JPH09115208A - 記録再生装置のテンション制御装置 - Google Patents

記録再生装置のテンション制御装置

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Publication number
JPH09115208A
JPH09115208A JP7268199A JP26819995A JPH09115208A JP H09115208 A JPH09115208 A JP H09115208A JP 7268199 A JP7268199 A JP 7268199A JP 26819995 A JP26819995 A JP 26819995A JP H09115208 A JPH09115208 A JP H09115208A
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JP
Japan
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tension
tape
gear
reel
braking
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Application number
JP7268199A
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English (en)
Inventor
Hideki Kuwajima
秀樹 桑島
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 映像信号を記録または再生するVTRなどの
記録再生装置で、所定の速度で回転するキャプスタンか
ら排出されたテープを一定テンションで巻取ることによ
り、装置のコストダウンと消費電力の削減を目的とす
る。 【解決手段】 テンションバンド45を保持し、第三の
テンションスプリング30のバネ力をテンションバンド
45に伝えるべく第三のテンションスプリング30が取
り付けられ、かつテープ走行時に巻取りテンションアー
ム32により検出したテープ張力に応じてテンションバ
ンド45へ作用する制動力を可変し、テープの逆走行時
に供給側テンションアーム41により検出したテープ張
力に応じてテンションバンド45へ作用する制動力を可
変する制動力可変手段とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、映像音声信号を記
録再生するビデオテープレコーダー(以下、VTRと記
す)に用いて有効な記録再生装置のテンション制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、VTRに代表される磁気記録再生
装置は、小型・軽量化と同時に製品価格の低下にあわせ
たコストダウンが最大の課題とされている。
【0003】従来、カセット式VTRのような磁気記録
再生装置において、テープの駆動手段として、キャプス
タンにテープをピンチローラーで押し付ける方式をとる
のが一般的であった。さらに、キャプスタンから送り出
された磁気テープを磁気テープを巻装するリールを一定
トルクで回転させるクラッチ機構が通常採用されてい
た。
【0004】以下に従来の磁気記録再生装置のテープ駆
動機構を図16を用いて説明する。図16は従来の磁気
記録再生装置の平面図である。図16において、200
は磁気テープ212を巻装した供給リール207、巻取
りリール208を内蔵したカセット、201は磁気ヘッ
ド203a〜203dを円周上に90゜に分割して配置
した回転シリンダーである。209は音声信号とコント
ロール信号を磁気テープの両端にそれぞれ記録するオー
ディオ・コントロールヘッド(以下、ACヘッドと記
す)、210は記録時すでに書き込まれた音声信号を消
去するオーディオイレースヘッド、211は記録時すで
に書き込まれた映像信号を消去するフルイレースヘッド
である。テープガイドポスト204a,204b,20
4c,206d,204eおよび傾斜ポスト205aは
カセット装着時はカセット開口部内(破線で示す)に配
置され、カセット検出スイッチ(図示せず)によりカセ
ット装着を検出した後、テープガイドポスト204a,
204b,204c,206d,204eおよび傾斜ポ
スト205aはカセット開口部内より引出され、図に示
す所定の位置にて固定される。214はキャプスタン2
13を有するキャプスタンモーターであり、装置が記録
再生モードにある時、ゴム製のピンチローラー215に
より磁気テープ212をキャプスタン213に押し当
て、所定の速度で磁気テープ212を移送するように構
成されている。216a,216bはカセット200内
に設けられたテープガイドローラーである。217は巻
取りリールに形成された歯車と噛み合うリール駆動歯車
であり、内部にトルクリミッター機構(マグネットクラ
ッチなどのクラッチ機構)を内蔵している。キャプスタ
ンモーター214の回転は、キャプスタンベルト21
8、中継プーリー219、アイドラギヤ220を介して
リール駆動歯車に伝えられ、巻取りリール208を一定
トルクで巻取り駆動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、記録再生を行うにあたって、ピンチロー
ラーをキャプスタンに押し当てる機構を必要とし、大幅
なコストダウンを図るために機構を簡素化する上で制約
になっていた。また、ピンチローラーをキャプスタンに
押し付けることにより生じるキャプスタン軸ロスや、リ
ール駆動歯車のトルクリミッター機構における摩擦ロス
が大きいという問題点を有していた。また、逆走行時、
供給リールに巻かれるテープテンションは、供給リール
に巻かれるテープの直径によりテープテンションは変化
し、最大テンションが作用した時のテープダメージが問
題になっていた。
【0006】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、簡単な機構でかつ省電力化を実現する記録再生装置
を実現する記録再生装置テンション制御機構を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の記録再生装置のテンション制御装置は、テー
プを巻装した供給リールおよび巻取りリールと、太陽歯
車と、太陽歯車の回りを噛み合いながら公転する遊星歯
車と、遊星歯車と噛み合い太陽歯車と回転中心を同じく
した内歯車と、遊星歯車を回転自在に保持し太陽歯車の
回転中心に回転自在に設けられたリンクと、所定の回転
数で回転するキャプスタンと、キャプスタンの回転をリ
ンクに伝達する第一の伝達手段と、テープの正方向への
走行時、太陽歯車の回転を巻取りリールに伝達する第二
の伝達手段と、テープの逆走行時、太陽歯車の回転を前
記供給リールに伝達する第三の伝達手段と、テープの正
方向への走行時、供給リールより排出されたテープの張
力を検出する第一の検出手段と、検出手段により検出さ
れたテープ張力に応じて供給リールに制動力を作用させ
る第一の制動部材と、第一の制動部材に制動力を発生さ
せるために設けられた第一のテンションスプリングと、
テープの正および逆走行時、キャプスタンから巻取りリ
ールに至る間に延在するテープの張力を検出する第二の
検出手段と、第二の検出手段により検出されたテープ張
力に応じて巻取りリールの制動力を作用させる第二の制
動部材と、第二の制動部材に制動力を発生させるために
設けられた第二のテンションスプリングと、テープの正
方向への走行時、第一のテンションスプリングに所定の
バネ力を発生させるとともに第二のテンションスプリン
グを弛緩させ、さらにテープの逆再生時、第二のテンシ
ョンスプリングに所定のバネ力を発生させるとともに第
二のテンションスプリングを弛緩させるモード切り替え
手段と、内歯車の回転に制動力を与える第三の制動部材
と、第三の制動部材に制動力を発生させる第三のテンシ
ョンスプリングと、第三の制動部材を保持し第三のテン
ションスプリングのバネ力を第三の制動部材に伝えるべ
く第三のテンションスプリングが取り付けられ、かつテ
ープ走行時第二の検出手段により検出したテープ張力に
応じて第三の制動部材へ作用する制動力を可変し、テー
プの逆走行時第一の検出手段により検出したテープ張力
に応じて第三の制動部材へ作用する制動力を可変する制
動力可変手段とを有している。
【0008】
【発明の実施の形態】この構成によって、リールに巻か
れたテープの巻径によらずテープテンションをほぼ一定
にすることができ、これによって従来必要であったピン
チローラーの圧着機構を必要としない方式を実現でき、
テープ駆動機構の大幅なコストダウンと装置の低消費電
力化、テープ損傷の解消、テープ走行の安定化をはかる
ことができる。
【0009】(実施の形態1)以下、本発明の一実施例
について図面を参照しながら説明する。
【0010】図1は記録再生装置の平面図である。本図
により装置全体の概略を説明する。カセット1内の供給
リール2より出た磁気テープ3は、カセット1内に設け
られたガイドローラー4a,4bを経てカセット外に引
き出され、供給側テンションポスト39、ガイドポスト
40を経て、カセット1の開口部内よりローディングし
て所定の位置に位置決めされたガイドポスト5及び傾斜
ポスト6に巻き付いた後、回転シリンダー7へ至る。磁
気テープ3は、回転シリンダー7に所定の角度巻き付い
た後、カセット1の開口部内よりローディングして所定
の位置に位置決めされたガイドポスト8、傾斜ポスト9
及びガイドポスト8と同様にカセット1の開口部内より
ローディングして所定の位置に位置決めされたガイドポ
スト10を経てACヘッド11に所定の角度巻き付き、
第一のキャプスタン12に至る。第二のキャプスタン1
3は第一のキャプスタン12と平行に設置され同一方向
に回転する。ローラー14は第一のキャプスタン12と
第二のキャプスタン13とで挟持されており、磁気テー
プ3は第一のキャプスタン12に約180度巻き付いた
後ローラー14に巻き付きさらに第二のキャプスタン1
3に約180度巻き付く。磁気テープ3は第二のキャプ
スタン13を離れた後、巻取り側テンションポスト3
1、ガイドローラー4e,4c,4dを経て巻取りリー
ル15に巻取られる。また、回転シリンダー7には、異
なるアジマス角度を持った磁気ヘッド16a,16bと
フライングイレースヘッド17が設けられ、それらを所
定の回転速度で回転させるモーター部を内蔵している。
【0011】次に、巻取りリール駆動ギヤ18の駆動力
伝達機構を図2及び図3を用いて説明する。第一のキャ
プスタン12を回転させるダイレクトドライブモーター
19(以後DDモーターとする)と基板20に回転自在
に設けられた中継プーリー21とは伝達ベルト22で結
ばれている。中継プーリー21に設けられた歯車部は遊
星歯車24を太陽歯車25の周りに公転させるリンク2
3に形成された歯車部23aに噛み合っている。太陽歯
車25とリンク23は基板20に植立した太陽歯車軸2
6を中心として回転自在に取り付けられている。遊星歯
車24の外側で噛み合う内歯車27はリンク23に回転
自在に取り付けられ、制動力可変手段である制動アーム
28に設けられた第三の制動部材29が外周に圧接され
ている。制動アーム28は基板20に設けられた軸を中
心に回転自在に取り付けられ、一端に第三のテンション
スプリング30が取り付けられている。一端に巻取り側
テンションポスト31を設けた第二の検出手段である巻
取り側テンションアーム32は第二の基板42に回動自
在に取り付けられている。巻取り側テンションアーム3
2には、記録再生時磁気テープ3が正方向(矢印A)に
走行している状態において、制動アーム28の一端28
aと当接するアーム部32aが設けられている。また逆
走行モードにおいて、磁気テープが矢印B方向に走行し
た時、巻取り側テンションアーム32には巻取りリール
駆動ギヤ18に同軸に形成されたブレーキドラム部18
aに圧接し制動力を加える第二の制動部材46を有して
いると共に、第二の制動部材46に圧着力を加える第二
のテンションスプリング47が取り付けられている。磁
気テープが正方向に走行している状態で、磁気テープ3
の巻取りテンションにより巻取り側テンションアーム3
2に反時計方向に回転力が作用すれば、第三の制動部材
29の圧接力が減少するように設定され、また磁気テー
プ3が逆方向に走行している時は第二の制動部材46が
巻取りリール駆動ギヤ18のブレーキドラム部18aに
当接するように構成されている。アイドラギヤ33はア
イドラアーム35の一端に設けられた回転軸34を中心
に回転自在に取り付けられ、太陽歯車25と噛み合って
いる。アイドラアーム35はスプリング36によりリン
ク23の下面に軽い力で押し付けられている。アイドラ
ギヤ33はスプリング36の作用により太陽歯車25の
回りを回動し、キャプスタン12の回転方向により供給
リール台37の歯車部あるいは中継ギヤ38と選択的に
噛み合う。一端に供給側テンションポスト39を設けた
第一の検出手段である供給側テンションアーム41は第
二の基板42上に回動軸43を持ち、第一のテンション
スプリング44によって反時計回転方向に付勢されてい
る。さらに、他端に供給リール台37に巻き付け摩擦ト
ルクを与える第一の制動部材であるテンションバンド4
5の一端を保持している。
【0012】モード切り替え手段であるメインロッド4
8には、第一のテンションスプリング44の一端と第二
のテンションスプリング47の一端とが取り付けられて
いる。記録再生モードでは後で説明する駆動機構により
メインロッド48は左方向に移動する。これによって第
一のテンションスプリング44が所定の張力で引っ張ら
れかつ第二のテンションスプリング47は完全にフリー
な状態まで弛緩される。また巻戻しモードでは、メイン
ロッド48は右方向に移動する、これによって第一のテ
ンションスプリング44は完全に弛緩し、第二のテンシ
ョンスプリング47は所定の張力で引っ張られる。
【0013】図4、図5においてアイドラアーム35の
反転動作でメインロッド48を左右に移動させる機構を
説明する。アイドラギヤ33が中継ギヤ38に噛み合っ
ているとき中継プーリー21の歯車部とアイドラアーム
35の外周に形成された間欠歯車とは噛み合いが外れて
いる。また、アイドラギヤ33が供給リール台と噛み合
っている時においてもアイドラアーム35の歯車に欠落
部に中継プーリーの歯車部が対応し噛み合いがはずれる
ように構成されている。また、アイドラアーム35の第
二の歯車部35aには反転ギヤ49が常時噛み合ってい
る。この反転ギヤの下部には同軸に反転レバー50が設
けられており、この反転レバー50に形成された長穴5
0aに、反転ギヤ50に設けられたボス部49aが挿入
されている。この反転レバー50にはボス部50bが形
成されており、このボス部50bはメインロッド48に
開けられた変形穴部48aにはまっている。変形穴部6
0は溝部60aと円弧部60b,60c,60d,60
eからなり円弧60b,60cは円弧60d,60eよ
りも小さい半径で形成されている。メインロッド48が
移動を完了した時点では反転レバー50のボス部50b
はテーパー部60fまたは60gにより吸い込まれるよ
うに、図5に示したように円弧60eまたは60dに接
した位置で停止する。これにより長穴50aとボス部4
9aは図4の破線で示した位置関係となり、反転ギヤ4
9と反転レバー50はフリーな状態となりプーリー21
の歯車部とアイドラアーム35の歯車35dとの噛み合
いがスムーズに外れることになる。
【0014】次に、第一のキャプスタン12と第二のキ
ャプスタン13によるテープ駆動機構を図6〜図9を用
いて説明する。図6は同機構の斜視図である。図7は同
機構の側面図、図8は同機構の上面から見たもので、図
8(a)はテープローディングが完了した状態、図8
(b)はアンローディング状態を示した略図である。図
9はローラー14を保持する構成を表した側面図であ
る。
【0015】図7において、第一のキャプスタン12は
ダイレクトドライブ方式のDDモーター19で所定の回
転速度で回転する。DDモーター19には第一のキャプ
スタン12を回転自在に保持し、基板20に固定するた
めの第一のキャプスタンホルダー52が取り付けられて
いる。第一のキャプスタンホルダー52には第二のキャ
プスタン13を回転自在に保持しかつ第一のキャプスタ
ン12に平行で第二のキャプスタン軸の中心とは偏芯し
た回動中心をもつ第二のキャプスタンホルダー53が回
動自在で取り付けられ、テープローディング動作と連動
して回転する歯車51により回転駆動される構成になっ
ている。第二のキャプスタン13は第一のキャプスタン
12に設けられたプーリー55、第二のキャプスタン1
3に設けられたプーリー56およびゴムベルト54によ
り駆動される。このとき第二のキャプスタン13は第一
のキャプスタン12よりもわずかに速く回転するように
プーリー55,56のプーリー径を設定されている。
【0016】図9はローラー14を保持しカセット1内
から磁気テープ3を引き出すローラーアームの構造を示
した図である。ローラー14の中心は上下に円錐状のピ
ボット受け構造となっており、回転時の摩擦ロスを極力
抑えるようになっている。また円錐部に隣接する円柱形
状部14aはローラーアーム57の円筒状の凹部57a
である程度の隙間をもって保持され、ローラー14がテ
ープローディング時カセット1から磁気テープ3を引き
出す時のローラーの姿勢を規制している。なお、記録再
生時等のテープ走行モードにおいては円柱形状部14a
と円筒状の凹部57aとは接触しないようにローラーア
ーム57の位置決めがなされている。58は基板13上
に設けられたローラーアーム57の回動軸である。
【0017】次に、遊星歯車機構を利用した巻取りテン
ション制御機構の基本動作について図10を用いて説明
する。図10は巻取りテンション制御機構を説明するた
めの概略図である。なお図中第二のテンション検出手段
と制動可変手段とを一体化して、巻取りテンション制御
性の計算を簡略化した。
【0018】遊星歯車機構の各歯車の回転数および回転
方向を図13に示す。ここで、Z1,Z2,Z3は内歯
車27、太陽歯車25、遊星歯車23の歯数であり、n
は任意の値である。
【0019】図13において一列目に遊星歯車全体を1
回転させた場合(1)二列目にリンク23を固定して内
歯車27を1回転させた場合(2)を示した。三列目は
(2)のn倍を(1)に加えたもの(3)を示した。
(3)において、リンク23が1回転したとき内歯車2
7、太陽歯車25、遊星歯車24はそれぞれ(1+
n)、(1−n*Z1/Z2)、(1+n*Z1/Z
3)回転する。一例として、Z1=51、Z2=18、
Z3=16とした場合を考える。横軸にn、縦軸に歯車
の回転数として各歯車の回転数の変化を図14の特性図
に表した。太陽歯車25は巻取りリール15の回転数に
比例しているのでテープが巻始めから巻終わりに移るに
従い徐々に回転数が減少していき、外周に制御部材29
が押し付けられた内歯車27は回転数が増加することに
なる。またリンク23はDDモーター19によって駆動
されているために常に一定回転を行っている。ここで、
nの値は−1より大きく、Z2/Z1=0.35より小
さい値をとればよいが、制御部材29による摩擦ロスを
できるだけ小さくするために、内歯車27の回転数を少
なく設定すべきである。したがって巻始めにおいて、n
を−0.9程度に設定するのがよい。
【0020】ここで、本装置による巻取りテンション制
御機構により得られる、第二のキャプスタンを出射した
テープのテンションtを求める。
【0021】図10において、テンションtおよびt’
によりテンションポストに加わる力Fは、
【0022】
【数1】
【0023】で表される。ここではテープガイドポスト
の走行ロス、軸ロスおよび歯車の伝達ロスは無視してい
る。すなわちt=t’とする。テンションアームに加わ
るモーメントの釣合い条件より、
【0024】
【数2】
【0025】が求められる。ここで、fは内歯車27の
外周に制御部材29が押し付けられる力、bはテンショ
ンアームの回動軸中心とfの作用点との距離、Pはテン
ションバネのバネ力、cはテンションアームの回動軸中
心とPの作用点との距離、aはテンションポストとテン
ションアームの回動軸中心との距離である。(数2)を
fについて整理して、
【0026】
【数3】
【0027】を得る。(数1)を(数3)に代入して、
【0028】
【数4】
【0029】となる。このfにより内歯車27に作用す
るトルクΦ1は、
【0030】
【数5】
【0031】となる。ここで、eは内歯車27の外周ド
ラム部の半径、μは制御部材29の摩擦係数である。遊
星歯車24に作用する力関係を図11に示した。内歯車
27に噛み合う歯に加わる力と太陽歯車25に噛み合う
歯に加わる力の和に等しいから、太陽歯車25に加わる
トルクΦ2は、
【0032】
【数6】
【0033】となる。太陽歯車25から巻取りリール1
5までの減速比をξ、巻取りリール15のテープ巻径を
rとする。巻取りリールに加わる回転トルクは太陽歯車
25の回転トルクΦ2に減速比ξを掛けた値とが等しい
ことから、
【0034】
【数7】
【0035】という関係が得られる。(数4)を(数
7)に代入して、
【0036】
【数8】
【0037】(数8)をtについて整理して、
【0038】
【数9】
【0039】となる。巻取りテンション制御性を求める
ために、巻取りリール15のテープ始端での巻半径をr
s、テープ終端での巻半径をreとしてts/teは、
【0040】
【数10】
【0041】となる。次に、内歯車27、太陽歯車2
5、リンク23の回転数ω1、ω2、ωrを求めること
にする。太陽歯車25の回転数ω2は、
【0042】
【数11】
【0043】で与えられ、ここでVはテープスピードで
ある。内歯車27の回転数ω1およびリンク23の回転
数ωrは図13より、
【0044】
【数12】
【0045】
【数13】
【0046】である。(数13)に(数11)を代入し
て、
【0047】
【数14】
【0048】で与えられる。したがって、DDモーター
19からリンク23までの減速比ξ’は、DDモーター
19の回転数をω0とすれば、
【0049】
【数15】
【0050】であり、第一のキャプスタン12の直径を
d0として、
【0051】
【数16】
【0052】で与えられる。図12は、T側リールのテ
ープ巻半径とtおよびDDモーター負荷を算出した結果
を示すグラフである。図12において設定したテープテ
ンションtは、ほぼ30grを保っており、巻取りリー
ル15の巻半径の増加につれてキャプスタン負荷が増加
している。テープテンションtを巻取りリール15の巻
径と無関係に一定とする場合、従来よりリール駆動専用
モーターを用いるのが一般的であったが、コスト的に高
価となる点と消費電力の観点からしても大きなメリット
が無い点から得策ではなかった。また、従来技術(図1
6)におけるリール駆動歯車217で発生するクラッチ
トルクを図外のテンションアームと制動部材で巻取りテ
ープテンションが一定となるように機構的に制御した場
合、リール駆動歯車217のクラッチトルクを制動部材
でロスさせる分だけ大きくしなければならない。その結
果、キャプスタンモーターの負荷トルクが増大すること
になる。よって、低消費電力と低コストの両面から本発
明の方式が有効であるといえる。
【0053】次に、巻戻し(REW,REV)動作につ
いて説明する。装置がREWモードに切り替わると、D
Dモーター19が反転し、図3におけるスプリング36
により生じるリンク23とアイドラアーム35の摩擦ト
ルクにより、アイドラアーム35は反時計回りに回転し
始める。その結果、それまで噛み合い状態になかった中
継プーリー21の歯車部とアイドラアーム35の歯車部
が噛み合いを始める。この時点でDDモーター19によ
りアイドラアーム35は直接駆動されることになる。ア
イドラアーム35はさらに回動し、アイドラアーム35
と噛み合っている反転ギヤは時計方向に大きく揺動す
る。これに伴って反転レバー50も時計方向に揺動しメ
インロッド48が右方へ移動する。その結果、図15に
示したように第二のテンションスプリング47は所定の
張力を発生するまで伸ばされ、第一のテンションスプリ
ング44は弛緩される。メインロッド48が右方に移動
し終えるとアイドラアーム35の歯車の第二の欠落部3
5cに中継プーリーの歯車部が位置し、アイドラアーム
35は供給リール台37に噛み合い、REW動作にはい
る。供給リール2によって巻取られる磁気テープ3のテ
ンションにより供給側テンションポスト39は回動軸4
3を中心として時計方向に回動する。制動アーム28と
供給テンションアーム41は連結ロッド59で結ばれて
おり、REW時の巻取りテンションが大きくなれば制動
アーム28の制動部材29の圧力が下げられ、その結果
供給リール台37の巻取りトルクが低下し磁気テープ3
のテンションが下がる。このようにREW時の巻取りテ
ンションがほぼ一定に保たれることになる。
【0054】逆走行時、巻取りリールから繰り出された
磁気テープのテープテンションは第二の制動部材が巻取
りリール駆動ギヤ18のブレーキドラム部18aに圧接
しており、かつ巻取り側テンションポスト31に巻き付
いた磁気テープのテープテンションによりその圧接力が
加減される。これによって、巻取りリールに巻き込まれ
た磁気テープの巻径によらずほぼ一定のテープテンショ
ンが得られる。
【0055】従来、逆走行における巻取りリールによる
テープの巻取り力はクラッチ機構により発生するように
構成されており、供給リール2の磁気テープ3の巻径に
より巻取りテンションが大きく変化していた。そのた
め、供給リールに巻き込まれた磁気テープの巻径が小さ
いテープ終端付近ではテープテンションが大きくテープ
ダメージが発生する危険性があり、REV用のクラッチ
トルクを抑える必要があった。反対に供給リールの磁気
テープの巻径が大きい始端付近ではテープテンションが
低くなり、REV時磁気ヘッドと磁気テープとの接触が
不安定となり再生出力が低下してしまう。そのためクラ
ッチトルクの設定が難しいという問題があった。
【0056】また、巻取りリールから繰り出される磁気
テープのテンションも、一定トルクをかけることにより
発生させていたため、巻取りリールに巻き込まれた磁気
テープの巻径によってテンションが変化していた。その
ためテープ走行の安定化やテープダメージに対する安全
性を保証する上で障害になっていた。本発明のテンショ
ン制御装置により、走行中の磁気テープのテープテンシ
ョンが常に一定に保つことができ、上に述べた従来の問
題を解決する上で非常に有効である。
【0057】本実施例では逆走行時において供給テンシ
ョンバネを緩める構成を示したが、通常逆走行時の供給
側テンションポスト39近傍のテープテンションは正方
向に走行するときに比べ高くなる。したがって逆走行で
のテープテンションで第1のテンションスプリング44
がかかった状態でも供給側テンションアーム41は時計
方向に回動される。これによりテンションバンド45が
解除され、必ずしも第1のテンションスプリング44を
緩める必要はない。
【0058】次にローラー14の引出し動作について図
7を用いて説明する。図7において、ローラー14はカ
セット1内より引き出され第一のキャプスタン12と第
二のキャプスタン13に挟持され図1に示す配置関係と
なる。この時、ローラー14をローラー自体の直径より
僅かに狭いキャプスタン間を通りぬけさせるために図8
に示したように第二のキャプスタン13を保持する第二
のキャプスタンホルダー53を回動させ、図8(b)か
ら図8(a)の状態に移行する。
【0059】
【発明の効果】以上のように本発明は、テープを巻装し
た供給リールおよび巻取りリールと、太陽歯車と、太陽
歯車の回りを噛み合いながら公転する遊星歯車と、遊星
歯車と噛み合い太陽歯車と回転中心を同じくした内歯車
と、遊星歯車を回転自在に保持し太陽歯車の回転中心に
回転自在に設けられたリンクと、所定の回転数で回転す
るキャプスタンと、キャプスタンの回転をリンクに伝達
する第一の伝達手段と、テープの正方向への走行時、太
陽歯車の回転を巻取りリールに伝達する第二の伝達手段
と、テープの逆走行時、太陽歯車の回転を供給リールに
伝達する第三の伝達手段と、テープの正方向への走行
時、供給リールより排出されたテープの張力を検出する
第一の検出手段と、検出手段により検出されたテープ張
力に応じて供給リールに制動力を作用させる第一の制動
部材と、第一の制動部材に制動力を発生させるために設
けられた第一のテンションスプリングと、テープの正お
よび逆走行時、キャプスタンから巻取りリールに至る間
に延在するテープの張力を検出する第二の検出手段と、
第二の検出手段により検出されたテープ張力に応じて巻
取りリールの制動力を作用させる第二の制動部材と、第
二の制動部材に制動力を発生させるために設けられた第
二のテンションスプリングと、テープの正方向への走行
時、第一のテンションスプリングに所定のバネ力を発生
させるとともに第二のテンションスプリングを弛緩さ
せ、さらにテープの逆再生時、第二のテンションスプリ
ングに所定のバネ力を発生させるとともに第二のテンシ
ョンスプリングを弛緩させるモード切り替え手段と、内
歯車の回転に制動力を与える第三の制動部材と、第三の
制動部材に制動力を発生させる第三のテンションスプリ
ングと、第三の制動部材を保持し第三のテンションスプ
リングのバネ力を第三の制動部材に伝えるべく第三のテ
ンションスプリングが取り付けられ、かつテープ走行時
第二の検出手段により検出したテープ張力に応じて第三
の制動部材へ作用する制動力を可変し、テープの逆走行
時、第一の検出手段により検出したテープ張力に応じて
第三の制動部材へ作用する制動力を可変する制動力可変
手段とを有することにより、記録再生装置のテープテン
ションを略一定に保つことができ、巻取り機構にDCモ
ーターおよびその制御回路を必要とせず大幅なコストダ
ウンを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における磁気記録再生装置の
平面図
【図2】同実施例における磁気記録再生装置のテンショ
ン制御機構の平面図
【図3】同実施例におけるテンション制御機構の側面図
【図4】同実施例におけるアイドラアーム機構の要部平
面図
【図5】同実施例におけるアイドラアーム機構の要部斜
視図
【図6】同実施例における第一および第二のキャプスタ
ンによるテープ駆動装置の斜視図
【図7】同実施例における第一および第二のキャプスタ
ンによるテープ駆動機構の側面図
【図8】同実施例における第一および第二のキャプスタ
ンによるテープ駆動機構のローラーによるテープローデ
ィング動作の概略図
【図9】同実施例におけるローラーアームの断面図
【図10】同実施例におけるテンション制御機構の動作
説明図
【図11】同実施例におけるテンション制御機構の動作
説明図
【図12】同実施例におけるテンション制御機構による
制御特性を示す特性図
【図13】同実施例における遊星歯車機構の各歯車の回
転量および回転方向の計算表
【図14】同実施例におけるテンション制御機構におけ
る遊星歯車機構の各歯車の回転数を示す特性図
【図15】同実施例におけるテンション制御機構の逆走
行時のテンション制御機構の要部平面図
【図16】従来の記録再生装置の構成を示す平面図
【符号の説明】
12 第一のキャプスタン 13 第二のキャプスタン 14 ローラー 24 遊星歯車 25 太陽歯車 27 内歯車 28 制動アーム(制動力可変手段) 29 第三の制御部材 30 第三のテンションスプリング 31 巻取り側テンショポスト 32 巻取りテンションアーム(第二の検出手段) 41 供給側テンションアーム(第一の検出手段) 44 第一のテンションスプリング 45 テンションバンド(第一の制動部材) 46 第二の制動部材 47 第二のテンションスプリング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テープを巻装した供給リールおよび巻取
    りリールと、太陽歯車と、前記太陽歯車の回りを噛み合
    いながら公転する遊星歯車と、前記遊星歯車と噛み合い
    前記太陽歯車と回転中心を同じくした内歯車と、前記遊
    星歯車を回転自在に保持し前記太陽歯車の回転中心に回
    転自在に設けられたリンクと、所定の回転数で回転する
    キャプスタンと、前記キャプスタンの回転を前記リンク
    に伝達する第一の伝達手段と、テープの正方向への走行
    時、前記太陽歯車の回転を前記巻取りリールに伝達する
    第二の伝達手段と、テープの逆走行時、前記太陽歯車の
    回転を前記供給リールに伝達する第三の伝達手段と、テ
    ープの正方向への走行時、前記供給リールより排出され
    たテープの張力を検出する第一の検出手段と、前記検出
    手段により検出されたテープ張力に応じて前記供給リー
    ルに制動力を作用させる第一の制動部材と、前記第一の
    制動部材に制動力を発生させるために設けられた第一の
    テンションスプリングと、テープの正および逆走行時に
    前記キャプスタンから前記巻取りリールに至る間に延在
    するテープの張力を検出する第二の検出手段と、前記第
    二の検出手段により検出されたテープ張力に応じて前記
    巻取りリールの制動力を作用させる第二の制動部材と、
    前記第二の制動部材に制動力を発生させるために設けら
    れた第二のテンションスプリングと、テープの正方向へ
    の走行時、前記第一のテンションスプリングに所定のバ
    ネ力を発生させるとともに前記第二のテンションスプリ
    ングを弛緩させ、さらにテープの逆再生時、前記第二の
    テンションスプリングに所定のバネ力を発生させるとと
    もに前記第二のテンションスプリングを弛緩させるモー
    ド切り替え手段と、前記内歯車の回転に制動力を与える
    第三の制動部材と、前記第三の制動部材に制動力を発生
    させる第三のテンションスプリングと、前記第三の制動
    部材を保持し前記第三のテンションスプリングのバネ力
    を前記第三の制動部材に伝えるべく前記第三のテンショ
    ンスプリングが取り付けられ、かつテープ走行時前記第
    二の検出手段により検出したテープ張力に応じて前記第
    三の制動部材へ作用する制動力を可変し、テープの逆走
    行時前記第一の検出手段により検出したテープ張力に応
    じて前記第三の制動部材へ作用する制動力を可変する制
    動力可変手段とを有することを特徴とする記録再生装置
    のテンション制御装置。
JP7268199A 1995-10-17 1995-10-17 記録再生装置のテンション制御装置 Withdrawn JPH09115208A (ja)

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