JP2009055279A - 自動周波数制御方法と装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ディジタル無線通信における送信信号のキャリア周波数との周波数ずれによる受信信号の判定復号の誤り率の劣化を防ぐことができる自動周波数制御方法を実現する。
【解決手段】 減算回路40に遅延検波信号11を入力して、キャリア周波数との周波数ずれに起因する成分である平均化回路30からの平均化信号31を減算して減算信号41を得る。この減算信号41と、基準として設定された信号点との位相差を、位相誤差信号21として位相誤差検出回路20により検出する。検出された位相誤差信号21を平均化回路30に送出して所定期間平均化する。
【選択図】 図1

Description

本発明は自動周波数制御方法と装置に関する。より詳しくは、とくにディジタル無線通信の受信機において送信信号のキャリア周波数に追従するために用いるのに適した自動周波数制御(AFC;automatic frequency control)方法と装置に関する。
近時、ディジタル無線通信においては、周波数の良好な利用効率という点から、ベース・バンド信号が有する情報をそのまま変調波に再現する線形変調が用いられることが多い。このような線形変調によりベース・バンド信号の情報が付加された変調波を受信側で復調するには、一般に、同期検波または遅延検波が復調方式として用いられるが、これらの復調方式では、送信信号のキャリア周波数に追従して受信状態を最適に保つために、受信機にAFC回路を具備するのが一般的である。
そこで、従来より用いられているAFC回路の構成例を、図4に示し説明する(従来例1)。ここで、図4は、復調方式として遅延検波方式を用いた受信機のAFC回路の構成を示す回路構成図である。
図4において、図示されてはいない遅延検波回路からのシンボル識別タイミングにおける遅延検波信号11は、2分岐されて、一方は位相誤差検出回路20に入力され、他方は、減算回路40に入力される。ここにおける遅延検波信号11は、送信側の変調方式が、π/4シフトQPSK(quadrature phase shift keying)である場合は、そこに含まれる信号成分は4値となるが、実際の遅延検波信号11は、これにノイズ成分やキャリア周波数とのずれに起因した成分が重畳したものとなる。以下では、遅延検波信号11は、位相により表現するものとし、θ(nT)(nは整数、Tはシンボル時間長)と表すことにする。
上述のように、遅延検波回路からの遅延検波信号11は、2分岐されて、一方は位相誤差検出回路20に入力される。遅延検波信号11が入力された位相誤差検出回路20では、遅延検波信号11の位相について仮判定を行い、遅延検波信号11の位相と、遅延検波信号11の仮判定結果と対応関係が設けられた、周波数ずれがない場合の理想的な信号点である基準位相との位相差を、位相誤差信号21(Δθ(nT))として出力する。
表1は、遅延検波信号11が8ビットの位相表現である場合の、遅延検波信号11と理想的な信号点との関係の一例を示すものである。
Figure 2009055279
上記表1において、位相誤差検出回路20に入力された遅延検波信号11の位相が、たとえば“36”である場合は、仮判定における信号点は、位相が“32”となるので、位相差は“4”となる。そこで、この位相差が位相誤差信号21として位相誤差検出回路20より出力されることになり、出力された位相誤差信号21は、平均化回路30に送出される。
平均化回路30では、入力された位相誤差信号21(Δθ(nT))を一定期間平均化処理して得られた平均化信号31を、遅延検波信号11における周波数ずれに起因した成分の推定値(以下、「平均位相誤差」という。)Mean[Δθ(nT)]として出力する。
他方、遅延検波回路からの遅延検波信号11が入力された減算回路40では、遅延検波信号11における平均位相誤差Mean[Δθ(nT)]を、遅延検波信号11(θ(nT))より減算し、得られた減算信号41を、キャリア周波数とのずれを補正するためのAFC補正信号θout(nT)として出力する。
以上のAFC回路の動作について、数式を用いてさらに詳しく説明する。なお、ここでは、π/4シフトQPSKにより変調された信号を遅延検波するものとしている。
位相誤差検出回路20に入力された、位相で表現した遅延検波信号11をシンボル・クロックでラッチした信号を、前述のようにθ(nT)(nは整数、Tはシンボル時間長)とすると、θ(nT)は、理想的には次に示す通りの4値となる。
θ(nT)=±π/4,±3π/4
そこで、位相誤差検出回路20においてθ(nT)をcos(Δθ)軸およびsin(Δθ)軸で仮判定した信号を、θ(nT)とすると、θ(nT)は、次の通りとなる。
θ(nT)=±π/4,±3π/4
この場合、位相誤差信号21(Δθ(nT))は、次式で表される。
Δθ(nT)=θ(nT)−θ(nT)
この位相誤差信号21の送出を受けた平均化回路30では、時刻t=nTにおける位相誤差信号21の平均化処理を行う。平均化処理の方法としては、たとえば、過去の値の重みを順次減らす忘却係数を用いた加重平均がある。この加重平均を用いる場合は、位相誤差信号21(Δθ(nT))および1シンボル前の平均位相誤差Mean[Δθ(nT)]を用いて、次式により、時刻t=(n+1)Tにおける平均位相誤差Mean[Δθ{(n+1)T}]を得る。
Mean[Δθ{(n+1)T}]=(1/N)Δθ(nT)
+{(N−1)/N}Mean[Δθ(nT)]
このようにして平均化回路30により得られた平均化信号31は、減算回路40に送出される。
減算回路40では、遅延検波回路からの遅延検波信号11(θ(nT))より平均化信号31を減算して得られる減算信号41を、周波数ずれを補正したAFC補正信号θOUT(nT)として出力する。AFC補正信号θOUT(nT)は、次式により表される。
θOUT(nT)=θ(nT)−Mean[Δθ(nT)]
=θ(nT)−{(N−1)/N}Mean[Δθ{(n−1)T}]
−(1/N)[θ{(n−1)T}−θ{(n−1)T}] (1)
このように、図4に示したAFC回路では、検波信号より位相誤差の平均値を差し引いた信号、すなわちキャリア周波数とのずれに起因した成分をほぼ差し引いた信号を、AFC補正信号θOUT(nT)として出力し、この信号を用いて判定復号を行っている。
図5は、図4に示したAFC回路による仮判定の様子を説明するためのスペース・ダイヤグラムであり、送信側の変調方式がπ/4シフトQPSKである場合を示している。
図5において、○(白丸)は、キャリア周波数との周波数ずれがない場合の理想的な信号点を示しており、周波数ずれがない場合は、検波信号は、座標平面上のA点、B点、C点、D点のいずれかの座標となる。
これに対して、●(黒丸)は、周波数ずれがある場合の検波信号を示しており、周波数ずれがある場合は、検波信号は、周波数ずれによる位相誤差分ずれたA’点、B’点、C’点、D’点のいずれかの座標となる。この場合、A’点、B’点、C’点、D’点は、周波数ずれがない場合のA点、B点、C点、D点とそれぞれ座標平面上で同一の象限にあるため、各象限に割り当てられた符号の判定については、これを誤ることはない。
しかし、周波数ずれが大きく、位相誤差の絶対値がπ/4ラジアンを超え、ΔfT(Δfは周波数ずれ、Tはシンボル時間長)の絶対値が1/8を超える場合は、AFC回路の動作は正しく行われなくなる。
すなわち、たとえば、周波数ずれにより、+3π/8ラジアンの位相誤差があるとする。その場合、図5の位相誤差がないときのA点についてみると、+3π/8ラジアンの位相誤差により、検波信号は、第1象限上のA点から+3π/8ラジアン偏移して、第2象限上の座標となる。
この場合、AFC回路は、本来は、第1象限上の理想的な信号点であるA点との対応関係から、検波信号の位相誤差を判断すべきところを、第2象限上のB点との対応関係から位相誤差を判断してしまうことになる。したがって、符号判定においては、正しくは第1象限に割り当てられた符号であると判定すべきところを、誤って第2象限に割り当てられた符号であると判定してしまうことになる。
図6は、図4に示した従来例1によった場合の符号判定の誤り率特性を示すものである。ここで、図6は、簡易型携帯電話であるPHS(personal handy phone system)に従来例1を適用した場合を示しており、垂直軸は符号判定の誤り率を表しており、水平軸はキャリア周波数とのずれを表している。図示するところから理解され得るように、周波数ずれがない場合に符号判定の誤り率は最小となっており、周波数がずれるにしたがって誤り率特性は急激に劣化している。
そこで、他の従来例では、新規な大規模集積回路の開発を不要とし、また、高安定の周波数基準源を用いることによる受信機の大型化や高価格化を回避することができるソフトウェア設計が可能な手段により上記の問題に対処している(従来例2)。
すなわち、従来例2では、第1の制御段階として、遅延検波回路からの遅延検波信号を受けて検出された位相誤差Δθをもとに、局部発振信号の周波数制御を行う。その際、局部発振信号の周波数が変更される前後における混合回路からの中間周波の電力値の大小を比較して、受信レベルが増加しているか減少しているかの判定情報Kを得る。
ついで、第2の制御段階として、第1の制御段階において検出された位相誤差Δθの情報と、受信レベルの増減を示す判定情報Kをもとに、位相情報Δθaを次の計算式により算出し、得られた位相情報Δθaによって周波数制御をする。
Δθa=Δθ−(π/2)×K×sign(Δθ)
上式において、受信レベルが増加した場合は、K=0、受信レベルが減少した場合は、K=1、sign(x)は因数xの符号を表す関数(sign(x)=+1:x>0,sign(x)=−1:x<0,sign(x)=0:x=0)である。
ここで、位相誤差Δθの絶対値がπ/4ラジアンより小さい場合は、第1の制御段階では、局部発振信号の周波数は受信信号の周波数に追従し、周波数誤差Δf=0となったときに受信電力が最大となるため、受信レベルは増加する。したがって、K=0であるから、上記計算式より、Δθa=Δθとなる。そこで、第2の制御段階においても、第1の制御段階と同じ処理、すなわち−Δθに相応する−Δfだけ局部発振信号の周波数を変化させることとする。
他方、位相誤差Δθの絶対値がπ/4ラジアン以上でπ/2ラジアンより小さい場合は、第1の制御段階では、位相誤差Δθが−Δθ’と誤判断され、局部発振信号の周波数は、受信信号の周波数から離れる方向に変化するため、受信レベルは減少する。したがって、K=1であるから、上記計算式より、
Δθa=−Δθ’−(π/2)×1×(−1)=−Δθ’+π/2= Δθ
となる。そこで、第2の制御段階においては、−Δθに相応する−Δfだけ局部発振信号の周波数を変化させることとする。
このように、従来例2では、局部発振信号の周波数が変更される前後における混合回路からの中間周波の電力値の大小を比較して、受信レベルの増減を判定し、その判定結果から、局部発振信号の周波数を制御するようにしている。
以上説明したAFC回路を用いて周波数ずれを補正する各従来例1,2とは別に、AFC回路を用いずに、送信機側で挿入したパイロット・シンボル(既知のシンボル)を利用して周波数ずれを補正する方式がある。特開平10−271179号公報に記載の方式が、その1例で(従来例3)、この従来例3では、受信機において、検波されたベース・バンド帯で送信機側で周期的に挿入したパイロット・シンボルを検出し、検出されたパイロット・シンボルから、パイロット・シンボル・タイミングおよびシンボル・タイミングを検出する。そして、検出されたパイロット・シンボル・タイミングで、1つ前のパイロット・シンボルからの位相変動量を測定して平均位相変動量を求める。そこで、得られた平均位相変動量から周波数ずれを推定し、周波数ずれに見合う分だけ逆位相回転を行うことによって周波数ずれを補正するようにしている。
特開2001−237906号公報 特開平10−271179号公報
図4に示した従来例1によると、図5により説明したように、検波信号の仮判定を、cos(Δθ)軸およびsin(Δθ)軸を用いて行っていることから、周波数ずれが大きくなるにつれ、仮判定における雑音余裕度は減少し、誤り率特性は劣化することになる。
とくに、PHSでは、送信側の変調方式としてπ/4シフトQPSKが用いられており、周波数ずれにより1シンボル間にπ/4ラジアン以上の位相誤差が生ずると、検波信号の仮判定において誤りが発生し、これを補正することができなくなってしまう。すなわち、位相誤差の絶対値が、π/4ラジアンよりも小さい場合のみにしか正しい周波数制御が行われないことになる。
このPHSにおける誤り率の限界値は12.6ppmであり、この限界値に周波数ずれが近づくと、図6に示したように、誤り率は急激に大きくなっている。また、PHSの規格によれば、最大で6ppmまでの周波数ずれが起こり得るが、この場合でも1dB程度の誤り率特性の劣化が生じている。
このように、図4に示した従来例1には、周波数ずれが発生すると、位相誤差を求めるための仮判定における誤り率が劣化するため、AFC回路の周波数引き込み範囲内においても1dB程度の誤り率特性の劣化が生ずるという解決すべき課題があった。
他方、従来例2は、周波数が制御される前後における混合回路からの中間周波の電力値の大小を比較して、周波数ずれを補正するという手段を用いている。しかし、周波数ずれに起因した混合回路からの電力値の変動は非常に小さいので、これを検出するのは、必ずしも容易ではなく、実際上は極めて困難であるという解決すべき課題が、従来例2には残されている。
また、送信機側で周期的に挿入したパイロット・シンボルを、受信機において検出したうえで、位相変動量を測定して平均位相変動量を求め、得られた平均位相変動量から周波数ずれを推定して、その補正を行う従来例3による場合は、送信機においてパイロット・シンボルを周期的に挿入するための構成を用いている必要がある。したがって、PHSのように、送信機側において、周期的にパイロット・シンボルを挿入するフレーム・フォーマットの構成を、送信信号に用いていない場合は、この従来例3は適用することができず、その用途が限定されてしまうという未解決の課題があった。
そこで、上記課題に照らし、本発明はなされたものである。そのために、本発明では、つぎのような手段を用いるようにした。すなわち、送信信号のキャリア周波数との周波数ずれに起因した成分の推定値である平均化信号を検波信号から減算して減算信号を得る。得られた減算信号と基準として設定された信号点との差分を誤差として検出して誤差信号を得る。得られた誤差信号を所定期間平均化して平均化信号を得る。以上のような手段を用いるようにした。
本発明によるならば、周波数ずれによる誤差信号を求めるための仮判定を座標軸を用いて行う場合に、周波数ずれの推定値分だけ座標軸を回転させているので、周波数ずれがある場合においても、仮判定の誤り率特性は劣化することない。ほぼ周波数引き込み範囲内において誤り率特性はフラットであり、たとえ周波数ずれがあったとして、誤り率が劣化することはない。
また、本発明によるAFC回路は、受信機に用いられるLSI(large scale integrated circuit)に組み込むだけで足り、送信機において送信信号に別段の構成のフレーム・フォーマットを用いる必要がない。したがって、PHSの場合、既存のフレーム・フォーマットを変更する必要はなく、そのまま用いることができることになる。
しかも、簡易な回路変更で足りることから、回路規模を大きくすることもなく、低コストの要請にも応えることが可能となる。したがって、本発明によりもたらされる効果は、実用上極めて大きい。
本発明による周波数の制御は、送信信号のキャリア周波数との周波数ずれに起因した成分の推定値である平均化信号を検波信号から減算し、得られた減算信号と、基準として設定された信号点との差分を、誤差信号として検出する。検出された誤差信号を所定期間平均化して平均化信号を得る。以下、実施例により詳しく説明する。
本発明の一実施例の回路構成を、図1に示し説明する。ここで、図1では、図4に示した従来例1と同じく、遅延検波方式を用いた受信機に使用するAFC回路の構成を示しており、図4における構成要素と同一の構成要素については、同じ符号を付している。
図1において、図示されてはいない遅延検波回路からのシンボル識別タイミングにおける遅延検波信号11は、減算回路40に入力される。減算回路40に入力される遅延検波信号11は、ここでは、位相により表現するものとし、θ(nT)(nは整数、Tはシンボル時間長)と表すことにする。
減算回路40には、また平均化回路30からの平均化信号31が入力されて、遅延検波信号11より平均化信号31が減算される。ここにおける平均化信号31は、平均位相誤差Mean[Δθ(nT)]すなわち遅延検波信号11(θ(nT))における周波数ずれに起因した成分の推定値である。ここで得られた減算信号41は、周波数ずれを補正するためのAFC補正信号θOUT(nT)として、減算回路40より出力される。
この減算回路40より出力されるAFC補正信号θOUT(nT)は、位相誤差検出回路20に入力される。位相誤差検出回路20では、AFC補正信号θOUT(nT)の仮判定を行い、AFC補正信号θOUT(nT)と、仮判定結果に対応関係にある、理想的な信号点である基準位相との位相差を、位相誤差信号21(Δθ(nT))として出力する。位相誤差信号21としては、たとえば、遅延検波信号11から下位Nビット(Nは自然数)を取り出し、その最上位ビット(MSB)をビット反転したものを送出する。
既に述べたように、送信側の変調方式がπ/4シフトQPSKである場合の検波信号に含まれる信号成分は4値であり、したがって、AFC補正信号θOUT(nT)の信号成分は4値となり、実際のAFC補正信号θOUT(nT)は、これにノイズ成分や周波数ずれにおける起因した成分が重畳したものとなる。
表2は、AFC補正信号θOUT(nT)が8ビットの位相表現である場合の、AFC補正信号θOUT(nT)と理想的な信号点との関係の一例を示している。
Figure 2009055279
上記表2において、AFC補正信号θOUT(nT)の位相が、たとえば“36”である場合は、仮判定における信号点は“32”となるので、位相差は“4”となる。そこで、この位相差が位相誤差信号21(Δθ(nT))として位相誤差検出回路20より出力され、出力された位相誤差信号21は、平均化回路30に送出される。
平均化回路30では、入力された周波数ずれ信号ΔθOffset(nT)を一定期間平均化処理して得られた平均化信号31を、平均位相誤差Mean[Δθ(nT)]として出力する。平均化処理の方法としては、たとえば、忘却係数を用いた加重平均がある。
以上の本発明によるAFC回路の動作について、数式を用いてさらに詳しく説明する。なお、以下の説明では、π/4シフトQPSKにより変調された信号を遅延検波するものとしている。また、位相で表現した遅延検波信号11をシンボル・クロックでラッチした信号を、θ(nT)(nは整数、Tはシンボル時間長)としている。
遅延検波信号11(θ(nT))は、理想的には次に示す通りの4値となる。
θ(nT)=±π/4,±3π/4
また、周波数ずれを補正したAFC補正信号θOUT(nT)は、次式で表される。
θOUT(nT)=θ(nT)−Mean[Δθ(nT)]
そこで、AFC補正信号θOUT(nT)を、cos(Δθ)軸およびsin(Δθ)軸で判定した信号を、θ'(nT)とすると、θ'(nT)は、次の通りとなる。
θ'(nT)=±π/4,±3π/4
この場合、位相誤差信号21(Δθ(nT))は、次式で表される。
Δθ(nT)=θOUT(nT)−θ'(nT)
=θ(nT)−Mean[Δθ(nT)]−θ'(nT)
この位相誤差信号21の送出を受けた平均化回路30では、時刻t=nTにおける位相誤差信号21の平均化処理を行う。平均化処理の方法としては、たとえば、過去の値の重みを順次減らす忘却係数を用いた加重平均がある。この加重平均を用いる場合は、位相誤差信号21(Δθ(nT))および1シンボル前の平均位相誤差Mean[Δθ(nT)]を用いて、次式により、時刻t=(n+1)Tにおける平均位相誤差Mean[Δθ{(n+1)T}]を得る。
Mean[Δθ{(n+1)T}]=(1/N) Δθ(nT)
+{(N−1)/N}Mean[Δθ(nT)]
このようにして平均化回路30により得られた平均化信号31は、減算回路40に送出される。
減算回路40では、遅延検波回路からの遅延検波信号11(θ(nT))より平均化信号31を減算して得られる減算信号41を、周波数ずれを補正したAFC補正信号θOUT(nT)として出力する。AFC補正信号θOUT(nT)は、次式により表される。
θOUT(nT)=θ(nT)−Mean[Δθ(nT)]
=θ(nT)−{(N−1)/N}Mean[Δθ{(n−1)T}]
−(1/N)[θ{(n−1)T}−θ'{(n−1)T}] (2)
上記式(2)と、図4の従来例1の説明において示した式(1)(段落番号0014)とを比較すると、従来例1と本実施例におけるAFC回路のそれぞれのAFC補正信号θOUT(nT)における相違点は、cos(Δθ)軸およびsin(Δθ)軸で判定した信号(θ(nT),θ'(nT))が異なることのみである。
図2は、図1に示したAFC回路による仮判定の様子を説明するためのスペース・ダイヤグラムであり、送信側の変調方式がπ/4シフトQPSKである場合を示している。
図2において、○(白丸)は、キャリア周波数との周波数ずれがない場合の理想的な信号点を示しており、●(黒丸)は、周波数ずれがある場合の検波信号を示している。本発明によるAFC回路では、周波数ずれによる位相誤差を、遅延検波信号11から減算して補正した後の信号を用いて仮判定を行う。
すなわち、図4に示した従来例1では、実線で表した座標軸で仮判定を行っているのに対して、本実施例におけるAFC回路では、平均位相誤差Mean[Δθ(nT)]分だけ回転させた、1点鎖線で示す座標軸で仮判定を行う。したがって、周波数ずれによる位相誤差が、π/4ラジアンを超える場合であったとしても、一定限度内であれば。検波信号の仮判定を正しく行うことが可能となる。
図3は、図1に示した実施例および図4に示した従来例1によった場合のそれぞれの符号判定の誤り率特性を示すものである。ここで、図3は、本実施例および従来例1をそれぞれPHSに適用した場合を示しており、垂直軸は符号判定の誤り率を表しており、水平軸はキャリア周波数とのずれを表している。また、□(四角)を用いて表した誤り率特性は、本実施例による場合を示しており、●(黒丸)を用いて表した誤り率特性は、従来例1による場合を示している。
既述したように、PHSにおける誤り率の限界値は12.6ppmであり、この限界値を超えると、周波数ずれにより1シンボルの間に位相がπ/4ラジアン以上回転する。そのため、周波数ずれが限界値に近づくと、従来例1について図6により説明したように、誤り率は急激に大きくなっている。
これに対して、本実施例におけるAFC回路によれば、図3に示したように、±12.6ppm付近までフラットな特性を得ている。また、PHSの規格によると、最大で6ppmまでの周波数ずれが起こり得るが、本実施例におけるAFC回路によれば、この範囲内での誤り率特性の劣化はないことになる。
以上においては、検波信号が位相で表現される場合について説明した。しかし、本発明は、これに限られるものではなく、検波信号がベクトルにより表現される場合についても、本発明は適用され得るものである。
なお、周波数引き込み範囲は、図4に示した従来例1によれば、変調方式がQPSKの場合は、±1/(8T)(Tはシンボル時間長)以下である。これに対して、従来例2のように基準発振器の電圧を制御する方式による場合、従来例3による場合、および本発明による場合は、送信信号の初期補足の周波数引き込み範囲で決まる。すなわち、初期補足で粗調整を行い、残差を微調整するが、初期補足の周波数引き込みは、プリアンブル信号のパターンで決まる。PHSの場合は、±1/(4T)であり、これは、基準発振器の電圧を制御する方式による場合および本発明による場合も同じである。
周波数引き込み精度は、位相誤差検出精度により決まり、これは、ディジタル処理精度および位相誤差の平均化処理で決まる。図4に示した従来例1による場合、基準発振器の電圧を制御する方式による場合、従来例3による場合、および本発明による場合とでは、本質的な性能差はない。従来例1による場合と本発明による場合とでは同じであることは、数式を用いて説明した通りである。
周波数引き込み時間は、送信信号の初期補足を行う方式にあっては、プリアンブル信号のパターンにより決まり、これに合わせて位相誤差の平均化処理のパラメータを決定するが、従来例1による場合、基準発振器の電圧を制御する方式による場合、従来例3による場合、および本発明による場合とでは、その間に本質的な差はない。
本発明の一実施例の回路構成図である。 図1に示した実施例の動作を説明するためのスペース・ダイヤグラムである。 図1に示した実施例および図4に示した従来例1によった場合のそれぞれの符号判定の誤り率を示す誤り率特性図である。 従来例1の回路構成図である。 図4に示した従来例1の動作を説明するためのスペース・ダイヤグラムである。 図4に示した従来例1によった場合の符号判定の誤り率を示す誤り率特性図である。
符号の説明
11 遅延検波信号
20 位相誤差検出回路
21 位相誤差信号
30 平均化回路
31 平均化信号
40 減算回路
41 減算信号

Claims (6)

  1. 入力された信号(11)から平均化信号(31)を減算して減算信号(41)を得るための減算処理(40)をし、
    前記減算信号と基準として設定された信号点との差分を誤差として検出して誤差信号(21)を得るための誤差検出処理(20)をし、
    前記誤差信号を所定期間平均化して前記平均化信号を得るための平均化処理(30)をする自動周波数制御方法。
  2. ディジタル無線通信の受信機における検波信号(11)から送信信号のキャリア周波数との周波数ずれに起因した成分の推定値である平均化信号(31)を減算して減算信号(41)を得るための減算処理(40)をし、
    前記減算信号と基準として設定された信号点との差分を誤差として検出して誤差信号(21)を得るための誤差検出処理(20)をし、
    前記誤差信号を所定期間平均化して前記平均化信号を得るための平均化処理(30)をする自動周波数制御方法。
  3. 前記検波信号が位相により表現され、前記誤差検出処理が前記検波信号から下位Nビット(Nは自然数)を取り出して前記下位Nビットのうちの最上位ビットをビット反転したものを前記誤差信号として出力するものである請求項2記載の自動周波数制御方法。
  4. 入力された信号(11)から平均化信号(31)を減算して減算信号(41)を得るための減算手段(40)と、
    前記減算信号と基準として設定された信号点との差分を誤差として検出して誤差信号(21)を得るための誤差検出手段(20)と、
    前記誤差信号を所定期間平均化して前記平均化信号を得るための平均化手段(30)と
    を含む自動周波数制御装置。
  5. ディジタル無線通信の受信機における検波信号(11)から送信信号のキャリア周波数との周波数ずれに起因した成分の推定値である平均化信号(31)を減算して減算信号(41)を得るための減算手段(40)と、
    前記減算信号と基準として設定された信号点との差分を誤差として検出して誤差信号(21)を得るための誤差検出手段(20)と、
    前記誤差信号を所定期間平均化して前記平均化信号を得るための平均化手段(30)と
    を含む自動周波数制御装置。
  6. 前記検波信号が位相により表現され、前記誤差検出手段が前記検波信号から下位Nビット(Nは自然数)を取り出して前記下位Nビットのうちの最上位ビットをビット反転したものを前記誤差信号として出力するものである請求項5記載の自動周波数制御装置。
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