JPH09115131A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH09115131A
JPH09115131A JP27156495A JP27156495A JPH09115131A JP H09115131 A JPH09115131 A JP H09115131A JP 27156495 A JP27156495 A JP 27156495A JP 27156495 A JP27156495 A JP 27156495A JP H09115131 A JPH09115131 A JP H09115131A
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JP
Japan
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binder
magnetic
recording medium
crosslinking agent
polyvinyl acetal
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JP27156495A
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Toshitsugu Ono
敏嗣 小野
Toshinobu Ouchi
敏信 大内
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 架橋剤の架橋率を低下させない結合剤を用い
ることにより、走行安定性、走行耐久性に優れた磁気記
録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤と
を主体とする磁性塗料が塗布されてなる磁気記録媒体に
おいて、結合剤として、含水率が1重量%以下であるポ
リビニルアセタール樹脂を用いる。また、磁性塗料に
は、架橋剤としてポリイソシアネート化合物を添加す
る。結合剤の含水率を低減しておけば、磁性塗料に架橋
剤としてポリイソシアネート系化合物を添加した場合
に、この架橋剤のイソシアネート基と過剰な水分との反
応が抑制され、硬化処理によって架橋剤を介した結合剤
間の反応が十分に起こるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性層に用いられる結
合剤に改良が施された磁気記録媒体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】いわゆる塗布型の磁気記録媒体において
は、強磁性粉末、結合剤、分散剤、潤滑剤、研磨剤等を
有機溶剤に混練、分散してなる磁性塗料をポリエステル
フィルム等の非磁性支持体上に塗布することによって磁
性層が形成されている。
【0003】このような塗布型磁気記録媒体において使
用される結合剤としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重
合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリエー
テルポリウレタン樹脂、ポリエステルポリウレタン樹
脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ニトロセ
ルロース樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等が使用さ
れている。これらの樹脂のうちでも、特に、磁性層の塗
膜強度を確保できる塩化ビニル系樹脂またはニトロセル
ロース樹脂が実用化されてきた。
【0004】しかし、近年では、磁気記録媒体の高記録
密度化を図るために、磁性粉末の微粒子化が進められて
おり、ニトロセルロース樹脂を結合剤として用いた場合
には、微細化された磁性粉末を十分に分散させることが
できなくなってきている。また、、高記録密度化を図る
ために、テープの薄膜化が進められると、塩化ビニル系
樹脂では、塗膜強度が不足するようになる。また、ニト
ロセルロース樹脂は硫酸ガスを発生する可能性があり、
塩化ビニル系樹脂は塩化水素ガスやダイオキシンを発生
する可能性があることから、これらの樹脂を用いること
は、地球環境の面からも好ましくない。
【0005】このため、最近では、ニトロセルロース樹
脂や塩化ビニル系樹脂に代わって、ポリビニルアセター
ル樹脂を結合剤として用いることが検討されている。こ
のポリビニルアセタール樹脂を用いて形成された磁性層
は、塗膜強度、分散性、電磁変換特性、環境保護の点で
極めて優れている。
【0006】このポリビニルアセタール樹脂は、ポリ酢
酸ビニルを鹸化して得たポリビニルアルコールをアセタ
ール化することによって容易に合成できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁性層を形
成するに際しては、磁性塗料に架橋剤を添加しておき、
該磁性塗料を非磁性支持体上に塗布した後、所定の処理
とともに、この架橋剤を介して結合剤間を架橋させるこ
とによって、磁性層を硬化させることが一般的に行われ
ている。架橋剤としては、ポリイソシアネート化合物が
代表的である。そして、結合剤としてポリビニルアセタ
ール樹脂を用いる場合にも、架橋剤としてポリイソシア
ネート化合物を添加しておくことにより、磁性層を硬化
させることが可能である。
【0008】しかしながら、実際に、結合剤としてポリ
ビニルアセタール樹脂を用いた場合に、架橋剤としてポ
リイソシアネート化合物を添加すると、硬化処理を行っ
ても、磁性層を十分に硬化させることができない。
【0009】これは、ポリビニルアルコールのアセター
ル化が、通常、76モル%程度までしか起こらないた
め、合成されたポリビニルアセタール樹脂には、ビニル
アルコール部分がたくさん残存しており、これに起因し
て含水率が2.5〜4重量%にも及ぶからである。そし
て、含水率が大きな結合剤を含む磁性塗料に、架橋剤と
してポリイソシアネート化合物を添加しても、結合剤が
保持する過剰な水分が架橋剤のイソシアネート基と反応
してしまうため、磁性層に対する硬化処理時に、架橋剤
を介した結合剤間の反応が十分に進まなくなってしまう
のである。
【0010】このため、ポリビニルアセタール樹脂を結
合剤として用いた磁気記録媒体は、走行安定性、走行耐
久性が不十分なものとなってしまう。
【0011】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、架橋剤の架橋率を低下さ
せない結合剤を用いることにより、走行安定性、走行耐
久性に優れた磁気記録媒体を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気記録媒
体は、上述の目的を達成するために提案されたものであ
って、非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤とを主体と
する磁性塗料が塗布されてなり、前記結合剤が、含水率
が1重量%以下であるポリビニルアセタール樹脂よりな
るものである。
【0013】また、前記磁性塗料には、架橋剤としてポ
リイソシアネート化合物が含まれて好適である。
【0014】本発明においては、比表面積が大きな微粒
子化された強磁性粉末を均一に磁性層内に分散させて良
好な磁気特性を及び耐久性を獲得するために、さらには
磁気記録媒体を廃棄した場合の環境への影響を考慮し
て、磁性層を構成する結合剤としてポリビニルアセター
ル樹脂を使用する。ポリビニルアセタール樹脂は、磁気
記録媒体に良好な電磁変換特性を付与できるとともに耐
摩耗性、耐熱性にも優れるものであるが、このうち特に
所定の分子骨格を有するポリビニルアセタール樹脂は、
分散性、硬度、溶解性が結合剤として極めて好適であ
る。
【0015】このポリビニルアセタール樹脂は、化1に
て示されるような化学構造を有するものである。
【0016】
【化1】
【0017】ここで、化1におけるkの値は、磁性層の
硬度に影響を与えるものであり、kが65未満である
と、硬度が不足して磁気記録媒体の耐久性を十分に確保
できなくなる。なお、kが85を越えるものは合成が困
難である。また、化1におけるlの値は、他の樹脂との
溶解性の他、磁性層の耐久性、軟化性に影響を与えるも
のであり、lが上述の範囲から外れると、これらの特性
が劣化する。さらに、mの値は、他の樹脂との相溶性、
耐水性、イソシアネート基との反応性に影響を与えるも
のであり、mが小さすぎると、分散性や硬化剤との反応
性が悪く、磁気記録媒体の耐久性が不十分となる。逆
に、mが大きすぎると、耐水性に劣り、これを用いて作
成された磁気記録媒体には長期保存により張り付きが起
こってしまう。また、pの値は、分散性に影響を与える
ものであり、pが上述の範囲から外れると、微細化され
た強磁性粉末の分散性を確保することが困難となる。
【0018】化1において、Rは、Cn2n+1(n=0
〜6の整数)にて示される置換基である。また、Xとし
ては、−SO3 Na、−SO3 K、−SO3 H、−OS
3Na、−OSO3 K、−COOH、−OPO(O
H)2 、−OPO(OLi)2、−OPO(ONa)
2 、−OPO(OK)2 、−PO(OH)2 、−PO
(OLi)2 、−PO(ONa)2 、−PO(OK)
2 、−NR2 、−NR3 Br、−NR3 I等が挙げられ
る。
【0019】なお、前記ポリビニルアセタール樹脂の重
合度は200〜600であって好適である。
【0020】このようなポリビニルアセタール樹脂は、
ポリ酢酸ビニルを鹸化してポリビニルアルコールとし、
このポリビニルアルコールとアルデヒドを反応させるこ
とによって合成することができる。
【0021】しかし、上述のようにして合成されたポリ
ビニルアセタール樹脂においては、ビニルアルコール部
分(化1におけるm)が約25%を占めており、ここに
水が保持されやすいために、含水率が2.5〜4重量%
と大きくなっている。そこで、本発明では、合成された
ポリビニルアセタール樹脂を所定の温度および湿度に置
くことにより、含水率を1重量%以下とし、これによっ
て、磁気記録媒体の走行安定性、走行耐久性を向上させ
る。また、結合剤の含水率を低減しておけば、磁性塗料
に架橋剤としてポリイソシアネート化合物を添加した場
合に、この架橋剤のイソシアネート基と過剰な水分との
反応が抑制され、硬化処理によって架橋剤を介した結合
剤間の反応が十分に起こるようになる。したがって、磁
性層が十分に硬化し、磁気記録媒体の走行安定性、走行
耐久性が向上する。
【0022】なお、上述のポリビニルアセタール樹脂
は、単独で結合剤として使用してもよいが、塗布型磁気
記録媒体の結合剤として一般に用いられる結合剤と併用
しても差し支えない。この結合剤は熱可塑性樹脂であっ
ても、熱硬化性樹脂であってもよく、例示するならば、
ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体,エポキシ系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂等が挙げられる。また、特に、併用する樹
脂としてガラス転移点Tgが70°以下の樹脂を使用す
れば、結合剤に柔軟性が付加され、耐久性の向上が得ら
れることとなる。
【0023】また、このような結合剤と共に磁性塗料を
構成する強磁性粉末も、従来公知のものがいずれも使用
可能で、何等限定されるものではない。
【0024】例示するならば、γ−Fe2 3 、Fe3
4 、コバルト被着γ−Fe2 3、コバルト被着Fe
3 4 等の強磁性酸化鉄系粒子、強磁性二酸化クロム系
粒子、六角板状の六方晶フェライト微粒子等が挙げられ
る。また、Fe、Co、Ni等の金属材料やFe−C
o、Fe−Ni、Fe−Al、Fe−Ni−Al、Co
−Ni等の合金材料といった強磁性金属系粒子、窒化
鉄、炭化鉄等であってもよい。なお、還元時の焼結防止
または形状維持等の目的でAl、Si、P、Bなどの軽
金属元素が含有されてもよい。これら強磁性粉末として
は、上述した材料のうち1種類を選択してもよいし、2
種類以上を併用してもよい。なお、高記録密度化を図る
ためには、比表面積が大きなものを使用することが望ま
しい。
【0025】また、このような強磁性粉末や結合剤を分
散させて塗料化するために用いられる有機溶媒として
は、ケトン系、アルコール系、エステル系、エーテル
系、炭化水素系、ハロゲン化炭素系等、従来公知の溶媒
がいずれも使用可能であり、強磁性粉末や結合剤の材料
に応じて適宜選択されればよい。
【0026】さらに、磁性塗料には、前記強磁性粉末、
結合剤の他、添加剤として分散剤、研磨剤、帯電防止
剤、防錆剤等が加えられてもよく、これら分散剤、研磨
剤、帯電防止剤、防錆剤としては、通常この種の磁気記
録媒体において用いられる材料がいずれも使用できる。
【0027】そして、上述のような材料より磁性塗料を
調製するに際しては、ロールミル、ボールミル、サンド
ミル、ニーダー、エクストルーダ、ホモゲナイザー、超
音波分散機等によって、分散、混練を行えばよい。ま
た、このようにして得られた磁性塗料を非磁性支持体上
に塗布するに際しては、グラビアコーター、ナイフコー
ター、ブレードコーター、リバースロールコーター、ダ
イコーター等を用いればよい。
【0028】磁性塗料が塗布される非磁性支持体として
は、ポリエステル類、ポリオレフィン類、セルロース誘
導体、ビニル系樹脂、ポリイミド類、ポリアミド類、ポ
リカーボネート等に代表される高分子支持体や、アルミ
ニウム合金、チタン合金等からなる金属基板、ガラス基
板等である。その形状も何等限定されるものではなく、
テープ状、シート状、ドラム状等如何なる形態であって
もよい。さらに、この非磁性支持体にはその表面性をコ
ントロールするために、微細な凹凸が形成されるような
表面処理が施されたものであってもよい。
【0029】なお、本発明が適用される磁気記録媒体
は、磁性層が単層であるものに限られず、複数の磁性層
が積層されたものであってもよい。また、非磁性支持体
の両面に磁性層が形成されたものであってもよい。さら
に、磁性層と非磁性支持体との間に、いわゆる下塗り層
としての中間層が形成された構成とされてもよい。
【0030】また、必要に応じて、磁性層表面に潤滑剤
や防錆剤等よりなるトップコート層を設けたり、非磁性
支持体上の磁性層を形成しなかった面(背面)に走行性
の向上や帯電防止および転写防止等を目的としてバック
コート層を設けるようにしてもよい。
【0031】バックコート層は、例えば、無機顔料等の
固体粒子を結合剤中に分散させ、該結合剤の種類に応じ
て選定された有機溶媒とともに混練されて調製されたバ
ックコート用塗料が非磁性支持体の背面に塗布されてな
るものである。上記固体粒子としては、例えば、グラフ
ァイト、カーボンブラック、カーボンブラックグラフト
ポリマー、二硫化タングステン、二硫化モリブデン、酸
化チタン等が挙げられるが、これらのうち1種のみを用
いても、2種以上を併用してもよい。一方、結合剤とし
ては、磁性層を形成するために使用されるものと同様な
ものが使用でき、ここでも、含水率を1重量%以下のポ
リビニルアセタール樹脂が使用可能である。また、バッ
クコート用塗料には、結合剤や固体粒子の他に各種添加
剤が添加されてもよい。
【0032】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない
ことは言うまでもない。
【0033】実施例1 本実施例では、含水率が低く調整されたポリビニルアセ
タール樹脂を結合剤として用いた。
【0034】具体的には、SO3 Naを0.1モル%含
有した重合度300のポリ酢酸ビニルを鹸化してポリビ
ニルアルコールを得た後、アセトアルデヒドによってア
セタール化を行うことによって、ポリビニルアセタール
樹脂を合成した。このポリビニルアセタール樹脂におい
ては、アセタール化度が72モル%であり、ビニルアル
コール部分が20モル%残っていた。
【0035】次に、このポリビニルアセタール樹脂を高
温の恒温槽内に置き、含水率を低減させた。これによ
り、合成後3.5重量%であった平衡含水率が0.5重
量%となった。なお、平衡含水率はカールフィッシャー
法によって測定した。
【0036】そして、以上のようなポリビニルアセター
ル樹脂の他、下記のような磁性塗料の組成物を用意し、 <磁性塗料の組成物> 強磁性粉末:Feメタル粉末 100重量部 結合剤 :上述のポリビニルアセタール樹脂(含水率0.5重量%) 10重量部 ポリエステル系ポリウレタン樹脂(分子量2万、Tg30℃, SO3 Na基0.05モル%含有) 10重量部 帯電防止剤:カーボン(平均粒径0.15μm) 2重量部 研磨剤 :アルミナ粉末(平均粒径0.3μm) 5重量部 潤滑剤 :ステアリン酸 1重量部 ステアリン酸ブチル 1重量部 溶剤 :メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン 100/100/100重量部 架橋剤 :ポリイソシアネート化合物 (日本ポリウレタン社製,商品名コロネートL)4重量部 架橋剤を除く全ての材料をサンドミルにて6時間混合し
た後、上記架橋剤を添加することにより磁性塗料を調製
した。
【0037】次いで、14μm厚のポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に乾燥後の厚みが2.5μmとなる
ように塗布し、磁場配向処理を行い、乾燥させて巻き取
った。その後、スーパーカレンダー処理を施し、70℃
で硬化処理を行うことにより磁性層を形成し、続いて、
1/2インチ幅に裁断して磁気テープを作成した。この
磁気テープを実施例1のサンプルテープとする。
【0038】実施例2 本実施例では、含水率が異なるポリビニルアセタール樹
脂を結合剤として用いた。
【0039】具体的には、実施例1と同様して合成され
たポリビニルアセタール樹脂を、恒温槽内に置くことに
より、平衡含水率を1.0重量%に調整した。
【0040】そして、実施例1にて用いた平衡含水率
0.5重量%のポリビニルアセタール樹脂の代わりに、
この平衡含水率1.0重量%のポリビニルアセタール樹
脂を用いた以外は、実施例1と同様にして磁性塗料を調
製し、これを用いて実施例1と同様の工程により磁気テ
ープを作製した。この磁気テープを実施例2のサンプル
テープとする。
【0041】比較例1〜比較例3 本比較例では、含水率が1重量%より大きいポリビニル
アセタール樹脂を結合剤として用いた。
【0042】具体的には、実施例1と同様して合成され
たポリビニルアセタール樹脂を、恒温槽内に置くことに
より、平衡含水率を1.2重量%および2.0重量%に
調整し、これを用いた以外は実施例1と同様にして磁気
テープを作製し、比較例1および比較例2のサンプルテ
ープを得た。
【0043】さらに、実施例1と同様して合成されたポ
リビニルアセタール樹脂を、平衡含水率の調整を行うこ
となく、即ち、平衡含水率が3.5重量%のまま用い、
これ以外は実施例1と同様にして磁気テープを作製し、
比較例3のサンプルテープを得た。
【0044】特性の評価 ここで、上述のようにして作製された実施例1、実施例
2、比較例1〜比較例3のサンプルテープについて、静
磁気特性、電磁変換特性、耐久性の評価を行った。
【0045】静磁気特性としては、残留磁束密度Br及
び角形比Rsを振動試料型磁力計(VSM)により測定
した。また、スチル特性は、長時間スチルが測定出来る
ように改造したVTRを用いて出力が初期から10dB
減衰するまでの時間として求めた。
【0046】また、電磁変換特性としては、各サンプル
テープに5MHzの信号を記録し、その再生出力および
Y−C/Nの測定結果を、自社標準テープにおける測定
結果との相対値として示す。
【0047】さらに、耐久性としては、シャトル特性
を、120分長の各サンプルテープに5MHzの信号を
記録し、20回シャトル走行させて、走行前の再生出力
に対する走行後の再生出力として評価した。また、シャ
トル走行後のヘッドドラム、ガイドピン等への粉落ち量
を目視により観察し、粉落ちのほとんどないものを0
点、粉落ちが非常に多いものを5点として、0.5点刻
みの点数として粉落ちの評価も行った。
【0048】なお、以上の特性評価を行うに際しては、
いずれの試験においても、サンプルテープ1種類につき
10本を試験し、その平均値を測定及び観察結果とし
た。この測定及び観察結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1より、比較例1〜比較例3のサンプル
テープは、静電気特性や電磁変換特性には優れているも
のの、耐久性については良好な結果を得ることができな
いことがわかる。これに対して、実施例1、実施例2の
サンプルテープにおいては、静電気特性、電磁変換特
性、耐久性ともに良好な結果を得られることがわかる。
特に、実施例1、実施例2のサンプルテープは、比較例
1〜比較例3のサンプルテープに比して、シャトル特性
に優れている。これは、結合剤として用いたポリビニル
アセタール樹脂の含水率が低いため、磁性塗料に添加さ
れた架橋剤にイソシアネート基を十分残存させることが
でき、硬化処理時に、この架橋剤を介した結合剤間の反
応を十分に進めることができたからである。なお、この
結果は、実施例1、実施例2のサンプルテープの方が、
比較例1〜比較例3のサンプルテープに比して、大幅に
粉落ちを抑制できることからも確認できる。
【0051】以上の結果より、磁性層を構成する結合剤
として含水率が1重量%以下のポリビニルアセタール樹
脂を用いると、静電気特性や電磁変換特性のみならず、
耐久性にも優れた磁気記録媒体を得ることができること
がわかった。
【0052】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、含水
率が1重量%以下のポリビニルアセタール樹脂を結合剤
として用いると、さらに、架橋剤としてポリイソシアネ
ートを添加すると、磁性層の磁気特性や耐久性が向上
し、走行安定性、走行耐久性に優れた磁気記録媒体が得
られる。
【0053】このため、磁気記録媒体の信頼性が高ま
り、一層の高記録密度化を図ることも可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤と
    を主体とする磁性塗料が塗布されてなる磁気記録媒体に
    おいて、 前記結合剤が、含水率が1重量%以下であるポリビニル
    アセタール樹脂よりなることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 前記磁性塗料に架橋剤としてポリイソシ
    アネート化合物が含まれていることを特徴とする請求項
    1記載の磁気記録媒体。
JP27156495A 1995-10-19 1995-10-19 磁気記録媒体 Withdrawn JPH09115131A (ja)

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