すか、あるいは、他の一般的な始動動作を行うことも可能である。
【0098】
次に、図5に示すフローチャートを用いて、本発明の第二の実施形態における始動制御動作を経時的に説明する。ここでは、第一の実施形態と同様に、図7(C)に示すタイプハイブリッド型車両の場合を例にとって説明する。なお、ステップ501〜509における制御動作は、第一の実施形態のフローチャート(図2)におけるステップ201〜209における制御動作と同じであるので、ここまでのフローの説明は省略する。
【0099】
エンジン回転数がアイドリング回転数900rpmに達した時に、エンジンECUが作動して燃料供給と点火動作が開始されると、始動検知制御手段によって、タイマカウンター(図示省略)をリセットしてから(ステップ510)、タイマカウンターを作動させて0.3秒経過後に(ステップ511)、発電機モータトルクTgを検出する(ステップ512)。
【0100】
ここで、タイマカウンターの閾値として0.3秒を採用しているが、この実施形態で使用したエンジンでは、燃料供給などが開始した後、起動動作に要する時間が約0.3秒であり、この時間経過後は自立運転が開始する一般的な時間だからであるが、例えば外気温度やエンジン特性などの条件によって他の値を採用しても良い。
【0101】
また、発電機モータトルクTgを検出しているのは、エンジントルクを検出するためであり、回転数制御された発電機モータの回転数が一定であれば、エンジンが自立運転して出力トルクが生じれば発電機モータのトルクが減少することに着目したためである。この発電機モータのトルクは、発電機モータの制御電圧及び電流(電力)から求められる。
【0102】
このため、ステップ513では、発電機トルクTgからエンジントルクTeを演算している。これは、発電機の出力軸とエンジンの出力軸とは遊星歯車で連結されていることから、エンジントルクTeと発電機トルクTgとは関連があり、具体的には、歯数比で決定される。この実施形態では、歯数比が3倍であるので演算パラメーターとして3を採用し、発電機トルクTgを3倍した値がエンジントルクTeの値になる。なお、このパラメーターは、遊星歯車装置の構成に応じて定めれば良い。
【0103】
ステップ514では、エンジントルクTeが閾値Teonを超えているか否かを判断する。閾値Teonは、エンジンが外部負荷に打ち勝って回転し続けるのに必要な(又は、アイドリング状態の最低)トルクの値であり、使用するエンジンの性能などを考慮して決定すれば良い。
【0104】
もし、エンジントルクTeが閾値Teonを超えていれば、始動検知制御手段によって、発電機に空転指令を出力して発電機の電動機動作が解除され(ステップ515)、始動制御動作を終了する(End)。一方、閾値を超えていないときには、ステップ512に戻り、再度発電機トルクTgを入力し直して、エンジントルクがTeが閾値Teonを越えるまで、発電機モータによる始動回転動作が継続する。
【0105】
次に、上述した第二の実施形態における始動制御動作時の状態を、図6に示すタイムチャートを用いて説明する。なお、この実施形態では、エンジントルクを検知するために発電機トルク(Tg)をモニタしており、この点で、第一の実施形態のタイムチャートと異なる。
【0106】
まず、アクセルが踏み込みが開始され(T601 )、アクセル開度α(アクセル踏込の積算時間)が閾値θeonを超えた時点(T602 )で、発電機制御装置を作動させ、エンジンが1000rpmで回転するように発電機の回転数を制御する。なお、前述した実施形態と同様に、発電機の回転数は、エンジンを目標回転数で回転させるのに必要な値であり、車速等によって変わるものである。
【0107】
発電機制御装置により発電機モータを作動させると、発電機には一定の負のトルクが発生し、発電機の回転数は1000rpmに達するまで上がっていき、これに従ってエンジンの回転数も上がっていく。
【0108】
なお、エンジンの回転数が目標回転数にまで達する時点(T604 )よりも前の時点(T603 )でエンジンECUを作動させる点は、第一の実施形態の場合と同様である。また、エンジンの回転数が目標回転数に達した(T604 )後は、発電機モータは回転制御されているので、エンジンの回転数と共に目標回転数に維持される(T604 以降)と共に、発電機モータの駆動トルクもやや減少して維持される(T604 以降)。
【0109】
エンジンECUが作動した後、エンジンに燃料供給などが開始されると、起動状態で若干の時間が経過するが、通常は約0.3秒後までにはエンジンが自立運転を開始(T605 )するのでエンジンから出力トルクが発生し、その分だけ発電機モータの出力トルクが減少して行く。なお、エンジントルクが大きい場合には、発電機トルクTgは今までとは逆方向のトルクが発生する(T606 )。
【0110】
そして、エンジンECUの作動開始から約0.3秒経過した後に、発電機モータのトルクが判断され、発電機トルク(により演算したエンジントルク)が閾値よりも大きいときには、エンジンが自立運転を開始したものと判断して、発電機モータ制御を終了し(T606 )、発電機は空転する。
【0111】
このため、その後エンジンの回転数はアイドリング状態で維持され、これに接続された発電機は空転してギア比に応じた回転数が維持されると共に発電機モータのトルクは、零になる(T607 )。
【0112】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明ではエンジンの回転数をほぼアイドリング状態まで上げてから、エンジンに燃料供給や点火動作を行うので、エンジン始動時のガタツキ音や振動の発生を抑えることができる。また、始動に伴う燃料の無駄な消費(燃焼不良)を少なくさせ、排気ガスの有害成分も減らすことができる。
【0113】
また、始動動作による不快音等が防止されるので、走行フィーリングが向上すると共に、エンジン始動がより確実に行われるので、ハイブリッド車両での走行状況の変化に応じた円滑な走行が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるハイブリッド型車両の制御手段の概略構成を示す概念図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるハイブリッド型車両の制御手段の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態におけるハイブリッド型車両の制御手段の動作状態を示すタイムチャートである。
【図4】本発明の一実施形態におけるハイブリッド型車両の制御手段の動作状態を示すタイムチャートである。
【図5】本発明の別の一実施形態におけるハイブリッド型車両の制御手段の動作状態を示すフローチャートである。
【図6】本発明の別の一実施形態におけるハイブリッド型車両の制御手段の動作状態を示すタイムチャートである。
【図7】本発明の一実施形態におけるハイブリッド型車両の概略構成を示す概念図であり、(A)はいわゆるシリーズ型、(B)はいわゆるパラレル型、(C)はパラレル型の変形例を各々示している。
【符号の説明】
101・・・・・・車両制御装置
102・・・・・・アクセルセンサ
103・・・・・・車速センサ
104・・・・・・ブレーキセンサ
105・・・・・・エンジン制御装置
106・・・・・・エンジン
107・・・・・・発電機制御装置
108・・・・・・発電機用モータ
109・・・・・・駆動モータ制御装置
110・・・・・・駆動用モータ
111・・・・・・バッテリ
Claims (2)
- 走行駆動源としての電気モータ及びエンジンを備えるとともに、前記エンジンに連結される発電機とを有するハイブリッド型車両において、
前記発電機を電動機として動作させ、前記エンジンを回転させる電動機制御手段と、
前記発電機の電動機動作により前記エンジンの回転が前記エンジンに固有の予め定められたアイドリング回転数にほぼ等しい回転数に達した後に前記エンジンに燃料供給並びに点火動作を開始してエンジンを始動させるエンジン始動制御手段と、を備え、
前記エンジンと前記発電機とは、前記発電機に連結された第一の歯車要素と、前記エンジンに連結された第二の歯車要素と、車両の駆動軸に連結された第三の歯車要素とからなる差動歯車手段により連結され、
前記駆動軸には、前記電気モータの出力ギアが連結されるとともに、
前記エンジンのアイドリング回転数にほぼ等しい回転数に対応する前記発電機の回転数は、車速に基づいて算出することを特徴とするハイブリッド型車両。 - 前記第2の歯車要素の動作のために発電機の駆動軸を固定する発電機ブレーキを更に備えていることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド型車両。
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