JPH09116588A - 遅延検波復調器 - Google Patents

遅延検波復調器

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JPH09116588A
JPH09116588A JP8021138A JP2113896A JPH09116588A JP H09116588 A JPH09116588 A JP H09116588A JP 8021138 A JP8021138 A JP 8021138A JP 2113896 A JP2113896 A JP 2113896A JP H09116588 A JPH09116588 A JP H09116588A
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Application number
JP8021138A
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English (en)
Inventor
Hideki Igarashi
秀樹 五十嵐
Fumio Ishizu
文雄 石津
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Detection And Prevention Of Errors In Transmission (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガウス伝送路において、遅延検波方式を用い
た場合のビット誤り率特性は、同期検波方式を用いた場
合の特性より劣っていた。 【解決手段】 検波手段2aにおいて、位相差データD
a(nT)を入力して該位相差データDa(nT)を基
準値と比較することで雑音成分を抽出し、該雑音成分を
もとに補正値を設定するとともに、上記位相差データの
1シンボル後に出力される位相差データを上記補正値で
補正する補正回路31を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばディジタ
ル移動体通信、ディジタル衛星通信、ディジタル移動体
衛星通信等のディジタル無線通信機器に使用される遅延
検波復調器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図15は、“PSKベースバンド遅延検
波復調器の構成と特性”、電子情報通信学会春季全国大
会、B−360(1991)に記載のπ/4シフト4相
位相変調(以後、π/4−QPSKと略す)された受信
信号を復調する遅延検波復調器の構成を示すブロック図
である。図15において、1は位相検出手段であり、π
/4−QPSK信号401を入力して複素ベースバンド
信号の実数成分402と虚数成分403を出力する直交
検波器11と、これら複素ベースバンド信号の実数成分
402と虚数成分403とを入力してA/D変換し、複
素ディジタル信号S(nT)を出力するA/D変換器1
2と、この複素ディジタル信号S(nT)を入力して複
素/角度変換し、位相データSa(nT)を出力する複
素/角度変換器13とにより構成される。また、2は遅
延検波方式による検波手段であり、位相データSa(n
T)を入力して遅延検波を行い位相差データDa(n
T)を出力する遅延検波器21と、この位相差データD
a(nT)を入力して復調データ404を出力する判定
器22とにより構成される。
【0003】また、図16(a)は図15に示す直交検
波器11の動作を説明する説明図であり、図において1
11、112は乗算器、113は発振器、114は移相
器、115、116はローパスフィルタ(以後、LPF
と略す)である。また、図16(b)は図15に示す遅
延検波器21の動作を説明する説明図であり、図におい
て221はシフトレジスタ、222は減算器である。更
に、図16(c)は図15に示す判定器22において、
入力される位相差データDa(nT)がどの象限に存在
するかを判定して、その象限に対応する復調データ40
4を出力(以後、このような象限判定及び復号化を硬判
定と称す)する場合の判定条件を説明する説明図であ
る。図においてI軸は位相差データDa(nT)の実数
成分、Q軸は位相差データDa(nT)の虚数成分を示
す。
【0004】次に動作について説明する。位相検出手段
1では、中間周波数で帯域制限されたπ/4−QPSK
信号401を直交検波器11が複素ベースバンド信号の
実数成分402と虚数成分403に変換して出力し、A
/D変換器12がこれら複素ベースバンド信号の実数成
分402と虚数成分403を各々A/D変換して複素デ
ィジタル信号S(nT)を出力する。次に、複素/角度
変換器13がこの複素ディジタル信号S(nT)を複素
/角度変換して位相データSa(nT)を出力する。こ
の位相データSa(nT)を入力した検波手段2では、
遅延検波器21が後述する遅延検波方式によって1シン
ボル間の位相差データDa(nT)を出力し、この位相
差データDa(nT)を判定器22で硬判定し、復調デ
ータ404を出力する。
【0005】次に、位相検出手段1の動作を詳細に説明
する。直交検波器11は図16(a)に示すように発振
器113からの基準信号を移相器114によって実数成
分と虚数成分とに対応するように位相を90゜ずらして
出力し、入力するπ/4−QPSK信号401と各々乗
算器111、112で乗算するとともに、LPF11
5、116を通すことによって複素ベースバンド信号の
実数成分402と虚数成分403とを生成し、A/D変
換器12に出力する。
【0006】A/D変換器12では、直交検波器11か
ら入力した複素ベースバンド信号の実数成分402と虚
数成分403に対し各々A/D変換を施し、式(1)に
表す複素ディジタル信号S(nT)を生成して複素/角
度変換器13に出力する。 S(nT)={I(nT)+jQ(nT)}×{cos(ΔωnT+θi +nπ/4)+jsin(ΔωnT+θi+nπ/4)} =A(nT)×exp[j{θm(nT)+ΔωnT+θi +nπ/4}] (1) ここでI(nT)は複素ディジタル信号S(nT)の実
数部変調成分、Q(nT)は複素ディジタル信号S(n
T)の虚数部変調成分を表し、Tはシンボル周期、Δω
は準同期検波の残留角周波数偏差、θiは初期位相差、
A(nT)は包絡線成分、θm(nT)は変調位相成分
を表す。
【0007】複素/角度変換器13は、A/D変換器1
2から入力した複素ディジタル信号S(nT)の実数部
変調成分I(nT)と虚数部変調成分Q(nT)をアド
レスとして、複素/角度変換器13内に格納されるテー
ブル(図示せず)を参照し、位相データSa(nT)を
生成して出力する。例えば、簡単のため式(1)に示す
複素ディジタル信号S(nT)の包絡線成分A(nT)
を1、準同期検波の残留角周波数偏差Δωを0とすると
位相データSa(nT)は式(2)のようになる。 Sa(nT)=θm(nT)+θi+nπ/4 (2)
【0008】次に上記位相データSa(nT)を入力し
た検波手段2の動作を詳細に説明する。遅延検波器21
は図16(b)に示すように、複素/角度変換器13よ
り入力した位相データSa(nT)からシフトレジスタ
221に格納される1シンボル前の位相データSa
((n−1)T)を減算器222で減ずる、いわゆる式
(3)に示すような遅延検波方式によって位相差データ
Da(nT)を生成する。 Da(nT)=θm(nT)−θm((n−1)T)+π/4 (3) 伝送路に雑音成分が存在しない状態において、π/4−
QPSK信号401を入力した場合に式(3)によって
得られる位相差データDa(nT)は、位相角で表すと
{±π/4、±3π/4}の何れかとなる。
【0009】遅延検波器21が上述の動作で出力した位
相差データDa(nT)を入力した判定器22は、図1
6(c)に示すように、この位相差データDa(nT)
が{0、±π/2、π}を境界とした4つの象限のう
ち、どの象限に存在するかを判定し、送信側の符号化規
則に対応した復調を行う。つまり、図16(c)では、
位相差データDa(nT)が第1象限に存在する場合は
(0、0)、第2象限に存在する場合は(0、1)、第
3象限に存在する場合は(1、1)、第4象限に存在す
る場合は(1、0)とする硬判定を行い、上述の(0、
0)、(0、1)、(1、1)、(1、0)の何れかの
パターンを復調データ404として出力する。例えば、
図15で用いている複素/角度変換器13は、位相デー
タSa(nT)の範囲である2πを28分割に量子化し
て{0〜27}を出力するものとする。この場合、遅延
検波器21は、上記28分割に量子化された位相データ
Sa(nT)を用いて上述のような遅延検波を行うこと
で、28分割された位相差データDa(nT)を出力す
る。これにより、具体的な判定器22の動作は、位相差
データDa(nT)が{0〜6}のときは(0、0)、
{7〜13}のときは(0、1)、{14〜20}のと
きは(1、1)、{21〜27}のときは(1、0)と
する硬判定を行い、復調データ404を出力する。尚、
入力した位相差データDa(nT)が負の場合には、2
π、つまり28を加算して正の値に換算し、硬判定を行
うものとしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の遅延検波復調器
は以上のような構成で動作しており、反射波や回折波等
の干渉によってフェージングが発生している伝送路(以
後、このフェージングが発生している伝送路をフェージ
ング伝送路と称す)においては、受信信号から搬送波成
分を抽出し、この搬送波成分を基準として位相検波を行
う同期検波方式と比べ、フェージングによる位相変動に
対する追従性が高いため、良好なビット誤り率特性を示
す。しかし、この遅延検波復調器は、ガウス伝送路にお
いては、熱雑音を含んだ現シンボルの位相データから、
同じく熱雑音を含んだ基準信号となる1シンボル前の位
相データを減算する遅延検波方式を用いているので、1
シンボル前の位相データに含まれる雑音成分と現シンボ
ルに含まれる雑音成分とが相乗して多くなり、検波時の
基準信号として雑音成分が非常に少ない搬送波成分を用
いる同期検波方式と比べると、ビット誤り率特性が劣化
するという問題点があった。
【0011】この発明は上述のような問題点を解決する
ためになされたもので、第1の目的は、ガウス伝送路に
おけるビット誤り率特性を改善した遅延検波復調器を提
供することである。また、第2の目的は、伝送路の状態
に応じてビット誤り率特性を改善することができる遅延
検波復調器を提供することである。更に、第3の目的
は、フェージング又は周波数偏差の影響を軽減してビッ
ト誤り率特性を改善することができる遅延検波復調器を
提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる遅延検
波復調器は、受信した位相変調信号から位相データを検
出する位相検出手段と、上記位相データを入力し、該位
相データと該位相データの1シンボル前の位相データと
を減算して位相差データを出力する遅延検波手段と、上
記位相差データを入力し、該位相差データと該位相差デ
ータに雑音成分の無い状態を示す基準値とを比較して、
上記位相差データの1シンボル後に出力される位相差デ
ータに含まれる雑音成分を減少させる補正値を設定する
とともに、上記位相差データの1シンボル後に出力され
る位相差データを上記補正値で補正して補正位相差デー
タを出力する補正回路と、該補正回路が出力する補正位
相差データを硬判定する判定手段とを備えたものであ
る。
【0013】また、次の発明に係わる遅延検波復調器
は、補正回路が、遅延検波手段が出力する位相差データ
を入力して、該位相差データと該位相差データに雑音成
分の無い状態を示す基準値とを比較して、上記位相差デ
ータの1シンボル後に出力される位相差データのもとと
なる位相データに含まれる雑音成分を減少させる補正値
を上記遅延検波手段に帰還し、遅延検波手段が、位相デ
ータと帰還した上記補正値とを減算して補正位相データ
を出力する第1の減算器と、上記位相データを1シンボ
ル分遅延させるシフトレジスタと、上記補正位相データ
と上記シフトレジスタが出力する1シンボル分遅延した
位相データとを減算して補正位相差データを出力する第
2の減算器を有し、判定手段が、遅延検波手段が出力す
る補正位相差データを入力して硬判定するものである。
【0014】また、次の発明に係わる遅延検波復調器
は、補正回路が、遅延検波手段が出力する位相差データ
を入力して、該位相差データと該位相差データに雑音成
分の無い状態を示す基準値とを比較して、上記位相差デ
ータの1シンボル後に出力される位相差データのもとと
なる位相データに含まれる雑音成分を減少させる補正値
を上記遅延検波手段に帰還し、遅延検波手段が、位相デ
ータと帰還した上記補正値とを加算して補正位相データ
を出力する加算器と、上記補正位相データを1シンボル
分遅延させて出力するシフトレジスタと、該シフトレジ
スタが出力する1シンボル分遅延した補正位相データと
上記位相データとを減算して補正位相差データを出力す
る減算器を有し、判定手段が、上記遅延検波手段が出力
する補正位相差データを入力して硬判定するものであ
る。
【0015】また、次の発明に係わる遅延検波復調器
は、補正回路が、送受信間の伝送路の状態を判定する伝
送路判定手段を設け、該伝送路判定手段の結果により補
正値の設定を行うものである。
【0016】また、次の発明に係わる遅延検波復調器
は、伝送路判定手段が、位相差データ又は補正位相差デ
ータの何れかのばらつきの出現頻度分布に基づいて伝送
路状態を判定するものである。
【0017】また、次の発明に係わる遅延検波復調器
は、補正回路が、当該遅延検波復調器を使用する受信機
の動作モードに応じて補正値の設定を行うものである。
【0018】また、次の発明に係わる遅延検波復調器
は、補正回路が、送信側との周波数偏差による位相ずれ
を検出して、該位相ずれの影響を軽減する自動周波数制
御回路を設けたものである。
【0019】更に、次の発明に係わる遅延検波復調器
は、位相変調信号を受信する場合は、ダイバーシチ受信
方式を用いて受信するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、この発明の一実施形態を図につい
て説明する。図1は、この発明に係わる遅延検波復調器
の構成を示すブロック図であり、図中、図15と同一符
号は同一又は相当部分を示し説明を省略する。図におい
て、2aは遅延検波器21と判定器22との間に、入力
した位相差データDa(nT)に補正値を加味して補正
位相差データHa(nT)を出力する補正回路31が設
けられた検波手段である。また、図2はこの補正回路3
1と遅延検波器21との動作の関係を説明する説明図で
あり、図中、図16(b)と同一符号は同一又は相当部
分を示し説明を省略する。図において、311はシフト
レジスタ、312は補正値設定回路、313は減算器で
ある。また、図3は図2に示す補正値設定回路312に
おいて補正値を設定する動作を説明する説明図であり、
図3(a)は、補正回路31が位相差データDa(n
T)に補正値を加味して補正位相差データHa(nT)
を生成する場合に補正値幅が狭いときの説明図、図3
(b)は、補正回路31が位相差データDa(nT)に
補正値を加味して補正位相差データHa(nT)を生成
する場合に、図3(a)より補正値幅を広げることで、
ガウス伝送路におけるビット誤り率特性を、同期検波方
式が有する良好なビット誤り率特性により近づけるよう
にした場合の説明図である。
【0021】次に補正回路31の動作を図3(a)に示
す補正値設定に基づいて説明する。尚、説明を簡単にす
るために、この補正回路31が最初の位相差データDa
(nT)を入力する場合は、シフトレジスタ311には
デフォルトとして0が設定されているものとする。補正
回路31は遅延検波器21が最初に出力する28分割に
量子化された位相差データDa(nT)を入力すると、
図2に示す減算器313に位相差データDa(nT)を
入力し、シフトレジスタ311に設定されている補正値
(ここではデフォルト値である0が入力されている)と
の減算処理を行い、減算結果を補正位相差データHa
(nT)として判定器22及び補正値設定回路312に
出力する。補正位相差データHa(nT)を入力した補
正値設定回路312は、該補正位相差データHa(n
T)を7で割った余りをとることで象限情報を取り除い
て仮に0〜6までの値とし、この象限情報を取り除いた
補正位相差データHa(nT)が{0〜2}の場合には
補正値を1、{3}の場合には補正値を0、{4〜6}
の場合には補正値を−1と設定してシフトレジスタ31
1に出力する。
【0022】従来例で示したように伝送路に雑音成分が
存在しない場合に出力される位相差データDa(nT)
は、位相角で表すと{±π/4、±3π/4}の何れか
(以後、これらの値を基準値と称す)となり、これらは
位相差データDa(nT)を28分割に量子化した場合
の{3、10、17、24}と一致する。しかし、伝送
路の状態によっては、熱雑音等の雑音成分の影響により
基準値からはずれる場合が生じる。上記のような補正値
の設定を行うのは、位相差データDa(nT)を基準値
と比較することで次のシンボルを検波する場合の基準信
号となる位相データSa(nT)に含まれる雑音成分の
影響を軽減するような補正値を設定し、この補正値を1
シンボル後の位相差データDa((n+1)T)に加味
することで、1シンボル後の位相差データDa((n+
1)T)内に含まれる雑音成分を減少させ、ビット誤り
率特性を改善するためである。
【0023】次に補正回路31では、補正値設定回路3
12で設定した補正値をシフトレジスタ311に格納す
る。シフトレジスタ311は、1シンボル後の位相差デ
ータDa((n+1)T)が減算器313に入力された
ときに、シフトレジスタ311に格納されている補正値
を減算器313に出力し、減算器313が1シンボル後
の位相差データDa((n+1)T)をシフトレジスタ
311より出力した補正値で減算することで補正を行
い、補正位相差データHa((n+1)T)を出力す
る。以後、上述の動作を繰り返すことで補正回路31か
らは補正位相差データHa(nT)が出力される。ま
た、補正値設定回路312は、補正位相差データHa
(nT)を参照して補正値を設定し、減算器313に入
力される1シンボル後の位相差データDa((n+1)
T)から設定された補正値を減算することで補正位相差
データHa((n+1)T)を出力する、いわゆる帰還
構成となっている。この理由は、1シンボル以上前に設
定した補正値を加味した補正位相差データHa(nT)
を入力して補正値を設定することで、複数シンボルにわ
たる位相差データDa(nT)に含まれる雑音成分を用
いて、検波する際の基準信号の雑音成分がより少なくな
るように補正値を設定してビット誤り率特性を改善する
ためである。
【0024】上述の動作を図15に示す遅延検波復調器
の動作と比較して更に詳細に説明する。例えば、送信側
が{(0、0)、(0、0)、(0、0)、・・・}の
ようなオール0パターンのπ/4−QPSK信号401
を出力し、伝送路に雑音成分が存在しない状態で図15
に示す遅延検波復調器が上記π/4−QPSK信号40
1を入力した場合には、複素/角度変換器13から出力
される位相データSa((n−1)T)、Sa(n
T)、Sa((n+1)T)・・・は、2πを28分割
に量子化した場合には、例えば{0、3、6、・・・}
となる。次に、これら位相データSa((n−1)
T)、Sa(nT)、Sa((n+1)T)・・・を入
力して遅延検波を行う遅延検波器21が出力する位相差
データDa(nT)、Da((n+1)T)・・・は
(3)式により{3、3、・・・}となる。次に、上記
位相差データDa(nT)、Da((n+1)T)・・
・を入力した判定器22は、これら位相差データDa
(nT)、Da((n+1)T)・・・が第1象限に存
在すると判定して上述のようなオール0パターンの復調
データ404を出力する。
【0025】次に、送信側が出力したオール0パターン
のπ/4−QPSK信号401に、例えば熱雑音等の雑
音成分が含まれている場合について説明する。図15に
示す遅延検波復調器が上記雑音成分を含んだπ/4−Q
PSK信号401を入力した場合、この雑音成分により
位相がずれ、複素/角度変換器13から出力される位相
データSa((n−1)T)、Sa(nT)、Sa
((n+1)T)・・・が、例えば{0、2、9、・・
・}となったとする。この場合、遅延検波器21が出力
する位相差データDa(nT)、Da((n+1)T)
・・・は(3)式により{2、7、・・・}となり、2
シンボル目の位相差データDa((n+1)T)は
{7}となる。これにより判定器22は、上記2シンボ
ル目の位相差データDa((n+1)T)が第2象限に
存在すると判定して復調データ404を(0、1)と出
力するため、送信側が出力したオール0パターンのπ/
4−QPSK信号401との差異が生じ、ビット誤りが
発生する。
【0026】しかし、図1に示す遅延検波復調器が上述
の雑音成分を含んだπ/4−QPSK信号401を入力
すると、遅延検波器21からの位相差データDa(n
T)、Da((n+1)T)・・・が{2、7、・・
・}と出力されるのは図15に示す遅延検波復調器と同
様であるが、図1に示す遅延検波復調器では、遅延検波
器21が出力した位相差データDa(nT)、Da
((n+1)T)・・・に対して補正回路31が図3
(a)に示すような補正処理を行う。つまり、1シンボ
ル目の位相差データDa(nT)が{2}であるため、
補正値設定回路312は図3(a)に示すように補正値
を{1}と設定してシフトレジスタ311に出力する。
シフトレジスタ311は、補正値{1}を1シンボル遅
延させた後、減算器313が1シンボル後の位相差デー
タDa((n+1)T)である{7}を入力したとき
に、上記補正値{1}を減算器313に出力する。減算
器313は、1シンボル後の位相差データDa((n+
1)T)から補正値{1}を減算することで、1シンボ
ル後の補正位相差データHa((n+1)T)は{6}
となる。これにより補正回路31が出力する補正位相差
データHa(nT)、Ha((n+1)T)・・・は
{2、6、・・・}となる。従って、判定器22は、2
シンボル目の補正位相差データHa((n+1)T)が
{6}であることから、2シンボル目の補正位相差デー
タHa((n+1)T)が第1象限に存在すると判定し
てHa((n+1)T)に対応する復調データ404a
を(0、0)と出力する。これにより、判定器22から
出力される復調データ404aは、オール0パターンの
データとなるため、送信側が出力したオール0パターン
のπ/4−QPSK信号401と判定器22から出力さ
れる復調データ404aとは同じ値となり、ビット誤り
が防止できることが判る。
【0027】上記の例は、補正を行うことでビット誤り
が防止できる場合の例であるが、逆に補正を行うことに
より象限ずれを起こしてビット誤りを発生させてしまう
場合も存在する。しかし、ガウス伝送路では補正を行う
ことでビット誤りを発生させてしまう確率よりもビット
誤りを防止できる確率の方が高いため、全体的には補正
を行うことによってビット誤り率を改善することができ
る。
【0028】今までの説明では、補正回路31による補
正値の設定を図3(a)に示すように、象限情報を取り
除いた補正位相差データHa(nT)が{0〜2}の場
合は1、{3}の場合は0、{4〜6}の場合は−1と
補正値を設定するものとして説明を行ったが、ガウス伝
送路においては、補正値の幅をより広げて、図3(b)
に示すような補正値の設定を行っても良い。つまり、象
限情報を取り除いた補正位相差データHa(nT)が
{0〜1}の場合は2、{2}の場合は1、{3}の場
合は0、{4}場合は−1、{5〜6}の場合は−2と
補正値の設定を行えば、図3(a)に示した補正値を用
いた場合より検波する際の基準信号の雑音成分が少なく
なるように補正値を設定することができるため、ガウス
伝送路においては更にビット誤り率特性を改善でき、よ
り同期検波方式に近いビット誤り率特性を得ることがで
きる。
【0029】また、この実施の形態では補正値の設定方
法を図3(a)及び図3(b)の2種類を示したが、補
正値の設定方法は使用する伝送路の特性に応じて様々に
設定しても構わない。また、この実施の形態ではπ/4
−QPSK信号401を使用して補正回路31の説明を
行ったが、例えば2相位相変調信号、又は8相位相変調
信号等の遅延検波方式が使用可能な変調信号において
は、この補正回路31による位相差データに対する補正
ができることは言うまでもない。更に、図1の位相検出
手段1は直交検波器11、A/D変換器12、及び複素
/角度変換器13により構成されているが、位相を検出
し遅延検波器21に位相データSa(nT)を出力でき
ればどのような構成にしても構わないことは言うまでも
ない。
【0030】また、図2では遅延検波器21の下流に補
正回路31を配置して位相差データDa(nT)を補正
する場合について説明したが、その他に図2で説明した
遅延検波器21と補正回路31との組み合わせを図4
(a)又は図4(b)のように変更しても図2に示す配
置と同じ効果を得ることができる。図4(a)は減算器
313を減算器222の上流に配置した場合の例で、位
相データSa(nT)に対して減算器313で補正を行
って、その後シフトレジスタ221と減算器222とに
よって遅延検波を行う。図4(b)は減算器313の代
わりに加算器314を設け、補正値設定回路312で設
定した補正値を位相データSa(nT)に加算する場合
の例であり、加算器314で位相データSa(nT)と
補正値とを加算してシフトレジスタ221に入力し、減
算器222で遅延検波を行う。この図4(b)の場合
は、図2に示すシフトレジスタ311を省略することが
できる。
【0031】また、図2に示す補正値設定回路312は
減算器313から出力された補正位相差データHa(n
T)を入力していたが、図5に示す補正値設定回路31
2aのように判定器22aが出力する象限象報を取り除
いた補正位相差データHa(nT)を入力して補正値を
設定する構成も可能である。
【0032】また、この実施形態では複素/角度変換器
13が出力する位相データSa(nT)は28分割に量
子化されているものとして説明を行ったが、実際にLS
I等を用いて機器を構成した場合、例えば32分割のよ
うに2n分割に量子化した方が計算が簡単になる。しか
し、32分割に量子化した場合、遅延検波を行なうこと
により出力される位相差データDa(nT)の確率密度
分布の中心は、位相角における基準値と接する位相差デ
ータDa(nT)のうち、何れか一方の値となる。
【0033】つまり、32分割に量子化した位相差デー
タDa(nT)の基準値は、第1象限では{4}とな
り、位相角における基準値{π/4}と比較すると、図
6(a)に示すようにずれが生じることが分かる。この
ような場合に図3(a)に示す補正値を用いた場合と同
等の効果を得るためには、図6(a)に示すように補正
位相差データHa(nT)が{0〜3}の場合は1、
{4〜7}の場合は0のように、上記基準値のずれを考
慮した補正値を設定すればよい。また、図6(b)に示
すように補正位相差データHa(nT)が{0〜2}の
場合は2、{3}の場合は1、{4}の場合は0、{5
〜7}の場合は−1と補正値を設定すれば、図3(b)
と同等の効果を有することができる。更に、16分割、
64分割等、2n分割に量子化することで基準値がずれ
た場合、補正値は該基準値のずれを考慮して設定すれば
よいことは言うまでもない。
【0034】尚、図3(a)、又は図3(b)のように
位相差データDa(nT)に補正を行った場合、ガウス
伝送路におけるビット誤り率特性は向上するが、次シン
ボル以降に入力してくる位相差データDa((n+1)
T)、Da((n+2)T)・・・まで設定した補正値
の影響が残ることで、フェージングによる位相変動に対
する追従性が悪くなり、フェージング伝送路において
は、補正を行わない場合よりもビット誤り率特性が劣化
する。よって、ガウス伝送路においては、図3(a)又
は図3(b)のような補正値を設定することで、ビット
誤り率特性をより同期検波方式に近づけ、また、フェー
ジング伝送路においては補正を行わずに、フェージング
による位相変動に対する追従性の良い従来の遅延検波回
路をそのまま用いれば、フェージング伝送路においても
同期検波方式に比べてビット誤り率特性が良くなる。つ
まり、伝送路の状態に応じて補正値を適宜設定すること
でビット誤り率特性が改善した遅延検波回路を得ること
ができる。後述の実施の形態では、伝送路の状態に応じ
て補正値の設定を行うことのできる遅延検波復調器の実
施の形態を説明する。
【0035】実施の形態2.図7は実施の形態2に係わ
る遅延検波復調器の構成を示すブロック図であり、図
中、図1と同一符号は同一、又は相当部分を示し説明を
省略する。図において2bは検波手段であり、図1に示
す検波手段2aとは遅延検波器21が出力する位相差デ
ータDa(nT)を入力し、伝送路情報405を補正回
路31aに対して出力する伝送路判定手段32を新たに
設けた点が相違する。また、図8はガウス伝送路及びフ
ェージング伝送路における位相差データDa(nT)の
ばらつきの出現頻度分布の一例を示す確率密度分布図で
あり、図9は伝送路判定手段32が現在通信している伝
送路の状態を判定する判定方法を説明する説明図であ
る。
【0036】次に動作について説明する。一般に、ガウ
ス伝送路における位相差データDa(nT)の確率密度
分布は、図8に示すような形態となる。それに対し、フ
ェージング伝送路においては、反射波や回折波が互いに
干渉することで受信信号の振幅や位相が急激に変動する
現象が起こるため、位相差データDa(nT)の確率密
度分布は、ガウス伝送路の場合と比較するとより平坦に
分布する。つまり、ガウス伝送路とフェージング伝送路
とでは位相差データDa(nT)の確率密度分布の傾き
が異なることに着目し、2種類の位相の範囲に分布する
割合の比を用いることによって、ガウス伝送路かフェー
ジング伝送路かを判定する。
【0037】例えば、この伝送路判定手段32は、象限
情報を取り除いた位相差データDa(nT)が図9
(a)のように{0}、又は{6}に分布する割合と、
図9(b)のように{0〜2}、又は{4〜6}に分布
する割合の比を閾値で比較する。つまり、伝送路判定手
段32が伝送路の状態を判定する場合には、象限情報を
取り除いた位相差データDa(nT)が図9(a)と図
9(b)の範囲に分布する割合を求め、図9(a)の範
囲に分布する位相差データDa(nT)の割合と図9
(b)の範囲に分布する位相差データDa(nT)との
割合の比が所定の閾値より大きい場合はフェージング伝
送路と判定し、そうでない場合はガウス伝送路と判定し
て、この判定結果を伝送路情報405として補正回路3
1aに通知する。尚、傾きの比較ができれば、位相差デ
ータDa(nT)が分布する割合を求める範囲の設定を
変えても構わないことは言うまでもない。
【0038】これにより補正手段31aは、現在通信し
ている伝送路がガウス伝送路かフェージング伝送路かの
区別を行なうことができるので、伝送路の状態に応じて
適宜補正値の設定を行うことができる。例えば、ガウス
伝送路の場合は補正値を図3(a)又は図3(b)のよ
うに設定することで、ビット誤り率特性を改善すること
ができ、フェージング伝送路の場合は補正値の設定を行
わないことで、フェージングによる位相変動に対しては
追従性の良い従来の遅延検波が行えるようになる。
【0039】また、この実施の形態では、伝送路判定手
段32に位相差データDa(nT)を用いて判定してい
るが、代わりに補正位相差データHa(nT)aを入力
して判定に用いても構わない。さらに、伝送路判定手段
32が伝送路状態を判定するための情報としては、例え
ば受信信号レベルの大小、又はフェージングピッチ等伝
送路状態の判定条件になるものであれば他の情報を用い
ても構わない。
【0040】実施の形態3.図10は実施の形態3に係
わる遅延検波復調器の構成を示すブロック図であり、図
中、図1と同一符号は同一、又は相当部分を示し説明を
省略する。図において2cは検波手段であり図1に示す
検波手段2とは、補正回路31bがモード情報通知手段
33よりモード情報406を入力し、これにより適宜補
正値の設定を行う点が相違する。また、モード情報通知
手段33とは、例えばこの遅延検波復調器を用いてデー
タ受信を行う受信機等のホスト(図示せず)から後述す
るモード情報を入力し、補正回路31bにモード情報4
06を通知する手段のことである。
【0041】次に動作について説明する。尚、ここで上
記受信機等で用いられ、この実施の形態で使用する2種
類のモード情報を簡単に説明する。 (1)捕捉モードとは、無線による通信を開始する場
合、送信側が出力した信号を上記受信機が捕捉するモー
ドであり、具体的にはこの通信の開始時に発生する送信
側との周波数偏差を受信機が内蔵する自動周波数制御回
路により取り除き、同期を取るまでの初期動作のモード
をいう。 (2)定常モードとは、上記捕捉モードで送信側との同
期が図れた後に通信を行うモードであり、具体的には上
記周波数偏差が上記自動周波数制御回路により取り除か
れたモードをいう。
【0042】補正回路31bは、上記モード情報通知手
段33からのモード情報406を入力し、この入力した
モード情報406が捕捉モードの場合、送信側との間に
は大きな周波数偏差が存在する可能性があり、補正値の
設定を行うとかえってビット誤り率特性が悪くなると判
定して補正値の設定を行わない。また、入力したモード
情報406が定常モードの場合、補正回路31bは送信
側との間には大きな周波数偏差が存在しないと判定して
補正値の設定を行うことでガウス伝送路におけるビット
誤り率特性を向上させ、より同期検波方式に近いビット
誤り率特性を得ることができる。このように、補正回路
31bはモード情報通知手段33から入力するモード情
報406に応じて適宜補正値を設定するため、この実施
の形態に示す遅延検波復調器は受信機の動作モードに応
じて好適な状態で受信を行うことができる。
【0043】実施の形態4.図11は実施の形態4に係
わる遅延検波復調器の構成を示すブロック図であり、図
中、図1と同一符号は同一、又は相当部分を示し説明を
省略する。図において、2dは検波手段であり、22b
は図1に示す判定器22の機能に加えて補正位相差デー
タHa(nT)を硬判定した際の、その象限における基
準値(以後、基準位相差データ407と称す)を出力す
る判定器、31cは図1に示す補正回路31の機能に加
えて判定器22bから基準位相差データ407を入力し
て、内蔵する自動周波数制御回路(以後、AFC回路と
略す)によって、送信側との周波数偏差により発生する
位相ずれに対して補正を行うことで前記周波数偏差の影
響を軽減するAFC機能付補正回路である。また、図1
2はAFC機能付補正回路31cの動作を説明する説明
図であり、図において、34は平均回路341、減算器
342、343より構成されるAFC回路である。更に
408は減算器343において補正位相差データHa
(nT)cから基準位相差データ407を減ずることで
出力される位相偏差、409は平均回路341が位相偏
差408を平均化して出力する位相偏差情報である。
【0044】上記実施の形態1〜3において角周波数偏
差△ωが存在する場合、遅延検波後の位相差データDa
(nT)は、 Da(nT)=θm(nT)−θm((n−1)T)+△ωT+π/4 (4) となり、位相差データDa(nT)の基準値から△ωT
分の位相ずれを生じ、これにより象限ずれが発生するた
めビット誤り率特性が劣化する。この実施の形態では、
上述の周波数偏差による位相ずれの影響を取り除くた
め、図1の補正回路31にAFC回路34を内蔵してA
FC機能付補正回路31cを生成した。このAFC機能
付補正回路31cの動作を図12について説明する。
【0045】AFC回路34は減算器343において、
補正位相差データHa(nT)cから基準位相差データ
407を減算して1シンボル毎の位相偏差408を平均
回路341に出力する。平均回路341は、該入力した
位相偏差408を平均化して位相偏差情報409を減算
器342に出力し、減算器342で減算を行うことで補
正位相差データHa(nT)cから周波数偏差による位
相ずれを除去する。これにより、図11に示す遅延検波
復調器は入力するπ/4−QPSK信号401が有する
周波数偏差による位相ずれの影響を軽減し、更に実施の
形態1に示すような補正値の設定を行うことで、より良
好なビット誤り率特性を得ることができる。
【0046】実施の形態5.図13は実施の形態5に係
わる遅延検波復調器の構成を示すブロック図であり、図
中、図1と同一符号は同一、又は相当部分を示し説明を
省略する。図において、35は2つのアンテナ(図示せ
ず)が入力する受信π/4−QPSK信号401a、及
び401bの受信レベルを比較して、大きい方をπ/4
−QPSK信号401として検波手段1に出力するアン
テナ選択ダイバーシチ回路である。また、図14(a)
はこのアンテナ選択ダイバーシチ回路35の構成を示す
ブロック図であり、図において351は2つのアンテナ
の切り替えを行うアンテナ切替スイッチ、352は上述
の2つのアンテナが各々受信する受信π/4−QPSK
信号401a及び401bの受信レベルを測定して、各
々に対する受信レベル信号410を出力する受信レベル
測定器(以後、RSSIと略す)、353はこの受信レ
ベル信号410をA/D変換してディジタル受信レベル
信号411を出力するA/D変換器、354はこのディ
ジタル受信レベル信号411を入力して、アンテナ切替
スイッチ351を受信レベルの大きい方のアンテナに切
り替えるアンテナ選択制御回路である。また、図14
(b)はアンテナ選択制御回路354によるアンテナ切
替スイッチ351の切替方法を説明する説明図である。
ここで受信スロットとは、連続して受信する信号の一ま
とまりのことで、上記アンテナの何れかが選択された場
合、少なくともこの受信スロットの間は選択したアンテ
ナを使用する。
【0047】次に動作を図14について説明する。アン
テナ選択制御回路354は、図14(b)に示すよう
に、受信スロットの直前でアンテナ切替スイッチ351
を切り替えて、受信π/4−QPSK信号401a、及
び401bをRSSI352に入力する。次に、RSS
I352が入力した受信π/4−QPSK信号401
a、及び401bの受信レベルを測定して受信レベル信
号410をA/D変換器353に出力し、A/D変換器
353が受信レベル信号410をA/D変換してディジ
タル受信レベル信号411をアンテナ選択制御回路35
4に出力する。アンテナ選択制御回路354は、入力し
たディジタル受信レベル信号411により受信π/4−
QPSK信号401a及び401bの受信レベルを比較
し、受信レベルの大きい方の信号が入力されたアンテナ
をアンテナ切替器351によって選択する。これによ
り、上記受信スロット間はアンテナ選択制御回路354
により選択されたアンテナからの信号がπ/4−QPS
K信号401として検波手段1に出力される。その後の
動作は図1の遅延検波復調器と同様である。
【0048】上記のように、アンテナ選択ダイバーシチ
回路35を用いてπ/4−QPSK信号401を受信す
ることで、信号電力対雑音電力比が増加するためフェー
ジング伝送路におけるビット誤り率特性を向上させるこ
とができる。これにより、フェージングの影響が軽減さ
れた状態において、補正回路31で補正値を設定するこ
とによって、フェージング伝送路においてもビット誤り
率特性を改善することができる。
【0049】なお、ダイバーシチ受信方式として、アン
テナ選択ダイバーシチ以外の選択ダイバーシチや合成ダ
イバーシチ、また、ブランチ構成の観点からみた場合に
偏波ダイバーシチ、周波数ダイバーシチ、時間ダイバー
シチ等、他の方式を用いてもよい。更に、この実施の形
態で示した位相検出手段1の上流でダイバーシチ受信を
行う方式だけでなく、位相検出手段1及び検波手段2a
を複数用意し、各々の検波手段2aから出力される復調
データ404aの内、受信レベルの最も大きいπ/4−
QPSK信号401に対応する復調データ404aを選
択する検波後選択ダイバーシチ等のダイバーシチ受信方
式を用いても良い。
【0050】
【発明の効果】この発明によれば、遅延検波復調器は、
補正回路が、位相差データを入力し、該位相差データと
該位相差データに雑音成分の無い状態を示す基準値とを
比較して、位相差データの1シンボル後に出力される位
相差データに含まれる雑音成分を減少させる補正値を設
定するとともに、該位相差データの1シンボル後に出力
される位相差データを補正値で補正して補正位相差デー
タを出力するので、遅延検波手段が出力した1シンボル
後の位相差データが有する雑音成分を補正知よって減少
させた補正位相差データを出力できるため、ガウス伝送
路におけるビット誤り特性が改善する効果がある。
【0051】また、次の発明によれば、遅延検波復調器
は、補正回路が、遅延検波手段が出力する位相差データ
を入力して、該位相差データと該位相差データに雑音成
分の無い状態を示す基準値とを比較して、位相差データ
の1シンボル後に出力される位相差データのもととなる
位相データに含まれる雑音成分を減少させる補正値を遅
延検波手段に帰還し、遅延検波手段が、位相データと帰
還した補正値とを減算して補正位相データを出力する第
1の減算器と、位相データを1シンボル分遅延させるシ
フトレジスタと、補正位相データとシフトレジスタが出
力する1シンボル分遅延した位相データとを減算して補
正位相差データを出力する第2の減算器を有し、判定手
段が、遅延検波手段が出力する補正位相差データを入力
して硬判定するので、遅延検波回路は補正値を加味した
補正位相データにより遅延検波を行うことで帰還回路構
成となり、複数シンボルにわたる補正位相差データに含
まれる雑音成分を用いることで、検波する際の基準信号
の雑音成分がより少なくなるような補正値が設定できる
ため、ビット誤り率特性をより改善できる効果がある。
【0052】また、次の発明によれば、遅延検波復調器
は、補正回路が、遅延検波手段が出力する位相差データ
を入力して、該位相差データと該位相差データに雑音成
分の無い状態を示す基準値とを比較して、位相差データ
の1シンボル後に出力される位相差データのもととなる
位相データに含まれる雑音成分を減少させる補正値を遅
延検波手段に帰還し、遅延検波手段が、位相データと帰
還した補正値とを加算して補正位相データを出力する加
算器と、補正位相データを1シンボル分遅延させて出力
するシフトレジスタと、該シフトレジスタが出力する1
シンボル分遅延した補正位相データと位相データとを減
算して補正位相差データを出力する減算器を有し、判定
手段が、遅延検波手段が出力する補正位相差データを入
力して硬判定するので、遅延検波回路は補正値を加味し
た補正位相データにより遅延検波を行うことで、帰還回
路構成となり、複数シンボルにわたる補正位相差データ
に含まれる雑音成分を用いることで、検波する際の基準
信号の雑音成分がより少なくなるような補正値が設定で
きるため、ビット誤り率特性をより改善できる効果があ
る。
【0053】また、次の発明によれば、遅延検波復調器
は、補正回路が、送受信間の伝送路の状態を判定する伝
送路判定手段を設け、該伝送路判定手段の結果により補
正値の設定を行うので、ガウス伝送路においては補正値
を設定することでビット誤り率特性を改善することがで
き、フェージング伝送路においては補正値を設定をしな
いことで従来の遅延検波復調器が有する位相変動に対す
る追従性の良さを生かせるため、伝送路の条件に応じて
好適な状態で受信を行うことができる効果がある。
【0054】また、次の発明によれば、遅延検波復調器
は、伝送路判定手段が、位相差データ又は補正位相差デ
ータの何れかのばらつきの出現頻度分布に基づいて伝送
路状態を判定するので、伝送路の状態を簡単に判定でき
る効果がある。
【0055】また、次の発明によれば、遅延検波復調器
は、補正回路が、当該遅延検波復調器を使用する受信機
の動作モードに応じて補正値の設定を行うので、受信機
の動作モードに応じて好適な状態で受信を行うことがで
きる効果がある。
【0056】また、次の発明によれば、遅延検波復調器
は、補正回路が、送信側との周波数偏差による位相ずれ
を検出して、該位相ずれの影響を軽減する自動周波数制
御回路を設けたので、送信側との周波数偏差による位相
ずれの影響を軽減できるため、周波数偏差が存在しない
場合と同様に補正値の設定をすることで、周波数偏差が
存在する場合においてもビット誤り率特性が改善できる
効果がある。
【0057】更に、次の発明によれば、遅延検波復調器
は、位相変調信号を受信する場合は、ダイバーシチ受信
方式を用いて受信するので、フェージングの影響を軽減
できるため、補正値の設定をすることで、フェージング
伝送路においてもビット誤り率特性が改善できる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1における遅延検波復調
器の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1における遅延検波器と
補正回路との動作を説明する説明図である。
【図3】この発明の補正値設定回路が補正値を設定する
場合の動作を説明する説明図である。
【図4】この発明の実施の形態1における遅延検波器と
補正回路との動作を説明する説明図であり、補正値設定
回路が有する減算器を遅延検波器が有する減算器の上流
に配置した場合の例と、補正値設定回路が有する減算器
の代わりに加算器を設け、この加算器を遅延検波器の上
流に配置した場合の例を示す。
【図5】この発明の実施の形態1における補正回路の構
成の別例を示した構成図である。
【図6】この発明の実施の形態1における複素/角度変
換器が出力する位相データを32分割に量子化したとき
に、補正値設定回路が補正値を設定する場合の動作を説
明する説明図である。
【図7】この発明の実施の形態2における遅延検波復調
器の構成を示すブロック図である。
【図8】ガウス伝送路及びフェージング伝送路の位相差
データのばらつきの出現頻度を示す確率密度分布図であ
る。
【図9】この発明の実施の形態2における遅延検波復調
器が有する伝送路判定手段がフェージング伝送路かガウ
ス伝送路かを判定する判定条件を説明する説明図であ
る。
【図10】この発明の実施の形態3における遅延検波復
調器の構成を示すブロック図である。
【図11】この発明の実施の形態4における遅延検波復
調器の構成を示すブロック図である。
【図12】この発明の実施の形態4におけるAFC機能
付補正回路の動作を説明する説明図である。
【図13】この発明の実施の形態5における遅延検波復
調器の構成を示すブロック図である。
【図14】この発明の実施の形態5におけるアンテナ選
択ダイバーシチ回路の構成と動作を説明する説明図であ
る。
【図15】従来例における遅延検波復調器の構成を示す
ブロック図である。
【図16】直交検波器、遅延検波器、及び判定器の動作
を説明する説明図である。
【符号の説明】
2a、2b、2c、2d 検波手段 22a 判定器 31、31a、31b、31c 補正回路 311 シフトレジスタ 312、312a 補正値設定回路 313、342、343 減算器 314 加算器 32 伝送路判定手段 33 モード情報通知手段 34 AFC回路 341 平均回路 35 アンテナ選択ダイバーシチ回路 351 アンテナ切替回路 352 RSSI回路 353 A/D変換器 354 アンテナ選択制御回路 404a、404b 404c、404d 復調データ 405 伝送路情報 406 モード情報 407 基準位相差データ 408 位相偏差 409 位相偏差情報 410 受信レベル信号 411 ディジタル受信レベル信号 Ha(nT)、Ha(nT)a、 Ha(nT)b、Ha(nT)c 補正位相差データ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】受信した位相変調信号から位相データを検
    出する位相検出手段と、 上記位相データを入力し、該位相データと該位相データ
    の1シンボル前の位相データとを減算して位相差データ
    を出力する遅延検波手段と、 上記位相差データを入力し、該位相差データと該位相差
    データに雑音成分の無い状態を示す基準値とを比較し
    て、上記位相差データの1シンボル後に出力される位相
    差データに含まれる雑音成分を減少させる補正値を設定
    するとともに、上記位相差データの1シンボル後に出力
    される位相差データを上記補正値で補正して補正位相差
    データを出力する補正回路と、 該補正回路が出力する補正位相差データを硬判定する判
    定手段とを備えたことを特徴とする遅延検波復調器。
  2. 【請求項2】補正回路は、遅延検波手段が出力する位相
    差データを入力して、該位相差データと該位相差データ
    に雑音成分の無い状態を示す基準値とを比較して、上記
    位相差データの1シンボル後に出力される位相差データ
    のもととなる位相データに含まれる雑音成分を減少させ
    る補正値を上記遅延検波手段に帰還し、 遅延検波手段は、位相データと帰還した上記補正値とを
    減算して補正位相データを出力する第1の減算器と、上
    記位相データを1シンボル分遅延させるシフトレジスタ
    と、上記補正位相データと上記シフトレジスタが出力す
    る1シンボル分遅延した位相データとを減算して補正位
    相差データを出力する第2の減算器を有し、 判定手段は、遅延検波手段が出力する補正位相差データ
    を入力して硬判定することを特徴とする請求項第1項記
    載の遅延検波復調器。
  3. 【請求項3】補正回路は、遅延検波手段が出力する位相
    差データを入力して、該位相差データと該位相差データ
    に雑音成分の無い状態を示す基準値とを比較して、上記
    位相差データの1シンボル後に出力される位相差データ
    のもととなる位相データに含まれる雑音成分を減少させ
    る補正値を上記遅延検波手段に帰還し、 遅延検波手段は、位相データと帰還した上記補正値とを
    加算して補正位相データを出力する加算器と、上記補正
    位相データを1シンボル分遅延させて出力するシフトレ
    ジスタと、該シフトレジスタが出力する1シンボル分遅
    延した補正位相データと上記位相データとを減算して補
    正位相差データを出力する減算器を有し、 判定手段は、上記遅延検波手段が出力する補正位相差デ
    ータを入力して硬判定することを特徴とする請求項第1
    項記載の遅延検波復調器。
  4. 【請求項4】補正回路は、送受信間の伝送路の状態を判
    定する伝送路判定手段を設け、該伝送路判定手段の結果
    により補正値の設定を行うことを特徴とする請求項第1
    項乃至第3項の何れかに記載の遅延検波復調器。
  5. 【請求項5】伝送路判定手段は、位相差データ又は補正
    位相差データの何れかのばらつきの出現頻度分布に基づ
    いて伝送路状態を判定することを特徴とする請求項第4
    項記載の遅延検波復調器。
  6. 【請求項6】補正回路は、当該遅延検波復調器を使用す
    る受信機の動作モードに応じて補正値の設定を行うこと
    を特徴とする請求項第1項乃至第3項の何れかに記載の
    遅延検波復調器。
  7. 【請求項7】補正回路は、送信側との周波数偏差による
    位相ずれを検出して、該位相ずれの影響を軽減する自動
    周波数制御回路を設けたことを特徴とする請求項第1項
    乃至第3項の何れかに記載の遅延検波復調器。
  8. 【請求項8】位相変調信号を受信する場合は、ダイバー
    シチ受信方式を用いて受信することを特徴とする請求項
    第1項乃至第7項の何れかに記載の遅延検波復調器。
JP8021138A 1995-08-10 1996-02-07 遅延検波復調器 Pending JPH09116588A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009055279A (ja) * 2007-08-27 2009-03-12 Iwatsu Electric Co Ltd 自動周波数制御方法と装置

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