JPH09113514A - グリコアルブミン測定用乾式試験具 - Google Patents
グリコアルブミン測定用乾式試験具Info
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- JPH09113514A JPH09113514A JP30810195A JP30810195A JPH09113514A JP H09113514 A JPH09113514 A JP H09113514A JP 30810195 A JP30810195 A JP 30810195A JP 30810195 A JP30810195 A JP 30810195A JP H09113514 A JPH09113514 A JP H09113514A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 血清分離の前処理を要せずに、グリコアルブ
ミン値の測定を簡単な操作で行える乾式試験具を提供す
ること。 【解決手段】 光学的測定を可能にするための貫通孔ま
たは光透過性部分を有する支持体1上に、グリコアルブ
ミンとアルブミンに結合する捕捉剤を固定化した測定層
4が該貫通孔または光透過性部分を覆うように積層され
ており、該測定層の上に展開層5が積層され、アルブミ
ンを着色する色素とグリコアルブミンを着色する色素と
変性剤を担持する試薬層6が該展開層の上に積層され、
血球分離膜からなる血球分離層7が該試薬層の上に積層
されており、展開残液を吸収する残液吸収層8が該測定
層の周囲を取り囲むようにして設けられており、アルブ
ミンを着色する色素とグリコアルブミンを着色する色素
は互いに異なる光学的特性を有する。
ミン値の測定を簡単な操作で行える乾式試験具を提供す
ること。 【解決手段】 光学的測定を可能にするための貫通孔ま
たは光透過性部分を有する支持体1上に、グリコアルブ
ミンとアルブミンに結合する捕捉剤を固定化した測定層
4が該貫通孔または光透過性部分を覆うように積層され
ており、該測定層の上に展開層5が積層され、アルブミ
ンを着色する色素とグリコアルブミンを着色する色素と
変性剤を担持する試薬層6が該展開層の上に積層され、
血球分離膜からなる血球分離層7が該試薬層の上に積層
されており、展開残液を吸収する残液吸収層8が該測定
層の周囲を取り囲むようにして設けられており、アルブ
ミンを着色する色素とグリコアルブミンを着色する色素
は互いに異なる光学的特性を有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は臨床検査におけるア
ルブミンとその糖化蛋白質であるグリコアルブミンとを
同時に簡易測定する試験具に関するものである。
ルブミンとその糖化蛋白質であるグリコアルブミンとを
同時に簡易測定する試験具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】血中の蛋白質であるアルブミンや赤血球
中のヘモグロビンは、グルコースと非酵素的に反応し
て、各々グリコアルブミン及びグリコヘモグロビンとな
ることが知られている。このいわゆる糖化蛋白質の濃度
は、蛋白質が生体内に存在していた期間の血中糖濃度を
反映するため、その測定は糖尿病の診断や糖尿病の経過
観察に非常に有用である。
中のヘモグロビンは、グルコースと非酵素的に反応し
て、各々グリコアルブミン及びグリコヘモグロビンとな
ることが知られている。このいわゆる糖化蛋白質の濃度
は、蛋白質が生体内に存在していた期間の血中糖濃度を
反映するため、その測定は糖尿病の診断や糖尿病の経過
観察に非常に有用である。
【0003】このような糖化蛋白質の指標としては、グ
リコヘモグロビンであるヘモグロビンA1c(HbA
1c),グリコアルブミン,フルクトサミン等が挙げら
れる。HbA1cは過去1〜2ヶ月間の血中糖濃度を反
映するのに対し、グリコアルブミンやフルクトサミンは
過去1〜2週間の血中糖濃度を反映するために、HbA
1c濃度よりも鋭敏に且つ大きな変動幅で動く傾向が観
察される。つまり、グリコアルブミンやフルクトサミン
の濃度はHbA1c濃度よりも短期間の血糖コントロー
ルの指標として有用である。フルクトサミンの測定法
は、その還元性を原理とした比色法であるために、反応
系に共存する還元性物質(ビリルビンやアスコルビン酸
等)の影響を受けやすい。また、フルクトサミンの測定
値は絶対値として表示されるために、試料中の蛋白質量
の影響を受けるという問題もある。従って、相対的な値
を測定するグリコアルブミンの方が、フルクトサミンを
測定することに比べてより信頼性が高いと言える。
リコヘモグロビンであるヘモグロビンA1c(HbA
1c),グリコアルブミン,フルクトサミン等が挙げら
れる。HbA1cは過去1〜2ヶ月間の血中糖濃度を反
映するのに対し、グリコアルブミンやフルクトサミンは
過去1〜2週間の血中糖濃度を反映するために、HbA
1c濃度よりも鋭敏に且つ大きな変動幅で動く傾向が観
察される。つまり、グリコアルブミンやフルクトサミン
の濃度はHbA1c濃度よりも短期間の血糖コントロー
ルの指標として有用である。フルクトサミンの測定法
は、その還元性を原理とした比色法であるために、反応
系に共存する還元性物質(ビリルビンやアスコルビン酸
等)の影響を受けやすい。また、フルクトサミンの測定
値は絶対値として表示されるために、試料中の蛋白質量
の影響を受けるという問題もある。従って、相対的な値
を測定するグリコアルブミンの方が、フルクトサミンを
測定することに比べてより信頼性が高いと言える。
【0004】グリコアルブミンの値は、全アルブミン量
に対するグリコアルブミン量の割合を指標として表すこ
とが臨床的に一般化されており、通常百分率で11〜1
6%がその正常値の目安とされている。つまり、グリコ
アルブミンの値を知るためには、全アルブミン量とグリ
コアルブミン量とを同時に測る必要がある。
に対するグリコアルブミン量の割合を指標として表すこ
とが臨床的に一般化されており、通常百分率で11〜1
6%がその正常値の目安とされている。つまり、グリコ
アルブミンの値を知るためには、全アルブミン量とグリ
コアルブミン量とを同時に測る必要がある。
【0005】糖化蛋白質の測定法としては、従来、電気
泳動法、イオン交換クロマトグラフィー法、ボロン酸親
和性による高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法
などにより行われているが、臨床検査の分野ではHPL
C法が主流となっている。しかし、HPLC法は精度・
分離性は高いが、1検体あたりの測定所要時間が長いた
めに同時に多数の検体を処理できないという欠点があ
る。
泳動法、イオン交換クロマトグラフィー法、ボロン酸親
和性による高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法
などにより行われているが、臨床検査の分野ではHPL
C法が主流となっている。しかし、HPLC法は精度・
分離性は高いが、1検体あたりの測定所要時間が長いた
めに同時に多数の検体を処理できないという欠点があ
る。
【0006】最近ではボロン酸親和性と免疫反応とを組
み合わせたイムノアッセイ法も用いられている。一般に
イムノアッセイ法は、糖化蛋白質に対する特異性や多量
検体処理には優れている。
み合わせたイムノアッセイ法も用いられている。一般に
イムノアッセイ法は、糖化蛋白質に対する特異性や多量
検体処理には優れている。
【0007】上記のHPLC法とイムノアッセイ法はい
ずれも比較的大型の機器を使って検査センターや大病院
で使用されているのが現状である。よって、中小の病院
や開業医又は患者自信でも使用できる、検体を簡便な小
型機器で短時間のうちに測定できる方法が要望されてい
る。しかし、従来その要望を満たすものは報告されてい
ない。
ずれも比較的大型の機器を使って検査センターや大病院
で使用されているのが現状である。よって、中小の病院
や開業医又は患者自信でも使用できる、検体を簡便な小
型機器で短時間のうちに測定できる方法が要望されてい
る。しかし、従来その要望を満たすものは報告されてい
ない。
【0008】この要望を叶える解決策としては、乾式の
試験具が考えられる。事実、グリコアルブミンではない
ものの、血中のヘモグロビンの種類(ヘモグロビンA、
SおよびC)を判定する使い捨てタイプの乾式検査具が
報告されている(Screening3,67〜76,
1994)。
試験具が考えられる。事実、グリコアルブミンではない
ものの、血中のヘモグロビンの種類(ヘモグロビンA、
SおよびC)を判定する使い捨てタイプの乾式検査具が
報告されている(Screening3,67〜76,
1994)。
【0009】また、グルコアルブミンの測定法は検体と
して血清又は血漿を用いるため、全血から血球成分を分
離して血清又は血漿を得るための前処理が必要である。
血清分離作業は操作の煩雑さを伴うばかりでなく、感染
の危険性(バイオハザード)の問題もある。この血清分
離の作業もまた、乾式用具での糖化蛋白質測定を妨げる
要因となっている。
して血清又は血漿を用いるため、全血から血球成分を分
離して血清又は血漿を得るための前処理が必要である。
血清分離作業は操作の煩雑さを伴うばかりでなく、感染
の危険性(バイオハザード)の問題もある。この血清分
離の作業もまた、乾式用具での糖化蛋白質測定を妨げる
要因となっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】よって本発明の目的
は、大型の分析装置ではなく小型の測光装置を用い、し
かも血清分離の前処理を要せずに、中小の病院や開業医
又は患者自身が在宅でもグリコアルブミン値の測定を簡
単な操作で行える、つまりグリコアルブミンの値を知る
ために全アルブミン量とグリコアルブミン量を同時に測
定できる乾式の試験具を提供することにある。
は、大型の分析装置ではなく小型の測光装置を用い、し
かも血清分離の前処理を要せずに、中小の病院や開業医
又は患者自身が在宅でもグリコアルブミン値の測定を簡
単な操作で行える、つまりグリコアルブミンの値を知る
ために全アルブミン量とグリコアルブミン量を同時に測
定できる乾式の試験具を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、全体が液体
を展開しうる材質で形成されており、展開液を用いて血
中のグリコアルブミン量を測定するための乾式試験具で
あって、光学的測定を可能にするための貫通孔または光
透過性部分を有する支持体上に、グリコアルブミンとア
ルブミンに結合する捕捉剤を固定化した測定層が該貫通
孔または光透過性部分を覆うように積層されており、該
測定層の上に展開層が積層され、アルブミンを着色する
色素とグリコアルブミンを着色する色素とを含む試薬層
が該展開層の上に積層され、血球分離膜からなる血球分
離層が該試薬層の上に積層されており、展開残液を吸収
する残液吸収層が該測定層の周囲を取り囲むようにして
設けられていることを特徴とする、グリコアルブミン測
定用乾式試験具で解決できる。ここで、アルブミンを着
色する色素とグリコアルブミンを着色する色素は互いに
異なる光学的特性を有することが必要条件である。上記
の試験具は、一個の支持体上に、一個の積層物が設けら
れているタイプである。そして、一個の測定層でグリコ
アルブミンとアルブミンを同時に測定しようとするもの
である。本態様を態様1とする。
を展開しうる材質で形成されており、展開液を用いて血
中のグリコアルブミン量を測定するための乾式試験具で
あって、光学的測定を可能にするための貫通孔または光
透過性部分を有する支持体上に、グリコアルブミンとア
ルブミンに結合する捕捉剤を固定化した測定層が該貫通
孔または光透過性部分を覆うように積層されており、該
測定層の上に展開層が積層され、アルブミンを着色する
色素とグリコアルブミンを着色する色素とを含む試薬層
が該展開層の上に積層され、血球分離膜からなる血球分
離層が該試薬層の上に積層されており、展開残液を吸収
する残液吸収層が該測定層の周囲を取り囲むようにして
設けられていることを特徴とする、グリコアルブミン測
定用乾式試験具で解決できる。ここで、アルブミンを着
色する色素とグリコアルブミンを着色する色素は互いに
異なる光学的特性を有することが必要条件である。上記
の試験具は、一個の支持体上に、一個の積層物が設けら
れているタイプである。そして、一個の測定層でグリコ
アルブミンとアルブミンを同時に測定しようとするもの
である。本態様を態様1とする。
【0012】また上記目的は、全体が液体を展開しうる
材質で形成されており、展開液を用いて血中のグリコア
ルブミン量を測定するための乾式試験具であって、光学
的測定を可能にするための貫通孔または光透過性部分を
二個有する支持体上に、アルブミンに結合する捕捉剤を
固定化した測定層が該貫通孔または光透過性部分の一個
を覆うように積層されており、該測定層の上に展開層が
積層され、アルブミンを着色する色素を含む試薬層が該
展開層の上に積層され、血球分離膜からなる血球分離層
が該試薬層の上に積層されており、展開残液を吸収する
残液吸収層が該測定層の周囲を取り囲むようにして設け
られており、他方、アルブミンに結合する捕捉剤を固定
化した測定層が該貫通孔または光透過性部分のもう一個
を覆うように積層されており、該測定層の上に展開層が
積層され、グリコアルブミンを着色する色素を含む試薬
層が該展開層の上に積層され、血球分離膜からなる血球
分離層が該試薬層の上に積層されており、展開残液を吸
収する残液吸収層が該測定層の周囲を取り囲むようにし
て設けられていることを特徴とする、グリコアルブミン
測定用乾式試験具でも解決できる。上記の試験具は、一
個の支持体上に、二個の積層物が設けられているタイプ
である。そして、各測定層でグリコアルブミンとアルブ
ミンを別々に測定しようとするものである。本態様を態
様2とする。このとき、アルブミンを着色する色素とグ
リコアルブミンを着色する色素は別々の積層構造物で個
別に検出されるために、互いに同じ光学的特性を有して
も問題はない。
材質で形成されており、展開液を用いて血中のグリコア
ルブミン量を測定するための乾式試験具であって、光学
的測定を可能にするための貫通孔または光透過性部分を
二個有する支持体上に、アルブミンに結合する捕捉剤を
固定化した測定層が該貫通孔または光透過性部分の一個
を覆うように積層されており、該測定層の上に展開層が
積層され、アルブミンを着色する色素を含む試薬層が該
展開層の上に積層され、血球分離膜からなる血球分離層
が該試薬層の上に積層されており、展開残液を吸収する
残液吸収層が該測定層の周囲を取り囲むようにして設け
られており、他方、アルブミンに結合する捕捉剤を固定
化した測定層が該貫通孔または光透過性部分のもう一個
を覆うように積層されており、該測定層の上に展開層が
積層され、グリコアルブミンを着色する色素を含む試薬
層が該展開層の上に積層され、血球分離膜からなる血球
分離層が該試薬層の上に積層されており、展開残液を吸
収する残液吸収層が該測定層の周囲を取り囲むようにし
て設けられていることを特徴とする、グリコアルブミン
測定用乾式試験具でも解決できる。上記の試験具は、一
個の支持体上に、二個の積層物が設けられているタイプ
である。そして、各測定層でグリコアルブミンとアルブ
ミンを別々に測定しようとするものである。本態様を態
様2とする。このとき、アルブミンを着色する色素とグ
リコアルブミンを着色する色素は別々の積層構造物で個
別に検出されるために、互いに同じ光学的特性を有して
も問題はない。
【0013】態様1,2ともに、使用する際には、血液
検体を滴下して展開液で展開するだけでアルブミンとグ
リコアルブミンがそれぞれ異なる色素で着色された後に
測定層で捕捉されるので、それを測光装置で光学的に測
定する。こうして得られたアルブミンとグリコアルブミ
ンの各量からアルブミンに対するグリコアルブミンの比
率を算出する。血液検体は上から下へと重力によって展
開されるために、本発明による試験具では液むらが生じ
にくいという利点がある。
検体を滴下して展開液で展開するだけでアルブミンとグ
リコアルブミンがそれぞれ異なる色素で着色された後に
測定層で捕捉されるので、それを測光装置で光学的に測
定する。こうして得られたアルブミンとグリコアルブミ
ンの各量からアルブミンに対するグリコアルブミンの比
率を算出する。血液検体は上から下へと重力によって展
開されるために、本発明による試験具では液むらが生じ
にくいという利点がある。
【0014】この時に使用する血液検体としては、全血
は勿論のこと、あらかじめ分離された血清又は血漿も使
用できる。よって、後者の場合には血球分離層は特に必
要ではない。しかし本発明は患者等が在宅で測定を行う
ことを前提としているために、面倒な血球分離作業を必
要としない全血試料を使用することが望まれる。
は勿論のこと、あらかじめ分離された血清又は血漿も使
用できる。よって、後者の場合には血球分離層は特に必
要ではない。しかし本発明は患者等が在宅で測定を行う
ことを前提としているために、面倒な血球分離作業を必
要としない全血試料を使用することが望まれる。
【0015】またさらに、アルブミン及びグリコアルブ
ミンの表面を変性させてエピトープをできる限り露出さ
せ、抗体を結合しやすくするために、試薬層へ血液変性
剤を加えてもよい。
ミンの表面を変性させてエピトープをできる限り露出さ
せ、抗体を結合しやすくするために、試薬層へ血液変性
剤を加えてもよい。
【0016】特開平5−87809号において、固相抗
体でアルブミンとグリコアルブミンの両者を捕捉し、グ
リコアルブミンのみをボロン酸誘導体で標識するとい
う、グリコアルブミンの測定方法が開示されている。し
かし、この方法はアルブミンを標識せずに、固相用の既
知抗体量よりも過剰の試料(すなわちグリコアルブミン
含有アルブミン)を適用することで一定量のアルブミン
を捕捉するものであるが、常に固相抗体の捕捉能力を一
定にしなければならず、これは種々の影響を受けやす
く、誤差の原因となる。そのため、固相の作製法や保存
にも厳しい条件が必要で、技量も要する。また、検体を
多量に必要とする。
体でアルブミンとグリコアルブミンの両者を捕捉し、グ
リコアルブミンのみをボロン酸誘導体で標識するとい
う、グリコアルブミンの測定方法が開示されている。し
かし、この方法はアルブミンを標識せずに、固相用の既
知抗体量よりも過剰の試料(すなわちグリコアルブミン
含有アルブミン)を適用することで一定量のアルブミン
を捕捉するものであるが、常に固相抗体の捕捉能力を一
定にしなければならず、これは種々の影響を受けやす
く、誤差の原因となる。そのため、固相の作製法や保存
にも厳しい条件が必要で、技量も要する。また、検体を
多量に必要とする。
【0017】グリコヘモグロビンならばヘモグロビン自
身が赤色を呈しているために、グリコヘモグロビンのみ
を標識すればよかったが、アルブミンは無色のために、
アルブミンとグリコアルブミンの両者を異なる標識物質
で標識しなけらばならない。よって本発明では、アルブ
ミンを敢えて標識することにより、グリコアルブミンを
含む『アルブミンの全体量』を完全に把握しようとする
ものである。
身が赤色を呈しているために、グリコヘモグロビンのみ
を標識すればよかったが、アルブミンは無色のために、
アルブミンとグリコアルブミンの両者を異なる標識物質
で標識しなけらばならない。よって本発明では、アルブ
ミンを敢えて標識することにより、グリコアルブミンを
含む『アルブミンの全体量』を完全に把握しようとする
ものである。
【0018】本発明では標識物質として色素を用いる
が、その理由は色素は酵素や放射性物質と比較しても非
常に安価で安定であり、二波長測定機能を有する測光装
置があれば十分に二種類の色素を判別でき、すなわちア
ルブミンとグリコアルブミンを測定できるためである。
また、色素には蛍光を発するものが多く、その点でも非
常に有用である。本発明における「光学的特性」とは、
この様な吸収波長や蛍光強度を示す。
が、その理由は色素は酵素や放射性物質と比較しても非
常に安価で安定であり、二波長測定機能を有する測光装
置があれば十分に二種類の色素を判別でき、すなわちア
ルブミンとグリコアルブミンを測定できるためである。
また、色素には蛍光を発するものが多く、その点でも非
常に有用である。本発明における「光学的特性」とは、
この様な吸収波長や蛍光強度を示す。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係わる実施例
を、添付図面に従って説明する。図1と図2は各々、本
発明の実施態様1及び2を示す断面図である。各図面か
ら理解されるように、本発明による試験具は、液体を移
送できる能力を有する層を積層することで、上から下へ
液体を展開する一つの大きな層状構造体を形成している
ことが本質にある。
を、添付図面に従って説明する。図1と図2は各々、本
発明の実施態様1及び2を示す断面図である。各図面か
ら理解されるように、本発明による試験具は、液体を移
送できる能力を有する層を積層することで、上から下へ
液体を展開する一つの大きな層状構造体を形成している
ことが本質にある。
【0020】(試験具A)図1は、支持体1の上に一個
の積層物(層状構造体)が設けられている形状であっ
て、本発明による試験具の一つの実施態様である態様1
の断面図である(以下試験具Aと呼称する)。試験具A
は、一個の貫通孔2の上に、順次、透明層3と、捕捉剤
である抗アルブミン抗体又はイオン交換物質を固定化し
た測定層4と、展開層5と、アルブミンを着色する色素
aとグリコアルブミンを着色する色素bを担持した試薬
層6と、血球分離膜からなる血球分離層7を積層し、測
定層4の周囲に展開残液を吸収するための残液吸収層8
を設け、そしてさらにそれらの層状構造体をカバー9で
覆ったものである。カバー9には、試料を供給するため
の貫通孔が一個設けられている。抗アルブミン抗体とイ
オン交換物質は、共にアルブミンとグリコアルブミンの
両者に結合する。
の積層物(層状構造体)が設けられている形状であっ
て、本発明による試験具の一つの実施態様である態様1
の断面図である(以下試験具Aと呼称する)。試験具A
は、一個の貫通孔2の上に、順次、透明層3と、捕捉剤
である抗アルブミン抗体又はイオン交換物質を固定化し
た測定層4と、展開層5と、アルブミンを着色する色素
aとグリコアルブミンを着色する色素bを担持した試薬
層6と、血球分離膜からなる血球分離層7を積層し、測
定層4の周囲に展開残液を吸収するための残液吸収層8
を設け、そしてさらにそれらの層状構造体をカバー9で
覆ったものである。カバー9には、試料を供給するため
の貫通孔が一個設けられている。抗アルブミン抗体とイ
オン交換物質は、共にアルブミンとグリコアルブミンの
両者に結合する。
【0021】試験具Aの血球分離層7に血液検体を滴下
し、次いで展開液を血球分離層7に加えると、血液検体
は展開され、血球分離層の血球分離膜により血球が除去
される。次にその血漿中のアルブミン及びグリコアルブ
ミンは試薬層6中の変性剤に変性され、アルブミンは色
素aにより着色され、グリコアルブミンは色素aとbに
より着色される。その後、色素aで着色されたアルブミ
ン及び色素aとbで着色されたグリコアルブミンは測定
層4において捕捉され、その他の物質は展開残液吸収層
8に吸収される。その後、測定層4に捕捉されたアルブ
ミンと色素aの複合体における呈色と、グリコアルブミ
ンと色素aとbの複合体における呈色とから光学的検出
方法により各色素の濃度を求め、その結果からアルブミ
ンとグリコアルブミンの各量を求めた後、アルブミンに
対するグリコアルブミンの比率を算出する。
し、次いで展開液を血球分離層7に加えると、血液検体
は展開され、血球分離層の血球分離膜により血球が除去
される。次にその血漿中のアルブミン及びグリコアルブ
ミンは試薬層6中の変性剤に変性され、アルブミンは色
素aにより着色され、グリコアルブミンは色素aとbに
より着色される。その後、色素aで着色されたアルブミ
ン及び色素aとbで着色されたグリコアルブミンは測定
層4において捕捉され、その他の物質は展開残液吸収層
8に吸収される。その後、測定層4に捕捉されたアルブ
ミンと色素aの複合体における呈色と、グリコアルブミ
ンと色素aとbの複合体における呈色とから光学的検出
方法により各色素の濃度を求め、その結果からアルブミ
ンとグリコアルブミンの各量を求めた後、アルブミンに
対するグリコアルブミンの比率を算出する。
【0022】ここで、各構成の材料としてはいずれも公
知のものでもよいが、具体的には次のようなものであ
る。
知のものでもよいが、具体的には次のようなものであ
る。
【0023】○支持体;ポリスチレン,ポリエステル,
酢酸セルロースなどの高分子プラスチックを主成分とす
るフィルム,シート又は板状体 支持体は、光透過性でも光非透過性でも良いが、展開終
了後の測定を支持体下部から行うのならば透明なもの、
例えば透明ポリエチレンテレフタレート(PET)等が
望ましい。また、光非透過性ならば貫通孔を設ける。図
では貫通孔を設けてある。
酢酸セルロースなどの高分子プラスチックを主成分とす
るフィルム,シート又は板状体 支持体は、光透過性でも光非透過性でも良いが、展開終
了後の測定を支持体下部から行うのならば透明なもの、
例えば透明ポリエチレンテレフタレート(PET)等が
望ましい。また、光非透過性ならば貫通孔を設ける。図
では貫通孔を設けてある。
【0024】○透明層;ポリエステル,酢酸セルロー
ス,ポリカーボネート,ポリスチレンなどを主成分とす
るフィルム又はシート 透明層は、支持体の貫通孔を覆うように測定層を保持す
るためにあるもので、測定層自身がある程度の強度を有
する場合には全く必要としない。もちろん、支持体が光
透過性ならば必要はない。図では支持体が光非透過性と
仮定しているために、貫通孔を設け、透明層を設けてあ
る。
ス,ポリカーボネート,ポリスチレンなどを主成分とす
るフィルム又はシート 透明層は、支持体の貫通孔を覆うように測定層を保持す
るためにあるもので、測定層自身がある程度の強度を有
する場合には全く必要としない。もちろん、支持体が光
透過性ならば必要はない。図では支持体が光非透過性と
仮定しているために、貫通孔を設け、透明層を設けてあ
る。
【0025】○血球分離膜;ポリテトラフルオロエチレ
ン,ポリスルオン,ポリプロピレン,ポリビニリデンジ
フロライド,セルロース混合エステルなどを主成分とす
る濾過膜
ン,ポリスルオン,ポリプロピレン,ポリビニリデンジ
フロライド,セルロース混合エステルなどを主成分とす
る濾過膜
【0026】○吸収剤;セルロース,セルロース誘導体
(酢酸セルロース,ニトロセルロースなど),ガラスフ
ァイバーなどを主成分とする濾紙状体又は多孔性マトリ
ックス 展開後の残液を吸収するための吸収剤の条件としては、
展開後の展開液を吸収するのに十分な細孔容積を持つこ
とである。
(酢酸セルロース,ニトロセルロースなど),ガラスフ
ァイバーなどを主成分とする濾紙状体又は多孔性マトリ
ックス 展開後の残液を吸収するための吸収剤の条件としては、
展開後の展開液を吸収するのに十分な細孔容積を持つこ
とである。
【0027】○カバー;ポリエステル,酢酸セルロー
ス,ポリカーボネート,ポリスチレンなどを主成分とす
るフィルム又はシート カバーの材質は、基本的に支持体を形成する材質で構わ
ない。このカバー9は各層の積層を確実に行うためのも
のであり、カバーを用いずとも、少量の接着剤を用いて
層どうしを固定する等の方法を採用すれば、このカバー
は必要ない。
ス,ポリカーボネート,ポリスチレンなどを主成分とす
るフィルム又はシート カバーの材質は、基本的に支持体を形成する材質で構わ
ない。このカバー9は各層の積層を確実に行うためのも
のであり、カバーを用いずとも、少量の接着剤を用いて
層どうしを固定する等の方法を採用すれば、このカバー
は必要ない。
【0028】○展開液;微量の蛋白質,塩,キレート化
合物,界面活性剤等を含有する緩衝液 試料検体の展開に使用する展開液としては、通常のイム
ノアッセイ法やクロマトグラフィーで使用されるよう
な、微量の蛋白質,塩,キレート化合物,界面活性剤等
を含有する緩衝液が望ましく、一例としては、0.1%
ウシ血清アルブミンと0.9%塩化ナトリウムと0.0
1%EDTAと0.01%トリトンX−100を含む
0.1Mリン酸緩衝液が挙げられる。
合物,界面活性剤等を含有する緩衝液 試料検体の展開に使用する展開液としては、通常のイム
ノアッセイ法やクロマトグラフィーで使用されるよう
な、微量の蛋白質,塩,キレート化合物,界面活性剤等
を含有する緩衝液が望ましく、一例としては、0.1%
ウシ血清アルブミンと0.9%塩化ナトリウムと0.0
1%EDTAと0.01%トリトンX−100を含む
0.1Mリン酸緩衝液が挙げられる。
【0029】これより以下に示す各構成は、セルロー
ス,セルロース誘導体(酢酸セルロース,ニトロセルロ
ースなど),ガラスファイバーなどを主成分とする濾紙
状体又は多孔性マトリックスからなる展開膜へ、各記載
の試薬類を含ませることで各構成を設ける。展開層の中
へ各層を設けるために、展開膜へ各種試薬を含浸・塗布
又は結合させたものである。手法としては当業者間で公
知の方法でよく、施すべき物質を一種以上の含浸溶液中
へ溶かし込み、塗り付けることで含浸したり、インクジ
ェットプリンターで噴霧したりすることができる。いず
れにせよ、最終的には乾燥させる。ただし、後述の試薬
層を形成する際には、展開液によって始めの位置から試
薬類が浮き出てクロマトされなければ意味がないので含
浸・塗布だけでよいが、後述の測定層を形成する際に
は、捕捉剤はもとの位置から動いてはならないので捕捉
剤を化学的に展開膜へ結合させて固定化させておく必要
がある(「酵素免疫測定法」医学書院 1987年)。
ス,セルロース誘導体(酢酸セルロース,ニトロセルロ
ースなど),ガラスファイバーなどを主成分とする濾紙
状体又は多孔性マトリックスからなる展開膜へ、各記載
の試薬類を含ませることで各構成を設ける。展開層の中
へ各層を設けるために、展開膜へ各種試薬を含浸・塗布
又は結合させたものである。手法としては当業者間で公
知の方法でよく、施すべき物質を一種以上の含浸溶液中
へ溶かし込み、塗り付けることで含浸したり、インクジ
ェットプリンターで噴霧したりすることができる。いず
れにせよ、最終的には乾燥させる。ただし、後述の試薬
層を形成する際には、展開液によって始めの位置から試
薬類が浮き出てクロマトされなければ意味がないので含
浸・塗布だけでよいが、後述の測定層を形成する際に
は、捕捉剤はもとの位置から動いてはならないので捕捉
剤を化学的に展開膜へ結合させて固定化させておく必要
がある(「酵素免疫測定法」医学書院 1987年)。
【0030】○変性剤;界面活性剤,酸,サポニン,グ
アニジン及びその塩 変性剤は、アルブミン及びグリコアルブミンの表面を変
性させてエピトープをできる限り露出させ、抗体を結合
しやすくするために加えるもので、使用する抗体によっ
ては必ずしも必要でないが、添加しても差し支えはな
い。
アニジン及びその塩 変性剤は、アルブミン及びグリコアルブミンの表面を変
性させてエピトープをできる限り露出させ、抗体を結合
しやすくするために加えるもので、使用する抗体によっ
ては必ずしも必要でないが、添加しても差し支えはな
い。
【0031】○色素;色素aは、蛋白質の中でもアルブ
ミンに高い親和性を有する色素が使用できる。例として
プロムクレゾールパープル,ブロムフェノールブルー,
ブロムクレゾールグリーン,チバクロンブルーF3G−
Aといった指示薬が好ましい。又は、アルブミンに親和
性を特に有さない色素でも、抗アルブミン抗体に結合さ
せることで使用できる。例えば、アントラキノン類,ア
ゾ色素,アジン色素,トリアジン色素,フィコエリスリ
ン色素,クマリン類,アクリジン類,ロダミン類,フル
オレッセン類,フタロシアニン類を抗アルブミン抗体に
結合させたものである。ちなみにこれらの色素の中には
蛍光を発するものがあるので、その蛍光を検出してもよ
い。アルブミンを直接に着色する色素は非常に安価で安
定な上に、色素とアルブミンの間を抗体等で介する必要
もなく、非常に有用である。
ミンに高い親和性を有する色素が使用できる。例として
プロムクレゾールパープル,ブロムフェノールブルー,
ブロムクレゾールグリーン,チバクロンブルーF3G−
Aといった指示薬が好ましい。又は、アルブミンに親和
性を特に有さない色素でも、抗アルブミン抗体に結合さ
せることで使用できる。例えば、アントラキノン類,ア
ゾ色素,アジン色素,トリアジン色素,フィコエリスリ
ン色素,クマリン類,アクリジン類,ロダミン類,フル
オレッセン類,フタロシアニン類を抗アルブミン抗体に
結合させたものである。ちなみにこれらの色素の中には
蛍光を発するものがあるので、その蛍光を検出してもよ
い。アルブミンを直接に着色する色素は非常に安価で安
定な上に、色素とアルブミンの間を抗体等で介する必要
もなく、非常に有用である。
【0032】色素bは、アルブミンとグリコアルブミン
の両者のうち、グリコアルブミンの方を着色するもので
ある。色素bは、グリコアルブミンに親和性を有する色
素が使用できるが、グリコアルブミンに親和性を特に有
さない色素でも、ジヒドロキシボロン酸誘導体や抗グリ
コアルブミン抗体に結合させることで使用することがで
きる。例えば、アントラキノン類,アゾ色素,アジン色
素,トリアジン色素,フィコエリスリン色素,クマリン
類,アクリジン類,ロダミン類,フルオレッセン類,フ
タロシアニン類をジヒドロキシボロン酸誘導体や抗グリ
コアルブミン抗体に結合させたものがよい。好ましい例
としては、キシレンシアノールボロン酸やジメチルアミ
ノナフタレンスルホニル抗グリコアルブミン抗体等が好
適である。ここで使用される抗グリコアルブミン抗体
は、グリコアルブミンの糖部分を認識するものを使用す
る。
の両者のうち、グリコアルブミンの方を着色するもので
ある。色素bは、グリコアルブミンに親和性を有する色
素が使用できるが、グリコアルブミンに親和性を特に有
さない色素でも、ジヒドロキシボロン酸誘導体や抗グリ
コアルブミン抗体に結合させることで使用することがで
きる。例えば、アントラキノン類,アゾ色素,アジン色
素,トリアジン色素,フィコエリスリン色素,クマリン
類,アクリジン類,ロダミン類,フルオレッセン類,フ
タロシアニン類をジヒドロキシボロン酸誘導体や抗グリ
コアルブミン抗体に結合させたものがよい。好ましい例
としては、キシレンシアノールボロン酸やジメチルアミ
ノナフタレンスルホニル抗グリコアルブミン抗体等が好
適である。ここで使用される抗グリコアルブミン抗体
は、グリコアルブミンの糖部分を認識するものを使用す
る。
【0033】○測定層;測定層は、抗アルブミン抗体や
イオン交換樹脂といった、アルブミンとグリコアルブミ
ンの両者を捕捉できる捕捉剤を化学的に展開膜へ結合さ
せて固定化させたものである。イオン交換樹脂の例とし
ては、ジエチルアミノエチルセルロースやカルボキシメ
チル化ポリビニルアルコール等が挙げられる。
イオン交換樹脂といった、アルブミンとグリコアルブミ
ンの両者を捕捉できる捕捉剤を化学的に展開膜へ結合さ
せて固定化させたものである。イオン交換樹脂の例とし
ては、ジエチルアミノエチルセルロースやカルボキシメ
チル化ポリビニルアルコール等が挙げられる。
【0034】色素a,bが抗体を介すると同時に、測定
層での捕捉物質が抗体である場合、それらの抗体は互い
にエピトープが異なり、しかも抗原に対して同時に結合
できるものでなければならない。
層での捕捉物質が抗体である場合、それらの抗体は互い
にエピトープが異なり、しかも抗原に対して同時に結合
できるものでなければならない。
【0035】測定層や試薬層で使用される、抗アルブミ
ン抗体及び抗グリコアルブミン抗体は、ポリクローナル
抗体又はモノクローナル抗体で、抗体分子のみでもよい
が、これらを酵素処理することにより得られるFab,
Fab’,(Fab’)2といった抗体活性フラグメン
トも使用できる。なお、色素をジヒドロキシボロン酸誘
導体を用いて使用する場合、抗体は糖を有するために、
あらかじめグルコペプチターゼ又はN−グリカーゼとい
った酵素で処理することにより、糖鎖を除去するか、前
記Fab,Fab’,(Fab’)2フラグメントを使
用することが望ましい。
ン抗体及び抗グリコアルブミン抗体は、ポリクローナル
抗体又はモノクローナル抗体で、抗体分子のみでもよい
が、これらを酵素処理することにより得られるFab,
Fab’,(Fab’)2といった抗体活性フラグメン
トも使用できる。なお、色素をジヒドロキシボロン酸誘
導体を用いて使用する場合、抗体は糖を有するために、
あらかじめグルコペプチターゼ又はN−グリカーゼとい
った酵素で処理することにより、糖鎖を除去するか、前
記Fab,Fab’,(Fab’)2フラグメントを使
用することが望ましい。
【0036】ここで、『アルブミンを着色する』という
意味は、アルブミンの他にグリコアルブミンも染色する
ことであるので、一つの測定層の中で色素aと色素bの
両者を明確に区別するために、色素aと,グリコアルブ
ミンを着色する色素bが示す光学的特性とは、互いに異
なる必要がある。つまり、グリコヘモグロビンは色素a
と色素bの両者で着色されることになる。
意味は、アルブミンの他にグリコアルブミンも染色する
ことであるので、一つの測定層の中で色素aと色素bの
両者を明確に区別するために、色素aと,グリコアルブ
ミンを着色する色素bが示す光学的特性とは、互いに異
なる必要がある。つまり、グリコヘモグロビンは色素a
と色素bの両者で着色されることになる。
【0037】この試験具Aは層状構造物が一つであるた
め、層状構造物が二つの以下に示す試験具Bよりも構造
が簡単であり作製にかかるコストも少なく、検体の点着
も一度で済み、測定方法もそれだけ簡易となっている。
め、層状構造物が二つの以下に示す試験具Bよりも構造
が簡単であり作製にかかるコストも少なく、検体の点着
も一度で済み、測定方法もそれだけ簡易となっている。
【0038】(試験具B)図2は、支持体1の上に二個
の積層物(層状構造体)が設けられている形状であっ
て、本発明による試験具の一つの実施態様である態様2
の断面図である(以下試験具Bと呼称する)。試験具B
は、二個の貫通孔2,2’の上に、それぞれ順次、透明
層3,3’と、捕捉剤である抗アルブミン抗体又はイオ
ン交換物質を固定化した測定層4,4,と、展開層5,
5’と、アルブミンを着色する色素aを担持した試薬層
6とグリコアルブミンを着色する色素bを担持した試薬
層6’と、血球分離膜からなる血球分離層7,7’を積
層し、測定層4,4’の周囲に展開残液を吸収するため
の残液吸収層8,8’を設け、そしてさらにそれらの層
状構造体をカバー9で覆ったものである。カバー9に
は、試料を供給するための貫通孔が設けられている。本
試験具を使用すると、測定層4ではアルブミンとグリコ
アルブミンが着色しており、測定層4’ではグリコアル
ブミンのみが着色している。よって、アルブミン全量に
対するグリコアルブミンの比率が得られる。
の積層物(層状構造体)が設けられている形状であっ
て、本発明による試験具の一つの実施態様である態様2
の断面図である(以下試験具Bと呼称する)。試験具B
は、二個の貫通孔2,2’の上に、それぞれ順次、透明
層3,3’と、捕捉剤である抗アルブミン抗体又はイオ
ン交換物質を固定化した測定層4,4,と、展開層5,
5’と、アルブミンを着色する色素aを担持した試薬層
6とグリコアルブミンを着色する色素bを担持した試薬
層6’と、血球分離膜からなる血球分離層7,7’を積
層し、測定層4,4’の周囲に展開残液を吸収するため
の残液吸収層8,8’を設け、そしてさらにそれらの層
状構造体をカバー9で覆ったものである。カバー9に
は、試料を供給するための貫通孔が設けられている。本
試験具を使用すると、測定層4ではアルブミンとグリコ
アルブミンが着色しており、測定層4’ではグリコアル
ブミンのみが着色している。よって、アルブミン全量に
対するグリコアルブミンの比率が得られる。
【0039】ここで、各構成の材質は試験具Aと同じで
あるが、色素a,bは二つの測定層で両者を別々に観察
するため、互いに光学的に区別できなくとも、つまり互
いに同一の光学的特性を有する色素でも区別できるとい
う利点がある。この点が試験具Aと異なる。色素a,b
が抗体を介すると同時に、測定層での捕捉剤が抗体を含
む場合、それらの抗体は互いにエピトープが異なり、抗
原に対して同時に結合できるものでなければならない点
は試験具Aと同じである。
あるが、色素a,bは二つの測定層で両者を別々に観察
するため、互いに光学的に区別できなくとも、つまり互
いに同一の光学的特性を有する色素でも区別できるとい
う利点がある。この点が試験具Aと異なる。色素a,b
が抗体を介すると同時に、測定層での捕捉剤が抗体を含
む場合、それらの抗体は互いにエピトープが異なり、抗
原に対して同時に結合できるものでなければならない点
は試験具Aと同じである。
【0040】この試験具Bの別態様として、測定層4に
は抗アルブミン抗体又はイオン交換物質を固定化し、他
方の測定層4’には抗グリコアルブミン抗体又はジヒド
ロキシボロン酸誘導体を固定化しておいてもよい。する
と、測定層4にはアルブミンとグリコアルブミンが捕捉
され、測定層4’にはグリコアルブミンのみが捕捉され
るので、アルブミン全量に対するグリコアルブミンの比
率が得られる。この態様においても、色素aと色素bは
同じ種類又は同じ光学的特性を有する色素でも区別でき
る。
は抗アルブミン抗体又はイオン交換物質を固定化し、他
方の測定層4’には抗グリコアルブミン抗体又はジヒド
ロキシボロン酸誘導体を固定化しておいてもよい。する
と、測定層4にはアルブミンとグリコアルブミンが捕捉
され、測定層4’にはグリコアルブミンのみが捕捉され
るので、アルブミン全量に対するグリコアルブミンの比
率が得られる。この態様においても、色素aと色素bは
同じ種類又は同じ光学的特性を有する色素でも区別でき
る。
【0041】以上は本発明の実施態様の一部を例示した
ものであるが、本発明の技術思想は種々の変形を包括す
る。例えば、本発明の乾式試験片は支持体なしの場合、
あるいは展開膜の一部に支持体を使用する場合等、使用
目的に応じて、構成を変えることができる。
ものであるが、本発明の技術思想は種々の変形を包括す
る。例えば、本発明の乾式試験片は支持体なしの場合、
あるいは展開膜の一部に支持体を使用する場合等、使用
目的に応じて、構成を変えることができる。
【0042】
【発明の効果】本発明は上述の構成からなる構造体であ
るので、グリコアルブミンとアルブミンの測定を乾式試
験具で同時に行うという、斬新的で且つ実用性の高い技
術であると同時に、操作が簡易であり家庭用としても使
用可能な試験具である。
るので、グリコアルブミンとアルブミンの測定を乾式試
験具で同時に行うという、斬新的で且つ実用性の高い技
術であると同時に、操作が簡易であり家庭用としても使
用可能な試験具である。
【図1】は、本発明に関わる試験具Aを示した断面図で
ある。
ある。
【図2】は、本発明に関わる試験具Bを示した断面図で
ある。
ある。
1:支持体 2,2’:貫通孔 3,3’:透明層 4,4’:測定層 5,5’:展開層 6,6’:試薬層 7,7’:血球分離層 8,8’:残液吸収層 9:カバー
Claims (9)
- 【請求項1】 全体が液体を展開しうる材質で形成され
ており、展開液を用いて全血中のグリコアルブミン量を
測定するための乾式試験具であって、光学的測定を可能
にするための貫通孔または光透過性部分を有する支持体
上に、グリコアルブミンとアルブミンに結合する捕捉剤
を固定化した測定層が該貫通孔または光透過性部分を覆
うように積層されており、該測定層の上に展開層が積層
され、アルブミンを着色する色素とグリコアルブミンを
着色する色素とを担持する試薬層が該展開層の上に積層
され、血球分離膜からなる血球分離層が該試薬層の上に
積層されており、展開残液を吸収する残液吸収層が該測
定層の周囲を取り囲むようにして設けられており、アル
ブミンを着色する色素とグリコアルブミンを着色する色
素は互いに異なる光学的特性を有することを特徴とす
る、グリコアルブミン測定用乾式試験具。 - 【請求項2】 光学的特性が吸収波長か、又は蛍光強度
である、特許請求の範囲第1項に記載のグリコアルブミ
ン測定用乾式試験具。 - 【請求項3】 全体が液体を展開しうる材質で形成され
ており、展開液を用いて全血中のグリコアルブミン量を
測定するための乾式試験具であって、光学的測定を可能
にするための貫通孔または光透過性部分を二個有する支
持体上に、 アルブミンに結合する捕捉剤を固定化した測定層が該貫
通孔または光透過性部分の一個を覆うように積層されて
おり、該測定層の上に展開層が積層され、アルブミンを
着色する色素を担持する試薬層が該展開層の上に積層さ
れ、血球分離膜からなる血球分離層が該試薬層の上に積
層されており、展開残液を吸収する残液吸収層が該測定
層の周囲を取り囲むようにして設けられており、 他方、アルブミンに結合する捕捉剤を固定化した測定層
が該貫通孔または光透過性部分のもう一個を覆うように
積層されており、該測定層の上に展開層が積層され、グ
リコアルブミンを着色する色素を担持する試薬層が該展
開層の上に積層され、血球分離膜からなる血球分離層が
該試薬層の上に積層されており、展開残液を吸収する残
液吸収層が該測定層の周囲を取り囲むようにして設けら
れていることを特徴とする、グリコアルブミン測定用乾
式試験具。 - 【請求項4】 アルブミンを着色する色素は、抗アルブ
ミン抗体又はレセプター又はイオン交換物質又はそれら
の組み合わせを介してアルブミンと結合することにより
アルブミンを着色し、また、グリコアルブミンを着色す
る色素は、抗グリコアルブミン抗体又はイオン交換物質
又はジヒドロキシボロン酸誘導体又はそれらの組み合わ
せを介してグリコアルブミンと結合することによりグリ
コアルブミンを着色する、特許請求の範囲第1から3項
のいずれかに記載のグリコアルブミン測定用乾式試験
具。 - 【請求項5】 前記色素のうちアルブミンを着色する色
素は、直接にアルブミンを着色することもできる、特許
請求の範囲第4項に記載のグリコアルブミン測定用乾式
試験具。 - 【請求項6】 直接にアルブミンを着色する色素は、ブ
ロムクレゾールパープル,ブロムフェノールブルー,ブ
ロムクレゾールグリーン,チバクロンブルーF3G−A
のうちから選ばれる指示薬である、特許請求の範囲第5
項に記載のグリコアルブミン測定用乾式試験具。 - 【請求項7】 アルブミンと結合する捕捉剤が抗アルブ
ミン抗体又はイオン交換物質又はそれらの組み合わせか
ら選ばれる、特許請求の範囲第1から6項のいずれかに
記載のグリコアルブミン測定用乾式試験具。 - 【請求項8】 各層が積層された積層物は、液体を供給
するための一個の貫通孔を有するカバーで覆われてい
る、特許請求の範囲第1から7項のいずれかに記載のグ
リコアルブミン測定用乾式試験具。 - 【請求項9】 試薬層には血液変性剤をさらに含む、特
許請求の範囲第1から8項のいずれかに記載のグリコア
ルブミン測定用乾式試験具。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30810195A JPH09113514A (ja) | 1995-10-20 | 1995-10-20 | グリコアルブミン測定用乾式試験具 |
CN96121611.5A CN1165300A (zh) | 1995-10-18 | 1996-10-18 | 用于测定糖化白蛋白的干检验装置 |
EP96116778A EP0769697A1 (en) | 1995-10-18 | 1996-10-18 | Dry test apparatus for glycated albumin determination |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30810195A JPH09113514A (ja) | 1995-10-20 | 1995-10-20 | グリコアルブミン測定用乾式試験具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09113514A true JPH09113514A (ja) | 1997-05-02 |
Family
ID=17976885
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30810195A Pending JPH09113514A (ja) | 1995-10-18 | 1995-10-20 | グリコアルブミン測定用乾式試験具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09113514A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002224090A (ja) * | 2001-02-07 | 2002-08-13 | Tya:Kk | 体液成分の検査方法及びこれに用いる検査器具 |
JP2008005838A (ja) * | 2006-05-31 | 2008-01-17 | Wataru Sakamoto | 新規ペルオキシダーゼ検出用試薬組成物及びこれを用いた炎症疾患等の判定法および抗酸化活性測定法 |
WO2011083604A1 (ja) * | 2010-01-08 | 2011-07-14 | 田中貴金属工業株式会社 | イムノクロマトグラフィー用試薬組成物 |
-
1995
- 1995-10-20 JP JP30810195A patent/JPH09113514A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002224090A (ja) * | 2001-02-07 | 2002-08-13 | Tya:Kk | 体液成分の検査方法及びこれに用いる検査器具 |
JP4733838B2 (ja) * | 2001-02-07 | 2011-07-27 | 株式会社ティー・ワイ・エー | 体液成分の検査方法及びこれに用いる検査器具 |
JP2008005838A (ja) * | 2006-05-31 | 2008-01-17 | Wataru Sakamoto | 新規ペルオキシダーゼ検出用試薬組成物及びこれを用いた炎症疾患等の判定法および抗酸化活性測定法 |
WO2011083604A1 (ja) * | 2010-01-08 | 2011-07-14 | 田中貴金属工業株式会社 | イムノクロマトグラフィー用試薬組成物 |
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